特許第6047748号(P6047748)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オリンピアの特許一覧
<>
  • 特許6047748-基板ケース及び遊技機 図000002
  • 特許6047748-基板ケース及び遊技機 図000003
  • 特許6047748-基板ケース及び遊技機 図000004
  • 特許6047748-基板ケース及び遊技機 図000005
  • 特許6047748-基板ケース及び遊技機 図000006
  • 特許6047748-基板ケース及び遊技機 図000007
  • 特許6047748-基板ケース及び遊技機 図000008
  • 特許6047748-基板ケース及び遊技機 図000009
  • 特許6047748-基板ケース及び遊技機 図000010
  • 特許6047748-基板ケース及び遊技機 図000011
  • 特許6047748-基板ケース及び遊技機 図000012
  • 特許6047748-基板ケース及び遊技機 図000013
  • 特許6047748-基板ケース及び遊技機 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6047748
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】基板ケース及び遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20161212BHJP
【FI】
   A63F7/02 326Z
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-105903(P2012-105903)
(22)【出願日】2012年5月7日
(65)【公開番号】特開2013-233208(P2013-233208A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118315
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 博道
(72)【発明者】
【氏名】安部 吉広
【審査官】 吉田 綾子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−178891(JP,A)
【文献】 特開2010−284446(JP,A)
【文献】 特開2012−061088(JP,A)
【文献】 特開2012−050881(JP,A)
【文献】 特開2010−115222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体及び蓋体から構成され、遊技機の作動を制御するための制御基板を収納する基板ケースにおいて、
所定の封印シールを貼付するため前記蓋体の表面に設けられたシール貼付部と、
前記シール貼付部に形成された凹部と、
前記凹部に収納固定される固定ベースと、
前記蓋体に固定されて前記シール貼付部を覆うカバー部材と、を備え、
前記固定ベースは、前記蓋体の表面側から固定部材により固定されることにより前記本体及び蓋体と一体的に固定され、
前記封印シールは、前記固定ベースを固定した固定部材を覆うように前記シール貼付部と前記固定ベースに跨って貼付され、
前記固定ベースは、前記凹部に収納したとき前記封印シールの貼付を妨げない位置に形成された係止部を備え、
前記カバー部材は、前記固定ベースの係止部に係止可能な被係止部を有し、
前記封印シールを貼付した状態で、前記カバー部材の被係止部が係止部に係止されない所定の非固定位置から、被係止部が係止部に係止される所定の固定位置にスライド移動可能に形成されていると共に、
刃が形成されたカッター部を有し、前記カバー部材に装着されるカッター部材を備え、
前記シール貼付部には、前記カバー部材のスライド方向に沿って形成された溝部が設けられ、
前記封印シールは、前記溝部をも跨ぐように貼付され、
前記カッター部材は、前記固定位置にスライド移動したカバー部材に装着されることにより、前記カッター部の刃が前記溝部に挿入されるとともに、前記カバー部材に取り外し不能に固定され、かつ前記カッター部の刃が、貼付されている封印シールの側端部近傍に位置するように形成され、
前記カッター部材が装着されたカバー部材を、前記固定位置から取り外す方向にスライドさせることにより、前記カッター部の刃が前記封印シールを切断して、開封の痕跡を残すように形成されていることを特徴とする基板ケース。
【請求項2】
前記封印シールの裏面には、所定の情報を記憶し当該情報を外部から読み取り可能としたICチップが取り付けられており、
前記ICチップは、前記封印シールが適位置に貼付されたとき、前記固定ベースを固定する固定部材の位置と合致する箇所に配置されていることを特徴とする請求項1記載の基板ケース。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか1項に記載の基板ケースを備えた遊技機であって、
前記基板ケースは、前記蓋体の表面側から前記封印シールの表面を視認可能とする遊技機の所定位置に固定されていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機に設けられる基板ケース及び基板ケースを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンなどの遊技機においては、制御基板を内蔵した基板ケースには、正規に封印されたことを示すための封印シールが貼付されている。この封印シールは、不正に貼り替えられることのないよう、一度剥がすとその痕跡課が残るようになっていたり、基板ケースを開封する場合には切断しなければならないように形成されていたりする。また、封印シールに、所定の識別情報を記憶したICチップを取り付けて、識別情報を読み取ることにより、基板の管理を行うこともなされている。
そして、かかる封印シールに関する不正防止策としては、様々なものが考案されておいる。例えば特許文献1には、基板ケースの角部を覆うように電子タグシールを貼付するとともに、この電子タグシールを破壊用凸部付きの保護カバーで覆い、基板ケースを開けるために保護カバーを取り外すと、破壊用凸部が破壊用凹部内を移動して電子タグシールが破壊される内容が開示されている。また、特許文献2には、基板ケースの側端部に設けられた封印シールの貼付部に破壊用部材を収納しておき、封印シールを貼付した後カバー部材を取り付けると破壊用部材とカバー部材が一体化し、カバー部材を取り外すと破壊用部材が一緒に取り外されるのと同時に封印シールが切断される内容が開示されている。さらに、特許文献3には、基板ケースの上ケースと下ケースの重なる部分に封印シールを貼付し、これをシールカバーで覆った後にシールカバーにカッター小片を嵌め込み、シールカバーを取り外し方向に引き抜くと嵌め込まれたカッター小片が一体となって移動し、封印シールを切断する内容が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−130886号公報
【特許文献2】特開2011−10858号公報
【特許文献3】特開2011−200288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の封印シールは、基板ケースの端部に折り曲げられた状態で貼付されているものであるが、封印シールが切断された箇所を正面側から視認し難いので、不正な開封を早期に発見できないおそれがある。また、封印シールに設けられている表示を正面側から見やすくしたいという要請もある。
本願発明は、上記した従来技術を踏まえたうえで、基板ケースに貼付される封印シールに対する不正防止対策の一態様を提供するためになされたものであり、不正行為が一目で判り、不正行為を効果的に防止することができる基板ケースを提供することを目的とする。また、この基板ケースを備えた遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、本体(本体ケース20)及び蓋体(カバーケース10)から構成され、遊技機(スロットマシンS)の作動を制御するための制御基板(100)を収納する基板ケース(1)に係る。この基板ケース(1)は、所定の封印シール(ICタグシール70)を貼付するため前記蓋体(10)の表面に設けられたシール貼付部(21)と、前記シール貼付部(12)に形成された凹部(14)と、前記凹部(14)に収納固定される固定ベース(30)と、前記蓋体(10)に固定されて前記シール貼付部(12)を覆うカバー部材(40)と、を備えている。
【0006】
前記固定ベース(30)は、前記蓋体の表面側から固定部材(固定ネジ60)により固定されることにより前記本体(20)及び蓋体(10)と一体的に固定され、前記封印シール(70)は、前記固定ベース(30)を固定した固定部材を覆うように前記シール貼付部(12)と前記固定ベース(30)に跨って貼付される。また、前記固定ベース(30)は、前記凹部(14)に収納したとき前記封印シール(70)の貼付を妨げない位置に形成された係止部(上側張出部33、下側張出部34)を備え、前記カバー部材(40)は、前記固定ベース(30)の係止部(33,34)に係止可能な被係止部(スライド溝部41B,42B)を有し、前記封印シール(70)を貼付した状態で、前記カバー部材(40)の被係止部(41B,42B)が係止部(33,34)に係止されない所定の非固定位置から、被係止部(41B,42B)が係止部(33,34)に係止される所定の固定位置にスライド移動可能に形成されていることを特徴とする。
【0007】
(作用)
本発明における基板ケース(1)は、全体として箱形に形成される収納箱とすることができる。本体(20)及び蓋体(10)のそれぞれは箱形でなくてもよい。
前記シール貼付部(12)は、蓋体(10)の一領域であって、凹部(14)を有しており、凹部(14)以外の面(貼付面12A)も有しているものである。
前記固定ベース(30)は、固定部材(60)によりシール貼付部(12)の凹部(14)内に固定される。「固定部材」は、ネジ、ボルトなどの締結部材や、ピン、リベットなどの結合部材を含む。また、固定ベース(30)に設けられている係止部(33,34)は、固定ベース(30)を凹部(14)に収納したとき、シール貼付部(12)と固定ベース(30)に跨って貼付される封印シール(70)と干渉しない場所に位置するように形成されているものである。
【0008】
また、本発明では、固定ベース(30)を凹部(14)内に固定することにより、本体(20)と蓋体(10)を同時に固定することができる。すなわち、固定ベース(30)を固定する固定部材(60)は、固定ベース(30)と蓋体(10)を貫通して、本体(20)に固定されるようになっている。
前記カバー部材(40)は、透明部材とするのが好ましい。
本発明において、基板ケース1を封印する場合には、蓋体(10)と本体(20)の間に制御基板100を収納して重ね合わせ、固定ベース(30)を凹部(14)に嵌めて固定部材(60)により固定することにより、固定ベース(30)と蓋体(10)と本体(20)とを一体的に固定する。そして、固定ベース(30)を固定したシール貼付部(12)に封印シール(70)を貼付する。封印シール(70)によって、固定部材(60)は覆い隠され、シール貼付部(12)と固定ベース(30)の境界の少なくとも一部も封印シール(70)によって覆われる。封印シール(70)を貼付した後、固定ベース(30)の係止部(33,34)にカバー部材(40)の被係止部(41B,42B)を係止させて、カバー部材(40)を蓋体(10)における所定の固定位置に配置する。カバー部材(40)は、被係止部(41B,42B)が係止部(33,34)に係止されていることにより、固定ベースに保持され、蓋体(10)の表面と交差する方向、すなわち蓋体(10)の表面を正面視したときの前後方向の移動を規制されているが、蓋体(10)の表面と平行な方向、すなわち蓋体(10)の表面を正面視したときの上下方向や左右方向へはスライド移動可能である。そして、固定位置に配置されたカバー部材(40)はシール貼付部(12)及び封印シール(70)を覆った状態で、蓋体(10)に固定される。カバー部材(40)を透して、正面側から封印シール(70)の表面を、ほぼ全体的に、視認することができる。
【0009】
本発明においては、カバー部材(40)を保持する固定ベース(30)が、封印シール(70)の貼付部の一部となっている。また、基板ケース(1)を開封するには、固定ベース(30)を取り外さなければならない。固定ベース(30)を固定している固定部材(60)は封印シール(70)で覆われているので、固定ベース(30)を取り外すには、封印シール(70)を破ったり剥がしたりしなければならない。そして、封印シール(70)は、蓋体(10)の表面に、平らに延ばした状態で貼付されるので、破ったり剥がしたりした痕跡を発見しやすい。痕跡を残さずに固定ベース(30)を取り外すのは困難であるので、不正に基板ケース(1)を開封することを躊躇させることができる。
【0010】
さらに、本発明によれば、カバー部材(40)をスライド可能に支持する係止部を、基板ケース(1)側に設ける必要がない。このため、基板ケース(1)の製造が容易になるとともに、固定ベース(30)やカバー部材(40)は適正に取り外せば再使用可能であるので、コスト削減を図ることができる。
更に、請求項1記載の発明は、刃(52A)が形成されたカッター部(52)を有し、前記カバー部材(40)に装着されるカッター部材(50)を備え、前記シール貼付部(12)には、前記カバー部材(40)のスライド方向に沿って形成された溝部(カッター溝13)が設けられ、前記封印シール(70)は、前記溝部(13)をも跨ぐように貼付される。そして、前記カッター部材(50)は、前記固定位置にスライド移動したカバー部材(40)に装着されることにより、前記カッター部(52)の刃(52A)が前記溝部(13)に挿入されるとともに、前記カバー部材(40)に取り外し不能に固定され、かつ前記カッター部(52)の刃(52A)が、貼付されている封印シール(70)の側端部近傍に位置するように形成され、前記カッター部材(50)が装着されたカバー部材(40)を、前記固定位置から取り外す方向にスライドさせることにより、前記カッター部(52)の刃(52A)が前記封印シール(70)を切断して、開封の痕跡を残すように形成されていることを特徴とする。
【0011】
(作用)
本発明において、カッター部材(50)がカバー部材(40)から「取り外し不能」とは、いったん固定したら破壊しない限り取り外せないことの他、背面側からしか取り外せない場合も含まれる。少なくとも、カバー部材(40)を蓋体(10)に固定した状態では、カッター部材(50)をいったん固定したら取り外せないようになっていればよい。
また、「カッター部(52)の刃(52A)が、・・・封印シール(70)の側端部近傍に位置」するとは、封印シール(70)がカッター部(52)によって切断又は破壊されていない状態で刃(52A)が切断可能な位置にスタンバイしているということである。このように形成することにより、例えば、封印シール(70)として、ICチップ(71)やアンテナ線を付したICタグシールを用いる場合に、封印の段階でICチップ(71)やアンテナ線が破損するおそれがない。
【0012】
そして、基板ケース(1)を開封しようとする場合や、ICタグシール(70)を剥がそうとする場合には、カバー部材(40)を取り外し方向にスライドさせなければならない。カバー部材(40)をスライドさせるとカッター部(52)の刃(52A)が前記封印シール(70)を切り裂きながら移動するので、カバー部材(40)を取り外す際には必ず封印シール(70)が破壊される。封印シール(70)は、蓋体(10)の表面に平らに延ばした状態で貼付されているので正面側から視認しやすく、一見して判別できる。
(請求項
(特徴点)
請求項記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、前記封印シール(70)の裏面には、所定の情報を記憶し当該情報を外部から読み取り可能としたICチップ(71)が取り付けられており、前記ICチップ(71)は、前記封印シール(70)が適位置に貼付されたとき、前記固定ベース(30)を固定する固定部材(60)の位置と合致する箇所に配置されていることを特徴とする。
【0013】
(作用)
ここで、ICチップ(71)が固定部材(60)の位置と「合致する箇所に配置」とは、蓋体の表面を正面視したときICチップ(71)が固定部材(60)と重なる位置に配置されていることである。
本発明によれば、基板ケース(1)を開けるために前記固定ベース(30)の固定部材(60)を外すとICチップ(71)が破壊されるので、ICチップ(71)のみを取り出して不正に使用されることがない。
(請求項
(特徴点)
請求項記載の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載の基板ケース(1)を備えた遊技機(S)であって、前記基板ケース(1)は、前記蓋体(10)の表面側から前記封印シール(70)の表面を視認可能とする遊技機の所定位置に固定されていることを特徴とする。
【0014】
(作用)
本発明によれば、封印シール(70)の状態を容易に確認することができる。
【発明の効果】
【0015】
本願発明は、以上のように構成されているので、不正行為が一目で判り、不正行為を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態であって、基板ケースの正面図である。
図2】基板ケースの分解斜視図である。
図3】シール封印部の分解斜視図である。
図4】シール封印部の断面図であって図1のIV−IV線断面図である。
図5】シール封印部の断面図であって図1のV−V線断面図である。
図6】シール封印部に固定ベースを取り付ける斜視図である。
図7】シール封印部にICタグシールを貼付する斜視図である。
図8】シール封印部にシールカバーを取り付ける下面図である。
図9】シールカバーにカッター部材を取り付ける斜視図である。
図10】シール封印部の斜視図である。
図11】シールカバーの取り外しを示す上面図及び下面図である。
図12】スロットマシンの分解斜視図である。
図13】本発明の実施の形態の変形例であって、シール封印部にシールカバーを取り付ける下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(スロットマシンS)
スロットマシンSは、図12に示すように、大きく分けて、正面側に開口部310を有する筐体300と、筐体300内部に着脱自在に設けられる交換ユニット500と、筐体300の開口部310を開閉自在な前扉400とから構成されている。
交換ユニット500は、金属枠からなる支持体510を備え、この支持体510には、回転リールを備えたリールユニット520と、基板ケース1を固定する基体としてのベース部材2が固定されている。ベース部材2に基板ケース1を固定し、交換ユニット500を筐体に固定することにより、基板ケース1が封印されるとともに筐体内部に固定されることとなる。そして、交換ユニット500を筐体300の内部に収納固定した状態で、前記前扉400を閉じてロックすることにより、筐体300の開口部310が閉塞され、前扉400に設けられた図柄表示窓410から回転リールの図柄が視認できるようになっている。
【0018】
(基板ケース1)
基板ケース1は、表面に電子部品が実装された板状の制御基板100(図2参照)を収納した透明な薄型箱状の容器であり、交換ユニット500のベース部材2(図12参照)に固定して交換ユニット500を筐体300の内部に収納固定することにより、制御基板100の表面が垂直状態となりかつ正面側を向くように、筐体300の内部に設置される。ここで、筐体300の内部に設置した基板ケース1の外面のうち、スロットマシンSを正面視して手前側に位置する面を正面とし、正面視して奥側に位置する面を背面とし、正面視して上側に位置する面を上面とし、正面視して下側に板する面を下面とし、正面視して左右側に位置する面を側面とする。以下、特に明示がない場合には、基板ケース1に設けられる各構成部品についての「正面(又は正面側、以下同様)」「背面」「上面」「下面」「側面」とは、基板ケース1を遊技機に取り付けた状態で遊技機を正面視したときに位置しているその構成部品の各面又はその面側を指し、「上側(又は上方、以下同様)」「下側」「手前側」「奥側」とは、基板ケース1を遊技機に取り付けた状態で遊技機を正面視したときの各側又は方向を指すものとする。また、各部材において「表面」とは、特に明示がない場合には、各部材の正面側の面を指すものとする。
【0019】
基板ケース1は、図2に示すように、カバーケース10と、本体ケース20とを備えている。カバーケース10は、正面板10Aと、上面板10Bと、下面板10Cと、左右の側面板10D,10Eとを有する背面側が開口した箱形の蓋体であり、本体ケース20は、背面板20Aと、上面板20Bと、下面板20Cと、左右の側面板20D,20Eとを有する正面側が開口した箱型の本体である。そして、本体ケース20の正面側からカバーケース10を重ね合わせて固定することにより、閉塞した箱形のケースを形成している。すなわち、カバーケース10の正面板10Aの表面は基板ケース1の正面となり、本体ケース20の背面板20Aの裏面は基板ケース1の背面となる。また、カバーケース10の上面板10Bの上面、下面板10Cの下面、側面板10D,10Eの側面は、それぞれ、基板ケース1の上面、下面、側面になる。
【0020】
制御基板100は、表面に、CPU、ROM、RAMなどの電子部品(図示せず)を実装したプリント基板であり、主として遊技を制御する制御装置として機能するものである。そして制御基板100は、本体ケース20の内部に、図示しない固定ネジにより固定される。
カバーケース10の正面視右側の側面板10Dには、背面側が開口する箱形のかしめボックス11が上下に4つ並んで設けられている。また、カバーケース10の表面右側下方には、封印シールを貼り付けるためのシール貼付部12が設けられている。そして、シール貼付部12の左側には、ネジボス15が設けられている。
本体ケース20の正面視右側の側面板20Dには、カバーケース10を重ね合わせたときに前記かしめボックス11と対応する位置に、正面側が開口する箱形のかしめボックス21が上下に4つ並んで設けられている。また、本体ケース20の背面板20Aの下方右側には、側面板20Dの近傍に位置するネジボス22が設けられている。このネジボス22は、制御基板100の右端下部に設けられた開口部110を貫通可能であり、制御基板100を本体ケース20に固定した状態で、制御基板100の表面から突出するようになっている。
【0021】
なお、前記かしめボックス11及びかしめボックス21は、カバーケース10と本体ケース20、及び基板ケース1とベース部材2(図12参照)とを封印するケース封印部3を構成する。具体的には、かしめボックス11及びかしめボックス21の上側の2つは、カバーケース10と本体ケース20とを封印するためのものであり、かしめボックス11及びかしめボックス21の下側の2つは、基板ケース1とベース部材2とを封印するためのものである。封印は、かしめボックスに、一度装着したら破壊しない限り抜き取れない構造のかしめピン(図示せず)を、側面側から押入することにより行う。また、シール貼付部12は、所定の封印シールを貼付しこれを封印するためのシール封印部5の一部を構成する。シール封印部5の詳細については後述する。
【0022】
そして、制御基板100を固定した本体ケース20にカバーケース10を被せ、本体ケース20の上面板20B及び下面板20Cに設けられた係止突起23(図2図4参照)を、カバーケース10の上面板10B及び下面板10Cに設けられた係止孔17(図2図4参照)にそれぞれ係止させると、カバーケース10の正面板10Aが制御基板100の表面と平行になり(図4参照)、基板ケース1の内部に制御基板100が収納された状態となる。このようにして本体ケース20とカバーケース10を仮固定した後、上側2つのケース封印部3のうちの1つを封印することにより、ケース封印部3を破壊しない限りカバーケース10と本体ケース20の係合を解除できないように固定される。なお、シール封印部5の封印過程においても、カバーケース10と本体ケース20が固定されるようになっているが、これについては後述する。
【0023】
また、封印した基板ケース1は、図12に示すように、交換ユニット500の支持体510に固定されたベース部材2に取り付けられ、下側2つのケース封印部3のうちの1つを封印することにより、ケース封印部3を破壊しない限り基板ケース1をベース部材2から(つまり交換ユニット500から)取り外せないように固定される。
(シール封印部5)
シール封印部5の詳細を、図2乃至図10に基づき説明する。
シール封印部5は、図2に示すように、基板ケース1のカバーケース10の正面視右下部に設けられたシール貼付部12と、シール貼付部12に固定される固定ベース30と、シール貼付部12に装着されるシールカバー40と、シールカバー40に取り外し不能に固定されるカッター部材50と、シール貼付部12及び固定ベース30に跨って貼付される封印シールとしてのICタグシール70とから構成されている。本実施の形態におけるシール封印部5は、ICタグシール70を保護するとともに、基板ケース1が不正に開封されないための封印として機能するものである。
【0024】
なお、スロットマシンSの前扉400を開放すると、前記ICタグシール70の表面を正面側から視認できるようになっている。
(シール貼付部12)
シール貼付部12は、図3に示すように、基板ケース1(カバーケース10)の正面右下部に設けられた手前側に突出する台座部であり、正面がICタグシール70を貼付する貼付面12Aとなっている。貼付面12Aは、シール貼付部12の右端部寄りに上下方向にわたって形成された凹部14と、シール貼付部12の高さ方向略中央部に左右方向にわたって形成されたカッター溝13とによって、4つに分割されている。前記凹部14は、後述する固定ベース30を収納固定するためのものであり、凹部14の奥側の立面である凹底面14A(図6参照)には、円形の貫通孔16が形成されている。貫通孔16は、本体ケース20とカバーケース10を適位置で係合させた状態で、前記本体ケース20のネジボス22と合致する位置に形成されている。前記カッター溝13は、後述するカッター部材50のカッター部52を通過させるためのものである。なお、シール貼付部12の左端寄りに設けられた縦溝12Bは、ICタグシール70の貼付領域を明示するためのものである。貼付領域を表示するものとしては、縦溝12Bに限られず、例えば突条を設けてもよい。
【0025】
(固定ベース30)
固定ベース30は、シール貼付部12の凹部14に嵌め込まれる縦長のブロック部材であり、図3に示すように、固定ベース30の下端部寄りに形成された凹部31と、上端部に設けられた上側張出部33と、下端部に設けられた下側張出部34とを備えている。凹部31は、固定ベース30の正面30Aを幅方向にわたって凹ませたものであり、凹部31の奥側の立面である凹底面31Aには、円形の貫通孔32が形成されている。貫通孔32は、固定ベース30を凹部14の適位置に嵌め込んだ状態で、シール貼付部12の貫通孔16と合致する位置に形成されている。また、凹部31の上側には、凹底面31Aよりも手前側に突出し固定ベース30の正面よりも一段凹んだ段部が形成されている。この段部は、固定ベース30を凹部14に嵌め込んだ状態で、シール貼付部12のカッター溝13の位置と合致するようになっている(図5参照)。前記上側張出部33は、固定ベース30の上端部に幅方向にわたって設けられた突出片である。前記下側張出部34は、固定ベース30の下端部に幅方向にわたって設けられた垂下片であり、この垂下片の下端部には背面側に屈曲した屈曲部34Aが形成されている。すなわち、下側張出部34は側面視略L字型に形成されている。そして、固定ベース30は、シール貼付部12の凹部14の適位置に嵌め込んだ状態で、正面30Aが貼付面12Aと面一になるとともに、上側張出部33がシール貼付部12の上端部から上側に突出し、下側張出部34がシール貼付部12の下端部から下側に突出するようになっている(図1及び図5及び図7参照)。すなわち、上側張出部33及び下側張出部34は、シール貼付部12の凹部14に収納したとき凹部14の外側となり、後述するICタグシール70の貼付を妨げない。上側張出部33及び下側張出部34は、シールカバー40を係止するための係止部として機能する。固定ベース30は、固定部材としての固定ネジ60を貫通孔32に挿通して本体ケース20のネジボス22にねじ込むことにより、カバーケース10に固定される。そして固定ネジ60によって、カバーケース10と本体ケース20も同時に固定されるようになっている。
【0026】
(シールカバー40)
シールカバー40は、図3に示すように、正面板40Aと、4つの側面板40B〜40Eを備え、背面側が開口する箱形の部材であり、透明なプラスチックにより形成されている。上側の側面板40Bには、上面視鉤型の切り欠き溝部である上係止溝41が形成されており、下側の側面板40Cには、前記上係止溝41と相対向する位置に、上係止溝41と上面視同形状の下係止溝42が形成されている。また、左側の側板40Eには、シール貼付部12を嵌め込み可能な切欠部40Fが形成されている。そして、正面板40Aの左端には、方形箱形のカッター固定部43が突設されており、カッター固定部43の左側面には、左方向に張り出す固定片44が形成されている。
【0027】
前記上係止溝41及び下係止溝42は、シールカバー40をシール貼付部12に取り付ける際に、前記固定ベース30の上側張出部33及び下側張出部34と係合可能な溝部である。上係止溝41は、図3に示すように、背面側に開口する背面開放部41Aと、背面開放部41Aと連通し背面開放部41Aから右方向に延びるスライド溝部41Bを備えている。下係止溝42も、背面開放部41A、スライド溝部41Bと同様に形成された背面開放部42Aとスライド溝部42Bを備えている。スライド溝部41B,42Bは、係止部としての上側張出部33及び下側張出部34に係止される被係止部である。上係止溝41及び下係止溝42と固定ベース30の係合の詳細及びシールカバー40の取り付け方法については後述する。
【0028】
前記カッター固定部43は、正面側に開口部43Aを有し、開口部43Aの内部には、図4に示すように、シールカバー40をシール貼付部12に固定したときにカッター溝13の正面側に位置するカッター挿通溝43Bと、カッター挿通溝43Bを挟んで上下に配置され背面側に突出する2つの係止片43Cと、係止片43Cの外側(上下側)に形成されたフック挿通孔43Dとが設けられている。カッター挿通溝43Bは、後述するカッター部材50を固定したときにカッター部52を差し込むことができる溝であり、係止片43Cは、カッター部材50の係止フック53を係止するためのものである。フック挿通孔43Dは係止フック53が通過可能な開口部であり、フック挿通孔43Dの内周壁の一部は前記係止片43Cとなっている。
【0029】
前記固定片44には、シールカバー40をシール貼付部12に固定したときにネジボス15と合致する位置に貫通孔44Aが形成されている。シールカバー40は、前記した上係止溝41及び下係止溝42に固定ベース30の上側張出部33及び下側張出部34を係合させて適位置にセットした後、固定ネジ65を貫通孔44Aに貫通させてネジボス15にねじ込むことにより、シール貼付部12を覆った状態でカバーケース10に固定される。
(カッター部材50)
カッター部材50は、図3に示すように、前記カッター固定部43の開口部43Aに嵌め込み可能な方形板状の蓋板51と、蓋板51の背面側に設けられたカッター部52及び2つの係止フック53を備えている。前記カッター部52は、図1及び図3に示すように、水平板の右側縁部を尖形にして刃52Aを形成したものである。前記係止フック53は、カッター部52を挟んで相対向して上下に位置し、背面側端部に爪部を有しているものである。そして、カッター部材50を、カッター部52及び係止フック53を背面側にしてカッター固定部43の開口部43Aに嵌め込むと、図4に示すように、係止フック53の爪部が係止片43Cに係止される。係止フック53の係止解除はシールカバー40の背面側からでないと行えない。
【0030】
(ICタグシール70)
ICタグシール70は、紙、又はプラスチックフィルム、若しくは紙をプラスチックでコーティングしたものにより形成された粘着シートであり、表面には所定の情報が記載されており、裏面は粘着面となっている。また裏面には、所定の識別情報を記憶したICチップ71(図3参照)が固定されているとともに、図示しないアンテナ線が敷設されており、このICチップ71の情報は、所定の読み取り機によって非接触で読み取り可能となっている。また、ICタグシール70の裏面全体は図示しない剥離シートが覆っており、使用の際には剥離シートを剥がして貼付する。
【0031】
(シール封印部5の封印及び封印解除)
上記構成を有するシール封印部5の封印手順を説明する。
まず、基板ケース1のカバーケース10を本体ケース20と組み合わせた状態で、シール貼付部12の凹部14に固定ベース30を嵌め込み、固定ベース30の貫通孔32とカバーケース10の貫通孔16を合致させて、正面側から固定ネジ60をねじ込む(図6参照)。固定ネジ60は、図5に示すように、本体ケース20のネジボス22のネジ孔に螺号されて、固定ベース30と、カバーケース10と、本体ケース20とが、一体的に固定される。このとき、図7に示すように、上部張出部33はシール貼付部12の上端部よりも上側に突出し、下部張出部34はシール貼付部12の下端部よりも下側に突出している。また、固定ベース30の正面30Aは、貼付面12Aと面一になっている。
【0032】
次に、固定ベース30を固定したシール貼付部12にICタグシール70を貼付する。ICタグシール70は、図7に二点鎖線で示すように、縦溝12Bに左端を合わせて、貼付面12Aと固定ベース30の正面30Aに跨り、かつカッター溝13に跨って貼付される。このため、固定ベース30を固定している固定ネジ60は、ICタグシール70によって隠蔽される。ここで、固定ネジ60の頭部は、シール貼付部12の貼付面12Aよりも突出しないように形成されている。このため、ICタグシール70を貼付したとき、固定ネジ60の頭部によりICタグシール70が盛り上がった状態となることがなく、この箇所に固定ネジ60が固定されていることは、外見上確認できない。したがって、それと知らない者が基板ケース1を開封する場合には、無理にケースを開こうとすると考えられ、その場合にはケースが破壊され痕跡が残る。このように、固定ネジ60の頭部を貼付面12Aから突出させないことにより、固定ネジ60の存在を隠し、不正な開封を困難にする効果がある。なお、ICタグシール70の表面が凸凹しないように、固定ベース30の正面30Aも貼付面12Aから突出しないように形成されている。固定ベース30の正面30Aが貼付面12Aと面一となるよう形成するのが好ましい。また、ICタグシール70のICチップ71は、正面視したとき固定ネジ60の正面側に重なり合う位置となる(図5参照)。なお、貼付するICタグシール70のサイズが異なり、シール貼付部12におけるICタグシール70の貼付位置が異なる場合でも、所定の位置にICタグシール70を貼付したときに、ICチップ71が固定ネジ60の正面側に重なり合う位置となるように、ICチップ71が配置されていればよい。
【0033】
続いて、シールカバー40を取り付ける。まず、シールカバー40の上係止溝41及び下係止溝42を固定ベース30の上側張出部33及び下側張出部34にそれぞれ係合させる。具体的には、上係止溝41の背面開放部41Aに上側張出部33が嵌り、下係止溝42の背面開放部42Aに下側張出部34が嵌るように、シールカバー40をシール貼付部12の正面側から被せる(基板ケース1を下面視した図8及び図11(B)参照、図面上は上側が正面側)。そして、シールカバー40を左方向にスライドさせることにより、上側張出部33が上係止溝41のスライド溝部41Bと係合し、下側張出部34が下係止溝42のスライド溝部42Bと係合する(図5参照)。これにより、シールカバー40が固定ベース30に係止され、シールカバー40はカバーケース10の表面と交差する方向(手前側)には移動不能となる。なお、下側張出部34の折曲片34Aは、シールカバー40の下側の側板40Cよりも下側に位置する(図5図8(B)参照)。すなわち、固定ベース30の下面と折曲片34Aの間に、側板40Cが挟まれたかたちとなる。このように形成してあるので、シールカバー40を固定ベース30に強固に係止することができる。なお、上側張出部33にも、折曲片34Aと同様の折曲片を設けてもよい。
【0034】
上側張出部33及び下側張出部34がそれぞれスライド溝部41B,42Bの最奥部(背面開放部41A,42Aと反対側の端部)に位置するまでシールカバー40をスライド移動させると、固定片44の貫通孔44A(図3参照)がネジボス15のネジ孔と合致するようになっている。貫通孔44Aに固定ネジ65をねじ込むことにより、シールカバー40がシール貼付部12をすっぽりと覆った状態で、カバーケース10に固定される(図9参照)。ICタグシール70は、貼付部12Aとシールカバー40の正面板40Aとの間に挟まれており(図5参照)、基板ケース1の正面側からはICタグシール70のほぼ全面を視認することができる(図1参照)。
最後に、図9に示すように、シールカバー40のカッター固定部43に、カッター部材50を装着する。カッター部材50を、カッター部52及び係止フック53を背面側に向けて、カッター固定部43の開口部43Aに正面側から押し込むことにより、図4に示すように、カッター部52がカッター挿通溝43Bを通過してシール貼付部12のカッター溝13に挿入される。また、上下の係止フック53は、対向して形成されている爪部がそれぞれカッター挿通溝43Bの内周壁に当接することにより上下に撓んだ状態でフック挿通孔43Dを通過し、その後弾性変形して爪部が係止片43Cの端部に係止される。そして、蓋板51は、開口部43Aを正面側から閉塞する。このとき、図1に示すように、カッター部52の刃52Aの先端が、ICタグシール70の側端部近傍に位置するようになっている。すなわち、刃52AがICタグシール70を切断可能な位置にセットされる。この段階では、刃52AがICタグシール70を切断してはいないので、ICタグシール70の裏面に敷設されたアンテナ線が破損することもない。また、係止フック53は、シールカバー40の背面側からでないと係止を解除できないので、ここにおいて、カッター部材50は、シールカバー40に嵌め殺しで固定されることになる。図10は、カッター部材50を装着したシール封印部5を示す。図示していないが、正面側からは、シールカバー40を透して、ICタグシール70のほぼ全面を視認することができる。
【0035】
次に、シール封印部5の封印を解除する場合には、まず、固定ネジ65を外してシールカバー40の固定を解除する。固定ネジ65を外しただけでは、固定ベースの上側張出部33及び下側張出部34とシールカバー40のスライド溝部41A,41Bとの係合により、シールカバー40を手前側に取り外すことはできないので、シールカバー40を取り付け時と逆方向にスライドさせなければならない。このとき、図11(A)に示すように、カッター部52の刃52AがICタグシール70を切り裂きながらカッター溝13内を移動する。なお、このとき、ICタグシール70の裏面に敷設されているアンテナ線も切断される。そして、上側張出部33及び下側張出部34が背面開放部41A,42Aの位置となるまでシールカバー40をスライドさせ、シールカバー40を手前側(図11(B)における上方)に引き抜いて取り外す。このように、シールカバー40をスライドさせて取り外した場合には、必ずICタグシール70が切断される。
【0036】
次に、ICタグシール70のICチップ71の部分をドライバで突き破って固定ネジ60にアクセスし、固定ネジ60を取り外す。ICチップ71は固定ネジ60を外すためのドライバの挿入軌跡上に存在しているので、ドライバの挿入によりICチップ71が破壊される。固定ネジ60を取り外すことにより、ケースカバー10と本体カバー20の固定が解除され、基板ケース1を開くことができるようになる。
なお、シールカバー40をカバーケース10から取り外した後は、カッター部材50をシールカバー40から取り外すことができるので、シールカバー40及びカッター部材50はそのまま再使用可能である。また、固定ベース30も、貼付されているICタグシール70を剥がせば、そのまま再使用することができる。
【0037】
(総括)
以上のように、本実施の形態におけるシール封印部5は、ICタグシール70のほぼ全面を正面から視認可能としてある。また、ICタグシール70を覆うシールカバー40は、カバーケース10の表面と平行な方向にスライドさせて着脱するようになっており、シールカバー40を固定した後にカッター部材50を装着することにより、カッター部52の刃52Aがカッター溝13に挿入され、ICタグシール70の側方にセットされる。そして、シールカバー40を取り外すためにスライドさせると、カッター部52の刃52AがICタグシール70を切り裂いていく。シールカバー40は、固定ベース30に形成された係止部(上側張出部33及び下側張出部34)に被係止部(上係止溝41及び下係止溝42)が係合しているため、手前側すなわちシールカバー40がカバーケース40の表面から離れる方向には移動不能である。このため、シールカバー40を破壊しないで取り外すためにはスライド移動させる必要があるが、シールカバー40をスライドさせればICタグシール70が切断されるので、シールカバー40を開封した場合には必ず痕跡が残ることとなる。そして、上記したように、ICタグシール70は、ほぼ全面を正面から視認可能なように貼付されているため、不正開封の痕跡を認識しやすい。
【0038】
ここで、本実施の形態では、シールカバー40にカッター部材50を装着すると、カッター部52の刃52AがICタグシール70の側端部の直近に位置するようになっている(図1参照)。このため、ICタグシール70を傷つけることがないとともに、カバー部材40を少しでもスライドさせるとICタグシール70に痕跡が残るようにすることができる。
また、本実施の形態における固定ベース30は、シール貼付部12に設けた凹部14に固定されており、その表面に、固定ベース30の固定部を覆い固定ベース30に跨るようにICタグシール70を貼付してある。さらに、固定ベース30は、基板ケース1のカバーケース10および本体ケース20と一体的に固定されるようになっている。基板ケース1を開くためには、固定ベース30を固定している固定ネジ60を取り外さないといけないが、そのためにはドライバ等でICチップ71を破壊しながらICタグシール70を破ったり剥がしたりする必要があり、ここにおいても開封の痕跡を残すことができ、また、固定ネジ60の頭部がシール貼付部12の貼付面12Aから突出しないようになっているため固定ネジ60の位置を外見上確認できず、固定ネジ60の取り外しが困難であるとともに、固定ネジ60の存在を知らない者が基板ケース1を開封することを困難なものにしている。また、固定ネジ60を取り外す段階でICチップ71が破壊されるので、ICチップ71のみを取り出して不正に使用されることもない。以上のことから、不正行為を一目で判別可能とし、不正行為を効果的に防止することができる。
【0039】
さらに、上記したように、固定ベース30は、シールカバー40を支持固定する役割も担っている。このため、基板ケース1にシールカバー40をスライド可能に支持するための係止部を形成する必要がなく、基板ケース1の製造が容易になる。基板ケース1は取り外しの際、ケース封印部3が破壊されるので、再使用することはないが、前述したように、固定ベース30やシールカバー40は、適正に取り外せば使い回すこともできる。したがって、再使用不能な基板ケース1のコストを極力抑えることができる。
(変形例)
上記した実施の形態では、シールカバー40をシール貼付部12の正面側から被せた後にスライドさせて固定位置まで移動させる構成としていたが、図13に示すように、シールカバー40の被係止部(上係止溝41及び下係止溝42)として、右側面側が開口する横長のスライド溝部42C(図示しないが上係止溝41としては同様のスライド溝部41C)を設け、この被係止部を固定ベース30の係止部(上側張出部33及び下側張出部34)に側面側から係合させて、シールカバー40を固定位置までスライドさせるようにしてもよい。なお、シールカバー40の取り外し時に、カッター部52と固定ベース30が干渉しないように、固定ベース30とカッター溝13の交差部にはカッター部52が通過可能な凹部を設けておく。このように形成した場合には、シールカバー40が固定ベース30の係止から解除されてカバーケース10から取り外されるまでのスライド距離が長くなるので、側面側にある程度のスペースが必要となる。このため、基板ケース1を交換ユニット500に取り付けてしまうと、シールカバー40を取り外せないようにすることができる。すなわち、ベース部材2に封印された基板ケース1を交換ユニット500から取り出さないと、シールカバー40を破壊せずに取り外すことは不可能となって、より不正防止効果が高まるものである。なお、シールカバー40の被係止部が図8に示すような形状の場合であっても、例えば、交換ユニット500の支持体510に、シールカバー40が取り外し可能となる位置までスライドするのを阻止するストッパー(邪魔板など)を設けることにより、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0040】
また、上記した実施の形態では、シールカバー40のスライド方向を左右方向としてあったが、カッター溝13を上下方向や斜め方向に形成し、シールカバー40を上下方向や斜め方向にスライドさせるように形成してもよい。この場合には、シールカバー40を取り外すためにスライドさせるとICタグシール70が上下方向や斜め方向に切り裂かれる。
なお、固定ベース30の係止部とシールカバー40の被係止部は、上記した形態に限られるものではない。例えば固定ベース30に溝部を設け、シールカバー40に溝部に係止可能な突部を設けてもよい。あるいは、固定ベース30に設けた鉤部とシールカバー40に設けた鉤部とが係合するようなものとしてもよい。さらに、固定ベース30の係止部は、ICタグシール40の貼付を妨げない位置であれば、シール貼付部12の手前側に突出して形成されていてもよい。要は、固定ベース30の係止部とシールカバー40の被係止部が係止された状態で、シールカバー40がカバーケース10の表面と交わる方向に移動不能となり、かつカバーケース10の表面と平行な方向にスライド可能となっていればよい。
【0041】
また、固定ベース30をシール貼付部12に固定する固定部材は固定ネジ60に限られず、ボルトや、ピン、リベットなどでもよい。
また、シールカバー40におけるカッター部材50の装着位置を図1における右側にずらし、ICタグシール70の全面を正面視できるように形成してもよい。
さらに、本発明には、カッター部材50を備えていないものも含まれる。すなわち、シール貼付部12の凹部14に固定ベース30を固定し、固定ベース30の固定部を覆い固定ベース30に跨ってICタグシール70を貼付するとともに、固定ベース30によってシールカバー40を前後方向に移動不能に係止した状態でシールカバー40をカバーケース10に固定する構成としたものであってもよい。このように形成した場合でも、固定ベース30を取り外さないと基板ケース1を開封できず、固定ベース30を取り外す際にICタグシール70を破壊せずに剥がすには手間が掛かるので、不正を抑制することができる。この場合には、上述したように、基板ケース1が筐体内に固定されているときにはシールカバー40の取り外し方向へのスライド移動を規制するように形成すると、より効果的である。
【0042】
なお、本発明は、分離型のスロットマシンでないスロットマシンにも利用可能である。この場合には、スロットマシンの筐体の内面、例えば裏板にベース部材2を固定し、これに基板ケース1を固定することができ、あるいはスロットマシンの筐体の裏板に、基板ケース1を固定するための固定部を設けて、これに基板ケース1を固定することができる。この場合も、上記したように、筐体に基板ケース1を固定するとシールカバー40を取り外し可能な位置までスライドさせることができない構造とすることができる。
本発明に係る基板ケースは、遊技機の筐体内部に固定されるものに限られず、例えば、図示しないが、遊技機の前扉や、パチンコ遊技機の遊技盤の裏面に固定されるものであってもよい。この場合には、基板ケースは、前扉や遊技盤を開いた状態で、蓋体(カバーケース10)の表面側となる前扉や遊技盤の裏面側から、封印シール(ICタグシール70)を視認できるように設置されるものとすることができる。この場合において、基板ケースは、制御基板の表面が遊技機の側面側を向くように設置されるものであってもよい。そのように形成した場合には、前扉や遊技盤を開いた状態で、側面側から封印シールを視認できる。また、基板ケースは、制御基板の表面が垂直状態となるように設置されるものに限られず、制御基板の表面が水平状態となるように設置されるものであってもよい。この場合でも、蓋体の表面側から封印シールの表面を視認可能となるよう、基板ケースが設置されていればよい。
【符号の説明】
【0043】
1 基板ケース 2 ベース部材
3 ケース封印部 5 シール封印部
10 カバーケース(蓋体) 11 かしめボックス
12 シール貼付部 13 カッター溝(溝部)
14 凹部 15 ネジボス
20 本体ケース(本体) 21 かしめボックス
22 ネジボス 23 係止突起
30 固定ベース 33 上側張出部(係止部)
34 下側張出部(係止部)
40 シールカバー(カバー部材) 41 上係止溝
42 下係止溝 43 カッター固定部
41B,42B スライド溝部(被係止部)
50 カッター部材 52 カッター部
52A 刃 52 係止フック
60 固定ネジ(固定部材)
70 ICタグシール(封印シール) 71 ICチップ
100 制御基板 S スロットマシン(遊技機)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13