(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記イベント処理部は、初期化処理中に、証明書状態確認、設置状態確認、通信設定遷移、及びメッセージ生成を行うことを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
前記イベント処理部は、照会実施の際には、初期化処理中に、照会状態確認、及びメッセージ生成を行い、登録実施の際には、初期化処理中に、バージョン情報もしくはモデル名取得、及びメッセージ生成を行うことを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、本願発明は、プロジェクタ、会議システム等のデバイスを管理システムの対象になる可能性があり、これから作るデバイスの開発効率を考慮した。また、管理対象が増加していく場合、今まで通知しなくても良かったものを通知しなければならなくなったり、拡張が考えられるので、拡張性を重視して作った。将来新しく管理対象に入っても、通知しなければならなくなってもすぐに対応できる。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る情報処理装置を用いた遠隔管理システム全体のソフトウェア構成について説明するための説明図である。
同図に示すシステムは、情報処理装置としてのプロジェクタ(情報処理装置101)と、情報処理装置101を遠隔管理する管理装置としてのセンターシステム110とを有する。
情報処理装置101は、ユーザ操作制御部102、機器内状態監視部103、イベント受信部104、イベント処理部105、処理分配部106、データ管理部107、機器状態管理部108、及び通信部109で構成されている。
センターシステム110は、例えばサーバで構成されている。
【0014】
遠隔機器管理システムの構成は、管理対象デバイスとなる情報処理装置(プロジェクタ)101からセンターシステム110に向けてメッセージを送信する(または逆に受けることもある)ことである。この構成によりセンターシステム110が数多くの機器の情報を管理し、実現している。
【0015】
本実施形態は、
図1における左側の情報処理装置101の内部の設計構成がポイントとなる。
【0016】
遠隔管理システムにおいて、管理対象デバイスとなる情報処理装置101からセンターシステム110に向けてメッセージを送信する処理は、主にユーザ操作制御部102または機器内状態監視部103にて発生するイベントをトリガとして動作する。ユーザ操作制御部102による主なイベントとしては、「登録処理」や「通信テストコール実行」等が挙げられる。同様に、機器内状態監視部103の主なイベントとしては、「エラー発生通知」等が挙げられる。
【0017】
ユーザ操作制御部102や機器内状態監視部103から発生したイベントは、イベント受信部104に届く。その後、実際にセンターシステム110に向けて通知されるメッセージを作成するために、イベント処理部105に処理が渡される。基本的にデバイス内部で必要な機器情報や機器状態が収集され、収集されたデータがメッセージの形式にまとめられ、当該メッセージがセンターシステム110に転送される。このため、イベント処理部105はデータ管理部107と機器状態管理部108といった機器情報や状態を取得できる部分を利用する形で設計されている。イベント処理部105は、実際にネットワーク越しにメッセージを通知するためには通信部109を利用する。これが、管理対象デバイスとなる情報処理装置101からセンターシステム110にメッセージを送信する場合の基本的な処理の流れとなる。
【0018】
図2は、
図1に示したイベント受信部104と、イベント処理部105の詳細について説明する説明図である。
図1で説明したように、管理対象デバイスとなる情報処理装置101からセンターシステム110に対してメッセージを送信する処理では、機器内部のイベントをトリガとして、そのイベントに対応付けられた実際にやり取りするメッセージが、機器内部から情報や状態を収集して構築され、実際に送信される。
【0019】
図2ではイベント等の処理詳細について説明する。
基本的な処理の流れは、どのようなイベントが発生しても同様であるが、作成するメッセージの種類は異なっている。そのため、実際にはイベント処理部105を処理内容別に詳細化している(例えば、「手動コール処理部」)。これらの処理部群はイベント受信部104から見ると、全て同じイベント処理部105として見えるように設計されている。処理部群は、基本部分をイベント処理部105として共通化した上で、各個別の処理部はイベント処理部105の拡張という扱いとなる。そのため、共通化された分の省メモリの実現と、今後新たな「○○処理部」が追加されても、イベント受信部104や既存のイベント処理部105には影響を与えずに拡張が可能となっている。
【0020】
また、機器でのイベント発生時に、対応した処理部に分配するのは、処理分配部106が行っている。イベント受信部104は、イベントを受けると処理分配部106にイベントを渡す。処理分配部106は、機器内での発生イベントと対応するイベント処理部105とのマップを持っている。処理分配部106は、このマップを参照して、発生したイベントに対応した処理部を決定して渡す。これにより、イベント受信部104は、イベント処理部105の詳細な種類を意識することなく、処理実行を行うことが出来る構成となっている(シーケンスは次に示す)。
【0021】
図3は、
図2で説明した構成におけるエラー発生時のシーケンスについて説明する図である。
図3は、機器内部でエラー発生通知が発行された場合のシーケンス図の一例を示している。
機器内状態監視部103よりエラー発生通知(S301)を受けたイベント受信部104は、処理分配部106に処理分配依頼を行う。この際、エラー発生通知のイベントを渡す(S302)。
処理分配部106は、イベントと処理部のマップとを確認し、エラー発生通知に対応する機器イベント処理部203を生成して、イベント受信部104に渡す(S304)。
イベント受信部104は、処理分配部106から返された機器イベント処理部203に対して処理実行を要求する。この際にも、イベント(エラー発生通知)を渡す(S305)。
【0022】
処理実行を受けた機器イベント処理部(イベント受信部104は機器イベント処理部203として認識している)203は、データ管理部107からエラー通報に必要なエラー通報情報を取得し(S306)、機器状態管理部108から通信状態を取得したあと(S308)、メッセージを構築(生成)し(S310)、通信部109を経由して機器外にメッセージを送信する(ここでいうメッセージとは、「エラー発生メッセージ」となる。)。
【0023】
機器イベント処理部203から通信部109にメッセージが送信されると(S311)、通信部109はメッセージをセンターシステム110に送信すると共に(S312)、機器イベント処理部203に応答する(S313)。機器イベント処理部203は、イベント処理部105に処理完了通知を送り(S314)、イベント受信部104は機器内状態監視部103に応答する(S315)。
【0024】
尚、点線内の処理である、エラー通報情報取得(S306、S307)、通信状態取得(S308、S309)、メッセージ生成(S310)は処理毎に変わる。
【0025】
ここで、最初のイベントトリガが、ユーザ操作制御部102(
図1参照)からのイベントになったとしても、基本的な流れは変わらず、機器イベント処理部203の内部での「データ管理からの情報取得」と、「機器状態管理からの状態取得」と、「メッセージの生成」とがそれぞれの処理内容に合わせて変化するのみとなる。
このため、新しい処理部を追加する必要が生じたとしても、処理分配部106での機器内部イベントと処理部のマップの追加と、新しい処理部を作成するのみで既存部分への影響を少なくすることが出来る。
表1は、具体的な
図2で説明した構成のイベントと処理部との対応表(対応情報)の一例である。
【0027】
表1は、処理分配部106が参照しているイベントと処理生成部との対応関係を示す表である。ユーザからの実行要求のみ、大項目と小項目に分かれているため、ユーザからの実行要求のみ、小項目の内容で生成対象となる機器イベント処理部203が決定する。
また、エラー発生通知に関するシーケンスは
図3、起動完了通知に関するシーケンスは
図6、ユーザからの実行要求:照会実施/登録実施に関するシーケンスを
図7で説明している。
【0028】
図4は、イベント受信部の状態遷移について説明するための説明図である。
図4において、イベント処理部105での処理をより局所化(高効率化)するため、
図1に示した構成でイベント受信部104において機器内の状態を管理するようにし、機器の状態が、遠隔機器管理システムが有効ではないような状態(イベント処理部105が動作する必要の無い状態)である場合に、イベント処理部105に対する処理実行要求を呼ばないような処理を加えている。上記を実現すると、イベント処理部105の拡張である各処理部は、実装する際に、自身のメッセージの作成のみを考慮すればよい構成となる(データ管理/機器状態管理からの情報取得と、メッセージ作成、通信部への送信要求のみとなる)。
【0029】
次にどのように状態管理をしているかを、表2及び
図5を参照して述べる。
表2及び
図5は、具体的な状態遷移について説明するための表及び説明図である。
【0031】
図5に示すように状態は「初期化状態」、「設置状態」、「通信許可状態」、及び「証明書状態」の4種類の小状態で構成されており、それぞれの組み合わせで4パターンの状態を作っている。それぞれ、実行できる機能の種類が変わる。
【0032】
まず、「4.遠隔機器管理システム初期化中」(S501)から開始され、「3.遠隔機器管理システム初期化完了」(S502)→「2.遠隔機器管理システム正常利用可能、設置前」(S503)→「1.遠隔機器管理システム正常利用可能」(S504)と状態が変わるにつれて、実行できる機能が増えていく。
【0033】
最初の「4.」では、実行できる機能は無く、次の「3.」で外部と通信しない機能が利用できる。「2.」となってはじめて、設置/登録のみ実行できる。「2.」の状態は、基本的に全て状態は正常だが、設置状態が「未設置」となっており、これは機器が遠隔機器管理システムの監視対象デバイスとして登録されていない状態を示す。よって、照会/登録処理を行うことで「設置済み」状態となり、「1.遠隔機器管理システム正常利用可能」の状態に遷移することで全機能が利用可能となる。照会登録処理のシーケンスは、
図7で示す。
【0034】
その他の初期状態は、基本的に初期化処理中に決定する(S501)。初期化処理が完了すると「3.」の状態に遷移するが(S502)、初期化処理中に取得した状態が「証明書状態:正常」でかつ「通信許可状態:許可する」であれば状態「2.」になり(S503)、更に加えて、「設置状態:設置済み」であれば「1.」の状態に遷移する(S504)。この初期化処理のシーケンスは
図6に示す。
【0035】
図6は、具体的な
図2で説明した構成のシーケンスについて説明するための説明図である。
図6は、
図5で説明した状態を起動時に作成するための初期化処理のシーケンス図の一例である。
機器内状態監視部103がイベント受信部104に起動完了を通知すると(S601)、イベント受信部104は、処理分配部106に処理分配依頼(起動完了通知)を送る(S602)。処理分配部106は、表1を参照して初期化処理部204を生成すると共にイベント受信部104に応答することになる(S603、S604)。
イベント受信部104は、初期化処理部204に処理実行(起動完了通知)を行うと(S605)、初期化処理部204は機器状態管理部108に証明書状態確認を行う(S606、S607)。
初期化処理部204は、証明書状態(正常)通知をイベント受信部104に送り(S608)、データ管理部107に設置状態確認を行い(S609、S610)、イベント受信部に設置状態(設置済み)通知を行う(ステップS611)。
また、初期化処理部204は、データ管理部107に通信設定確認を行い(S612)、イベント受信部104に通信許可状態(許可する)通知を行い(S614)、初期化完了通知を行う(S615)。
【0036】
初期化処理部204は、メッセージ生成(起動完了通知)を行い(S616)、通信部109にメッセージを送信する(S617)。通信部109は、センターシステム110にメッセージを送信し(S618)、初期化処理部204に応答する(S619)。
初期化処理部204は、イベント受信部104に処理完了通知を行う(S620)。イベント受信部104は、機器内状態監視部103に応答する(S621)。
【0037】
すなわち、遠隔機器管理システムの処理は、機器の通信機能などを利用する。このため、プロジェクタ(機器)として起動が完了した時点で初めて初期化処理が実行される設計となっている(起動完了通知のイベントを受けて初めて処理が実行される)。この処理が完了することで、初期化状態が初期化完了に移行し、「3.遠隔機器管理システム初期化完了」状態に遷移する。そして、初期化処理中に行われている「証明書状態」、「設置状態」、「通信状態」の確認結果に基づいて、「2.遠隔機器管理システム正常利用可能、設置前」または「1.遠隔機器管理システム正常利用可能」への遷移が行われる。
また、プロジェクタには時計が存在しないため、初期化処理直後の起動完了通知により、一度ネットワーク経由でセンターシステムと通信完了した時点でサーバ側との時刻同期を完了させる。
【0038】
図7は、設置処理を行った際のシーケンスについて説明するための説明図である。
図7は、設置処理のシーケンスであるが、遠隔機器管理システムにおける「設置処理」とは、ユーザ操作制御部102からの要求で「照会実施」と「登録実施」(表1のイベント小項目参照)が行われ、それぞれ成功することで「設置済み」状態となることを意味する。
この設置処理を行うのが、設置処理部202a、202bである。
【0039】
まず、ユーザ操作制御部102から「照会実施」の要求がイベント受信部104に届き(S701)、イベント受信部104は処理分配部106に照会実施のイベントを渡す(S702)。
処理分配部106は、表1のマップを参照し、設置処理部202aを生成し(S703)、イベント受信部104に渡す。イベント受信部104は、設置処理部202に対して処理実行を要求する(S704)。ここまでが照会実施の流れである。
設置処理部202aから機器状態管理部108に照会状態確認が行われ(S705、S706)、メッセージが生成され(照会実施:S707)、通信部109にメッセージが送信される(S708)。
【0040】
通信部109は、メッセージをセンターシステム110に送信し(S709)、設置処理部202aに応答する(S710)。
設置処理部202aは、処理完了通知をイベント受信部104に送る(S711)。イベント受信部104はユーザ操作制御部102に応答する(S712)。
処理完了後に同様にユーザ操作制御部102から「登録実施」の要求が来る(S712、S713)。
【0041】
ユーザ操作制御部102からイベント受信部104に登録実施の要求が来ると(S713)、イベント受信部104は処理分配部106に処理分配依頼(照会実施)を行う(S714)。処理分配部106は、設置処理部202bを生成する(S715)。
イベント受信部104から設置処理部202bに処理実行(登録実施)が要求されると(S716)、設置処理部202bは、機器状態管理部108に登録状態確認を行う(S717)。設置処理部202bは、データ管理部107からバージョン情報を取得し(S718、S719)、メッセージを生成する(監視登録実施:S719)。設置処理部202bは、通信部109にメッセージを送信する(S720)。通信部109は、メッセージをセンターシステム110に送信する(S720)。通信部109は設置処理部202bに応答する(S722)。
設置処理部202bは、メッセージを生成し(お客様番号問い合わせ実施:S723)、メッセージを通信部109に送信する。通信部109は、設置処理部202bに応答する(S726)。
設置処理部202bは、データ管理部107にモデル名を取得し(S727、S728)、メッセージを通信部109に送信する(S730)。通信部109は設置処理部202bに応答する(S732)。
設置処理部202bは、イベント受信部104に処理完了通知を行う(S733)。
【0042】
このケースでも流れは同様であるが、センターシステムとやり取りするメッセージが3回ある点のみが変わっている。
ここまで、
図2ではエラー発生時、
図6で初期化処理、
図7で設置処理のそれぞれシーケンス図を示してきた。各処理部の詳細シーケンスは異なるが、「処理部の詳細に入るまでの処理の流れ」と、「処理部のやり取りする相手先(「データ管理」/「機器状態管理」/「通信部」)」は全て共通化されていることが分かる。
【0043】
これは、処理が共通化できていることと、それぞれの処理部がセンターシステム110とやり取りするメッセージを作成し送信するという変動部に分けられていることを意味している。これにより、共通化による省メモリでの遠隔機器管理システムの実現と、将来の拡張に容易に対応することが可能になる。
【0044】
<プログラム>
以上で説明した本実施形態にかかる情報処理装置は、コンピュータで処理を実行させるプログラムによって実現されている。コンピュータとしては、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用的なものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。よって、一例として、プログラムにより本発明を実現する場合の説明を以下で行う。
【0045】
例えば、管理装置により遠隔管理される情報処理装置のコンピュータに、ユーザ操作制御部が、ユーザの操作によりイベントを発生する手順、機器内状態監視部が、イベントを発生する手順、イベント受信部が、内部で発生したイベントを受信する手順、処理分配部が、イベントに対応したイベント処理部への振り分けを決定する手順、イベント処理部が、処理分配部により生成した、管理装置に送信するメッセージを生成する手順、通信部が、メッセージを管理装置に送信する手順、を実行させるプログラムが挙げられる。
【0046】
これにより、プログラムが実行可能なコンピュータ環境さえあれば、どこにおいても本発明にかかる情報処理装置を実現することができる。このようなプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0047】
<記憶媒体>
ここで、記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(CD Recordable)などのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、FeRAM(強誘電体メモリ)等の半導体メモリやHDD(HardDisc Drive)が挙げられる。
【0048】
<作用効果>
本実施形態によれば、遠隔機器管理システムの監視対象デバイスにおいて、ユーザ操作制御部と機器内状態監視部からのイベントを元に処理する際に、共通化されたイベント受信部を持つことにより、共通化による省メモリ構成を実現することができる。
【0049】
本実施形態によれば、上記構成に加え、データ管理や機器状態管理、通信部を用いる構成で、それらを利用して処理する部分としてイベント処理部を共通部として用意し、各処理に応じた独自部分を拡張として用意する構成をとることにより、共通化による省メモリと共通/変動部の分割による拡張性の向上を図ることができる。
【0050】
本実施形態によれば、上記構成に加え、機器内で発生するイベントとセンターシステムとやり取りするべきメッセージ(処理内容)をマップしたデータを持ち、イベントから各処理部を生成する処理分配部を配置したことにより、各処理部とイベントのマップを処理分配部に集約させることで、イベント受信部からはイベント処理部の詳細を意識させることがなくなり、より拡張の際の影響範囲を小さく出来る。
【0051】
本実施形態によれば、上記構成に加え、イベント処理部の拡張部として、手動コール処理部を用意し、通信テストコール/ポーリング手動実行/サービスマン作業/終了といった手動(主にユーザ操作制御部)のイベント処理を行うことにより、各メッセージ作成に特化した部分の実装のみで対応可能となる。
【0052】
本実施形態によれば、上記構成に加え、イベント処理部の拡張部として、機器イベント処理部を用意し、エラー通報等の機器状態変化のイベント処理を行うことにより、機器内状態監視からのイベント関連は似たものが多く存在するため機器イベント処理部で実装する。この処理部も、イベント受信部/イベント処理部の共通部があるため、各メッセージ作成に特化した部分の実装のみで対応可能となる。
【0053】
本実施形態によれば、上記構成に加え、イベント処理部で全体状態を管理する構成をとることにより、処理部で行う処理を、よりメッセージの作成/送信に限定できるため、拡張性が向上する。
【0054】
本実施形態によれば、上記構成に加え、初期化処理部において、「設置状態」、「通信許可状態」、「証明書状態」を確認し、イベント受信部に通知を行うことで起動時の状態を確立することにより、基本的なイベント処理部と同様の構成で状態遷移に関する通知も行えるようにすることで、余計な処理を用意することなく状態遷移を実現できる。
【0055】
本実施形態によれば、上記構成に加え、基本的なイベント処理部と同様の構成で状態遷移に関する通知も行えるようにすることで、余計な処理を用意することなく状態遷移を実現できる。
【0056】
すなわち、デバイスがシステムとしてセンター側とやり取りするメッセージと、デバイス内で発生するイベントとを紐付けた上で、イベント処理部をインターフェースとして各処理部の共通部分を共通化するので、遠隔管理システムに対応したデバイスを省メモリで実現し、将来のデバイス向けへの拡張にも備えることができる。
【0057】
要するに、本実施形態に係る情報処理装置は、機器内で発生するイベントと、センターシステムとやり取りするべきメッセージ(処理内容)が対応付けられて管理されている。
【0058】
(第2の実施形態)
第1の実施形態で説明したように、基本的に、機器上で発生したイベントを、イベント処理部が一旦全て受ける。次に、そのイベントを処理分配部に渡し、そのイベントを処理すべきイベント処理部が返却される。イベント受信部からみると、イベント処理部の詳細は知らずに、単に「イベント処理部」として捕らえており、発生したイベントを渡すだけで処理が完結する。つまり、発生イベントの種類と、そのイベントを処理すべきイベント処理部の種類は全て処理分配部が知っているという構成である。
【0059】
第2の実施形態では、その発生イベントとイベント処理部との対応付けを更新する場合の構成例を示す。
【0060】
図8は、第2の実施形態に係る情報処理装置を用いた遠隔管理システム全体のソフトウェア構成について説明するための説明図である。
図8に示すシステムは、情報処理装置101−2と、情報処理装置101−2を遠隔管理する管理装置としてのセンターシステム110とを有する。
【0061】
情報処理装置101−2は、ユーザ操作制御部102、機器内状態監視部103、イベント受信部104、イベント処理部105、処理分配部106−2、データ管理部107、機器状態管理部108、通信部109、処理生成部110−2、対応付け管理部111−2、及び、記憶部113−2を備えている。
【0062】
第2の実施形態では、処理分配部106−2の機能と、処理生成部110−2、対応付け管理部111−2、及び、記憶部113−2を追加したことと、が第1の実施形態と異なっている。その他の構成および機能は、第1の実施形態のブロック図である
図1と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。
【0063】
処理生成部110−2は、対応付け管理部111−2と処理生成部とに関連づけられる。対応付け管理部111−2は、処理分配部106−2から発生したイベントを渡されると、記憶部113−2に格納された「イベントと生成する処理部との対応表」を参照する。対応付け管理部111−2は、この対応表(マップ)を参照して、イベントに対応する生成すべきイベント処理部の名称を返却する。
【0064】
イベント発生時に、対応付け管理部111−2が対応表を読み込む構成にしておくことで、対応表(表1など)を更新することが可能となる。例えば、ユーザが事前に記憶部113−2に記憶されるマップを更新しておけば、イベント発生時等に、更新後のマップにより処理が実行されるようになる。この読み込みのタイミングは、デバイスの種類等に応じて変更してもよい。例えば、MFPのような常に電源が入っているデバイスでは、イベント発生ごとに読み込み、プロジェクタなどの電源のオンおよびオフの多いデバイスでは電源オン時に読み込むように構成してもよい。
【0065】
なお、
図8では、記憶部113−2を情報処理装置101−2の内部に備えているが、ネットワーク等を介して接続される外部記憶装置内に記憶部113−2を備えるように構成してもよい。
【0066】
図9は、第2の実施形態におけるエラー発生時のシーケンスについて説明する図である。
図9は、機器内部でエラー発生通知が発行された場合のシーケンス図を示している。なお、
図3と同様の処理については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0067】
機器内状態監視部103からエラー発生通知を受けたイベント受信部104は、処理分配部106−2に処理分配依頼を行う(ステップS302)。この際、エラー発生通知のイベントを渡す。
【0068】
処理分配部106−2は、対応付け管理部111−2にイベントを渡す(ステップS901)。対応付け管理部111−2は、記憶部113−2からイベントと対応する処理部のマップを読み込み(ステップS902)、読み込み完了を通知する(ステップS903)。
処理分配部106−2は、エラー発生イベントに対応する対応付けの取得を、対応付け管理部111−2に要求する(ステップS904)。対応付け管理部111−2は、エラー発生イベントに対応する処理部は機器イベント処理部であることを、処理分配部106−2に渡す(ステップS905)。
【0069】
処理分配部106−2は、発生イベントと処理すべきイベント処理部(ここでは機器イベント処理部)の情報を処理生成部110−2に渡す(ステップS906)。この際、処理分配部106−2は、対応付け管理部111−2から返された情報とイベントを流すだけなので、処理部の詳細を把握する必要はない。
【0070】
次に、処理生成部110−2は、機器イベント処理部を生成して(ステップS907)、処理分配部106−2経由してイベント受信部104に渡す(ステップS908、ステップS909)。イベント受信部104は、処理分配部106−2から返されたイベント処理部に対して処理実行を要求する(ステップS305)。イベント受信部104は、この際にも、イベント(エラー発生通知)を渡す。処理実行を受けた機器イベント処理部(イベント受信部104は「イベント処理部」として認識している)は、メッセージを構築し、送信部を経由して機器外にメッセージを送信する(ステップS306〜ステップS312)。ここでいうメッセージとは、「エラー発生メッセージ」となる。ここで、最初のイベントトリガが、ユーザ操作制御部102からのイベントになったとしても、基本的な流れは変わらない。
【0071】
なお、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。