(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
移動している人の複数の移動位置をそれぞれ示す位置情報と、前記人が前記位置情報の前記複数の移動位置にそれぞれ位置しているときの複数の時刻を示す時刻情報と、を含む軌跡情報を取得する取得手段と、
前記軌跡情報が記憶されている記憶手段と、
前記取得手段が取得した、現在移動しているユーザの移動位置を示すユーザ位置情報と、前記ユーザが前記ユーザ位置情報の移動位置に位置しているときの時刻を示すユーザ時刻情報と、を含むユーザ軌跡情報、並びに、前記記憶手段に記憶されている前記軌跡情報に基づいた支援情報を取得する支援情報取得手段と、
前記支援情報取得手段により取得された前記支援情報を出力する出力手段と、
生体情報を取得する生体情報取得手段と、を備え、
前記記憶手段には、前記生体情報が前記軌跡情報に含まれる前記時刻情報と対応付けて記憶されており、
前記生体情報取得手段は、現在移動している前記ユーザのユーザ生体情報を前記ユーザ時刻情報と対応付けて取得し、
前記支援情報取得手段は、前記生体情報取得手段が取得した前記ユーザ生体情報と、前記記憶手段に記憶されている前記生体情報と、に基づいた他の支援情報を前記支援情報と共に取得し、
前記出力手段は、前記支援情報取得手段により取得された前記支援情報と前記他の支援情報とを出力し、
前記支援情報取得手段は、前記取得手段により取得された最新の位置情報により示される地点において、前記ユーザ生体情報及び前記生体情報に基づいて、現在の生体情報と過去の生体情報との差分を、前記他の支援情報として取得する、
ことを特徴とするトレーニング支援装置。
前記支援情報取得手段は、前記ユーザ軌跡情報及び前記軌跡情報に基づいて、前記起点から現在地点までの現在の所要時間と過去の所要時間との差分を、前記支援情報として取得することを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載のトレーニング支援装置。
移動している人の複数の移動位置をそれぞれ示す位置情報と、前記人が前記位置情報の前記複数の移動位置にそれぞれ位置しているときの複数の時刻を示す時刻情報と、を含む軌跡情報を取得手段により取得する工程と、
記憶手段により前記軌跡情報を記憶する工程と、
前記取得手段が取得した、現在移動しているユーザの移動位置を示すユーザ位置情報と、前記ユーザが前記ユーザ位置情報の移動位置に位置しているときの時刻を示すユーザ時刻情報と、を含むユーザ軌跡情報、並びに、前記記憶手段に記憶されている前記軌跡情報に基づいた支援情報を支援情報取得手段により取得する工程と、
前記支援情報取得手段により取得された前記支援情報を出力手段により出力する工程と、
生体情報を取得する工程と、を含み、
前記記憶する工程において、前記生体情報を前記軌跡情報に含まれる前記時刻情報と対応付けて記憶し、
前記生体情報を取得する工程において、現在移動している前記ユーザのユーザ生体情報を前記ユーザ時刻情報と対応付けて取得し、
前記支援情報を取得する工程において、前記生体情報を取得する工程で取得した前記ユーザ生体情報と、前記記憶する工程で記憶された前記生体情報と、に基づいた他の支援情報を前記支援情報と共に取得し、
前記出力する工程において、前記支援情報を取得する工程により取得された前記支援情報と前記他の支援情報とを出力し、
前記支援情報を取得する工程において、前記軌跡情報を取得する工程で取得した最新の位置情報により示される地点において、前記ユーザ生体情報及び前記生体情報に基づいて、現在の生体情報と過去の生体情報との差分を、前記他の支援情報として取得する、
ことを特徴とする支援情報提供方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明のトレーニング支援装置として例示するランナーズウォッチ1の電気的構成を示すブロック図である。
【0012】
このランナーズウォッチ1は、ユーザが腕に装着して使用する腕時計型のものであり、通常の時計としての機能と、GPS(Global Positioning System)を利用して一定時間毎に現在位置を取得し、それを現在時刻と共に軌跡データとして記憶することにより、ユーザに対してトレーニングの成果等を確認するための支援情報を提供する機能と、を備えている。
【0013】
図示のようにランナーズウォッチ1は、制御回路11、制御回路11に接続されたGPSモジュール12、センサブロック13、RTC(Real-Time Clock)14、LCD(Liquid Crystal Display)15、ROM(Read Only Memory)16、RAM(Random Access memory)17及び入力手段18を備えている。
【0014】
GPSモジュール12は、複数基のGPS衛星から送られている電波に重畳されているL1帯のC/Aコードを復調・解読して現在位置を演算する制御回路と、GPS衛星の捕捉に必要な衛星情報や、現在位置の演算に不可欠な測地系に関するデータ等を記憶するメモリと、現地時刻を高精度でカウントするカウンタと、等から構成される。そして、GPSモジュール12は、複数のGPS衛星(測位衛星)から送られてくる電波をGPSアンテナ12aにより受信することによって、現在位置を示す緯度・経度・高度を計測し、計測結果を制御回路11へ供給する。
【0015】
センサブロック13は、ランナーズウォッチ1における3軸方向の加速度を検出する加速度センサ、地磁気成分を検出する地磁気センサ、ユーザの脈拍を検出する脈拍センサ、各センサの検出信号を増幅するアンプ及び検出信号をデジタルの検出信号に変換するA/D変換器から構成される。
【0016】
加速度センサの検出結果は、ランナーズウォッチ1が移動したときの移動量を示す移動量情報として制御回路11に供給される。地磁気センサの検出結果は、ランナーズウォッチ1が移動している間の移動方向(具体的には方位角)を示す移動方向情報として制御回路11に供給される。脈拍センサは、発光ダイオードとフォトトランジスターとを用いた光電方式により脈拍を検出する構成であり、検出結果(脈波信号)を制御回路11に供給する。
【0017】
RTC14は現在時刻を計時するとともにカレンダ機能を有しており、現在の日付情報と時刻情報とを制御回路11に供給する。
【0018】
LCD15は、日付、現在時刻及び後述する支援情報等を含む種々の情報を表示する。
【0019】
入力手段18は、ユーザがランナーズウォッチ1の操作に使用する複数の操作スイッチから構成される。
【0020】
制御回路11は、CPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路等から構成され、ROM16に記憶されている制御プログラムに従い、RAM17を作業用のメモリ空間として使用してランナーズウォッチ1の各部を制御する。なお、ROM16は、実際には既存の記憶データの書き換え及び新たなデータの書き込みが可能な、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)である。
【0021】
そして、以上の構成からなるランナーズウォッチ1には、動作モードとして時計モードとトレーニングモードとの2種類の動作モードが設けられている。なお、動作モードの設定は、ユーザが入力手段18に設けられているモード設定スイッチを操作することにより行われる。
【0022】
時計モードは、通常の時計と同様に現在の日付及び時刻をLCD15に表示するモードである。また、トレーニングモードは、制御回路11が後述する処理を行うことにより、ユーザにトレーニングの成果等を確認するための支援情報をLCD15に表示するモードである。
【0023】
図2は、ユーザによりトレーニングモードと設定されたときの制御回路11の処理を示すフローチャートである。
【0024】
制御回路11は、例えばユーザがランニングを開始した時点において入力手段18の所定のスイッチを操作することによりトレーニング開始を指示すると処理を開始し、一定時間毎(例えば1秒毎)の、現在位置を示す緯度・経度からなる位置情報及び現在の脈拍数の取得並びに記憶を開始する(ステップS1)。
【0025】
ここで、制御回路11における位置情報の取得は、GPSモジュール12により現在位置が測位できた場合には、GPSモジュール12から取得し、GPSモジュール12により現在位置が測位できなかった場合については、センサブロック13の加速度センサから供給される移動量情報と、地磁気センサから供給される移動方向情報(方位角の情報)と、に基づいて現在位置を示す緯度・経度を演算することにより行われる。
【0026】
より具体的に述べると、制御回路11は、一定時間内に加速度センサと地磁気センサとの検出データを複数回取得し、取得した検出値データに基づいて移動方向と移動距離とを算出し、前回測位した緯度・経度により示される地点から、算出した移動方向に、算出した移動距離だけ移動した地点の緯度・経度を演算することにより行われる。
【0027】
また、制御回路11における脈拍数の取得は、センサブロック13の脈拍センサから供給される検出結果(脈波信号)に基いて、単位時間(例えば60秒)当たりの脈拍数を算出することにより行われる。
【0028】
さらに、制御回路11による緯度・経度及び脈拍数の記憶は、
図3に示したように、例えば緯度・経度及び脈拍数の各データを、ルート番号、日時及び測位時刻と共に1レコードとしてROM16の所定領域に順に記憶させる処理である。
【0029】
ここで、ルート番号は、ユーザにより新たなトレーニング開始が指示される毎に割り当てられるシリアル番号であり、日時は、トレーニング開始が指示されたときの日時であって、ユーザによりトレーニング終了が指示されるまでの間に記憶される各レコードに共通するものである。
【0030】
また、測位時刻は、GPSモジュール12により現在位置が測位されたときの時刻、又は制御回路11が現在位置の緯度・経度を演算したときの時刻であり、一定時間毎の時刻である。
【0031】
そして、ランナーズウォッチ1においては、ユーザによりトレーニング開始が指示されてから、トレーニング終了が指示されるまでの間には、一定時間毎に取得された複数レコード分のデータ、すなわち一連の位置情報(緯度・経度)及び各位置情報の取得時刻を示す時刻情報(測位時刻)を含む軌跡データが、各位置で検出されたユーザの生体情報(脈拍数)と共に走行履歴データ100としてROM16の所定領域に順に記憶される。
【0032】
また、制御回路11は、一定時間毎の位置情報及び脈拍数の取得並びに記憶を開始した後、さらにトレーニング開始が指示されてからの走行時間及び走行距離の計測を開始する(ステップS2)。制御回路11による走行距離の計測は、新たな位置情報(緯度・経度)を取得する毎に、前回取得した位置情報により示される地点と新たな位置情報により示される地点との2点間の距離を算出し、算出結果を逐次加算することにより行われる。
【0033】
その後、制御回路11は、予め決められている所定時間毎(例えば10秒毎)の経路確認タイミングが到来すると(ステップS3:YES)、ランニングを開始した今回の経路と同一と判断できる経路を示す軌跡データが、走行履歴データ100としてROM16に記憶されているか否かを確認する(ステップS4)。つまり、制御回路11は、今回の経路と同じ経路を走行した過去のトレーニング時の走行履歴データ100がROM16に記憶されているか否かを確認する。
【0034】
ここで今回の経路と同一と判断できる経路を示す軌跡データ(以下、前回の軌跡データという。)とは、走行履歴データ100として現在記憶中の一連の位置情報からなる軌跡データ(以下、記憶中の軌跡データという。)により示される移動経路と、起点から現在計測中の走行距離に対応する地点までの起点側の区間と、が同一と判断できる移動経路を示す軌跡データである。
【0035】
なお、ステップS4の処理に際して制御回路11は、記憶中の軌跡データと、走行履歴データ100としてROM16に既に記憶されている1又は複数の軌跡データとを最新のものから順に比較し、起点側の区間が所定の許容範囲内で一致している移動経路を示す軌跡データを前回の軌跡データと判断する。
【0036】
そして、例えばユーザがランナーズウォッチ1を初めてトレーニングモードで使用する場合を含め、該当する走行履歴データ100(軌跡データ)がROM16に記憶されていなければ(ステップS4:NO)、制御回路11は、現在計測されている走行時間(ラップタイム)、走行距離、脈拍数をLCD15に表示する(ステップS5)。
【0037】
以後、制御回路11は、ユーザによりトレーニング終了が指示されるまでの間(ステップS6:NO)、ステップS5の処理を繰り返すことにより、LCD15に表示中の走行時間、走行距離、脈拍数を更新し、その後、ユーザによりトレーニング終了が指示された段階で(ステップS6:YES)、トレーニングモードによる処理を終了する。
【0038】
一方、ランニングを開始した今回の経路と同一と判断できる経路を示す軌跡データが、走行履歴データ100としてROM16に記憶されている場合(ステップS4:YES)、制御回路11は以下の処理を行う。
【0039】
まず、制御回路11は、前回の軌跡データに基づいて前回のトレーニング時における現在地点までの走行時間を計算するとともに、係る前回の走行時間と現在計測されている今回の走行時間との差を計算する(ステップS7)。
【0040】
さらに、制御回路11は、前回の軌跡データと共に走行履歴データ100として記憶されている、前回のトレーニング時の現在地点での脈拍数と現在の脈拍数との差を計算する(ステップS8)。
【0041】
しかる後、制御回路11は、ステップS7及びステップS7の処理で計算した走行時間の差及び脈拍数の差、つまり同一の走行地点での前回の走行時と今回の走行時とにおける走行時間の差及び脈拍数の差とをLCD15に表示する(ステップS9)。
【0042】
以後、制御回路11は、新たな走行履歴データ100を取得して記憶する毎に、新たに取得した緯度・経度に基づいて、ユーザの現在のランニング地点が前回の軌跡データにより示される走行経路、つまり前回の走行経路から外れたか否かを判断する(ステップS10)。
【0043】
なお、ステップS10の処理に際して制御回路11は、新たに取得した緯度・経度により示される地点が、前回の軌跡データにより示される前回の走行経路において、起点からの距離が現在計測中の走行距離となる地点を中心とする所定の大きさの領域内であれば、前回の走行経路から外れていないと判断し、所定の大きさの領域外であれば、前回の走行経路から外れたと判断する。
【0044】
そして、制御回路11は、ユーザの現在のランニング地点が前回の軌跡データにより示される前回の走行経路から外れていないと判断した場合には(ステップS10:NO)、ユーザによりトレーニング終了が指示されたか否かをいったん確認し、トレーニング終了が指示されていなければ(ステップS11:NO)、前述したステップS7〜ステップS9の処理を繰り返す。これにより制御回路11は、LCD15に表示中の走行時間の差及び脈拍数の差を更新する。
【0045】
これにより、ユーザにおいては、例えば前回のトレーニングと同じ経路をランニングしているときには、LCD15に逐次表示される走行時間の差及び脈拍数の差によって、前回のランニング時から今回のランニング時までのトレーニングによる具体的な成果を確認することができる。
【0046】
一方、上記のようにLCD15に、新たな走行時間の差及び脈拍数の差を繰り返し表示している間、いずれかの時点で、新たに取得した緯度、経度により示されるユーザの現在のランニング地点が、前回の軌跡データにより示される前回の走行経路から外れた場合(ステップS10:YES)、制御回路11は以下の処理を行う。
【0047】
まず、制御回路11は、それ以前に表示していた走行時間の差及び脈拍数の差に代えて、現在計測されている走行時間(ラップタイム)、走行距離、脈拍数をLCD15に表示する(ステップS12)。
【0048】
以後、制御回路11は、新たな走行履歴データ100を取得して記憶する毎に、新たに取得した緯度・経度により示されるユーザの現在のランニング地点が、前回の軌跡データにより示される前回の走行経路に戻ったか否かを判断する(ステップS12)。
【0049】
ここで、制御回路11は、ユーザの現在のランニング地点が前回の軌跡データにより示される前回の走行経路に戻っていないと判断した場合には(ステップS13:NO)、ユーザによりトレーニング終了が指示されたか否かをいったん確認する(ステップS14)。
【0050】
そして、制御回路11は、ユーザによりトレーニング終了が指示されるまでの間(ステップS14:NO)、ステップS12の処理を繰り返すことにより、LCD15に表示中の走行時間、走行距離、脈拍数を更新し、その後、ユーザによりトレーニング終了が指示されれば(ステップS14:YES)、トレーニングモードによる処理を終了する。
【0051】
一方、LCD15に新たな走行時間、走行距離、脈拍数を繰り返し表示する間に、いずれかの時点で、新たに取得した緯度・経度により示されるユーザの現在のランニング地点が、前回の軌跡データにより示される前回の走行経路に戻ったと判断できた場合には(ステップS15)、制御回路11は以下の処理を行う。
【0052】
すなわち制御回路11は、それ以降、後述するようにLCD15に新たな走行時間の差及び脈拍数の差を表示する際の表示形態を変更する設定を行う(ステップS15)。係る表示形態の変更は、それ以降に表示する新たな走行時間の差及び脈拍数の差が、それ以前に表示した走行時間の差及び脈拍数の差とは異なる参考値に過ぎない旨をユーザに明示するための変更である。なお、変更後の具体的な表示形態としては、例えば走行時間の差及び脈拍数の差を点滅して表示する表示形態や、それらが参考値であることを示す所定のマークと共に表示する表示形態である。
【0053】
そして、制御回路11は、ステップS15の処理で表示形態を変更した後には、ステップS7の処理へ戻り前述した処理を繰り返す。すなわち制御回路11は、まず、他の経路を経由してから前回の走行経路に戻った時点の走行地点での、前回の走行時と今回の走行時とにおける走行時間の差及び脈拍数の差をそれぞれ計算する(ステップS7、ステップS8)。しかる後、制御回路11は、計算した走行時間の差及び脈拍数の差を、ユーザが前回の走行経路から外れる以前とは異なる表示形態でLCD15に表示する(ステップS9)。
【0054】
以後、制御回路11は、前述したステップS10以降の処理を繰り返す。これにより、ユーザの走行地点が再び前回の走行経路から外れなければ、新たな走行履歴データ100を取得して記憶する毎に、新たな走行時間の差及び脈拍数の差が、変更後の表示形態で繰り返しLCD15に表示される。
【0055】
なお、制御回路11は、ステップS10以降の処理を繰り返す間に、ユーザの走行地点が再び前回の走行経路から外れた後(ステップS10:YES)、更に前回の走行経路に戻った場合については(ステップS13:YES)、前述したステップS15の処理を繰り返す。
【0056】
以上説明したように本実施形態のランナーズウォッチ1によれば、トレーニングモードを使用することによって、ランニング中のユーザに、現在までのトレーニングによる成果であって、前回のランニング時から今回のランニング時までのトレーニングによる成果を具体的に確認することができる支援情報、すなわち同一地点での走行時間(ラップタイム)の差及び脈拍数の差をユーザに提供することができる。
【0057】
また、ユーザが一度は走行を開始した前回の走行経路をいったん外れた後、再び前回の走行経路に戻った後には、同一地点での走行時間の差及び脈拍数の差を、ユーザが前回の走行経路を外れる以前とは異なる表示形態でLCD15に表示し、それらが参考値であることを明示するようにした。したがって、ユーザが一度は走行を開始した前回の走行経路を外れた際には、それをユーザに知らせることができる。
【0058】
ここで、本実施形態においては、現在までのトレーニングによる成果を具体的に確認することができる支援情報として、同一地点での走行時間の差及び脈拍数の差をLCD15に表示するものについて説明した。
【0059】
しかし、本発明の実施に際しては、例えば同一地点における前回の走行時間及び今回の走行時間並びに前回の脈拍数及び前回の脈拍数を支援情報としてLCD15に表示するようにしてもよい。さらに、同一地点での走行時間の差や、同一地点での前回の走行時間及び今回の走行時間に代えて、又はそれらと共に、同一地点での走行速度の差や、同一地点での前回の走行速度及び今回の走行速度をLCD15に表示するようにしてもよい。
【0060】
また、本発明の実施に際しては、例えば同一地点での脈拍数の差や、同一地点での前回の脈拍数及び今回の脈拍数の表示を廃止することができる。さらに、脈拍センサに代えて、又は脈拍センサと共に、呼吸回数や血圧等の他の生体情報を取得するためのセンサを設け、同一地点での脈拍数の差や、同一地点での前回の脈拍数及び今回の脈拍数に代えて、又はそれらと共に、同一地点での呼吸回数や血圧の差や、同一地点での前回の呼吸回数や血圧と今回の呼吸回数や血圧をLCD15に表示するようにしてもよい。
【0061】
また、本実施形態においては、ユーザが一度は走行を開始した前回の走行経路から外れた場合には、現在計測されている走行時間、走行距離、脈拍数をLCD15に表示する構成としたが、以下のような構成としてもよい。
【0062】
例えば、ユーザが前回の走行経路から外れた後には、まず、トレーニングモードが前回使用されたとき走行履歴データ100としてROM16に記憶された軌跡データ(前回の走行経路を示す軌跡データの場合も含む。)により示される、走行距離が現在走行中の地点と同一の地点における走行時間及び脈拍数を取得する。そして、これを前回の走行時間及び前回の脈拍数として、走行距離が同一地点での走行速度の差及び同一地点での脈拍数の差を計算し、その計算結果を、参考値に過ぎない旨をユーザに明示する表示形態でLCD15に表示する構成としてもよい。
【0063】
また、以上の説明においては、主としてトレーニングの内容がランニングである場合について説明したが、これに限らず、本発明はトレーニングの内容がジョギング、ウォーキングである場合においても有効である。
【0064】
また、過去のユーザと現在のユーザとが異なっていてもよい。
【0065】
以上、本発明のいくつかの実施形態、及びその変形例について説明したが、これらは本発明の作用効果が得られる範囲内であれば適宜変更が可能であり、変更後の実施形態も特許請求の範囲に記載された発明、及びその発明と均等の発明の範囲に含まれる。
【0066】
以下に、本出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
移動している人の複数の移動位置をそれぞれ示す位置情報と、前記人が前記位置情報の前記複数の移動位置にそれぞれ位置しているときの複数の時刻を示す時刻情報と、を含む軌跡情報を取得する取得手段と、
前記軌跡情報が記憶されている記憶手段と、
前記取得手段が取得した、現在移動しているユーザの移動位置を示すユーザ位置情報と、前記ユーザが前記ユーザ位置情報の移動位置に位置しているときの時刻を示すユーザ時刻情報と、を含むユーザ軌跡情報、並びに、前記記憶手段に記憶されている前記軌跡情報に基づいた支援情報を取得する支援情報取得手段と、
前記支援情報取得手段により取得された前記支援情報を表示する表示手段と、
を備えた、
ことを特徴とするトレーニング支援装置。
[請求項2]
前記ユーザ軌跡情報と前記軌跡情報とが、起点を同一とする移動経路であるか否かを判断する判断手段を備え、
前記判断手段により、前記ユーザ軌跡情報と前記軌跡情報とが、前記起点を同一とする移動経路であると判断された後に、前記支援情報取得手段は、前記支援情報の取得を開始する、
ことを特徴とする請求項1に記載のトレーニング支援装置。
[請求項3]
前記判断手段により、前記ユーザ軌跡情報と前記軌跡情報とが、前記起点を同一とする移動経路であると判断された後に、前記位置取得手段によって、前記起点を同一とする移動経路を外れた地点を示す位置情報が取得されたか否かを確認する経路確認手段と、
前記経路確認手段により前記起点を同一とする移動経路を外れた地点を示す位置情報が取得されたと判断された後に、前記表示手段によって、前記支援情報の表示形態を変更する変更手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載のトレーニング支援装置。
[請求項4]
前記支援情報取得手段は、前記ユーザ軌跡情報及び前記軌跡情報に基づいて、前記起点から現在地点までの現在の所要時間と過去の所要時間との差分を、前記支援情報として取得することを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載のトレーニング支援装置。
[請求項5]
生体情報を取得する生体情報取得手段をさらに備え、
前記記憶手段には、前記生体情報が前記軌跡情報に含まれる前記時刻情報と対応付けて記憶されており、
前記生体情報取得手段は、現在移動している前記ユーザのユーザ生体情報を前記ユーザ時刻情報と対応付けて取得し、
前記支援情報取得手段は、前記生体情報取得手段が取得した前記ユーザ生体情報と、前記記憶手段に記憶されている前記生体情報と、に基づいた他の支援情報を前記支援情報と共に取得し、
前記表示手段は、前記支援情報取得手段により取得された前記支援情報と前記他の支援情報とを表示する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトレーニング支援装置。
[請求項6]
前記支援情報取得手段は、前記位置取得手段により取得された最新の位置情報により示される地点において、前記ユーザ生体情報及び前記生体情報に基づいて、現在の生体情報と過去の生体情報との差分を、前記他の支援情報として取得することを特徴とする請求項5に記載のトレーニング支援装置。
[請求項7]
移動している人の複数の移動位置をそれぞれ示す位置情報と、前記人が前記位置情報の前記複数の移動位置にそれぞれ位置しているときの複数の時刻を示す時刻情報と、を含む軌跡情報を取得手段により取得する工程と、
記憶手段により前記軌跡情報を記憶する工程と、
前記取得手段が取得した、現在移動しているユーザの移動位置を示すユーザ位置情報と、前記ユーザが前記ユーザ位置情報の移動位置に位置しているときの時刻を示すユーザ時刻情報と、を含むユーザ軌跡情報、並びに、前記記憶手段に記憶されている前記軌跡情報に基づいた支援情報を支援情報取得手段により取得する工程と、
前記支援情報取得手段により取得された前記支援情報を表示手段により表示する工程と、
を含む、
ことを特徴とする支援情報提供方法。
[請求項8]
コンピュータに、
移動している人の複数の移動位置をそれぞれ示す位置情報と、前記人が前記位置情報の前記複数の移動位置にそれぞれ位置しているときの複数の時刻を示す時刻情報と、を含む軌跡情報を取得する取得手段と、
前記軌跡情報が記憶されている記憶手段と、
前記取得手段が取得した、現在移動しているユーザの移動位置を示すユーザ位置情報と、前記ユーザが前記ユーザ位置情報の移動位置に位置しているときの時刻を示すユーザ時刻情報と、を含むユーザ軌跡情報、並びに、前記記憶手段に記憶されている前記軌跡情報に基づいた支援情報を取得する支援情報取得手段と、
前記支援情報取得手段により取得された前記支援情報を表示する表示手段と、
として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。