(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記当接部材は、前記第1方向一方側の前記開口の周縁部を前記第1方向両側から挟むように、前記第1方向に互いに間隔を隔てて1対設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の現像装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の現像カートリッジでは、右側壁において、受け溝がリブにより架橋されているので、供給ローラを現像フレームに組み付けるときには、供給ローラの右端部を、右側壁の受け溝におけるリブよりも後側の部分に、斜めに挿通した後、供給ローラの左端部を左側壁の受け溝に前側から挿通する必要がある。
【0006】
その結果、供給ローラの現像フレームに対する組み付け作業が煩雑となる場合がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、供給ローラの筐体に対する組み付け作業の効率化を図ることができる現像装置、および、その製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明の現像装置は、第1方向に延びる第1回転軸と、前記第1回転軸を被覆し現像剤を担持する現像剤担持部と、を有する現像ローラと、前記第1方向に延びる第2回転軸と、前記第2回転軸を被覆し前記現像ローラに現像剤を供給する供給部と、を有する供給ローラと、現像剤を収容する筐体と、を備えている。
【0009】
前記筐体は、前記第1方向において互いに対向配置される1対の側壁であって、前記第1方向と直交する第2方向に延びる開口を有する1対の側壁を有している。
【0010】
前記第1回転軸および前記第2回転軸は、前記第1方向に投影したときに、前記1対の側壁の前記開口内に配置されている。
【0011】
前記1対の側壁の前記開口は、前記第2回転軸よりも前記第1回転軸の近くに配置されて開放された第1端と、前記第2方向において前記第1端と反対側に配置されて閉鎖された第2端と、を有している。
【0012】
このような構成によれば、1対の側壁が、第2方向に延びる開口を有しているので、供給ローラを組み付けるときには、供給ローラの第1方向両端部を、それぞれ対応する開口の第1端を通過させ、第2端まで挿入することができる。
【0013】
そのため、供給ローラの筐体に対する組み付け作業の効率化を図ることができる。
【0014】
従って、本発明の現像装置は、簡易な構成でありながら、供給ローラの筐体に対する組み付け作業の効率化を図ることができる。
(2)また、前記筐体は、前記第1方向に投影したときに前記開口の前記第2端と重なり、前記第2回転軸を受け入れる受入溝が形成された受入部を有していてもよい。
【0015】
このような構成によれば、受入部に形成される受入溝に、第2回転軸が受け入れられるので、供給ローラを筐体内の所定位置に円滑に位置させることができる。
【0016】
そのため、供給ローラの筐体に対する組み付け作業のさらなる効率化を図ることができる。
【0017】
また、供給ローラを筐体に対して精度よく位置決めすることができるので、簡易な構成でありながら、筐体に配置される現像ローラと供給ローラとの相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
(3)また、前記第2回転軸の前記第1方向両端部は、前記供給部から露出されており、前記受入部は、前記第2回転軸の各前記第1方向端部に対応して2つ設けられていてもよい。
【0018】
この場合、2つの前記受入部に形成される前記受入溝のうち、前記第1方向一方の前記受入溝は、前記第1方向他方の前記受入溝よりも幅狭な幅狭溝であり、前記第2回転軸の前記第1方向一端部には、前記幅狭溝と対応する部分において、前記幅狭溝と係合し、前記第2回転軸の前記第1方向他端部の軸径よりも小径な第1小径部が形成されている。
【0019】
このような構成によれば、幅狭溝と第1小径部とが係合するので、第2回転軸を確実に筐体に対して、第1方向に位置決めできる。そのため、供給ローラを筐体内の所定位置に円滑に位置させることができる。
【0020】
その結果、供給ローラの筐体に対する組み付け作業の効率化を図ることができる。
【0021】
また、供給ローラの第1方向の移動が規制されるので、供給ローラが筐体から抜け落ちることを防止できる。
(4)また、前記第1回転軸の前記第1方向両端部は、前記開口の前記第1端側に受け入れられるように、前記現像剤担持部から露出され、前記第1回転軸の前記第1方向一端には、前記第1回転軸の前記第1方向他端部の軸径よりも小径な第2小径部が形成されていてもよい。
【0022】
この場合、前記第1方向一方側の前記開口の周縁部には、前記第2小径部と係合して前記第1回転軸の前記第1方向一端部を保持する保持部が設けられている。
【0023】
このような構成によれば、保持部と第2小径部とが係合するので、第1回転軸を筐体に対して、第1方向に位置決めできる。そのため、現像ローラを筐体内の所定位置に円滑に位置させることができる。また、現像ローラを筐体に対して精度よく位置決めすることができる。
【0024】
その結果、供給ローラおよび現像ローラの筐体に対する組み付け作業の効率化を図ることができながら、現像ローラと供給ローラとの相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
【0025】
また、現像ローラの第1方向の移動が規制されるので、現像ローラが筐体から抜け落ちることを防止できる。
(5)また、前記現像剤担持部の前記第1方向一端縁は、前記第1方向一方側の前記開口の周縁部に、前記第1方向他方側から当接されてもよい。
【0026】
このような構成によれば、簡易な構成でありながら、第1開口部の周縁部と現像剤担持部の第1方向一端縁とが当接するので、現像剤担持部を筐体に対して、第1方向に位置決めできる。そのため、現像ローラを筐体内の所定位置に円滑に位置させることができる。
【0027】
その結果、簡易な構成でありながら、供給ローラおよび現像ローラの筐体に対する組み付け作業の効率化を図ることができる。また、現像ローラと供給ローラとの相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
【0028】
さらに、現像ローラの第1方向の移動が規制されるので、現像ローラが筐体から抜け落ちることを防止できる。
(6)また、前記第1回転軸の前記第1方向一端には、前記第1方向一方側の前記開口の周縁部に当接される当接部材が設けられていてもよい。
【0029】
このような構成によれば、第1開口部の周縁部と当接部材とが当接されるので、第1回転軸を筐体に対して、第1方向に位置決めできる。そのため、現像ローラを筐体内の所定位置に円滑に位置させることができる。
【0030】
そのため、供給ローラおよび現像ローラの筐体に対する組み付け作業の効率化を図ることができながら、現像ローラと供給ローラとの相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
【0031】
また、現像ローラの第1方向の移動が規制されるので、現像ローラが筐体から抜け落ちることを防止できる。
(7)また、前記当接部材は、前記第1方向一方側の前記開口の周縁部を前記第1方向両側から挟むように、前記第1方向に互いに間隔を隔てて1対設けられていてもよい。
【0032】
このような構成によれば、1対の当接部材が第1開口部の周縁部を挟むように設けられているので、第1回転軸を筐体に対して、第1方向に確実に位置決めできる。
【0033】
そのため、現像ローラと供給ローラとの相対的な位置決め精度のさらなる向上を図ることができる。
(8)また、前記第1回転軸および前記第2回転軸の前記第1方向一端部を回転可能に支持する第1軸受部材と、前記第1回転軸および前記第2回転軸の前記第1方向他端部を回転可能に支持する第2軸受部材とを有していてもよい。
【0034】
第1回転軸および第2回転軸を回転可能に支持する部分は、他の部分に対して、摩耗しやすい。そのため、第1回転軸および第2回転軸を回転可能に支持する部分が摩耗することにより、現像ローラと供給ローラとの相対的な位置関係が一定に保たれない場合がある。
【0035】
一方、第1軸受部材および第2軸受部材を有する構成によれば、それらを摺動性に優れる材料から形成することができるので、現像ローラと供給ローラとの相対的な位置関係を一定に維持することができる。
(9)また、前記第1軸受部材は、前記現像ローラの前記第1方向一端部を被覆するように前記第1方向一方側に突出する被覆部を有していてもよい。
【0036】
このような構成によれば、第1軸受部材が、現像ローラの第1方向一端部を確実に支持することができる。
【0037】
そのため、現像ローラと供給ローラとの相対的な位置決め精度のさらなる向上を図ることができる。
(10)また、前記1対の側壁は、前記第1方向と直交する方向において前記第1軸受部材または前記第2軸受部材の外周端縁の少なくとも一部に対向するように、前記第1方向外側に向かって突出する突部を有していてもよい。
【0038】
このような構成によれば、1対の側壁の強度の向上を図ることができるので、筺体の強度の向上を図ることができる。
【0039】
そのため、簡易な構成でありながら、供給ローラの筐体に対する組み付け作業の効率化を図ることができるとともに、筺体の強度の向上を図ることができる。
(11)本発明の現像装置の製造方法は、第1方向に延びる第1回転軸と、前記第1回転軸を被覆し現像剤を担持する現像剤担持部と、を有する現像ローラを準備する工程と、前記第1方向に延びる第2回転軸と、前記第2回転軸を被覆し前記現像ローラに現像剤を供給する供給部と、を有する供給ローラを準備する工程と、前記第1方向において互いに対向配置される一対の側壁であって、前記第1方向と直交する第2方向に延び、前記第2方向の一方側が開放されるとともに、前記第2方向の他方側が閉鎖され、前記第2方向の一端側から前記第2方向の他端側にわたって連通されるように構成されている開口を有する一対の側壁を有し、現像剤を収容する筐体を準備する工程と、前記第2回転軸の前記第1方向両端部を、前記開口の前記一端側を通過するように、前記他端側まで前記開口内を移動させて、前記供給ローラを前記筐体内に組み付ける工程と、前記第1回転軸の前記第1方向両端部を、前記開口の前記一端側を通過するように、前記供給ローラに当接するまで前記開口内を移動させて、前記現像ローラを前記筐体内に組み付ける工程とを含んでいる。
【0040】
このような構成によれば、供給ローラの筐体に対する組み付け作業の効率化を図ることができるので、現像装置の生産効率の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明の現像装置では、簡易な構成でありながら、供給ローラの筐体に対する組み付け作業の効率化を図ることができる。
【0042】
また、本発明の現像装置の製造方法では、現像装置の生産効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0044】
1.プリンタ
図1に示すように、プリンタ1は、ダイレクトタンデムタイプのカラープリンタである。
【0045】
なお、プリンタ1および現像カートリッジ23(後述)に関し、方向について言及する場合には、それぞれ水平方向に載置したときの方向を基準とし、具体的には、各図に示した矢印方向を基準とする。また、幅方向と左右方向とは、同一方向である。
【0046】
すなわち、プリンタ1に関する上下前後方向と、現像カートリッジ23(後述)に関する上下前後方向とは相異なり、現像カートリッジ23は、その前側がプリンタ1の前上側、その後側がプリンタ1の後下側となるように、プリンタ1およびドラムカートリッジ22に装着されている。
【0047】
プリンタ1は、本体ケーシング2を備え、その本体ケーシング2内には、4つの感光ドラム3が、前後方向に沿って並列配置されている。4つの感光ドラム3は、トナー像(後述)の各色(ブラック、イエロー、マゼンタまたはシアン)に対応して設けられている。
【0048】
各感光ドラム3には、スコロトロン型帯電器4、LEDユニット5および現像ローラ6が対向配置されている。
【0049】
感光ドラム3は、その表面がスコロトロン型帯電器4によって一様に帯電された後、LEDユニット5によって露光される。これにより、各感光ドラム3の表面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。各静電潜像は、現像ローラ6のゴムローラ17(後述)に担持されるトナーによって可視像化され、感光ドラム3の表面上にトナー像が形成される。
【0050】
用紙Pは、本体ケーシング2内の給紙カセット7に収容されている。給紙カセット7に収容されている用紙Pは、各種ローラにより、搬送ベルト8に給紙される。
【0051】
搬送ベルト8は、各感光ドラム3と、それらに対向する転写ローラ9との間に配置されている。各感光ドラム3の表面上のトナー像は、転写ローラ9に印加された転写バイアスによって、搬送ベルト8に搬送された用紙P上に転写され、順次重ね合わされる。
【0052】
4色のトナー像が転写された用紙Pは、定着部10に搬送される。用紙P上に転写されたトナー像は、定着部10で熱定着される。その後、用紙Pは、各種ローラにより、排紙トレイ11に排紙される。
2.プロセスカートリッジ
プリンタ1は、各色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)に対応して、4つのプロセスカートリッジ21を備えている。
【0053】
各プロセスカートリッジ21は、本体ケーシング2内に着脱自在に装着されており、前後方向に沿って、並列配置されている。
【0054】
すなわち、本体ケーシング2の上壁には、トップカバー49が開閉自在に設けられており、トップカバー49の開放により、各プロセスカートリッジ21を、本体ケーシング2内に着脱させることができる。
【0055】
プロセスカートリッジ21は、本体ケーシング2に着脱自在に装着されるドラムカートリッジ22と、ドラムカートリッジ22に着脱自在に装着される、現像装置の一例としての現像カートリッジ23とを備えている。
(1)ドラムカートリッジ
ドラムカートリッジ22は、ドラムフレーム24を備えている。ドラムフレーム24は、ドラム支持部25と、現像カートリッジ収容部26とを備えている。
【0056】
ドラム支持部25は、ドラムフレーム24の後下側に設けられ、感光ドラム3と、スコロトロン型帯電器4と、ドラムクリーニングローラ15とを支持している。
【0057】
感光ドラム3は、左右方向に長手の略円筒形状に形成されている。そして、感光ドラム3は、ドラム支持部25内の下端において、下側から露出されるように回転可能に支持されている。スコロトロン型帯電器4は、感光ドラム3の斜め後上側に、間隔を隔てて対向配置されている。ドラムクリーニングローラ15は、感光ドラム3の後側において、感光ドラム3と対向して接触するように配置されている。
【0058】
現像カートリッジ収容部26は、ドラム支持部25の前上側に配置され、現像カートリッジ23が着脱自在に装着されるように、後方および上方に開放されて形成されている。
(2)現像カートリッジ
現像カートリッジ23は、
図2および
図3に示すように、筐体の一例としての現像フレーム30を備えている。
【0059】
現像フレーム30は、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されており、下フレーム31と、下フレーム31に組み合わされる上フレーム32とを備えている。
(2−1)下フレーム
下フレーム31は、
図6に示すように、左右方向において、互いに間隔を隔てて対向配置される1対の側壁35と、それらの下端部を連結する底壁36と、側壁35および底壁36の前端部を連結する前壁37とを一体的に備えている。
【0060】
両側壁35は、略平板形状に形成されており、その前側部分には第1被当接部56が、その後側部分には、鍔部44および開口27がそれぞれ形成されている。
【0061】
各第1被当接部56は、両側壁35の上端部にそれぞれ設けられ、それらの上端から連続して、左右方向外方に延びる略平板形状に形成されている。
【0062】
鍔部44は、
図4および
図8に示すように、両側壁35の上端部にそれぞれ設けられる、突部の一例としての上側鍔部67と、右側の側壁35の下端部および後端部に設けられる下側鍔部68とを備えている。
【0063】
各上側鍔部67は、両側壁35の上端から連続して、左右方向外方に突出する略平板形状に形成されている。
【0064】
下側鍔部68は、
図8に示すように、右側の側壁35の下端および後端から連続して、右方へ突出する側面視略L字状に形成されている。
【0065】
各開口27は、
図4に示すように、両側壁35の相対向する位置において、両側壁35の後側上端縁から前下側へ向かって窪むように形成されている。つまり、各開口27は、
図5に示すように、後上側に向かって開放され、下方に向かうに従って前方に傾斜するように形成されており、その延びる方向X(以下、第2方向Xとする。)は、左右方向と直交している。
【0066】
なお、開口27の第2方向Xは、ゴムローラ17(後述)とスポンジローラ19(後述)との対向方向(
図3参照)と同一方向である。
【0067】
各開口27は、
図4に示すように、その下側部分の供給ローラ軸露出溝29と、その上側部分の現像ローラ軸露出溝28とから区画されている。
【0068】
各供給ローラ軸露出溝29は、
図5に示すように、側面視略矩形状に形成され、その下端縁が、第2端の一例としての閉鎖縁33として形成されている。供給ローラ軸露出溝29の各辺の長さは、供給ローラ軸18(後述)の供給ローラ軸露出部分80(後述)の軸径よりも長く形成されている。
【0069】
各現像ローラ軸露出溝28は、供給ローラ軸露出溝29の上端縁から連続して形成されており、その後端縁が、第1端の一例としての開放縁34として形成されている。つまり、閉鎖縁33と開放縁34とは、第2方向Xにおける開口27の両端部に配置されている。
【0070】
詳しくは、左側の側壁35に形成される現像ローラ軸露出溝28(左側の現像ローラ軸露出溝28)は、左現像軸露出部分82(後述)の外周面に沿う略円形状に形成され、その下側部分が切り欠かれて、供給ローラ軸露出溝29と連通されている。また、左側の現像ローラ軸露出溝28の溝径は、現像ローラ軸16(後述)の左現像軸露出部分82(後述)の軸径よりも大径に形成されている(
図8参照)。
【0071】
右側の側壁35に形成される現像ローラ軸露出溝28(右側の現像ローラ軸露出溝28)は、
図5に示すように、供給ローラ軸露出溝29の後端縁の上端部から後上方へ延びる後下端縁と、供給ローラ軸露出溝29の前端縁の上端部から後上方へ延びるとともに、前上方に窪むように形成される前上端縁とから形成されている。また、右側の現像ローラ軸露出溝28の溝幅は、当接部材100(後述)の外径よりも大径に形成されている。
【0072】
また、右側の現像ローラ軸露出溝28には、保持部85が形成されている。
【0073】
保持部85は、右側の現像ローラ軸露出溝28の後下端縁および前上端縁の左側部分から、前後方向内方へ突出する略平板形状に形成されている(
図4参照)。各保持部85の第2方向X中央部分は、右現像軸露出部分81(後述)の外周面に沿う略円弧形状に形成されている。詳しくは、前側の保持部85は、その第2方向X中央部分が前上側に窪むように形成され、後側の保持部85は、その第2方向X中央部分が後下側に窪むように形成されている。
【0074】
また、右側の側壁35には、
図8に示すように、トナー充填口98が形成されている。トナー充填口98は、側壁35の前側部分において、側面視略円形状に形成されている。
【0075】
底壁36は、
図3に示すように、その前側部分が湾曲壁40および屈曲壁41から連続して形成され、その後側部分が円弧壁42およびリップ部43から連続して形成されている。
【0076】
湾曲壁40は、アジテータ12(後述)の回転軌跡に沿う略円弧形状に形成されている。
【0077】
屈曲壁41は、上方に凸となるように屈曲して形成されており、湾曲壁40の前端部から前方へ向かうに従って上方に傾斜した後、屈曲して、前方へ向かうに従って下方に傾斜するように形成されている。
【0078】
円弧壁42は、供給ローラ13(後述)の回転軌跡に沿って略円弧形状に形成されている。
【0079】
リップ部43は、後方に向かって突出する側面視略T字状に形成され、円弧壁42の後端部から連続して形成されている。
【0080】
底壁36における前側部分と後側部分とは、湾曲壁40の後端部と円弧壁42の前端部とが連結されることにより、連続している。
【0081】
また、底壁36における前側部分と後側部分との間には、湾曲壁40および円弧壁42から連続して延び、上方に突出する区画壁45が形成されている。すなわち、区画壁45は、左右方向に延びるように形成され(
図4参照)、上フレーム32に向けて突出している。
【0082】
区画壁45の遊端部は、上フレーム32の後側上壁53(後述)の下面と、上下方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0083】
また、底壁36には、複数(2つ)の固定部46(
図6参照)と、複数(2つ)の受入部50(
図4参照)とが形成されている。
【0084】
各固定部46は、
図6に示すように、区画壁45の前側に隣接し、左右方向に互いに間隔を隔てて配置されている。各固定部46は、湾曲壁40から上方に向かって立設される略円筒形状に形成され、その遊端部は、後側上壁53(後述)から突出している(
図4参照)。
【0085】
各受入部50は、
図4に示すように、右供給軸露出部分79(後述)および左供給軸露出部分80(後述)に対応するように、両側壁35から左右方向内方にそれぞれ間隔を隔てて配置されている。各受入部50は、円弧壁42から後上方へ向かって突出する略平板形状に形成されている。そして、各受入部50は、左右方向に投影したときに、供給ローラ軸露出溝29の閉鎖縁33と重なるように配置されている(
図5参照)。
【0086】
各受入部50には、供給ローラ軸18(後述)を受け入れる受入溝51が形成されている。
【0087】
受入溝51は、後上方に開放されるように、第2方向Xに沿って窪む側面視略U字状に形成されている。
【0088】
各受入溝51のうち、右側の受入部50に形成される受入溝51は、
図5に示すように、その下側部分が幅狭溝54として区画され、その上側部分が幅広溝55として区画されている。
【0089】
幅狭溝54は、側面視略U字状に形成され、その溝幅が、左側の受入溝51の溝幅よりも短く、供給ローラ軸18(後述)の供給軸小径部70(後述)の軸径よりも長く形成されている。
【0090】
幅広溝55は、幅狭溝54の両端部(開放側端部)から連続して、左右方向外方に屈曲した後、第2方向Xに沿って延びるように形成されている。幅広溝55の溝幅は、幅狭溝54の溝幅よりも長く、左側の受入溝51の溝幅と略同じ長さである。また、幅広溝55の溝幅は、供給ローラ軸18(後述)の外径と略同じ長さである。
【0091】
前壁37は、
図3に示すように、その下側部分が、屈曲壁41の前端部から連続して形成され、上方へ向かうに従って前方へ傾斜するように形成され、その上側部分が、下側部分の上端部から連続して上方へ向かって延びるように形成されている。
【0092】
また、前壁37の上端部には、第2被当接部57が形成されている。第2被当接部57は、
図6に示すように、前壁37の上端から連続して、前方に延びる略平板形状に形成されている。
(2−2)上フレーム
上フレーム32は、
図4に示すように、前側上壁52と、後側上壁53とを一体的に備えている。
【0093】
前側上壁52は、膨出部58と、当接部62とを備えている。
【0094】
膨出部58は、前側上壁52の中央部分において、上側に膨出するように形成されている。
【0095】
当接部62は、略平板形状に形成され、膨出部58を囲むように、膨出部58の左右両側および前側に設けられている。また、当接部62は、上フレーム32が下フレーム31に組み合わされときに、第1被当接部56および第2被当接部57と対応するように、形成されている。
【0096】
後側上壁53は、
図3に示すように、前側上壁52の後端部から連続して後方に延びる略平板形状に形成されている。
(2−3)現像フレーム
そして、後述するように、下フレーム31と上フレーム32とが組み合わされると、現像フレーム30は、区画壁45よりも前側空間が、トナー収容室38として区画され、区画壁45よりも後側空間が、現像室39として区画される。
(2−4)トナー収容室
トナー収容室38には、
図3に示すように、現像剤の一例としてのトナーが充填されており、また、前後方向および上下方向中央に、アジテータ12が設けられている。
【0097】
アジテータ12は、両側壁35に回転可能に支持される回転軸83と、その回転軸83に設けられる攪拌羽84とを備えている。
【0098】
攪拌羽84は、可撓性のフィルム材料からなり、回転軸83の径方向外方に向かって延びるように、回転軸83に固定されている。
【0099】
そして、アジテータ12は、回転軸83が両側壁35に支持されることにより、現像フレーム30に回転自在に支持されている。
(2−5)現像室
現像室39には、後方に向かって開放される開口部69が形成されている。具体的には、開口部69は、両側壁35の後端部、リップ部43の後端部、および、後側上壁53の後端部により区画されている。
【0100】
また、現像室39には、現像ローラ6と、供給ローラ13と、層厚規制ブレード14とが設けられている。
【0101】
現像ローラ6は、開口部69から後側および上側が露出するように、現像室39の後端部に配置されている。
【0102】
現像ローラ6は、
図7に示すように、第1回転軸の一例としての現像ローラ軸16と、現像剤担持部の一例としてのゴムローラ17とを備えている。
【0103】
ゴムローラ17は、現像ローラ軸16の左右両端部が露出するように、現像ローラ軸16を被覆して設けられている。
【0104】
現像ローラ軸16は、左右方向(第1方向)に延びるように配置され、ゴムローラ17から露出する左端部が、左現像軸露出部分82として区画され、ゴムローラ17から露出する右端部が、右現像軸露出部分81として区画されている。右現像軸露出部分81の左右方向長さは、左現像軸露出部分82の左右方向長さよりも短く形成されている。
【0105】
右現像軸露出部分81には、
図8に示すように、係合溝99が形成されている。
【0106】
係合溝99は、保持部85に対応する部分を左右方向に挟むように1対形成され、現像ローラ軸16の外周面から径方向内方に窪むように形成されている。
【0107】
また、1対の係合溝99には、それぞれの係合溝99に対応して、当接部材100が設けられている。すなわち、当接部材100は、1対設けられている。
【0108】
各当接部材100は、上方に向かって開放される側面視略C字状の略平板形状に形成され、その遊端部は、鉤状部101として形成されている。鉤状部101は、現像ローラ軸16の径方向内方へ屈曲する側面視略鉤状に形成されている。そして、1対の当接部材100は、各鉤状部101が対応する係合溝99と係合することにより、左右方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。
【0109】
そして、現像ローラ6は、後で詳述するが、現像ローラ軸16が両側壁35に回転自在に支持されることにより、現像フレーム30に回転可能に設けられている。
【0110】
供給ローラ13は、
図3に示すように、現像ローラ6の前下側において、円弧壁42内に配置されている。
【0111】
供給ローラ13は、
図6に示すように、第2回転軸の一例としての供給ローラ軸18と、供給部の一例としてのスポンジローラ19とを備えている。
【0112】
スポンジローラ19は、ゴムローラ17にトナーを供給するために設けられ、供給ローラ軸18の左右両端部が露出するように、供給ローラ軸18を被覆して設けられている。
【0113】
供給ローラ軸18は、左右方向に延びるように配置され、スポンジローラ19から露出する左端部が、左供給軸露出部分80として区画され、スポンジローラ19から露出する右端部が、右供給軸露出部分79として区画されている。右供給軸露出部分79の左右方向長さは、左供給軸露出部分80の左右方向長さよりも短く形成されている。
【0114】
右供給軸露出部分79には、第1小径部の一例としての供給軸小径部70が形成されている。
【0115】
供給軸小径部70は、右側の受入部50の幅狭溝54と対応する部分において、供給ローラ軸18の外周面から径方向内方に窪むように形成されている。供給軸小径部70の軸径は、左供給軸露出部分80の軸径よりも小径に形成されている。
【0116】
供給ローラ13は、後で詳述するが、ゴムローラ17とスポンジローラ19とが対向接触するように配置され、供給ローラ軸18の左右両端部が両側壁35に回転自在に支持されることにより、現像フレーム30に回転可能に設けられている。
【0117】
層厚規制ブレード14は、
図3に示すように、その後端部が上側からゴムローラ17と接触するように、各固定部46の遊端部に固定されている。
【0118】
また、現像室39には、
図6および
図7に示すように、2つの第1サイドシール部材59と、2つの第2サイドシール部材60と、2つの軸受部材61とが設けられている。
【0119】
第1サイドシール部材59は、各供給ローラ軸露出溝29に対応して設けられている。各第1サイドシール部材59は、側面視略矩形状に形成され、その中央部分には、供給ローラ軸18の通過を許容するように、左右方向に沿って貫通する貫通穴63が形成されている。
【0120】
そして、各第1サイドシール部材59は、後で詳述するが、貫通穴63に供給ローラ軸18の左右両端部が挿通され、各受入部50と、対応する側壁35との間に配置されている。
【0121】
第2サイドシール部材60は、ゴムローラ17の外周面に沿う側面視略C字形状に形成されている。
【0122】
そして、各第2サイドシール部材60は、後で詳述するが、対応する各第1サイドシール部材59の上側において、供給ローラ軸18の左右両端部とゴムローラ17の左右両端部との間に挟まれるように配置されている。
【0123】
2つの軸受部材61は、
図7に示すように、摺動性に優れる樹脂材料(例えば、導電性ポリアセタール樹脂材料)から側面視略矩形状の平板形状に形成されている。すなわち、軸受部材61は現像フレーム30とは別部材として形成されている。
【0124】
2つの軸受部材61は、右側の側壁35に対応する、第1軸受部材の一例としての右軸受部材66と、左側の側壁35に対応する、第2軸受部材の一例としての左軸受部材65とを備えている。
【0125】
右軸受部材66は、現像ローラ軸支持穴86と、被覆部の一例としての現像ローラ軸カラー87と、供給ローラ支持部88とを有している。
【0126】
現像ローラ軸支持穴86は、右軸受部材66の後上側部分において、側面視略円形状に貫通形成されている。現像ローラ軸支持穴86の穴径は、右現像軸露出部分81の軸径と略同径(わずかに大径)に形成されている。
【0127】
現像ローラ軸カラー87は、現像ローラ軸支持穴86の周端部から右方へ突出する略円筒形状に形成されている。
【0128】
供給ローラ支持部88は、現像ローラ軸支持穴86の前下側において、右軸受部材66の左面から左方へ突出する略円筒形状に形成されている。供給ローラ支持部88の内径は、右供給軸露出部分79の外径と略同径(わずかに大径)に形成されている。
【0129】
左軸受部材65には、現像ローラ軸支持穴72と、供給ローラ軸支持穴73とが形成されている。
【0130】
現像ローラ軸支持穴72は、左軸受部材65の後上側部分において、側面視略円形状に貫通形成されている。現像ローラ軸支持穴72の穴径は、左現像軸露出部分82の外径と略同径(わずかに大径)に形成されている。
【0131】
供給ローラ軸支持穴73は、現像ローラ軸支持穴72の前下側において、側面視略円形状に貫通形成されている。供給ローラ軸支持穴73の穴径は、左供給軸露出部分80の外径と略同径(わずかに大径)に形成されている。
【0132】
そして、後で詳述するが、左軸受部材65は左側の側壁35に、右軸受部材66は右側の側壁35にそれぞれ外側から嵌合している。
3.現像カートリッジの組み立て
次に、現像カートリッジ23の組み立てについて説明する。
(1)下フレームに対する供給ローラの組み付け
現像カートリッジ23を組み立てるには、
図6に示すように、上記した供給ローラ13および下フレーム31を用意して、下フレーム31に供給ローラ13を組み付ける。
【0133】
下フレーム31に供給ローラ13を組み付けるには、まず、左供給軸露出部分80が左側の開口27の後上側に配置されるとともに、右供給軸露出部分79が右側の開口27の後上側にそれぞれ配置されるように、供給ローラ13を下フレーム31の後上側に配置する。
【0134】
そして、左供給軸露出部分80および右供給軸露出部分79が、各現像ローラ軸露出溝28(開放縁34間)を通過し、各供給ローラ軸露出溝29まで到達するように、供給ローラ13を第2方向Xに沿って移動させる。
【0135】
そうすると、供給ローラ13の移動に伴ない、左供給軸露出部分80および右供給軸露出部分79が、対応する開口27内を移動する。
【0136】
そして、供給ローラ13が円弧壁42内の所定位置に配置されると、左供給軸露出部分80が左側の受入部50の受入溝51内に配置され、右供給軸露出部分79の供給軸小径部70が右側の受入部50の幅狭溝54内に配置される。これにより、供給軸小径部70と幅狭溝54とが係合し、供給ローラ13が下フレーム31に対して位置決めされる。
【0137】
以上により、供給ローラ13の下フレーム31に対する組み付けが完了する。
【0138】
このとき、左供給軸露出部分80は、左側の供給ローラ軸露出溝29に挿通され、側壁35から左方に突出し、右供給軸露出部分79は、右側の供給ローラ軸露出溝29に挿通され、側壁35から右方へ突出している。そして、供給ローラ軸18は、左右方向に投影すると、供給ローラ軸露出溝29内に配置されている。
(2)下フレームに対する第1サイドシール部材59および第2サイドシール部材60の組み付け
次に、供給ローラ13が組み付けられた下フレーム31に、第1サイドシール部材59および第2サイドシール部材60を組み付ける。
【0139】
下フレーム31に、第1サイドシール部材59および第2サイドシール部材60を組み付けるには、
図6に示すように、まず、第1サイドシール部材59を下フレーム31に組み付ける。
【0140】
第1サイドシール部材59を下フレーム31に組み付けるには、左供給軸露出部分80および右供給軸露出部分79と、各第1サイドシール部材59の貫通穴63とが対応するように、各供給ローラ軸露出溝29の左右方向外側に、各第1サイドシール部材59をそれぞれ配置する。
【0141】
そして、各第1サイドシール部材59を、左右方向に沿って、現像室39内の各受入部50の左右方向外側面と当接するまで、それぞれ挿入する。
【0142】
このとき、各第1サイドシール部材59の貫通穴63には、左供給軸露出部分80および右供給軸露出部分79がそれぞれ挿通される。
【0143】
次いで、各第1サイドシール部材59の上側に、第2サイドシール部材60をそれぞれ配置する。
【0144】
以上により、第1サイドシール部材59および第2サイドシール部材60の下フレーム31に対する組み付けが完了する。
(4)下フレームに対する現像ローラの組み付け
次に、下フレーム31に現像ローラ6を組み付ける。
【0145】
下フレーム31に現像ローラ6を組み付けるには、
図7に示すように、左現像軸露出部分82が左側の現像ローラ軸露出溝28の後上側に配置されるともに、右現像軸露出部分81が右側の現像ローラ軸露出溝28の後上側に配置されるように、現像ローラ6を下フレーム31の後上側に配置する。
【0146】
そして、左現像軸露出部分82および右現像軸露出部分81が、開放縁34間を通過し、ゴムローラ17とスポンジローラ19とが当接するまで、現像ローラ6を第2方向Xに沿って移動させる。
【0147】
詳しくは、右現像軸露出部分81の1対の当接部材100が、各保持部85を左右方向両側から挟むように、右現像軸露出部分81を右側の現像ローラ軸露出溝28に、後上側から挿入する。また、左現像軸露出部分82を左側の現像ローラ軸露出溝28に、後上側から挿入する。
【0148】
これにより、1対の当接部材100は、
図8に示すように、各保持部85の左右方向両側を挟むように配置され、各当接部材100の左右方向内側面は、各保持部85の左右方向両面と当接される。
【0149】
以上により、現像ローラ6の下フレーム31に対する組み付けが完了する。
【0150】
このとき、現像ローラ軸16は、供給ローラ軸18よりも、開放縁34の近くに配置されており、左右方向に投影すると、現像ローラ軸露出溝28内に配置されている。
【0151】
また、各第2サイドシール部材60は、それぞれ、供給ローラ軸18の左供給軸露出部分80と現像ローラ軸16の左端部との間、および、右供給軸露出部分79と現像ローラ軸16の右端部との間に挟まれるように配置されている。
(5)下フレームに対する軸受部材の組み付け
次に、下フレーム31に軸受部材61を組み付ける。
【0152】
詳しくは、
図7に示すように、左側の側壁35に左軸受部材65を、右側の側壁35に右軸受部材66をそれぞれ、左右方向外側から組み付ける。
【0153】
左側の側壁35に左軸受部材65を組み付けるには、左供給軸露出部分80が供給ローラ軸支持穴73に挿通されるとともに、左現像軸露出部分82が現像ローラ軸支持穴72に挿通されるように、側壁35の左側から左軸受部材65を側壁35に組み付ける。
【0154】
また、右側の側壁35に右軸受部材66を組み付けるには、右供給軸露出部分79が供給ローラ支持部88に挿通されるとともに、右現像軸露出部分81が現像ローラ軸支持穴86および現像ローラ軸カラー87に挿通されるように、側壁35の右側から右軸受部材66を組み付ける。
【0155】
そうすると、
図2および
図7に示すように、右現像軸露出部分81の右側部分が、現像ローラ軸カラー87に被覆される。
【0156】
このとき、
図7に示すように、左軸受部材65の上端縁と、左側の側壁35の上側鍔部67とが上下方向において対向している。同様に、右軸受部材66の上端縁と、右側の側壁35の上側鍔部67とも上下方向において対向している。
【0157】
また、右軸受部材66の後端縁の下側部分と下側鍔部67の後側部分とが前後方向に対向し、右軸受部材66の下端縁と下側鍔部67の下側部分とが、上下方向に対向している(
図8参照)。
【0158】
以上により、各軸受部材61の下フレーム31に対する組み付けが完了する。
【0159】
これにより、左供給軸露出部分80が供給ローラ軸支持穴73に、右供給軸露出部分79が供給ローラ支持部88にそれぞれ回転可能に支持される。
【0160】
また、左現像軸露出部分82が現像ローラ軸支持穴72に、右現像軸露出部分81が現像ローラ軸支持穴86にそれぞれ回転可能に支持される。なお、現像ローラ軸支持穴86よりも右側に突出する右現像軸露出部分81は、現像ローラ軸カラー87により被覆される。
(6)下フレームに対する上フレームおよび層厚規制ブレードの組み付け
次に、
図2および
図4に示すように、下フレーム31に上フレーム32を組み付ける。
【0161】
下フレーム31に上フレーム32を組み付けるには、上フレーム32の当接部62と、下フレーム31の第1被当接部56および第2被当接部57とを一致させるように、上フレーム32を、下フレーム31に対して上方から重ね合わせる。
【0162】
そして、当接部62と、第1被当接部56および第2被当接部57とを溶着する。
【0163】
これにより、下フレーム31および上フレーム32が組み付けられて、現像フレーム30が形成される。このとき、下フレーム31の各固定部46は、後側上壁53から突出している(
図4参照)。なお、現像カートリッジ23の組み立てにおいて、まず、下フレーム31に上フレーム32を組み付けて、現像フレーム30を形成し、その後、上記したように、供給ローラ13、第1サイドシール部材59、第2サイドシール部材60、現像ローラ6、および、軸受部材61を順次組み付けることもできる。
【0164】
次に、層厚規制ブレード14を各固定部46に固定する。
【0165】
以上により、現像カートリッジ23の組み立てが完了する。
【0166】
そして、トナー充填口98を介してトナー収容室38にトナーを充填してから、トナー充填口98にキャップ(図示せず)を圧入して、トナー収容室38にトナーを封入する。
4.作用効果
(1)現像カートリッジ23では、
図4に示すように、1対の両側壁35に、開口27が形成されている。
【0167】
開口27は、
図5に示すように、第2方向Xに延びており、その上端縁が開放縁34として開放されており、その下端縁が閉鎖縁33として閉鎖されている。
【0168】
そのため、
図6に示すように、供給ローラ13を下フレーム31に組み付けるときに、左供給軸露出部分80および右供給軸露出部分79が、それぞれ対応する開口27の現像ローラ軸露出溝28に通過し、各閉鎖縁33に向かうように、供給ローラ13を下フレーム31に挿入することができる。
【0169】
その結果、供給ローラ13の下フレーム31に対する組み付け作業の効率化を図ることができる。
【0170】
従って、現像カートリッジ23は、簡易な構成でありながら、供給ローラ13の下フレーム31に対する組み付け作業の効率化を図ることができ、現像カートリッジ23の生産効率の向上を図ることができる。
(2)また、下フレーム31は、
図4に示すように、底壁36を備えている。底壁36には、受入溝51が形成される受入部50が設けられている。
【0171】
そのため、供給ローラ13が下フレーム31に組み付けられたときに、
図6に示すように、供給ローラ軸18が受入溝51に受け入れられる。
【0172】
その結果、供給ローラ13を下フレーム31の所定位置に円滑に位置させることができるので、供給ローラ13の下フレーム31に対する組み付け作業のさらなる効率化を図ることができる。
【0173】
また、供給ローラ13を下フレーム31に対して精度よく位置決めすることができるので、簡易な構成でありながら、現像ローラ6と供給ローラ13との相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
(3)また、供給ローラ軸18の左右両端部は、それぞれ左供給軸露出部分80および右供給軸露出部分79として区画されている。右供給軸露出部分79には、供給軸小径部70が形成されている。また、受入部50は、両側壁35から左右方向内方に、それぞれ間隔を隔てて配置されており、右側の受入部50には、
図5に示すように、幅狭溝54が形成されている。
【0174】
そして、供給ローラ13が下フレーム31に組み付けられたときに、
図6に示すように、供給軸小径部70が幅狭溝54と係合する。その結果、供給ローラ軸18を下フレーム31に対して、左右方向に位置決めでき、供給ローラ13を下フレーム31の所定位置に円滑に位置させることができる。
【0175】
従って、供給ローラ13の下フレーム31に対する組み付け作業の効率化を図ることができる。
【0176】
また、供給ローラ13の左右方向の移動が規制されるので、供給ローラ13が現像フレーム30から抜け落ちることを防止できる。
(4)また、右現像軸露出部分81には、
図8に示すように、1対の当接部材100が設けられている。
【0177】
そして、1対の当接部材100は、現像ローラ6が下フレーム31に組み付けられたときに、各保持部85を左右方向両側から挟むように、配置されている。
【0178】
そして、各保持部85の左右両面と、各当接部材100の左右方向内側面とは、当接されている。そのため、現像ローラ軸16を下フレーム31に対して、左右方向に位置決めできる。その結果、現像ローラ6を下フレーム31内の所定位置に円滑に位置させることができる。
【0179】
従って、現像ローラ6の下フレーム31に対する組み付け作業の効率化を図ることができながら、ゴムローラ17とスポンジローラ19との相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
【0180】
また、現像ローラ軸16の左右方向の移動が規制されるので、現像ローラ6が現像フレーム30から抜け落ちることを防止できる。
(5)また、現像カートリッジ23は、
図7に示すように、左軸受部材65および右軸受部材66を備えている。また、左軸受部材65および右軸受部材66は、摺動性に優れる導電性ポリアセタール樹脂材料から形成されている。
【0181】
そのため、現像ローラ6および供給ローラ13の円滑な回転駆動を許容することができ、かつ、ゴムローラ17とスポンジローラ19との相対的な位置関係を一定に維持することができる。
(6)また、右軸受部材66は、現像ローラ軸カラー87を備えている。
【0182】
そして、現像ローラ軸カラー87は、右軸受部材66が下フレーム31に組み付けされたときに、
図2および
図7に示すように、右現像軸露出部分81の右側部分を被覆する。
【0183】
そのため、右軸受部材66が、右現像軸露出部分81を確実に支持することができる。
【0184】
その結果、ゴムローラ17とスポンジローラ19との相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
(7)また、1対の側壁35は、
図7に示すように、上側鍔部67を備えている。
【0185】
上側鍔部67は、軸受部材61が対応する側壁32に組み付けられたときに、各軸受部材61の上端縁と上下方向に対向する。
【0186】
そのため、軸受部材61が側壁35に組み付けられると、側壁35の強度の向上を図ることができる。その結果、下フレーム31の強度の向上を図ることができる。
【0187】
従って、簡易な構成でありながら、供給ローラ13の下フレーム31に対する組み付け作業の効率化を図ることができるとともに、下フレーム31の強度の向上を図ることができる。
5.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0188】
図9(a)は、本発明の現像カートリッジの第2実施形態における下フレームの右側面図、
図9(b)は、本発明の現像カートリッジの第2実施形態における現像ローラの平面図、
図9(c)は、
図9(a)に示す下フレームに、
図9(b)に示す現像ローラが組み付けられた状態における、下フレームの右端部の拡大図である。
【0189】
図9において、
図1〜
図8に示す各部に対応する部分には、それらの各部と同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0190】
第1実施形態では、
図8に示すように、右現像軸露出部分81が、1対の当接部材100を備えたが、本発明の第2実施形態では、
図9(b)に示すように、右現像軸露出部分81に、第2小径部の一例としての現像軸小径部90が形成されている。
【0191】
現像軸小径部90は、右現像軸露出部分81から径方向内方に窪むように形成されている。現像軸小径部90の軸径は、左現像軸露出部分82の軸径よりも小径に形成されている。
【0192】
そして、現像軸小径部90は、
図9(c)に示すように、保持部91に保持されている。
【0193】
保持部91は、
図9(a)に示すように、右側の現像ローラ軸露出溝28の後下端縁および前上端縁の左側部分から、前後方向内方へ突出する略平板形状に形成されている。
【0194】
各保持部91の前後方向内側縁は、それぞれ第2方向Xに沿って直線的に延びるように形成されている。各保持部91の第2方向Xおよび左右方向と直交する方向における間隔は、現像軸小径部90の軸径と略同径に形成されている。
【0195】
そのため、現像ローラ6が下フレーム31に組み付けられたときに、各保持部材91と現像軸小径部90とが係合する。
【0196】
その結果、
図9(b)に示すように、右現像軸露出部分81が各保持部材91に保持され、現像ローラ軸16を下フレーム31に対して、左右方向に位置決めできる。
【0197】
つまり、本発明の第2実施形態では、部品点数の低減を図ることができながら、現像ローラ6を下フレーム31内の所定位置に円滑に位置させることができる。また、現像ローラ6を下フレーム31に対して精度よく位置決めすることができる。
【0198】
その結果、現像ローラ6の下フレーム31に対する組み付け作業の効率化を図ることができながら、ゴムローラ17とスポンジローラ19との相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
【0199】
また、現像ローラ6の左右方向の移動が規制されるので、現像ローラ6が現像フレーム30から抜け落ちることを防止できる。
6.第3実施形態、第4実施形態および第5実施形態
次に、本発明の第3実施形態、第4実施形態および第5実施形態について説明する。
【0200】
図10(a)は、本発明の現像カートリッジの第3実施形態における供給ローラの平面図、
図10(b)および
図10(c)は、本発明の現像カートリッジの第4実施形態および第5実施形態における現像ローラの平面図である。
【0201】
図10において、
図1〜
図9に示す各部に対応する部分には、それらの各部と同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0202】
第1実施形態では、
図6に示すように、右供給軸露出部分79に供給軸小径部70が形成され、
図5に示すように、右側の受入溝51に、供給軸小径部70と係合する幅狭溝54が形成されている。
【0203】
これに対して、本発明の第3実施形態では、
図10(a)に示すように、右供給軸露出部分79に供給軸小径部70が形成されておらず、右側の受入溝51に幅狭溝54も形成されていない。
【0204】
一方、供給ローラ13が下フレーム31に組み付けられた状態において、スポンジローラ19の右端部が、右側の受部50の左面と当接している。そのため、供給ローラ13を下フレーム31に対して左右方向に位置決めできる。
【0205】
その結果、本発明の第3実施形態によっても、上記した作用効果を奏することができる。
【0206】
また、本発明の第4実施形態では、
図10(b)に示すように、現像ローラ6が下フレーム31に組み付けられた状態において、ゴムローラ17の右端部が、保持部材91の左面と当接している。
【0207】
そのため、現像ローラ6を下フレーム31に対して、左右方向に確実に位置決めできる。
【0208】
その結果、本発明の第4実施形態によっても、上記した作用効果を奏することができる。
【0209】
また、本発明の第5実施形態では、
図10(c)に示すように、右現像軸露出部分81に、1つの当接部材100が設けられており、現像ローラ6が下フレーム31に組み付けられた状態において、当接部材100とゴムローラ17の右端部とが、保持部85を挟むように配置されている。つまり、当接部材100の左端面と、保持部85の右面とが当接されるとともに、ゴムローラ17の右端面と保持部85の左面とが当接される。
【0210】
そのため、現像ローラ6を下フレーム31に対して、左右方向に確実に位置決めできる。
【0211】
その結果、本発明の第5実施形態によっても、上記した作用効果を奏することができる。
【0212】
なお、これら第1〜第5実施形態は、適宜組み合わせることができる。