特許第6047754号(P6047754)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6047754
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】衣類乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/02 20060101AFI20161212BHJP
   D06F 58/22 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   D06F58/02 M
   D06F58/02 K
   D06F58/22
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-170780(P2012-170780)
(22)【出願日】2012年8月1日
(65)【公開番号】特開2014-30475(P2014-30475A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】雁瀬 伸幸
(72)【発明者】
【氏名】柿沼 裕貴
【審査官】 伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/121437(WO,A1)
【文献】 独国特許出願公開第19756708(DE,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0271543(US,A1)
【文献】 独国実用新案第08535335(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 1/00−51/02
58/00−60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を収納する乾燥室と、
前記乾燥室に衣類を出し入れする投入口と、
前記投入口を閉鎖する扉体とを備え、
前記扉体には、前記投入口と対向し、前記扉体の上部から着脱可能なリントフィルタが設けられ、
前記リントフィルタは、リントを捕集するフィルタ部と、前記フィルタ部を保持する枠部と、前記リントフィルタを前記扉体に施錠するロック部とを有し、
前記扉体は、前記リントフィルタを収容する収容部を有し、前記収容部の上端と前記枠部の上端とが略一致する状態で、前記投入口を閉鎖可能とし
前記ロック部が閉状態のとき前記リントフィルタを前記収容部に収容しようとしても、前記リントフィルタは前記収容部に収容されず、
前記ロック部が開状態のとき前記リントフィルタを前記収容部に収容しようとすると、前記リントフィルタは前記収容部に収容され、その後、前記ロック部を閉状態とすることができるようにした衣類乾燥機。
【請求項2】
前記リントフィルタは、前記リントフィルタを前記扉体に施錠するロック部をさらに有し、前記扉体は、前記ロック部によって前記扉体と前記リントフィルタが施錠されることによって、前記投入口を閉鎖可能とした請求項1に記載の衣類乾燥機。
【請求項3】
前記扉体に設けられたガイド部と、前記リントフィルタに設けられ、前記ガイド部に合する突出部を有し、
前記扉体は、前記突出部が前記ガイド部に正確に合された状態で、前記投入口を閉鎖可能とした請求項1に記載の衣類乾燥機。
【請求項4】
前記扉体は、前記リントフィルタを施錠するロック部を有し、
前記ロック部は、前記収容部の上端と、前記枠部の上端とが略一致状態となってからロック可能とした請求項1に記載の衣類乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類を乾燥させる衣類乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の衣類乾燥機は、衣類から発生するリントフィルタとよばれる糸くず捕集装置が設けられている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
従来の衣類乾燥機において、衣類を収容する乾燥ドラムは、回転軸を水平に設けて回転する。前面側に投入口を設け、背面側は底部を有する有底筒状に構成されている。乾燥ドラムの前面側には、投入口を開閉する扉体が設けられている。使用者は、扉体を開け閉めすることで衣類を乾燥ドラムから出し入れすることができる。乾燥ドラムの背面側には送風ファンが設けられている。送風ファンの回転によって、乾燥用空気は、乾燥ドラムの背面側から前面側に向かって送風される。乾燥ドラム内の乾燥用空気は、扉体を通過し、乾燥ドラムの下方に設けられた循環通路を通過して再び送風ファンに到達する。このようにして、乾燥用空気は循環する。
【0004】
循環する乾燥用空気には、衣類から発生したリントが含まれており、リントが送風ファンや加熱部に到達して不具合を起こさないために、扉体にはリントフィルタが設けられている。使用者が扉体を開放し、リントフィルタを扉体から着脱することにより、リントフィルタに捕集されたリント等の異物は廃棄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−177502号公報
【特許文献2】国際公開第2005/121437号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の衣類乾燥機では、リントフィルタを扉体から着脱可能としたために、リントフィルタを扉体に確実に収容しない場合には隙間が生じて、乾燥用空気が循環する風路内から漏れてしまうことがある。このために、送風量が減少し乾燥性能が低下するという課題があった。さらに、漏れたリントは、循環通路の熱交換域に達して堆積し、熱交換効率が低下するために、乾燥性能が低下するという課題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、着脱可能なリントフィルタを確実に扉体に収容させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の衣類乾燥機は、衣類を収納する乾燥室と、前記乾燥室に衣類を出し入れする投入口と、前記投入口を閉鎖する扉体とを備え、前記扉体には、前記投入口と対向し、前記扉体の上部から着脱可能なリントフィルタが設けられ、前記リントフィルタは、リントを捕集するフィルタ部と、前記フィルタ部を保持する枠部と、前記リントフィルタを前記扉体に施錠するロック部とを有し、前記扉体は、前記リントフィルタを収容する収容部を有し、前記収容部の上端と前記枠部の上端とが略一致する状態
で、前記投入口を閉鎖可能とし、前記ロック部が閉状態のとき前記リントフィルタを前記収容部に収容しようとしても、前記リントフィルタは前記収容部に収容されず、前記ロック部が開状態のとき前記リントフィルタを前記収容部に収容しようとすると、前記リントフィルタは前記収容部に収容され、その後、前記ロック部を閉状態とすることができるようにしたものである。
【0009】
これによって、使用者が投入口を閉鎖しようとしても、リントフィルタが確実に扉体に収容されていない状態では、扉体を閉鎖状態にすることができない。このため、使用者に対し、リントフィルタと扉体に隙間があることを認識させることができ、確実に扉体にリントフィルタを収容させるように促すことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の衣類乾燥機は、リントフィルタを扉体から着脱容易に設けると共に、確実に扉体に収容させることができるため、乾燥性能低減を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の正面図
図2】同衣類乾燥機の側断面図
図3】同衣類乾燥機の背面斜視図
図4】同衣類乾燥機のヒートポンプ装置の概略図
図5】同衣類乾燥機の扉体の正面斜視図
図6】同衣類乾燥機の扉体の背面斜視図
図7】(a)同衣類乾燥機の扉体の側面図(b)同衣類乾燥機の扉体の背面図
図8】同衣類乾燥機の扉体の側断面図
図9】(a)同衣類乾燥機の扉体の一部を示す側断面図(b)同衣類乾燥機の扉体の一部を示す側断面図(c)同衣類乾燥機の要部拡大図
図10】(a)同衣類乾燥機の扉体の上部を示す斜視図(b)同衣類乾燥機の扉体の上部を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の衣類乾燥機は、衣類を収納する乾燥室と、前記乾燥室に衣類を出し入れする投入口と、前記投入口を閉鎖する扉体とを備え、前記扉体には、前記投入口と対向し、前記扉体の上部から着脱可能なリントフィルタが設けられ、前記リントフィルタは、リントを捕集するフィルタ部と、前記フィルタ部を保持する枠部と、前記リントフィルタを前記扉体に施錠するロック部とを有し、前記扉体は、前記リントフィルタを収容する収容部を有し、前記収容部の上端と前記枠部の上端とが略一致する状態で、前記投入口を閉鎖可能とし、前記ロック部が閉状態のとき前記リントフィルタを前記収容部に収容しようとしても、前記リントフィルタは前記収容部に収容されず、前記ロック部が開状態のとき前記リントフィルタを前記収容部に収容しようとすると、前記リントフィルタは前記収容部に収容され、その後、前記ロック部を閉状態とすることができるようにしたものである。
【0013】
これによって、使用者が投入口を閉鎖しようとしても、リントフィルタが確実に扉体に収容されていない状態では、扉体を閉鎖状態にすることができない。このため、使用者に対し、リントフィルタと扉体に隙間があることを認識させることができ、確実に扉体にリントフィルタを収容させるように促すことができる。このため、扉体とリントフィルタとの間に隙間を生じさせることがなく、乾燥性能低下を防止することができる。
【0014】
また、ロック部を設けて乾燥運転中にリントフィルタの浮き上がりを防止して乾燥用空気の漏れを低減することができる。さらに、扉体にロック部がロックされた状態のまま装着しようとしても扉体にリントフィルタを収容することができないので、扉体を閉鎖する
ことができない。このため、使用者に対し、リントフィルタと扉体に隙間があることを認識させることができ、扉体にリントフィルタを収容させるように促すことができる。このため、扉体とリントフィルタとの間に隙間を生じさせることがなく、乾燥性能低下を防止することができる。また、使用者に対してロック部の施錠を意識付けすることができ、リントフィルタを扉体に収容するように促すことができる。
【0015】
さらに、本発明は、前記リントフィルタは、前記リントフィルタを前記扉体に施錠するロック部をさらに有し、前記扉体は、前記ロック部によって前記扉体と前記リントフィルタが施錠されることによって、前記投入口を閉鎖可能としてもよい。
【0016】
これにより、ロック部を設けて乾燥運転中にリントフィルタの浮き上がりを防止して乾燥用空気の漏れを低減することができる。また、ロック部を施錠しない状態では扉体を閉鎖できないので、使用者に対し、リントフィルタと扉体に隙間があることを認識させることができ、扉体にリントフィルタを収容させるように促すことができる。このため、扉体とリントフィルタとの間に隙間を生じさせることがなく、乾燥性能低下を防止することができる。また、使用者に対してロック部の施錠を意識付けすることができ、リントフィルタを確実に扉体に収容するように促すことができる。
【0017】
さらに、本発明は前記扉体に設けられたガイド部と、前記リントフィルタに設けられ、前記ガイド部に合する突出部を有し、前記扉体は、前記突出部が前記ガイド部に正確に合された状態で、前記投入口を閉鎖可能としてもよい。
【0018】
これにより、ガイド部と、ガイド部に合する突出部とを設けて、リントフィルタを扉体に収容しやすくすることができる。よって位置ズレによる乾燥用空気の漏れを低減し乾燥性能低下を防止することができる。さらに、突出部をガイド部に正確に合された状態にしなければ、ロック部による施錠ができない。このため、使用者に対し、リントフィルタと扉体に隙間があることを認識させることができ、確実に扉体に収容させるように促すことができる。よって、扉体とリントフィルタとの間に隙間を生じさせることがなく、乾燥性能低下を防止することができる。
【0019】
さらに、本発明は、前記扉体が、前記リントフィルタを施錠するロック部を有し、前記ロック部は、前記収容部の上端と、前記枠部の上端とが略一致状態となってからロック可能としてもよい。
【0020】
これにより、ロック部を設けて乾燥運転中にリントフィルタの浮き上がりを防止して乾燥用空気の漏れを低減することができる。また、使用者がロック部により施錠しようとしたとき、リントフィルタが浮き上がった状態では施錠できないため、確実にリントフィルタを扉体に収容させるように促すことができる。よって、扉体とリントフィルタとの間に隙間を生じさせることがなく、乾燥性能低下を防止することができる。
【0021】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態に係る衣類乾燥機につき、図1図8を参照しながら以下に説明し本発明の理解に供する。以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲の内容を限定するものではない。
【0022】
以下、衣類乾燥機の概略構成が図1図4を用いて説明される。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の正面図、図2は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の側断面図、図3は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の背面斜視図、図4は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機のヒートポンプ装置
の概略図、図5は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の扉体の正面斜視図、図6は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の扉体の背面斜視図、図7(a)は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の扉体の側面図、図7(b)は本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の扉体の背面図である。
【0024】
衣類乾燥機100は、筐体110を備える。衣類乾燥機100は、筐体110内で、乾燥空気を循環し、衣類を乾燥する乾燥機能を有する。筐体110は、前壁111と、前壁111とは反対側の後壁112と、前壁111と後壁112との間で立設された左壁113と、左壁113とは反対側の右壁114と、を含む。筐体110は、前壁111、後壁112、左壁113及び右壁114の上縁で囲まれる領域を閉塞する天壁115を更に含む。
【0025】
前壁111には、投入口116が形成される。使用者は、投入口116を通じて、筐体110内に衣類を収容することができる。
【0026】
衣類乾燥機100は、前壁111に取り付けられた扉体120を更に備える。扉体120は、本体連結ヒンジ125により、開位置と閉位置との間で回動することができる。図1に示される扉体120は、閉位置に存する。使用者は、扉体120に設けられている開閉用把手123を手前に引いて、扉体120を開位置に移動させ、投入口116を開放することができる。その後、使用者は、投入口116を通じて、筐体110内に衣類を収容することができる。使用者は、扉体120を閉位置に移動させ、投入口116を閉じることができる。このとき、扉ロックレバ124により扉体120は閉位置に閉固定される。制御部200は、扉ロックレバ124が衣類乾燥機100の本体側に閉止されたことを検知すると、衣類の乾燥が開始可能状態とする。その後、衣類は、回転ドラム320内で乾燥される。
【0027】
衣類乾燥機100は、操作パネル201を更に備える。操作パネル201は、前壁111の一部として用いられる。使用者は、操作パネル201を操作し、様々な運転コースを設定することができる。
【0028】
衣類乾燥機100は、操作パネル201から出力されたコース情報に応じて乾燥を実行する。使用者は、扉体120を開位置に移動させ、投入口116を通じて、回転ドラム320に衣類を投入することができる。
【0029】
乾燥室としての回転ドラム320は有底円筒形状であり、回転ドラム320の回転軸心が水平となり、投入口116が正面側となるように配設されている。
【0030】
衣類乾燥機100の底面には、両軸駆動モータ310が設けられている。両軸駆動モータ310の前側回転駆動軸には、回転ドラム320を回転駆動するドラム駆動プーリ311が設けられている。回転ドラム320の外周には、ドラム駆動プーリ311に架設されたドラム駆動ベルト312が装着されている。両軸駆動モータ310の後側回転駆動軸には、送風ファン331を回転駆動するファン駆動プーリ313が設けられている。ファン駆動プーリ313に架設されたファン駆動ベルト314を介して、両軸駆動モータ310の駆動力が送風ファン331に伝えられる。
【0031】
送風ファン331は、ヒートポンプ装置420の下流に配置される。送風機410は、上流送風経路480の乾燥用空気を吸引する一方で、ファンケース330の下流送風経路332に乾燥用空気を送り出す。両軸駆動モータ310の回転により、回転ドラム320内に収容された衣類は、回転方向に持ち上げられ、持ち上げられた適当な高さ位置から落下する撹拌動作が繰り返される。さらに、送風ファン331の回転によって乾燥用空気が
循環ダクト430から回転ドラム320内に送られる。上述の如く、回転ドラム320は、衣類を撹拌している。したがって、回転ドラム320へ流入した乾燥用空気は、衣類に効率よく衝突する。この結果、衣類は、適切に乾燥される。
【0032】
乾燥用空気を循環させる循環ダクト430は、リントを捕集するリントフィルタ500と、ヒートポンプ装置420と、送風ファンを格納するファンケース330とを含む。ファンケース330は、回転ドラム320と後壁112との間に設けられた裏板117に連結されている。また、リントフィルタ500は、扉体120に設けられた第1リントフィルタ510と、衣類乾燥機100の下方で、かつヒートポンプ装置420の上流に設けられた第2リントフィルタ482とを有する。循環ダクト430は、第1リントフィルタ510および第2リントフィルタ482の間に位置する上流送風経路480を含む。
【0033】
衣類乾燥機100は、循環ダクト430内で、回転ドラム320を通過した乾燥用空気と熱交換するヒートポンプ装置420を含む。ヒートポンプ装置420は、回転ドラム320から送風ファン331へ流れる乾燥用空気の流動経路上に配置される。ヒートポンプ装置420は、送風ファン331に向かって流れる空気と熱を交換し、高温かつ乾燥した空気を作り出す。
【0034】
ヒートポンプ装置420は、空気を除湿する除湿部421と、空気を加熱する加熱部422と、を含む。第1リントフィルタ510を通過した乾燥用空気は、除湿部421を通過する。この結果、空気の湿度は低下する。その後、乾燥用空気は、加熱部422を通過する。この結果、空気は加熱される。かくして、ヒートポンプ装置420は、回転ドラム320を通過した乾燥用空気と熱交換し、衣類を乾燥させるための乾燥用空気を作り出すことができる。
【0035】
図4を参照して、ヒートポンプ装置420の詳細が説明される。
【0036】
ヒートポンプ装置420は、作動媒体を圧縮するコンプレッサ423と、作動媒体を減圧する膨張弁424と、膨張弁424からコンプレッサ423へ流れる作動媒体を案内する第1循環チューブ425と、コンプレッサ423から膨張弁424へ流れる作動媒体を案内する第2循環チューブ426と、を含む。第1循環チューブ425及び第2循環チューブ426は、コンプレッサ423と膨張弁424とを通過する閉ループを形成する。第1循環チューブ425を流れる作動媒体は、膨張弁424による減圧によって低温となる。第2循環チューブ426を流れる作動媒体は、コンプレッサ423による圧縮によって高温となる。第1循環チューブ425及び第2循環チューブ426は、送風機410によって吸引される空気を案内する循環ダクト430内に突出する。
【0037】
第1循環チューブ425は、循環ダクト430内で、多数回折り返された流路を規定する。ヒートポンプ装置420は、循環ダクト430内で折り返された第1循環チューブ425に取り付けられた多数のフィン427を含む。循環ダクト430内の第1循環チューブ425及びフィン427は、上述の除湿部421として用いられる。
【0038】
第2循環チューブ426は、循環ダクト430内で、多数回折り返された流路を規定する。ヒートポンプ装置420は、循環ダクト430内で折り返された第2循環チューブ426に取り付けられた多数のフィン428を含む。循環ダクト430内の第2循環チューブ426及びフィン428は、上述の加熱部422として用いられる。
【0039】
循環ダクト430内を流れる乾燥用空気は、低温の作動媒体によって冷却された第1循環チューブ425及びフィン427によって冷却される。この結果、乾燥用空気中の湿気は、第1循環チューブ425及びフィン427上で結露する。したがって、乾燥用空気は
、除湿される。
【0040】
その後、乾燥用空気は、高温の作動媒体によって加熱された第2循環チューブ426及びフィン428によって加熱される。したがって、乾燥用空気は、高温になり、衣類の乾燥に適した乾燥空気となる。上述の如く、除湿部421及び加熱部422は、循環ダクト430内を流れる空気と熱交換し、乾燥用空気を作り出す。したがって、除湿部421及び加熱部422は、熱交換器として例示される。
【0041】
送風ファン331は、ヒートポンプ装置420によって作り出された乾燥用空気吸引する一方で、ファンケース330の下流送風経路332に乾燥用空気を送り出す。この結果、乾燥用空気は、裏板117の開口部432を通じて、回転ドラム320の底面と裏板117の間の空間に流入する。
【0042】
その後、乾燥用空気は、回転ドラム320の底壁321に形成された多数の通気孔(図示せず)を通じて、回転ドラム320内に流入する。乾燥用空気が回転ドラム320を通過する間、衣類は、乾燥用空気に衝突し、乾燥される。したがって、回転ドラム320から排出される乾燥用空気は、高い湿度となる。また、衣類から発生したリントや衣類に付着した髪の毛といった塵埃が、回転ドラム320から排出される乾燥用空気中で浮遊することとなる。
【0043】
その後、乾燥用空気は、扉体120の背面側に取り付けられた収容部121の扉体送風孔122に送られる。扉体送風孔122に送られた乾燥用空気は、第1リントフィルタ510を通過する。このとき、第1リントフィルタ510にて、乾燥用空気を浮遊するリントが捕集されて除去される。
【0044】
第1リントフィルタを通過した乾燥用空気は、上流送風経路480を通過し、第2リントフィルタ482を通過する。第1リントフィルタ510を通過したリントが、第2リントフィルタ482にて捕集されて除去される。その後、乾燥用空気は、ヒートポンプ装置420に流入し、除湿および加温がなされる。除湿されて高温となった乾燥用空気は、吸引導出口429を経由して、再び送風ファン331に吸引されて下流送風経路332に送り出される。このようにして、乾燥用空気は循環ダクト430と回転ドラム320内とを循環する。
【0045】
以下、図5図9を用いてリントフィルタ500の構成が説明される。
【0046】
図8は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の扉体の側断面図、図9(a)は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の扉体の一部を示す側断面図、図9(b)は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の扉体の一部を示す側断面図、図9(c)は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の要部拡大図、図10(a)、(b)は、本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の扉体の上部を示す斜視図である。なお、図8は、図7の8−8線における断面図である。
【0047】
塵埃を捕集するリントフィルタ500は、第1リントフィルタ510と、第2リントフィルタ482とを含む。第1リントフィルタ510は、扉体120が開放された状態で、扉体の上方から挿入されて、着脱可能に構成されている。
【0048】
上流送風経路480の下流側で、ヒートポンプ装置420と接続する吸引導入口481には、第2リントフィルタ482が設けられている。第2リントフィルタ482は、スポンジ部材から構成されている。第1リントフィルタ510および第2リントフィルタ482は、共に、取り出して、堆積したリントを除去することにより、メンテナンスが可能で
ある。循環する乾燥用空気に含まれるリントは、第1リントフィルタ510にてほぼ取り除くことが可能である。
【0049】
図6図7に示すように、第1リントフィルタ510は、リントを捕集、除去するメッシュフィルタ511(フィルタ部)と、メッシュフィルタ511を固定、保持する枠部512を有する。第1リントフィルタ510の背面側には、シーリング部としてのシールパッキン513が設けられている。シールパッキン513は、収容部121の圧接壁126と接して、気密性を保持している。シーリング部は、扉体120と第1リントフィルタ510との気密性が保たれるように構成されればよいので、扉体120側に設けることとしてもよい。
【0050】
第1リントフィルタ510の上部には、収容部121に第1リントフィルタ510を固定、施錠するロック部514が設けられている。ロック部514は、扉体120に第1リントフィルタ510を施錠する施錠機構516と、施錠機構516を左右に移動させる操作部517とを有する。図7(b)において、第1リントフィルタ510は、ロック部514が中央に位置する状態を閉とし、右にスライドさせて右に位置する状態を開となるように構成されている。また、図6に示すように、第1リントフィルタ510は、ロック部514を開状態とすることにより、施錠機構516が収容部121の上部に位置する凹部129と対応して、扉体120に収容可能となっている。
【0051】
収容部121の下方には、上流送風経路480に連通する連通口130が設けられている。送風ファン331により循環する乾燥用空気は、第1リントフィルタ510を通過した後、連通口130から上流送風経路480を通過する。
【0052】
着脱を繰り返す第1リントフィルタ510は、メンテナンスの手間に影響するため、着脱の簡素化、容易性が望まれる。さらに、乾燥用空気や乾燥用空気に含まれるリントが循環ダクト430から漏れないように、シール性の確保も望まれる。シール性が十分出ない場合、乾燥性能が低下する。さらに、リントが循環ダクト430から漏れた場合には、衣類乾燥機100の外部を汚すことになる。
【0053】
これらに対応して、本実施の形態の第1リントフィルタ510には、突出部515が設けられている。図9(c)は、図9(b)のC部を拡大したものである。第1リントフィルタ510は、突出部515が扉体120の内部に配した溝状のガイド部127に沿って移動することにより、正確な位置へと案内される。このように、ガイド部127が突出部515を案内するので、第1リントフィルタ510の取り付けを容易にすることができる。また、第1リントフィルタ510を正しく装着させることができるため、誤った位置に装着して空気が漏れ出ることを防止することができる。
【0054】
さらに、ガイド部127は、屈曲部128を有している。屈曲部128は、ガイド部127の上部と下部とで所定の角度をもつように構成されている。これにより、第1リントフィルタ510を収容部に確実に収容し、外れにくくすることができる。また、屈曲部128は、シールパッキン513が圧接壁126に押し付けられる方向に曲がっている。屈曲部128が圧接壁126側に曲がっていることにより、シールパッキン513における密着性を高めることができる。よって、空気が漏れ出ることを防止して、乾燥性能を高めることができる。
【0055】
また、シールパッキン513と接する圧接壁126は、鉛直方向から傾斜するように構成されている。このとき、第1リントフィルタ510が圧接壁126の上となるように傾斜配置されている。より詳細には、扉体120を閉状態にしたときに、圧接壁126の上部が下部よりも投入口116側に突出しており、圧接壁126は、下部の方が上部よりも
断面方向に厚くなるように構成されている。このように、収容部121の内面が、断面方向から見て略台形の勾配面を持つので、第1リントフィルタ510の重さが圧接方向に働く。よって、シールパッキン513にて簡単にエアタイトすることができる。
【0056】
また、第1リントフィルタ510に配したシールパッキン513の取付け面は、収容部121に形状が一致した逆の勾配を配した略台形状である。より詳細には、扉体120を閉状態にしたときに、シールパッキン513の取り付け面は、上部が下部よりも投入口116側に突出している。このように構成されているため、第1リントフィルタ510の重さが圧接壁126に密着する方向に働くので、シール構造を確実なものにすることが可能になる。このようにして、簡単なシール構造で、扉体送風孔122から連通口130の間の通風路から外へリントが漏れ出すことを防止し、吸引空気の循環と除湿および加熱との機能を確保することができる。
【0057】
また、第1リントフィルタ510は、上部に配したロック部514にて、第1リントフィルタ510を確実に扉体に装着固定することが可能である。このとき、ロック部514にて、第1リントフィルタ510を収容部121に正常に固定させるために、第1リントフィルタ510が収容部121に正常に収容されないと扉体120が閉鎖できないように構成されている。
【0058】
図9(b)に示すように、枠部512の上端と、収容部121の上端とが略一致する状態で、扉体120は閉鎖可能である。枠部512の上端と、収容部121の上端とが略一致状態にない場合、投入口116に接触して正常に扉体120を閉鎖することができない。また、図6の矢印Aに示すように、ロック部514を閉状態にスライドさせた状態で第1リントフィルタ510を収容部121に収めようとしても、ロック部514の施錠機構516が収容部121の上端に干渉するため、第1リントフィルタ510は正常に収容されない(図10(a))。矢印Bに示すように、ロック部514を開状態にして収容部121に挿入してから、ロック部514は閉状態とすることが可能である(図10(b))。これにより、第1リントフィルタ510が、収容部121の圧接壁126との間でシール性を保った状態で乾燥運転を行うこととなり、誤った位置に装着して空気が漏れ出ることを防止することができる。よって、扉体送風孔122から連通口130の間の通風路から外へリントが漏れ出すことを防止し、吸引空気の循環と除湿および加熱との機能を確保することができる。
【0059】
さらに、使用者がロック部514をロックしないまま扉体120を閉めようとしても、扉体120を閉じることができないように構成されていてもよい。例えば、ロック部514の下部にバネなどの弾性体を設ける。ロック部514が開状態のときには、バネの押し上げる力により、ロック部514の上端が投入口116に干渉するようにロック部514が構成される。ロック部514を下方へ押し下げて、閉状態となるようにスライドさせると、ロック部514の上端が投入口116とは干渉しない高さに下げられる。このような構成により、第1リントフィルタ510を確実に収容部121に取り付けることができる。よって、運転中に第1リントフィルタ510が上方へ浮いてシール性が低減することを防止することができる。よって、扉体送風孔122から連通口130の間の通風路から外へリントが漏れ出すことをより確実に防止し、吸引空気の循環と除湿および加熱との機能を確保することができる。
【0060】
また、第1リントフィルタ510は、枠部512の上端と収容部121の上端とが略一致した状態で、ロック部514がロック可能となるように構成されていてもよい。例えば、上述したバネなどの弾性体をロック部514に設ける。これにより、運転中に第1リントフィルタが上方へ浮いてシール性が低減することを防止することができる。よって、扉体送風孔122から連通口130の間の通風路から外へリントが漏れ出すことをより確実
に防止し、吸引空気の循環と除湿および加熱との機能を確保することができる。
【0061】
さらに、使用者が第1リントフィルタ510の上部に配したロック部514を閉状態にスライドさせようとしても、突出部515が完全にガイド部127の屈曲部128に到達しなければ、ロック部514を施錠することができないように構成されていてもよい。このため、誤使用状態の確認が容易になり、第1リントフィルタ510を誤った位置に装着して、空気が漏れ出ることを防止することができる。このため、乾燥性能を向上させることができる。また、ガイド部は、上部と下部とで所定の角度をもって屈曲するよう構成されているため、第1リントフィルタ510を収容部121に確実に収容し、外れにくくすることができる。また、シールパッキン513の密着性を高めることができる。よって、空気が漏れ出ることを防止して、乾燥性能を高めることができる。
【0062】
以上のように、衣類乾燥機100は、衣類を収納する乾燥室としての回転ドラム320と、回転ドラム320に衣類を出し入れする投入口116と、投入口116を閉鎖する扉体120とを備える。扉体120には、投入口116と対向し、扉体120の上部から着脱可能な第1リントフィルタ510が設けられ、第1リントフィルタ510は、リントを捕集するフィルタ部としてのメッシュフィルタ511と、メッシュフィルタ511を保持する枠部512とを含む。扉体120は、第1リントフィルタ510を収容する収容部121を含み、収容部121の上端と枠部512の上端とが略一致する状態で、投入口116を閉鎖可能としたものである
【0063】
これによって、使用者が投入口116を閉鎖しようとしても、第1リントフィルタが確実に扉体に収容されていない状態では、扉体120を閉鎖状態にすることができない。このため、使用者に対し、第1リントフィルタ510と扉体120に隙間があることを認識させることができ、確実に扉体120に第1リントフィルタ510を収容させるように促すことができる。このため、扉体120と第1リントフィルタ510との間に隙間を生じさせることがなく、乾燥性能低下を防止することができる。
【0064】
さらに、第1リントフィルタ510は、第1リントフィルタ510を扉体120に施錠するロック部514をさらに有し、扉体120は、ロック部514が開錠状態のとき収容部121に収容可能としてもよい。
【0065】
これにより、ロック部514を設けて乾燥運転中に第1リントフィルタ510の浮き上がりを防止して乾燥用空気の漏れを低減することができる。さらに、扉体120にロック部514がロックされた状態のまま装着しようとしても扉体120に第1リントフィルタ510を収容することができないので、扉体120を閉鎖することができない。このため、使用者に対し、第1リントフィルタ510と扉体120に隙間があることを認識させることができ、扉体120に第1リントフィルタ510を収容させるように促すことができる。このため、扉体120と第1リントフィルタ510との間に隙間を生じさせることがなく、乾燥性能低下を防止することができる。また、使用者に対してロック部514の施錠を意識付けすることができ、第1リントフィルタ510を扉体120に収容するように促すことができる。
【0066】
さらに、扉体120は、ロック部514によって扉体120と第1リントフィルタ510が施錠されることによって、投入口116を閉鎖可能としてもよい。
【0067】
これにより、ロック部514を施錠しない状態では扉体120を閉鎖できないので、使用者に対し、第1リントフィルタ510と扉体120に隙間があることを認識させることができ、扉体120に第1リントフィルタ510を収容させるように促すことができる。このため、扉体120と第1リントフィルタ510との間に隙間を生じさせることがなく
、乾燥性能低下を防止することができる。また、使用者に対してロック部514の施錠を意識付けすることができ、第1リントフィルタ510を確実に扉体120に収容するように促すことができる。
【0068】
さらに、扉体120に設けられたガイド部127と、第1リントフィルタ510に設けられ、ガイド部127に合する突出部515を有し、扉体120は、突出部515がガイド部127に正確に合された状態で、投入口116を閉鎖可能としてもよい。
【0069】
これにより、ガイド部と、ガイド部127に合する突出部515とを設けて、第1リントフィルタ510を扉体120に収容しやすくすることができる。よって位置ズレによる乾燥用空気の漏れを低減し乾燥性能低下を防止することができる。さらに、突出部515をガイド部127に正確に合された状態にしなければ、ロック部514による施錠ができない。このため、使用者に対し、第1リントフィルタ510と扉体120に隙間があることを認識させることができ、確実に扉体120に収容させるように促すことができる。よって、扉体120と第1リントフィルタ510との間に隙間を生じさせることがなく、乾燥性能低下を防止することができる。
【0070】
さらに、ロック部514は、収容部121の上端と、枠部512の上端とが略一致状態となってからロック可能としてもよい。
【0071】
これにより、ロック部514を設けて乾燥運転中に第1リントフィルタ510の浮き上がりを防止して乾燥用空気の漏れを低減することができる。また、使用者がロック部514により施錠しようとしたとき、第1リントフィルタ510が浮き上がった状態では施錠できないため、確実に第1リントフィルタ510を扉体120に収容させるように促すことができる。よって、扉体120と第1リントフィルタ510との間に隙間を生じさせることがなく、乾燥性能低下を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上のように、本発明にかかる衣類乾燥機は、扉体にリントフィルタを設けて、リントフィルタの着脱を容易にするとともに、気密性を簡単な機構により確保できるので、衣類乾燥機として有用である。
【符号の説明】
【0073】
100 衣類乾燥機
110 筐体
116 投入口
120 扉体
121 収容部
122 扉体送風孔
123 開閉用把手
126 圧接壁
127 ガイド部
128 屈曲部
130 連通口
200 制御部
310 両軸駆動モータ
311 ドラム駆動プーリ
312 ドラム駆動ベルト
313 ファン駆動プーリ
314 ファン駆動ベルト
320 回転ドラム(乾燥室)
330 ファンケース
331 送風ファン
332 下流送風経路
420 ヒートポンプ装置
421 除湿部
422 加熱部
429 吸引導出口
430 循環ダクト
450 熱交換部
480 上流送風経路
481 吸引導入口
482 第2リントフィルタ
500 リントフィルタ
510 第1リントフィルタ
511 メッシュフィルタ(フィルタ部)
512 枠部
513 シールパッキン(シーリング部)
514 ロック部
515 突出部
516 施錠機構
517 操作部
図1
図3
図7
図8
図2
図4
図5
図6
図9
図10