(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1カプラ、前記第2カプラ、前記第1マッハツェンダ型干渉計及び前記第2マッハツェンダ型干渉計は、同一の電気光学結晶基板に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光変調器。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この光変調器の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下の各実施例の説明においては、同様の構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0010】
図1は、実施例にかかる光変調器の一例を示す図である。
図1に示すように、光変調器1は、第1カプラ2、第1マッハツェンダ型干渉計3、第2マッハツェンダ型干渉計4及び第2カプラ5を備えている。
【0011】
第1カプラ2は、光変調器1への入力光を2分岐させて第1の出力光及び第2の出力光を出力する。第1マッハツェンダ型干渉計3は、第1カプラ2から出力される第1の出力光の強度を変調して第3の出力光を出力する。第2マッハツェンダ型干渉計4は、第1カプラ2から出力される第2の出力光の強度を変調して第4の出力光を出力する。
【0012】
第1マッハツェンダ型干渉計3及び第2マッハツェンダ型干渉計4において、平行な2本の光導波路の近傍または上には、図示省略する信号電極及び接地電極を有するコプレーナ電極が形成されている。第2カプラ5は、第1マッハツェンダ型干渉計3から出力される第3の出力光及び第2マッハツェンダ型干渉計4から出力される第4の出力光を結合し、結合された光を2分岐させて第5の出力光及び第6の出力光を出力する。
【0013】
図2は、実施例にかかる光変調器におけるカプラの一例を示す図である。
図2に示すように、カプラ11は、第1入射導波路12、第2入射導波路13、分岐部14、第1出射導波路15及び第2出射導波路16を備えている。第1入射導波路12、第2入射導波路13、第1出射導波路15及び第2出射導波路16は、分岐部14に連結されている。
【0014】
第1入射導波路12及び第2入射導波路13は、図示しない前段の光デバイスや光回路から伝達されてくる光信号を分岐部14へ導く。分岐部14は、第1入射導波路12から入力する光信号を分岐させて第1出射導波路15と第2出射導波路16とへ出力する。あるいは、分岐部14は、第1入射導波路12から入力する光信号と第2入射導波路13から入力する光信号とを結合し、その結合光を分岐させて第1出射導波路15と第2出射導波路16とへ出力する。第1出射導波路15及び第2出射導波路16は、分岐部14から出力される光信号を図示しない後段の光デバイスや光回路へ導く。
【0015】
カプラ11では、対称モードの光信号と非対称モードの光信号とが伝搬する。カプラ11の分岐比は、カプラ11を伝搬する対称モードの光信号と非対称モードの光信号との位相差により決まる。この位相差は、カプラ11の作用長L、すなわち分岐部14の長さまたは、カプラ11の幅Wによって決まる。つまり、カプラ11の分岐比は、カプラ11の作用長L、すなわち分岐部14の長さ、またはカプラ11の幅Wによって決まる。
【0016】
図3は、
図2に示すカプラの分岐比の作用長依存性を示す特性図である。
図3に示すように、カプラ11の分岐比、すなわちカプラ11において第1出射導波路15へ出力される光信号と第2出射導波路16へ出力される光信号との強度比は、カプラ11の作用長L、すなわち分岐部14の長さに依存する。
【0017】
図4は、
図2に示すカプラの分岐比の波長依存性を示す特性図である。
図4に示すように、カプラ11の作用長Lを適当に選択することによって、作用長LがL1であるときとL2であるときとで、光信号の波長の変化に対するカプラ11の分岐比の変化の傾向が反対の関係になる。
【0018】
ここで、L1は、例えば、
図3に示す特性図において、光信号の波長がλbであるときにカプラ11の分岐比が極小となるときの作用長よりも短くてもよい。そして、L2(L1<L2)は、例えば、
図3に示す特性図において、光信号の波長がλa(λa<λb)であるときにカプラ11の分岐比が極小となるときの作用長よりも長くてもよい。
【0019】
例えば、
図1に示す光変調器1において、第1カプラ2または第2カプラ5として
図2に示すカプラ11を用いることができる。この場合、例えば、第1カプラ2の作用長をL1とし、第2カプラ5の作用長をL2としてもよいし、その反対でもよい。
【0020】
図1に示す光変調器1によれば、第1カプラ2で2分岐にされて第1カプラ2から出力される2つの光信号が、第1マッハツェンダ型干渉計3または第2マッハツェンダ型干渉計4を経由した後、第2カプラ5で結合される。それによって、第2カプラ5で2分岐にされて第2カプラ5から出力される光信号の、第1カプラ2への入力光に対するロスを小さくすることができる。
【0021】
また、
図1に示す光変調器1によれば、第1カプラ2の作用長L1と第2カプラ5の作用長L2とを適当に選択することによって、第1カプラ2の分岐比の波長依存性が第2カプラ5の分岐比の波長依存性によって相殺される。それによって、波長依存性のない光変調器1が得られる。
図1に示す光変調器1によれば、光変調器1への入力光に対して、例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調を行うことができる。
【0022】
なお、カプラ11は、
図2に示すように対称の構造であってもよいし、非対称の構造であってもよい。カプラ11が対称の構造である場合、分岐部14に連結される第1入射導波路12と第2入射導波路13との幅、及び第1出射導波路15と第2出射導波路16との幅が、それぞれ同じになる。それによって、カプラ11の設計が容易になり、製造時のプロセスばらつきが低減される。また、第1入射導波路12、第2入射導波路13、第1出射導波路15または第2出射導波路16は、
図2に示すように直線状であってもいし、曲線状であってもよい。
【0023】
図1に示す光変調器1において、第1カプラ2、第1マッハツェンダ型干渉計3、第2マッハツェンダ型干渉計4及び第2カプラ5は、同一の電気光学結晶基板に形成されていてもよい。電気光学結晶の一例として、例えばLiNbO
3(LN)結晶やLiTaO
2結晶を挙げることができる。LN結晶やLiTaO
2結晶からなる同一の電気光学結晶基板に光変調器1を形成することによって、生産性が高く、小型で低コストの光変調器を得ることができる。
【0024】
LN結晶やLiTaO
2結晶からなる基板を用いる場合、光変調器1は以下のようにして作製される。まず、結晶基板上の一部にTiなどの金属膜を形成し、熱拡散させることによって、結晶基板上に光導波路を形成する。あるいは、結晶基板に対してパターニングした後、例えば安息香酸中でプロトン交換することによって、光導波路を形成してもよい。しかる後、平行な2本の光導波路の近傍または上に信号電極及び接地電極を形成する。
【0025】
LN基板には、例えばXカット基板やZカット基板がある。例えば、ZカットLN基板を用いる場合、光導波路の上に信号電極及び接地電極が配置される。そして、Z方向の電界による光導波路の屈折率変化を利用して、平行な2本の光導波路を伝搬する2つの光信号に位相差が生じる。LN基板と信号電極及び接地電極との間には、バッファ層が設けられる。バッファ層があることによって、光信号が信号電極及び接地電極に吸収されずに光導波路中を伝搬することができる。
【0026】
バッファ層の一例として、例えば厚さが0.2μm〜2μm程度のSiO
2膜やTiO
2膜、またはSiO
2やTiO
2を混合したものを含む膜が挙げられる。なお、第1マッハツェンダ型干渉計3及び第2マッハツェンダ型干渉計4をLN結晶やLiTaO
2結晶などの電気光学結晶からなる光導波路で作製し、第1カプラ2及び第2カプラ5を例えば石英系光導波路で作製してもよい。
【0027】
例えば、光変調器1において、信号電極と接地電極とが、それぞれの終端が抵抗によって接続された進行波電極になっていてもよい。この場合、入力側からマイクロ波信号を印加し、電極の断面形状を変化させてマイクロ波の実効屈折率を制御し、光とマイクロ波との速度を整合させることによって、高速の光応答特性を得ることができる。
【0028】
図5は、実施例にかかる光変調器の別の例を示す図である。
図5に示す光変調器21は、
図1に示す光変調器1において、第1マッハツェンダ型干渉計3及び第2マッハツェンダ型干渉計4のそれぞれの平行な光導波路部分がさらにマッハツェンダ型干渉計となっているものである。
【0029】
すなわち、第1マッハツェンダ型干渉計3の2本の平行な光導波路部分において、一方の光導波路部分に第3マッハツェンダ型干渉計22が形成されており、他方の光導波路部分に第4マッハツェンダ型干渉計23が形成されている。第3マッハツェンダ型干渉計22及び第4マッハツェンダ型干渉計23において、光変調器21への入力光に対してQPSK変調を行うことができる。
【0030】
また、第2マッハツェンダ型干渉計4の2本の平行な光導波路部分において、一方の光導波路部分に第5マッハツェンダ型干渉計24が形成されており、他方の光導波路部分に第6マッハツェンダ型干渉計25が形成されている。第5マッハツェンダ型干渉計24及び第6マッハツェンダ型干渉計25において、光変調器21への入力光に対してQPSK変調を行うことができる。
【0031】
そして、第2カプラ5により、第1マッハツェンダ型干渉計3から出力される光信号と第2マッハツェンダ型干渉計4から出力される光信号とを結合することによって、光変調器21への入力光に対して16QAM(QAM:Quadrature Amplitude Modulation、直角位相振幅変調)を行うことができる。
図6に、16QAM信号のコンスタレーションマップを示す。
【0032】
図5に示す光変調器21において、
図1に示す光変調器1と同様に、第1カプラ2または第2カプラ5として
図2に示すカプラ11を用いることができる。この場合、例えば、第1カプラ2の作用長を上述したL1とし、第2カプラ5の作用長を上述したL2としてもよいし、その反対でもよい。また、第1カプラ2の幅Wと第2カプラ5の幅Wとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0033】
一例として、
図5に示す光変調器21において、例えば第1カプラ2の分岐比をa、第2カプラ5の分岐比をb、第1マッハツェンダ型干渉計3の出力光の強度をA、及び第2マッハツェンダ型干渉計4の出力光の強度をBとする。この場合、第2カプラ5から出力される第5の出力光の強度は、次の(1)式で表される。また、第2カプラ5から出力される第6の出力光の強度は、次の(2)式で表される。
【0034】
abA+(1−a)(1−b)B ・・・(1)
a(1−b)A+(1−a)bB ・・・(2)
【0035】
上記(1)式及び(2)式において、aが増大する波長ではbが減少する。従って、a及びbの波長特性を打ち消すことができる。第1カプラ2の分岐比は、作用長L1と幅Wに依存する。第2カプラ5の分岐比は、作用長L2と幅Wに依存する。例えば、L1/Wを28とし、L2/Wを50とすると、波長が1530nmである場合、aは0.63であり、bは0.70となる。また、波長が1610nmである場合、aは0.70であり、bは0.61となる。つまり、波長による出力光の強度の変動が抑えられる。従って、16QAMのコンスタレーションの波長特性が低減される。
【0036】
図5に示す光変調器21によれば、第1カプラ2で2分岐にされて第1カプラ2から出力される2つの光信号が、第1マッハツェンダ型干渉計3または第2マッハツェンダ型干渉計4を経由した後、第2カプラ5で結合される。それによって、第2カプラ5で2分岐にされて第2カプラ5から出力される光信号の、第1カプラ2への入力光に対するロスを小さくすることができる。従って、16QAM変調を行う光変調器21において、光変調器21から出力される光信号の、光変調器21へ入力する光信号に対するロスを小さくすることができる。
【0037】
また、第1カプラ2の作用長L1と第2カプラ5の作用長L2とを適当に選択することによって、第1カプラ2の分岐比の波長依存性が第2カプラ5の分岐比の波長依存性によって相殺される。それによって、波長依存性のない光変調器1が得られる。
【0038】
図7は、実施例にかかる光変調器の別の例を示す図である。
図7に示す光変調器31は、
図5に示す光変調器21において、第1カプラ2の作用長Lと第2カプラ5の作用長Lとを例えば同じ長さにし、第1カプラ2の幅W1と第2カプラ5の幅W2とを異なるようにしたものである。
【0039】
上述したように、カプラの分岐比は、作用長と幅に依存する。作用長を一定とすると、カプラの分岐比のカプラ幅依存性を示す特性図は、例えば
図3に示す特性図において横軸をカプラ幅Wとしたような特性図となる。また、カプラ幅Wを適当に選択した場合、カプラの分岐比の波長依存性を示す特性図は、例えば
図4に示すような特性図となる。従って、第1カプラ2の幅W1と第2カプラ5の幅W2とを適当に選択することによって、光信号の波長の変化に対する第1カプラ2の分岐比の変化の傾向と、光信号の波長の変化に対する第2カプラ5の分岐比の変化の傾向とが反対の関係になる。
【0040】
図7に示す光変調器31によれば、第1カプラ2の幅W1と第2カプラ5の幅W2とを異ならせることによって、波長依存性がなく、光変調器31から出力される光信号の、光変調器31へ入力する光信号に対するロスの小さい光変調器31が得られる。この光変調器31によって、16QAM変調を行うことができる。
【0041】
図8は、実施例にかかる光変調器の別の例を示す図である。
図8に示す光変調器41は、
図5に示す光変調器21において、第2マッハツェンダ型干渉計4が
図5に示す光変調器21の構成になっているものである。
【0042】
図8に示す光変調器41において、光変調器41への入力光を第1マッハツェンダ型干渉計3と第2マッハツェンダ型干渉計4とへ分岐させるカプラを第1カプラ2とする。また、第1マッハツェンダ型干渉計3の出力光と第2マッハツェンダ型干渉計4の出力光とを結合し、2分岐させて第5の出力光及び第6の出力光を出力するカプラを第2カプラ5とする。
【0043】
また、第2マッハツェンダ型干渉計4において、第2マッハツェンダ型干渉計4への入力光を2つのマッハツェンダ型干渉計対42,43へ分岐させるカプラを第3カプラ44とする。また、第2マッハツェンダ型干渉計4において、一方のマッハツェンダ型干渉計対42の出力光と他方のマッハツェンダ型干渉計対43の出力光とを結合し、2分岐させ、一方の出力光を第2カプラ5へ出力するカプラを第4カプラ45とする。
【0044】
図8に示す光変調器41において、
図1に示す光変調器1と同様に、第1カプラ2、第2カプラ5、第3カプラ44及び第4カプラ45として
図2に示すカプラ11を用いることができる。この場合、第1カプラ2の作用長と第2カプラ5の作用長とを適当に選択することによって、光信号の波長の変化に対する第1カプラ2の分岐比の変化の傾向と、光信号の波長の変化に対する第2カプラ5の分岐比の変化の傾向とが反対の関係になる。
【0045】
また、第3カプラ44の作用長と第4カプラ45の作用長とを適当に選択することによって、光信号の波長の変化に対する第3カプラ44の分岐比の変化の傾向と、光信号の波長の変化に対する第4カプラ45の分岐比の変化の傾向とが反対の関係になる。なお、第1カプラ2、第2カプラ5、第3カプラ44及び第4カプラ45のそれぞれの作用長を選択する代わりに、
図7に示す光変調器31のように、第1カプラ2、第2カプラ5、第3カプラ44及び第4カプラ45のそれぞれの幅を選択するようにしてもよい。
【0046】
図8に示す光変調器41によれば、波長依存性がなく、光変調器41から出力される光信号の、光変調器41へ入力する光信号に対するロスの小さい光変調器41が得られる。この光変調器41によって、64QAM変調を行うことができる。なお、
図8に示す光変調器41において、第1カプラ2、第2カプラ5、第3カプラ44及び第4カプラ45の作用長を適当に選択する代わりに、幅を適当に選択してもよい。
【0047】
図9は、実施例にかかる光変調器におけるカプラの別の例を示す図である。
図9に示すように、カプラ51は、2つの光導波路52,53が交差する交差導波路型のものである。カプラ51において、交差する2つの光導波路52,53のなす角度をθとする。
【0048】
カプラの分岐比の角度θ依存性を示す特性図は、例えば
図3に示す特性図において横軸を角度θとしたような特性図となる。また、角度θを適当に選択した場合、カプラの分岐比の波長依存性を示す特性図は、例えば
図4に示すような特性図となる。従って、例えば
図1に示す光変調器1において、第1カプラ2または第2カプラ5として
図9に示す交差導波路型のカプラ51を用いることができる。
【0049】
第1カプラ2(交差導波路型)の角度θと第2カプラ5(交差導波路型)の角度θとを適当に選択することによって、光信号の波長の変化に対する第1カプラ2の分岐比の変化の傾向と、光信号の波長の変化に対する第2カプラ5の分岐比の変化の傾向とが反対の関係になる。例えば
図5に示す光変調器21においても同様である。また、例えば
図8に示す光変調器41においては、第2マッハツェンダ型干渉計4内の第3カプラ44及び第4カプラ45についても同様である。
【0050】
図9に示すカプラ51によれば、このカプラ51を用いた光変調器1,21,31,41において、波長依存性がなく、光変調器1,21,31,41から出力される光信号の、光変調器1,21,31,41へ入力する光信号に対するロスの小さい光変調器1,21,31,41が得られる。
【0051】
図10は、実施例にかかる光変調器を用いた光送信装置の一例を示す図である。
図10に示すように、光送信装置61は、光変調器モジュール62及びデータ生成回路63を備えている。光変調器モジュール62は、例えば金属製のパッケージ内に上述したいずれかの光変調器1,21,31,41のチップを収めたものである。データ生成回路63は、光変調器のチップ上の電極に供給する信号を生成する。
【0052】
光変調器モジュール62には、例えば高周波用同軸コネクタがパッケージの壁を貫通するように取り付けられている。この高周波用同軸コネクタを利用して、データ生成回路63のドライバアンプからの出力電気信号が光変調器のチップ上の電極に供給される。光変調器モジュール62によって変調された光信号は、例えば光変調器モジュール62から、例えば光変調器モジュール62に接続された光ファイバ64へ出力される。
【0053】
図10に示す光送信装置61によれば、光変調器1,21,31,41で発生するロスが小さい。従って、光送信装置61は、高い強度の光信号を送信することができる。
【0054】
なお、
図1に示す光変調器1、
図5に示す光変調器21、
図7に示す光変調器31および
図8に示す光変調器41において、各カプラ2,5,44,45の作用長L及び幅Wの両方を適当に選択するようにしてもよい。また、同一の光変調器内に、作用長Lを適当に選択したカプラや、幅Wを適当に選択したカプラや、作用長Lと幅Wの両方を適当に選択したカプラが混在していてもよい。また、
図5に示す光変調器21と
図8に示す光変調器41との関係から明らかなように、
図5に示す光変調器21の構成を入れ子式にしていくことによって、64QAMを超えるQAM変調を行うことができる。
【0055】
上述した各実施例に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0056】
(付記1)入力光を2分岐させて第1の出力光及び第2の出力光を出力する第1カプラと、前記第1カプラから出力される前記第1の出力光の強度を変調して第3の出力光を出力する第1マッハツェンダ型干渉計と、前記第1カプラから出力される前記第2の出力光の強度を変調して第4の出力光を出力する第2マッハツェンダ型干渉計と、前記第1マッハツェンダ型干渉計から出力される前記第3の出力光及び前記第2マッハツェンダ型干渉計から出力される前記第4の出力光を結合し、結合された光を2分岐させて第5の出力光及び第6の出力光を出力する第2カプラと、を備え、前記第1カプラの分岐部の作用長及び前記第2カプラの分岐部の作用長は、前記第1カプラの分岐比の波長依存性と前記第2カプラの分岐比の波長依存性とが反対の関係になる長さであることを特徴とする光変調器。
【0057】
(付記2)入力光を2分岐させて第1の出力光及び第2の出力光を出力する第1カプラと、前記第1カプラから出力される前記第1の出力光の強度を変調して第3の出力光を出力する第1マッハツェンダ型干渉計と、前記第1カプラから出力される前記第2の出力光の強度を変調して第4の出力光を出力する第2マッハツェンダ型干渉計と、前記第1マッハツェンダ型干渉計から出力される前記第3の出力光及び前記第2マッハツェンダ型干渉計から出力される前記第4の出力光を結合し、結合された光を2分岐させて第5の出力光及び第6の出力光を出力する第2カプラと、を備え、前記第1カプラの分岐部の幅及び前記第2カプラの分岐部の幅は、前記第1カプラの分岐比の波長依存性と前記第2カプラの分岐比の波長依存性とが反対の関係になる幅であることを特徴とする光変調器。
【0058】
(付記3)入力光を2分岐させて第1の出力光及び第2の出力光を出力する第1カプラと、前記第1カプラから出力される前記第1の出力光の強度を変調して第3の出力光を出力する第1マッハツェンダ型干渉計と、前記第1カプラから出力される前記第2の出力光の強度を変調して第4の出力光を出力する第2マッハツェンダ型干渉計と、前記第1マッハツェンダ型干渉計から出力される前記第3の出力光及び前記第2マッハツェンダ型干渉計から出力される前記第4の出力光を結合し、結合された光を2分岐させて第5の出力光及び第6の出力光を出力する第2カプラと、を備え、前記第1カプラ及び前記第2カプラは交差する2つの光導波路を有し、前記第1カプラの前記2つの光導波路のなす角度及び前記第2カプラの前記2つの光導波路のなす角度は、前記第1カプラの分岐比の波長依存性と前記第2カプラの分岐比の波長依存性とが反対の関係になる角度であることを特徴とする光変調器。
【0059】
(付記4)前記第1マッハツェンダ型干渉計の平行に配置された各光導波路部分がさらにマッハツェンダ型干渉計を有し、前記第2マッハツェンダ型干渉計の平行に配置された各光導波路部分がさらにマッハツェンダ型干渉計を有し、前記入力光に対して直角位相振幅変調を行うことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の光変調器。
【0060】
(付記5)前記第1カプラ、前記第2カプラ、前記第1マッハツェンダ型干渉計及び前記第2マッハツェンダ型干渉計は、同一の電気光学結晶基板に形成されていることを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の光変調器。
【0061】
(付記6)前記電気光学結晶は、LiNbO
3結晶であることを特徴とする付記5に記載の光変調器。
【0062】
(付記7)前記電気光学結晶は、LiTaO
2結晶であることを特徴とする付記5に記載の光変調器。