特許第6047849号(P6047849)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6047849
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】車両表面汚染モニタ
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/00 20060101AFI20161212BHJP
   G01T 1/169 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   G01T1/00 D
   G01T1/169 A
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-145580(P2012-145580)
(22)【出願日】2012年6月28日
(65)【公開番号】特開2014-10002(P2014-10002A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091281
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】大木 靖
(72)【発明者】
【氏名】村田 靖
【審査官】 林 靖
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−176255(JP,A)
【文献】 特開2012−053058(JP,A)
【文献】 特開2011−052992(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/001638(WO,A1)
【文献】 特開2012−096730(JP,A)
【文献】 特開2000−127914(JP,A)
【文献】 特開2009−173096(JP,A)
【文献】 特開平04−121258(JP,A)
【文献】 特開2000−006772(JP,A)
【文献】 特開2010−156638(JP,A)
【文献】 特開平05−052056(JP,A)
【文献】 特開2011−237463(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0321650(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00−7/12
G21C 17/00−17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象の放射性物質による汚染をモニタリングする放射線モニタであって、
上部、右側部及び左側部を有する移動部本体と、
前記検査対象の放射性物質による汚染を検出する検出部と、
を備え、
前記移動部本体は、当該移動部本体内に前記検査対象が進入可能に構成され、
前記検出部は、β線を検出可能であって前記検査対象の表面汚染を検出するセンサであり、前記移動部本体の内側に突き出て配置され、
前記移動部本体と前記検出部とがともに前記検査対象の前後方向に移動しながらモニタリングを行うことを特徴とする放射線モニタ
【請求項2】
前記検出部は、可動であることを特徴とする請求項1に記載の放射線モニタ。
【請求項3】
前記検出部は、汚染の検出の際に前記検査対象の表面までの距離が一定距離に維持されることを特徴とする請求項2に記載の放射線モニタ。
【請求項4】
前記検出部は、前記検査対象の右側面を検出する右側面検出部と前記検査対象の左側面を検出する左側面検出部とを有し、該右側面検出部、該左側面検出部が前記検査対象の方向に移動可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の放射線モニタ。
【請求項5】
前記検出部は、前記検査対象の上面を検出する上面検出部を有し、該上面検出部が前記検査対象の方向に移動可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の放射線モニタ。
【請求項6】
前記検出部は、停止した状態で前記検査対象の放射性物質による汚染を検出することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の放射線モニタ。
【請求項7】
前記移動部本体を前記検査対象の前後方向に誘導する誘導部を更に備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の放射線モニタ
【請求項8】
前記移動部本体を駆動する駆動装置を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の放射線モニタ
【請求項9】
前記検出部は、複数の分割センサで構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の放射線モニタ
【請求項10】
前記検出部による検査結果を取得して該検査結果を表示または報知すると共に、記憶領域である記憶部を有する管理装置を更に備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の放射線モニタ
【請求項11】
前記検出部は、汚染の検出の前に、予めバックグラウンド計数率を測定することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の放射線モニタ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両表面の放射性物質の汚染をモニタリングする車両表面汚染モニタ、および、この車両表面汚染モニタが敷設された車両表面汚染モニタリング施設に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所など放射性物質取扱施設ではその敷地内で放射性物質が飛散するという事象が起こりうる。放射性物質取扱施設の敷地に出入りする車両に放射性物質が付着すると、放射性物質が敷地外の広域に拡散するおそれがある。
そこで、防備的に車両に対する放射性物質の汚染(放射能汚染)の有無を検査できるようにして、放射性物質の拡散を防止したいという要望があった。
【0003】
このように車両を対象とする放射能汚染の検査を可能とする装置についての従来技術が、例えば、特許文献1(特開2011−237463号公報、発明の名称「検査データ収集システム及び検査データ収集方法」)に開示されている。このシステムは、放射線管理区域の物品に対して表面汚染検査を行うと共に検査データを収集するシステムに係り、特に搬送車両に関してはタイヤを測定ポイントとして、表面汚染検査を行うというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−237463号公報(段落[0089],[0090],図17等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のシステムは、放射線管理区域の車両のタイヤの表面汚染検査のみ行うというものであり、車両の一部のみ検査するというものであった。そこで、車両の表面(特に上面、前面、後面、右側面、左側面。以下同じ)を高速に検査できる装置が求められていた。そして、このような車両表面を高速に検査できる装置では、以下のような問題の発生が想定される。
【0006】
(1)検査対象車両が多い
原子力発電所など放射性物質取扱施設の敷地外へ退出する車両全てが検査対象車両であり、検査対象車両が多いため、高速にモニタリングを行えるようにしたいという要請があった。しかしながら、このような車両のモニタリングに関する先行技術もなく、いままでにはないモニタ手法が必要となっていた。車両の表面のモニタリングでも高速かつ正確に検出できるようにしたいという要請があった。
【0007】
(2)検出精度の維持とコスト抑制との両立
車両がモニタ対象である場合、モニタリングを行う面積が広くなり、正確なモニタリングには多数の検出部を必要とするが、検出部の増大に連れてコストも増大するという問題点があった。また、特許文献1は車両のタイヤのみを測定器を使って人手によってサーベイするというものであって、検査の自動化については考慮されていないものであった。車両の表面の検査でもコストを抑制したいという要請があった。
【0008】
そこで、本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価かつ簡易な構成にて、多数の車両に対し、検出精度を犠牲にすることなく迅速に車両表面の汚染を検出する車両表面汚染モニタを提供することにある。
また、このような車両表面汚染モニタが複数敷設されて渋滞なくモニタリングを行えるようにした車両表面汚染モニタリング施設を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、検査対象の放射性物質による汚染をモニタリングする放射線モニタであって、上部、右側部及び左側部を有する移動部本体と、前記検査対象の放射性物質による汚染を検出する検出部と、を備え、前記移動部本体は、当該移動部本体内に前記検査対象が進入可能に構成され、前記検出部は、β線を検出可能であって前記検査対象の表面汚染を検出するセンサであり、前記移動部本体の内側に突き出て配置され、前記移動部本体と前記検出部とがともに前記検査対象の前後方向に移動しながらモニタリングを行う。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、安価かつ簡易な構成にて、多数の車両に対し、検出精度を犠牲にすることなく迅速に車両表面の汚染を検出する車両表面汚染モニタを提供することができる。
また、本発明によれば、このような車両表面汚染モニタが複数敷設されて渋滞なくモニタリングを行えるようにした車両表面汚染モニタリング施設を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態の車両表面汚染モニタの前面図である。
図2】本発明の実施の形態の車両表面汚染モニタの後面図である。
図3】本発明の実施の形態の車両表面汚染モニタの左側面図である。
図4】本発明の実施の形態の車両表面汚染モニタの平面図である。
図5】本発明の実施の形態の車両表面汚染モニタの回路ブロック図である。
図6】移動部の前面図である。
図7】移動部の説明図であり、図7(a)は内部側面図、図7(b)は上面検出部の説明図、図7(c)は上面検出部の検出面を示す図である。
図8】移動部の内部構成図であり、図8(a)は左右側面検出部を示す図、図8(b)は左右側面検出部の移動の説明図である。
図9】右側面検出部の説明図であり、図9(a)は検出面の説明図、図9(b)は後面図、図9(c)は外側の側面図である。
図10】前面検出部の説明図であり、図10(a)は斜視外観図、図10(b)は検出面の説明図である。
図11】後面検出部の説明図であり、図11(a)は斜視外観図、図11(b)は検出面の説明図である。
図12】車高センサによる検出の説明図であり、図12(a)は前側の車高の検出の説明図、図12(b)は後側の車高の検出の説明図である。
図13】モニタリングの説明図であり、図13(a)は初期状態を示す図、図13(b)は車両進入を示す図、図13(c)は測定開始を示す図である。
図14】モニタリングの説明図であり、図14(a)は測定中を示す平面図、図14(b)は測定中を示す側面図である。
図15】モニタリングの説明図であり、図15(a)は測定中を示す平面図、図15(b)は測定中を示す側面図、図15(c)は上側検出部による時間差検出の説明図である。
図16】モニタリングの説明図であり、図16(a)は前面・後面・側面の測定終了を示す平面図、図16(b)は上面の測定終了を示す側面図、図16(c)は車両退場の説明図である。
図17】本発明の他の実施の形態の車両表面汚染モニタの前面図である。
図18】本発明の他の実施の形態の車両表面汚染モニタの左側面図である。
図19】車種判別部による車種判定を説明する説明図である。
図20】本発明の実施の形態の車両表面汚染モニタリング施設の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
続いて、本発明の車両表面汚染モニタについて以下に説明する。この車両表面汚染モニタ1は、車両2の表面の放射線物質による汚染の有無を検査するというものである。
【0022】
この車両表面汚染モニタ1は、車両2の大きさに対応して大型、中型、普通(例えば図19参照)というように複数車種に対応できるが、本形態では普通車両用の車両表面汚染モニタ1であるものとして説明する。なお、大型用および中型用の車両表面汚染モニタについては、普通の車両表面汚染モニタ1とサイズが異なるのみで構成や機能については同じであるため、重複する説明を省略する。
【0023】
車両表面汚染モニタ1は、図1図4に示すように、移動部10、車高センサ20、前面検出部30、後面検出部40、車両誘導部50を備える。これら移動部10、車高センサ20、前面検出部30、後面検出部40は、図5でも示すように、管理装置60により制御駆動され、また、信号処理がなされる。
【0024】
続いて、各構成について説明する。
移動部10は、図6の前面図で示すように、移動部本体11、上面検出部12、右側面検出部13、左側面検出部14、駆動輪15を備える。移動体本体11には駆動輪15が設けられており、車両誘導部50の誘導溝51に駆動輪15が配置されている。駆動輪15は図示しない駆動装置により駆動されるようになされ、車両誘導部50の誘導溝51に沿って移動部本体11が車両2の前後方向に移動する。移動部本体11の移動とともに上面検出部12、右側面検出部13、左側面検出部14も車両2の前後方向に移動する。図示しない駆動装置は、管理装置60からの位置指令を受けて駆動制御を行うため、移動部本体11は車両前後方向に位置制御がなされる。
【0025】
上面検出部12は、図7(a),(b),(c)で示すように、i×j個(本形態では例示的に2×15個)の上面分割センサ121、シャフト122、駆動部123、上面距離センサ124を備える。この上面検出部12は、車両2の上面の表面汚染を測定するものであり、たとえばβ線用プラスチックシンチレーション式の検出部である上面分割センサ121をi×jのマトリクス状に配置したものである。上面分割センサ121というように分割された小型のセンサとして個々のセンサに対するバックグラウンドによる影響を低減している。上面分割センサ121は上面検出信号を管理装置60へ出力する。
【0026】
図6のA−A線断面図である図7(a)に示すように、駆動部123がシャフト122を回転駆動して上面検出部12の高さ制御を行う。上面検出部12には、図7(c)で示すように上面距離センサ124が設けられている。これら駆動部123、シャフト122、上面距離センサ124で独立した制御系である上面位置決定部を構成する。車高センサ20で車両2の高さを計測して管理装置60が駆動部123を制御して、移動部本体11の位置に対する上面検出部12の高さを予め決定しておき、さらに上面距離センサ124が車両上面から所定距離離れた位置にあるように駆動部123が制御する。車両2の上面から上面検出部12の検出面までの距離が変わると、検出部の検出効率(後述)が変わるため、車両2の高さに合わせて、車両2の上面から上面検出部12の検出面までの距離が最適となるように一定に調整する。
【0027】
右側面検出部13は、図6図7図8図9で示すように、k×l個(本形態では例示的に2×15個)の右側面分割センサ131、移動本体132、駆動輪133、右側面距離センサ134、右側面障害物センサ135を備える。この右側面検出部13は、車両2の右側面の表面汚染を測定するものであり、たとえばβ線用プラスチックシンチレーション式の検出部である右側面分割センサ131をk×lのマトリクス状に配置したものである。右側面分割センサ131というように分割された小型のセンサとして個々のセンサに対するバックグラウンドによる影響を低減している。右側面分割センサ131は右側面検出信号を管理装置60へ出力する。
【0028】
移動体本体132は、図8(a),(b)で示すように、移動体本体132が内蔵するモータが駆動する駆動輪133により、移動部本体11のレール111上を駆動される。右側面分割センサ131は、移動体本体132から吊設されており、移動体本体132の移動と共に移動する。右側面分割センサ131には、図9で示すように右側面距離センサ134が配置されており、車両表面から所定距離離れた位置にあるように距離を維持する。移動体本体132、駆動輪133、右側面距離センサ134で独立した制御系である右側面位置決定部を構成する。図8(a)では右側面分割センサ131を障害物となるサイドミラーから所定距離離れた位置とし、図8(b)では右側面分割センサ131を車両2の右側面から所定距離離れた位置としている。右側面障害物センサ135は、図9(a)で示すように、ロープセンサであって、管理装置60に接続されており、障害物(アンテナやサイドミラー)が接触して障害物の存在を検出した管理装置60は移動体本体132が内蔵するモータが駆動輪133による駆動を停止するように制御して、移動部10の移動を停止するように制御する。なお、管理装置60を介在させないで、右側面障害物センサ135が接触により障害物の存在を検出した際に移動体本体132が内蔵する制御部へ検出信号を送り、内蔵するモータによる駆動輪133の駆動を停止するように制御しても良い。
【0029】
左側面検出部14は、図6図7図8で示すように、k×l個(本形態では例示的に2×15個)の左側面分割センサ141,移動本体142、駆動輪143、左側面距離センサ、左側面障害物センサを備える。k×l個の左側面分割センサ141、左側面距離センサ、左側面障害物センサは図9の右側面分割センサ131、右側面距離センサ134、右側面障害物センサ135と対称に設けられている。
【0030】
この左側面検出部14は、車両2の左側面の表面汚染を測定するものであり、たとえばβ線用プラスチックシンチレーション式の検出部である左側面分割センサ141をk×lのマトリクス状に配置したものである。左側面分割センサ141というように分割された小型のセンサとして個々のセンサに対するバックグラウンドによる影響を低減している。左側面分割センサ141は左側面検出信号を管理装置60へ出力する。
【0031】
移動体本体142は、図8(a),(b)で示すように、移動体本体142が内蔵するモータが駆動する駆動輪143により、移動部本体11のレール111上を駆動される。左側面分割センサ141は、移動体本体142から吊設されており、移動体本体142の移動と共に移動する。左側面分割センサ141には、左側面距離センサが配置されており、車両表面から所定距離離れた位置にあるように距離を維持する。移動本体142、駆動輪143、左側面距離センサで独立した制御系である左側面位置決定部を構成する。左側面障害物センサはロープセンサであって、管理装置60に接続されており、障害物(アンテナやサイドミラー)が接触して障害物の存在を検出した管理装置60は、移動体本体142に内蔵のモータが駆動輪143による駆動を停止させ、移動部10の移動を停止するように制御する。なお、管理装置60を介在させないで、左側面障害物センサが接触により障害物の存在を検出した際に移動体本体142が内蔵する制御部へ検出信号を送り、内蔵するモータによる駆動輪143の駆動を停止するように制御しても良い。
【0032】
車高センサ20は、車両2までの距離を計測するセンサであり、例えばレーザ測距センサなどである。図3図4でも明らかなように車両誘導部50の入り口側に配置されている。図12でも示すように、車高センサ20から車両2までの距離に基づいて管理装置60が演算を行い、車両2の前後方向別の車高データを取得する。
【0033】
前面検出部30は、車両の前面を検出するものであり、図10で示すように、m×n個(本形態では例示的に2×15個)の前面分割センサ31、シャフト部32、昇降回転体33、前面距離センサ34を備える。この前面検出部30は、車両2の前面の表面汚染を測定するものであり、たとえばβ線用プラスチックシンチレーション式の検出部である前面分割センサ31をm×nのマトリクス状に配置したものである。前面分割センサ31というように分割された小型のセンサとして個々のセンサに対するバックグラウンドによる影響を低減している。前面分割センサ31は前面検出信号を管理装置60へ出力する。
【0034】
前面検出部30は、昇降回転体33が内蔵する機構系によりシャフト部32に沿って昇降可能に構成されている。シャフト部32、昇降回転体33は前面距離センサ34を昇降させる独立した制御系である前面分割センサ昇降移動部を構成する。さらに昇降回転体33はシャフト部32を回転軸としてこの前面分割センサ31を開閉できるように構成されている。前面検出部30は、図10(b)で示すように前面距離センサ34が配置されており、車両表面から所定距離離れた位置にあるように距離を維持する。シャフト部32、昇降回転体33、前面距離センサ34で独立した制御系である前面位置決定部を構成する。前面分割センサ31が開くと車両2が車両誘導部50から外へでることができる。管理装置60は、前面分割センサ31、昇降回転体33、前面距離センサ34に接続されており、これらの駆動制御および検出信号を取得して各種演算処理を行う。
【0035】
後面検出部40は、車両の後面を検出するものであり、図11で示すように、m×n個(本形態では例示的に2×15個)の後面分割センサ41、シャフト部42、昇降回転体43、前後移動体44、誘導レール45、後面距離センサ46を備える。この後面検出部40は、車両2の後面の表面汚染を測定するものであり、たとえばβ線用プラスチックシンチレーション式の検出部である後面分割センサ41をm×nのマトリクス状に配置したものである。後面分割センサ41というように分割された小型のセンサとして個々のセンサに対するバックグラウンドによる影響を低減している。後面分割センサ41は後面検出信号を管理装置60へ出力する。
【0036】
後面検出部40は、昇降回転体43が内蔵する機構系によりシャフト部42に沿って昇降可能に構成されている。シャフト部42、昇降回転体43は後面距離センサ46を昇降させる独立した制御系である後面分割センサ昇降移動部を構成する。さらに昇降回転体43はシャフト部42を回転軸としてこの後面分割センサ41を開閉できるように構成されている。シャフト部42は前後移動体44に取り付けられている。
【0037】
前後移動体44は誘導レール45上を移動するものであり、シャフト部42、昇降回転体43、後面分割センサ41とともに前後方向へ移動する。前後移動体44、誘導レール45で独立した制御系である後面検出部用移動部を構成する。後面検出部40は、図11(b)で示すように距離センサ46が配置されており、車両後面から所定距離離れた位置にあるように距離を維持する。シャフト部42、昇降回転体43、後面距離センサ46で独立した制御系である後面位置決定部を構成する。後面分割センサ41が開くと車両2が車両誘導部50内へ進入することができる。管理装置60は、後面分割センサ41、昇降回転体43、前後移動体44、後面距離センサ46に接続されており、これらの駆動制御および検出信号を取得して各種演算処理を行う。
【0038】
車両誘導部50は車両をモニタリング位置へ誘導する機能を有している。車両誘導部50には、先に説明したように移動体本体11を誘導する溝部51が形成されている。さらに、車両誘導部50には、図4で示すように、白線により誘導マーカ52が設けられており、車両2が誘導マーカ52により誘導され、停止位置で停止する。なお、誘導マーカ52も溝状にして車両2を確実に誘導停止させるようにしても良い。
【0039】
管理装置60は、これら移動部10、車高センサ20、前面検出部30、後面検出部40に接続され、各種駆動制御を行うコンピュータ装置である。この管理装置60は遠隔箇所に配置されている。管理装置60の操作パネルには、操作手順を画面と音声で説明をするカラー液晶ディスプレイとスピーカや、車両2の種類等を設定入力するキー、測定開始スイッチなどが設けられる。
【0040】
管理装置60は、操作ガイドとともに、検査結果や異常内容を表示する。また、管理装置60には報知部が接続されており、放射性物質による汚染についての警報を発する。報知部は、ブザーやスピーカなどの音声出力を行うものである。報知部は、例えば車両2の運転席付近に設けられる。管理装置60は、前面、後面、右側面、左側面、および、上面の全ての面で汚染の検出を行い、何れか一つでも放射能濃度が所定値を超えるときに報知部に対して警報を発するように制御する。運転手は基準を超える放射能濃度を車両表面から発していることを報知により認識する。なお、報知部は音声のみに限定するものではなく、例えば、周知の回転灯を用いて視覚による報知を加えても良い。
車両表面汚染モニタ1の基本構成はこのようなものである。
【0041】
続いて、各部のセンサに共通に使用されている単体の分割センサの性能について説明する。分割センサは、β線を検出する汚染モニタ用第面積プラスチックシンチレーション検出器である。分割センサは、所定時間にわたり停止した状態で検出される。感度評価式は次式のようになる。
【0042】
【数1】
【0043】
この検出限界計数率はバックグラウンド計数率に対して有意な差を出すための下限値である。この検出限界計数率が低いということはより低い放射能が測定できるということであり性能が高いことを表す。評価条件は以下のようになる。
【0044】
(1)評価面積:100cm2
(2)BG線量率:20μSv/h
(3)距離:15cm
(4)測定時間:15秒
【0045】
このうち測定時間Tsを15秒と比較的長くしており、分割センサの検出感度を低くしている。また、バックグラウンド計数率Nbを下げると、より低い検出感度(より低い放射能が測定できる)となり性能が向上する。具体的には、検出部から放射性物までの距離を15cmと短くし、また、分割センサとして車両表面を分割して検査する。これら工夫により、分割センサの検出限界計数率を改善する。上記評価条件で約10Bq/cm2 の検出限界計数率を確保している。
【0046】
続いて、車両表面汚染モニタ1の動作について図13図16を参照しつつ説明する。まず、予めバックグラウンド計数率Nbを測定する。例えば、車両表面汚染モニタ1を起動する時に必ずバックグラウンド計数率を測定するものであり、少なくとも1日1回は測定する。管理装置60は、検査対象である車両2がない状態で検出を行ってバックグラウンド計数率Nbを測定し、管理装置60がこのバックグラウンド計数率を内蔵する記憶部に記憶させる。このような初期処理を行った後にモニタを開始する。
【0047】
まず、図13(a)の(1)初期状態では、車両誘導部50には車両2が存在しない状態である。このような状況下で車両2が車両誘導部50の誘導マーカ52に沿ってモニタリング位置53へ進入してくる。この進入時に、図12(a),(b)で示すように車高センサ20の下を通過する。車高センサ20の検出信号は管理装置60へ入力される。管理装置60は車両2の前後位置データに対応する車高データを多数前後位置に関して登録する。これにより車両の前後位置別に対応した車高を得ることができるようになる。そして、図13(b)の(2)車両進入で示すように、車両誘導部50のモニタリング位置53で停車した状態となる。
【0048】
続いて、図13(c)の(3)測定開始で示すように測定が開始される。車両2の上面、右側面、左側面、前面、後面という五面のモニタリングを行う。この際、管理装置60は検出データから放射能濃度が基準を超えるか否かを判定している。基準(例えば40Bq/cm2)以下であるならば、基準を満たすと判定される。基準を超えるならば、汚染ありと判定される。そして、これ以上の検出は不要であるとして検出を終了する。これにより全検査時間(車両2が車両誘導部50の上にある時間)の短縮を図ることができる。また、上面検出部12の検出時の上下方向位置決めを適正に定めて、検査の正確度を向上させることができる。本形態では汚染なしとして検出が続くものとする。
【0049】
まず、移動時の距離制御について説明する。特に上面検出部12、右側面検出部13、左側面検出部14は移動体本体11とともに前後方向(本形態では前から後ろへ)移動しながらモニタリングを行うことになる。
上面検出部12は、登録される先端の車高に基づいて駆動部123が上面分割センサ121を先端の上面から15cm上側の位置まで下降させる。そして上面距離センサ124の検出信号を入力する駆動部123が上面分割センサ121を所定高さとなるように制御維持する。この垂直距離は、上面分割センサ121が適正感度をとりうる最適位置となるような距離である。
【0050】
また、右側面検出部13も車両との距離を所定距離となるように維持される。右側面距離センサ134が車両2と右側面との間の距離を計測して、この距離に基づいて移動体本体132が内蔵する駆動制御部が駆動輪133を駆動制御して移動体本体132を移動させ、右側面距離センサ134も車両2の右側面から検出面までの距離が15cmという一定距離となるように維持される。また、サイドミラーやアンテナなど突起箇所である障害物があるときはサイドミラーをよけつつサイドミラーから15cmという一定距離となるように維持される。仮にサイドミラーやアンテナなど突起箇所が右側面障害物センサ135に接触したらモニタリングを即時停止する。
【0051】
また、左側面検出部14も車両との距離を所定距離となるように維持される。左側面距離センサが車両2と左側面との間の距離を計測して、この計測データに基づいて移動体本体142が内蔵する駆動制御部が駆動輪143を駆動制御して移動体本体142を移動させ、左側面距離センサも車両2の左側面から検出面までの距離が15cmという一定距離となるように維持される。また、サイドミラーやアンテナなど突起箇所である障害物があるときはサイドミラーをよけつつサイドミラーから15cmという一定距離となるように維持される。仮にサイドミラーやアンテナなど突起箇所が左側面障害物センサに接触したらモニタリングを即時停止する。
【0052】
続いて、移動部10が移動を開始する。先に右側面検出部13、左側面検出部14が測定ポイントへ移動して車両2に近接し、15秒間固定位置で測定する。測定後はさらに次のポイントに移動して、繰り返し移動・測定を行っていく。この右側面検出部13、左側面検出部14の挙動は図15(a)で示すような波状の移動となる。離れた箇所から車両表面へ近づいていって最適位置(15cm)で停止してモニタリングし、計測終了後に次ぎのポイントへ離れながら移動していき、再び車両表面へ近づいていって最適位置(15cm)で停止してモニタリングし、以下同様の動作を繰り返すというものである。以下車両前側から後側までステップ移動でありかつ固定位置測定で全面を測定する。
【0053】
続いて、上面検出部12が測定ポイントに移動して車両2に近接し、15秒間固定位置で測定する。上面検出部12では図14で示すようにフロントガラスが検出され、続いて図15の(5)測定中で示すようにルーフパネルの検出が行われる。例えば、図15(c)で示すように長時間かけて車両上面の全ての面を計測している。この際、この上面検出部12の挙動は、図15で示す右側面検出部13、左側面検出部14の挙動と同様の波状の挙動となる。離れた箇所から車両上面へ近づいていって最適位置(15cm)で停止してモニタリングし、計測終了後に次ぎのポイントへ離れながら移動していき、再び車両上面へ近づいていって最適位置(15cm)で停止してモニタリングし、以下同様の動作を繰り返すというものである。以下車両前側から後側までステップ移動でありかつ固定位置測定で全面を測定する。
【0054】
さて移動部10が移動して干渉するおそれがなくなった後に、図13(c)で示すように、前面検出部30、後面検出部40が閉じられ、図14で示すような状態となる。この際、後面検出部40は前後方向に移動して最適位置で停止する。そして前面検出部30、後面検出部40の検出が開始される。前面検出部30、後面検出部40共に検出を行う。前面検出部30、後面検出部40は、図14図15でも明らかなように上側に上昇していく。車両前面や車両後面の高さは車高センサの計測により予め判別しており、必要な高さまで上昇することができる。また、前面検出部30と車両前面との距離は前面距離センサ34により最適な検出位置であり、また、後面検出部40と車両後面との距離は後面距離センサ46により最適な検出位置である。
【0055】
図16(a)の(6)前面・後面・側面測定終了で示すように、前面検出部30、後面検出部40が終了し、移動部10と干渉しないように前面検出部30、後面検出部40が開かれる。続いて右側面検出部13および左側面検出部14による検出が終了し、最後に図16(b)の(7)上面測定終了で示すように、上面検出部12による検出が終了する。これにより、車両2の上面、右側面、左側面、前面、後面という五面のモニタリングが完了する。
【0056】
そして、管理装置60は前面、後面、右側面、左側面、および、上面の全ての面で汚染を不検出の車両は汚染が無いと判断した場合に退出可能であるとして報知部を通じて通知する。この報知を受けて、図16(c)の(8)車両退場で示すように車両2は退出する。そして、図13(a)の初期状態に戻った後に図13(b)で示すように次の車両が誘導され、以下同様の汚染のモニタリングが行われていく。モニタリングはこのようなものである。
【0057】
なお、この説明では放射能汚染がない場合についての説明であるが、モニタリング途中で放射能濃度が基準を超えるならば、汚染ありと判定される。そして、これ以上の検出は不要であるとして検出を終了し、直ちに車両表面汚染モニタ1から退場となり、図13(a)の初期状態に戻って他の車両について同様のモニタリングが繰り返される。このようにすることで時間的に効率良くモニタリングを行うことができる。
【0058】
このような車両表面汚染モニタ1は、車両2の上面、右側面、左側面、前面、後面という汚染されやすい五面のモニタリングを行うため、安価な構成で汚染を検知することができる車両表面汚染モニタとした。
【0059】
このような車両表面汚染モニタ1では以下のような利点がある。
(1)全体のモニタリング時間として5分程度という高速化を実現したため多数の検査対象車両を扱うことができる。
(2)分割センサをスキャニングする方式を採用したので、センサの個数を少なくしてコスト抑制を実現した。
【0060】
(3)上面検出部、右側面検出部、左側面検出部、前面検出部、後面検出部を最適位置まで近づけるため、最適な検出効率による測定で前後左右上の五面の微弱な放射能でも検出できる。
(4)何れの検出部も分割センサとして検出面積を少なくしてバックグラウンドノイズの検出を低減し、さらに信号強度の高い検出信号のみ選択することでバックグラウンドノイズによる影響の低減を実現する。
【0061】
(5)前処理無しで、車両のままでの測定を可能とした。このため円滑な車両の良否判定に寄与する。
(6)高感度の検出部及び測定方式により短時間測定を可能とした。加えて機械制御による高速測定を可能とした。
【0062】
これら効果が相乗的に相俟って高速で検出能力を高めた車両表面汚染モニタを実現している。
【0063】
続いて本発明の他の形態について図を参照しつつ説明する。本形態の車両表面汚染モニタ1’は、図1図16を用いて説明した先の形態に加えて、さらに車両の下側であって車両誘導部50内に配置され、放射性物質からの放射線を検出して検出信号を出力する下面検出部70を追加して設けたものであり、車両の下側の放射性物質の汚染の有無を検査するようにした。なお、先の形態で説明したものは、同じ構成・機能であるものとして重複する説明を省略する。
【0064】
先の形態では、車両の下面は放射性物質が比較的付着しにくいという傾向に配慮したものであり、下面の検出部を省略したものであるが、本形態では下面側検出部70も設け、上面、下面、前面、後面、右側面、左側面の全面についてのモニタリングを行うようにして、全面を対象とする漏れのないモニタリングを行うようにしたものである。
【0065】
下面検出部70は、図17図18で示すように、o×pの下面分割センサ71、移動本体72、駆動輪73を、備える。この下面検出部70は、車両2の下面の表面汚染を測定するものであり、たとえばβ線用プラスチックシンチレーション式の検出部である分割センサをo×pのマトリクス状に配置したものである。下面分割センサ71とすることで個々のセンサのバックグラウンドによる影響を低減している。
【0066】
移動体本体72は、移動体本体72が内蔵するモータにより駆動される駆動輪73により誘導部内の溝55上を駆動される。下面分割センサ71は、移動体本体72の上面に取り付けられており、移動体本体72の移動に共に移動する。検出距離であるが車両2の下面から下面分割センサ71までの距離を最適距離(15cm)とするように設定すれば良い。さらに例えば下面から検出面までの距離を一定にするため、下面分割センサ71を昇降部により持ち上げて下面距離センサにより、車両表面から所定距離離れた位置にあるように距離を維持するようにしても良い。この場合には移動本体72、駆動輪73、下面距離センサで下面位置決定部を構成する。この状態で前後方向に移動させて検出する。このようにすることで下面の検出が可能となる。
【0067】
このような車両表面汚染モニタ1’は、車両2の上面、下面、右側面、左側面、前面、後面という全六面のモニタリングを行うため、正確に汚染を検知することができる車両表面汚染モニタとした。
【0068】
続いて、先に説明した車両表面汚染モニタ1あるいは車両表面汚染モニタ1’を用いる車両表面汚染モニタリング施設について説明する。この車両表面汚染モニタリング施設では先に説明した車両表面汚染モニタ1,1’を車両の大きさ別に複数配置する。本形態では、例えば、図20で示すように、大型用の車両表面汚染モニタ1(または1’)を2台、中型用の車両表面汚染モニタ1(または1’)を1台、普通用の車両表面汚染モニタ1(または1’)を1台、合計4台設置し、大型車両と普通車両とに分けてモニタリングを行えるようにした施設である。しかしながら、設置個数等は適宜設計により選択される事項である。
【0069】
実際の運用について説明する。車両の大きさの判別は図19図20で示すように車両判別部80を設ける。判別部80は、図19で示すように、第1車高センサ81、第2車高センサ82、車両センサ83、報知部(スピーカ)84を備え、車両センサ83が車両の存在を確認したときに管理装置60が車両判別を開始する。車両高さを判定する第1車高センサ81、第2車高センサ82により高さを検出し、高さにより車種判定を行う。例えば、第1車高センサ81、第2車高センサ82が共に検出できない車両A,Bについて管理装置60は普通と判定する。第1車高センサ81は検出できるが第2車高センサ82が検出できない車両Cについて管理装置60は中型と判定する。第1車高センサ81,第2車高センサ82が共に検出する車両Dについて管理装置60は大型と判定する。なお、図19では複数判定であるが本来は一台のみ判定を行う。そして管理装置60は報知部(スピーカ)84を介して車両のドライバに対し普通か、中型、大型のいずれであるかを報知し、いずれの車両表面汚染モニタへ行けば良いかを通知する。また、音声や回転灯などの報知部84として誘導しても良い。
【0070】
高さに応じた車両2を車両表面汚染モニタ1,1’内に移動した後に上記したようなモニタリングを行い、車両2に汚染がない場合には放射線の管理区域から非管理区域へ誘導し、一方、車両に汚染がある場合には放射線の管理区域内へ車両を移動させ除染後に再検査を行うというものである。これにより、大きさが異なる車両に対処でき、効率的にモニタリングを行うことができる。
【0071】
なお、本発明の車両表面汚染モニタリング施設では、個々の管理装置60にさらに他のパーソナルコンピュータとLANで接続した総合管理装置を設け、この総合管理装置から全ての管理装置を遠隔操作することが可能である。このような構成を採用しても良い。
【0072】
このような車両表面汚染モニタリング施設では、全ての車種を検査対象に対するモニタリングを可能とし、信頼性の向上に寄与する。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の車両表面汚染モニタは、原子力発電所など放射性物質取扱施設がある敷地から退出する車両の放射性物質による汚染(放射能汚染)の有無の検査に有用である。そしてこのような車両表面汚染モニタを設置した車両表面汚染モニタリング施設は、放射性物質取扱施設内での作業などで入出する車両を渋滞なく高速にモニタリングできるようになる。
【符号の説明】
【0074】
1,1’:車両表面汚染モニタ
2:車両

10:移動部
11:移動部本体
111:レール
12:上面検出部
121:上面分割センサ
122:シャフト
123:駆動部
124:上面距離センサ
13:右側面検出部
131:右側面分割センサ
132:移動本体
133:駆動輪
134:右側面距離センサ
135:右側面障害物センサ
136:背面部
14:左側面検出部
141:左側面分割センサ
142:移動本体
143:駆動輪
15:駆動輪
20:車高センサ
30:前面検出部
31:前面分割センサ
32:シャフト部
33:昇降回転体
34:前面距離センサ
40:後面検出部
41:後面分割センサ
42:シャフト部
43:昇降回転体
44:前後移動体
45:誘導レール
46:後面距離センサ
50:車両誘導部
51:誘導溝
52:誘導マーカ
53:モニタリング位置
54:穴部
55:誘導溝
60:管理装置
70:下面検出部
71:下面分割センサ
72:移動本体
73:駆動輪
80:車両判別部
81:第1車高センサ
82:第2車高センサ
83:車両センサ
84:報知部(スピーカ)
図1
図2
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