(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ラチェットバックルがさらにバックル本体を含み、前記つめが前記バックル本体に回転式に取り付けられる、請求項1に記載のラチェットバックルとストラップのアセンブリ。
前記ラチェットバックルがさらにバックル本体を含み、前記押込みアクチュエータが前記バックル本体に回転式に取り付けられる、請求項1に記載のラチェットバックルとストラップのアセンブリ。
前記押込みアクチュエータが、前記ストラップの前記第2の側と係合し、かつ前記ストラップを締め付けるために前記通路を通して前記ストラップを押し込むように構成された少なくとも1つの押込みアクチュエータ歯を含み、
前記少なくとも1つの押込みアクチュエータ歯が、実質的にらせん状の構成で延びる、請求項1に記載のラチェットバックルとストラップのアセンブリ。
前記つめを前記ストラップの前記第1の側から切り離すべく作動されるように構成かつ配置された解除アクチュエータをさらに含む、請求項1に記載のラチェットバックルとストラップのアセンブリ。
前記解除アクチュエータが前記押込みアクチュエータに結合され、前記つめと接触するように構成された少なくとも1つのアームを含む、請求項5に記載のラチェットバックルとストラップのアセンブリ。
前記少なくとも1つのアームが第1アームと第2アームを含み、前記第1および第2アームが、前記通路の反対側の2つの離間された位置において前記つめと接触するように構成されている、請求項6に記載のラチェットバックルとストラップのアセンブリ。
前記つめがつめ軸の周りを回転可能であり、前記押込みアクチュエータが押込みアクチュエータ軸の周りを回転可能であり、前記つめ軸が前記通路の下に配置され、前記押込みアクチュエータ軸が前記通路の上に配置される、請求項1に記載のラチェットバックルとストラップのアセンブリ。
前記つめがつめ軸の周りを回転可能であり、前記解除アクチュエータが解除アクチュエータ軸の周りを回転可能であり、前記つめ軸が前記通路の下に配置され、前記解除アクチュエータ軸が前記通路の上に配置される、請求項5に記載のラチェットバックルとストラップのアセンブリ。
前記複数の第1の歯が前記ストラップの長手軸に対して第1の向きに配置され、前記複数の第2の歯が前記ストラップの前記長手軸に対して第2の向きに配置され、前記第2の向きが前記第1の向きと異なる、請求項1に記載のラチェットバックルとストラップのアセンブリ。
前記押込みアクチュエータが、ホイールに位置付けられた歯と、レバーであって前記レバーの移動により前記歯が回転するように前記ホイールと係合されたレバーとを含み、前記歯が、前記ストラップの前記第1の側と反対の前記ストラップの前記第2の側に配置された前記複数の第2の歯と係合するように配置されている、請求項13に記載のラチェットバックルとストラップのアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
出願人は、従来の歯付きストラップを有するラチェットバックルは、ストラップの片側のみに歯を有していることを認識した。従って、ストラップを締め付ける押込みアクチュエータとストラップを固定するつめとの両方を有する従来のラチェットバックルは、押込みアクチュエータとつめの両方がストラップの同じ側と相互作用するように構成されている。従って押込みアクチュエータとつめは、ストラップの同じ歯の組と係合する。
【0011】
以下により詳細に記載するように、本発明の一態様は、ストラップの複数の第1の歯と共同するように配置されたつめと、ストラップの複数の別個の第2の歯と共同するように配置された押込みアクチュエータと含む、ラチェットバックルとストラップのアセンブリを対象とする。以下に記載するように、そのような構成は、ストラップの寿命を延ばすのに役立ち得る。複数の第1の歯はストラップの第1の側にあることができ、複数の第2の歯は、第1の側と反対のストラップの第2の側にあることができる。ストラップの両側に歯を有することにより、ストラップ通路の前端のより近くにつめを位置付けることが可能になり得、それによりつめがストラップと接触する前にストラップをバックルの中へ挿入しなければならない量が低減され得ることが考えられる。
【0012】
出願人はさらに、従来のラチェットバックルでは、ストラップの歯は一般的に、ストラップの長手軸と実質的に垂直な方向に向けられることを認識した。
【0013】
以下に記載するように、本発明の別の態様は、ストラップが複数の第1の歯と複数の第2の歯とを有し、第1の歯の向きが第2の歯の向きと異なる、ラチェットバックルとストラップのアセンブリを対象とする。以下で考察するように、これはラチェットバックル構成要素のストラップ歯との係合を促進するのに役立ち得る。
【0014】
図1に示されるように、ラチェットバックル32およびストラップ30は、スノーボードブーツ23をスノーボード20に取り付けるためにスノーボードブーツビンディング22で使用することができる。ビンディング22は少なくとも1つ、典型的には2または3つの調整可能ストラップを含むことができ、調整可能ストラップは足の様々な部分を横切って締め付けることができる。例えば、
図1に示されるように、調整可能ストラップは、足首ストラップ24および爪先ストラップ26を含むことができ、およびさらにすねストラップ(不図示)を含むことができる。これらストラップは、ねじ、リベット等などの締結具を使用してビンディング基板41に取り付けることができ、およびストラップは、ラチェットバックル32を使用して増加的に締め付け、便利に解くことができる。示されるように、第1のラチェットバックル32が足首ストラップ24の部分130に取り付けられ、第2のラチェットバックル32が爪先ストラップ26の部分130に取り付けられる。
【0015】
さらに以下に記載するように、以下に記載されるラチェットバックルとストラップのアセンブリはまた、限定しないが雪上スキーおよび水上スキーを含む他の足またはブーツビンディングシステムなどの他の非スノーボード用途に使用してもよいことが考えられる。また、ラチェットバックルとストラップのアセンブリは、様々な種類の靴に使用してもよいことが考えられる。
【0016】
次に
図2〜12に転じると、ラチェットバックル32およびストラップ30のアセンブリの一実施形態が示されている。ラチェットバックル32はストラップ30を摺動可能に受け入れて固定するように適合される。ストラップ30は、
図1に示される足首ストラップ24または爪先ストラップ26などの調整可能ストラップの一部であることができ、ラチェットバックル32はストラップ24、26の別の部分130に結合することができる。以下でより詳細に記載するように、ストラップ30の第1の側33は複数の第1の歯34を有し(
図6、7および10参照)、ストラップ30の第2の側35は複数の第2の歯44を有する(
図2〜5、7および8参照)。ストラップ30の一端は、バックル32に挿入される丸いまたはテーパ状の先端38を含んでもよく、ストラップの他端40は、当技術分野で知られているようなねじ、リベット等などの締結具を使用してストラップ30をビンディング基板41(
図1参照)に取り付けるように構成された穴142を含んでもよい。
【0017】
以下でより詳細に考察するように、ラチェットバックル32は、調整可能ストラップのストラップ部分130に結合することができる。ストラップ30は、ビンディング基板41の第1の側に取り付けることができ、ストラップ部分130は、ビンディング基板41の反対の第2の側に取り付けることができ、それにより集合的にストラップ30、バックル32およびストラップ部分130が、ブーツ23をスノーボード20に保持することを助けるようにする。また、別の実施形態では、バックル32をビンディング基板41に直接取り付けてもよく、およびストラップ部分130を省略してもよいことが考えられる。
【0018】
ラチェットバックル32は、ストラップ30を摺動可能に受け入れるための通路42を有する。
図3に示されるように、例示的一実施形態では、通路42はストラップ部分130によって画定される。この点において、ストラップ部分はバックルの本体の役割を果たす。しかしながら、以下でより詳細に考察するように、本発明はこの点において限定されないので、
図13および14に示される別の実施形態では、ラチェットバックル32は、通路42を画定する(ストラップ部分130から分離した)別個の本体またはハウジングを含むことができる。ストラップ30は通路42の前部52に挿入され、通路の後部54を介して出る。ラチェットバックル32は、つめ56(以下でより詳細に考察する)を有し、つめ56はストラップと係合し、ストラップが通路から戻ることを防止し、望むときに使用者がストラップ30を簡単に緩めるか、完全に解くことを可能にする。ラチェットバックル32はまた、押込みアクチュエータ60を含み、押込みアクチュエータ60によって、使用者はバックル32を介してストラップ30を増加的に押し込んで、ストラップ30を選択的に締め付けることが可能になる。
【0019】
つめ56は、使用者がつめ56をストラップから切り離すまでストラップを解くことができないように、ストラップ30の第1の側33と係合し、ストラップ30を保持するように配置することができる。
図4および11に示されるように、一実施形態では、つめ56は、ストラップ部分130に形成されるキャビティ136の中に位置付けられる。
図7に示されるように、示されるようにストラップの下側にあってもよいストラップ30の第1の側33とつめが係合できるように、つめ56はストラップ30の通路42の下に位置付けてもよい。
図7および11に示されるように、つめ56は、回転軸104を定めるピボット61の周りで、ストラップ部分130(すなわちバックルの本体)に回転式に取り付けることができる。特に、
図11に示されるように、キャビティ136は、つめ56がキャビティ136から出ないようにするために、つめ56のピボット61の形状と係合するように構成された円筒状表面を有するフック137を含むことができる。別の実施形態では、本発明はそのように限定されないので、つめはリベットなどによって異なる方法でストラップ部分130に結合することができる。
【0020】
つめ56は、ストラップ30を一方向に締め付けることができ、また使用者によってつめ56がストラップから外されるまで反対方向に緩めることも解くこともできないようにストラップの第1の側33のストラップ歯34と係合するように構成された1つまたは複数のつめ歯66を含むことができる。
図7、9および11に示されるように、一実施形態では、つめ56は2つの歯を有する。
【0021】
図7に示されるように、つめ56は、つめがストラップから不用意に外れないことを保証するために、矢印Aの方向(
図7における反時計方向)に、ストラップ30と係合するように付勢される。一実施形態では、つめは、つめ56をストラップ30にしっかり維持するように構成された一体蝶番68を含む。具体的には、
図12に示されるように、実質的にU字型の一体蝶番68は、つめ56の下側から延び出る。
図7に示されるように、一体蝶番68は、つめ歯66をストラップ30と係合するように付勢するためにキャビティ136の底面を押す。ストラップ30がバックル32を通して挿入され締め付けられるとき、つめ56はストラップ歯34と断続的に係合かつ離脱するように往復式に回転する。本発明はそのように限定されないので、当業者であれば、つめ56は、板ばね、コイルばね、圧縮ばね等などによって、異なる方法で付勢されてもよいことを認識するであろう。
【0022】
押込みアクチュエータ60は、ストラップ30を比較的少ない力でバックルを通して押し込むまたは供給することによってストラップ30を増加的に締め付けるように使用される。一実施形態では、押込みアクチュエータ60は、第1軸106の周りで、ピン110、111によってストラップ部分130(すなわちバックルの本体)に回転式に接続される。押込みアクチュエータ60は、アクチュエータ60が第2軸108(すなわち押込みアクチュエータ軸)の周りを矢印Bの方向(
図7における反時計方向)に回転するとき、ストラップを押込みかつ締め付けるようにラチェット式にストラップの第2の側35のストラップ歯44と係合する1つまたは複数の歯112を含むことができる。例示的一実施形態では、歯112はホイール200に位置付けられる。押込みアクチュエータ60はレバー62を含み、押込みアクチュエータ60はストラップ部分130およびつめ56に向かう方向(すなわち矢印Bの方向と反対)に、例えばねじりばねによって、付勢される。具体的には、
図7に示されるように、ホイール200は、レバー62を回転させることによってホイール200、従って歯112を回転させるようにレバーアーム152を受け入れるために構成された凹部150を有する。別の実施形態では、ホイール200およびレバーアーム152は一体的に形成することができる。
【0023】
ストラップ30を締め付けるために、使用者はレバー62を上に回転させる。レバー62は、
図7に示されるように、先端の歯114がストラップ30の第2の側35の歯44と係合するまで押込みアクチュエータ60を押込みアクチュエータ軸108(ピン113によって定めることができる)の周りで矢印Bの方向に回転させる。次に使用者は、ストラップを通路42を通して押し込むために、後続の各歯112を対応するストラップ歯44と係合させるべく、押込みアクチュエータ60を押込みアクチュエータ軸108の周りで回転させる。ストラップ30が通路42に押し込まれるとき、つめ56はストラップの第1の側33に連続的に付勢されてストラップ歯34と係合し、押込みアクチュエータ60の作動中、ストラップが不用意に外れないようにする。このようにして、使用者は、必要なだけ何度でも押込みアクチュエータ60を回転させることによってストラップ張力を増加的に締め付けることができる。所望の張力が得られると、使用者は押込みアクチュエータ60を解放し、その後押込みアクチュエータ60は、ねじればね118によって掛止位置に付勢される。
【0024】
図に示されるように、ラチェットバックル32はさらに、つめ56をストラップ30から切り離すことによってバックル32をストラップ30から離すように構成された解除アクチュエータ58を含むことができる。これにより便利かつ簡単に操作される解除機構が使用者に提供される。この解除機構は特に、乗る一日の間にビンディングストラップが頻繁に解かれて固定されるスノーボードのビンディングでの使用に好適である。
【0025】
図4、7および8に示されるような一実施形態では、解除アクチュエータ58は、ピン110、111によって第1軸106(すなわち解除アクチュエータ軸)の周りでストラップ部分130に回転式に取り付けられるが、当技術分野で公知の他の取付手段を使用してもよい。示されるように、解除アクチュエータ58は、中心部材208、2つのアーム204、206および解除アクチュエータレバー202を含み、それらは全て押込みアクチュエータ60に結合される。
図8に示されるように(図中、ストラップ30は簡略化のため省略されている)、解除アクチュエータアーム204、206はそれぞれ、つめをストラップ30から切り離すためにつめ56の上面100と係合するように適合された下側カム面96を含む。解除アクチュエータ58が矢印Cの方向(
図7における時計方向)に回転されると、カム面96がつめ56と相互作用して、つめ56を回転軸104の周りで矢印Aの反対方向に回転させ、それによりつめ歯66をストラップ30から切り離す。一実施形態では、解除アクチュエータレバー202の回転により、つめ56をストラップ30から切り離すべく解除アクチュエータアーム204、206の移動が始まる。一実施形態では、解除アクチュエータアーム204、206はそれぞれ、フィンガ保持部210、211を含み、使用者はそれらを回転させてつめ56を切り離すことができる。
【0026】
つめを切り離すべく作用するカム面96をそれぞれが有する2つの解除アクチュエータアーム204、206が示されているが、本発明はそのように限定されないことを認識すべきである。解除アクチュエータ58が1つだけカム面96を有することも考えられ、また、3つ以上のカム面96も考えられる。さらに、2つの解除アクチュエータアーム204、206があるとき、それらを少なくともストラップ30の幅の距離だけ互いに離間させ、それによりアーム204、206が、通路42の反対側の2つの離間した位置においてつめ56と接触するように、ストラップ30の各側でストラップ30を越えて下に延在できるようにすることができることを認識すべきである。
【0027】
図7に示されるように、一実施形態では、つめ56はつめ軸104の周りを回転可能であり、押込みアクチュエータ60は押込みアクチュエータ軸108の周りを回転可能であり、ここでつめ軸104は通路の下(すなわちストラップ30の第1の側の近く)に位置付けられ、押込みアクチュエータ軸108は通路の上(すなわちストラップの反対の第2の側の近く)に位置付けられる。例示的一実施形態では、解除アクチュエータ58は解除アクチュエータ軸106の周りを回転可能であり、解除アクチュエータ軸106はまた、通路の上(すなわちストラップの第2の側の近く、および通路の、つめ軸104と反対の側)に位置付けることができる。
【0028】
上に記載されるように、押込みアクチュエータ60は、ストラップ30を押し込みかつ締め付けるためにストラップの第2の側35でストラップ歯44と係合する1つまたは複数の歯112を含むことができる。例示的一実施形態では、歯112は実質的にらせん状の構造において延びる。特に、押込みアクチュエータ60は、ホイール200の少なくとも一部の周りを実質的にらせん状の構造で延びる複数の歯112を含むことができる。出願人は、らせん状に構成された歯112の使用は、それによってより多数の歯112を一度にストラップ30と係合させることができるので望ましい場合があることを認識した。例えば、一実施形態では、3つまでの歯112を、ストラップ30の第2の側の歯44と同時に係合するように構成できる。これは、押込みアクチュエータがストラップ30とより滑らかに噛み合うことを可能にすることによって、押込みアクチュエータ60の性能および耐久性を増大することができる。一実施形態では、実質的にらせん状の歯112は約30°角度を付けられ、そのピッチは約3mmである。別の実施形態では、ホイール200上の非らせん状の歯も考えられることを認識すべきである。
【0029】
本発明の態様は、ストラップが複数の第1の歯34と複数の別個の第2の歯44とを有するラチェットバックル32およびストラップ30のアセンブリを対象とする。一実施形態では、第1の歯34の向きは第2の歯44の向きと異なる。具体的には、
図5および6に示されるように、歯34、44は異なる方法で配置される。複数の第1の歯34は、歯34が長手軸80に対して実質的に垂直であるようにストラップ30の長手軸80に対して第1の向きに配置される(
図6参照)。対照的に、複数の第2の歯44は、歯44がストラップの長手軸80に対して実質的に垂直でないように第2の方向に配置される(
図5参照)。
図5に示される実施形態に示されるように、複数の第1の歯34の第1の向きに対して複数の第2の歯44の第2の向きを定める角度θは少なくとも約30度である。別の実施形態では、角度θは少なくとも約45度であり、別の実施形態では、角度θは少なくとも約60度であることを認識すべきである。
【0030】
別の実施形態では、第1の歯34の向きが第2の歯44の向きと実質的に同じであることも考えられる。例えば、一実施形態では、第1の歯は、角度θが約0度であるように第2の歯と実質的に平行である。
【0031】
図に示されるように、一実施形態では、複数の第1の歯34はストラップの第1の側33に配置され、複数の第2の歯44はストラップの第2の側35に配置される。別の実施形態では、第1および第2の歯34、44は、ストラップの同じ側に配置することができる。例えば、複数の第1の歯34を離間して、ストラップの複数の第2の歯と同じ側に配置できることが考えられる。
【0032】
図6に示されるように、例示的一実施形態では、ストラップの第1の側33の複数の第1の歯34は、ストラップ30の幅を実質的に横切って延び、歯34はストラップ30の長さの大部分を横切って延びる。しかしながら、別の実施形態では、第1の歯34は、幅のより小さい部分および/またはストラップのより小さいまたはより大きい長さを横切って延びることができることを認識すべきである。
【0033】
さらに、
図5に示されるように、例示的一実施形態では、ストラップの第2の側35の複数の第2の歯44もまた、ストラップ30の幅を実質的に横切って延び、歯44はストラップ30の長さの大部分を横切って延びる。しかしながら、別の実施形態では、第2の歯44は、幅のより小さい部分および/またはストラップ30のより小さいまたはより大きい長さを横切って延びることができることを認識すべきである。
【0034】
図6に示されるように、複数の第1の歯34は、ストラップの幅にわたり実質的に直線状の構成で延びる。
図5に示されるように、複数の第2の歯44もまた、ストラップの幅にわたり実質的に直線状の構成で延びる。別の実施形態では、ストラップの第1およびまたは第2の側33、35の非直線状の歯構成も考えられる。例えば、歯34、44は、当業者には明らかなように、角度を付けるか曲げることができる。一実施形態では、ストラップ30の歯は、らせん状の歯と係合するように構成することができる。例えば、上に記載したように、押込みアクチュエータ60は、実質的にらせん状の構成を有する1つまたは複数の歯を含むことができる。この点において、ストラップ30の片側または両側の歯を、らせん状の歯と係合するように構成することができる。
【0035】
一実施形態では、複数の第1の歯34は、複数の第2の歯44と異なる方法でサイズ決めおよび/または成形することができる。例えば、一実施形態では、ストラップ30の第2の側35の歯44および/またはそれらのピッチは、ストラップの第1の側33の第1の歯34より大きくてもよい。この点において、押込みアクチュエータ60と相互作用するストラップ歯44を、押込みアクチュエータに関連付けることができる摩耗および引裂きに耐えるようにより剛性であるように構成することができる。対照的に、つめ56と相互作用するストラップ歯34は、ストラップ30のより微細な調整を可能にするようにより小さくてもよい。別の実施形態では、歯34、44は実質的に同じサイズおよび形状であることができる。
【0036】
上に記載したように、
図13〜14に示される一実施形態では、ラチェットバックル332は、ストラップ通路42を画定する別個のラチェットバックルの本体300を有することができる。この実施形態は、上に記載し、
図1〜12に示した実施形態に似ているが、(ストラップ部分130が通路を画定する代わりに)別個のハウジング300が通路を画定することを除く。その他の点では、このラチェットバックル332は同様に作動する。ストラップ30(不図示)が通路42の前部52に挿入され、通路の後部54を介して出る。示されるように、ラチェットバックル332は、ストラップと係合し、かつストラップが通路から出て戻ることを防止するつめ56を含む。この実施形態では、つめ56はバックルハウジング300のキャビティ136の中に配置され、つめ56はリベットまたはピン111を介してバックルハウジング300に回転式に結合される。ラチェットバックル332はまた、使用者がストラップを選択的に締め付けるようにバックル332を介してストラップ30を増加的に押し込むことを可能にする押込みアクチュエータ60と、つめ56をストラップから切り離すことによってバックル332をストラップから解除するように構成された解除アクチュエータ58とを含む。ラチェットバックルハウジング300はストラップ部分130に結合できる、またはラチェットバックルハウジング300はビンディング基板41に直接連結でき、ストラップ部分130を省略することができる。
【0037】
例示的一実施形態では、ストラップ部分130(すなわちバックルの本体)は、多数の構成要素から形成される。
図3〜4に示されるように、ストラップ部分130は、ストラップ基部134とストラップ背部132を含むことができる。ストラップ背部132はより剛性であってもよく、熱可塑性ポリウレタン(TPU)および/またはナイロンから形成することができる。ストラップ背部132は、ラチェットバックル32の本体または基部としての役割を果たすことができる。ストラップ基部134はより柔軟であってもよく、例えば発泡体および/または布から形成することができる。ストラップ基部134は、より剛性のストラップ背部132の、使用者の足への衝撃を和らげるように機能することができる。多数の構成要素から作製されたストラップ部分130が示されているが、一体型ストラップ構成を含む他の構成も考えられることを認識すべきである。
【0038】
ラチェットバックル32およびストラップ30のアセンブリ構成要素は、限定しないが当業者に公知の各種プラスチックおよび金属を含む、ストラップ30およびバックル32の繰り返されるロックおよびロック解除に耐えることができる耐久性のある材料から構成することができる。
【0039】
前の記載から、本発明のラチェットバックルが便利かつ簡単に操作されるバックルを提供することが認識されるであろう。このバックルは、使用者がスノーボードをする一般的な一日の間に何回も結合を解除および固定することを必要とするソフトブーツのスノーボードビンディングに特に好適である。使用者がブーツをビンディングに固定することを望むとき、使用者はビンディングに足を踏み入れ、ストラップをバックルに挿入する。一般的に、使用者は単にストラップをバックルの中でさらに押すか引くことによってビンディングに対する粗調整を行うことができる。次に、ラチェット式に押込みアクチュエータを使用してバックルを介してストラップを増加的に供給することによって、ビンディングストラップを選択的に締め付ける。ストラップが締め付けられるとき、ストラップの張力を増大するのに必要な力の量も増大するが、それは押込みアクチュエータレバーを使用して簡単に克服できることは認識されるであろう。使用者がビンディングから足を抜き出すことができるようにバックルをストラップから解除することを望むとき、使用者は単に解除アクチュエータを移動させ、つめをストラップから解除し、バックルをストラップに沿って引き、バックルをストラップから分離する。締付け操作および解除操作は、スノーボードをする間一般的に着用される手袋または他のハンドカバーを使用者が着用することによって、簡単に達成することができる。
【0040】
上に記載したように、ラチェットバックルをスノーボードビンディングに関連して記載してきたが、本発明のラチェットバックルはまた、スノーボードブーツ、スキーブーツ、インラインスケート等などの他の足またはブーツビンディングシステムに組み込んで、そのようなフットウェアの着用者に、フットウェアを増加的に締め付けかつ簡単に緩める利便性および有利性を提供できることを認識すべきである。荷物を乗り物の屋根等に固定するなど、荷物を結合または解くためのストラップと組み合わせてラチェットバックルを使用することもできる。
【0041】
上に記載した特徴の1つまたは複数を用いて本発明の様々な実施形態を形成できることを認識すべきである。本発明の上記の態様および特徴は、本発明がこの点において限定されないように、あらゆる適切な組み合わせで利用できる。また図面は、本発明の様々な実施形態に組み込むことができる様々な構成要素および特徴を示していることを認識すべきである。簡略化するために、図面のいくつかは2つ以上の任意選択的な特徴または構成要素を示している場合がある。しかしながら、本発明は図面に開示した特定の実施形態に限定されない。本発明は、いずれか1つの図面に示されている構成要素の一部のみを含み得る実施形態を包含する、および/または多数の異なる図面に示されている構成要素を組み合わせる実施形態も包含できることを認識すべきである。
【0042】
本発明の様々な実施形態の上の記載は、その例であることを単に目的とし、本発明の他の実施形態、修正形態および均等物が、付随する請求項に記載される本発明の範囲内にあること理解すべきである。