特許第6047860号(P6047860)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6047860
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】マトリクスコンバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 5/297 20060101AFI20161212BHJP
【FI】
   H02M5/297
【請求項の数】20
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2016-528731(P2016-528731)
(86)(22)【出願日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】JP2014066331
(87)【国際公開番号】WO2015194012
(87)【国際公開日】20151223
【審査請求日】2016年7月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】100104503
【弁理士】
【氏名又は名称】益田 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100191112
【弁理士】
【氏名又は名称】益田 弘之
(72)【発明者】
【氏名】森原 貴征
(72)【発明者】
【氏名】内野 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 将紘
(72)【発明者】
【氏名】永友 茂勝
(72)【発明者】
【氏名】久保 雄斗
【審査官】 栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−237138(JP,A)
【文献】 特開2011−120376(JP,A)
【文献】 特開2012−029372(JP,A)
【文献】 特開2013−115907(JP,A)
【文献】 特開2006−333590(JP,A)
【文献】 特開2013−085369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 5/297
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクスコンバータであって、
交流電源の各入力相及び負荷の各出力相と各々接続される複数の第1双方向スイッチと、
前記第1双方向スイッチが接続される前記入力相及び前記出力相と同一の前記入力相及び前記出力相に当該第1双方向スイッチと電気的に並列に接続される複数の第2双方向スイッチと、を有し、
一の前記出力相に接続される複数の前記第1双方向スイッチと複数の前記第2双方向スイッチとが第1方向に沿った一列のスイッチ列として配置され、且つ、前記一の出力相の前記スイッチ列と他の前記出力相の前記スイッチ列とが前記第1方向に垂直な第2方向に沿って並列に配置されている
ことを特徴とするマトリクスコンバータ。
【請求項2】
前記複数の第2双方向スイッチは、
前記第1双方向スイッチと同数のグループを1以上有する
ことを特徴とする請求項1に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項3】
前記複数の第1双方向スイッチは、
一つにまとまって配置され、
前記複数の第2双方向スイッチは、
前記グループごとにまとまって配置される
ことを特徴とする請求項2に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項4】
前記複数の第1双方向スイッチは、
前記出力相ごとに、前記入力相の各々に接続される前記第1双方向スイッチ同士が近接して配置され、
前記複数の第2双方向スイッチは、
各前記グループにおいて、前記出力相ごとに、前記入力相の各々に接続される前記第2双方向スイッチ同士が近接して配置される
ことを特徴とする請求項3に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項5】
接して配置された複数の前記第1双方向スイッチ又は複数の前記第2双方向スイッチに対応する複数のACコンデンサを単一のモジュールカバーに収容したコンデンサモジュールをさらに有する
ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項6】
前記コンデンサモジュールは、
前記モジュールカバーの底面から突出した複数の端子を有し、
前記近接して配置された複数の前記第1双方向スイッチ又は複数の前記第2双方向スイッチ上に前記複数の端子により自立して設置される
ことを特徴とする請求項に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項7】
前記モジュールカバーは、
前記複数のACコンデンサよりも前記底面側に、前記近接して配置された複数の前記第1双方向スイッチ又は複数の前記第2双方向スイッチに対応する複数のスナバコンデンサを収容する
ことを特徴とする請求項に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項8】
前記コンデンサモジュールは、
前記モジュールカバーの側面に配置され、前記複数のACコンデンサの結線の中性点に接続された中性点端子を有し、
前記マトリクスコンバータは、
複数の前記コンデンサモジュール間で前記中性点端子を接続した第1バスバーをさらに有する
ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項9】
前記モジュールカバーは、
樹脂製である
ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のマトリクスコンバータ
【請求項10】
前記第1双方向スイッチ及び前記第2双方向スイッチの前記入力相側に接続され、前記入力相の各々に接続された板状の導体と絶縁シートとを積層して構成された第2バスバーをさらに有する
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項11】
ゲートドライブ回路と前記複数の第1双方向スイッチの各々とを接続する第1信号配線と、
前記ゲートドライブ回路と前記複数の第2双方向スイッチの各々とを接続する第2信号配線と、をさらに有し、
同一の前記入力相及び前記出力相に対し電気的に並列に接続される前記第1双方向スイッチの前記第1信号配線と前記第2双方向スイッチの前記第2信号配線とは、長さが等しい
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項12】
同一の前記入力相及び前記出力相に接続される前記第1双方向スイッチと前記第2双方向スイッチとは、近接して配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項13】
前記第1方向に沿って配置され、前記一の出力相に接続される前記複数の第1双方向スイッチと前記複数の第2双方向スイッチとを接続した複数の第3バスバーと、
前記第2方向に沿って配置され、一の前記入力相に接続される複数の前記第1双方向スイッチと複数の前記第2双方向スイッチとを接続した複数の第4バスバーと、をさらに有し、
前記第3バスバー及び前記第4バスバーの各々は、
一端部に端子を備えた直線部と、
前記直線部に連結され、前記第1双方向スイッチと前記第2双方向スイッチとに分岐して接続された複数の分岐部と、を有する
ことを特徴とする請求項12に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項14】
前記分岐部は、
前記第1双方向スイッチと前記第2双方向スイッチとが並ぶ方向に対称な形状を有する
ことを特徴とする請求項13に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項15】
前記分岐部は、
前記直線部と別体であり、前記直線部に着脱可能に固定される
ことを特徴とする請求項13又は14に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項16】
前記第3バスバー及び前記第4バスバーの少なくとも一方は、
前記第1双方向スイッチ及び前記第2双方向スイッチに対し前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に配置されるコンデンサを載置するように構成された複数の載置部を有する
ことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項17】
前記第1双方向スイッチ及び前記第2双方向スイッチが載置されたヒートシンクと、
前記ヒートシンクのフィンを収納し、前記第1方向と平行な向きに冷媒を流すように構成された風洞部と、をさらに有する
ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のマトリクスコンバータ。
【請求項18】
マトリクスコンバータであって、
交流電源の各入力相及び負荷の各出力相と各々接続される複数の第1双方向スイッチと、
前記第1双方向スイッチが接続される前記入力相及び前記出力相と同一の前記入力相及び前記出力相に当該第1双方向スイッチと電気的に並列に接続される複数の第2双方向スイッチと、
近接して配置された複数の前記第1双方向スイッチ又は複数の前記第2双方向スイッチに対応する複数のACコンデンサを単一のモジュールカバーに収容した少なくとも1つのコンデンサモジュールと、を有し、
前記コンデンサモジュールは、
前記モジュールカバーの底面から突出した複数の端子を有し、
前記近接して配置された複数の前記第1双方向スイッチ又は複数の前記第2双方向スイッチ上に前記複数の端子により自立して設置される
ことを特徴とするマトリクスコンバータ。
【請求項19】
マトリクスコンバータであって、
交流電源の各入力相及び負荷の各出力相と各々接続される複数の第1双方向スイッチと、
前記第1双方向スイッチが接続される前記入力相及び前記出力相と同一の前記入力相及び前記出力相に当該第1双方向スイッチと電気的に並列に接続される複数の第2双方向スイッチと、
ゲートドライブ回路と前記複数の第1双方向スイッチの各々とを接続する第1信号配線と、
前記ゲートドライブ回路と前記複数の第2双方向スイッチの各々とを接続する第2信号配線と、を有し、
同一の前記入力相及び前記出力相に対し電気的に並列に接続される前記第1双方向スイッチの前記第1信号配線と前記第2双方向スイッチの前記第2信号配線とは、長さが等しい
ことを特徴とするマトリクスコンバータ。
【請求項20】
マトリクスコンバータであって、
交流電源の各入力相及び負荷の各出力相と各々接続される複数の第1双方向スイッチと、
前記第1双方向スイッチが接続される前記入力相及び前記出力相と同一の前記入力相及び前記出力相に当該第1双方向スイッチと電気的に並列に接続される複数の第2双方向スイッチと、
前記一の出力相に接続される前記複数の第1双方向スイッチと前記複数の第2双方向スイッチとを接続した複数の第3バスバーと、
一の前記入力相に接続される複数の前記第1双方向スイッチと複数の前記第2双方向スイッチとを接続した複数の第4バスバーと、を有し、
前記第3バスバー及び前記第4バスバーの各々は、
一端部に端子を備えた直線部と、
前記直線部に連結され、前記第1双方向スイッチと前記第2双方向スイッチとに分岐して接続された複数の分岐部と、を有し、
前記分岐部は、
前記第1双方向スイッチと前記第2双方向スイッチとが並ぶ方向に対称な形状を有する
ことを特徴とするマトリクスコンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、マトリクスコンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体双方向スイッチがそれぞれ設けられた複数の半導体スイッチモジュールと、半導体双方向スイッチのスイッチングにより発生するサージ電圧を抑制するための複数のコンデンサ及び複数のダイオードがそれぞれ設けられた複数のスナバモジュールと、を備えたマトリクスコンバータが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−29373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マトリクスコンバータの大容量化を図る上では、装置構成のさらなる最適化が要望される。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、大容量化することができるマトリクスコンバータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、マトリクスコンバータであって、交流電源の各入力相及び負荷の各出力相と各々接続される複数の第1双方向スイッチと、前記第1双方向スイッチが接続される前記入力相及び前記出力相と同一の前記入力相及び前記出力相に当該第1双方向スイッチと電気的に並列に接続される複数の第2双方向スイッチと、を有するマトリクスコンバータが適用される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、マトリクスコンバータを大容量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態のマトリクスコンバータの回路構成を表す回路構成図である。
図2図1中の「BLOCK1」に対応する回路上の位置の回路構成を表す回路構成図である。
図3図1中の「BLOCK4」に対応する回路上の位置の回路構成を表す回路構成図である。
図4】スイッチモジュールの配置構成の概要を表す概念図である。
図5】本体ケースを省略した状態においてマトリクスコンバータの具体的構成を表す斜視図である。
図6図5に示す状態からコンデンサモジュール及び一部のバスバーを省略した状態においてマトリクスコンバータの具体的構成を表す分解斜視図である。
図7図5に示す状態からコンデンサモジュール及び一部のバスバーを省略した状態においてマトリクスコンバータの具体的構成を表す分解斜視図である。
図8図5に示す状態から一部のバスバーを省略した状態においてマトリクスコンバータの具体的構成を表す分解斜視図である。
図9A】コンデンサモジュールの構成を表す斜視図である。
図9B】コンデンサモジュールの構成を表す斜視図である。
図9C】コンデンサモジュールの構成を表す斜視図である。
図10】コンデンサモジュールの自立状態を表す模式図である。
図11】スイッチモジュールの配置構成の別の例を表す概念図である。
図12】第2実施形態のマトリクスコンバータの回路構成を表す回路構成図である。
図13】スイッチモジュールの配置構成の概要を表す概念図である。
図14】本体ケースを省略した状態においてマトリクスコンバータの具体的構成を表す斜視図である。
図15】本体ケースを省略した状態においてマトリクスコンバータの具体的構成を表す分解斜視図である。
図16図5に示す状態からコンデンサ部、一部のバスバー、ケーブルを省略した状態においてマトリクスコンバータの具体的構成を表す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図面中に注記された「前」「後」「左」「右」「上」「下」の方向は、本明細書中の説明において「前」「後」「左」「右」「上」「下」と記述される方向にそれぞれ対応する。但し、実施形態のマトリクスコンバータの各構成の位置関係は、「前」「後」「左」「右」「上」「下」の概念に限定されるものではない。
【0010】
<第1実施形態>
まず、第1実施形態について説明する。
【0011】
(マトリクスコンバータの回路構成)
まず、図1図2、及び図3を参照しつつ、本実施形態のマトリクスコンバータの回路構成について説明する。
【0012】
図1図3に示すように、マトリクスコンバータ1は、交流電源2から入力される交流電力を任意の電圧・周波数の交流電力に直接変換して負荷4(この例では交流モータ)に出力する電力変換装置である。
【0013】
なお、マトリクスコンバータ1における交流電源2の入力相数は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、当該入力相数が3相(R相、S相、T相)である場合について説明する。つまり、交流電源2は、3相交流電源である。また、マトリクスコンバータ1における負荷4の出力相数は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、当該出力相数が3相(U相、V相、W相)である場合について説明する。つまり、負荷4は、3相交流負荷(この例では3相交流モータ)である。さらに、負荷4としては、交流モータに限定されるものではなく、マトリクスコンバータ1から入力される交流電力に基づいて作動することが可能な電子機器であれば、特に限定されるものではない。
【0014】
このマトリクスコンバータ1は、3個のACリアクトルL1,L2,L3と、複数の第1双方向スイッチQ1と、複数の第2双方向スイッチQ2と、複数のACコンデンサ部ACと、複数のスナバコンデンサSCと、ゲートドライブ回路10とを有する。
【0015】
本実施形態では、第1双方向スイッチQ1は、9個設けられ、第2双方向スイッチQ2は、第1双方向スイッチQ1と同数、つまり9個を1グループとして、1グループ設けられる。以下適宜、第1双方向スイッチQ1及び第2双方向スイッチQ2を区別なく示す場合には、単に「双方向スイッチQ」という。また、ACコンデンサ部AC及びスナバコンデンサSCは、それぞれ、双方向スイッチQと同数、つまり18個設けられる。なお、図1中では、図示の煩雑化を防止するため、双方向スイッチQ、ACコンデンサ部AC、スナバコンデンサSCの図示を省略し、これらに対応する回路上の位置を「BLOCK」として、概念的に図示している。
【0016】
ACリアクトルL1,L2,L3は、それぞれ、交流電源2のR相、S相、T相に接続される。以下適宜、ACリアクトルL1,L2,L3を区別なく示す場合には、単に「ACリアクトルL」という。これらACリアクトルL1〜L3の出力側では、それぞれ、電源線が6本に分岐する。以下適宜、ACリアクトルLの出力側で分岐した各電源線を「分岐後電源線」という。
【0017】
9個の第1双方向スイッチQ1は、それぞれ、電気的に並列でかつ逆方向に接続される2つのスイッチ部SW1,SW2(この例ではIGBT)を備える(図2中の部分拡大図参照)。なお、スイッチ部SW1,SW2としては、IGBTに限定されるものではなく、例えばMOSFETやGTO等の、ゲートドライブ回路10によりスイッチング制御(オン・オフ制御)可能な装置を含む構成であれば、特に限定されるものではない。また、各第1双方向スイッチQ1の構成は、2つのスイッチ部SW1,SW2を備える構成に限定されるものではなく、他の構成であってもよい。これら9個の第1双方向スイッチQ1は、それぞれ、ACリアクトルL1〜L3のいずれかの出力側においてR相、S相、T相のいずれかに接続されると共に、負荷4のU相、V相、W相のいずれかと接続される。すなわち、9個の第1双方向スイッチQ1は、3個を1組として、3組に区分される。そして、各組に係る3個の第1双方向スイッチQ1は、ACリアクトルL1〜L3の各々の出力側においてR相、S相、T相の各々に接続されると共に、負荷4の同一の出力相に電気的に並列に接続される。この際、各組では、第1双方向スイッチQ1の接続対象とする出力相が異なる。
【0018】
つまり、第1双方向スイッチQ1に係る3組は、それぞれ、「BLOCK1」「BLOCK2」「BLOCK3」に示す回路上の位置に配置される。図2に示すように、「BLOCK1」では、第1スイッチモジュールQM1a,QM1b,QM1cとして各々モジュール化された3個の第1双方向スイッチQ1が、R相、S相、T相の各々に接続されると共に、U相に電気的に並列に接続される。また、特に図示はしないが、「BLOCK2」では、第1スイッチモジュールQM1d,QM1e,QM1f(後述の図4参照)として各々モジュール化された3個の第1双方向スイッチQ1が、R相、S相、T相の各々に接続されると共に、V相に電気的に並列に接続される。また、特に図示はしないが、「BLOCK3」では、第1スイッチモジュールQM1g,QM1h,QM1i(後述の図4参照)として各々モジュール化された3個の第1双方向スイッチQ1が、R相、S相、T相の各々に接続されると共に、W相に電気的に並列に接続される。以下適宜、第1スイッチモジュールQM1a〜QM1iを区別なく示す場合には、単に「第1スイッチモジュールQM1」という。
【0019】
9個の第2双方向スイッチQ2は、それぞれ、上記第1双方向スイッチQ1と同様に構成される。これら9個の第2双方向スイッチQ2は、それぞれ、ACリアクトルL1〜L3のいずれかの出力側においてR相、S相、T相のいずれかに接続されると共に、負荷4のU相、V相、W相のいずれかと接続される。この際、9個の第2双方向スイッチQ2は、それぞれ、第1双方向スイッチQ1が接続される入力相と同一の入力相に対し、当該第1双方向スイッチQ1と電気的に並列に接続されると共に、第1双方向スイッチQ1が接続される出力相と同一の出力相に対し、当該第1双方向スイッチQ1と電気的に並列に接続される。すなわち、9個の第2双方向スイッチQ2は、3個を1組として、3組に区分される。そして、各組に係る3個の第2双方向スイッチQ2は、ACリアクトルL1〜L3の各々の出力側においてR相、S相、T相の各々に接続されると共に、負荷4の同一の出力相に電気的に並列に接続される。この際、各組では、第2双方向スイッチQ2の接続対象とする出力相が異なる。
【0020】
つまり、第2双方向スイッチQ2に係る3組は、それぞれ、「BLOCK4」「BLOCK5」「BLOCK6」に示す回路上の位置に配置される。図3に示すように、「BLOCK4」では、第2スイッチモジュールQM2a,QM2b,QM2cとして各々モジュール化された3個の第2双方向スイッチQ2が、R相、S相、T相の各々に接続されると共に、U相に電気的に並列に接続される。また、特に図示はしないが、「BLOCK5」では、第2スイッチモジュールQM2d,QM2e,QM2f(後述の図4参照)として各々モジュール化された3個の第2双方向スイッチQ2が、R相、S相、T相の各々に接続されると共に、V相に電気的に並列に接続される。また、特に図示はしないが、「BLOCK6」では、第2スイッチモジュールQM2g,QM2h,QM2i(後述の図4参照)として各々モジュール化された3個の第2双方向スイッチQ2が、R相、S相、T相の各々に接続されると共に、W相に電気的に並列に接続される。以下適宜、第2スイッチモジュールQM2a〜QM2iを区別なく示す場合には、単に「第2スイッチモジュールQM2」という。また、以下適宜、第1スイッチモジュールQM1及び第2スイッチモジュールQM2を区別なく示す場合には、単に「スイッチモジュールQM」という。
【0021】
18個のACコンデンサ部ACは、それぞれ、電気的に並列に接続される複数のACコンデンサ(図示せず)を備える。これら18個のACコンデンサ部ACは、3個を1組として、6組に区分される。そして、各組に係る3個のACコンデンサ部ACは、ACリアクトルL1〜L3の各々の出力側で分岐し、かつ同一の組に係る3個の双方向スイッチQの各々が接続される3本の分岐後電源線において、R相、S相、T相と結線(例えばスター結線)される。
【0022】
18個のスナバコンデンサSCは、3個を1組として、6組に区分される。そして、各組に係る3個のスナバコンデンサSCは、ACリアクトルL1〜L3の各々の出力側で分岐し、かつ同一の組に係る3個の双方向スイッチQの各々が接続される3本の分岐後電源線において、R相、S相、T相と結線される。
【0023】
つまり、ACコンデンサ部ACに係る6組及びスナバコンデンサSCに係る6組は、それぞれ、「BLOCK1」〜「BLOCK6」に示す回路上の位置に配置される。
【0024】
「BLOCK1」〜「BLOCK3」では、当該「BLOCK」に示す回路上の位置に配置される3個の第1双方向スイッチQ1の各々が接続される3本の分岐後電源線において、3個のACコンデンサ部ACがR相、S相、T相と結線されると共に、3個のスナバコンデンサSCがR相、S相、T相と結線される(図2参照)。この際、図2に示すように、「BLOCK1」における3個のACコンデンサ部AC及び3個のスナバコンデンサSCは、コンデンサモジュールCM1(後述の図5も参照)としてモジュール化される。また、特に図示はしないが、「BLOCK2」における3個のACコンデンサ部AC及び3個のスナバコンデンサSCは、コンデンサモジュールCM2(後述の図5参照)としてモジュール化される。また、特に図示はしないが、「BLOCK3」における3個のACコンデンサ部AC及び3個のスナバコンデンサSCは、コンデンサモジュールCM3(後述の図5参照)としてモジュール化される。
【0025】
「BLOCK4」〜「BLOCK6」では、当該「BLOCK」に示す回路上の位置に配置される3個の第2双方向スイッチQ2の各々が接続される3本の分岐後電源線において、3個のACコンデンサ部ACがR相、S相、T相と結線されると共に、3個のスナバコンデンサSCがR相、S相、T相と結線される(図3参照)。この際、図3に示すように、「BLOCK4」における3個のACコンデンサ部AC及び3個のスナバコンデンサSCは、コンデンサモジュールCM4(後述の図5も参照)としてモジュール化される。また、特に図示はしないが、「BLOCK5」における3個のACコンデンサ部AC及び3個のスナバコンデンサSCは、コンデンサモジュールCM5(後述の図5参照)としてモジュール化される。また、特に図示はしないが、「BLOCK6」における3個のACコンデンサ部AC及び3個のスナバコンデンサSCは、コンデンサモジュールCM6(後述の図5参照)としてモジュール化される。以下適宜、コンデンサモジュールCM1〜CM6を区別なく示す場合には、単に「コンデンサモジュールCM」という。
【0026】
ゲートドライブ回路10は、9個の第1双方向スイッチQ1(言い換えれば第1スイッチモジュールQM1a〜QM1i)の各々と、9本の第1信号配線W1(図2参照)の各々により接続されると共に、9個の第2双方向スイッチQ2(言い換えれば第2スイッチモジュールQM2a〜QM2i)の各々と、9本の第2信号配線W2(図3参照)の各々により接続される。このゲートドライブ回路10は、9個の第1双方向スイッチQ1及び9個の第2双方向スイッチQ2をスイッチング制御することで、これら18個の双方向スイッチQに対しスイッチング動作を実行させる。この際、同一の入力相及び出力相に対し電気的に並列に接続されるスイッチモジュールQM1,QM2の信号配線W1,W2は、長さが等しく構成される。
【0027】
つまり、図2及び図3に示す、R相及びU相に対し電気的に並列に接続されるスイッチモジュールQM1a,QM2aの信号配線W1,W2は、長さが等しく形成される。S相及びU相に対し電気的に並列に接続されるスイッチモジュールQM1b,QM2bの信号配線W1,W2は、長さが等しく形成される。T相及びU相に対し電気的に並列に接続されるスイッチモジュールQM1c,QM2cの信号配線W1,W2は、長さが等しく形成される。また、特に図示はしないが、R相及びV相に対し電気的に並列に接続されるスイッチモジュールQM1d,QM2dの信号配線W1,W2は、長さが等しく形成される。S相及びV相に対し電気的に並列に接続されるスイッチモジュールQM1e,QM2eの信号配線W1,W2は、長さが等しく形成される。T相及びV相に対し電気的に並列に接続されるスイッチモジュールQM1f,QM2fの信号配線W1,W2は、長さが等しく形成される。また、特に図示はしないが、R相及びW相に対し電気的に並列に接続されるスイッチモジュールQM1g,QM2gの信号配線W1,W2は、長さが等しく形成される。また、S相及びW相に対し電気的に並列に接続されるスイッチモジュールQM1h,QM2hの信号配線W1,W2は、長さが等しく形成される。また、T相及びW相に対し電気的に並列に接続されるスイッチモジュールQM1i,QM2iの信号配線W1,W2は、長さが等しく形成される。
【0028】
(スイッチモジュールの配置構成の概要)
次に、図4を参照しつつ、スイッチモジュールQMの配置構成の概要について説明する。
【0029】
図4に示すように、マトリクスコンバータ1においては、第1スイッチモジュールQM1a〜QM1iは、1つにまとまって配置される。具体的には、第1スイッチモジュールQM1a〜QM1iは、U相、V相、W相ごとに、R相、S相、T相の各々に接続される3個の第1スイッチモジュールQM1同士が近接して配置される。より具体的には、第1スイッチモジュールQM1a〜QM1iは、U相、V相、W相ごとに、R相、S相、T相の各々に接続される3個の第1スイッチモジュールQM1同士が近接してマトリクスコンバータ1の筐体110(後述の図5参照)の長さ方向である上下方向に沿って一列に配置される。
【0030】
つまり、R相、S相、T相の各々に接続されると共にU相に電気的に並列に接続される第1スイッチモジュールQM1a,QM1b,QM1cは、互いに近接して上下方向に沿って一列に配置される(後述の図6等も参照)。また、R相、S相、T相の各々に接続されると共にV相に電気的に並列に接続される第1スイッチモジュールQM1d,QM1e,QM1fは、互いに近接して上下方向に沿って一列に配置される(後述の図6等も参照)。また、R相、S相、T相の各々に接続されると共にW相に電気的に並列に接続される第1スイッチモジュールQM1g,QM1h,QM1iは、互いに近接して上下方向に沿って一列に配置される(後述の図6等も参照)。この際、U相に接続される第1スイッチモジュールQM1a,QM1b,QM1cの列と、V相に接続される第1スイッチモジュールQM1d,QM1e,QM1fの列と、W相に接続される第1スイッチモジュールQM1g,QM1h,QM1iの列とは、左右方向に沿って配置される(後述の図6等も参照)。したがって、9個の第1スイッチモジュールQM1a〜QM1iは、上下方向及び左右方向に沿って3×3のマトリクス状に配置される。
【0031】
なお、複数の第1スイッチモジュールQM1の配置は、上記のような配置に限定されるものではなく、他の配置であってもよい。
【0032】
また、第2スイッチモジュールQM2a〜QM2iは、グループごとにまとまって配置される。なお、本実施形態では、第2スイッチモジュールQM2a〜QM2iは、1グループとして設けられる。したがって、1グループに係る第2スイッチモジュールQM2a〜QM2iは、1つにまとまって配置される。具体的には、第2スイッチモジュールQM2a〜QM2iは、U相、V相、W相ごとに、R相、S相、T相の各々に接続される3個の第2スイッチモジュールQM2同士が近接して配置される。より具体的には、第2スイッチモジュールQM2a〜QM2iは、U相、V相、W相ごとに、R相、S相、T相の各々に接続される3個の第2スイッチモジュールQM2同士が近接して上下方向に沿って一列に配置される。
【0033】
つまり、R相、S相、T相の各々に接続されると共にU相に電気的に並列に接続される第2スイッチモジュールQM2a,QM2b,QM2cは、互いに近接して上下方向に沿って一列に配置される(後述の図6等も参照)。また、R相、S相、T相の各々に接続されると共にV相に電気的に並列に接続される第2スイッチモジュールQM2d,QM2e,QM2fは、互いに近接して上下方向に沿って一列に配置される(後述の図6等も参照)。また、R相、S相、T相の各々に接続されると共にW相に電気的に並列に接続される第2スイッチモジュールQM2g,QM2h,QM2iは、互いに近接して上下方向に沿って一列に配置される(後述の図6等も参照)。この際、U相に接続される第2スイッチモジュールQM2a,QM2b,QM2cの列と、V相に接続される第2スイッチモジュールQM2d,QM2e,QM2fの列と、W相に接続される第2スイッチモジュールQM2g,QM2h,QM2iの列とは、左右方向に沿って配置される(後述の図6等も参照)。したがって、9個の第2スイッチモジュールQM2a〜QM2iは、上下方向及び左右方向に沿って3×3のマトリクス状に配置される。
【0034】
なお、複数の第2スイッチモジュールQM2の配置は、上記のような配置に限定されるものではなく、他の配置であってもよい。
【0035】
そして、一の出力相に接続される3個の第1スイッチモジュールQM1と3個の第2スイッチモジュールQM2とは、上下方向に沿った一列のスイッチ列として配置される。
【0036】
つまり、U相に接続される第1スイッチモジュールQM1a,QM1b,QM1cと第2スイッチモジュールQM2a,QM2b,QM2cとは、上下方向に沿った一列のU相出力スイッチ列として配置される(後述の図6等も参照)。また、V相に接続される第1スイッチモジュールQM1d,QM1e,QM1fと第2スイッチモジュールQM2d,QM2e,QM2fとは、上下方向に沿った一列のV相出力スイッチ列として配置される(後述の図6等も参照)。また、W相に接続される第1スイッチモジュールQM1g,QM1h,QM1iと第2スイッチモジュールQM2g,QM2h,QM2iとは、上下方向に沿った一列のW相出力スイッチ列として配置される(後述の図6等も参照)。
【0037】
(マトリクスコンバータの具体的構成)
次に、図5図6図7、及び図8を参照しつつ、マトリクスコンバータ1の具体的構成について説明する。なお、図6図8中では、図示の煩雑化を防止するため、マトリックスコンバータ1の部品同士の接続線を一部省略して図示している。
【0038】
図5図8に示すように、マトリクスコンバータ1は、筐体110と、風洞部120と、本体部130と、本体部130を収納する本体ケース(図示せず)とを有する。本体部130は、上記ACリアクトルL1〜L3と、上記第1スイッチモジュールQM1a〜QM1iと、上記第2スイッチモジュールQM2a〜QM2iと、上記コンデンサモジュールCM1〜CM6と、上記ゲートドライブ回路10を備えた基板(図示せず)とを有する。なお、図5図8中では、説明の便宜上、マトリクスコンバータ1を、筐体110の長さ方向、当該長さ方向に垂直な幅方向、当該長さ方向及び幅方向に垂直な奥行き方向が、それぞれ、上下方向、左右方向、前後方向となるように、図示している。この場合、上下方向は、第1方向に相当する。
【0039】
筐体110のベース(図示せず)には、3個のヒートシンク190a,190b,190cが左右方向に沿って隣接して取り付けられる。なお、筐体110のベースに取り付けられるヒートシンクの個数は、3個に限定されるものではなく、他の個数であってもよい。例えば、もっと幅広のヒートシンクが筐体110のベースに1個又は2個取り付けられたり、もっと幅狭のヒートシンクが筐体110のベースに4個以上取り付けられてもよい。各ヒートシンク190a〜190cは、アルミニウムや銅等の熱が伝導しやすい材料で構成される。これら各ヒートシンク190a〜190cは、略板状のベース191と、ベース191に立設された複数のフィン192とを備え、フィン192が風洞部120に収納されるように、筐体110のベースに取り付けられる。
【0040】
左側のヒートシンク190aのベース191の前面には、上記第1スイッチモジュールQM1a,QM1b,QM1cが互いに近接して上下方向に沿って一列に載置されると共に、上記第2スイッチモジュールQM2a,QM2b,QM2cが互いに近接して上下方向に沿って一列に載置される。これにより、左側のヒートシンク190aのベース191の前面には、上記U相出力スイッチ列が構成される。
【0041】
中央のヒートシンク190bのベース191の前面には、上記第1スイッチモジュールQM1d,QM1e,QM1fが互いに近接して上下方向に沿って一列に載置されると共に、上記第2スイッチモジュールQM2d,QM2e,QM2fが互いに近接して上下方向に沿って一列に載置される。これにより、中央のヒートシンク190bのベース191の前面には、上記V相出力スイッチ列が構成される。
【0042】
右側のヒートシンク190cのベース191の前面には、上記第1スイッチモジュールQM1g,QM1h,QM1iが互いに近接して上下方向に沿って一列に載置されると共に、上記第2スイッチモジュールQM2g,QM2h,QM2iが互いに近接して上下方向に沿って一列に載置される。これにより、右側のヒートシンク190cのベース191の前面には、上記W相出力スイッチ列が構成される。
【0043】
風洞部120は、筐体110の内部に形成された、冷媒(例えば空気)を流すための空間であり、上記U相出力スイッチ列、V相出力スイッチ列、及びW相出力スイッチ列に沿った方向と平行な向き、つまり上下方向に冷媒を流すように構成される。すなわち、筐体110の下壁部には、(この例では3個の)開口部112が形成され、筐体110の上端部には、(この例では2個の)ファン150が取り付けられる。そして、ファン150が開口部112から吸気して筐体110の上端部で排気することで、風洞部120に、上下方向(具体的には下方から上方)に冷媒が流れる。なお、ファン150が筐体110の上端部から吸気して開口部112で排気することで、風洞部120に、上下方向(具体的には上方から下方)に冷媒が流れてもよい。また、風洞部120での冷媒の流れる向きは、上下方向に限定されるものではなく、他の向き(例えば左右方向)であってもよい。
【0044】
ACリアクトルL1〜L3は、風洞部120のヒートシンク190a〜190cよりも上側(冷媒の流れる向きの下流側)に左右方向に沿って設置される。これらACリアクトルL1,L2,L3は、それぞれ、バスバー(図示せず)により、交流電源2のR相、S相、T相に接続される。すなわち、各ACリアクトルL1〜L3は、風洞部120からその前方(本体ケースに収納される部分)に突出した2つの端子LT1,LT2を備える。ACリアクトルL1,L2,L3の各々の端子LT1には、それぞれ、交流電源2のR相に接続されるバスバーの端子、S相に接続されるバスバーの端子、及びT相に接続されるバスバーの端子が、ねじにより締結されて接続される。なお、各ACリアクトルL1〜L3は、ケーブルにより、交流電源2の各出力相に接続されてもよい。
【0045】
第1スイッチモジュールQM1a〜QM1i及び第2スイッチモジュールQM2a〜QM2iは、それぞれ、左端部に2つの端子QT11,QT12を備えると共に、右端部に2つの端子QT13,QT14を備える。
【0046】
コンデンサモジュールCM1〜CM6は、それぞれ、樹脂製のモジュールカバーMCを備える。なお、モジュールカバーMCは、必ず樹脂製である必要はなく、樹脂以外の材料で構成されたものであってもよい。各コンデンサモジュールCM1〜CM6のモジュールカバーMCには、対応する3個のスイッチモジュールQMに対応する3個のACコンデンサ部AC及び3個のスナバコンデンサSCが収容される。なお、この例では、3個のスイッチモジュールQMに対応する3個のACコンデンサAC及び3個のスナバコンデンサSCは、モジュールカバーMCにより収容されてコンデンサモジュールCMとしてモジュール化された状態で設置されるが、これに限定されるものではない。例えば、3個のACコンデンサACは、モジュールカバーにより収容されてコンデンサモジュールとしてモジュール化された状態で設置されるが、3個のスナバコンデンサSCは、当該コンデンサモジュールとは別体として設置されてもよい。
【0047】
つまり、コンデンサモジュールCM1のモジュールカバーMCには、第1スイッチモジュールQM1a,QM1b,QM1cに対応する3個のACコンデンサ部AC及び3個のスナバコンデンサSCが収容される。コンデンサモジュールCM2のモジュールカバーMCには、第1スイッチモジュールQM1d,QM1e,QM1fに対応する3個のACコンデンサ部AC及び3個のスナバコンデンサSCが収容される。コンデンサモジュールCM3のモジュールカバーMCには、第1スイッチモジュールQM1g,QM1h,QM1iに対応する3個のACコンデンサ部AC及び3個のスナバコンデンサSCが収容される。コンデンサモジュールCM4のモジュールカバーMCには、第2スイッチモジュールQM2a,QM2b,QM2cに対応する3個のACコンデンサ部AC及び3個のスナバコンデンサSCが収容される。コンデンサモジュールCM5のモジュールカバーMCには、第2スイッチモジュールQM2d,QM2e,QM2fに対応する3個のACコンデンサ部AC及び3個のスナバコンデンサSCが収容される。コンデンサモジュールCM6のモジュールカバーMCには、第2スイッチモジュールQM2g,QM2h,QM2iに対応する3個のACコンデンサ部AC及び3個のスナバコンデンサSCが収容される。
【0048】
各コンデンサモジュールCM1〜CM6のモジュールカバーMCは、対応する3個のスイッチモジュールQMに対応する長さ(当該3個のスイッチモジュールQMの列とほぼ同じ長さ)を有する。なお、各コンデンサモジュールCM1〜CM6のモジュールカバーMCは、必ず対応する3個のスイッチモジュールQMに対応する長さを有する必要はなく、当該長さよりも長くてもよいし又は短くてもよい。
【0049】
(コンデンサモジュールの構成)
以下、図9A図9B図9C、及び図10を参照しつつ、コンデンサモジュールCM1〜CM6の構成について説明する。
【0050】
図9A図9B図9C、及び図10に示すように、各コンデンサモジュールCM1〜CM6のモジュールカバーMCは、3個のACコンデンサ部ACを収容する略直方体状の第1収容部MC1と、3個のスナバコンデンサSCを収容する略直方体状の第2収容部MC2とを有する。なお、3個のACコンデンサ部AC及び3個のスナバコンデンサSCは、共通の収容部により収容されてもよい。
【0051】
第1収容部MC1は、収容する3個のACコンデンサ部ACの各々の入出力端子T1,T2,T3と、当該3個のACコンデンサ部ACの結線の中性点N(図2及び図3参照)に接続された中性点端子TNとを備える。
【0052】
各入出力端子T1,T2,T3は、モジュールカバーMCの幅方向一方側(この例では右側)において、第1収容部MC1の底面bs1から突出して設けられる。各入出力端子T1,T2,T3は、その先端部の面方向が底面bs1と平行となるように曲がって形成される。中性点端子TNは、第1収容部MC1の側面(この例では左側面ls)に配置され、その先端部の面方向が底面bs1と平行となるように形成される。
【0053】
第2収容部MC2は、モジュールカバーMCの幅方向他方側(この例では左側)で、かつ第1収容部MC1の後方に配置される。これにより、モジュールカバーMCでは、3個のACコンデンサ部ACよりも第2収容部MC2の底面bs2側(この例では後側)に3個のスナバコンデンサSCが収容される。この第2収容部MC2は、収容する3個のスナバコンデンサSCの各々の入出力端子を備える。
【0054】
つまり、第2収容部MC2は、モジュールカバーMCの幅方向に垂直な奥行き方向一方側(この例では上側)のスナバコンデンサSCの入出力端子T4a,T4b,T4c,T4dと、モジュールカバーMCの奥行き方向他方側(この例では下側)のスナバコンデンサSCの入出力端子T5a,T5b,T5c,T5dと、中央のスナバコンデンサSCの入出力端子T6a,T6bとを備える。
【0055】
各入出力端子T4a,T4b,T5a,T5b,T6a,T6bは、モジュールカバーMCの左側において、底面bs2から突出して設けられる。各入出力端子T4c,T4dは、モジュールカバーMCの上側において、底面bs2から突出して設けられる。各入出力端子T5c,T5dは、モジュールカバーMCの下側において、底面bs2から突出して設けられる。各入出力端子T4a,T4b,T4c,T4d,T5a,T5b,T5c,T5d,T6a,T6bは、その先端部の面方向が底面bs2と平行となるように曲がって形成される。
【0056】
この際、各入出力端子T1,T2,T3,T4a,T4b,T5a,T5b,T6a,T6bの先端部の、モジュールカバーMCの幅方向及び奥行き方向に垂直な深さ方向(この例では前後方向)位置は、他の各入出力端子T4c,T4d,T5c,T5dの先端部の前後方向位置よりも後側に位置する。そして、入出力端子T1,T2,T3,T4a,T4b,T5a,T5b,T6a,T6bの各々の先端部の前後方向位置は、互いに一致する。なお、入出力端子T1,T2,T3,T4a,T4b,T5a,T5b,T6a,T6bの各々の先端部の前後方向位置は、必ず互いに一致する必要はない。
【0057】
このような構成の各コンデンサモジュールCM1〜CM6は、その左右両側に配置された入出力端子T1,T2,T3,T4a,T4b,T5a,T5b,T6a,T6bにより、対応する3個のスイッチコンデンサQM上に自立(底面bs1,bs2が接地しないように立つことが可能)可能である(図10参照)。つまり、モジュールカバーMCの左右両側に配置された入出力端子T1,T2,T3,T4a,T4b,T5a,T5b,T6a,T6bにより、複数の端子が構成される。
【0058】
なお、入出力端子T4c,T4d,T5c,T5dの各々の先端部の前後方向位置を、入出力端子T1,T2,T3,T4a,T4b,T5a,T5b,T6a,T6bの各々の先端部の前後方向位置と、互いに一致させてもよい。この場合、各コンデンサモジュールCM1〜CM6を、これら入出力端子T1,T2,T3,T4a,T4b,T5a,T5b,T6a,T6bと入出力端子T4c,T4d,T5c,T5dとにより、対応する3個のスイッチコンデンサQM上に自立可能である。このようにする場合、モジュールカバーMCの、左右両側に配置された入出力端子T1,T2,T3,T4a,T4b,T5a,T5b,T6a,T6bと、上下両側に配置された入出力端子T4c,T4d,T5c,T5dとにより、複数の端子が構成される。また、各コンデンサモジュールCM1〜CM6は、必ず、モジュールカバーMCの底面から突出した複数の端子により、対応する3個のスイッチコンデンサQM上に自立可能である必要はなく、固定部材(板金等)により支持されることで設置可能であってもよい。
【0059】
(各バスバーの構成)
図5図8に示すように、ACリアクトルL1,L2,L3と、対応するスイッチモジュールQMとは、ラミネートバスバー11と、3個のラミネートバスバー12により接続される。なお、ラミネートバスバー11及びラミネートバスバー12は、第2バスバーに相当する。また、ACリアクトルL1,L2,L3と、対応するスイッチモジュールQMとは、他の構成のバスバーやケーブルにより接続されてもよい。
【0060】
ラミネートバスバー11は、その厚み方向一方側(この例では後側)から他方側(この例では前側)に向けて、平板状の第1のバスバー11A、第1の絶縁シート(図示せず)、平板状の第2のバスバー11B、第2の絶縁シート(図示せず)、及び平板状の第3のバスバー11Cをこの順序で積層して構成される。なお、第1のバスバー11A、第2のバスバー11B、及び第3のバスバー11Cは、導体に相当する。上記第1の絶縁シートにより、第1のバスバー11Aと第2のバスバー11Bとの短絡を抑制することが可能であり、上記第2の絶縁シートにより、第2のバスバー11Bと第3のバスバー11Cとの短絡を抑制することが可能である。
【0061】
第1のバスバー11Aは、左右方向に延びる第1平板部の左端部に端子11A1を備えると共に、当該第1平板部の左端部、中間部、右端部の各々から下方に延びる3個の第2平板部の各々の先端部に3個の端子(図示せず。以下適宜「第1の端子」という。)を備える。第2のバスバー11Bは、左右方向に延びる第1平板部の左端部に端子11B1を備えると共に、当該第1平板部の左端部、中間部、右端部の各々から下方に延びる3個の第2平板部の各々の先端部に3個の端子(図示せず。以下適宜「第2の端子」という。)を備える。第3のバスバー11Cは、左右方向に延びる第1平板部の左端部に端子11C1を備えると共に、当該第1平板部の左端部、中間部、右端部の各々から下方に延びる3個の第2平板部の各々の先端部に3個の端子(図示せず。以下適宜「第3の端子」という。)を備える。
【0062】
端子11A1,11B1,11C1は、ラミネートバスバー11のほぼ同一の上下方向位置において、左方から右方に向けてこの順序で配置される。バスバー11A,11B,11Cの各々の左端側の第1の端子、第2の端子、第3の端子は、ラミネートバスバー11のほぼ同一の左右方向位置において、上方から下方に向けてこの順序で配置される。バスバー11A,11B,11Cの各々の中央及び右端側の第1の端子、第2の端子、第3の端子についても同様である。
【0063】
各ラミネートバスバー12は、その厚み方向一方側(この例では左側)から他方側(この例では右側)に向けて、平板状の第1のバスバー12A、第1の絶縁シート12D、平板状の第2のバスバー12B、第2の絶縁シート12E、及び平板状の第3のバスバー12Cをこの順序で積層して構成される。なお、第1のバスバー12A、第2のバスバー12B、及び第3のバスバー12Cは、導体に相当する。絶縁シート12Dにより、第1のバスバー12Aと第2のバスバー12Bとの短絡を抑制することが可能であり、第2の絶縁シート12Eにより、第2のバスバー12Bと第3のバスバー12Cとの短絡を抑制することが可能である。
【0064】
第1のバスバー12Aは、上端側に、前方に突出した端子12A1と、後方に突出した端子12A2とを備えると共に、下端側に、後方に突出した端子12A3を備える。各端子12A1,12A2,12A3は、その先端部の面方向がラミネートバスバー12の厚み方向と平行となるように曲がって形成される。第2のバスバー12Bは、上端側に、前方に突出した端子12B1と、後方に突出した端子12B2とを備えると共に、下端側に、後方に突出した端子12B3を備える。各端子12B1,12B2,12B3は、その先端部の面方向がラミネートバスバー12の厚み方向と平行となるように曲がって形成される。第3のバスバー12Cは、上端側に、前方に突出した端子12C1と、後方に突出した端子12C2とを備えると共に、下端側に、後方に突出した端子12C3を備える。各端子12C1,12C2,12C3は、その先端部の面方向がラミネートバスバー12の厚み方向と平行となるように曲がって形成される。
【0065】
端子12A1,12B1,12C1は、ラミネートバスバー12のほぼ同一の左右方向位置において、上方から下方に向けてこの順序で配置される。端子12A2,12B2,12C2,12A3,12B3,12C3は、ラミネートバスバー12のほぼ同一の左右方向位置において、上方から下方に向けてこの順序で配置される。
【0066】
また、負荷4のU相、V相、W相と、対応するスイッチモジュールQMとは、3個のバスバー13と、バスバー14とにより接続される。なお、負荷4のU相、V相、W相と、対応するスイッチモジュールQMとは、他の構成のバスバーやケーブルにより接続されてもよい。
【0067】
各バスバー13は、その長さ方向一端部(この例では上端部)から他端部(この例では下端部)に亘る6箇所に、後方に突出した端子131,132,133,134,135,136を備えると共に、下端部に、前方に突出した端子137を備える。各端子131〜137は、その先端部の面方向がバスバー13の厚み方向(この例では左右方向)と平行となるように曲がって形成される。
【0068】
(マトリクスコンバータの各構成の接続関係)
スイッチモジュールQM1a,QM1b,QM1c,QM2a,QM2b,QM2cの各々の端子QT13には、それぞれ、ラミネートバスバー12の端子12A2,12B2,12C2,12A3,12B3,12D3が接続される。また、第1スイッチモジュールQM1a,QM1b,QM1cの各々の端子QT13には、それぞれ、コンデンサモジュールCM1の入出力端子T1,T2,T3(図9B等参照)も接続され、上記ラミネートバスバー12の端子12A2,12B2,12C2と共に、ねじにより締結されて固定される。また、第2スイッチモジュールQM2a,QM2b,QM2cの各々の端子QT13には、それぞれ、コンデンサモジュールCM4の入出力端子T1,T2,T3(図9B等参照)も接続され、上記ラミネートバスバー12の端子12A3,12B3,12D3と共に、ねじにより締結されて固定される。また、スイッチモジュールQM1d,QM1e,QM1f,QM2d,QM2e,QM2fの各々の端子QT13についても同様に、ラミネートバスバー12とコンデンサモジュールCM2,CM5とが接続される。さらに、スイッチモジュールQM1g,QM1h,QM1i,QM2g,QM2h,QM2iの各々の端子QT13についても同様に、ラミネートバスバー12とコンデンサモジュールCM3,CM6とが接続される。
【0069】
そして、スイッチモジュールQM1a,QM1b,QM1c,QM2a,QM2b,QM2cに接続されるラミネートバスバー12の端子12A1,12B1,12C1には、それぞれ、ラミネートバスバー11の左端側の第1の端子、第2の端子、第3の端子が、ねじにより締結されて接続される。スイッチモジュールQM1d,QM1e,QM1f,QM2d,QM2e,QM2fに接続されるラミネートバスバー12の端子12A1,12B1,12C1には、それぞれ、ラミネートバスバー11の中央の第1の端子、第2の端子、第3の端子が、ねじにより締結されて接続される。スイッチモジュールQM1g,QM1h,QM1i,QM2g,QM2h,QM2iに接続されるラミネートバスバー12の端子12A1,12B1,12C1には、それぞれ、ラミネートバスバー11の右端側の第1の端子、第2の端子、第3の端子が、ねじにより締結されて接続される。
【0070】
そして、ラミネートバスバー11の端子11A1,11B1,11C1には、それぞれ、バスバー17を介して、ACリアクトルL1,L2,L3の各々の端子LT2が接続される。
【0071】
また、第1スイッチモジュールQM1a,QM1b,QM1cの各々の端子QT11,QT12には、それぞれ、コンデンサモジュールCM1の入出力端子4a,4b、入出力端子6a,6b、入出力端子5a,5bが、ねじにより締結されて接続される。また、第1スイッチモジュールQM1d,QM1e,QM1fの各々の端子QT11,QT12についても同様に、コンデンサモジュールCM2が接続される。さらに、第1スイッチモジュールQM1g,QM1h,QM1iの各々の端子QT11,QT12についても同様に、コンデンサモジュールCM3が接続される。第2スイッチモジュールQM2a,QM2b,QM2cの各々の端子QT11,QT12には、それぞれ、コンデンサモジュールCM4の入出力端子4a,4b、入出力端子6a,6b、入出力端子5a,5bが、ねじにより締結されて接続される。また、第2スイッチモジュールQM2d,QM2e,QM2fの各々の端子QT11,QT12についても同様に、コンデンサモジュールCM5が接続される。さらに、第2スイッチモジュールQM2g,QM2h,QM2iの各々の端子QT11,QT12についても同様に、コンデンサモジュールCM6が接続される。
【0072】
つまり、各コンデンサモジュールCM1〜CM6は、入出力端子T1〜T3が3個のスイッチモジュールQMの端子QT13に接続されると共に、入出力端子4a,4b,6a,6b,5a,5bが3個のスイッチモジュールQMの端子QT11,QT12に接続されることで、当該3個のスイッチモジュールQM上に自立して設置される。
【0073】
また、コンデンサモジュールCM1〜CM3の各々の端子T5c,T5dと、コンデンサモジュールCM4〜CM6の各々の端子T4c,T4d(図9B等参照)とが、ねじにより締結されて接続される。この際、コンデンサモジュールCM1〜CM6間では、それらの中性点端子TNがバスバー15(第1バスバーに相当)により接続される。
【0074】
バスバー15は、左右方向に延びる直線部15Aと、直線部15Aの左端部に連結された上下方向に延びる直線部15Bと、直線部15Aの略中央部に連結された上下方向に延びる直線部15Cと、直線部15Aの右端部に連結された上下方向に延びる直線部15Dとを備える。直線部15Bの両端部には、端子15B1,15B2が設けられ、直線部15Cの両端部には、端子15C1,15C2が設けられ、直線部15Dの両端部には、端子15D1,15D2が設けられる。
【0075】
そして、コンデンサモジュールCM1,CM2,CM3,CM4,CM5,CM6の各々の中性点端子TNに、それぞれ、バスバー15の端子15B1,15C1,15D1,15B2,15C2,15D2が、ねじにより締結されて接続される。
【0076】
また、コンデンサモジュールCM1〜CM3の各々の端子T4c,T4d(図9B等参照)には、放電回路(図示せず)に接続されるバスバー16の適宜の位置に設けられた各々の端子161,162が、ねじにより締結されて接続される。これにより、各コンデンサモジュールCM1〜CM6のスナバコンデンサSCと放電回路とが接続される。
【0077】
また、スイッチモジュールQM1a,QM1b,QM1c,QM2a,QM2b,QM2cの各々の端子QT14には、それぞれ、バスバー13の端子131,132,133,134,135,136が、ねじにより締結されて接続される。また、スイッチモジュールQM1d,QM1e,QM1f,QM2d,QM2e,QM2fの各々の端子QT14についても同様に、バスバー13が接続される。さらに、スイッチモジュールQM1g,QM1h,QM1i,QM2g,QM2h,QM2iの各々の端子QT13についても同様に、バスバー13が接続される。
【0078】
そして、スイッチモジュールQM1a,QM1b,QM1c,QM2a,QM2b,QM2cに接続されるバスバー13の端子137には、バスバー14の端子141が、ねじにより締結されて接続される。スイッチモジュールQM1d,QM1e,QM1f,QM2d,QM2e,QM2fに接続されるバスバー13の端子137には、バスバー14の端子142が、ねじにより締結されて接続される。スイッチモジュールQM1g,QM1h,QM1i,QM2g,QM2h,QM2iに接続されるバスバー13の端子143には、バスバー14の端子142が、ねじにより締結されて接続される。
【0079】
そして、バスバー14の端子144,145,146には、それぞれ、適宜の接続部材(バスバーやケーブル等)を介して、負荷4のU相、V相、W相が接続される。
【0080】
(本実施形態による効果)
以上説明したように、本実施形態のマトリクスコンバータ1は、交流電源2の各入力相及び負荷4の各出力相と各々接続される複数の第1双方向スイッチQ1と、第1双方向スイッチQ1が接続される入力相及び出力相と同一の入力相及び出力相に当該第1双方向スイッチQ1と電気的に並列に接続される複数の第2双方向スイッチQ2とを有する。このマトリクスコンバータ1は、第1双方向スイッチQ1及び第2双方向スイッチQ2をスイッチングすることにより、交流電源2の交流電力を任意の電圧・周波数の交流電力に変換し、負荷4に出力する。
【0081】
ここで、個々の双方向スイッチQには、対応可能な定格電流が定められている。双方向スイッチQの定格電流を超えてマトリクスコンバータ1の定格電流を増大することはできないので、マトリクスコンバータ1の大容量化が制限されることになる。
【0082】
本実施形態では、交流電源2の各入力相及び負荷4の各出力相に対し、複数の双方向スイッチQが並列に接続される。これにより、個々の双方向スイッチQに流れる電流を減少させることができる(例えば2個並列の場合、片方の双方向スイッチQに流れる電流を半減できる)ので、双方向スイッチQの電流を定格電流内に抑えつつ、マトリクスコンバータ1の定格電流を大幅に増大することができる。したがって、大容量のマトリクスコンバータ1を実現することができる。
【0083】
また、本実施形態では特に、第2双方向スイッチQ2は、第1双方向スイッチQ1と同数のグループを1以上(本実施形態では1つ)有する。これにより、第2双方向スイッチQ2のグループを増やすことにより、マトリクスコンバータ1の容量を増やすことができるので、大容量化が容易となる。
【0084】
また、本実施形態では特に、複数の第1双方向スイッチQ1は、一つにまとまって配置され、複数の第2双方向スイッチQ2は、グループごとにまとまって配置される。これにより、マトリクスコンバータ1の容量を増やす際には、第2双方向スイッチQ2のグループを増やしていけばよいこととなり、既設のスイッチの配置構成を変更する必要がない。したがって、大容量化が容易となる。
【0085】
また、本実施形態では特に、次のような効果を得ることができる。すなわち、マトリクスコンバータ1においては、各入力相に接続された双方向スイッチQ間でACコンデンサを介して電流が流れる。つまり、本実施形態のように、交流電源2の入力相が3相(R相、S相、T相)である場合、R相とS相、S相とT相、R相とT相の双方向スイッチQ間で電流が流れる。このとき、各双方向スイッチQ間の配線インダクタンスが大きいとサージ電圧も増大するので、大容量化が難しくなる。本実施形態では、各入力相に接続された双方向スイッチQ同士が近接して配置されるので、各双方向スイッチQ間の配線インダクタンスを低減できる。これにより、サージ電圧の増大を抑制しつつ電流を増大できるので、マトリクスコンバータ1の大容量化が容易となる。
【0086】
また、本実施形態では特に、一の出力相に接続される複数の第1双方向スイッチQ1と複数の第2双方向スイッチQ2とが、上下方向に沿った一列のスイッチ列として配置される。これにより、マトリクスコンバータ1の幅方向の寸法を低減することが可能となる。
【0087】
また、本実施形態では特に、風胴部120が、上下方向に冷媒を流すように構成される。これにより、風胴部120では、一の入力相(R相又はS相又はT相)に接続される複数の第1双方向スイッチQ1及び複数の第2双方向スイッチQ2が並ぶ方向である左右方向に対しては、垂直な方向に冷媒が流れることになる。その結果、各双方向スイッチQの熱が冷媒の流れる向きに対してヒートシンク190a〜190cにより均一に伝わるので、冷却効率を向上することができる。
【0088】
また、本実施形態では特に、次のような効果を得ることができる。すなわち、上述のように、マトリクスコンバータ1においては、各入力相に接続された双方向スイッチQ間でACコンデンサを介して電流が流れる。このとき、各ACコンデンサ間の配線インダクタンスが大きいとサージ電圧も増大するので、大容量化が難しくなる。本実施形態では、各入力相に接続された双方向スイッチQに対応する複数のACコンデンサを単一のモジュールカバーMCに収容するので、それらのACコンデンサ同士を近接して配置できる。これにより、各ACコンデンサ間の配線インダクタンスを低減できるので、サージ電圧の増大を抑制しつつ電流を増大できるので、マトリクスコンバータ1の大容量化が容易となる。また、1組の入力相(R相、S相、T相)単位でACコンデンサをモジュール化することにより、マトリクスコンバータ1の容量を増やす際には、増加した第2双方向スイッチQ2のグループに対し各出力相(U相、V相、W相)ごとにコンデンサモジュールCMを追加すればよい。したがって、大容量化がより一層容易となる。
【0089】
また、本実施形態では特に、コンデンサモジュールCMが、近接して配置された複数の双方向スイッチQ上に、モジュールカバーMCの底面bs1,bs2から突出した端子T1,T2,T3,T4a,T4b,T5a,T5b,T6a,T6bにより自立して設置される。これにより、双方向スイッチQとACコンデンサとを近接して配置できるので、この間の配線インダクタンスを低減できる。これにより、サージ電圧の増大を抑制しつつ電流を増大できるので、マトリクスコンバータ1の大容量化が容易となる。また、コンデンサモジュールCMを固定するための固定部材が不要となるので、部品点数やコストの低減が可能となる。また、固定部材と各部品との絶縁距離を確保する必要もなくなるので、小型化も可能となる。
【0090】
また、本実施形態では特に、モジュールカバーMCは、複数のACコンデンサよりも後側に、近接して配置された複数の双方向スイッチQに対応する複数のスナバコンデンサSCを収容する。これにより、マトリクスコンバータ1の容量を増やす際には、増加した第2双方向スイッチQ2のグループに対し各出力相(U相、V相、W相)ごとにコンデンサモジュールCMを追加することで、ACコンデンサ及びスナバコンデンサSCを容易に追加することができる。したがって、大容量化がより一層容易となる。また、スナバコンデンサSCをACコンデンサよりも双方向スイッチQにより近接して配置することができるので、サージ電圧の抑制効果を高めることができる。
【0091】
また、本実施形態では特に、次のような効果を得ることができる。すなわち、バスバー等の配線構成の相違等により、同じ出力相における各コンデンサモジュールCM間に電位差が生じる場合がある。本実施形態では、コンデンサモジュールCM1〜CM6間で中性点端子TNを接続したバスバー15に電流が流れることにより上記電位差を低減できるので、マトリクスコンバータ1の動作の安定性、信頼性を向上できる。
【0092】
また、本実施形態では特に、モジュールカバーMCが樹脂製である。これにより、コンデンサモジュールCMと他の部品との絶縁距離を短縮できる。その結果、コンデンサモジュールCMの近傍にバスバーを配置することが可能となる等、部品の配置の自由度を高めることができる。
【0093】
また、本実施形態では特に、次のような効果を得ることができる。すなわち、前述のように、マトリクスコンバータ1においては、R相とS相、S相とT相、R相とT相の双方向スイッチQ間で電流が流れる。本実施形態では、上記電流の経路に含まれるラミネートバスバー11,12を、入力相の各々に接続された板状のバスバー12A,12B,12Cを積層した構成とする。これにより、上記電流が流れた際に積層された2つのバスバーで生じる磁界の向きが互いに反対となり打ち消しあうので、配線インダクタンスの低減効果を高めることができる。したがって、マトリクスコンバータ1の大容量化をより一層容易とすることができる。
【0094】
また、本実施形態では特に、同一の入力相及び出力相に対し電気的に並列に接続される、第1双方向スイッチQ1の第1信号配線W1の長さと、第2双方向スイッチQ2の第2信号配線W2の長さとが、等しい。これにより、同一の入力相及び出力相に対し電気的に並列に接続される第1双方向スイッチQ1と第2双方向スイッチQ2とを高精度に同期してスイッチング動作させることができるので、マトリクスコンバータ1の動作の安定性、信頼性を向上できる。
【0095】
また、本実施形態では特に、複数の端子T1,T2,T3,T4a,T4b,T5a,T5b,T6a,T6bが、モジュールカバーMCを左右両側で支持するので、コンデンサモジュールCMを安定して自立させ、設置強度を高めることができる。
【0096】
また、本実施形態では特に、コンデンサモジュールCMが、モジュールカバーMCの右側に配置されたACコンデンサ部ACの入出力端子T1,T2,T3と、モジュールカバーMCの左側に配置されたスナバコンデンサSCの入出力端子T4a,T4b,T5a,T5b,T6a,T6bとを有する。これにより、右側にACコンデンサの入出力端子である端子QT13,QT14を、左側にスナバコンデンサSCの入出力端子である端子QT11,QT12を備えた双方向スイッチQ上に、複数の端子T1,T2,T3,T4a,T4b,T5a,T5b,T6a,T6bを支持部材としつつコンデンサモジュールCMを自立して設置することができる。
【0097】
また、本実施形態では特に、コンデンサモジュールCMが、モジュールカバーCMの上下両側に配置されたスナバコンデンサSCの入出力端子T4c,T4d,T5c,T5dを有する。これにより、これら入出力端子T4c,T4d,T5c,T5dを、各コンデンサモジュールCM間でスナバコンデンサSC同士を接続する端子や、スナバコンデンサSCと放電回路とを接続する端子として使用することができる。また、モジュールカバーMCの四方に端子が配置されるので、本実施形態において、入出力端子T4c,T4d,T5c,T5dをコンデンサモジュールCMの自立用に使用可能に構成した場合には、コンデンサモジュールCMの自立安定性及び設置強度をさらに高めることができる。
【0098】
また、本実施形態では特に、モジュールカバーMCが、一列に配置された複数の双方向スイッチQに対応する長さを有する。これにより、ACコンデンサやスナバコンデンサSCを対応する双方向スイッチQの直上に設置することが可能となるので、双方向スイッチQとACコンデンサ又はスナバコンデンサSC間の配線インダクタンスをより一層低減できる。また、コンデンサモジュールCMと双方向スイッチQとの対応関係が視認し易くなる。
【0099】
<変形例等>
なお、第1実施形態は、上記内容に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。上記実施形態では、第2スイッチモジュールQM2(第2双方向スイッチQ2)が、第1スイッチモジュールQM1(第1双方向スイッチQ1)と同数である9個を1グループとして、1グループ設けられていた。しかし、第2スイッチモジュールQ2のグループ数は、1に限定されるものではなく、2以上であってもよい。
【0100】
例えば、図11に示す例では、第2スイッチモジュールQM2が、9個を1グループとして、3グループ設けられる。すなわち、本変形例は、第2スイッチモジュールQM2のグループを上記実施形態から2グループ増やしたものに対応する。つまり、本変形例では、第2スイッチモジュールQM2a〜QM2iのグループと、第2スイッチモジュールQM2a′〜QM2i′のグループと、第2スイッチモジュールQM2a″〜QM2i″のグループとが設けられる。
【0101】
この際、第2スイッチモジュールQM2a〜QM2i,QM2a′〜QM2i′,QM2a″〜QM2i″は、グループごとにまとまって配置される。具体的には、第2スイッチモジュールQM2a〜QM2i,QM2a′〜QM2i′,QM2a″〜QM2i″は、各グループにおいて、U相、V相、W相ごとに、R相、S相、T相の各々に接続される3個の第2スイッチモジュールQM2同士が近接して配置される。より具体的には、第2スイッチモジュールQM2a〜QM2i,QM2a′〜QM2i′,QM2a″〜QM2i″は、各グループにおいて、U相、V相、W相ごとに、R相、S相、T相の各々に接続される3個の第2スイッチモジュールQM2同士が近接して上下方向に沿って一列に配置される。
【0102】
そして、一の出力相に接続される、3個の第1スイッチモジュールQM1と、各グループにおける3個の第2スイッチモジュールQM2とは、上下方向に沿った一列のスイッチ列として配置される。つまり、U相に接続される、第1スイッチモジュールQM1a,QM1b,QM1cと、1グループにおける第2スイッチモジュールQM2a,QM2b,QM2cと、別の1グループにおける第2スイッチモジュールQM2a′,QM2b′,QM2c′と、さらに別の1グループにおける第2スイッチモジュールQM2a″,QM2b″,QM2c″とは、上下方向に沿った一列のU相出力スイッチ列として配置される。また、V相に接続される、第1スイッチモジュールQM1d,QM1e,QM1fと、1グループにおける第2スイッチモジュールQM2d,QM2e,QM2fと、別の1グループにおける第2スイッチモジュールQM2d′,QM2e′,QM2f′と、さらに別のグループにおける第2スイッチモジュールQM2d″,QM2e″,QM2f″とは、上下方向に沿った一列のV相出力スイッチ列として配置される。また、W相に接続される、第1スイッチモジュールQM1g,QM1h,QM1iと、1グループにおける第2スイッチモジュールQM2g,QM2h,QM2iと、別の1グループにおける第2スイッチモジュールQM2g′,QM2h′,QM2i′と、さらに別のグループにおける第2スイッチモジュールQM2g″,QM2h″,QM2i″とは、上下方向に沿った一列のW相出力スイッチ列として配置される。
【0103】
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0104】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。なお、以下で説明する第2実施形態において、上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、その説明を適宜省略又は簡素化する。
【0105】
(マトリクスコンバータの回路構成)
まず、図12を参照しつつ、本実施形態のマトリクスコンバータの回路構成について説明する。
【0106】
図1に示すように、マトリクスコンバータ1′は、フィルタ回路Fと、9個の第1双方向スイッチq1と、9個の第2双方向スイッチq2とを有する。以下適宜、第1双方向スイッチq1及び第2双方向スイッチq2を区別なく示す場合には、単に「双方向スイッチq」という。
【0107】
フィルタ回路Fは、前述の交流電源2と双方向スイッチqとの間に設けられている。フィルタ回路Fは、前述の3個のACリアクトルL1,L2,L3と、3個のコンデンサ部20a,20b,20cとによる、いわゆるLCフィルタ(「LC回路」ともいう。)として、実装されている。以下適宜、コンデンサ部20a,20b,20cを区別なく示す場合には、単に「コンデンサ部20」という。
【0108】
コンデンサ部20a,20b,20cは、それぞれ、電気的に並列に接続される5個のコンデンサ21(後述の図14参照)を備える。なお、コンデンサ部20が備えるコンデンサ21の個数は、5個に限定されるものではなく、他の個数であってもよい。これらコンデンサ部20a,20b,20cは、ACリアクトルL1,L2,L3の出力側において、R相、S相、T相と結線(例えばスター結線)される。
【0109】
なお、フィルタ回路Fの構成は、上記構成に限定されるものではなく、他の構成であってもよい。
【0110】
9個の第1双方向スイッチq1は、それぞれ、上記第1実施形態の第1双方向スイッチQ1と同様に構成される。これら9個の第1双方向スイッチq1は、それぞれ、フィルタ回路Fの出力側においてR相、S相、T相のいずれかに接続されると共に、前述の負荷4のU相、V相、W相のいずれかと接続される。
【0111】
つまり、第1スイッチモジュールqm1aとしてモジュール化された第1双方向スイッチq1が、R相及びU相と接続される。また、第1スイッチモジュールqm1bとしてモジュール化された第1双方向スイッチq1が、S相及びU相と接続される。また、第1スイッチモジュールqm1cとしてモジュール化された第1双方向スイッチq1が、T相及びU相と接続される。そして、第1スイッチモジュールqm1dとしてモジュール化された第1双方向スイッチq1が、R相及びV相と接続される。また、第1スイッチモジュールqm1eとしてモジュール化された第1双方向スイッチq1が、S相及びV相と接続される。また、第1スイッチモジュールqm1fとしてモジュール化された第1双方向スイッチq1が、T相及びV相と接続される。そして、第1スイッチモジュールqm1gとしてモジュール化された第1双方向スイッチq1が、R相及びW相と接続される。また、第1スイッチモジュールqm1hとしてモジュール化された第1双方向スイッチq1が、S相及びW相と接続される。また、第1スイッチモジュールqm1iとしてモジュール化された第1双方向スイッチq1が、T相及びW相と接続される。以下適宜、第1スイッチモジュールqm1a〜qm1iを区別なく示す場合には、単に「第1スイッチモジュールqm1」という。
【0112】
9個の第2双方向スイッチq2は、それぞれ、上記第1実施形態の第1双方向スイッチQ1と同様に構成される。これら9個の第2双方向スイッチq2は、それぞれ、フィルタ回路Fの出力側においてR相、S相、T相のいずれかに接続されると共に、負荷4のU相、V相、W相のいずれかと接続される。この際、9個の第2双方向スイッチq2は、それぞれ、第1双方向スイッチq1が接続される入力相と同一の入力相に対し、当該第1双方向スイッチq1と電気的に並列に接続されると共に、第1双方向スイッチq1が接続される出力相と同一の出力相に対し、当該第1双方向スイッチq1と電気的に並列に接続される。
【0113】
つまり、第2スイッチモジュールqm2aとしてモジュール化された第2双方向スイッチq2が、R相及びU相に対し、第1スイッチモジュールqm1aに係る第1双方向スイッチq1と電気的に並列に接続される。また、第2スイッチモジュールqm2bとしてモジュール化された第2双方向スイッチq2が、S相及びU相に対し、第1スイッチモジュールqm1bに係る第1双方向スイッチq1と電気的に並列に接続される。また、第2スイッチモジュールqm2cとしてモジュール化された第2双方向スイッチq2が、T相及びU相に対し、第1スイッチモジュールqm1cに係る第1双方向スイッチq1と電気的に並列に接続される。そして、第2スイッチモジュールqm2dとしてモジュール化された第2双方向スイッチq2が、R相及びV相に対し、第1スイッチモジュールqm1dに係る第1双方向スイッチq1と電気的に並列に接続される。また、第2スイッチモジュールqm2eとしてモジュール化された第2双方向スイッチq2が、S相及びV相に対し、第1スイッチモジュールqm1eに係る第1双方向スイッチq1と電気的に並列に接続される。また、第2スイッチモジュールqm2fとしてモジュール化された第2双方向スイッチq2が、T相及びV相に対し、第1スイッチモジュールqm1fに係る第1双方向スイッチq1と電気的に並列に接続される。そして、第2スイッチモジュールqm2gとしてモジュール化された第2双方向スイッチq2が、R相及びW相に対し、第1スイッチモジュールqm1gに係る第1双方向スイッチq1と電気的に並列に接続される。また、第2スイッチモジュールqm2hとしてモジュール化された第2双方向スイッチq2が、S相及びW相に対し、第1スイッチモジュールqm1hに係る第1双方向スイッチq1と電気的に並列に接続される。また、第2スイッチモジュールqm2iとしてモジュール化された第2双方向スイッチq2が、T相及びW相に対し、第1スイッチモジュールqm1iに係る第1双方向スイッチq1と電気的に並列に接続される。以下適宜、第2スイッチモジュールqm2a〜qm2iを区別なく示す場合には、単に「第2スイッチモジュールqm2」という。また、以下適宜、第1スイッチモジュールqm1及び第2スイッチモジュールqm2を区別なく示す場合には、単に「スイッチモジュールqm」という。
【0114】
このようなマトリクスコンバータ1′では、ゲートドライブ回路(図示せず)が、9個の第1双方向スイッチq1及び9個の第2双方向スイッチq2をスイッチング制御することで、これら18個の双方向スイッチqに対しスイッチング動作を実行させる。
【0115】
(スイッチモジュールの配置構成の概要)
次に、図13を参照しつつ、スイッチモジュールqmの配置構成の概要について説明する。
【0116】
図13に示すように、マトリクスコンバータ1′においては、同一の入力相及び出力相に接続される第1スイッチモジュールqm1と第2スイッチモジュールqm2とは、近接して配置される。この例では、同一の入力相及び出力相に接続される第1スイッチモジュールqm1と第2スイッチモジュールqm2とは、マトリクスコンバータ1′の筐体110(後述の図14参照)の長さ方向である上下方向に隣接して配置される。
【0117】
つまり、R相及びU相に接続される第1スイッチモジュールqm1aと第2スイッチモジュールqm2aとは、上下方向に隣接して配置される。また、S相及びU相に接続される第1スイッチモジュールqm1bと第2スイッチモジュールqm2bとは、上下方向に隣接して配置される。また、T相及びU相に接続される第1スイッチモジュールqm1cと第2スイッチモジュールqm2cとは、上下方向に隣接して配置される。そして、R相及びV相に接続される第1スイッチモジュールqm1dと第2スイッチモジュールqm2dとは、上下方向に隣接して配置される。また、S相及びV相に接続される第1スイッチモジュールqm1eと第2スイッチモジュールqm2eとは、上下方向に隣接して配置される。また、T相及びV相に接続される第1スイッチモジュールqm1fと第2スイッチモジュールqm2fとは、上下方向に隣接して配置される。そして、R相及びW相に接続される第1スイッチモジュールqm1gと第2スイッチモジュールqm2gとは、上下方向に隣接して配置される。また、S相及びW相に接続される第1スイッチモジュールqm1hと第2スイッチモジュールqm2hとは、上下方向に隣接して配置される。また、T相及びW相に接続される第1スイッチモジュールqm1iと第2スイッチモジュールqm2iとは、上下方向に隣接して配置される。
【0118】
そして、一の出力相に接続される3個の第1スイッチモジュールqm1と3個の第2スイッチモジュールqm2とは、上下方向に沿った一列のスイッチ列として配置される。この例では、同一の入力相及び出力相に接続される第1スイッチモジュールqm1と第2スイッチモジュールqm2との3ペアが、上下方向に沿って配置される。これにより、これら3ペアに係る、一の出力相に接続される3個の第1スイッチモジュールqm1と3個の第2スイッチモジュールqm2とが、上下方向に沿った一列のスイッチ列として配置される。
【0119】
つまり、R相及びU相に接続される第1スイッチモジュールqm1aと第2スイッチモジュールqm2aとのペアと、S相及びU相に接続される第1スイッチモジュールqm1bと第2スイッチモジュールqm2bとのペアと、T相及びU相に接続される第1スイッチモジュールqm1cと第2スイッチモジュールqm2cとのペアとが、上下方向に沿って配置される。これにより、U相に接続される、第1スイッチモジュールqm1a、第2スイッチモジュールqm2a、第1スイッチモジュールqm1b、第2スイッチモジュールqm2b、第1スイッチモジュールqm1c、及び第2スイッチモジュールqm2cが、上下方向に沿った一列のU相出力スイッチ列として配置される(後述の図15等も参照)。また、R相及びV相に接続される第1スイッチモジュールqm1dと第2スイッチモジュールqm2dとのペアと、S相及びV相に接続される第1スイッチモジュールqm1eと第2スイッチモジュールqm2eとのペアと、T相及びV相に接続される第1スイッチモジュールqm1fと第2スイッチモジュールqm2fとのペアとが、上下方向に沿って配置される。これにより、V相に接続される、第1スイッチモジュールqm1d、第2スイッチモジュールqm2d、第1スイッチモジュールqm1e、第2スイッチモジュールqm2e、第1スイッチモジュールqm1f、及び第2スイッチモジュールqm2fが、上下方向に沿った一列のV相出力スイッチ列として配置される(後述の図15等も参照)。また、R相及びW相に接続される第1スイッチモジュールqm1gと第2スイッチモジュールqm2gとのペアと、S相及びW相に接続される第1スイッチモジュールqm1hと第2スイッチモジュールqm2hとのペアと、T相及びW相に接続される第1スイッチモジュールqm1iと第2スイッチモジュールqm2iのペアとが、上下方向に沿って配置される。これにより、W相に接続される、第1スイッチモジュールqm1g、第2スイッチモジュールqm2g、第1スイッチモジュールqm1h、第2スイッチモジュールqm2h、第1スイッチモジュールqm1i、及び第2スイッチモジュールqm2iが、上下方向に沿った一列のW相出力スイッチ列として配置される(後述の図15等も参照)。
【0120】
(マトリクスコンバータの具体的構成)
次に、図14図15、及び図16を参照しつつ、マトリクスコンバータ1′の具体的構成について説明する。なお、図14図16中では、図示の煩雑化を防止するため、マトリックスコンバータ1′の部品同士の接続線を一部省略して図示している。
【0121】
図14図16に示すように、マトリクスコンバータ1′は、前述の筐体110と、前述の風洞部120と、本体部130′と、前述の本体ケースとを有する。本体部130′は、上記ACリアクトルL1〜L3と、上記コンデンサ部20a〜20cと、上記第1スイッチモジュールqm1a〜qm1iと、上記第2スイッチモジュールqm2a〜qm2iと、18個のスナバモジュールsmとを有する。なお、図14図16中では、説明の便宜上、マトリクスコンバータ1′を、筐体110の長さ方向、当該長さ方向に垂直な幅方向、当該長さ方向及び幅方向に垂直な奥行き方向が、それぞれ、上下方向、左右方向、前後方向となるように、図示している。この場合、上下方向は、第1方向に相当し、左右方向は、第2方向に相当し、前後方向は、第3方向に相当する。
【0122】
筐体110のベースには、ベース191及び複数のフィン192を備えた前述の3個のヒートシンク190a,190b,190cが、フィン192が風洞部120に収納されるように、左右方向に沿って隣接して取り付けられる。なお、筐体110のベースに取り付けられるヒートシンクの個数は、3個に限定されるものではなく、他の個数であってもよい。
【0123】
左側のヒートシンク190aのベース191の前面には、上記第1スイッチモジュールqm1aと第2スイッチモジュールqm2aとのペアと、上記第1スイッチモジュールqm1bと第2スイッチモジュールqm2bとのペアと、上記第1スイッチモジュールqm1cと第2スイッチモジュールqm2cとのペアとが、上下方向に沿って載置される。これにより、左側のヒートシンク190aのベース191の前面には、上記U相出力スイッチ列が構成される。
【0124】
中央のヒートシンク190bのベース191の前面には、上記第1スイッチモジュールqm1dと第2スイッチモジュールqm2dとのペアと、上記第1スイッチモジュールqm1eと第2スイッチモジュールqm2eとのペアと、上記第1スイッチモジュールqm1fと第2スイッチモジュールqm2fとのペアとが、上下方向に沿って載置される。これにより、中央のヒートシンク190bのベース191の前面には、上記V相出力スイッチ列が構成される。
【0125】
右側のヒートシンク190cのベース191の前面には、上記第1スイッチモジュールqm1gと第2スイッチモジュールqm2gとのペアと、上記第1スイッチモジュールqm1hと第2スイッチモジュールqm2hとのペアと、上記第1スイッチモジュールqm1iと第2スイッチモジュールqm2iのペアとが、上下方向に沿って載置される。これにより、右側のヒートシンク190cのベース191の前面には、上記W相出力スイッチ列が構成される。
【0126】
風洞部120は、上下方向に冷媒を流すように構成される。すなわち、前述のファン150が前述の開口部112から吸気して筐体110の上端部で排気することで、風洞部120に、上下方向(具体的には下方から上方)に冷媒が流れる。なお、ファン150が筐体110の上端部から吸気して開口部112で排気することで、風洞部120に、上下方向(具体的には上方から下方)に冷媒が流れてもよい。また、風洞部120での冷媒の流れる向きは、上下方向に限定されるものではなく、他の向き(例えば左右方向)であってもよい。
【0127】
ACリアクトルL1〜L3は、上記実施形態と同様、風洞部120のヒートシンク190a〜190cよりも上側に左右方向に沿って設置され、それぞれ、バスバー(図示せず)により、交流電源2のR相、S相、T相に接続される。すなわち、各ACリアクトルL1〜L3は、前述の2つの端子LT1,LT2を備える。ACリアクトルL1,L2,L3の各々の端子LT1には、それぞれ、交流電源2のR相に接続されるバスバーの端子、S相に接続されるバスバーの端子、及びT相に接続されるバスバーの端子が、ねじにより締結されて接続される。なお、ACリアクトルL1〜L3は、ケーブルにより、交流電源2の各出力相に接続されてもよい。また、ACリアクトルL1,L2,L3の各々の端子LT2には、それぞれ、後述の3個のバスバー34の各々の端子340Aに接続されるケーブル50a,50b,50cの一端が接続される。なお、ACリアクトルL1〜L3は、バスバーにより、上記3個のバスバー34の各々の端子340Aに接続されてもよい。
【0128】
コンデンサ部20a〜20cは、それぞれ、前述したように電気的に並列に接続された5個のコンデンサ21を備える。コンデンサ部20a〜20cの各々の5個のコンデンサ21は、左右方向に延びるコンデンサケース22に収容されて支持される。各コンデンサ21は、この例では円筒状であり、その円筒軸方向一方側(この例では下側)に、入出力端子t1と、コンデンサ部20a〜20bの結線の中性点N(図12参照)に接続された中性点端子tnとを備える。そして、コンデンサ部20a〜20cの各々の5個のコンデンサ21は、それらの端子t1がバスバー31に対しねじにより締結されて接続されることで、電気的に並列に接続される。また、各コンデンサ21の中性点端子tnは、バスバー30に対しねじにより締結されて接続される。
【0129】
第1スイッチモジュールqm1a〜am1i及び第2スイッチモジュールqm2a〜qm2iは、それぞれ、左端部に2つの端子qt11,qt12を備えると共に、右端部に2つの端子qt13,qt14を備える。
【0130】
18個のスナバモジュールsmは、それぞれ、側面(この例では左面)から突出した2つの入出力端子t3a,t3bを備え、第1スイッチモジュールqm1a〜am1i及び第2スイッチモジュールqm2a〜qm2iの各々の上に載置される。そして、これら18個のスナバモジュールsmの各々の入出力端子t3a,t3bは、それぞれ、第1スイッチモジュールqm1a〜am1i及び第2スイッチモジュールqm2a〜qm2iの各々の端子qt11,qt12に対し接続される。また、第1スイッチモジュールqm1a〜am1i及び第2スイッチモジュールqm2a〜qm2iの各々の端子qt11,qt12には、それぞれ、放電回路(図示せず)に接続されるバスバー32の適宜の位置に設けられた各々の端子も接続され、上記18個のスナバモジュールsmの各々の入出力端子t3a,t3bと共に、ねじにより締結されて固定される。これにより、各スイッチモジュールqmと各スナバモジュールsmが接続されると共に、各スナバモジュールsmと放電回路とが接続される。
【0131】
(各バスバーの構成)
本実施形態では、第1スイッチモジュールqm1と第2スイッチモジュールqm2とは、3個のバスバー33(第3バスバーに相当)と、3個のバスバー34(第4バスバーに相当)とにより接続される。なお、第1スイッチモジュールqm1と第2スイッチモジュールqm2とは、他の構成のバスバーやケーブルにより接続されてもよい。
【0132】
各バスバー33は、上下方向に沿って配置され、一の出力相に接続される3個の第1スイッチモジュールqm1と3個の第2スイッチモジュールqM2とを接続するために使用される。これら各バスバー33は、上下方向に延びる直線部330と、直線部330の上端側、略中央部、下端側に連結された分岐部331,332,333とを備える。
【0133】
直線部330の一端部(この例では下端部)には、端子330Aが設けられる。
【0134】
分岐部331は、第1スイッチモジュールqm1と第2スイッチモジュールqm2とが並ぶ方向、つまり上下方向に二股分岐し、その一方側(この例では上側)に端子331aを備えると共に、その他方側(この例では下側)に端子331bを備える。そして、分岐部331は、これら端子331a,331bにより、第1スイッチモジュールqm1と第2スイッチモジュールqm2とに分岐して接続される。
【0135】
分岐部332は、上下方向に二股分岐し、その一方側(この例では上側)に端子332aを備えると共に、その他方側(この例では下側)に端子332bを備える。そして、分岐部332は、これら端子332a,332bにより、第1スイッチモジュールqm1と第2スイッチモジュールqm2とに分岐して接続される。
【0136】
分岐部333は、上下方向に二股分岐し、その一方側(この例では上側)に端子333aを備えると共に、その他方側(この例では下側)に端子333bを備える。そして、分岐部333は、これら端子333a,333bにより、第1スイッチモジュールqm1と第2スイッチモジュールqm2とに分岐して接続される。
【0137】
本実施形態では、分岐部331,332,333は、直線部330と一体として構成される。なお、分岐部331,332,333を、直線部330と別体して、直線部330に着脱不能に固定してもよい。また、分岐部331,332,333は、上下方向に対称な形状を備える。なお、分岐部331,332,333は、上下方向に非対称な形状であってもよい。
【0138】
各バスバー34は、左右方向に沿って配置され、一の入力相に接続される3個の第1スイッチモジュールqm1と3個の第2スイッチモジュールqM2とを接続するために使用される。これら各バスバー34は、左右方向に延びる直線部340と、直線部340の左端側、略中央部、右端側に連結された分岐部341,342,343とを備える。
【0139】
直線部340の一端部(この例では右端部)には、端子340Aが設けられる。また、直線部340は、その左端側、略中央部、右端側の各々から下方に延びる端子344,345,346を備える。
【0140】
分岐部341は、上下方向に二股分岐し、その一方側(この例では上側)に端子341aを備えると共に、その他方側(この例では下側)に端子341bを備える。そして、分岐部341は、これら端子341a,341bにより、第1スイッチモジュールqm1と第2スイッチモジュールqm2とに分岐して接続される。
【0141】
分岐部342は、上下方向に二股分岐し、その一方側(この例では上側)に端子342aを備えると共に、その他方側(この例では下側)に端子342bを備える。そして、分岐部342は、これら端子342a,342bにより、第1スイッチモジュールqm1と第2スイッチモジュールqm2とに分岐して接続される。
【0142】
分岐部343は、上下方向に二股分岐し、その一方側(この例では上側)に端子343aを備えると共に、その他方側(この例では下側)に端子343bを備える。そして、分岐部343は、これら端子343a,343bにより、第1スイッチモジュールqm1と第2スイッチモジュールqm2とに分岐して接続される。
【0143】
本実施形態では、分岐部341,342,343は、直線部340と別体であり、直線部340に対しねじにより着脱不能に固定される。一なお、分岐部341,342,343を、直線部340と一体して構成してもよい。また、分岐部341,342,343は、上下方向に対称な形状を備える。なお、分岐部341,342,343は、上下方向に非対称な形状であってもよい。
【0144】
(マトリクスコンバータの各構成の接続関係)
第1スイッチモジュールqm1a,qm1d,qm1gの各々の端子qt13には、それぞれ、端子340A及びケーブル50aを介してACリアクトルL1の端子L2に接続されるバスバー34の端子341a,342a,343aが、ねじにより締結されて接続され、第2スイッチモジュールqm2a,qm2d,qm2gの各々の端子qt13には、それぞれ、当該バスバー34の端子341b,342b,343bが、ねじにより締結されて接続される。これにより、R相に接続される第1スイッチモジュールqm1a,qm1d,qm1gと第2スイッチモジュールqm2a,qm2d,qm2gとが接続される。また、第1スイッチモジュールqm1b,qm1e,qm1hの各々の端子qt13についても同様に、端子340A及びケーブル50bを介してACリアクトルL2の端子L2に接続されるバスバー34が接続され、第2スイッチモジュールqm2b,qm2e,qm2hの各々の端子qt13についても同様に、当該バスバー34が接続される。これにより、S相に接続される第1スイッチモジュールqm1b,qm1e,qm1hと第2スイッチモジュールqm2b,qm2e,qm2hとが接続される。さらに、第1スイッチモジュールqm1c,qm1f,qm1iの各々の端子qt13についても同様に、端子340A及びケーブル50cを介してACリアクトルL3の端子L2に接続されるバスバー34が接続され、第2スイッチモジュールqm2c,qm2f,qm2iの各々の端子qt13についても同様に、当該バスバー34が接続される。これにより、T相に接続される第1スイッチモジュールqm1c,qm1f,qm1iと第2スイッチモジュールqm2c,qm2f,qm2iとが接続される。
【0145】
そして、3個のバスバー34の各々の端子344,345,346に対し、5個のコンデンサ21が各々接続された3個のバスバー31の各々が載置され、ねじにより締結されて接続される。これにより、15個のコンデンサ21が、第1スイッチモジュールqm1及び第2スイッチモジュールqm2に対し、前後方向に積み重ねて配置される。つまり、端子344,345,346は、載置部に相当する。なお、バスバー34に代えて又は加えて、上記バスバー33に、コンデンサ21を載置する構成を設けてもよい。あるいは、バスバー34,33のいずれにも、コンデンサ21を載置する構成を設けず、コンデンサ21を支持するための支持部材を別途設けてもよい。
【0146】
また、第1スイッチモジュールqm1a,qm1b,qm1cの各々の端子qt14には、それぞれ、端子330Aを介して負荷4のU相に接続されるバスバー33の端子331aがねじにより締結されて接続され、第2スイッチモジュールqm2a,qm2b,qm2cの各々の端子qt14には、それぞれ、当該バスバー33の端子331bがねじにより締結されて接続される。これにより、U相に接続される第1スイッチモジュールqm1a,qm1b,qm1cと第2スイッチモジュールqm2a,qm2b,qm2cとが接続される。また、第1スイッチモジュールqm1d,qm1e,qm1fの各々の端子qt14についても同様に、端子330Aを介して負荷4のV相に接続されるバスバー33が接続され、第2スイッチモジュールqm2d,qm2e,qm2fの各々の端子qt14についても同様に、当該バスバー33が接続される。これにより、V相に接続される第1スイッチモジュールqm1d,qm1e,qm1fと第2スイッチモジュールqm2d,qm2e,qm2fとが接続される。さらに、第1スイッチモジュールqm1g,qm1h,qm1iの各々の端子qt14についても同様に、端子330Aを介して負荷4のW相に接続されるバスバー33が接続され、第2スイッチモジュールqm2g,qm2h,qm2iの各々の端子qt14についても同様に、当該バスバー33が接続される。これにより、W相に接続される第1スイッチモジュールqm1g,qm1h,qm1iと第2スイッチモジュールqm2g,qm2h,qm2iとが接続される。
【0147】
(本実施形態による効果)
以上説明したように、本実施形態のマトリクスコンバータ1′は、交流電源2の各入力相及び負荷4の各出力相と各々接続される複数の第1双方向スイッチq1と、第1双方向スイッチq1が接続される入力相及び出力相と同一の入力相及び出力相に当該第1双方向スイッチq1と電気的に並列に接続される複数の第2双方向スイッチq2とを有する。このマトリクスコンバータ1′は、第1双方向スイッチq1及び第2双方向スイッチq2をスイッチングすることにより、交流電源2の交流電力を任意の電圧・周波数の交流電力に変換し、負荷4に出力する。
【0148】
ここで、個々の双方向スイッチqには、対応可能な定格電流が定められている。双方向スイッチqの定格電流を超えてマトリクスコンバータ1′の定格電流を増大することはできないので、マトリクスコンバータ1′の大容量化が制限されることになる。
【0149】
本実施形態では、交流電源2の各入力相及び負荷4の各出力相に対し、複数の双方向スイッチqが並列に接続される。これにより、個々の双方向スイッチqに流れる電流を減少させることができる(例えば2個並列の場合、片方の双方向スイッチqに流れる電流を半減できる)ので、双方向スイッチqの電流を定格電流内に抑えつつ、マトリクスコンバータ1′の定格電流を大幅に増大することができる。したがって、大容量のマトリクスコンバータ1′を実現することができる。
【0150】
また、本実施形態では特に、同一の入力相及び出力相に接続される第1双方向スイッチq1と第2双方向スイッチq2とが、近接して配置される。これにより、第1双方向スイッチq1と第2双方向スイッチq2とを並列に接続する配線(バスバー33,34の各分岐部)を短くすることができ、配線構造を単純化できる。
【0151】
また、本実施形態では特に、一の出力相に接続される複数の第1双方向スイッチq1と複数の第2双方向スイッチq2とが、上下方向に沿った一列のスイッチ列として配置される。これにより、マトリクスコンバータ1′の幅方向の寸法を低減することが可能となる。
【0152】
また、本実施形態では特に、風胴部120が、上下方向に冷媒を流すように構成される。これにより、風胴部120では、一の入力相(R相又はS相又はT相)に接続される複数の第1双方向スイッチq1及び複数の第2双方向スイッチq2が並ぶ方向である左右方向に対しては、垂直な方向に冷媒が流れることになる。その結果、各双方向スイッチqの熱が冷媒の流れる向きに対してヒートシンク190a〜190cにより均一に伝わるので、冷却効率を向上することができる。
【0153】
また、本実施形態では特に、マトリクスコンバータ1′が、上下方向に沿って配置されたバスバー33と、左右方向に沿って配置されたバスバー34とを有する。バスバー33は、下端部に負荷4側に接続される端子330Aを備えた直線部330と、第1双方向スイッチq1と第2双方向スイッチq2とに分岐して接続された複数の分岐部331,332,333とを有し、一の出力相(U相又はV相又はW相)と複数の第1双方向スイッチq1及び複数の第2双方向スイッチq2とを接続する。また、バスバー34は、右端部に交流電源4側に接続される端子340Aを備えた直線部340と、複数の分岐部341,342,343とを有し、一の入力相(R相、S相又はT相)と複数の第1双方向スイッチq1及び複数の第2双方向スイッチq2とを接続する。このように、バスバー33,34を用いた配線構造とすることで、配線の剛性を増大することができる。その結果、振動による配線のブレや損傷等を低減できる。また、バスバー33,34を用いて他の部品を支持する等、支持部材を兼ねることも可能となる。
【0154】
また、本実施形態では特に、バスバー33の分岐部331,332,333及びバスバー34の分岐部341,342,343が、第1双方向スイッチq1と第2双方向スイッチq2とが並ぶ方向に対称な形状を有する。これにより、分岐部331,332,333及び分岐部341,342,343における第1双方向スイッチq1側と第2双方向スイッチq2側のインピーダンスをほぼ同一とすることができるので、両スイッチの電流がアンバランスとなるのを防止できる。
【0155】
また、本実施形態では特に、バスバー34の分岐部341,342,343が直線部340と別体であり、直線部340に着脱可能に固定される。直線部340と分岐部341,342,343とを別体とすることで、一体構造とする場合に比べて、バスバー34を形成する際の銅板の廃棄部分をより少なくすることができる。また、直線部340と分岐部341,342,343とを着脱可能とすることで、分岐部341,342,343を双方向スイッチqに接続させた状態で直線部340のみを取り外す等が可能となるので、メンテナンス性を向上できる。
【0156】
また、本実施形態では特に、バスバー34の端子344,345,346が、コンデンサ21を載置するように構成される。これにより、コンデンサ21を第1双方向スイッチq1及び第2双方向スイッチq2に対し前後方向に積み重ねて配置できるので、双方向スイッチqとコンデンサ21との配線距離を短くすることが可能となり、配線インダクタンスを低減することができる。また、マトリクスコンバータ1′の上下方向及び左右方向の寸法を低減し、小型化することができる。さらに、バスバー34をコンデンサ21の支持部材として兼用することができるので、部品点数及びコストを低減できる。
【0157】
<変形例等>
なお、第2実施形態は、上記内容に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0158】
以上、第1及び第2実施形態について説明したが、第1双方向スイッチ及び第2双方向スイッチの接続関係は、これら第1及び第2実施形態で説明した接続関係に限定されるものではない。つまり、第1双方向スイッチ及び第2双方向スイッチの接続関係としては、複数の第1双方向スイッチが、交流電源2の各入力相及び負荷4の各出力相と各々接続され、複数の第2双方向スイッチが、第1双方向スイッチが接続される入力相及び出力相と同一の入力相及び出力相に当該第1双方向スイッチと電気的に並列に接続される関係でありさえすれば、どのような接続関係であってもよい。
【0159】
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
【0160】
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0161】
また、以上既に述べた以外にも、上記各実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
【0162】
その他、一々例示はしないが、上記各実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0163】
1 マトリクスコンバータ
1′ マトリクスコンバータ
2 交流電源
4 負荷
10 ゲートドライブ回路
11 ラミネートバスバー(第2バスバー)
11A〜C バスバー(導体)
12 ラミネートバスバー(第2バスバー)
12A〜C バスバー(導体)
12D,E 絶縁シート
15 バスバー(第1バスバー)
21 コンデンサ
33 バスバー(第3バスバー)
34 バスバー(第4バスバー)
120 風洞部
190a〜c ヒートシンク
192 フィン
330 直線部
330A 端子
331 分岐部
332 分岐部
333 分岐部
344 端子(載置部)
345 端子(載置部)
346 端子(載置部)
340 直線部
340A 端子
341 分岐部
342 分岐部
343 分岐部
bs1,2 底面
CM1〜6 コンデンサモジュール
ls 左面(側面)
MC モジュールカバー
Q1 第1双方向スイッチ(双方向スイッチ)
q1 第1双方向スイッチ
Q2 第2双方向スイッチ(双方向スイッチ)
q2 第2双方向スイッチ
SC スナバコンデンサ
T1 入出力端子(端子)
T2 入出力端子(端子)
T3 入出力端子(端子)
T4a,b 入出力端子(端子)
T4c,d 入出力端子
T5a,b 入出力端子(端子)
T5c,d 入出力端子
T6a,b 入出力端子(端子)
TN 中性点端子
W1 第1信号配線
W2 第2信号配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16