特許第6047531号(P6047531)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6047531
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20161212BHJP
【FI】
   H02M3/00 C
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-184139(P2014-184139)
(22)【出願日】2014年9月10日
(65)【公開番号】特開2016-59177(P2016-59177A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2015年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】特許業務法人 共立
(72)【発明者】
【氏名】平野 勝靖
(72)【発明者】
【氏名】西村 知浩
(72)【発明者】
【氏名】小池 俊博
【審査官】 麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−024294(JP,A)
【文献】 特開2010−057244(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/095889(WO,A1)
【文献】 特開2005−231411(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0164717(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧と出力電圧が所定の関係を有し、入力電圧が変化すると出力電圧も変化する直流電源回路(10)と、
前記直流電源回路に接続され、前記直流電源回路の出力電圧が正常出力電圧範囲にある場合、前記直流電源回路が正常であると判定する判定回路(11)と、
を備えた電源装置において、
前記判定回路は、前記直流電源回路の出力電圧が前記正常出力電圧範囲を除いた範囲にあり、かつ、前記直流電源回路の入力電圧と出力電圧が前記所定の関係とは異なる関係を有している場合、前記直流電源回路が異常であると判定することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記直流電源回路は、入力電圧が低下すると出力電圧が低下し、入力電圧が上昇すると出力電圧が上昇することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記直流電源回路は、出力電圧を所定数倍した電圧から入力電圧を引いた差分電圧が所定の差分電圧範囲になるように入力電圧を変換して出力し、
前記判定回路は、前記直流電源回路の出力電圧が前記正常出力電圧範囲を除いた範囲にあり、かつ、前記直流電源回路の前記差分電圧が前記所定の差分電圧範囲を除いた範囲にある場合、前記直流電源回路が異常であると判定することを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記判定回路は、前記直流電源回路の出力電圧が前記正常出力電圧範囲より低圧側の領域及び高圧側の領域に設定された、前記直流電源が正常な場合には出力されることがない異常出力電圧範囲にある場合、前記直流電源回路が異常であると判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項5】
前記判定回路は、前記直流電源回路が異常であると判定した場合、前記直流電源回路を再起動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項6】
前記判定回路は、所定回数連続して前記直流電源回路が異常であると判定した場合、前記直流電源回路が故障していると判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項7】
車両に搭載され、乗員を検知するための乗員検知センサ(S1)に電圧を供給することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自らの動作状態を判定することができる電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電源装置を備えた装置として、例えば以下に示す特許文献1に開示されている乗員検知ECUがある。
【0003】
この乗員検知ECUは、車両に搭載され、車室内のシートに設置された荷重センサの検出結果に基づいて、車両の乗員の状態を判定する装置である。乗員検知ECUは、5V電源と、CPUとを備えている。5V電源は、車両バッテリから供給される電圧を変換して荷重センサ及びCPUに供給する回路である。CPUは、荷重センサの検出結果に基づいて車両の乗員の状態を判定する素子である。5V電源が異常状態になると、荷重センサやCPUが正常に動作できなくなってしまう。そのため、一般的に、CPUが5V電源の出力電圧を監視し、その出力電圧に基づいて5V電源の動作状態を判定している。例えば、5V電源の出力電圧が正常出力電圧範囲にある場合、CPUは、5V電源が正常であると判定する。一方、5V電源の出力電圧が正常出力電圧範囲を除いた範囲にある場合、CPUは、5V電源が異常であると判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−231411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両バッテリは、充電状態や負荷状態によって電圧が変化する。5V電源が安定化電源である場合、車両バッテリから供給される入力電圧が変化しても、出力電圧は変化することなく一定値に保たれる。そのため、5V電源が正常であれば、出力電圧は正常出力電圧範囲に保たれ、5V電源が異常であると判定されることはない。しかし、5V電源が安定化電源でない場合、車両バッテリから供給される入力電圧が変化すると出力電圧も変化してしまう。その結果、5V電源が正常であるにも係わらず、出力電圧が正常出力電圧範囲を除いた範囲になってしまい、5V電源が異常であると誤判定される可能性がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、自らの動作状態の判定において誤判定を抑えることができる電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明は、入力電圧と出力電圧が所定の関係を有し、入力電圧が変化すると出力電圧も変化する直流電源回路と、直流電源回路に接続され、直流電源回路の出力電圧が正常出力電圧範囲にある場合、直流電源回路が正常であると判定する判定回路と、を備えた電源装置において、判定回路は、直流電源回路の出力電圧が正常出力電圧範囲を除いた範囲にあり、かつ、直流電源回路の入力電圧と出力電圧が所定の関係とは異なる関係を有している場合、直流電源回路が異常であると判定することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、直流電源回路は、入力電圧が変化すると出力電圧も変化する。そのため、直流電源回路が正常であるにも係わらず、出力電圧が正常出力電圧範囲を除いた範囲になることがある。しかし、直流電源回路は、入力電圧と出力電圧が所定の関係を有している。直流電源回路の出力電圧が正常出力電圧範囲を除いた範囲にある場合、判定回路は、直流電源回路の入力電圧と出力電圧が所定の関係とは異なる関係を有している場合に、直流電源回路が異常であると判定する。そのため、直流電源回路が正常であるにも係わらず、異常であると誤判定されることはない。従って、自らの動作状態の判定において誤判定を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態における装置のブロック図である。
図2図1における装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図3図1における装置の判定ロジックを説明するための説明図である。
図4図1における装置の判定ロジックを説明するための別の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
【0011】
(第1実施形態)
まず、図1を参照して第1実施形態の電源装置の構成について説明する。
【0012】
図1に示す電源装置1は、車両に搭載され、車載バッテリB1から供給される電圧を変換して乗員検知センサS1に供給する装置である。ここで、車載バッテリB1は、車両に搭載された様々な電子装置に電圧を供給する電源である。車載バッテリB1の正極端は電源装置1に接続され、負極端は接地されている。乗員検知センサS1は、車両の乗員を検知するセンサである。具体的には、荷重センサである。乗員検知センサS1は、車室内のシートに設置され、電源装置1に接続されている。電源装置1は、直流電源回路10と、判定回路11とを備えている。
【0013】
直流電源回路10は、車載バッテリB1から供給される電圧を変換して乗員検知センサS1に供給する回路である。直流電源回路10は、入力電圧Vinと出力電圧Voutが所定の関係を有し、入力電圧Vinが変化すると出力電圧Voutも変化する。具体的には、入力電圧Vinが低下すると出力電圧Voutが低下し、入力電圧Vinが上昇すると出力電圧Voutが上昇する。より具体的には、出力電圧Voutを電圧変換倍率K(所定数、K>0)倍した電圧から入力電圧Vinを引いた差分電圧ΔVが、所定の差分電圧範囲(ΔVmin〜ΔVmax)になるように入力電圧Vinを変換して出力する。ここで、ΔVminは、差分電圧範囲の下限閾値であり、差分電圧範囲には含まない。ΔVmaxは、差分電圧範囲の上限閾値であり、差分電圧範囲には含まない。直流電源回路10は、必要に応じて判定回路11によって再起動される。
【0014】
直流電源回路10の入力端は車載バッテリB1の正極端に、出力端は乗員検知センサS1にそれぞれ接続されている。また、制御端は判定回路11に接続されている。
【0015】
判定回路11は、直流電源回路10の入出力電圧Vin、Voutに基づいて、直流電源回路10が正常であるか否か、故障しているか否かを判定する回路である。また、判定結果に基づき直流電源回路10を再起動する回路でもある。
【0016】
判定回路11は、直流電源回路10の出力電圧Voutが正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)にある場合、直流電源回路10が正常であると判定する。ここで、正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)は、直流電源回路10が正常な場合に出力可能な電圧範囲に設定されている。Vminは、正常出力電圧範囲の下限閾値であり、正常出力電圧範囲には含まない。Vmaxは、正常出力電圧範囲の上限閾値であり、正常出力電圧範囲には含まない。
【0017】
また、判定回路11は、直流電源回路10の出力電圧Voutが正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)を除いた範囲にあり、かつ、直流電源回路10の入力電圧Vinと出力電圧Voutが前述した所定の関係とは異なる関係を有している場合、直流電源回路10が異常であると判定する。具体的には、直流電源回路10の出力電圧Voutが正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)を除いた範囲にあり、かつ、直流電源回路10の差分電圧ΔVが差分電圧範囲(ΔVmin〜ΔVmax)を除いた範囲にある場合、直流電源回路10が異常であると判定する。
【0018】
さらに、判定回路11は、直流電源回路10の出力電圧Voutが正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)より低圧側の領域及び高圧側の領域に設定された異常出力電圧範囲(〜Vlmax)、(Vhmin〜)にある場合、直流電源回路10が異常であると判定する。ここで、異常出力電圧範囲(〜Vlmax)は、直流電源回路10が正常な場合には出力されることのない、正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)より低圧側の領域の電圧範囲に設定されている。また、異常出力電圧範囲(Vhmin〜)は、直流電源回路10が正常な場合には出力されることのない、正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)より高圧側の領域の電圧範囲に設定されている。Vlmaxは、低圧側の異常出力電圧範囲の上限閾値であり、異常出力電圧範囲に含む。Vhminは、高圧側の異常出力電圧範囲の下限閾値であり、異常出力電圧範囲に含む。
【0019】
判定回路11は、直流電源回路10が異常であると判定した場合、直流電源回路10を再起動させる。そして、所定回数連続して直流電源回路10が異常であると判定した場合、直流電源回路10が故障していると判定する。具体的には、連続再起動回数が再起動閾値Nになった場合、直流電源回路10が故障していると判定する。ここで、再起動閾値Nは、直流電源回路10の異常が一時的なものでないと判断できる回数に設定されている。
【0020】
判定回路11は、直流電源回路10の入力端及び出力端に接続されている。また、直流電源回路10の制御端に接続されている。
【0021】
次に、図1図4を参照して第1実施形態の電源装置の動作について説明する。
【0022】
図1に示す判定回路11は、図2に示すように、直流電源回路10の入出力電圧Vin、Voutをサンプリングする(S100)。そして、サンプリングした直流電源回路10の入出力電圧Vin、Voutと、図3に示す判定ロジックに基づいて直流電源回路10の状態を判定する(S101)。
【0023】
図3に示すように、直流電源回路10の出力電圧Voutが正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)にある場合、判定回路11は、直流電源回路10が正常であると判定する。具体的には、図4に示すように、直流電源回路10の出力電圧Voutが正常出力電圧の下限閾値Vminより大きく、かつ、正常出力電圧の上限閾値Vmaxより小さい場合、直流電源回路10が正常であると判定する。
【0024】
一方、図3に示すように、直流電源回路10の出力電圧Voutが正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)を除いた範囲にあり、かつ、直流電源回路10の差分電圧ΔVが差分電圧範囲(ΔVmin〜ΔVmax)を除いた範囲にある場合、判定回路11は、直流電源回路10が異常であると判定する。具体的には、図4に示すように、直流電源回路10の出力電圧Voutが正常出力電圧の下限閾値Vmin以下、かつ、直流電源回路10の差分電圧ΔVが差分電圧範囲の下限閾値ΔVmin以下又は差分電圧範囲の上限閾値ΔVmax以上である場合、直流電源回路10が異常であると判定する。また、直流電源回路10の出力電圧Voutが正常出力電圧の上限閾値Vmax以上、かつ、直流電源回路10の差分電圧ΔVが差分電圧範囲の下限閾値ΔVmin以下又は差分電圧範囲の上限閾値ΔVmax以上である場合、直流電源回路10が異常であると判定する。
【0025】
さらに、図3に示すように、直流電源回路10の出力電圧Voutが正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)より低圧側の領域及び高圧側の領域に設定された異常出力電圧範囲(〜Vlmax)、(Vhmin〜)にある場合、判定回路11は、直流電源回路10が異常であると判定する。具体的には、図4に示すように、直流電源回路10の出力電圧Voutが低圧側の異常出力電圧範囲の上限閾値Vlmax以下、又は、高圧側の異常出力電圧範囲の下限閾値Vhmin以上である場合、直流電源回路10が異常であると判定する。
【0026】
さらに、前述した状態以外の場合、判定回路11は、直流電源回路10が不定状態であると判定する。
【0027】
図2に示すステップS101において、直流電源回路10が正常であると判定した場合、判定回路11は、最終的に、直流電源回路10が正常であると判定する(S102)。
【0028】
一方、ステップS101において、直流電源回路10が異常であると判定した場合、判定回路11は、直流電源回路10の連続再起動回数が再起動閾値Nに達したか否かを判定する(S103)。
【0029】
ステップS103において、直流電源回路10の連続再起動回数が再起動閾値Nに達していないと判定した場合、判定回路11は、直流電源回路10を再起動する(S104)。そして、ステップS100に戻る。
【0030】
一方、ステップS103において、直流電源回路10の連続再起動回数が再起動閾値Nに達している判定した場合、判定回路11は、最終的に、直流電源回路10が故障していると判定する(S105)。つまり、N回連続して直流電源回路10が異常であると判定した場合、直流電源回路10が故障していると判定する。
【0031】
一方、ステップS101において、直流電源回路10が不定状態であると判定した場合、判定回路11は、所定時間、直流電源回路10の復帰を待つ(S106)。そして、ステップS100に戻る。
【0032】
次に、第1実施形態の電源装置の効果について説明する。
【0033】
第1実施形態によれば、直流電源回路10は、入力電圧Vinが変化すると出力電圧Voutも変化する。そのため、直流電源回路10が正常であるにも係わらず、出力電圧Voutが正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)を除いた範囲になることがある。しかし、直流電源回路10は、入力電圧Vinと出力電圧Voutが所定の関係を有している。直流電源回路10の出力電圧Voutが正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)を除いた範囲にある場合、判定回路11は、直流電源回路10の入力電圧Vinと出力電圧Voutが所定の関係とは異なる関係を有している場合に、直流電源回路10が異常であると判定する。そのため、直流電源回路10が正常であるにも係わらず、異常であると誤判定されることはない。従って、自らの動作状態の判定において誤判定を抑えることができる。
【0034】
第1実施形態によれば、直流電源回路10は、入力電圧Vinが低下すると出力電圧Voutが低下し、入力電圧Vinが上昇すると出力電圧Voutが上昇する。そのため、直流電源回路10が正常であるにも係わらず、出力電圧Voutが正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)を除いた範囲になることがある。このような場合においても、自らの動作状態の判定において誤判定を抑えることができる。
【0035】
第1実施形態によれば、直流電源回路10は、出力電圧Voutを電圧変換率K倍した電圧から入力電圧Vinを引いた差分電圧ΔVが所定の差分電圧範囲(ΔVmin〜ΔVmax)になるように入力電圧を変換して出力する。直流電源回路10の出力電圧Voutが正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)を除いた範囲にある場合、判定回路11は、直流電源回路10の差分電圧ΔVが差分電圧範囲(ΔVmin〜ΔVmax)を除いた範囲にある場合に、直流電源回路10が異常であると判定する。そのため、直流電源回路10が正常であるにも係わらず、異常であると誤判定されることはない。従って、自らの動作状態の判定において誤判定を確実に抑えることができる。
【0036】
第1実施形態によれば、判定回路11は、直流電源回路の出力電圧Voutが正常出力電圧範囲(Vmin〜Vmax)より低圧側の領域及び高圧側の領域に設定された異常出力電圧範囲(〜Vlmax)、(Vhmin〜)にある場合、直流電源回路10が異常であると判定する。ここで、異常出力電圧範囲(〜Vlmax)、(Vhmin〜)は、直流電源回路10が正常な場合には出力されることのない電圧範囲に設定されている。そのため、直流電源回路10の明らかな異常を確実に判定することができる。
【0037】
第1実施形態によれば、判定回路11は、直流電源回路10が異常であると判定した場合、直流電源回路10を再起動させる。そのため、直流電源回路10の異常が一時的なものであった場合、直流電源回路10を復帰させることができる。従って、乗員検知センサS1への電圧供給が頻繁に停止するような事態を抑えることができる。
【0038】
第1実施形態によれば、判定回路11は、N回連続して直流電源回路10が異常であると判定した場合、直流電源回路10が故障していると判定する。そのため、直流電源回路10が一時的な異常でなく、故障していると確実に判定することができる。
【0039】
第1実施形態によれば、電源装置1は、乗員を検知するための乗員検知センサS1に電圧を供給する。そのため、乗員検知システムを構成する電源装置の動作状態の判定において、誤判定を抑えることができる。
【0040】
なお、第1実施形態では、直流電源回路10の入力電圧Vinと出力電圧Voutの関係が、差分電圧ΔVが差分電圧範囲(ΔVmin〜ΔVmax)になるような関係である例を挙げているが、これに限られるものではない。直流電源回路10の入力電圧Vinと出力電圧Voutの関係は、これ以外の関係であってもよい。直流電源回路10の入力電圧Vinと出力電圧Voutが所定の関係を有し、判定回路11がその所定の関係に基づいて直流電源回路10の状態を判定すればよい。
【符号の説明】
【0041】
1・・・電源装置、10・・・直流電源回路、11・・・判定回路、B1・・・車載バッテリ、S1・・・乗員検知センサ
図1
図2
図3
図4