(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6048008
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】コック式注出口栓
(51)【国際特許分類】
B65D 47/26 20060101AFI20161212BHJP
B67D 3/04 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
B65D47/26 K
B67D3/04 B
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-191408(P2012-191408)
(22)【出願日】2012年8月31日
(65)【公開番号】特開2014-46947(P2014-46947A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
(72)【発明者】
【氏名】原田 拓治
【審査官】
秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−214911(JP,A)
【文献】
実開昭61−087527(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 3/04
B65D 47/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体包装容器の注出口部に嵌合する取付部(6)を有し、液体包装容器に収容の流体が前記取付部(6)から流入可能とした略筒状のコック本体(2)と、前記コック本体(2)の上部に螺着され、螺合回転により上下に移動可能とされたキャップ(3)と、前記キャップ(3)に取り付けられているとともに前記コック本体(2)の内部に配置されていて、キャップ(3)の上下の移動に伴なってコック本体(2)の内部で上下に移動可能とさた内筒体(4)とを備え、前記取付部(6)からコック本体(2)の内部を経てこのコック本体(2)の下端に設けられた吐出口(10)に亘る液体流路が形成されていて、
下方に移動した前記内筒体(4)が前記コック本体(2)の下端に位置する吐出口(10)に嵌まり込んで、内筒体(4)の下端(11)の外周(12)と吐出口(10)の内周(13)とが摺接可能にして密に接触してなるシール部(14)で前記液体流路を閉じているコック式注出口栓(1)において、
前記内筒体(4)の下端(11)の外周(12)と吐出口(10)の内周(13)とは、それぞれ段差のある周面形状とされていて、
前記吐出口(10)の内周(13)には、吐出口上縁側となる吐出口第一環状部(13a)とこの吐出口第一環状部(13a)の下位に位置して内径を吐出口第一環状部(13a)の内径より小とした吐出口第二環状部(13b)とが設けられて、この吐出口第一環状部(13a)と吐出口第二環状部(13b)との間に、内筒体(4)の下端(11)の外周(12)と非接合となる傾斜面部(13c)が位置しており、
前記内筒体(4)の下端(11)の外周(12)には、前記吐出口第一環状部(13a)に対応する内筒体下端第一環状部(12a)と前記吐出口第二環状部(13b)に対応して前記内筒体下端第一環状部(12a)の下位に位置し外径を内筒体下端第一環状部(12a)の外径より小とした内筒体下端第二環状部(12b)とが設けられて、この内筒体下端第一環状部(12a)と内筒体下端第二環状部(12b)との間に、前記傾斜面部(13c)に非接合となる内筒体下端段差部(12c)が位置しており、
前記シール部(14)は、前記吐出口第一環状部(13a)に前記内筒体下端第一環状部(12a)が内筒体移動方向に摺接可能に密に接して液体流路を閉鎖する液体流路閉鎖シール部(15)と、前記吐出口第二環状部(13b)に内筒体下端第二環状部(12b)が内筒体移動方向に摺接可能に密に接して液止めを行なう液止めシール部(16)とが、上下に離間配置されてなるものであって、
吐出口上縁側となる前記液体流路閉鎖シール部(15)の下位に、前記傾斜面部(13c)と内筒体下端段差部(12c)とが互いに非接合に相対してなる液溜め空間部(17)を介して、吐出口の開口下縁側にして前記液体流路閉鎖シール部(15)に対して小径とされた前記液止めシール部(16)が位置していることを特徴とするコック式注出口栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッグ・イン・ボックスなどの液体包装容器に収容の液体を注出するために用いる用具であり、液体包装容器のスパウトからなる注出口部に取り付けて液体を注出したりその注出を止めたりするコック式の注出口栓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
業務用途に用いる液体調味料、水、アルコールなどの液体、また各種の薬液を収容する容器として、バッグ・イン・ボックスと称する液体包装容器が知られている。このバッグ・イン・ボックスは段ボール製の外箱に合成樹脂製の柔軟なシートからなる変形容易な内袋を入れた構造であって、液体を収容する内袋には合成樹脂製で環状のスパウトと称する部材を注出口部として備えていて、これをキャップで閉じている。
【0003】
さらには、コック式注出口栓が注出口部に予め取り付けられているバッグ・イン・ボックスも従来から多く流通している。この容器は、外箱の所要部分を開いてスパウトとともにコック式注出口栓を引き出し、外箱の開いた部分にスパウトを固定してコック式注出口栓が外箱の外側面に位置させるものであり、液体包装容器を据え置いてコック式注出口栓を開け閉めすることで所望量の液体を簡単に注出できる。
【0004】
上述したコック式注出口栓には、
図6に示すようにそれぞれ合成樹脂材から成形されたコック本体aとキャップbと内筒体cとを組み合わせて構成されているものがある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。このコック式注出口栓において前記コック本体aは略筒状とされ、液体包装容器の注出口部(スパウト)に嵌合する取付部dを一体に有しており、筒壁eに位置する流入口fに前記取付部d側からの接続管部gが連続し、液体包装容器に収容の液体がその取付部dからコック本体a内に流入可能とされている。
【0005】
キャップbは、コック本体aの上端の開口部を覆うようにしてコック本体aの上部に螺着され、螺合回転の操作を行なってコック本体aに対して上下に移動可能とされている。また、内筒体cはその上端側がキャップbの内側に回転自由にして嵌め付けられていて、この状態で内筒体cがコック本体aの内部に配置されており、螺合回転によるキャップbの上下の移動に伴なってそのコック本体aの内部で上下に移動可能とされている。
【0006】
そして、このコック式注出口栓には取付部dからコック本体aの内部を経てそのコック本体aの下端に開口として設けられた吐出口hに至る液体流路が形成されている。開栓に際しては、開栓方向の螺合回転の操作によってキャップbが回転しながら上方に移動し、そのキャップbの上方への移動に伴なって内筒体cが上方に移動して液体流路が開放されて液体が注出される。また、閉栓に際しては、閉栓方向の螺合回転の操作によってキャップbが回転しながら下方に移動し、キャップbの下方への移動に伴なって内筒体cが下方に移動して液体流路を閉鎖して液体の流出が止まるように設けられている。
【0007】
上記開栓状態(即ち、液体流路の開放状態)は、コック本体aの吐出口hから上方に内筒体cの下端iが離れて吐出口hを閉じず、内筒体cにおける上記流入口fに対応する部分もその流入口fを閉じていない状態となっている。また、
図7に示されているようにコック式注出口栓の閉栓状態(液体流路の閉鎖状態)は、内筒体cが下限位置に下がり、その内筒体cの下端iが吐出口hに嵌まり込んで吐出口hを閉じていて、内筒体cの下端iの外周jと吐出口hの内周kとが密に接触してなるシール部lで液体流路を閉鎖するようにしている。なお、コック本体aの流入口fは閉栓時に内筒体cの流入口対応部分の筒壁と近接するが、その内筒体cの流入口対応部分と流入口fの位置との間には隙間があり、流入口fを閉じる状態とはならないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−214911号公報
【特許文献2】意匠登録第1355040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように従来のコック式注出口栓での閉栓は内筒体を下方に移動させ、その内筒体の下端を吐出口に嵌め入れるようにしていて、液体流路の閉鎖は内筒体cの下端iの外周jと吐出口hの内周kとが摺接可能にして密に接触した一箇所の上記シール部lで行なっている(
図7)。このシール部では、液体を容器に充填する圧力や液体流路を勢いを持って流れる液体を堰き止めた際の圧力などが加わっても内筒体の下端の外周と吐出口の内周との間が開かないように、かつ両者が摺接可能な範囲で、内筒体の下端の外周と吐出口の内周とが、単位面積当たりに所要の圧力以上の下で密接し合うように設定されている。
【0010】
また、液体を充填して出荷し、使用者の下に届くまでの流通段階にある液体包装容器ではコック式注出口栓の閉栓状態が比較的長く続くこととなるが、密に接し合った内筒体の下端の外周と吐出口の内周との間に、収容物の液体が徐々に入り込んで、その入り込みが進むことで液体が外部に漏れた状態となる可能性が懸念される。その液体の漏れを抑える液止めの対策として、上記従来のコック式注出口栓では、前記一箇所のシール部での内筒体の下端の外周と吐出口の内周とのシール幅を上下に長くして接触面積を広くしており、これによって液止めの機能も備えるようにしていた。
【0011】
しかしながら、内筒体の下端の外周と吐出口の内周との接触面積を広くすると開栓時トルクが大きくなってしまうという問題があり、液体包装容器の使用者は、開栓時トルクが大きい閉栓状態から、開栓の都度、回転し難いキャップを手で回さなければならない状況となっていた。
【0012】
また、上記流通段階の輸送時などにおいて、液体包装容器にセットされたコック式注出口栓の吐出口側に他物がぶつかってその吐出口の部分が瞬間的に変形し、液体が飛び散る現象が確認されていた。これは、コック本体の吐出口側が瞬間的に変形すると、液体流路の閉鎖と液止めとの両方の働きが、僅かな時間ではあるが一緒に無くなってしまうからであり、収容物である液体がシールの切れた部分を通って吐出口から外部に漏れ出ていた。
【0013】
そこで本発明は上記事情に鑑み、内筒体の下端の外周と吐出口の内周とが摺接可能に密に接触してなるシール部において、そのシール部を、液体流路を閉鎖する部分と、上記流通段階での液止めをするための部分との二箇所のシールポイントを有するものとしながら、開栓時トルクを小さくすることを課題とし、開栓操作がし易く、液止めも確実に実施できるコック式注出口栓を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(請求項1の発明)
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、液体包装容器の注出口部に嵌合する取付部
(6)を有し、液体包装容器に収容の流体が前記取付部
(6)から流入可能とした略筒状のコック本体
(2)と、前記コック本体
(2)の上部に螺着され、螺合回転により上下に移動可能とされたキャップ
(3)と、前記キャップ
(3)に取り付けられているとともに前記コック本体
(2)の内部に配置されていて、キャップ
(3)の上下の移動に伴なってコック本体
(2)の内部で上下に移動可能とさた内筒体
(4)とを備え、前記取付部
(6)からコック本体
(2)の内部を経てこのコック本体
(2)の下端に設けられた吐出口
(10)に亘る液体流路が形成されていて、
下方に移動した前記内筒体
(4)が前記コック本体
(2)の下端に位置する吐出口
(10)に嵌まり込んで、内筒体
(4)の下端
(11)の外周
(12)と吐出口
(10)の内周
(13)とが摺接可能にして密に接触してなるシール部
(14)で前記液体流路を閉じているコック式注出口栓
(1)において、
前記内筒体(4)の下端(11)の外周(12)と吐出口(10)の内周(13)とは、それぞれ段差のある周面形状とされていて、
前記吐出口(10)の内周(13)には、吐出口上縁側となる吐出口第一環状部(13a)とこの吐出口第一環状部(13a)の下位に位置して内径を吐出口第一環状部(13a)の内径より小とした吐出口第二環状部(13b)とが設けられて、この吐出口第一環状部(13a)と吐出口第二環状部(13b)との間に、内筒体(4)の下端(11)の外周(12)と非接合となる傾斜面部(13c)が位置しており、
前記内筒体(4)の下端(11)の外周(12)には、前記吐出口第一環状部(13a)に対応する内筒体下端第一環状部(12a)と前記吐出口第二環状部(13b)に対応して前記内筒体下端第一環状部(12a)の下位に位置し外径を内筒体下端第一環状部(12a)の外径より小とした内筒体下端第二環状部(12b)とが設けられて、この内筒体下端第一環状部(12a)と内筒体下端第二環状部(12b)との間に、前記傾斜面部(13c)に非接合となる内筒体下端段差部(12c)が位置しており、
前記シール部(14)は、前記吐出口第一環状部(13a)に前記内筒体下端第一環状部(12a)が内筒体移動方向に摺接可能に密に接して液体流路を閉鎖する液体流路閉鎖シール部(15)と、前記吐出口第二環状部(13b)に内筒体下端第二環状部(12b)が内筒体移動方向に摺接可能に密に接して液止めを行なう液止めシール部(16)とが、上下に離間配置されてなるものであって、
吐出口上縁側となる前記液体流路閉鎖シール部(15)の下位に、前記傾斜面部(13c)と内筒体下端段差部(12c)とが互いに非接合に相対してなる液溜め空間部(17)を介して、吐出口の開口下縁側にして前記液体流路閉鎖シール部(15)に対して小径とされた前記液止めシール部(16)が位置していることを特徴とするコック式注出口栓を提供して、上記課題を解消するものである。
【発明の効果】
【0016】
(請求項1の発明の効果)
請求項1の発明によれば、液体流路閉鎖シール部は、内筒体の下端の外周と吐出口の内周とが接触して液体流路を閉鎖するだけの接触面が確保されればよい部分であり、液止めのための部分を必要としないので、この液体流路閉鎖シール部を形成する部分では、内筒体の下端の外周と吐出口の内周との接触面積を小さくすることができる。また、液止めシール部にあっては、仮に液体流路閉鎖シール部の接触部分の間に入り込んで進み出た液体があった場合には、その液体を外部に漏れ出ないように単に堰き止めるようにすればよい部分である。液体流路閉鎖シール部側から漏れ出た液体自体に圧力が加わっているものではないので、液止めシール部を形成する部分では内筒体の下端の外周と吐出口の内周との接触面積を小さくしてもその堰き止めが可能となる。
【0017】
よって、液体流路閉鎖シール部と液止めシール部とのそれぞれにおいて、内筒体の下端の外周と吐出口の内周とが相対して接触する接触面積を小さくすることができ、開栓時トルクの低減化が行なえる。さらに、吐出口に外方から他物がぶつかるなどしても液体流路閉鎖シール部が内側に位置するので、この液体流路閉鎖シール部への外力の影響が小さく、液体の漏れ出しを防止することができる。
【0018】
また、液体流路閉鎖シール部と液止めシール部との間に、液溜め空間部が設けられているので、仮に液体流路閉鎖シール部での内筒体の下端の外周と吐出口の内周との間に入り込んで進み出た液体があっても、その液体を液体流路閉鎖シール部と液止めシール部との間で溜め受けることができ、液体の漏れ出しを防止することがより確実に行なえるようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係るコック式注出口栓の一例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【
図2】一例において液体流路が閉じられた状態を断面で示す説明図である。
【
図3】一例における吐出口に内筒体が嵌まり込んでなるシール部を吐出口径方向での片断面で示す説明図である。
【
図4】一例において液体流路が開かれた状態を断面で示す説明図である。
【
図5】内筒体を側方から見た状態で示す説明図である。
【
図6】従来のコック式注出口栓を断面で示す説明図である。
【
図7】従来のコック式注出口栓において吐出口に内筒体が嵌まり込んでなるシール部を断面で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
つぎに本発明を
図1から
図5に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図中1は本発明に係るコック式注出口栓で、該コック式注出口栓1は
図1、
図2、
図4に示すようにコック本体2とキャップ3と内筒体4とを組み合わせて構成されている。前記コック本体2は略筒状とした外筒体5にスパウトに嵌合する取付部6を一体に有しており、外筒体5の下部側の筒壁7に開口した流入口8に取付部6側からの接続管部9が連続し、液体包装容器に収容されている液体が取付部6から外筒体5の内に流入可能とされている。
【0021】
また、キャップ3は外筒体5の上端の開口部を覆って外筒体5の上部側の外周面に配した外ネジに螺着され、螺合回転の操作を行なうことでコック本体2に対して上下に移動する。内筒体4は上端の部分がキャップ3の内側に回転自由にして嵌め付けられており、また、キャップ3に連結した状態で前記内筒体4が外筒体5の内部に配置されていて、螺合回転によるキャップ3の上下の移動に伴なって外筒体5の内部で上下に移動可能とされている。
【0022】
上述した従来の例と同じように、取付部6から外筒体5の内部を経て外筒体5の下端に開口として設けられた吐出口10に至る液体流路が形成されていて、開栓方向の螺合回転の操作を行なえば、キャップ3の上方への移動に伴なって内筒体4が上方に移動し、吐出口10から上方に内筒体4の下端11が離れることとなり、その吐出口10は閉じられない状態となる。これによって液体流路が開放されて液体が注出できる。
【0023】
閉栓方向の螺合回転の操作を行なえば、キャップ3の下方への移動に伴なって内筒体4が下方に移動し、その内筒体4が下限位置に下がれば内筒体4の下端11が吐出口10に嵌まり込んでこの吐出口10を閉じて液体流路が閉じられ、液体の流出が止まる。閉栓の状態では内筒体4の下端11の外周12と吐出口10の内周13とが密に接触していて、内筒体4の下端11の外周12と吐出口10の内周13とが密に接触することでシール部14が設けられ、このシール部14にて液体流路を閉鎖している。流入口8は閉栓時にも閉じられた状態とはならない。以上の点については先に説明した従来の例と同じである。
【0024】
従来の例でのシール部は一箇所のみであるが、本実施の例において上記シール部14は、液体流路を閉鎖する液体流路閉鎖シール部15と液止めを行なう液止めシール部16とを上下に離間配置していてシールポイントを二箇所としたものであり、
図2、
図3に示されているように吐出口10の開口下縁側に液止めシール部16が位置し、この液止めシール部16の上方に前記液体流路閉鎖シール部15が位置していて、さらにこの間に液溜め空間部17が形成されており、液溜め空間部17とこれを間にしてその上位にある液体流路閉鎖シール部15と液溜め空間部17の下位にある液止めシール部16とでシール部14が形成され、この形態のシール部14で液体流路を閉鎖するようにしたものである。なお、
図3にあっては説明を容易にするためにシール部14を吐出口径方向での片断面で示しているが、他方の片断面も同様である。
【0025】
内筒体4の下端11の外周12と吐出口10の内周13との対応部分相互が密に接触したシールポイントを上記二箇所とするシール部14を得るために、液体流路を閉鎖する際に接触し合う内筒体4の下端11の外周12と吐出口10の内周13とはそれぞれ段差のある周面形状を呈するように形成されている。
図3に示すように、吐出口10の内周13には、吐出口上縁側となる吐出口第一環状部13aとこの吐出口第一環状部13aの下位に位置して内径を吐出口第一環状部13aの内径より小とした吐出口第二環状部13bとが設けられ、吐出口第一環状部13aと吐出口第二環状部13bとの間に、液体流路閉鎖時に内筒体4の下端11の外周12と接合することのない傾斜面部13cがあり、この傾斜面部13cを介して吐出口第一環状部13aと吐出口第二環状部13bとが連続している。
【0026】
図3に示すように内筒体4の下端11の外周12には、上記吐出口第一環状部13aに対応する内筒体下端第一環状部12aと上記吐出口第二環状部13bに対応して前記内筒体下端第一環状部12aの下位に位置し外径を内筒体下端第一環状部12aの外径より小とした内筒体下端第二環状部12bとが設けられ、その間に内筒体下端段差部12cが位置しいて、この内筒体下端段差部12cを介して内筒体下端第一環状部12aと内筒体下端第二環状部12bとが連続している。内筒体下端段差部12cは、液体流路の閉鎖時には上記傾斜面部13cに相対するものの、この傾斜面部13cには接触しない部分である。
【0027】
上記液体流路閉鎖シール部15は、上記吐出口第一環状部13a
に内筒体下端第一環状部12a
が内筒体移動方向に摺接可能に密に接触してなるものである。図示の実施の例では、吐出口第一環状部13aの上下幅が、内筒体下端第一環状部12aの上下幅より大きく、この内筒体下端第一環状部12aとこれに対応する吐出口第一環状部13aの対応部分とで、この液体流路閉鎖シール部15が構成されている。
【0028】
上記液止めシール部16は、上記吐出口第二環状部13bに内筒体下端第二環状部12bが
内筒体移動方向に摺接可能に密に接触してなるものである。図示の実施の例では、内筒体下端第二環状部12bの上下幅が、吐出口第二環状部13bの上下幅より大きく、この吐出口第二環状部13bとこれに対応する内筒体下端第二環状部12bの対応部分とで、液止めシール部16が構成されている。そして、シール部14において、上記傾斜面部13cがある部分と上記内筒体下端段差部12cがある部分とが互いに接し合わず、この両者が相対向して液溜め空間部17を形成している。
【0029】
このように液体流路を閉鎖する液体流路閉鎖シール部15と液体流路閉鎖時での液体の外部漏出を抑える液止めシール部16を離間して形成している。そして、前記液止めシール部16では液体流路閉鎖シール部15の隙間からの仮に生じる液体の僅かな漏れを注出口栓の外に漏れ出るのを抑えるものであるので、摺接可能にして密に接触する面積を広く確保する必要なく、接触面積を小さくしてもその機能を十分に発揮できる。液体流路閉鎖シール部15自体にあっても、液体流路を閉鎖する作用が得られる接触面積が確保されればよいものであるので、この液体閉鎖シール部15での接触面積も小さくすることができる。よって、液体流路閉鎖シール部15と液止めシール部16の接触面積をそれぞれ小さくすることで、開栓時トルクの低減化が図れる。
【0030】
また、液体流路閉鎖シール部15と液止めシール部16との間を液溜め空間部17としていて、液体流路閉鎖シール部15の隙間からの仮に生じる液体の僅かな漏れをこの液溜め空間部17内で溜め受けるようになるので、液体の外部への漏れ出しをより確実に防止できる。
【符号の説明】
【0031】
1…コック式注出口栓
2…コック本体
3…キャップ
4…内筒体
5…外筒体
10…吐出口
11…内筒体の下端
12…内筒体の下端の外周
12a…内筒体下端第一環状部
12b…内筒体下端第二環状部
12c…内筒体下端段差部
13…吐出口の内周
13a…吐出口第一環状部
13b…吐出口第二環状部
13c…傾斜面部
14…シール部
15…液体流路閉鎖シール部
16…液止めシール部
17…液溜め空間部