特許第6047739号(P6047739)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6047739遊技機用の役物及びこの役物を備えた遊技機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6047739
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】遊技機用の役物及びこの役物を備えた遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20161212BHJP
【FI】
   A63F5/04 512D
【請求項の数】2
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2011-77545(P2011-77545)
(22)【出願日】2011年3月31日
(65)【公開番号】特開2012-210330(P2012-210330A)
(43)【公開日】2012年11月1日
【審査請求日】2013年12月12日
【審判番号】不服-17966(P-17966/J1)
【審判請求日】2015年10月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮川 純一
(72)【発明者】
【氏名】金子 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 良平
(72)【発明者】
【氏名】市原 聖之
(72)【発明者】
【氏名】片山 武士
(72)【発明者】
【氏名】相場 裕介
(72)【発明者】
【氏名】坂田 雅史
(72)【発明者】
【氏名】原田 和也
(72)【発明者】
【氏名】今村 英誉
(72)【発明者】
【氏名】後藤 光
(72)【発明者】
【氏名】平岡 謙太郎
(72)【発明者】
【氏名】高木 仁
(72)【発明者】
【氏名】春好 辰則
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 裕司
【合議体】
【審判長】 瀬津 太朗
【審判官】 平城 俊雅
【審判官】 川崎 優
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−98027(JP,A)
【文献】 特開2009−50428(JP,A)
【文献】 特開2009−297159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機本体に取り付けられるベース部材を有し、このベース部材の表側に装飾板が移動可能に設けられ、前記ベース部材の裏側に固定されるとともに表側の前記装飾板を移動させるステッピングモーターと、このステッピングモーターの動作を制御する制御手段とが設けられ、前記ステッピングモーターの作動によって、前記装飾板が所定の動線に沿って移動するように形成された役物を備えた遊技機であって、
前記ステッピングモーターは、所定のトルクを出力する出力軸を備えるとともに、この出力軸にピニオンが固定されたものとされ、
前記ステッピングモーターの前記ピニオンには、所定長さ寸法を有するとともに、前記装飾板が取り付けられるラックが係合され、
前記装飾板は、前記ステッピングモーターのトルクを受けた前記ラックによって前記所定の動線に沿って移動するように形成され、
前記制御手段には、
前記動線に沿って前記装飾板を進行させるための前進駆動パルス、及び、前記動線に沿って前記装飾板を戻すための後退駆動パルスを、交互にステッピングモーターに与えることで、前記装飾板を微動させながら所定方向に向かって移動させる微動移動制御手段と、
前記動線に沿って前記装飾板を前記所定方向に向かって移動させるための前進駆動パルスのみをステッピングモーターに与えることで、前記装飾板を前記所定方向に向かって移動させる直進移動制御手段と、
前記装飾板が前記動線の途中の所定位置に達すると、それまで、前記微動移動制御手段で前記ステッピングモーターの動作を制御していた制御状態を、前記直進移動制御手段で前記ステッピングモーターの動作を制御する制御状態へ切り換える制御切換手段とが設けられていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技機本体に取り付けられるベース部材を有し、このベース部材の表側に装飾板が移動可能に設けられ、前記ベース部材の裏側に固定されるとともに表側の前記装飾板を移動させるステッピングモーターと、このステッピングモーターの動作を制御する制御手段とが設けられ、前記ステッピングモーターの作動によって、前記装飾板が所定の動線に沿って移動するように形成された役物を備えた遊技機であって、
前記ステッピングモーターは、所定のトルクを出力する出力軸を備えるとともに、この出力軸にピニオンが固定されたものとされ、
前記ステッピングモーターの前記ピニオンには、所定長さ寸法を有するとともに、前記装飾板が取り付けられるラックが係合され、
前記装飾板は、前記ステッピングモーターのトルクを受けた前記ラックによって前記所定の動線に沿って移動するように形成され、
前記制御手段には、
前記動線に沿って前記装飾板を進行させるための前進駆動パルス、及び、前記動線に沿って前記装飾板を戻すための後退駆動パルスを、交互にステッピングモーターに与えることで、前記装飾板を所定方向に向かって微動させながら移動させる微動移動制御手段と、
前記動線に沿って前記装飾板を前記所定方向に向かって移動させるための前進駆動パルスのみをステッピングモーターに与えることで、前記装飾板を前記所定方向に向かって移動させる直進移動制御手段と、
前記装飾板が前記動線の途中の所定位置に達すると、それまで、前記直進移動制御手段で前記ステッピングモーターの動作を制御していた制御状態を、前記微動移動制御手段で前記ステッピングモーターの動作を制御する制御状態へ切り換える制御切換手段とが設けられていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機本体に取り付けられるベース部材を有し、このベース部材の表側に装飾板が移動可能に設けられ、前記ベース部材の裏側に固定されるとともに表側の前記装飾板を移動させる移動手段が設けられ、前記移動手段を作動させることによって、前記装飾板が所定の動線に沿って移動するように形成された遊技機用の役物、及び、この役物を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人々に娯楽を提供する遊技機として、スロットマシンやパチンコ機等が利用されている。このような遊技機には、演出用の音声を出力する音声出力装置や、演出用の画像を表示する液晶パネル等の表示装置が設けられ、これらの演出用の装置により、遊技者を遊技に熱中させるための演出が行われている。
このような演出用の装置としては、液晶表示装置の画面を外部に露出させる画面表示窓と、この画面表示窓を開閉する扉とを有し、液晶表示装置の画面に演出映像を表示する際に、画面表示窓を閉鎖する閉鎖位置から、画面表示窓を開放する開放位置へ扉を移動させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような役物によれば、液晶表示装置の画面に演出映像を表示する演出用の動画を表示する前に、扉が閉鎖位置から開放位置まで移動するので、遊技者の視界の中に扉が入っていれば、移動する扉が遊技者の注意を引くので、扉が開放位置に達した後に表示される液晶表示装置の演出画像は、遊技者の注意を引いた状態で表示され、これにより、単に液晶表示装置の画面に演出映像を表示するだけの場合よりも、演出効果をより高めることができる。
しかしながら、扉の移動速度は遅くなく、扉は、閉鎖位置から開放位置まで短時間で移動してしまうので、移動遊技者が隣の遊技者と会話をするために、僅かな時間でも横を向くと、遊技者の視界の中に役物が入ることがない。そして、遊技者が横を向いている間に、扉が閉鎖位置から開放位置まで移動すると、遊技者は、扉の移動に気が付くことがないおので、遊技者の注意を引くことができない。
【0004】
一方、扉の移動速度を遅くすれば、扉が閉鎖位置から開放位置まで到達する時間は長くなり、閉鎖位置から開放位置まで移動するまでの間に、移動している扉が遊技者の視界の中に入るようになるが、移動速度が遅いので、遊技者は、扉の移動を認識できなくなり、遊技者の注意を引きつけることができない。
そこで、本出願人は、所定の二位置間を往復する移動部材を備えた役物について、移動部材を前後に微動させた後、移動部材の移動を開始し、これにより、移動速度を低下させずに、移動部材の演出動作時間を長くすることで、遊技者が扉の演出に気が付くようにし、換言すると、微動した後移動する移動部材で遊技者の注意を引くようにし、これにより、役物の演出効果を高めることを図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−173166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のような役物では、役物全体を小型化するために、電動機を小型化すると、電動機のトルクも弱くなり、移動部材の移動速度が遅くなり、所定の二位置の一方から他方まで移動するのに要する時間が長くなるので、演出が間延びしたものとなり、移動部材の移動により演出効果が損なわれてしまう、という問題がある。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した背景技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型化しても、演出効果を確保できる遊技機用の役物、及び、この役物を備えた遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、前述の目的を達成するためになされたものである。以下に、各発明の特徴点を、図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、遊技機(1)本体に取り付けられるベース部材(41)を有し、このベース部材(41)の表側に装飾板(21)が移動可能に設けられ、前記ベース部材(41)の裏側に固定されるとともに表側の前記装飾板(21)を移動させるステッピングモーター(31)と、このステッピングモーター(31)の動作を制御する制御手段(50)とが設けられ、前記ステッピングモーター(31)の作動によって、前記装飾板(21)が所定の動線に沿って移動するように形成された役物(20)を備えた遊技機(1)であって、前記ステッピングモーター(31)は、所定のトルクを出力する出力軸(31A) を備えるとともに、この出力軸(31A) にピニオン(32)が固定されたものとされ、前記ステッピングモーター(31)の前記ピニオン(32)には、所定長さ寸法を有するとともに、前記装飾板(21)が取り付けられるラック(33)が係合され、前記装飾板(21)は、前記ステッピングモーター(31)のトルクを受けた前記ラック(33)によって前記所定の動線に沿って移動するように形成され、前記制御手段(50)には、前記動線に沿って前記装飾板(21)を進行させるための前進駆動パルス、及び、前記動線に沿って前記装飾板(21)を戻すための後退駆動パルスを、交互にステッピングモーター(31)に与えることで、前記装飾板(21)を微動させながら所定方向に向かって移動させる微動移動制御手段(53)と、前記動線に沿って前記装飾板(21)を前記所定方向に向かって移動させるための前進駆動パルスのみをステッピングモーター(31)に与えることで、前記装飾板を前記所定方向に向かって移動させる直進移動制御手段(54)と、前記装飾板(21)が前記動線の途中の所定位置に達すると、それまで、前記微動移動制御手段(53)で前記ステッピングモーターの動作を制御していた制御状態を、前記直進移動制御手段(54)で前記ステッピングモーターの動作を制御する制御状態へ切り換える制御切換手段(55)とが設けられていることを特徴とする。
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項2記載の発明は、遊技機(1)本体に取り付けられるベース部材(41)を有し、このベース部材(41)の表側に装飾板(21)が移動可能に設けられ、前記ベース部材(41)の裏側に固定されるとともに表側の前記装飾板(21)を移動させるステッピングモーター(31)と、このステッピングモーター(31)の動作を制御する制御手段(50)とが設けられ、前記ステッピングモーター(31)の作動によって、前記装飾板(21)が所定の動線に沿って移動するように形成された役物(20)を備えた遊技機(1)であって、前記ステッピングモーター(31)は、所定のトルクを出力する出力軸(31A) を備えるとともに、この出力軸(31A) にピニオン(32)が固定されたものとされ、前記ステッピングモーター(31)の前記ピニオン(32)には、所定長さ寸法を有するとともに、前記装飾板(21)が取り付けられるラック(33)が係合され、前記装飾板(21)は、前記ステッピングモーター(31)のトルクを受けた前記ラック(33)によって前記所定の動線に沿って移動するように形成され、前記制御手段(50)には、前記動線に沿って前記装飾板(21)を進行させるための前進駆動パルス、及び、前記動線に沿って前記装飾板(21)を戻すための後退駆動パルスを、交互にステッピングモーター(31)に与えることで、前記装飾板(21)を微動させながら所定方向に向かって移動させる微動移動制御手段(53)と、前記動線に沿って前記装飾板(21)を前記所定方向に向かって移動させるための前進駆動パルスのみをステッピングモーター(31)に与えることで、前記装飾板(21)を前記所定方向に向かって移動させる直進移動制御手段(54)と、前記装飾板(21)が前記動線の途中の所定位置に達すると、それまで、前記直進移動制御手段(54)で前記ステッピングモーター(31)の動作を制御していた制御状態を、前記微動移動制御手段(53)で前記ステッピングモーター(31)の動作を制御する制御状態へ切り換える制御切換手段(55)とが設けられていることを特徴とする。
【0008】
以上において、微動移動制御手段としては、例えば、以下の(1),(2)に記載のものが採用できる。
(1)前進駆動パルス群として、後退駆動パルス群に含まれる後退駆動パルスの数と同数の前進駆動パルスを含むゲイン無し前進駆動パルス群と、このゲイン無し前進駆動パルス群よりも多い数の前進駆動パルスを含むゲイン有り前進駆動パルス群とをステッピングモーターに与えることが可能とされ、後退駆動パルス群及びゲイン無し前進駆動パルス群を交互にステッピングモーターに与え、所定回数の後退駆動パルス群をステッピングモーターに付与する毎に、ゲイン無し前進駆動パルス群に代えて、ゲイン有り前進駆動パルス群をステッピングモーターに与えるように形成された微動移動制御手段。
(2)後退駆動パルス群に含まれる後退駆動パルスの数よりも、前進駆動パルス群に含まれる前進駆動パルスの数を多くした状態で、前進駆動パルス群と後退駆動パルス群とを交互にステッピングモーターに与えることで、装飾板を微動させながら移動させる微動移動制御手段。
【発明の効果】
【0009】
(請求項1の効果)
請求項1に記載の発明は、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、装飾板を駆動する原動機としてステッピングモーターを採用し、このステッピングモーターの出力軸にピニオンを固定し、このピニオンと噛み合うラックに装飾板を取り付けたので、装飾板を駆動する駆動機構は、構造が簡単なものとなり、その小型化も容易に行えるようになる。
ここで、ステッピングモーターの動作を制御する制御手段に、所定の動線に沿って装飾板を進行させるための前進駆動パルス、及び、前記動線に沿って装飾板を戻すための後退駆動パルスを、交互にステッピングモーターに与えることで、装飾板を微動させながら所定方向に向かって移動させる微動移動制御手段と、動線に沿って装飾板を所定方向に向かって移動させるための前進駆動パルスのみをステッピングモーターに与えることで、装飾板を前記所定方向に向かって移動させる直進移動制御手段と、装飾板が前記動線の途中の所定位置に達すると、それまで、微動移動制御手段でステッピングモーターの動作を制御していた制御状態を、直進移動制御手段でステッピングモーターの動作を制御する制御状態へ切り換える制御切換手段とを設けたので、遊技の演出のために所定の動線に沿って装飾板を移動させるにあたり、微動移動制御手段によってステッピングモーターが制御され、装飾板は、微動しながら所定方向に向かって移動するようになり、装飾板が動線の途中の所定位置に達すると、制御切換手段によってステッピングモーターを制御する手段が微動移動制御手段から直進移動制御手段へ切り換えられ、この後、直進移動制御手段によってステッピングモーターが制御され、装飾板は、微動することなく、前記所定位置から前記所定方向に向かって移動するのみとなる。
(請求項2の効果)
請求項2に記載の発明は、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、請求項2記載の発明によれば、装飾板を駆動する原動機としてステッピングモーターを採用し、このステッピングモーターの出力軸にピニオンを固定し、このピニオンと噛み合うラックに装飾板を取り付けたので、装飾板を駆動する駆動機構は、構造が簡単なものとなり、その小型化も容易に行えるようになる。
ここで、ステッピングモーターの動作を制御する制御手段に、所定の動線に沿って装飾板を進行させるための前進駆動パルス、及び、前記動線に沿って装飾板を戻すための後退駆動パルスを、交互にステッピングモーターに与えることで、装飾板を微動させながら所定方向に向かって移動させる微動移動制御手段と、動線に沿って装飾板を前記所定方向に向かって移動させるための前進駆動パルスのみをステッピングモーターに与えることで、装飾板を前記所定方向に向かって移動させる直進移動制御手段と、装飾板が動線の途中の所定位置に達すると、それまで、直進移動制御手段でステッピングモーターの動作を制御していた制御状態を、微動移動制御手段でステッピングモーターの動作を制御する制御状態へ切り換える制御切換手段とを設けたので、遊技の演出のために所定の動線に沿って装飾板を移動させるにあたり、装飾板が動線の途中の所定位置に達するまで、直進移動制御手段によってステッピングモーターが制御され、装飾板は、微動することなく速やかに所定方向に向かって移動するようになり、装飾板が動線の途中の所定位置に達すると、制御切換手段によってステッピングモーターを制御する手段が直進移動制御手段から微動移動制御手段へ切り換えられ、この後、微動移動制御手段によってステッピングモーターが制御され、装飾板は、微動しながら、前記所定位置から前記所定方向に向かって移動することとなる。
【0010】
従って、請求項1記載の発明では、装飾板が動線の途中の所定位置に達するまで、装飾板を微動させながら所定方向に向かって移動させることで、装飾板による演出動作時間を長くすることができ、これにより、装飾板の演出動作が終了してしまう前に、遊技者が装飾板の移動演出に気が付くようになるので、装飾板の移動による演出効果を高めることができる。
そして、装飾板が動線の途中の所定位置に達し、残りの移動距離を短くした後に、装飾板の微動を止め、装飾板を単に前記所定方向に向かって移動させるようにしたので、小型化したステッピングモーターのトルク不足により、装飾板の移動速度が遅くても、動線における残りの距離を移動する時間を短縮することができる。
また、請求項2記載の発明では、装飾板が所定位置まで速やかに所定方向に向かって移動し、その後微動させながら前記所定方向に向かって移動させるので、微動させながらの演出が、あたかもアオリ演出のように感じるものである。
【0011】
このため、電動機を小型化したために、電動機のトルクが弱くなり、装飾板の移動速度が遅くなっても、演出が間延びしたものとならず、その演出効果が損なわれることがなくなるので、電動機を小型化しても、装飾板の移動による演出効果を充分に確保でき、これにより、前記目的が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの全体を示す斜視図である。
図2】前記実施形態に係るスロットマシンの内部を示す斜視図である。
図3】前記実施形態に係る上扉を示す分解斜視図である。
図4】前記実施形態に係るパネル状基体を示す分解斜視図である。
図5】前記実施形態に係る役物を示す斜視図である。
図6】前記実施形態に係る役物を示す分解斜視図である。
図7】前記実施形態に係るベース部材を示す背面図である。
図8】前記実施形態に係る役物を示す背面図である。
図9】前記実施形態に係る役物を示す正面図である。
図10図9のX−X線における断面図である。
図11】前記実施形態に係る役物の要部を示す拡大断面図である。
図12】前記実施形態に係る装飾板の取付構造を示す一部破断した正面図である。
図13】前記実施形態に係るステッピングモーターを示す斜視図である。
図14】前記実施形態に係る役物の組立手順を説明する図である。
図15】前記実施形態に係るラックの動作を説明する図である。
図16】前記実施形態に係る役物制御手段を示すブロック図である。
図17】前記実施形態に係る役物制御処理を説明するフローチャートである。
図18】本発明の変形例に係る役物制御処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための形態である一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(スロットマシン1の概要)
本実施形態に係る遊技機であるスロットマシン1は、周面に複数種類の図柄が記された複数の回転リール10を備え、回転リール10に記された図柄が所定の組合せとなるように、回転している回転リール10を停止させる遊技を行うものである。このようなスロットマシン1は、図1に示すように、当該スロットマシン1の各種装置を収納するために、正面形状が長方形となった箱状の本体キャビネット2を備えたものとなっている。
【0014】
本体キャビネット2は、正面全体が開口された箱状の部材である。そして、本体キャビネット2には、その開口を塞ぐための前扉3が回動可能に設けられている。
前扉3は、本体キャビネット2の開口の上方部分を塞ぐ上扉4と、本体キャビネット2の開口の下方部分を塞ぐ下扉5とに分割されたものである。
このうち、下扉5の上端縁近傍の部分は、スロットマシン1の遊技操作を行うための操作部6となっている。この操作部6には、次のような操作用の手段が設けられている。
すなわち、操作部6の図1中右端近傍には、前扉3の施錠を行う鍵が差し込まれる鍵穴6Aと、遊技媒体としてのメダルが投入されるメダル投入口6Bとが設けられている。
【0015】
操作部6の図1における中央部分には、複数の回転リール10の回転を停止させる際に、それぞれ操作される複数のストップスイッチ6Cが設けられている。このストップスイッチ6Cの図1中左端上方には、メダル投入口6Bに投入されたメダルのうち該遊技に賭けるメダルの枚数を設定する、要するにメダルのベット操作を行うためのベットスイッチ6Dが設けられている。また、ストップスイッチ6Cの図1中左側には、回転リール10の回転を開始させる際に操作されるスタートスイッチ6Eが設けられている。このスタートスイッチ6Eの図1中左端上方には、貯留されているメダルを払い戻させるための精算スイッチ6Fが設けられている。
【0016】
このような操作部6の下方には、文字及び図の少なくとも一方からなる標章、例えば、スロットマシン1の機種名を鮮明に表示するための下パネル5Aが設けられている。この下パネル5Aの裏側には、下パネル5Aを後方から照らす図示しないバックライト装置が設けられている。
さらに、下パネル5Aの下方には、メダルを貯留するためのメダル受皿部5Bと、入賞時にメダル受皿部5Bへ向かって払い出されるメダルが吐出されるメダル払出口5Cと、遊技に係る効果音を発生するスピーカーを備えた音声出力部5Dとが設けられている。
また、上扉4には、操作部6の上方に隣接して配置されるとともに、透明なアクリル板等からなる化粧パネル8が設けられている。
【0017】
化粧パネル8は、本体キャビネット2の内部を見せための窓として、本体キャビネット2の内部に収納された回転リール10の図柄を外部に外部に露出させる図柄表示窓8Aと、後述する発光体ユニット11及び役物ユニット20を外部へ露出させる一対の演出表示窓8Bとを備えたものである。
換言すると、化粧パネル8は、図柄表示窓8A及び演出表示窓8B等の窓に相当する部分を除いて、その裏側の面に光を遮断する遮光塗膜が形成され、遮光塗膜が形成されていない残りの部分が、図柄表示窓8A及び演出表示窓8B等の窓となっているものである。
この上扉4、特に、化粧パネル8の周辺については、後で更に詳しく説明する。
【0018】
化粧パネル8の上方には、動画の表示までもが可能となった液晶表示装置4Aが設けられている。この液晶表示装置4Aの図1中左右には、遊技に係る効果音を発生するスピーカーを備えた音声出力部4Bがそれぞれ設けられている。
また、上扉4の上端縁近傍には、遊技を演出するために、遊技状況に応じて点灯する複数の装飾ランプ部4Cが上扉4の上端縁に沿って設けられている。
これらの液晶表示装置4A、装飾ランプ部4C及び音声出力部4Bは、遊技を演出する演出動作を行う装置として相互に結合され、これにより、一つにまとまった演出ブロック体4Dを形成している。
【0019】
上扉4の裏側には、表側の化粧パネル8に対応した位置に、図2に示すように、前述の発光体ユニット11及び役物ユニット20を支持するパネル状基体9が設けられている。
上扉4の裏側におけるパネル状基体9の上方には、液晶表示装置4A、装飾ランプ部4C及び音声出力部4B等の演出に係る装置の動作を制御する副制御基板12が設けられている。
また、下扉5の裏側におけるメダル投入口6Bの下方には、当該メダル投入口6Bに投入されたメダルの真贋を判定するメダルセレクタ13が設けられている。
本体キャビネット2の内部には、図2の如く、前述の三個の回転リール10を回転可能に支持するとともに、各回転リール10を回転駆動する図示しないモーターを備えたリールユニット14が設けられている。
【0020】
リールユニット14の下方には、メダルセレクタ13が真正なものと判定したメダルを貯留するとともに、必要に応じて、貯留されたメダルをメダル払出口5Cから払い出すホッパーユニット15が設けられている。
リールユニット14の上方には、リールユニット14及びホッパーユニット15等、スロットマシン1の遊技の進行に直接関与する装置の動作を制御する主制御基板16が設けられている。
以上のようなスロットマシン1は、遊技者がメダルをベットした後に、スタートスイッチ6Eを操作することにより、複数の回転リール10が回転を開始し、この後、遊技者が複数のストップスイッチ6Cを操作して、所定の図柄61の組合せが有効入賞ライン上に停止表示されると入賞となって、入賞した役に対応する枚数のメダルを遊技者に払い出すように形成されている。
【0021】
(上扉4)
上扉4は、図3に示すように、液晶表示装置4A等からなる演出ブロック体4Dを支持する枠状化粧フレーム4Eと、前述した化粧パネル8及びパネル状基体9とを有するものとなっている。
枠状化粧フレーム4Eは、四角形状の枠体であり、上側の部分に演出ブロック体4Dが取り付けられている。枠状化粧フレーム4Eの残り部分は、開口となっており、裏側から化粧パネル8が取り付けられるようになっている。
化粧パネル8は、前述したように、遮光塗膜が形成されていない部分が、図柄表示窓8A及び一対の演出表示窓8B等の窓となっているものである。
【0022】
一対の演出表示窓8Bのうち、発光体ユニット11に対応するもの(図3中右側)は、裏側の面に光を透過する透光塗膜が形成されたものとなっている。
そして、この透光塗膜には、発光体ユニット11の消灯状態では不明瞭となるとともに、発光体ユニット11の点灯状態では、明瞭に表示されるの文字等が記されている。
図柄表示窓8Aは、表裏のいずれにも塗膜等が形成されていない透明な窓である。
一対の演出表示窓8Bのうち、役物ユニット20に対応するもの(図3中左側)は、図柄表示窓8Aと同様に、表裏のいずれにも塗膜等が形成されていない透明な窓となっている。
化粧パネル8には、図柄表示窓8A及び演出表示窓8Bに加えて、図柄表示窓8A及び演出表示窓8Bよりもサイズが小さい数値表示窓8Cが設けられている。
【0023】
この数値表示窓8Cは、後述するアラビア数字表示器9Cの表示部を外部に露出させるものであり、図柄表示窓8Aと同様に、表裏のいずれにも塗膜等が形成されていない透明な窓となっている。
パネル状基体9は、化粧パネル8の図柄表示窓8Aに対応する部分に設けられた開口部9Aを有する略平板状の部材である。
パネル状基体9における開口部9Aの図3中下方には、7セグメントのLEDからなる表示部が複数配列されているアラビア数字表示器9Cが設けられている。
また、パネル状基体9における開口部9Aの図3中左右には、役物ユニット20及び発光体ユニット11等のユニットが取り付けられるユニット取付部9Bが設けられている。
【0024】
ユニット取付部9Bの各々には、役物ユニット20及び発光体ユニット11のうちの任意の一個が取付可能となっている。
すなわち、ユニット取付部9Bは、図4に示すように、役物ユニット20及び発光体ユニット11等のユニットを内部に挿入させる開口部9Dを有している。
そして、役物ユニット20及び発光体ユニット11等のユニットは、開口部9Dの内部に挿入された状態で、その上部及び下部がユニット取付部9Bに固定されるようになっている。
(役物ユニット20)
次に、本発明に基づく役物である役物ユニット20について詳細に説明する。
【0025】
役物ユニット20は、図5に示すように、当該役物ユニット20の正面に配置された装飾板21を備えたものであり、遊技の状況に応じて装飾板21を所定の動線に沿って動かす演出を行うように形成されている。
この役物ユニット20には、図5及び図6に示すように、装飾板21に加えて、装飾板21を駆動するための駆動機構30(図6にのみ示す。)と、この駆動機構30を支持する構造体40と、役物ユニット20の前面側を装飾する装飾部材22〜24と、役物ユニット20の背面側を保護するバックカバー部材25とが設けられている。
ここで、装飾板21は、スロットマシン1の機種名を表すロゴ等が記されたシート21A が表側の面に貼付されたものである。
【0026】
また、装飾板21は、図6に示すように、移動方向に沿った一対の側縁を有する略四角形状に形成されたものである。
このような装飾板21は、図6中左側に配置された側縁の近傍部分が、後述するラック33に取り付けられるものとなっている。換言すると、装飾板21には、裏側面における図6中左側の端縁近傍の位置から構造体40の内部へ向かって突出する突起部21B が設けられており、装飾板21は、突起部21B が後述するラック33に固定されるようになっている。
また、装飾板21には、図6中右側の端面から突出する位置規制部としての突条部21C が設けられている。
【0027】
駆動機構30は、図6の如く、所定のトルクを出力する出力軸31A を有するステッピングモーター31と、ステッピングモーター31の出力軸31A に固定されたピニオン32と、ピニオン32に係合されるラック33と、ステッピングモーター31を駆動する電子回路が形成されているドライバ回路基板34とを備えたものとなっている。
ステッピングモーター31は、ピニオン32及びラック33を介して装飾板21を移動させる移動手段である。
ステッピングモーター31には、構造体40に固定するためのネジを挿通させるネジ挿通孔31B が形成された耳部31C が設けられている。
【0028】
このステッピングモーター31の出力軸31A は、外周面の一部に平面が形成されたものとなっている。
ピニオン32は、所定数の歯が外周面に配列された歯車である。
このピニオン32は、当該ピニオン32と螺合する図示しないイモネジを、出力軸31A の平面に当接させた状態で締め付けることで出力軸31A に対して回転不可能となるように固定されている。
ラック33は、所定の長さ寸法を有する略長方形の平板状に形成された本体部33A を備えている。この本体部33A には、ピニオン32の歯と噛み合う複数の歯が当該本体部33A の長辺に沿って形成されている。
【0029】
本体部33A には、長さ方向の中央部分から装飾板21側へ突出するとともに、ラック33の原点位置を検出するための原点突起33B が設けられている。
また、ラック33には、本体部33A の歯が形成されていない方の長辺から装飾板21側へ突出する連結部33C と、この連結部33C 先端部分に形成された移動接触部33Dとが設けられている。
連結部33C は、本体部33A と交差する平板状であり、本体部33A の長手方向と同じ方向の長手方向を有する長方形状に形成されたものである。
移動接触部33D は、後述するベース部材41の所定部分に接触させるための部位となっている。
【0030】
そして、移動接触部33D には、装飾板21の突起部21B にネジで接合される接合部33E が設けられている。この接合部33E については、後で詳述する。
ドライバ回路基板34は、装飾板21側を向いた面の反対側の面に、ステッピングモーター31を駆動するために必要な電子素子が設置され、これらの電子素子によってステッピングモーター31を駆動するドライバ回路が形成されたものである。
また、ドライバ回路基板34におけるドライバ回路が形成された面には、ラック33の本体部33A に設けられた原点突起33B の通過を検出する近接センサ(例えば、フォトインターラプタ)34A と、副制御基板12等との電気的接続を行うためのコネクタジャック34B, 34Cが設けられている。
【0031】
ドライバ回路基板34におけるドライバ回路が形成された面の裏側の面には、複数の光源(例えば、発光ダイオード)34D が設けられている。これらの光源34D は、装飾板21を裏側から照射するバックライトとなっている。
また、ドライバ回路基板34は、装飾板21を図5中下方へ移動させる前進駆動パルスと、装飾板21を図5中上方へ移動させる後退駆動パルスとの両方をステッピングモーター31に与えることが可能となったものである。
前述の副制御基板12は、ドライバ回路基板34を介してステッピングモーター31の動作を適宜制御することにより、装飾板21を上下に振動させながら降下させ、途中の所定位置に達した後、振動をやめた状態で単に降下させることが可能となっている。
【0032】
構造体40は、駆動機構30、装飾部材22〜24及びバックカバー部材25を支持するのに充分な剛性を有する構造体である。
この構造体40には、表側に装飾板21が移動可能に設けられるベース部材41と、パネル状基体9のユニット取付部9Bに取り付けられる取付枠材42と、取付枠材42の前面側を配置される略枠状のフロントカバー部材43とが設けられている。
ベース部材41は、取付枠材42を介してスロットマシン1側のユニット取付部9Bに取り付けられるものである。
また、ベース部材41は、ドライバ回路基板34の電子素子及びラック33の一部を収納するとともに、ドライバ回路基板34に応じた大きさの回路室41A を有する箱状の部材とされている。
【0033】
ここで、ドライバ回路基板34は、その電子素子が取り付けられた面をベース部材41の回路室41A に向けて、当該回路室41A を覆った状態でベース部材41に取り付けられるようになっている。
また、ベース部材41には、バックカバー部材25側に面した裏側の面におけるほぼ中央の部分がバックカバー部材25へ向かって膨出しており、この膨出した部分が他の部分(以下、「平坦部41B 」という。)よりも盛り上がった膨出部41C となっている。
さらに、ベース部材41には、図6中左側の端縁近傍に配置されるとともに、当該端縁に沿って延びるスリット41D が設けられている。
【0034】
このスリット41D は、ベース部材41の表裏を貫通するとともに、装飾板21が移動する動線に沿って延びる長孔となっている。
ここで、ベース部材41の膨出部41C は、ドライバ回路基板34の電子素子が取り付けられた面を覆う天井部41E と、この天井部41E の周縁に沿って形成されるとともに天井部41E 及び平坦部41B を相互に連結する側壁部41F とを備えたものとなっている。
そして、側壁部41F 及び平坦部41B のスリット41D に近接する部分には、ラック33の本体部33A を回路室41A の内部に導くためのラック導入孔41G が開口されている。
また、天井部41E には、ピニオン32を回路室41A の内部に導くために、図7に示すように、ピニオン32が挿通可能な大きさに形成されたピニオン導入孔51と、このピニオン導入孔51の周縁部分に連続して開口されるとともに、ステッピングモーター31の出力軸31A を挿通させる出力軸挿通孔52と、ステッピングモーター31を取り付けるためのネジと螺合するネジ孔41H とが設けられている。
【0035】
天井部41E のバックカバー部材25に臨む面には、ステッピングモーター31を天井部41E に固定するネジを締め付ける際に、ステッピングモーター31が供回りしないように、ステッピングモーター31の耳部31C を係止する係止突起41J が突設されている。
が形成されている。
なお、図7は、ベース部材41の背面図であることから、ベース部材41の各部の位置が図6とは左右逆に表現されている。
ここで、ステッピングモーター31は、ピニオン導入孔51を通じて、出力軸31A に固定されたピニオン32を回路室41A の内部に入れてから、出力軸31A の位置を出力軸挿通孔52に向かってずらすことで、出力軸31A を出力軸挿通孔52の内部に入れることで、ベース部材41に設定された取付位置にセットされるようになっている。そして、ステッピングモーター31は、出力軸31A が出力軸挿通孔52の内部に入った状態で、耳部31C のネジ挿通孔31B に挿通されたネジを天井部41E のネジ孔41H に螺合することで、天井部41E に固定されるようになっている。
【0036】
ピニオン導入孔51は、ステッピングモーター31の出力軸31A に固定されたピニオン32を回路室41A の内部に入れる際に、ステッピングモーター31によって一旦閉鎖されるが、ステッピングモーター31の出力軸31A が出力軸挿通孔52の内部に配置されると開放され、回路室41A の内部を冷却する空気の吸排気口を兼用するように形成されている。
ピニオン32は、ステッピングモーター31が天井部41E に固定されると、回路室41A の内部に収納されるようになっている。
そして、ベース部材41には、図7中右側の側縁に沿って延びる側壁41M が形成されている。この側壁41M には、その頂上部分の一部を切り欠くことにより、凹部41N (図14参照)が形成されている。
【0037】
ラック33は、側壁41M に形成された凹部41Nと、ラック導入孔41G とを通じて本体部33A が回路室41A の内部に差し込まれてピニオン32と噛み合うように形成されている。
そして、ラック33は、本体部33A がピニオン32と噛み合うと、ベース部材41におけるスリット41D の近傍部分に移動接触部33D が接するようになっている。
ところで、ベース部材41の平坦部41B には、ベース部材41の内部に収納されたドライバ回路基板34のコネクタジャック34B, 34Cに対応する位置に、コネクタジャック34B, 34Cを外部に露出させるコネクタ挿通孔41K, 41Lが設けられている。
取付枠材42は、図6の如く、枠状に形成された部材であり、その裏側に、ベース部材41が図示しないネジで取り付けられ、その表側に、フロントカバー部材43が、ベース部材41と同様に、図示しないネジで取り付けられるようになっている。
【0038】
この取付枠材42の上方に設けられた横枠部の両端には、パネル状基体9のユニット取付部9Bと螺合するネジを挿通させるネジ挿通孔42A が設けられている。
また、取付枠材42の下方に設けられた横枠部の中央には、パネル状基体9のユニット取付部9Bと螺合するネジを挿通させるネジ挿通孔42B が設けられている。
フロントカバー部材43は、図6及び図9の如く、略枠状に形成された部材である。
このフロントカバー部材43には、上方に配置された横枠部から下方へ広がる平板部43A が形成され、この平板部43A の下方に開口部43B が形成されている。
また、フロントカバー部材43の平板部43A には、当該平板部43A の表裏を貫通する複数の貫通孔43C (図9参照)が形成されている。
【0039】
フロントカバー部材43には、図6及び図9に示すように、開口部43Bの両側に配置された一対の縦枠部が備えられている。この一対の縦枠部のうち、図6中右側に配置された縦枠部には、装飾板21の移動方向に沿った溝43D が開口されている。この溝43D の内部には、装飾板21の突条部21C が差し込まれるように形成されている。
この装飾板21の突条部21C は、フロントカバー部材43の溝43D との係合によって当該装飾板21の厚さ方向の移動が規制された状態で、当該溝43D に沿って移動可能に形成されている。
図6に戻って、装飾部材22〜24のうち、装飾部材22は、透明な合成樹脂から形成された装飾レンズ部材22である。
【0040】
この装飾レンズ部材22は、フロントカバー部材43の平板部43A に殆ど隠蔽される隠蔽部22A と、フロントカバー部材43の開口部43B を通じて外部に露出するレンズ部22B とを備えている。
隠蔽部22A は、フロントカバー部材43の平板部43A に形成された複数の貫通孔43C に対応した複数のレンズ部22C が形成されたものである。
レンズ部22B の裏側の面には、砕かれた氷の表面を模した鋭利な凹凸面22D (図10参照)が形成されている。
装飾部材23, 24は、図6の如く、鎖を模した装飾鎖状部材23, 24である。
【0041】
装飾鎖状部材23は、フロントカバー部材43に形成された平板部43A の下辺の中間部分と、フロントカバー部材43における右側に位置する縦枠部の長手方向における中間部分との間に掛け渡された状態で、その両端がフロントカバー部材43に固定されている。
装飾鎖状部材24は、フロントカバー部材43における左側に位置する縦枠部の長手方向における中間部分と、フロントカバー部材43における下方に位置する横枠の長手方向における中間部分との間に掛け渡された状態で、その両端がフロントカバー部材43に固定されている。
バックカバー部材25は、図6の如く、ベース部材41の裏側を覆う部材である。
【0042】
このバックカバー部材25の裏側面には、ベース部材41の裏側に固定されたステッピングモーター31を覆うために、ステッピングモーター31に応じた大きさに膨出した膨出部25A が形成されている。
また、バックカバー部材25には、図7及び図8にも示すように、ベース部材41のコネクタ挿通孔41K, 41Lに対応した部位を切り欠くことにより形成された切り欠き部25B, 25Cが設けられている。これにより、バックカバー部材25でベース部材41の裏側を覆っても、コネクタ挿通孔41K, 41Lの内部に配置されているコネクタジャック34B, 34Cに対して、図示しないコネクタプラグを容易に抜き差しできるようになっている。
【0043】
さらに、バックカバー部材25には、図15にも示すように、ラック33が移動する移動領域の上方の端部α近傍に開口されるとともに、回路室41A の内部を冷却するための吸排気用開口25D が設けられている。
また、バックカバー部材25には、図15にも示すように、ラック33が移動する移動領域の下方の端部β近傍に開口されるとともに、回路室41A の内部を冷却するための吸排気用開口25E が設けられている。
ここで、吸排気用開口25D, 25Eの各々は、ラック33が近づく際に、回路室41A の内部空気を外部へ排出する排気口となるとともに、ラック33が遠ざかる際に、外部の空気を回路室41A の内部に吸い込む吸気口となるように形成されている。
【0044】
さらに、バックカバー部材25の内部には、図6及び図10に示すように、装飾板21の移動方向に沿って延びるとともに、ラック33をベース部材41に向かって押さえる押圧部としてのリブ25F が設けられている。
また、バックカバー部材25の膨出部25A には、図8及び図10に示すように、背面から見て、ステッピングモーター31と重なる位置に回路室41A の内部を冷却するための吸排気用開口25G が設けられている。
以上において、ラック33は、スリット41D の幅方向及び貫通方向への移動が規制され、これにより、スリット41D に沿ってガタつくことなく摺動するように形成されている。以下に、ガタつきを抑えながらラック33を摺動させる案内構造について詳しく説明する。
【0045】
すなわち、ラック33には、前述したように、ベース部材41におけるスリット41D の近傍部分に接触する移動接触部33D が設けられている。
、この移動接触部33D には、図11に示すように、ベース部材41に対向する位置に配置された移動接触底面33F と、この移動接触底面33F の両側の側縁にそれぞれ接続されるとともに、当該移動接触底面33F と交差する一対の移動接触側面33G とが設けられている。
また、ラック33には、L字形に交差する移動接触部33D と連結部33C との剛性を確保するために、移動接触部33D 及び連結部33C に跨って形成された補強リブ33H 及びスチフナ33J が設けられている。
【0046】
一方、ベース部材41の裏側には、ラック33をスリット41D に沿って案内するとともに、ラック33の移動接触底面33F に接触する案内面41P と、スリット41D を挟んで対向して配置されて、その間にラック33の移動接触部33D が配置されるとともに、ラック33側に設けられている一対の移動接触側面33G にそれぞれ接触する一対の位置規制面41Q とが設けられている。
また、バックカバー部材25には、前述したように、ラック33をベース部材41に向かって押さえるリブ25F が設けられている。このリブ25F は、ラック33に形成されたスチフナ33J に当接し、スチフナ33J をベース部材41に向かって押さえるものとなっている。
【0047】
以上において、ラック33は、ベース部材41の案内面41P 及びバックカバー部材25のリブ25F の間に移動接触部33D が挟まれることにより、スリット41D の貫通方向の移動が規制され、且つ、一対の位置規制面41Q の間に移動接触部33D が挟まれることにより、スリット41D の幅方向への移動が規制された状態で、ステッピングモーター31のトルクを受けて、装飾板21を所定の動線に沿って移動するように形成されている。
次に、ラック33と装飾板21との接合部分である接合部33E 及び突起部21B について詳しく説明する。
ラック33の移動接触底面33F には、図11及び図12に示すように、当該移動接触底面33F から装飾板21へ向かって突出するとともに、当該移動接触底面33F の外周縁に沿って延びる立ち上がり部33K が設けられている。
【0048】
ラック33の接合部33E には、装飾板21の突起部21B をネジ止めするネジ26を挿通させるネジ挿通孔33L と、後述する回転止め突起部21F を内部に挿通させる回転止め孔33M とが設けられている。
装飾板21には、突起部21B として、断面T字形に形成された位置決め突起部21D と、ネジ26と螺合する固定用突起部21E と、ネジ26を締め込む際に、位置決め突起部21D とともに装飾板21の供回りを防止する回転止め突起部21F とが設けられている。
装飾板21は、位置決め突起部21D におけるT字の横棒先端を立ち上がり部33K の内側面に当接させることで、ラック33に対する角度位置が決定されるようになっている。
【0049】
そして、装飾板21は、ラック33に対する角度位置が決定した状態で、接合部33E のネジ挿通孔33L に挿通したネジ26を、装飾板21の固定用突起部21E 螺合させることで、ラック33に対して所定の取付角度をなした状態で、ラック33に固定されるようになっている。
続いて、ステッピングモーター31、ラック33及びバックカバー部材25のベース部材41への取付手順について簡単に説明する。
まず、ステッピングモーター31をベース部材41に取り付けるのに先立ち、図13に示すように、ステッピングモーター31の出力軸31A にピニオン32を取り付けておく。
次に、図14(A)に示すように、ピニオン導入孔51を通じて、ステッピングモーター31の出力軸31A に固定されたピニオン32を回路室41A の内部に入れる。
【0050】
この後、図14(B)に示すように、ステッピングモーター31の出力軸31A の位置を出力軸挿通孔52に向かってずらし、出力軸31A を出力軸挿通孔52の内部に入れ、この状態で、ステッピングモーター31をベース部材41にネジ止めする。
続いて、図14(C)に示すように、ベース部材41の側壁41M に設けられた凹部41N と、ラック導入孔41G とを通じて、ラック33の本体部33A をベース部材41の回路室41A の内部に入れ、ピニオン32とラック33とが噛み合う位置にラック33を配置する。
次いで、図14(D)に示すように、ラック33に向かって装飾板21の突起部21B を移動し、ラック33の接合部33E (図14では図示略)に突起部21B を当接させ、この状態で、ラック33の接合部33E に装飾板21の突起部21B をネジ止めする。
【0051】
ラック33の接合部33E を装飾板21の突起部21B にネジ止めする作業が終了したら、図14(E)に示すように、バックカバー部材25をベース部材41に取り付け、以上により、ステッピングモーター31、ラック33及びバックカバー部材25のベース部材41への取付作業が完了する。
続いて、ラック33による回路室41A の換気動作について、図15を参照しながら、簡単に説明する。なお、以下の説明では、バックカバー部材25が取り付けられた状態の役物ユニット20について説明するが、図15(A),(B)では、説明の便宜上、バックカバー部材25の記載が省略されている。
【0052】
図15(A)に示すように、ラック33が当該ラック33の移動領域における端部αへ向かって移動すると、換言すると、図15(A)中の白い矢印の方向へラック33が移動すると、図15(C)に示すように、バックカバー部材25内の空気は、端部αの近傍に配置されている吸排気用開口25D から外部へ排出される一方、バックカバー部材25の外部の空気は、端部βの近傍に配置されている吸排気用開口25E からバックカバー部材25の内部に吸入される。換言すると、図15(C)中の白い矢印の方向に空気が移動することで、バックカバー部材25内の空気が換気される。
また、図15(B)に示すように、ラック33が当該ラック33の移動領域における端部βへ向かって移動すると、換言すると、図15(B)中の黒い矢印の方向へラック33が移動すると、図15(C)に示すように、バックカバー部材25内の空気は、端部βの近傍に配置されている吸排気用開口25E から外部へ排出される一方、バックカバー部材25の外部の空気は、端部αの近傍に配置されている吸排気用開口25D からバックカバー部材25の内部に吸入される。換言すると、図15(C)中の黒い矢印の方向に空気が移動することで、バックカバー部材25内の空気が換気される。
【0053】
ここで、ベース部材41内の空気は、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41G 並びに吸排気用開口25D, 25Eを通じて、バックカバー部材25の外部の空気とが入れ換わるだけでなく、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41G 並びに吸排気用開口25G を通じて、バックカバー部材25の外部の空気とが入れ換わるようになっており、これにより、ベース部材41の内部が冷却されるようになっている。
ここで、吸排気用開口25G に着目して、ベース部材41内の換気冷却について更に詳しく説明する。
すなわち、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41G に対してラック33が相対的に接近すると、ベース部材41の内部では、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41G の近傍の圧力が高くなり、ベース部材41内の空気は、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41G を通ってベース部材41の外部(バックカバー部材25の内部)へ排出され、さらに、吸排気用開口25G を通って、バックカバー部材25の外部へ排出されるようになっている。
【0054】
一方、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41G に対してラック33が相対的に遠ざかると、ベース部材41の内部では、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41Gの近傍の圧力が負圧となり、吸排気用開口25G を通じてバックカバー部材25の外部の空気がバックカバー部材25の内部に吸引され、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41Gを通じて、バックカバー部材25の内部の空気が、内部ベース部材41の内部に吸引されるようになっている。
次に、役物ユニット20の動作を制御する役物制御手段50について説明する。
まず、装飾板21の所定の動作について説明する。装飾板21は、役物制御手段50の制御の下、以下のような動作を行うようになっている。
【0055】
すなわち、装飾板21は、役物ユニット20のスリット41D に沿って上下方向に移動するように形成され、移動範囲の上端から移動を開始し、移動範囲における途中の所定位置に達するまでは、上下に振動しながらゆっくりと降下し、途中の所定位置に達した後は、振動を止めるとともに、速度を増して降下し、移動範囲の下端に達すると停止する、といった一連の動作を行うようになっている。
このような動作を装飾板21に行わせる役物制御手段50は、副制御基板12の内部に形成されたものとなっている。
すなわち、副制御基板12は、マイクロコンピュータを利用したCPU並びにROM及びRAM等の記憶手段を含んで構成されたハードウェアに、演出動作制御や遊技動作制御を行うためのソフトウェアがインストールされた制御装置である。
【0056】
そして、役物制御手段50は、副制御基板12にインストールされた複数のソフトウェアのうちの一つによって構成されたものである。
すなわち、役物制御手段50は、ドライバ回路基板34を介してステッピングモーター31を制御することで、装飾板21に前述の動作をさせる制御を行うものである。
更に具体的に説明すると、役物制御手段50は、ドライバ回路基板34を介してステッピングモーター31を制御するコンピュータ・プログラムで構成されたものとなっている。
このような役物制御手段50は、副制御基板12の内部に形成され、副制御基板12の入出力部を通じて、図16に示すように、近接センサ34A 及びドライバ回路基板34と電気的に接続されている。
【0057】
そして、役物制御手段50には、図16の如く、装飾板21を微動させながら前進させる微動移動制御手段53と、装飾板21を前進方向へのみ移動させる直進移動制御手段54と、ステッピングモーター31の動作制御を行うものを、微動移動制御手段53及び直進移動制御手段54の一方から他方へ切り換える制御切換手段55と、動線上における装飾板21の位置を判定する位置判定手段56とが設けられている。
ここで、装飾板21が移動する動線には、直線座標が設定され、上方の始点が座標「0」とされ、下方の終点が座標「257」とされている。
また、座標「0」、すなわち、装飾板21の原点位置は、近接センサ34A がラック33の原点突起33B を検出したときに装飾板21が存在する位置となっている。
【0058】
そして、位置判定手段56は、ドライバ回路基板34がステッピングモーター31に与えた前進駆動パルス及び後退駆動パルスの数に基づいて、装飾板21の座標位置を判定するものとなっている。なお、位置判定手段56は、近接センサ34A から受信した原点校正信号に基づいて、装飾板21の原点位置を適宜校正するようになっている。
また、位置判定手段56は、座標「0」から移動を開始した装飾板21が所定の移動動作を行った後、「0」から「257」までの間の所定の座標位置に到着したことを契機に、制御切換手段55へ切換指令信号を送るようになっている。
例えば、位置判定手段56は、座標「0」から移動を開始した装飾板21が、前後に振動しながら前進し、座標「40」に到着した後、後述するゲイン有り前進駆動パルス群で座標「40」から座標「70」へ前進し、さらに、後述する後退駆動パルス群で座標「70」から座標「50」へ戻り、その後、後述するゲイン無し前進駆動パルス群で座標「50」から座標「70」へ前進してから、後退駆動パルス群で座標「70」から座標「50」に戻ることによって、座標「50」に到着すると、制御切換手段55へ切換指令信号を送るようになっている。
【0059】
制御切換手段55は、微動移動制御手段53がステッピングモーター31の動作制御を行っている状態で、制御切換手段55から切換指令信号を受信すると、それまで、微動移動制御手段53が行っていたステッピングモーター31の動作制御を、直進移動制御手段54によって行われるように、制御を行う手段を切り換えるように形成されている。
換言すると、制御切換手段55は、微動移動制御手段53がステッピングモーター31の動作制御を行っている状態で、制御切換手段55から切換指令信号を受信すると、微動移動制御手段53でステッピングモーター31の動作を制御していた制御状態を、直進移動制御手段54でステッピングモーター31の動作を制御する制御状態へ切り換えるものとなっている。
【0060】
直進移動制御手段54は、動線の始点である座標「0」から終点である座標「257」に向かう方向へ装飾板21を進行させるための前進駆動パルスのみをステッピングモーター31に与えることで、装飾板21を前進方向へ移動させる動作制御を行うものである。
装飾板21は、直進移動制御手段54によってステッピングモーター31が制御されると、上下に振動することなく、前進方向へのみ移動するようになっている。
微動移動制御手段53は、動線の始点である座標「0」から終点である座標「257」に向かう方向へ装飾板21を進行させるための前進駆動パルスを複数含む前進駆動パルス群、及び、動線の終点側から始点側へ装飾板21を戻すための後退駆動パルスを複数含む後退駆動パルス群を、交互にステッピングモーター31に与えることで、装飾板21を上下に振動させながら前進させる動作制御を行うものである。
【0061】
微動移動制御手段53には、図16の如く、前進駆動パルスを複数含む前進駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を行うゲイン無し前進駆動パルス群付与処理手段61及びゲイン有り前進駆動パルス群付与処理手段62と、後退駆動パルスを複数含む後退駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を行う後退駆動パルス群付与処理手段63と、後退駆動パルス群付与処理手段63が後退駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を行った回数を分周する処理回数分周手段64と、ステッピングモーター31へ与えられる前進駆動パルス群についてゲイン無し前進駆動パルス群及びゲイン有り前進駆動パルス群の一方から他方へ切り換えるゲイン切換手段65と、前進駆動パルス付与状態及び後退駆動パルス付与状態の一方から他方への切り換えを行う駆動方向切換手段66とが設けられている。
【0062】
ゲイン無し前進駆動パルス群付与処理手段61は、所定数の前進駆動パルスを複数含むゲイン無し前進駆動パルス群をステッピングモーター31に与えるものである。
更に具体的に説明すると、ゲイン無し前進駆動パルス群付与処理手段61は、装飾板21が所定距離を移動する、例えば、「20」座標分に相当する距離を移動するのに必要な数の前進駆動パルスを複数含むゲイン無し前進駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を行うものである
ゲイン有り前進駆動パルス群付与処理手段62は、ゲイン無し前進駆動パルス群付与処理手段61がステッピングモーター31に与えるゲイン無し前進駆動パルス群に含まれる前進駆動パルスの数よりも多くの前進駆動パルスを含むゲイン有り前進駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を行うものである。
【0063】
更に具体的に説明すると、ゲイン有り前進駆動パルス群付与処理手段62は、ゲイン無し前進駆動パルス群を与えられたステッピングモーター31が装飾板21を移動させる距離(例えば、「20」座標分に相当する距離)よりも、長い距離、例えば、「30」座標分に相当する距離を移動するのに必要な数の前進駆動パルスを複数含むゲイン有り前進駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を行うものである
後退駆動パルス群付与処理手段63は、ゲイン無し前進駆動パルス群付与処理手段61がステッピングモーター31に与えるゲイン無し前進駆動パルス群に含まれる前進駆動パルスの数と同数の後退駆動パルスを含む後退駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を行うものである。
【0064】
更に具体的に説明すると、後退駆動パルス群付与処理手段63は、ゲイン無し前進駆動パルス群を与えられたステッピングモーター31が装飾板21を移動させる距離(例えば、「20」座標分に相当する距離)と同じ距離、例えば、「20」座標分に相当する距離を後退するのに必要な数の後退駆動パルスを複数含む後退駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を行うものである
処理回数分周手段64は、後退駆動パルス群付与処理手段63が後退駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を2回行う毎に、ゲイン切換手段65へ切換指令信号を送るように形成されている。
【0065】
ゲイン切換手段65は、処理回数分周手段64から切換指令信号を受信するまでは、ゲイン無し前進駆動パルス群付与処理手段61を駆動方向切換手段66に接続する一方、処理回数分周手段64から切換指令信号を受信すると、駆動方向切換手段66の接続先を切り換え、ゲイン有り前進駆動パルス群付与処理手段62を駆動方向切換手段66に接続するように形成されている。
なお、ゲイン切換手段65は、処理回数分周手段64が切換指令信号の送信を止めると、駆動方向切換手段66の接続先を元に戻し、ゲイン無し前進駆動パルス群付与処理手段61を駆動方向切換手段66に接続するようになっている。
【0066】
駆動方向切換手段66は、ゲイン無し前進駆動パルス群付与処理手段61、ゲイン有り前進駆動パルス群付与処理手段62及び後退駆動パルス群付与処理手段63のいずれかが駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を終える毎に、制御切換手段55の接続先を切り換えるものである。
この駆動方向切換手段66の切換動作により、ステッピングモーター31には、前進駆動パルス群と後退駆動パルス群とが交互に付与され、これにより、装飾板21が上下に振動するようになっている。
(役物制御処理)
次に、本実施形態に係る役物制御手段50による役物制御処理について図17を参照しながら説明する。
【0067】
まず、副制御基板12の図示しない演出制御手段から役物ユニット20による演出の実行指令信号を役物制御手段50が受信すると、役物制御処理が開始される。この際、役物制御処理は、図17の如く、ステップS1000から処理が開始される。
すなわち、図17に示すように、ステップS1000において、ゲイン無し前進駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を行うゲイン無し前進駆動パルス群付与処理が行われる。このゲイン無し前進駆動パルス群付与処理により、「20」座標分に相当する距離を装飾板21が前進したら、次のステップS1100へ進む。
ステップS1100では、後退駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を行った回数である処理回数(n)をクリアする後退駆動パルス群付与処理回数(n)クリア処理を行う。この後退駆動パルス群付与処理回数(n)クリア処理によって、処理回数(n)がクリアされて「0」になったら、次のステップS1200へ進む。
【0068】
ステップS1200では、後退駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を行う後退駆動パルス群付与処理が行われる。この後退駆動パルス群付与処理により、「20」座標分に相当する距離を装飾板21が後退したら、次のステップS1300へ進む。
ステップS1300では、後退駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を行った回数である処理回数(n)に「1」を加えるインクリメント処理(n=n+1)を行う。このインクリメント処理が完了したら、次のステップS1400へ進む。
ステップS1400では、後退駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を行った回数である処理回数(n)が「2」以上になったか否かが判定される。
【0069】
ステップS1400で、処理回数(n)が「2」以上になったと判定されなかった場合、次のステップS1500へ進む。
ステップS1500では、ステップS1000と同様のゲイン無し前進駆動パルス群付与処理が行われる。このゲイン無し前進駆動パルス群付与処理により、「20」座標分に相当する距離を装飾板21が前進したら、次のステップS1200へ戻る。
以上のステップS1200からステップS1500までを繰り返すことにより、ステッピングモーター31に、前進駆動パルス群と後退駆動パルス群とが交互に付与され、これにより、装飾板21が上下に振動するようになっている。
【0070】
ステップS1400で、処理回数(n)が「2」以上になったと判定された場合、次のステップS1600へ進む。
ステップS1600では、ステッピングモーター31に与えた前進駆動パルス及び後退駆動パルスの数に基づいて、装飾板21の位置(X)を判定する位置(X)判定処理が行われ、この位置(X)判定処理により、装飾板21の位置(X)が判定されたら、次のステップS1700へ進む。
ステップS1700では、装飾板21が所定位置に達したか否か、換言すると、座標Xが「50」以上か否かが判定される。
【0071】
ステップS1700で、座標Xが「50」以上であると判定されなかった場合、ステップS1800へ進み、ステップS1700で、座標Xが「50」以上であると判定された場合、次のステップS2000へ進む。
ステップS1800では、ゲイン有り前進駆動パルス群をステッピングモーター31に与える処理を行うゲイン有り前進駆動パルス群付与処理が行われる。このゲイン有り前進駆動パルス群付与処理により、「30」座標分に相当する距離を装飾板21が前進したら、次のステップS1100へ戻る。
ステップS2000では、前進駆動パルスをステッピングモーター31に与える前進駆動パルス付与処理が行われる。この前進駆動パルス付与処理が完了したら、次のステップS2100へ進む。
【0072】
ステップS2100では、ステップS1700と同様に、ステッピングモーター31に与えた前進駆動パルス及び後退駆動パルスの数に基づいて、装飾板21の位置(X)を判定する位置(X)判定処理が行われ、この位置(X)判定処理により、装飾板21の位置(X)が判定されたら、次のステップS2200へ進む。
ステップS2200では、装飾板21が動線の終点に達したか否か、換言すると、座標Xが「257」以上か否かが判定される。
ステップS2200で、座標Xが「257」以上であると判定されなかった場合、ステップS1100へ戻り、ステップS2200で、座標Xが「257」以上であると判定された場合、次のステップS2300へ進む。
【0073】
ステップS2300では、ステッピングモーター31を停止する等の演出終了処理が行われ、演出終了処理が完了すると、本役物制御処理も完了する。
(実施形態の効果)
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、装飾板21を駆動する原動機としてステッピングモーター31を採用し、このステッピングモーター31の出力軸31A にピニオン32を固定し、このピニオン32と噛み合うラック33に装飾板21を取り付けたので、装飾板21を駆動する駆動機構は、構造が簡単なものとなり、その小型化も容易に行えるようになる。
【0074】
ここで、ステッピングモーター31の動作を制御する役物制御手段50に、所定の動線の一端から他端へ向かって装飾板21を進行させるための前進駆動パルスを複数含む前進駆動パルス群、及び、動線の他端側から一端側へ装飾板21を戻すための後退駆動パルスを複数含む後退駆動パルス群を、交互にステッピングモーター31に与えることで、装飾板21を微動させながら前進させる微動移動制御手段53と、動線の一端から他端へ向かって装飾板21を進行させるための前進駆動パルスのみをステッピングモーター31に与えることで、装飾板21を前進方向へ移動させる直進移動制御手段54と、装飾板21が動線の途中の所定位置に達すると、それまで、微動移動制御手段53及び直進移動制御手段54の一方でステッピングモーター31の動作を制御していた制御状態を、微動移動制御手段53及び直進移動制御手段54の他方でステッピングモーター31の動作を制御する制御状態へ切り換える制御切換手段55とを設けたので、遊技の演出のために所定の動線に沿って装飾板21を移動させるにあたり、装飾板21が動線の途中の所定位置に達するまで、微動移動制御手段53によってステッピングモーター31が制御され、装飾板21は、微動しながら前進するようになり、装飾板21が動線の途中の所定位置に達すると、制御切換手段55によってステッピングモーター31を制御する手段が微動移動制御手段53から直進移動制御手段54へ切り換えられ、この後、直進移動制御手段54によってステッピングモーター31が制御され、装飾板21は、微動することなく、動線の一端から他端へ向かって単に前進するのみとなる。
【0075】
従って、装飾板21が動線の途中の所定位置に達するまで、装飾板21を微動させながら前進させることで、装飾板21による演出動作時間を長くすることができ、これにより、装飾板21の演出動作が終了してしまう前に、遊技者が装飾板21の移動演出に気が付くようになるで、装飾板21の移動による演出効果を高めることができる。
そして、装飾板21が動線の途中の所定位置に達し、残りの移動距離が充分に短くなった後に、装飾板21の微動を止めて、装飾板21を単に前進させるようにしたので、小型化したステッピングモーター31のトルク不足により、装飾板21の移動速度が遅くても、動線における残りの距離を移動する時間を短縮することができる。
【0076】
このため、ステッピングモーター31を小型化したために、ステッピングモーター31のトルクが弱くなり、装飾板21の移動速度が遅くなっても、演出が間延びしたものとならず、その演出効果が損なわれることがなくなるので、ステッピングモーター31を小型化しても、装飾板21の移動による演出効果を充分に確保することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
例えば、前記実施形態では、装飾板が移動する動線を上下方向に延びるものとし、その上端を始点としたが、これに限らず、下方を始点としてもよい。
【0077】
また、動線は、上下方向に延びるものに限らず、水平方向に延びるものや、傾斜したものでもよい。
さらに、前記実施形態では、微動移動制御手段53でステッピングモーター31を制御した後、直進移動制御手段54でステッピングモーター31をしたが、逆に、直進移動制御手段54でステッピングモーター31をした後、微動移動制御手段53でステッピングモーター31を制御してもよい。
また、上下方向に延びる動線に沿って移動する装飾板21の演出動作としては、上端の移動始点から下方向へ振動させながら装飾板を移動させ、装飾板が動線の途中における所定位置に達した後、振動を止めた状態で、下方へ直進移動させて下端の終点に到達させる演出動作に限らず、次の(1)〜(4)に示す演出動作を採用してもよい。
(1)下端の移動始点から上方向へ振動させながら装飾板を移動させ、装飾板が動線の途中における所定位置に達した後、振動を止めた状態で、下方へ直進移動させて下端の移動始点に戻す演出動作。
(2)上端の移動始点から下方向へ振動させない直進移動で装飾板を移動させ、装飾板が動線の途中における所定位置に達した後、装飾板を振動させながら下方へ移動させて、下端の移動終点に到達させる演出動作
(3)下端の移動始点から上方向へ振動させない直進移動で装飾板を移動させ、装飾板が動線の途中における所定位置に達した後、装飾板を振動させながら上方へ移動させて上端の移動終点に到達させる演出動作。
(4)上端の移動始点から下方向へ振動させながら装飾板を前進させ、装飾板が動線の途中における所定位置に達した後、装飾板を振動させずに上方へ移動させて、上端の移動始点に戻す演出動作
さらに、前記実施形態では、装飾板21を微動させるにあたり、対して後退駆動パルス群を1回、ゲイン無し前進駆動パルス群を1回、後退駆動パルス群を1回、ゲイン有り前進駆動パルス群を1回、順次、ステッピングモーター31に与えていく手順を1サイクルの微動動作として採用したが、1サイクルの微動動作としては、前述したものに限らず、後退駆動パルス群を1回、ゲイン無し前進駆動パルス群を2回、後退駆動パルス群を2回、ゲイン有り前進駆動パルス群を1回、順次、ステッピングモーター31に与えていく手順でもよく、1サイクルの微動動作における具体的な各駆動パルス群の付与回数は、実施にあたり適宜選択できる。
【0078】
また、前記実施形態では、役物制御処理の最初にゲイン無し前進駆動パルス群をステッピングモーター31に付与したが、最初にゲイン有り前進駆動パルス群をステッピングモーター31に付与してもよい。
さらに、前記実施形態では、2回目の後退駆動パルス群をステッピングモーター31に付与した後に、位置判定処理を行い、その結果に応じて、微動移動制御手段53から直進移動制御手段54への切り換えを行ったが、図18に示すように、ゲイン有り前進駆動パルス群をステッピングモーター31に付与した後に、位置判定処理を行い、その結果に応じて、微動移動制御手段53から直進移動制御手段54への切り換えを行うようにしてもよい。
【0079】
また、微動移動制御手段としては、前進駆動パルス群として、後退駆動パルス群に含まれる後退駆動パルスの数と同数の前進駆動パルスを含むゲイン無し前進駆動パルス群と、このゲイン無し前進駆動パルス群よりも多い数の前進駆動パルスを含むゲイン有り前進駆動パルス群とをステッピングモーターに与えることが可能とされ、後退駆動パルス群及びゲイン無し前進駆動パルス群を交互にステッピングモーターに与え、所定回数の後退駆動パルス群をステッピングモーターに付与する毎に、ゲイン無し前進駆動パルス群に代えて、ゲイン有り前進駆動パルス群をステッピングモーターに与えるように形成されたものに限らず、例えば、後退駆動パルス群に含まれる後退駆動パルスの数よりも、前進駆動パルス群に含まれる前進駆動パルスの数を多くした状態で、前進駆動パルス群と後退駆動パルス群とを交互にステッピングモーターに与えることで、装飾板を微動させながら移動させる微動移動制御手段を採用してもよい。
【0080】
また、遊技機としては、スロットマシンに限らず、アレンジボール及び雀球等の遊技媒体としてメダルを利用する他の形式の遊技機、あるいは、遊技媒体として遊技球を利用するパチンコ機等の弾球遊技機でもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 遊技機としてのスロットマシン 20 役物である役物ユニット
21 装飾板 31 ステッピングモーター
31A 出力軸 32 ピニオン
33 ラック 41 ベース部材
50 制御手段としての役物制御手段 53 微動移動制御手段
54 直進移動制御手段 55 制御切換手段
図1
図2
図3
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図5
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