【文献】
Raymond J. Bergeron, et al.,J. Med. Chem.,1998年,41(20),3888-3900
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
特に断わらない限り、数値の範囲、例えば「2〜10」は、その範囲を規定する数(例えば2と10)を含む。
【0009】
本明細書では、「アルキル」は、指定された数の炭素原子を有する直鎖と分岐鎖の脂肪族基が含まれる。好ましいアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は、任意に、アリール(好ましくはフェニル)及びC
3〜C
12のシクロアルキルの中から独立に選択された1個、2個又は3個の置換基、好ましくは1個又は2個の置換基、より好ましくは1個の置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、アルキル基は置換されていない。
【0010】
「シクロアルキル」という用語は、指定された数の炭素原子の環を有する飽和した環式炭化水素基及び部分的に不飽和の環式炭化水素基を意味する。シクロアルキルは、3〜8個の炭素原子を含むことが好ましく、3〜7個の炭素原子を含むことがより好ましい。好ましいシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチルが挙げられるが、これらに限定されない。特に断わらない限り、シクロアルキル基は、任意に、アリール(好ましくはフェニル)及びC
1〜C
6のアルキルの中から独立に選択された1個、2個又は3個の置換基、好ましくは1個又は2個の置換基、より好ましくは1個の置換基で置換されている。好ましい置換基はC
1〜C
6のアルキルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは置換されていない。
【0011】
「アリール」基は、1〜3個の芳香族環を含むC
6〜C
12の芳香族部分である。アリール基は、C
6〜C
10のアリール基であることが好ましい。好ましいアリールとしては、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオレニルが挙げられるが、これらに限定されない。より好ましいのはフェニルとナフチルである。
【0012】
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素、硫黄の中から選択した少なくとも1個のヘテロ原子を含む芳香族系を意味する。ヘテロアリール環は、ヘテロアリール環、芳香族炭化水素環、非芳香族炭化水素環、ヘテロシクロアルキル環のいずれかの1個以上と縮合又は別の方法で結合していてもよい。ヘテロアリール基の例としては、ピリジンとフランが挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
本発明のデンドリマーは、少なくとも2個の末端残基を含むコアを含む。このコアは、デンドリマー層の最も内側の世代が前記末端残基を介して結合する核として機能する。前記コアの具体的な構造は本発明にとって重要ではなく、様々な材料を適宜用いることができる。前記コアの非限定的な例としては、例えば、脂環式化合物又は脂肪族非環式化合物;アリール化合物;N原子、O原子及び/又はS原子を含む複素環化合物;N原子、O原子及び/又は原子を含むヘテロアリール化合物;の残基、又はそのような残基の組み合わせが可能であり、或いはコアとして、多数(例えば、10個以上)の末端残基を含む機能化ポリマーが可能である。いくつかの実施形態では、コアは、C
1〜C
10のアルキル、C
2〜C
8のアルキル、C
3〜C
6のアルキル、n−ヘキシルといった脂肪族非環式残基である。
【0014】
コアは、少なくとも2個の末端残基を含み、その末端残基は、上述のようにコアをデンドリマー層の最も内側の世代に接続している。いくつかの実施形態では、コアは、2〜6個、2〜5個、2〜4個、2〜3個、又は2個の末端残基を含む。いくつかの実施形態では、末端残基は、アミン残基、ヒドロキシル残基、チオール残基、又はこれらの2個以上の組み合わせである。アミン残基が好ましい。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態では、コアが2個のアミン残基を含む脂肪族非環式残基であるとき、デンドリマーは、少なくとも2つの世代を含む。
【0016】
デンドリマーは、コアから径方向に放射する第1〜第8の世代又は層をなす分子を含む。デンドリマーが2つ以上の世代を含む場合には、コアと最も外側の層に挟まれた世代を、本明細書では内側世代と呼ぶ。そのうちで(末端残基を介して)コアに接続された世代を、最内側世代と呼ぶ。最も外側の世代は、外側層と呼ぶ。したがって、本発明のデンドリマーは第1〜第8世代を含み、そのうちの第0〜第7世代はコアから径方向に放射する内側世代であり、1つが外側層である。
【0017】
それぞれの内側世代は、存在している場合、2個以上の分子単位を含み、そのそれぞれが、独立に式(A):
【化6】
を有する。
【0018】
いくつかの実施形態では、式(A)のR
1とR
2のうちの一方は水素であり、他方は、C
1〜C
10のアルキル、C
1〜C
6のアルキル、C
1〜C
3のアルキル、エチル、メチルのいずれかである。
【0019】
いくつかの実施形態では、R
1とR
2は、両方とも水素であるか、両方ともC
1〜C
10のアルキルである。さらに別の実施形態では、R
1とR
2は、両方とも、C
1〜C
6のアルキル、C
1〜C
3のアルキル、エチル、メチルのいずれかである。
【0020】
いくつかの実施形態では、R
1とR
2は、これらが結合する炭素と共にC
3〜C
12のシクロアルキル環を形成する。さらに別の実施形態では、R
1とR
2は、これらが結合する炭素と共にシクロヘキシル環を形成する。
【0021】
いくつかの実施形態では、R
3はHである。
【0022】
いくつかの実施形態では、デンドリマーは、内側世代を0個、1個、2個、3個、4個、5個、6個、又は7個含む。いくつかの実施形態では、デンドリマーは、1〜7の内側世代を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、特定の1つの内側世代に含まれる式(A)のすべての分子単位が同じ化学構造を有する。いくつかの実施形態では、すべての内側世代の式(A)のすべての分子単位が同じ化学構造を有する。
【0024】
いくつかの実施形態では、特定の1つの内側世代に含まれる式(A)の2個以上の分子単位、又は異なる内側世代間に含まれる式(A)の2個以上の分子単位は、異なる化学構造を有する。例えば、同じ内側世代又は異なる内側世代において、1個の分子中のR
3は、別の式(A)の1個以上の分子中のR
3とは異なっている。
【0025】
いくつかの実施形態では、デンドリマーは世代を1つ含む。そうすると、デンドリマーに含まれる内側世代は0(ゼロ)である。
【0026】
デンドリマーは、最も外側の内側世代に結合した、又は内側層が存在しない場合は、末端残基を介してコアに結合した外側層を含む。外側層は、式(B):
【化7】
を独立に有する2個以上の分子単位を含む。但し、R
1、R
2、R
3は、式(A)における定義と同じであり、R
4とR
5は、それぞれがHであるか、R
4とR
5は、これらが結合する窒素と共にNO
2基を形成する。
【0027】
いくつかの実施形態では、R
4とR
5は、それぞれHである。
【0028】
いくつかの実施形態では、R
4、R
5と、これらが結合する窒素とでNO
2基を形成する。
【0029】
いくつかの実施形態では、外側層に含まれる式(B)のすべての分子単位は、同じ化学構造を有する。いくつかの実施形態では、式(B)のすべての分子単位のR
1、R
2、R
3は、デンドリマーに内側世代が存在する場合のすべての内側世代のR
1、R
2、R
3と同じである。
【0030】
いくつかの実施形態では、外側層に含まれる式(B)の2個以上の分子単位は、異なる化学構造を有する。例えば、1個の分子中のR
3は、式(B)の別の1個以上の分子中のR
3とは異なっている。いくつかの実施形態では、式(B)の1個以上の分子単位は、R
1、R
2及び/又はR
3が、式(A)の1個以上の分子単位とは異なっている(内側世代がデンドリマーに存在する場合)。
【0031】
いくつかの実施形態では、コアがデンドリマーに由来するとき、コアは、式(A)及び/又は式(B)の少なくとも5個の分子単位を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、デンドリマーは、式(C):
【化8】
で表わすことができる。但し、mは2〜12の整数であり、R
1とR
2は、独立にHであるか、又はR
1とR
2は、これらが結合する炭素と共に任意にC
1〜C
6のアルキルで置換されたC
3〜C
12のシクロアルキルを形成し、また、R
4とR
5は、それぞれHであるか、又はR
4とR
5は、これらが結合する窒素と共にNO
2基を形成する。
【0033】
式(C)のいくつかの実施形態では、存在するすべてのR
1、R
2がHである。
【0034】
式(C)のいくつかの実施形態では、存在するすべてのR
1がHであり、存在するすべてのR
2が、C
1〜C
6のアルキル、C
1〜C
3のアルキル、エチル、メチルのいずれかである。
【0035】
式(C)のいくつかの実施形態では、存在するすべてのR
1、R
2が、これらが結合する炭素と共にシクロヘキシル環を形成する。式(C)のいくつかの実施形態では、mは6である。
【0036】
本発明のデンドリマーの例としては、以下の表1に示したものが挙げられる。
【0037】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0038】
デンドリマーは、多価の有機分子をニトロアルキルオキシラン化合物と反応させることによって調製できる。多価の有機分子は、ニトロアルキルオキシラン化合物のオキシラン環との反応が可能な2個以上の官能基に接続されたコアを含む。いくつかの実施形態では、末端官能基として、アミン、ヒドロキシル、チオール又はこれらの2個以上の組み合わせが可能である。
【0039】
多価の有機分子の構造は、本発明にとって重要ではなく、多価の有機分子として、エポキシドと反応できる、ポリマーを含む任意の化合物が可能である。多彩な材料を適宜用いることができる。多価の有機分子の非限定的な例としては、例えば、脂環式化合物又は脂肪族の非環式化合物、アリール化合物、N原子、O原子及び/又はS原子を含む複素環化合物、或いはこのような基の組み合わせを含む化合物、又はポリマーが可能であり、それぞれが2個以上の官能基をさらに含む。
【0040】
別の非限定的な例としては、エチレンジアミン、アンモニア、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、ジェフアミン(Jeffamines)(Huntsman Chemicals社)、フェノール、ビスフェノール−A、メチレン−ビスフェノール、トリ−(ヒドロキシメチル)メタン、トリス(アミノエチル)アミン、ペンタエリトリトール、例えばシステインやリジン等のアミノ酸、例えばポリリジンやポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のポリマーなどが挙げられる。
【0041】
いくつかの好ましい実施形態では、多価の有機分子は、脂肪族非環式化合物、すなわち2〜4個、好ましくは2個の末端官能基で置換されたC
1〜C
10のアルキル、C
1〜C
6のアルキル、C
1〜C
3のアルキルである。
【0042】
別のいくつかの好ましい実施形態では、多価の有機分子は、脂肪族非環式ジアミン化合物である。例としては、化学式H
2N−(CH
2)
n−NH
2の化合物がある(但し、nは2〜12、2〜10或いは2〜6のいずれかである)。いくつかの実施形態では、多価の有機分子は、ヘキサン−1,6−ジアミンである。本発明で用いるのに適した多価の有機分子は、市販されている及び/又は当業者が容易に調製できるものである。
【0043】
上述したように、いくつかの実施形態では、デンドリマーのコアが、2個のアミン残基を含む脂肪族非環式残基であるとき、デンドリマーは、少なくとも2つの世代を含む。したがって、例えばいくつかの実施形態では、デンドリマーは、コアのもとになる多価の有機分子が化学式HNR
10R
11のアミン化合物であるとき、少なくとも2つの世代を含む。R
11は、Hであるか、任意にヒドロキシで置換されたC
1〜C
10のアルキルであり;R
10は、Hであるか、任意にヒドロキシで置換されたC
1〜C
10のアルキルであるか、−(C(R
6)(R
7))
t−N(R
12)(R
13)である。但し、tは1〜6の整数であり、R
6とR
7は、独立に、H又はC
1〜C
10のアルキルであり、R
12とR
13は、独立に、Hであるか、任意にヒドロキシで置換されたC
1〜C
10のアルキルである。
【0044】
多価の有機分子との反応で用いるニトロアルキルオキシランモノマーは、式(III)の化合物:
【化9】
である。但し、R
1とR
2は、独立に、H又はC
1〜C
10のアルキルであるか、又はR
1とR
2は、これらが結合する炭素と共に任意にC
1〜C
6のアルキルで置換されたC
3〜C
12のシクロアルキル環を形成し、R
3は、H、C
1〜C
10のアルキル、フェニルのいずれかである。いくつかの実施形態では、R
1とR
2は、両方ともHであるか、両方ともC
1〜C
10のアルキルである。さらに別の実施形態では、R
1とR
2は、両方とも、C
1〜C
6のアルキル、C
1〜C
3のアルキル、メチルのいずれかである。いくつかの実施形態では、R
1とR
2は、これらが結合する炭素と共にC
3〜C
12のシクロアルキル環を形成する。さらに別の実施形態では、R
1とR
2は、これらが結合する炭素と共にシクロヘキシル環を形成する。いくつかの実施形態では、R
3はHである。いくつかの実施形態では、この化合物は、2−(2−メチル−2−ニトロプロピル)オキサンである。
【0045】
式(III)の化合物は、対応するニトロ化アルケンのエポキシド化によって調製することができる。そのニトロ化アルケン自体は、購入するか、例えばパラジウムを触媒とするニトロアルカンのアリル化によって調製できる。そのアルケンを式(III)の化合物に転化させるのに、アルケンを酸化してエポキシ基にすることのできる任意のエポキシド化試薬を使用できる。典型的なエポキシド化試薬としては、メタ−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)、オキソン、過酸化水素が挙げられる。好適なエポキシド化試薬はm−CPBAである。一般に、反応は、不活性雰囲気下で、例えば塩化メチレン等の溶媒の存在下にて行われる。過剰のエポキシド化試薬を用いてもよい。反応は、約0〜55℃、好ましくは0〜45℃の温度で行なうことができる。反応するのに十分な時間(例えば1〜6時間)が経過した後、公知の方法を用いて所望の生成物を単離又は精製することができる。
【0046】
本発明によれば、多価の有機分子と式(III)のニトロアルキルオキシラン化合物を十分な量で組み合わせることで、ニトロアルキルオキシラン化合物を多価の有機分子の末端官能基と反応させてニトロ化合物を形成させる。ニトロ化合物は、コアと、そのコアに接続され、式(B−1):
【化10】
を独立に有する複数の分子単位と、を含む。
【0047】
多価の有機分子とニトロアルキルオキシラン化合物の反応は、例えばこれら反応物を混合した後、エポキシドの環が開くのに十分な時間(例えば1〜12時間)にわたって、高温(例えば50〜80℃)に加熱することによって実現できる。任意に溶媒を用いてもよい。反応後、生成したニトロ化合物を、当業者に周知の方法を用いて反応混合物から精製又は単離することができる。精製の一般的な方法は、粗混合物を適当な溶媒(例えばメタノール)に溶かし、膜を用いた接線フロー濾過(tangential flow filtration)によって生成物を精製する操作を含む。或いはニトロ化合物は、単離及び/又は精製することなく使用してもよい。
【0048】
次に、ニトロ化合物を還元して、コアと、そのコアに接続され、式(B−2):
【化11】
を独立に有する複数の分子単位と、を含むアミン化合物を形成することができる。
【0049】
ニトロ化合物からアミン化合物への転化は、脂肪族ニトロ基を還元することのできる任意の試薬を用いた還元によって実現することができる。そのような還元剤の例としては、例えば、レーニーニッケル(Raney nickel)、白金又はパラジウムをベースとした触媒(元素又は酸化物の形態のPt又はPdに支持体(例えば炭素)が付着したもの又は付着してないもの)などの触媒と組み合わせた水素ガス;例えば鉄/酢酸などの金属/酸の組み合わせを含む、他の還元剤;例えばVITRIDEなどの水素化アルミニウムが挙げられる。好ましい還元剤としては、レーニーニッケル、白金、パラジウムのいずれかを触媒として水素ガスと組み合わせたものが挙げられる。ニトロ基を水素化する条件は周知であり、例えば約100〜1000psi(690kPa〜6900kPa)の圧力にて、約20〜80℃の温度範囲というのが典型的である。しかし、その条件は、当業者が容易に調節することができる。
【0050】
本発明の方法では、前の工程で調製したアミン化合物を、任意に式(III)の追加のニトロアルキルオキシラン化合物と反応させた後、所望の世代数のデンドリマーが形成されるまで任意に還元する。最終世代を付加する反応後の還元工程は、任意であることに留意されたい。本発明では、コアのもとになる多価の有機分子がヘキサン−1,6−ジアミンに由来する場合は、デンドリマーは、少なくとも2つの世代を含む。
【0051】
本明細書に記載したデンドリマー化合物には多彩な用途がある。このデンドリマー化合物は、例えば小分子(例えばドラッグ・デリバリーのための薬剤)又は触媒用金属と、錯体化することができる。したがって、用途としては、例えばドラッグ・デリバリー、診断、トランスフェクション剤、触媒支持体、増粘剤としての用途が挙げられる。合成に用いるニトロアルキルオキシランモノマーがR
1とR
2のどちらかにHを有するとき(例えば1−ニトロプロパンから調製できる4−ニトロ−1,2−エポキシヘキサン)、これらの用途又はそれ以外の用途のための更なる錯体化能力を、前記デンドリマーに組み込むことができる。
【0052】
ニトロ末端基を有する本発明のデンドリマー(すなわちR
4、R
5が、これらが結合する窒素と共にNO
2基を形成している)は、アミンに還元することに加え、当業者によく知られた典型的なニトロ−アルカン化学反応を用いて、更に機能化することもできる。そのような化学反応の例としては、塩基を触媒とした、デンドリマーのニトロアルカン部分とアルデヒドとの反応(ヘンリー反応);塩基を触媒とした、ニトロアルカンと例えばα,β-不飽和エステル又はニトリル(例えばアクリル酸メチル又はアクリロニトリル)との反応(マイケル反応);アミンの存在下で塩基を触媒とした、ニトロアルカンとアルデヒドとの反応(マンニッヒ反応);強塩基(例えばブチルリチウム)を触媒とした、ニトロアルカンとハロゲン化アルキル(例えばヨウ化メチル)との反応(アルキル化)、強塩基(例えばブチルリチウム)を触媒とした、ニトロアルカンと塩化アシル又は他の活性化されたエステル(例えばN−ヒドロキシスクシンイミドエステル)との反応(アクリル化)、塩基を触媒とした、ニトロアルカンのハロゲン化によるα-ハロニトロ誘導体の形成が挙げられる。
【0053】
アミン末端基を有する本発明のデンドリマー(すなわちR
4とR
5がHである)は、当業者によく知られた典型的なアミン化学反応を用いて更に機能化することができる。そのような化学反応の例としては、所望により表面を機能化するための、アミンと、エポキシド、アクリレート、酸の塩化物などの間の反応がある。その後、染料、薬、薬が標的とする部分などを分子に結合させることができる。
【0054】
機能化されたデンドリマーの非限定的な例を表2に示す。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【実施例】
【0057】
実施例1
第2世代アミンデンドリマー
【0058】
工程A.4−メチル−4−ニトロペント−1−エンの調製
【化12】
【0059】
滴下漏斗、温度制御装置、窒素出口、撹拌棒、凝縮器を備えた500mlの三つ口の丸底フラスコに、17.3g(0.309モル)の水酸化カリウム(KOH)と、50mlのメタノールと、150mlのイソプロパノールを充填した。室温で添加したが、塩基が溶媒に溶けている間に、温度が20℃上昇した。この塩基溶液を窒素雰囲気下で20分間撹拌すると、その間にフラスコの温度が35℃まで低下した。上記の塩基溶液に25gの2−ニトロプロパン(「2−NP」)(0.281モル)をゆっくりと添加し、この混合物を激しく撹拌した。この混合物を10分間撹拌し、酢酸パラジウム(0.56ミリモル)/トリフェニルホスフィン(1.7ミリモル)を触媒として添加した。得られた黄色の溶液を窒素雰囲気下で更に5分間撹拌し、滴下漏斗を介して30.9gの酢酸アリルを一滴ずつ混合物に添加した。反応混合物は、酢酸塩を添加している間に暗く濁った状態になり、次いで濃い茶色から明るいオレンジになり、添加が終了すると最終的に明るい黄色になった。添加中に、温度は約60℃まで上昇した。この時点で温度制御装置をオンにし、混合物を60℃で6時間撹拌した後、室温で一晩撹拌した。翌日、混合物を再び60℃まで加熱した後、室温で一晩撹拌した。全反応時間は48時間であった。
【0060】
反応が完了した後、フラスコの内容物を、300mlの水を含む分液漏斗に注いだ。ペンタン(3×150ml)を用いて有機層を抽出し、MgSO
4のもとで乾燥させた。過剰の溶媒をロータリー・エバポレータで除去すると、黄色い溶液が20g得られた。この溶液を25mmHgでの真空蒸留によって精製すると、無色の溶液として、純度96〜98%の4−メチル−4−ニトロペント−1−エンが17g(53%)得られた。GCにおけるアルケンの保持時間は7.4分であった。GC/MS分析は、[MH]
+ m/z 83を示した。
1H NMR(CDCl
3):δ0.91(s, 6H)、δ2.63(d,2H)、δ5.07〜5.17(m,2H)、δ5.59(m,1H)。
13C NMR(CDCl
3):δ25.3、44.8、87.6、120、131ppm。
【0061】
工程B.2−(2−メチル−2−ニトロプロピル)オキシランの調製
【化13】
【0062】
滴下漏斗、温度制御装置、窒素出口、撹拌棒、凝縮器を備えた100mlの三つ口の丸底フラスコに、1.54g(11ミリモル)のアルケンと、15mlのCH
2Cl
2とを充填した。この溶液に、25mlのCH
2Cl
2に溶かした2.68g(16ミリモル)のMCPBAをゆっくりと添加した。添加が完了した後、反応物を6時間還流させ、反応の進行をGCによってモニタした。6時間後、約80%がエポキシドに転化された。反応物を室温まで冷却し、溶液から生じる固体MCPBAを重力濾過によって除去した。黄色の濾液を再びフラスコに入れ、CH
2Cl
2溶液にした0.3モル当量のMCPBAをフラスコに添加した。この混合物を再び2時間還流させると、その時点で100%がエポキシドに転化された。反応混合物を室温まで冷却し、過剰のMCPBAを重力式濾過によって除去した。有機層を10%Na
2CO
3(3×15ml)で洗浄した後、食塩水(3×15ml)で洗浄した。有機層をMgSO
4のもとで乾燥させ、過剰の溶媒をロータリー・エバポレータで除去すると、純粋なエポキシドが0.73g(50%)得られた。GCにおけるこのエポキシドの保持時間は11.0分であった。
1H NMR(CDCl
3):δ1.62(s,6H)、δ1.96(m,2H)、δ2.32(m,1H)、δ2.53(m,1H)、δ2.97(m,1H)。
13C NMR(CDCl
3):δ25.3、26.9、43.3、46.0、47.9、87.0ppm。
【0063】
工程C.化合物(2)とヘキサン−1,6−ジアミンとの反応による化合物(3)の調製
【化14】
【0064】
撹拌棒、凝縮器、窒素出口を備えた50mlの一つ口の丸底フラスコに、4.60g(0.03モル)の2−(2−メチル−2−ニトロプロピル)オキシランと、0.85g(0.007モル)のヘキサン−1,6−ジアミンとを充填した。この反応混合物を室温で30分間撹拌した後、8〜10時間にわたって80℃に加熱した。黄色のオキシランが濃い茶色に変化した。得られた生成物は粘度の大きいものであった。得られた混合物のGC分析から、出発材料が8〜10時間の反応時間の間に消費されたことがわかった。ニトロアミン生成物は、GC−MSに現われるピークが大きすぎるため、GCから出発材料のピークが消失したときを、反応が完了したときとみなした。得られた非常に粘度のある濃い茶色の物質をそのまま水素化工程で用いた。
【0065】
或いは化合物(3)は、以下のようにして調製することができる。
【0066】
撹拌棒、凝縮器、窒素出口を備えた50mlの一つ口の丸底フラスコに、1.5g(0.012モル)のヘキサン−1,6−ジアミンと、7mlのメタノールとを充填した。ジアミンがすべて溶けるまでこの混合物を撹拌した。その中に7.5g(0.052モル)の2−(2−メチル−2−ニトロプロピル)オキシランを添加した。この反応混合物を室温で30分間撹拌した後、16時間還流させた。黄色のオキシランが濃い茶色に変化した。得られた混合物のGC分析から、出発材料が16時間の反応時間の間に消費されたことがわかった。ニトロアミン生成物は、GC−MSに現われるピークが大きすぎるため、GCから出発材料のピークが消失したときを、反応が完了したときとみなした。得られた非常に粘度のある濃い茶色の物質をそのまま水素化工程で用いた。
【0067】
工程D.化合物(3)の水素化による化合物(4)の調製
【化15】
【0068】
300mlのパー(Parr)・オートクレーブに、メタノール(150ml)と、レーニーニッケル触媒(R−3111、湿潤状態の重量で5.0g)と、50mlのMeOHに溶かした化合物(3)(5g、粗化合物)とを充填した。反応装置を密封し、窒素でパージした後、水素でパージし、次いで450psiの水素圧のもとで60℃にした。温度が60℃に到達したときに、反応装置の圧力を約750psiまで上昇させた。反応で水素がもはや消費されなくなったときに反応を停止させた。全反応が完了するまでに2〜2.5時間かかった。室温まで冷却した後、反応装置に通気し、反応装置を開き、真空濾過によって触媒を単離した。ロータリー・エバポレータ(50〜55℃/28〜29インチの真空)で茶色の濾液から水/メタノールを除去した。上記のプロセスにより、3.8gの粗混合物が得られた。この物質は溶出させるには多すぎるため、GC/MSによって評価した。したがって、化合物(4)である1,1’,1”,1’”−(ヘキサン−1,6−ジイルビス(アザントリイル)) テトラキス(4−アミノ−4−メチルペンタン−2−オール)は、LC/MSによって[M+H]=577から同定された。サンプル中の主な不純物は、2−(2−メチル−2−ニトロプロピル)オキシランの合成中にもたらされたものであった。
【0069】
工程E.化合物(4)と2−(2−メチル−2−ニトロプロピル)オキシラン(2)の反応による化合物(5)の調製
上記工程Cに記載したものと本質的に同じ手順に従って、1モルの化合物(4)を8モルのオキシラン(2)と反応させた。
【化16】
【0070】
撹拌棒、凝縮器、窒素出口を備えた50mlの一つ口の丸底フラスコに、5.1g(純度80%、0.028モル、8.1当量)の2−(2−メチル−2−ニトロプロピル)オキシランと、化合物(4)である2g(0.0034モル、1当量)の1,1’,1”,1’”−(ヘキサン−1,6−ジイルビス(アザントリイル))テトラキス(4−アミノ−4−メチルペンタン−2−オール)と、10mlのメタノールとを充填した。この反応混合物を室温で10分間撹拌した後、16時間還流させた。得られた生成物は、非常に粘度があり、濃い茶色であった。時間が経過しても、更に加熱しても、化合物(2)の面積率が有意に減少しなくなったときを、反応が完了したときとみなした。得られた非常に粘度のある濃い茶色の物質を追加のメタノールに溶かし、そのまま水素化工程で用いた。
【0071】
工程F.化合物(5)の還元によるアミン誘導体である化合物(6)の調製
【化17】
【0072】
300mlのパー・オートクレーブに、メタノール(100ml)と、レーニーニッケル触媒(R−3111、湿潤状態の重量で6.8g)と、25mlのMeOHに溶かした化合物(5)(約5g、粗化合物)とを充填した。反応装置を密封し、窒素でパージした後、水素でパージし、次いで400psiの水素圧のもとで65℃にした。温度が65℃に到達したときに、反応装置の圧力を約650psiまで上昇させた。65℃で3時間にわたって反応させた後、温度を70℃に上昇させて、25分間そのままにした。反応で水素がもはや消費されなくなったときに反応を停止させた。全反応が完了するまでに3.5時間かかった。室温まで冷却した後、反応装置に通気し、反応装置を開き、真空濾過によって触媒を単離した。ロータリー・エバポレータ(50〜55℃/28〜29インチの真空)で茶色の濾液から水/メタノールを除去した。上記プロセスにより、粗混合物が1.8g得られた。この混合物をLC−MSによって分析した。分析から、所望の生成物、すなわち化合物(6)が[M+H]=1498に存在することと、工程Eの化合物(4)の部分的アルキル化によって生じた生成物(n=3、4、5、6、7が検出された)が存在することがわかった。工程Eを更に最適化して、所望の生成物の純度を大きくすることができた。
【0073】
実施例2(予言的)
トリス(アミノエチル)アミンによる第1世代の調製
【0074】
磁気撹拌機、還流凝縮器、窒素出口を備える50mlの一つ口の丸底フラスコに、1.5g(0.01モル)のトリス(2−アミノエチル)アミンと、10mlのメタノールとを充填した。撹拌しているこの溶液中に、9.44g(0.065モル、6.5ミリ当量)の2−(2−メチル−2−ニトロプロピル)オキシランを添加し、この混合物を周囲温度で約30分間撹拌した後、約16時間にわたって、すなわち出発材料がすべて消費されるまで(それは例えばGC分析によってわかる)、還流温度に加熱した。得られた生成物を更に精製することなく、水素化工程で用いた。
【0075】
300mlのパー・オートクレーブに、メタノール(150ml)と、レーニーニッケル触媒(R−3111、湿潤状態の重量で5.0g)と、MeOH(50ml)で更に希釈した上記生成物とを充填した。反応装置を密封し、窒素でパージした後、水素でパージし、次いで水素雰囲気(450psi)のもとで60℃まで加熱した。反応装置が60℃の温度で安定したときに、水素の圧力を750psiまで上昇させ、反応における水素の取り込みをモニタした。水素がもはや消費されなくなったとき(典型的には2〜2.5時間後)に反応装置を周囲温度まで冷却し、通気し、開放して、触媒を真空濾過によって単離した。溶液をロータリー・エバポレータで濃縮して、粗生成物とした。
【0076】
この粗生成物は、任意に接線フロー濾過によって精製することができる。粗生成物をメタノール(約200ml)に溶かし、平坦なセル(例えばAmicon TC1Rという薄いチャネル分離装置)の中で適切な逆浸透膜(例えばFilmtec FT−30膜)を用いて濃縮すると、分子量の小さな大部分の不純物がデンドリマーから分離された。デンドリマーを含む溶液の体積が約50mlになると、サンプル中の低分子量の揮発性生成物をGCによって分析した。GCによってもはや揮発性生成物が観察されなくなったときに、生成物の溶液をロータリー・エバポレータで濃縮し、その材料をさらに精製することなく用いた。
【0077】
実施例3(予言的)
トリス(アミノエチル)アミンによる第2世代の調製
【0078】
第1世代の材料に関して記載したものと同じ手順に従って、4.5g(0.0054モル)のトリス(2−アミノエチル)アミンを約15mlのメタノールに溶かしたものを、10.1g(0.07モル、12.9ミリ当量)の2−(2−メチル−2−ニトロプロピル)オキシランと反応させた。反応をGCでモニタしてオキシランの消費を調べた。
【0079】
上述のように触媒としてレーニーニッケル(R−3111)を用いたメタノール中の水素化によって、粗生成物を同様に水素化し、アミンを末端に有する第2世代の生成物を得た。第2世代の粗デンドリマーは、粗生成物として単離した。上述のように、任意にこれを接線フロー濾過によって更に精製することにより、合成に使用した僅かに過剰のオキシランに由来する低分子量不純物をすべて除去し、その後の合成に用いた。
【0080】
【化18】
【0081】
実施例4(予言的)
トリス(2−アミノエチル)アミンからのプロピオン酸メチルデンドリマーの調製
【0082】
50mlの丸底フラスコに、2.32g(0.027モル、26ミリ当量)のアクリル酸メチルを充填した。それとは別に、トリス(2−アミノエチルアミン)から合成した2.5g(0.001モル)の第2世代のデンドリマー(実施例3)を25mlのメタノールに溶かし、それを激しく撹拌しながら、約2時間かけてアクリル酸メチル溶液にゆっくりと添加した。周囲温度で48時間撹拌した後、温度を40℃未満に維持しながら溶媒と過剰のアクリル酸メチルをロータリー・エバポレータによって除去し、粗生成物を得ることができた。
【0083】
粗生成物を約100mlのメタノールに溶かし、激しく撹拌しながら約9.6mlの10%水酸化ナトリウム溶液をその混合物にゆっくりと添加し、周囲温度で24時間撹拌した。反応が終了すると、溶液のpHは約9.5になっていた。この溶液をIR分光法によって調べ、エステル官能基の加水分解をモニタした。すべてのエステルが加水分解されると、溶媒をロータリー・エバポレータによって除去した。トルエンを用いた共沸蒸留によって残った水を除去すると、黄色の油状物が得られた。固体が必要な場合には、生成物を再び溶解させ、激しく撹拌しながらジエチルエーテルをゆっくりと添加することによって注意深く沈殿させることで、粉末として単離することができる。
【0084】
実施例5(予言的)
エポキシオクタンとの反応によって疎水性にされた第2世代のデンドリマーの調製
トリス(2−アミノエチルアミン)に由来する2.5g(0.001モル)の第2世代のデンドリマー(実施例3)を25mlのメタノールに溶かした溶液に、3.15gのエポキシオクタン(0.027モル)を添加し、この反応物を室温で約6日間撹拌した。エポキシオクタンの消費はGCによってモニタすることができ、所望により、60℃に加熱して反応を加速することができる。ロータリー・エバポレータによって溶媒を除去すると、粗生成物が得られた。その粗生成物は、公知の技術によってさらに精製することができる。
【0085】
本願は次の態様を含む。
[1]2個以上の末端残基を含み、多価の有機分子に由来したコアと;
そのコアから径方向に放射する第1〜第8世代であって、式(A):
【化19】
(但し、R1とR2は独立に、H又はC1〜C10のアルキルであるか、又はR1とR2は、それらが結合する炭素と共に任意にC1〜C6のアルキルで置換されたC3〜C12のシクロアルキル環を形成し、R3は、H、C1〜C10のアルキル、フェニルのいずれかである。)を独立に有する2個以上の分子単位を含む0〜7の内側世代を含み、最も内側の内側世代が末端残基を介して前記コアに結合した前記第1〜第8世代と;
前記内側世代の最も外側に結合した、又は前記内側世代が存在していない場合は前記末端残基を介して前記コアに結合した外側層であって、式(B):
【化20】
(但し、R4、R5は、それぞれHであるか、又はR4、R5は、それらが結合する窒素と共にNO2基を形成する。)を独立に有する2個以上の分子単位を含む、前記外側層と、
を含む、デンドリマー。
[2]前記末端残基が、アミン残基、ヒドロキシル残基、チオール残基、又はこれらの2個以上の組み合わせである、[1]に記載のデンドリマー。
[3]R1とR2が、それぞれC1〜C10のアルキルである、[1]又は[2]に記載のデンドリマー。
[4]R3がHである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のデンドリマー。
[5]前記コアが、2個のアミン残基を含む脂肪族非環式残基であるとき、少なくとも2個の世代を含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のデンドリマー。
[6]表1に示された構造を有する、[1]のデンドリマー。
[7][1]のデンドリマーを製造する方法であって、
(a)2個以上の末端残基を含む多価の有機分子を供給する工程と;
(b)式(III)のニトロアルキルオキシラン化合物:
【化21】
を十分な量の前記多価の有機分子と組み合わせる工程であって、前記ニトロアルキルオキシラン化合物を前記多価の有機分子の末端残基と反応させて、コアと、そのコアに結合された式(B−1):
【化22】
を独立に有する2個以上の分子単位を含むニトロ化合物を形成する、前記組み合わせる工程と;
(c)前記コアに結合された式(B−2):
【化23】
を独立に有する2個以上の分子単位を含むアミン化合物を形成するために、任意に前記ニトロ化合物を還元する工程と;
(d)デンドリマーを得るために、工程(b)及び/又は(c)において多価の有機分子の代わりにアミン化合物を式(III)のニトロアルキルオキシラン化合物と反応させる操作を、任意に1〜7回繰り返す工程と、
を含む、前記方法。
[8]前記多価の有機分子の末端官能基が、アミン、ヒドロキシル、チオール、又はこれらの2種以上の組み合わせである、[7]に記載の方法。
[9]R4とR5が、これらが結合する窒素と共にNO2基を形成しており、前記デンドリマーを、塩基を触媒としてアルデヒドと反応させること(ヘンリー反応);塩基を触媒としてα,β−不飽和エステル又はニトリルと反応させること(マイケル反応);塩基を触媒としてアミンの存在下でアルデヒドと反応させること(マンニッヒ反応);強塩基を触媒としてハロゲン化アルキルと反応させること(アルキル化);強塩基を触媒として塩化アシル又は他の活性化されたエステルと反応させること(アクリル化);塩基を触媒としてハロゲン化することのいずれかによって、更に機能化し、機能化されたデンドリマーを形成する、[7]又は[8]に記載の方法。
[10]R4とR5がHであり、前記デンドリマーを、エポキシド、アクリレート、酸の塩化物のいずれかと反応させることによって、更に機能化し、機能化されたデンドリマーを形成する、[7]又は[8]に記載の方法。
[11]前記デンドリマーを、染料、薬、又は薬を標的とする分子のいずれかによって、更に機能化する、[9]又は[10]に記載の方法。
[12]前記機能化されたデンドリマーが、表2に示された構造を有する、[10]に記載の方法。