【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、経糸システムおよび/または緯糸システムにおける各糸の密度がバンデージの縦方向で変化しており、それにより、隣接する領域とは異なる経糸密度および/または緯糸密度を有しているバンデージの少なくとも1つの領域が縦方向に存在するようになっている圧迫包帯によって、この課題を解決する。
【0008】
本件の構成により、長さ全体にわたって同一の特性を有する、圧迫療法で通常用いられている包帯と比べて、巻き付けられる領域のそれぞれ異なる幾何学形態、適用挙動、および圧迫作用から生じる相違が臨機応変に考慮される。たとえば、縦方向で連続する少なくとも2つの領域で経糸ないし緯糸の相違する密度を設けることによって、さまざまに異なる足領域に合わせて適合化された特性を縦方向に有する包帯を製作することができる。このようにして、圧迫包帯の適用挙動と作用を改善することができる。
【0009】
このとき経糸密度および/または緯糸密度の変化を通じて、包帯またはバンデージの単位面積あたり重量、ならびに伸長能力と圧迫力を調整することができ、その場合、包帯全体にわたって最低圧迫力が確保されるように保たれることが意図されていてよい。
【0010】
特に、前述した3つのパラメータに関して、包帯の長さにわたって包帯の特性を可変に調整可能、かつ個別に適合化可能である。それにより、改善された適用挙動を実現することができ、巻き付けられるべき四肢の長さにわたって圧迫圧力を部分的に調整することができる。その際には、四肢の計測に基づいて、包帯をそれぞれの患者について個別に適合化することが考えられる。
【0011】
このとき、経糸システムまたは緯糸システムにおける経糸および/または緯糸の本数を変えることで経糸密度または緯糸密度を変え、すなわち、バンデージ幅ないしバンデージ長の1センチメートルあたりの糸の本数を変えることが意図される。
【0012】
さらに、経糸は弾性的に構成されているが、緯糸は非弾性的に構成されていることが意図されていてよい。別案として、経糸と緯糸が両方とも弾性的であってもよく、それにより、縦方向でも横方向でも曲げ弾性的な包帯が製作される。このとき、弾性的な糸は木綿弾性糸であるのが特別に好ましく、特に、木綿クレープ糸を利用することができる。
【0013】
バンデージないし包帯の伸長性は、緯糸密度を通じて、ないしは緯糸ヤーンの太さを通じて、ある程度の範囲内で制御、計算することができる。
【0014】
強撚された木綿ヤーンないし木綿より糸によって、希望どおりの伸長性と圧迫力を調整することが可能である。好ましくは木綿からなる強撚されたより糸またはヤーンは、水や界面活性剤での処理によって縮み、それにより弾性化されることによって、余剰のエネルギーを織物に放出する。
【0015】
木綿弾性クレープ糸は、圧迫包帯の有効性に顕著な影響を及ぼす。特に木綿弾性クレープ糸は、その繊維構成と繊維構造に基づき、希望どおりの作業圧力で、静止圧力が低い完成品包帯をもたらす。
【0016】
これに加えて、永久弾性的または永続弾性的な材料も、その他の種類のヤーンおよび/またはファイバとの組み合わせで採用することができる。たとえば、一例としてPaul Hartmann AG社(ハイデンハイム、ドイツ)の包帯”Lastodur straff”のように、従来技術ですでに永続弾性的な高伸縮性包帯や永久弾性的な包帯で利用されている、繊維化された熱可塑性の材料を利用することができる。
【0017】
ここで経糸とは、包帯の縦方向に延びる糸のことを意味しており、緯糸とは、これに対して横方向に延びる糸である。
【0018】
ここでは「包帯」および「バンデージ」という用語は、定義上、同義語として用いることとする。
【0019】
このとき、縦方向に隣接する2つの領域の経糸密度は、同じ緯糸密度で、それぞれ異なっていると特別に好ましい。別案として、これと逆の実施形態が意図されていてもよく、すなわち、縦方向で隣接する2つの領域の緯糸密度は、同じ経糸密度で、それぞれ異なっている。緯糸密度を追加的に変えることで、圧迫圧力をいっそう希望に合わせて調整するために伸長を制御することが可能である。しかしながら一般的には、特に包帯の異なる領域および/または同じ領域で、経糸密度と緯糸密度を両方とも変えることができる。
【0020】
縦弾性的な包帯での経糸領域における稠密化によって、圧迫力の向上が実現される。このことは、たとえばくるぶしの領域やふくらはぎの下側領域で望ましい。稠密化は飛躍的に行われるのではないので、経糸密度に関して変更された織り方をするだけで、遠位から近位にかけての圧迫力低減が実現される。それと同時に緯糸密度を下げれば伸長性が高くなり、緯糸密度を上げれば伸長性が低くなる。
【0021】
さらに、異なる糸密度の各領域がそれぞれ幅方向に異なる長さを有していると、特別に好ましい場合がある。このとき、たとえば特に経糸密度が低い領域は、経糸密度が高い領域よりも広い幅を有していてよい。このようにして、たとえば経糸の糸数は同じままで、密度を変えることができる。
【0022】
これに加えて圧迫包帯はさらに別の層を有していてよく、特に、特に粘着性のコーティングの形態で包帯材料の織物に塗布される粘着性の層が設けられていてよい。このとき粘着性のコーティングは、接着性の性質であっても純粋に凝集性の性質であってもよく、すなわち、装着者の皮膚や毛ならびに衣服にではなく、それ自体に付着するように構成されているだけでもよい。
【0023】
特に、経糸密度ないし緯糸密度が異なる2つを超える領域が設けられていることが意図される。特に、経糸密度および/または緯糸密度の低い2つの領域が、経糸密度および/または緯糸密度の高い1つの領域を縦方向にそれぞれの間で囲んでいることが意図されていてよい。このとき、糸密度の変更と同時に、幅方向における包帯の長さの変更も行われることが意図される場合には、この包帯は、糸密度が一定の領域の内部で、互いに横方向で向かい合う縦エッジが実質的に平行に構成され、1つの糸密度から次の糸密度への移行領域でのみ縮小または拡大が生じるように構成されていてよく、それにより、圧迫包帯の台形の領域が生じることになる。
【0024】
1つの特別に好ましい実施形態の要諦は、幅と圧迫圧力が交代する低伸縮性包帯にあり、この場合、経糸密度および/または緯糸密度の低い領域が、縦方向に設けられた包帯の各端部領域の領域にそれぞれ設けられるとともに、これらの間に経糸密度および/または緯糸密度の高い領域が設けられる。このとき、経糸密度がそれぞれ異なる各領域は、緯糸密度がそれぞれ異なる各領域と合同であってよいが、互いに一致しなくてもよく、もしくは部分的にのみ一致してもよい。
【0025】
さらに、経糸密度の低い領域の経糸密度は、経糸密度の高い領域の経糸密度に対して4:5の比率を有していてよく、特に、10cmにつき170本から220本の糸、特に10cmにつき172本から192本の糸を有していてよい。
【0026】
緯糸密度の低い領域の緯糸密度は、緯糸密度の高い領域の緯糸密度に対して0.8:1.2の比率を有していてよく、特に、10cmにつき130本から180本の糸、特に10cmにつき140本から150本の糸を有していてよい。
【0027】
最後に、圧迫包帯は平坦な帯状材料の少なくとも1つの側にコーティング、特に凝集性または接着性のコーティングを有することが意図されているのが好ましい。
【0028】
このとき、このような低伸縮性バンデージは次のように構成されていてよい。
【0029】
例1:変化する経糸密度
縦方向におけるバンデージの区域1および区域3
材料:木綿クレープ糸、25tex×2T/N 約2000S+Z
経糸の本数:86本−S+86本−Z
経糸の繰返しパターン:2S−2Z
1cmあたりの経糸密度 :17.2
包帯幅:10cm
50%の伸びと2層の巻回のときの圧迫圧力:27mmHg
脚の直径:12cm
【0030】
縦方向におけるバンデージの区域2(区域1と3の間)
材料:木綿クレープ糸、25tex×2T/N 約2000S+Z
経糸の本数:86本−S+86本−Z
経糸の繰返しパターン:2S−2Z
1cmあたりの経糸密度:21.5
包帯幅:8cm
50%の伸びと2層の巻回のときの圧迫圧力
脚の直径:12cm
圧迫圧力:34mmHg
区域1と区域3における包帯の長さ:伸長時約3m
区域2における包帯の長さ:伸長時約2m
【0031】
例2:包帯の縦方向で変化する緯糸密度
縦方向のすべて領域について:
包帯幅:10cm
材料:太さ36texの木綿糸、一重
区域1および3における緯糸密度(緯糸密度変化の前後):10cmにつき146本
50%の伸びと2層の巻回、および12cmの脚直径のときの圧迫圧力:27mmHg
区域2における緯糸密度(緯糸密度の変化中、区域1と3の間):10cmにつき180本
50%の伸びと2層の巻回、および12cmの脚直径のときの圧迫圧力:33mmHg
【0032】
例3:1つの領域で経糸密度と緯糸密度が変化
すべての長さ領域について:
経糸の材料:木綿クレープ糸、25tex×2T/N 約2000S+Z
緯糸の材料:木綿糸 36tex×1
経糸の繰返パターン:86本S+86本Z
長さ領域の区域1および区域3(経糸密度と緯糸密度の変化の前後、包帯の縦方向):
包帯幅 10cm
経糸密度:10cmにつき172本
緯糸密度:10cmにつき146本
50%の伸びと2層の巻回、および12cmの脚直径のときの圧迫圧力:27mmHg
長さ領域の区域2(経糸密度と緯糸密度とが変化し、区域1と3の間):
包帯幅8cm
経糸密度 10cmにつき215本
緯糸密度 10cmにつき180本
50%の伸びと2層の巻回、および12cmの脚直径のときの圧迫圧力:41mmHg
【0033】
このような種類の包帯を、定義されたおさ幅とおさ密度とを有する電子制御式の製織機械で織る。装填と製作はエンドレスベルトで連続式に行う。このような種類の圧迫バンデージの好ましい実施形態に関して上に掲げた指定事項を見ると、包帯幅を変えることで1cmあたりの経糸本数を調整することによって、圧迫圧力をどのように変えることができるかを理解することができる。この包帯を用いて生成可能な圧迫圧力は、Kikuhime社の圧力測定器を用いて、静止している人間の脚で静止圧力として生体で計測することができる。その際には、圧力測定器の圧力センサを、巻き付けられた包帯と皮膚の間でアキレス腱からヒラメ筋への移行部(規格RAL GZ387に定める測定点B1に相当)に配置し、2本の包帯を回して巻きながら、巻き付け完了後に4つの層が圧力センサの上に位置するように相上下して巻き付ける。
【0034】
次に、図面を参照しながら本発明について詳しく説明する。図面は次のとおりである: