(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アドレス復号器は、前記比較器が前記入力アドレスと前記ストレージ・アレイの前記内容との一致を検知した時に、誤読表示信号を生成するように更に構成される、請求項2に記載のメモリー回路。
前記タイミング制御ユニットは、前記誤読表示信号に依存して、前記第1増幅器イネーブル信号、前記第2増幅器イネーブル信号、及び前記データ出力選択信号を生成するように更に構成される、請求項3に記載のメモリー回路。
前記試験ユニットは、前記ストレージ・アレイ内の弱いデータストレージ・セルを選択したアドレスを示すアドレス情報を記憶するように更に構成される、請求項6に記載のシステム。
前記増幅するステップは、弱いデータストレージ・セルを示す前記記憶されたセル強度に応答して、前記データストレージ・セルに記憶されたデータを増幅するための前記第2のセンス増幅器を選択するステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、種々の変更及び代替形態を許容可能であるが、その特定の実施例については、図面中で例として示し、これから本明細書の中で詳細に述べる。だが、図面及びこれに関する詳細な説明は、図示の特定形態に本開示を制限することを意図しておらず、むしろその目的は、添付の特許請求の範囲により定義される本開示の精神や範囲に含まれる全ての変形形態、等価形態、及び代替形態を網羅することを、理解されるべきである。本明細書で使用される表題は、構成目的のみに過ぎず、説明の範囲を制限するために使用されることを意味するものではない。本出願を通して使用される単語「may」は、義務的な意味(即ち、必須を意味する)よりも、許容的な意味(即ち、可能性を含む意味)として使用される。同様に、単語「include」、「including」、及び「includes」は、〜を含むがこれに限定されるものではないということを意味する。
【0012】
種々のユニット、回路、又は他の構成要素については、1つ以上のタスクを実行するよう「configured to(構成される)」ものとして述べる場合がある。この様な状況では、「configured to(構成される)」は、動作中に1つ以上のタスクを実行する「having circuitry that(回路を備えている)」ことを略意味する構造の広義な記述である。従って、ユニット/回路/構成要素は、このユニット/回路/構成要素が現在動作していない時であっても、タスクを実行するよう構成可能である。一般に、「configured to(構成される)」に対応する構造を形成する回路は、ハードウェア回路を含められる。同様に、種々のユニット/回路/構成要素を、説明の便宜のために、1つ以上のタスクを実行するものとして説明することもある。この様な説明は、語句「configured to(構成される)」を含めるものとして解釈するものとする。1つ以上のタスクを実行するように構成されたユニット/回路/構成要素の列挙は、そのユニット/回路/構成要素に対する米国特許法第112条第6段落の解釈の適用を明示的に意図しない。より具体的には、全ての要素に関する記述は、言語「means for(〜するための手段)」、又は「step for(〜するための工程)」が具体的に記述されていない限り、その要素に対する米国特許法第112条第6段落の解釈の適用を明示的に意図していない。
【0013】
半導体メモリー素子の製造中、リソグラフィー、注入レベル等の違いによって、通常、特性や性能が同一であることを意図するデータストレージ・セル間の電気特性に違いが発生する場合がある。ある場合では、データストレージ・セルの電気特性の変動は、データストレージ・セルがメモリー回路の正常動作条件下での動作(例えば、読み取り、又は書き込み)が不可能となるくらい著しく大きくなる場合があり、これによって、データストレージ・セルは、故障として識別され、余剰のデータストレージ・セルとの交換が必要とされる。電気特性が理想的では無いデータストレージ・セルを補償するために余剰のデータストレージ・セルをメモリー回路に追加することで、チップ領域や電力消費が増えることがある。以下で説明する実施例は、電気特性が理想的では無いデータストレージ・セルを識別及び補償するための技術を提供できる。
【0014】
図1は、幾つかの想定される実施例の1つに係わるデータストレージ・セルを図示している。図示の実施例において、データストレージ・セル100は、「bt」として示す正規のI/O(入出力)102、「bc」として示す補足I/O 103、及び「wl」として示す選択入力101を含む。
【0015】
図示の実施例では、bt 102は、選択トランジスタ104に接続され、bc 101は、選択トランジスタ105に接続される。選択トランジスタ104及び選択トランジスタ105は、wl 101により制御される。選択トランジスタ104は、ノード110を介して、プルアップ・トランジスタ108及びプルダウン・トランジスタ106に更に接続され、選択トランジスタ105は、ノード111を介して、プルアップ・トランジスタ109及びプルダウン・トランジスタ107に更に接続される。プルアップ・トランジスタ108及びプルダウン・トランジスタ106は、ノード111によって制御され、プルアップ・トランジスタ109及びプルダウン・トランジスタ107は、ノード110により制御される。
【0016】
選択トランジスタ、プルアップ・トランジスタ、プルダウン・トランジスタ、及びプリチャージ・トランジスタを個々のトランジスタとして図示しているが、他の実施例では、これらトランジスタのうちの任意を、複数のトランジスタ、又は他の適切な回路を用いて実装できるという点に、留意する。即ち、種々の実施例において、「トランジスタ」は、個々のトランジスタ、若しくは他の適切な種類の切り替え素子(例えば、電界効果トランジスタ(FET))、又はトランジスタの集合体に対応可能である。
【0017】
記憶動作の開始時において、正規のI/O 102及び補足的なI/O 103は共に高電圧であり、選択入力101を低電圧としてもよい。本実施例では、低電圧は、接地電位、又はその付近の電圧のことを指し、高電圧は、nチャンネル金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を作動させ、pチャンネルMOSFETを停止させるのに十分高い電圧を指すことに、留意する。他の実施例では、他の回路構成も使用可能であり、低電圧及び高電圧を構成する電圧は、異なってもよい。記憶又は書き込み動作中、選択入力101は、高電圧に切り替えられ、正規のI/O 102をノード110に接続し、補足的なI/O 103をノード111へと接続可能である。論理値1をデータストレージ・セル100に記憶するため、補足的なI/O 103を低電圧に切り替えることができる。選択トランジスタ105は動作状態であるので、ノード111も低電圧に切り替わる。ノード111上の低電圧は、プルアップ・トランジスタ108を作動させて、ノード110を高電圧に充電する。次に、ノード110上の高電圧は、プルダウン・トランジスタ107を作動させ、ノード111上の低電圧を更に増強させて、再生フィードバックを確立する。この再生フィードバックがノード110とノード111との間において構築されると、選択入力101は、低電圧に切り替わって選択レジスタ104及び選択レジスタ105を停止し、ノード110を正規のI/O 102から分離し、ノード111を補足的なI/O 103から分離する。論理値0の記憶法も同様でもよい。選択入力101を、高電圧に切り替えて、正規のI/O 102を、低電圧に切り替えられる。選択レジスタ104は、正規のI/O 102上の低電圧をノード110に接続して、プルアップ・トランジスタ109を動作させる。ノード111上の高電圧は、プルダウン・トランジスタ106を動作させて、ノード110上の低電圧を増強させて、再生フィードバックを構築する。再生フィードバックを介してデータを記憶するデータストレージ・セルを静的セルと呼ぶのが、一般的である。
【0018】
図示の実施例では、データストレージ・セル100は、正規のI/O 102と補足的なI/O 103との間の電圧差として、記憶データを出力する。(本明細書では、2つの電圧の差として記憶されるデータは、「差分で符号化されたもの」として呼ぶこともできる)出力プロセスの開始時では、正規のI/O 102及び補足的なI/O 103を共に高電圧とし、選択入力101は、低電圧としてもよい。選択入力101をアサートすることで、選択トランジスタ104及び選択トランジスタ105が作動する。ノード111を低電圧とし、ノード110を高電圧とする場合、電流は、選択トランジスタ105及びプルダウン・トランジスタ107を介して流れることで、補足的I/O 103の電圧が下がる。ノード110が低電圧で、ノード111が高電圧である場合、電流は、選択トランジスタ104及びプルダウン・トランジスタ106を介して流れることで、正規のI/O 102の電圧が降下する。何れかのデータ状態において、データストレージ・セルが正規のI/O 102、又は補足的なI/O 103から汲み取る電流は、セルの読み出し電流と呼ばれる。
【0019】
理想的であれば、プルダウン・トランジスタ106及びプルダウン・トランジスタ107の電気特性は、選択トランジスタ104と選択トランジスタ105の電気特性の様に同一であろう。更に、理想的な回路では、メモリー素子における1つのデータストレージ・セル内のプルダウン・トランジスタ106及びプルダウン・トランジスタ107は、同じメモリー素子における別のデータストレージ・セル内のプルダウン・トランジスタ106及びプルダウン・トランジスタ107の電気特性と同一であることが、望ましい場合がある。だが、半導体製造プロセス中に、リソグラフィーの違い、ドーパント・レベルの揺らぎ等によって、異なる電気特性(例えば、飽和電流)を有するトランジスタが発生する場合がある。ホットキャリア注入等によって誘起される経時効果も、経時に渡ってトランジスタの電気特性を変化させることもある。プルダウン・トランジスタ106、プルダウン・トランジスタ107、選択トランジスタ104及び選択トランジスタ105における製造、並びに経時効果双方に起因するあるデータストレージ・セルから別のデータストレージ・セルまでの変動によって、読み取り電流が変動し、それ故、同じ記憶データにおいて出力電圧が変動することがある。
【0020】
場合によっては、トランジスタの電気特性の変動が、ストレージ・セルが読み取られる時に、平均出力電圧よりも大きくなる場合もある。平均より高い出力電圧をもたらすデータストレージ・セルは、強セルと呼ばれることがある。ある状況では、トランジスタの電気特性の変動は、ストレージ・セルが読み取られる時に、平均出力電圧よりも小さくなる場合もある。平均より低い出力電圧を生成するデータストレージ・セルは、弱セルと呼ばれることがある。弱ストレージ・セルによって生成される出力電圧の値が十分小さい場合、この出力電圧ではセンス増幅器内の不均衡や信号ノイズを克服できない場合があることにより、データストレージ・セルに記憶されたデータを適切に判別できないことがある。
【0021】
図1で示したトランジスタ及び接続の数は、説明のための一例に過ぎず、他の実施例では、他の数や種類のトランジスタ及び/又は回路構成を使用できる点に、留意する。更に、留意すべき点として、他のデータストレージ・セルの実施例では、他のストレージ機構も使用できる。例えば、コンデンサー(例えば、動的ランダム・アクセス・メモリー(DRAM)内など)、トランジスタ移植(例えば、空乏プログラマブル読み取り専用メモリー(ROM)内など)、又はフローティング・ゲート構造(単一ビット、又は複数ビット不揮発性、或いは、フラッシュメモリー内など)を用いて、データをデータストレージ・セル内に記憶できる。
【0022】
図2は、
図1で示すデータストレージ・セルの実施例の動作によって生成された想定される波形を図示している。時刻t
0 205において、選択入力101がアサートされる(波形201)。記憶データの値に応じて、正規のI/O 102、又は補足的なI/O 103の何れかが、放電を開始する(波形203)。時刻t
1 206において、正規のI/O 102と補足的なI/O 103との間の僅かな信号差が、センス増幅器により増幅される。1つ以上のデータストレージ・セルを含むシステムを、コンデンサー及び電流源としてモデル化できる。コンデンサーは、正規のI/O 102又は補足的なI/O 103の何れかに存在する全容量を表し、これは、他のデータストレージ・セルのI/Oポートの接合容量、及びデータストレージ・セル間の相互接続の容量を含むことができる。電流源は、データストレージ・セルの読み取り電流である。このモデルを用いて、時刻t
0から時刻t
1までの立ち下がりI/O上の電圧は、式1を用いて推定できる。
(1)
【0023】
限定された範囲の時間及び電圧に渡り、読み取り電流を定数として処理できる。これにより、この式を式2で示すように簡略化できる。負荷容量が一定の場合、立ち下がりI/O上の電圧変化は、データストレージ・セルの読み取り電流に比例する。データストレージ・セルの読み取り電流が平均よりも低い場合、立ち下がりI/Oの電圧変化は低くなり(波形204)、センス増幅器の動作時点において、より微弱な差分電圧が生成される。データストレージ・セルの読み取り電流が平均よりも多い場合、立ち下がりI/Oの電圧変化は大きくなり(波形202)、センス増幅器の動作時点において、より大きな差分が生成される。留意すべき点として、
図2で示した波形は、説明のための一例に過ぎず、他の実施例では、異なる波形挙動も想定されうる。
【0024】
図3は、「dout」で示すデータ出力311、「pchgb」で示すプリチャージ制御入力316、「saen1」で示す第1のセンス増幅器イネーブル入力308、及び「saen2」で示す第2のセンス増幅器イネーブル入力309を含むメモリー・サブアレイの実施列について説明している。更に、図示の実施例には、「cs」として示した1つ以上の列選択入力307、及び「rs」として示した1つ以上の行選択入力306も含まれる。
【0025】
図示の実施例では、列301a、301b、301c、及び301dは、ビット線312を介して列マルチプレクサ302の入力に接続する。列マルチプレクサ302における差分で符号化された出力は、ノード313a及びノード313bを介して第1のセンス増幅器303及び第2のセンス増幅器304の差分入力に接続する。第1のセンス増幅器303の出力及び第2のセンス増幅器304の出力は、出力回路305の入力に接続され、出力回路305の出力は、dout 311へと接続される。
【0026】
各列301は、1つ以上のデータストレージ・セル100を含められる。例えば、列301内の各データストレージ・セル100の個々のビット線bt 102を纏めて結合して、列301の正規のビット線312を形成できる。同様に、列301内の各データストレージ・セル100の個々のビット線bc 103を纏めて結合して、列301の補足的なビット線312を形成できる。所与のrs 306がアサートされた時に、対応するデータストレージ・セル100が、列301の正規のビット線及び補足的なビット線上で差分で符号化された出力を生成し、一方、列301内の残りのデータストレージ・セル100のビット線出力が停止したままとなるよう、列301の各データストレージ・セル100の個々のワード線wl 101を、行選択信号rs 306のそれぞれに接続できる。他の実施例では、データストレージ・セルは、動的ストレージ・セル、単一ビット若しくは多重ビット不揮発性ストレージ・セル、又はマスクプログラマブル読み取り専用ストレージ・セルが可能である。ある実施例では、データストレージ・セルは、シングルエンド方式でデータを伝送できることに、留意する。この様な場合、列ごとに1本のビット線のみが必要とされる。
【0027】
実施例によっては、列マルチプレクサ302は、cs 307により制御可能な1つ以上のパス・ゲートを含むことができる。各パス・ゲートの入力を、列301a、301b、301c、及び301dの1つからの正規、又は補足的なビット線出力の何れかに接続できる。正規のビット線に接続する各パス・ゲートの出力は、有線OR方式で列マルチプレクサ302の正規の出力に接続し、補足的なビット線に接続する各パス・ゲートの出力は、有線OR方式で列マルチプレクサ302の補足的な出力に接続する。他の実施例では、列マルチプレクサ302に、マルチプレクサ選択機能を実行するように構成された1つ以上の論理ゲートを含められる。
【0028】
ある実施例では、第1のセンス増幅器303及び第1のセンス増幅器304は、アナログ増幅技術を使用できる。他の実施例では、第1のセンス増幅器303及び第2のセンス増幅器304は、ラッチに基づく増幅法を使用可能である。第1のセンス増幅器303の利得レベル及び第2のセンス増幅器304の利得レベルは、ある実施例では同じであるが、他の実施例では、異なる場合がある。
【0029】
ある実施例では、図示のサブアレイ300は、以下の様に動作可能である。
図3、及び
図4で説明する流れ図を合わせて参照すると、この動作は、pchgb 316を低電圧に設定し、rs 306、cs 307、saen1 308、及びsaen2 309を不活性状態に設定してサブアレイを初期化することで、始動する(ブロック401)。サブアレイ300が初期化されたら、rs 306の1つをアサートして(ブロック402)、列301a、301b、301c、及び301dのそれぞれにおけるデータストレージ・セルを選択する。そして、cs 307の1つをアサートし(ブロック403)、列マルチプレクサ302に、ビット線312の1つからデータを出力させることが可能である。
【0030】
次に、この動作は、選択したデータストレージ・セルの強度に依存する(ブロック404)。選択したデータストレージ・セルが正常な強度である時に、saen1 308を高電圧に設定し、第1のセンス増幅器303に、ノード313a、ノード313b上のデータを増幅させ、その結果をノード315に出力させることができる(ブロック405)。次に、出力回路305がノード315を出力311に接続するよう、Dosel 310をアサートすることが可能である。そして、saen1 308、及びrs 306とcs 307のうちアサートされた1つをアサート解除し、pchgb 316を低電圧に設定することで、サブアレイ300を再初期化可能である(ブロック401)。
【0031】
選択したデータストレージ・セルが弱い時に、saen2 309を高電圧に設定して、第2のセンス増幅器304に、ノード313a、ノード313b上のデータを増幅させ、その結果をノード314に出力させることができる(ブロック406)。次に、出力回路305がノード314をdout 311に接続するよう、Dosel 310をアサートできる。そして、saen2 309、及びrs 306とcs 307のうちアサートされた1つをアサート解除し、pchgb 316を低電圧に設定することで、サブアレイ300を再初期化可能である(ブロック401)。
【0032】
図5は、幾つかの想定される実施例の1つに係わるメモリーを図示している。図示の実施例において、メモリー500は、「dio」として示されるデータI/Oポート509、「add」として示されるアドレス・バス入力512、「mode」として示されるモード選択入力511、及び「clk」として示されるクロック入力510を含む。
【0033】
図示の実施例では、メモリー500には、サブアレイ501a,501b、及び501c、タイミング制御ユニット502、アドレス復号器503、並びにアドレス比較器504が含まれる。サブアレイ501a、501b、及び501cは、サブアレイ300について先に述べた特徴の一部、又は全てを含めてもよい。タイミング制御ユニット502は、復号器イネーブル信号508をアドレス復号器503、及びアドレス比較器504に供給し、制御信号505をサブアレイ501a、501b、及び501cに供給するように接続される。一部の実施例では、制御信号505は、サブアレイ300について先に述べた様に動作可能とするプリチャージ信号、第1のセンス増幅器イネーブル信号、第2のセンス増幅器イネーブル、並びに、データ出力選択信号を含むことができる。
【0034】
アドレス復号器503は、アドレス・バス512上の復号器イネーブル信号508、及びアドレス値のアサートに応答して、行選択506及び列選択507をサブアレイ501a、501b、及び501cに供給するように接続される。アドレス比較器504は、add 512上のアドレス値と、サブアレイ501a,501b,及び501cにおいて弱いデータストレージ・セルを選択すると以前に判定されたアドレス値群との比較に基づいて、誤読表示信号513をタイミング制御ユニット502に供給するように接続される。実施例によっては、アドレス比較器504には、弱いデータストレージ・セルを選択するアドレス値を記憶するように構成されたストレージ・ユニット514を含められる。
【0035】
想定されるメモリー500の動作法を、
図6で説明する。
図5、及び
図6で図示される流れ図を合わせて参照すると、初期化済みメモリー500へのclk 510のアサートを解除することで、動作が開始する(ブロック601)。そして、Clk 510がアサートされて、タイミング制御ブロック502に、復号器イネーブル508をアサートさせることができる(ブロック602)。次に、アドレス復号器503は、復号器イネーブル508のアサートに応答して、add 512上に提示されるアドレスを復号化して(ブロック603)、行選択506の1つ、及び列選択507の1つをアサートさせることが可能である(ブロック604)。次に、この動作は、メモリー500が試験モード状態であるかどうか依存する(ブロック605)。メモリー500が試験モードにあることがmode 511によって示される時に、タイミング制御ユニット502は、サブアレイ501a、501b、及び501c内の第2のセンス増幅器を選択し(ブロック608)、これを動作させるよう(ブロック61)、制御信号505内の適切な信号をアサート可能である。次に、第2のセンス増幅器は、増幅データをdio 509に出力可能であり(ブロック611)、この時点で、メモリー500は、clk 510をアサート解除することで再初期化できる(ブロック601)。
【0036】
メモリー500が試験モードにないことがmode 511によって示される時に、アドレス比較器504は、add 512上に提示されるアドレスを弱いデータストレージ・セルを選択すると以前に判定されたアドレス・リストに対して比較する。ある実施例では、アドレス・リストをストレージ・アレイ514の中に含められる。次に、この動作は、サブアレイ501a、501b、及び501c内で選択されたデータストレージ・セルの強度に依存する(ブロック607)。サブアレイ501a、501b、及び501c内で選択されたデータストレージ・セルが正常強度である時に、タイミング制御ユニット502は、サブアレイ501a、501b、及び501c内で第1のセンス増幅器を選択し(ブロック609)、これをイネーブルするよう(ブロック610)、制御信号505内の適切な制御信号をアサート可能である。そして、第1のセンス増幅器は、増幅データをdio 509に出力できる(ブロック611)。更に、メモリー500は、clk 510をアサート解除することで再初期化できる(ブロック601)。
【0037】
サブアレイ501a、501b、及び501c内で選択されたデータストレージ・セル中に、1つ以上の弱いデータストレージ・セルが含まれる時に、アドレス比較器504は、誤読表示信号513をアサートできる。そして、タイミング制御ユニット502は、誤読表示信号513のアサートに応答して、サブアレイ501a、501b、及び501c内で第2のセンス増幅器を選択し(ブロック608)、これをイネーブルするよう(ブロック610)、制御信号505内の適切な制御信号をアサートできる。次に、第2のセンス増幅器は、増幅データをdio 509に出力可能であり(ブロック611)、この時点で、メモリー500は、clk 510をアサート解除することで再初期化できる(ブロック601)。留意すべき点として、
図6で説明した動作の一部、若しくは全てを異なる順序で実行し、又は逐次的ではなく同時に実行可能である。
【0038】
図7は、弱いデータストレージ・セルであるかどうかについて試験するためのメモリー500の想定される動作法について説明している。
図5及び
図7で示す流れ図を合わせて参照すると、この動作は、ブロック701から開始する。add 512に提示される値をゼロに設定する(ブロック702)。そして、この動作は、add 512に提示された値に依存する(ブロック703)。add 512に提示された値がメモリー500の最大アドレスを超える時に、試験は終了する(ブロック707)。add 512に提示された値がメモリー500の最大アドレスよりも小さい時に、mode 511を書き込み動作用に設定し、試験データをdio 509に提示して、clk 510をアサートして、試験データをadd 512に提示された値により選択されたデータストレージ・セルへ書き込むことができる(ブロック704)。
【0039】
試験データがロードされると、メモリー500が再初期化される。Mode 511を読み取り・試験操作用に設定し、clk 510をアサートして、
図8を参照してこれから述べる読み取り・比較操作を始動できる(ブロック705)。読み取り・比較操作が完了した時に、メモリー500を再初期化して、add 512に提示される値を増分可能であり(ブロック706)、この値をメモリー500の最大アドレスに対して検証する(ブロック703)。
図7で示した動作は説明のための一例に過ぎず、実際の回路動作では、他の動作、及び動作の順序も想定可能であるという点に、留意する。
【0040】
以前にロードされた試験データを読み取り、比較するためのメモリー500の想定される動作法について、
図8で説明する。
図5及び
図8で説明する流れ図を合わせて参照すると、メモリー500を初期化するためにclk 510をアサート解除することで、動作を開始可能である(ブロック801)。Mode 511を正常読み取り動作に設定して、clk 510をアサートし、タイミング制御ユニット502に、復号器イネーブル信号508をアサートさせることが可能である。アドレス復号器503は、復号器イネーブル信号508のアサートに応答して、add 512に提示されるアドレスを復号化し(ブロック802)、行選択506の1つ及び列選択507の1つをアサートして(ブロック803)、サブアレイ501a、501b、及び501cのそれぞれにおけるデータストレージ・セルを選択する。そして、タイミング制御ユニット502は、制御信号505内の適切な信号をアサートして、サブアレイ501a、501b,及び501c内の第1のセンス増幅器を起動し(ブロック804)、第1のセンス増幅器に、選択したデータストレージ・セルからのデータを増幅し、増幅後のデータをdio 509に出力させることが可能である(ブロック805)。
【0041】
そして、この動作は、dio 509におけるデータ出力値に依存する(ブロック806)。dio 509におけるデータ出力が最初にロードした試験データと一致する時に、選択したデータストレージ・セルは、正常なものとして識別できる(ブロック807)。この試験フローでは、新たなアクションを実行せず、所与のアドレスにおけるデータストレージ・セルの試験は完了する(ブロック816)。dio 509上のデータ出力が最初にロードした試験データと一致しない時に、新たな試験が必要となる可能性があり、clk 510をアサート解除して、メモリー500を再初期化できる(ブロック808)。Mode 511を試験読み取り操作に設定し、clk 510をアサートできる。clk 510のアサートに応答して、タイミング制御ユニット602は、復号器イネーブル508をアサートし、復号器503に、add 512に提示されるアドレスを復号化させる(ブロック809)。そして、アドレス復号器503は、行選択506の1つ、及び列選択507の1つをアサートして、サブアレイ501a、501b、及び501cそれぞれのデータストレージ・セルを選択する(ブロック810)。実施例によっては、更に、タイミング制御ユニット502は、必要な制御信号505をアサートして、サブアレイ501a,501b、及び501c内の第2のセンス増幅器を起動し(ブロック811)、第2のセンス増幅器に、選択したデータストレージ・セルからのデータを増幅させ、増幅後のデータをdio 509に出力させることができる(ブロック812)。
【0042】
dio 509上のデータ出力の新規読み取り値を、最初にロードされた試験データに対して比較できる(ブロック913)。dio 509におけるデータ出力が最初にロードした試験データと一致する時に、1つ以上の選択したデータストレージ・セルは、弱い可能性がある。これらのデータストレージ・セルを選択したアドレスは、弱いセルを含むものとして記録できる(ブロック814)。所与のアドレスにおける試験操作を完了可能である(ブロック816)。dio 509におけるデータ出力が最初にロードされた試験データと一致しない時に、1つ以上の選択したデータセルには、重度の障害が含まれる可能性がある。これらのデータストレージ・セルを選択したアドレスは、重度の障害を含むものとして記録される場合がある(ブロック815)。そして、所与のアドレスにおける試験操作を完了可能である(ブロック816)。一部の実施例では、記憶済みアドレスがメモリー500への後続の読み取りアクセスを受けた時に、アドレス比較器504が誤読表示信号513をアサートするよう、弱いデータストレージ・セルを選択したアドレスをストレージ・ユニット514へロードできる。留意すべき点として、実際の回路動作では、
図8で説明した動作の一部、若しくは全てを異なる順序で実施し、又は逐次的ではなく同時に実行可能である。
【0043】
図9を参照すると、システムのブロック図が図示されている。図示の実施例において、システム900は、ランダム・アクセス・メモリー(RAM)902、及び読み取り専用(ROM)903のインスタンスを含み、それぞれが、サブアレイ300に関する上記機能の一部、又は全てを統合可能な1つ以上のサブアレイを含められる。
【0044】
更に、図示の実施例は、1つ以上のローカル・ストレージ・ユニット909を含めてもよいCPU 901も備える。例えば、CPU 901には、キャッシュデータRAM、タグRAM、1つ以上のレジスター・ファイル、及び1つ以上のFIFOを含められる。ローカル・ストレージ・ユニット909のそれぞれは、サブアレイ300に関する上記機能の一部、又は全てを統合可能な1つ以上のサブアレイを含められる。一部の実施例において、CPU 901は、サブアレイを動作するように構成された試験ユニット910を含められる。他の実施例では、試験ユニット910を、弱いデータストレージ・セルを選択するアドレスを記憶するよう、更に構成可能である。また、図示の実施例には、I/Oアダプタ905、ディスプレイ・アダプタ904、ユーザ・インターフェース・アダプタ906、及び通信アダプタ907が含まれる。
【0045】
上記開示を十分に理解できれば、多くの変形や改良が、当業者には明らかとなることであろう。以下の特許請求の範囲は、この様な変形や改良の全てを包含して解釈することを意図している。