特許第6047991号(P6047991)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6047991
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】表示板
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/04 20060101AFI20161212BHJP
   G09F 13/08 20060101ALI20161212BHJP
   G01D 13/04 20060101ALN20161212BHJP
【FI】
   G09F13/04 J
   G09F13/08
   !G01D13/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-178553(P2012-178553)
(22)【出願日】2012年8月10日
(65)【公開番号】特開2014-35538(P2014-35538A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小島 康之
【審査官】 宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−071304(JP,A)
【文献】 特開2010−243281(JP,A)
【文献】 特開2006−017512(JP,A)
【文献】 特開2007−079324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/00 − 13/46
G09F 7/00 − 7/22
G01D 11/00 − 13/28
B60K 35/00 − 37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性の基板と、
前記基板の観察者側を向く一方の面に形成される第1のグラデーション部と、
前記第1のグラデーション部の表面に形成される第2のグラデーション部とを備え、
前記第1のグラデーション部は、第1の位置を基準として前記第1の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなり、
前記第2のグラデーション部は、前記第1の位置とは異なる第2の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなるとともに、前記基板の厚み方向において前記第1のグラデーション部の一部と重なっており、
前記第1のグラデーション部と前記第2のグラデーション部とが重なり合うドット重合領域において、前記第1のグラデーション部のドットの開口密度が、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度よりも小さく、
前記第1のグラデーション部のドットの開口密度は、前記第1の位置から放射方向に向けて従って50%から0%となるように漸次減少してなるとともに、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度は、前記第1の位置よりも外側に位置する前記第2の位置から放射方向に向けて100%から50%となるように漸次減少してなることを特徴とする表示板。
【請求項2】
光透過性の基板と、
前記基板の観察者側とは反対側となる他方の面に形成される第1のグラデーション部と、
前記基板と第1のグラデーション部との間に形成される第2のグラデーション部とを備え、
前記第1のグラデーション部は、第1の位置を基準として前記第1の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなり、
前記第2のグラデーション部は、前記第1の位置とは異なる第2の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなるとともに、前記基板の厚み方向において前記第1のグラデーション部の一部と重なっており、
前記第1のグラデーション部と前記第2のグラデーション部とが重なり合うドット重合領域において、前記第1のグラデーション部のドットの開口密度が、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度よりも小さく、
前記第1のグラデーション部のドットの開口密度は、前記第1の位置から放射方向に向けて従って50%から0%となるように漸次減少してなるとともに、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度は、前記第1の位置よりも外側に位置する前記第2の位置から放射方向に向けて100%から50%となるように漸次減少してなることを特徴とする表示板。
【請求項3】
光透過性の基板と、
前記基板の観察者側を向く一方の面に形成される第1のグラデーション部と、
前記第1のグラデーション部の表面に形成される第2のグラデーション部とを備え、
前記第1のグラデーション部は、第1の位置を基準として前記第1の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなり、
前記第2のグラデーション部は、前記第1の位置とは異なる第2の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなるとともに、前記基板の厚み方向において前記第1のグラデーション部の一部と重なっており、
前記第1のグラデーション部と前記第2のグラデーション部とが重なり合うドット重合領域において、前記第1のグラデーション部のドットの開口密度が、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度よりも小さく、
前記ドット重合領域において、前記第1のグラデーション部のドットの開口密度は10%以下であり、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度は90%以上であることを特徴とする表示板。
【請求項4】
光透過性の基板と、
前記基板の観察者側とは反対側となる他方の面に形成される第1のグラデーション部と、
前記基板と第1のグラデーション部との間に形成される第2のグラデーション部とを備え、
前記第1のグラデーション部は、第1の位置を基準として前記第1の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなり、
前記第2のグラデーション部は、前記第1の位置とは異なる第2の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなるとともに、前記基板の厚み方向において前記第1のグラデーション部の一部と重なっており、
前記第1のグラデーション部と前記第2のグラデーション部とが重なり合うドット重合領域において、前記第1のグラデーション部のドットの開口密度が、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度よりも小さく、
前記ドット重合領域において、前記第1のグラデーション部のドットの開口密度は10%以下であり、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度は90%以上であることを特徴とする表示板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光透過性の基板に複数のグラデーション部が形成されてなる表示板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の表示板にあっては、例えば下記特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載の表示板は、光透過性の基板の表面に網点(ドット)により明るさ(ドット開口密度)が徐々に変化するグラデーション状にスクリーン印刷してなる第1のグラデーション部が形成されてなるとともに、光透過性の基板の背面に網点(ドット)により明るさ(ドット開口密度)が徐々に変化するグラデーション状にスクリーン印刷してなる第2のグラデーション部が形成されてなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−31634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載の表示板の場合、基板の厚み方向において、第1のグラデーション部におけるドット開口密度の小さい領域と、第2のグラデーション部におけるドット開口密度の小さい領域とが重なってしまうことが考えられる。このとき、印刷ズレによって両グラデーション部におけるドットパターン同士が位置ズレすると、積層関係にある各ドットパターン間の干渉効果(モアレ効果)によってモアレ模様が発生し、表示品位が低下する虞がある。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、基板の厚み方向に複数のグラデーション部を形成する場合であっても、表示品位が低下する虞のない表示板の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、光透過性の基板と、前記基板の観察者側を向く一方の面に形成される第1のグラデーション部と、前記第1のグラデーション部の表面に形成される第2のグラデーション部とを備え、前記第1のグラデーション部は、第1の位置を基準として前記第1の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなり、前記第2のグラデーション部は、前記第1の位置とは異なる第2の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなるとともに、前記基板の厚み方向において前記第1のグラデーション部の一部と重なっており、前記第1のグラデーション部と前記第2のグラデーション部とが重なり合うドット重合領域において、前記第1のグラデーション部のドットの開口密度が、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度よりも小さく、前記第1のグラデーション部のドットの開口密度は、前記第1の位置から放射方向に向けて従って50%から0%となるように漸次減少してなるとともに、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度は、前記第1の位置よりも外側に位置する前記第2の位置から放射方向に向けて100%から50%となるように漸次減少してなることを特徴とする。
【0006】
また本発明は、光透過性の基板と、前記基板の観察者側とは反対側となる他方の面に形成される第1のグラデーション部と、前記基板と第1のグラデーション部との間に形成される第2のグラデーション部とを備え、前記第1のグラデーション部は、第1の位置を基準として前記第1の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなり、前記第2のグラデーション部は、前記第1の位置とは異なる第2の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなるとともに、前記基板の厚み方向において前記第1のグラデーション部の一部と重なっており、前記第1のグラデーション部と前記第2のグラデーション部とが重なり合うドット重合領域において、前記第1のグラデーション部のドットの開口密度が、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度よりも小さく、前記第1のグラデーション部のドットの開口密度は、前記第1の位置から放射方向に向けて従って50%から0%となるように漸次減少してなるとともに、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度は、前記第1の位置よりも外側に位置する前記第2の位置から放射方向に向けて100%から50%となるように漸次減少してなることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、光透過性の基板と、前記基板の観察者側を向く一方の面に形成される第1のグラデーション部と、前記第1のグラデーション部の表面に形成される第2のグラデーション部とを備え、前記第1のグラデーション部は、第1の位置を基準として前記第1の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなり、前記第2のグラデーション部は、前記第1の位置とは異なる第2の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなるとともに、前記基板の厚み方向において前記第1のグラデーション部の一部と重なっており、前記第1のグラデーション部と前記第2のグラデーション部とが重なり合うドット重合領域において、前記第1のグラデーション部のドットの開口密度が、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度よりも小さく、前記ドット重合領域において、前記第1のグラデーション部のドットの開口密度は10%以下であり、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度は90%以上であることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、光透過性の基板と、前記基板の観察者側とは反対側となる他方の面に形成される第1のグラデーション部と、前記基板と第1のグラデーション部との間に形成される第2のグラデーション部とを備え、前記第1のグラデーション部は、第1の位置を基準として前記第1の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなり、前記第2のグラデーション部は、前記第1の位置とは異なる第2の位置から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなるとともに、前記基板の厚み方向において前記第1のグラデーション部の一部と重なっており、前記第1のグラデーション部と前記第2のグラデーション部とが重なり合うドット重合領域において、前記第1のグラデーション部のドットの開口密度が、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度よりも小さく、前記ドット重合領域において、前記第1のグラデーション部のドットの開口密度は10%以下であり、前記第2のグラデーション部のドットの開口密度は90%以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、初期の目的を達成でき、基板の厚み方向に複数のグラデーション部を形成する場合であっても、表示品位が低下する虞のない表示板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態による車両用計器の断面図。
図2】同実施形態による表示板の正面図。
図3図2のA−A断面図。
図4】同実施形態による第1、第2のグラデーション部を個別に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図4に基づいて、本発明の実施形態を例えば車両用計器(速度計)に搭載される計器用の表示板に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0012】
図1において、本実施形態による速度計は、回路基板10と、この回路基板10に導通装着され回転軸20が前方に延びる駆動装置30と、回転軸20にて回転駆動される指針40と、この指針40の背後に位置して回路基板10上に配置される表示板50と、指針40や表示板50を露出させるための見返し板60と、指針40を照明する指針用光源70と、表示板50を照明する光源80と、回路基板10と表示板50との間に配置されるケース体90とから構成される。
【0013】
回路基板10は、例えばガラスエポキシ系基材に配線パターン(図示せず)を施した硬質配線基板からなり、指針用光源70と、光源80と、駆動装置30の駆動・制御を行う駆動手段(図示せず)と、抵抗、コンデンサ等の各種回路部品(図示せず)とが前記配線パターンに導通接続されている。
【0014】
駆動装置30は、可動磁石式計器またはステッピングモータからなり、回転軸20が回路基板10を貫通するように、その主要部が回路基板10の背後に装着され、且つ半田付け等の適宜導通手段により前記配線パターン(前記駆動手段)に電気接続される。
【0015】
指針40は、透光性の合成樹脂からなり、回転軸20の先端に連結され、その回転中心部には遮光性カバーが装着されている。そして、この指針40は指針用光源70からの照明光を受けて発光する発光式指針である。
【0016】
表示板50は、図2に示すように、指針40の回転軌道(作動範囲)に沿った円弧状の配列形状を有し指針40によって指示される速度数字51a、速度目盛51bからなる指標部51と、この指標部51の背景を形成するグラデーション模様からなるグラデーション領域52とを有している。
【0017】
そして、本例の場合、グラデーション領域52は、第1のグラデーション部としての第1のグラデーション層53と、第2のグラデーション部としての第2のグラデーション54層と、下地層55との三者によって形成されるものである。
【0018】
図3は、各グラデーション層53、54、下地層55の積層関係を示した表示板50の要部断面図を示したものであり、この場合、表示板50の母材である光透過性の基板56の表面に下地層55が印刷形成され、この下地層55の表面(つまり下地層55を介した基板56の表面側)に第1のグラデーション層53が印刷形成され、この第1のグラデーション層53の表面に第2のグラデーション54層が印刷形成された構成となっている。なお、ここでの基板56の表面(表面側)とは、指針40側(つまり観察者側)を向く基板55の一方の面56aを意味する。
【0019】
また、各グラデーション層53、54、下地層55は、第1のグラデーション層53が例えばブルー系の透光性インクにより、第2のグラデーション層54が例えば濃紺系の透光性インクにより、下地層55が例えば白色系の透光性インクにより、それぞれ基板56の表面(一方の面56a)に印刷形成されている。
【0020】
第1のグラデーション層53は、図4図3)中、第1の位置P1を基準として第1の位置P1から放射方向(速度目盛51b側)に向けてドットの開口密度が漸次減少してなるドット密度変化領域53aと、ドットの開口密度が0%の領域(ベタ印刷領域)であって、ドット密度変化領域53aと連なるようにドット密度変化領域53aの外側に形成される着色領域53bとを有している。なお、ここでの第1の位置P1とは、回転軸20が貫通するように表示板50の中心部に設けられる円形の貫通孔部57の内周面に相当する位置となっている。
【0021】
そして、第1のグラデーション層53に備えられるドット密度変化領域53aのドットの開口密度は、第1の位置P1から放射方向(速度目盛51b側)に向けて従って50%から0%となるように漸次減少している。
【0022】
具体的には、第1の位置P1でのドットの開口密度は50%であって、第1の位置P1から速度目盛51b側に向かうに従ってドットの開口密度が漸次減少し、第1のグラデーション層53と第2のグラデーション層54とが重なり合うドット重合領域Sにおいて、ドット重合領域Sの外側となるベタ印刷開始位置Qにてドットの開口密度が0%となるように設定されている。
【0023】
一方、第2のグラデーション54層は、第1の位置P1とは異なる第2の位置P2から放射方向(速度目盛51b側)に向けてドットの開口密度が漸次減少してなるものである。なお、ここでの第2の位置P2とは、第1の位置P1よりも外側であって、且つ、ドット重合領域Sにおいて、ベタ印刷開始位置Qとは反対側となるドット重合領域Sの内側に相当する位置となっている。
【0024】
そして、第2のグラデーション層54のドットの開口密度は、第1の位置P1よりも外側に位置する第2の位置P2から放射方向(速度目盛51b側)に向けて100%から50%となるように漸次減少してなるものである。
【0025】
具体的には、第2の位置P2でのドットの開口密度は100%であって、第2の位置P2から速度目盛51b側に向かうに従ってドットの開口密度が漸次減少し、表示板50の周縁部分にてドットの開口密度が50%となるように設定されている。
【0026】
ここで、観察者側から表示板50を見たときの第1のグラデーション層53と第2のグラデーション54層との位置関係に着目すると、第2のグラデーション54層は、図3に示すように基板56の厚み方向Zにおいて、第1のグラデーション層53の一部(具体的にはドット密度変化領域53aの一部及び着色領域53b)と重なるように、第1のグラデーション層53の表面に積層形成されている。
【0027】
特に、本例の場合、ドット重合領域Sにおいて、ドット密度変化領域53a(第1のグラデーション層53)のドットの開口密度が、第2のグラデーション層54のドットの開口密度よりも小さくなるように設定されており、より具体的には、ドット重合領域Sにおいて、第1のグラデーション層53におけるドット密度変化領域53aのドットの開口密度は0%〜10%程度(10%以下)となっており、第2のグラデーション層54のドットの開口密度は90%〜100%程度(90%以上)となっている。
【0028】
従って、図4に示すようにドット重合領域Sにて、積層形成される2つのグラデーション層のうち上側に位置する一方のグラデーション層(本例の場合、各グラデーション層53、54のうち上側に位置する第2のグラデーション層54)の濃淡は比較的淡い状態であり、これとは逆に他方のグラデーション層(本例の場合、各グラデーション層53、54のうち下側に位置する第1のグラデーション層53)の濃淡は比較的濃い状態であることから、印刷ズレによって例えば第2のグラデーション層54が位置ズレしたとしても、モアレ模様の発生が極力抑制され、貫通孔部57から放射方向に向かうに従って滑らかなグラデーション表示を実現することができる。
【0029】
見返し板60は、指針40や指標部51を露出し、それ以外の所要領域を隠蔽するものである。かかる見返し板60は、指針40や指標部51を露出させるための開口部61を備えている。
【0030】
指針用光源70は、例えば赤色光を発するチップ型発光ダイオードからなり、指針40の回転中心近傍に複数個配置され、ケース体90の後述する筒状部内に収納され指針40を赤色に発光させる発光体である。
【0031】
光源80は、例えば白色光を発するチップ型発光ダイオードからなり、表示板50の背後に配置されている。この場合、光源80は、ケース体90の後述する第1の反射部に対向配置され、表示板50に照明光を供給する発光体である。
【0032】
ケース体90は、例えば白色系の合成樹脂からなり、表示板50を保持する保持体としての機能、指針用光源70や光源80を収納するハウジングとしての機能、指針用光源70や光源80のから照明光を前方側に反射させる反射体としての機能を有している。
【0033】
かかるケース体90は、指針用光源70を収納し指針40の前記回転中心部に指針用光源70からの照明光を供給するための筒状部101と、この筒状部101を取り巻くように表示板50側に傾斜して延び光源80と対向する第1の反射部92と、この第1の反射部92と表示板50とに対向し回転軸20から離れるに従って表示板50に近接する皿形状の環状壁からなる第2の反射部93とを有している。
【0034】
また、この場合、第1の反射部92は光源80からの照明光を主に外周に向けて放射状に反射する反射面を構成し、第2の反射部93は第1の反射部92を通じて外周に反射された照明光を表示板50側に反射する反射面を構成している。
【0035】
以上のように、本実施形態では、速度計に備えられる表示板50が、光透過性の基板56と、この基板56の観察者側を向く一方の面56aに形成される第1のグラデーション層53と、この第1のグラデーション層53の表面に形成される第2のグラデーション層54とを備え、第1のグラデーション層53は、第1の位置P1から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなり、第2のグラデーション層54は、第2の位置P2から放射方向に向けてドットの開口密度が漸次減少してなるとともに、基板56の厚み方向Zにおいて第1のグラデーション層53の一部と重なっており、ドット重合領域Sにおいて、第1のグラデーション層53のドットの開口密度が、第2のグラデーション層54のドットの開口密度よりも小さいものである。また、ドット重合領域Sにおいて、第1のグラデーション層53のドットの開口密度は10%以下となっており、第2のグラデーション層54のドットの開口密度は90%以上となっているものである。
【0036】
従って、ドット重合領域Sにて、各グラデーション層53、54のうち上側に位置する第2のグラデーション層54の濃淡は比較的淡い状態であり、これとは逆に各グラデーション層53、54のうち下側に位置する第1のグラデーション層53の濃淡は比較的濃い状態であることから、印刷ズレによって例えば第2のグラデーション層54が位置ズレしたとしても、モアレ模様の発生が極力抑制され、表示品位の向上した表示板を提供することができる。
【0037】
また本実施形態では、各グラデーション層53、54並びに下地層55が観察者側となる基板56の表面(一方の面56a)に形成されている例について説明したが、例えば各グラデーション層53、54並びに下地層55を観察者側とは反対側となる基板56の背面(つまり一方の面56aとは反対側となる基板56の他方の面)に設ける構成としてもよい。
【0038】
なお、この場合、第1のグラデーション層53は、基板56の観察者側とは反対側となる前記他方の面側に形成されるとともに、第2のグラデーション層54は、基板56と第1のグラデーション部53との間に形成され、基板56の厚み方向Zにおいて、第2のグラデーション部54はドット密度変化領域53aの一部、及び着色領域53bに重なるように基板56と第1のグラデーション部53との間に形成される構成となる。
【符号の説明】
【0039】
50 表示板
51 指標部
52 グラデーション領域
53 第1のグラデーション層(第1のグラデーション部)
53a ドット密度変化領域
53b 着色領域
54 第2のグラデーション層(第2のグラデーション部)
55 下地層
56 基板
56a 一方の面
57 貫通孔部
P1 第1の位置
P2 第2の位置
S ドット重合領域
図1
図2
図3
図4