(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、撮像画像を用いて製品に関する情報を利用者に提供する新規な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]撮像部と端末側表示部とを含む撮像端末のための制御装置であって、
製品に含まれる製品側表示部であって、前記製品の現在の状態を示す特定の状態画像を表示する前記製品側表示部を、前記撮像部が撮像することによって生成される撮像画像データを取得する第1の取得部と、
前記撮像画像データを解析することによって、前記特定の状態画像に関係する特定の関係情報を識別するための特定の識別情報を取得する第2の取得部と、
前記特定の識別情報を用いて、前記特定の関係情報を取得する第3の取得部と、
前記特定の関係情報を、前記撮像端末の前記端末側表示部に表示させる表示制御部と、
を備える、制御装置。
【0007】
上記構成によれば、制御装置は、製品の現在の状態を示す特定の状態画像を表示する製品側表示部を撮像して得られる撮像画像データを解析し、特定の状態画像に関係する特定の関係情報を識別するための特定の識別情報を取得する。制御装置は、特定の識別情報を用いて、特定の関係情報を端末側表示部に表示させる。この結果、撮像端末は、製品側表示部に表示された特定の状態画像に応じた適切な情報を、利用者に提供することができる。
【0008】
[適用例2]適用例1に記載の制御装置であって、
前記第2の取得部は、
前記撮像画像データによって表される撮像画像の特徴を示す撮像画像情報を取得する撮像画像情報取得部と、
複数個の候補画像のそれぞれについて、前記候補画像の特徴を表す候補画像情報を取得する候補画像情報取得部であって、複数個の前記候補画像のそれぞれは、前記製品の状態を示す前記状態画像として前記製品側表示部に表示される画像である、前記候補画像情報取得部と、
前記撮像画像情報と、複数個の前記候補画像情報と、を用いて、複数個の前記候補画像のうち前記撮像画像に最も類似する特定の候補画像の特徴を表す特定の候補画像情報を決定する決定部と、
複数個の前記候補画像のそれぞれについて、前記候補画像の特徴を表す前記候補画像情報と、前記候補画像に関係する前記関係情報を識別するための前記識別情報と、を対応付けて記憶する記憶部から、前記特定の候補画像情報に対応する前記特定の識別情報を取得する識別情報取得部と、を備える、制御装置。
【0009】
上記構成によれば、複数個の候補画像のそれぞれの特徴を表す複数個の特徴情報を用いて、適切な関係情報を表示できるので、利用者に対して適切な関係情報を表示することができる。
【0010】
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の制御装置であって、
前記特定の関係情報は、前記制御装置とネットワークを介して接続されるサーバに格納され、
前記第2の取得部は、前記サーバ内における前記特定の関係情報の位置を表す特定の位置情報を、前記特定の識別情報として取得し、
前記第3の取得部は、前記特定の位置情報を用いて前記サーバにアクセスすることによって、前記特定の関係情報を取得する、制御装置。
【0011】
上記構成によれば、利用者は、製品側表示部を撮像することによって、サーバに格納された関係情報を、容易に端末側表示部に表示することができる。
【0012】
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の制御装置であって、
前記製品の種類の入力を利用者から受け付ける第1の受付部をさらに備え、
前記第2の取得部は、前記撮像画像データの解析結果と、前記製品の種類を表す製品情報と、を用いて、前記特定の識別情報を取得する、制御装置。
【0013】
上記構成によれば、製品の種類に応じて、適切な関係情報を端末側表示部に表示することができる。
【0014】
[適用例5]適用例4に記載の制御装置であって、
前記第2の取得部が第1の撮像画像データの解析結果と、前記製品情報と、を用いて第1の識別情報を取得した場合には、
前記第1の受付部は、前記第2の取得部が、第1の撮像画像データが取得された後に取得された第2の撮像画像データの解析結果を用いて第2の識別情報を取得する際に、前記製品の種類の受け付けを行わない、制御装置。
【0015】
上記構成によれば、第2の撮像画像データを解析することによって識別情報を取得する際に、製品の種類の受け付けを行うことなく、適切な識別情報を取得できるので、利用者の操作負担を軽減できる。
【0016】
[適用例6]適用例1ないし適用例5のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第2の取得部は、さらに、
前記撮像画像データを解析することによって、前記特定の識別情報を取得できない場合に、複数個の候補画像をそれぞれ表す複数個の候補画像データを取得する候補画像取得部と、
複数個の前記候補画像を前記端末側表示部に表示させて、利用者の選択を受け付ける第2の受付部と、
前記第2の受付部によって受け付けられた前記利用者の選択結果を用いて、前記特定の識別情報を取得する識別情報取得部と、を備える、制御装置。
【0017】
上記構成によれば、撮像画像データを解析することによって、特定の識別情報を取得できない場合であっても、適切な関係情報を端末側表示部に表示させることができる。
【0018】
[適用例7]適用例6に記載の制御装置であって、
前記候補画像取得部は、前記特定の識別情報を取得できない場合において、前記撮像画像データによって表される撮像画像に類似する所定数の候補画像が特定された場合に、前記所定数の候補画像を取得し、
前記第2の受付部は、特定された所定数の前記候補画像を、前記端末側表示部に表示させる、制御装置。
【0019】
上記構成によれば、撮像画像データを解析することによって、撮像画像データによって表される撮像画像に類似する所定数の候補画像が特定された場合に、利用者は、撮像画像に類似する所定数の候補画像の中から1つの候補画像を選択することができ、利用者の操作負担を軽減できる。
【0020】
[適用例8]適用例6に記載の制御装置であって、
前記候補画像取得部は、前記特定の識別情報を取得できない場合に、予め定められた所定数の候補画像を取得し、
前記第2の受付部は、所定数の前記候補画像を前記端末側表示部に表示させる、制御装置。
【0021】
上記構成によれば、過剰な数の候補画像が表示されることを抑制して、操作が複雑になることを抑制することができる。
【0022】
[適用例9]適用例6ないし適用例8のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第2の受付部は、利用者の選択を受け付けるために、複数個の前記候補画像と、前記撮像画像データによって表される撮像画像とを、前記端末側表示部に表示させる、制御装置。
【0023】
上記構成によれば、利用者は、複数個の候補画像の中から撮像画像に対応する候補画像を容易に選択することができる。
【0024】
[適用例10]適用例9に記載の制御装置であって、
前記特定の状態画像は、前記製品において現在発生しているエラーを示すための画像であり、
前記特定の関係情報は、前記エラーを解決するための解決方法を示す、制御装置。
【0025】
上記構成によれば、製品においてエラーが現在発生している場合に、エラーを解決するための解決方法を利用者に提供することができる。
【0026】
[適用例11]適用例10に記載の制御装置であって、
前記第2の受付部は、複数個の前記候補画像に加えて、特定の選択肢を前記端末側表示部に表示させ、
前記表示制御部は、
前記特定の選択肢が選択された場合に、複数個のエラー項目であって、前記製品において現在発生しているエラーに対応する特定のエラー項目を含む複数個の前記エラー項目を、前記端末側表示部に表示させる、制御装置。
【0027】
上記構成によれば、候補画像の表示数が過度に増加することを抑制しつつ、利用者に適切な関係情報を選択させることができる。
【0028】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、撮像部と端末側表示部とを備える撮像端末の制御方法、これらの装置の機能または方法を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
A.第1実施例
A−1.システムの構成:
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。
図1は、第1実施例における情報提供システムの構成を示すブロック図である。
図2は、複合機200の外観斜視図である。このシステムは、複合機200と、インターネット70に接続されたサーバ60と、携帯端末400と、を備えている。
【0031】
複合機200は、CPU210と、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置220と、RAMなどの揮発性記憶装置230と、インクジェット式のプリントエンジンであるプリンタ部240と、光学センサ(例えば、CIS(Contact Image Sensor))を用いて、原稿を光学的に読み取るスキャナ部250と、タッチパネル260Aやボタン260B(
図2)などを含む操作部260と、タッチパネルと重畳された液晶などの表示パネルを含む表示部270と、パーソナルコンピュータ(図示省略)などの外部装置とデータ通信を行うためのインタフェースを含む通信部280と、を備えている。表示部270は、液晶パネルの表示面が複合機200の上面の手前側に位置するように、配置されている(
図2)。また、複合機200は、さらに、複合機200の筐体の底面近傍に、前方に引き出し可能に配置された給紙トレイ285と、プリンタ部240による印刷のための印刷材としてのインクを収容するインクカートリッジが装着されるインク装着部290と、を備えている(
図2)。
【0032】
揮発性記憶装置230には、CPU210が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域231が設けられている。不揮発性記憶装置220は、複合機200を制御するためのコンピュータプログラム221と、UI画像データ群224と、を格納している。
【0033】
コンピュータプログラム221は、例えば、複合機200の出荷時に予め不揮発性記憶装置220に格納されている。また、コンピュータプログラム221は、CD−ROMなどに記録された形態や、サーバからダウンロードされる形態で提供され得る。
【0034】
UI画像データ群224は、
図3を参照して説明する複数種類のUI画像を表す複数のUI画像データを含む。UI画像データは、例えば、UI画像を構成する複数個の画素の色をRGB値で表したRGB画像データである。
【0035】
CPU210は、コンピュータプログラム221を実行することにより、複合機200の全体を制御する。具体的には、CPU210は、装置制御部110と、UI制御部120として機能する。装置制御部110は、プリンタ部240やスキャナ部250などを制御して、画像印刷処理や画像読取処理などの複合機200の主たる機能を実現する。UI制御部120は、利用者からの操作の受け付けや、利用者に対する複合機200に関連する情報の提供のためのユーザインタフェースを提供する。具体的には、UI制御部120は、UI画像データ群224に含まれるUI画像データを用いて、ボタンを表す画像などを含むUI画像や、複合機200の現在の状態に応じて、現在の状態に関する情報を利用者に示すためのUI画像を、表示部270に表示する。また、UI制御部120は、表示されたUI画像を介して利用者の操作を受け付ける処理を実行する。
【0036】
サーバ60は、周知の計算機であり、図示しないサーバプログラムを実行することにより、携帯端末400や図示しないパーソナルコンピュータなどのクライアント計算機に対して、WEBサービスを提供する。サーバ60の記憶部65には、複合機200の利用者をサポートするためのサポート情報群651がWEBページの形式で格納されている。サーバ60によるWEBサービスは、利用者へのサポート情報の提供である。サーバ60は、例えば、複合機200を製品として販売した販売者によって、運営されている。
【0037】
携帯端末400は、例えば、複合機200の利用者が所有するスマートフォンなどの多機能携帯電話である。携帯端末400は、CPU410と、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置420と、RAMなどを含みバッファ領域427などに用いられる揮発性記憶装置425と、無線IF部430と、電話IF部440と、スピーカやマイクを含み電話機能などを実現するための音声処理部450と、タッチパネルや操作キーなどを含む操作部460と、タッチパネルと重畳された液晶パネルなどを含む表示部470と、イメージセンサを用いて撮像を行うカメラ490と、を主に備えている。
【0038】
無線IF部430は、アンテナを含み、例えば、図示しないアクセスポイントを介した無線通信(インフラストラクチャーモードに準拠する無線通信)を行う。無線IF部430は、後述するように、携帯端末400がサーバ60にアクセスするために用いられる。
【0039】
電話IF部440は、アンテナを含み、基地局(図示省略)との間で携帯電話通信の方式(例えば、W−CDMA)に準拠する無線通信を行う。電話IF部440は、例えば、電話や、基地局を介したインターネット70への接続などを実現する。無線IF部430と同様に、電話IF部440は、携帯端末400がサーバ60にアクセスするために用いられる。
【0040】
カメラ490は、周知のデジタルカメラであり、撮像対象物を表す画像データを生成・取得することができる。なお、カメラ490による画像データの生成・取得は、利用者の指示(具体的にはシャッターボタンの押下)に応じて、比較的高解像度の画像データを生成・取得して、例えば、不揮発性記憶装置420に格納することに限らず、表示部470に表示するために、比較的低解像度の画像データを連続的に(例えば、100msec毎に)生成・取得して、揮発性記憶装置425に、一時的に格納することを含む。
【0041】
不揮発性記憶装置420には、制御プログラムPG1と、情報提供プログラムPG2と、ブラウザプログラムPG3と、後述する情報提供処理において利用される候補画像特徴テーブル群DT1と、候補画像データ群DT2と、が格納されている。制御プログラムPG1は、OS(オペレーティングシステム)の機能や、電話機能、カメラ490の制御機能、携帯端末400の基本機能を実現するプログラムである。ブラウザプログラムPG3は、WEBページを閲覧するためのWEBブラウザとしての機能を実現するプログラムである。制御プログラムPG1およびブラウザプログラムPG3は、例えば、携帯端末400の製造者によって提供され、出荷時に予め格納されている。情報提供プログラムPG2は、複合機200に関する情報を利用者に提供する処理を、サーバ60と協働して、実現するプログラムである。情報提供プログラムPG2は、携帯端末400に新たな機能を追加するプログラム(「アプリ」とも呼ばれる。)であり、例えば、携帯端末400の製造者とは異なる提供者(例えば、複合機200の製造者)によって、所定のサーバからダウンロードする形態で、提供される。また、情報提供プログラムPG2が所定のサーバからダウンロードされる際、候補画像特徴テーブル群DT1と、候補画像データ群DT2と、も併せて所定のサーバからダウンロードされる。情報提供プログラムPG2、候補画像特徴テーブル群DT1、候補画像データ群DT2は、例えば、携帯端末400の製造者によって提供され、出荷時に予め格納されていても良い。
【0042】
CPU410は、制御プログラムPG1を実行することによって、携帯端末400の基本機能を実現するメイン制御部20とし、ブラウザプログラムPG3を実行することによって、WEBブラウザ50として機能する。また、CPU410は、情報提供プログラムPG2を実行することによって、情報提供部300として機能する。
【0043】
情報提供部300は、第1の取得部310と、第2の取得部320と、第3の取得部330と、第1の受付部350と、第2の受付部360と、を備えている。第2の取得部320は、撮像画像情報取得部321と、候補画像情報取得部322と、候補画像取得部323と、識別情報取得部324と、決定部325と、を備えている。これらの各処理については、後述する。
【0044】
なお、複合機200は、製品側表示部(表示部270)を含む製品の例である。携帯端末400は、撮像部(カメラ490)と端末側表示部(表示部470)とを含む撮像端末の例である。情報提供部300として機能する携帯端末400のCPU410は、撮像端末のための制御装置の例である。なお、WEBブラウザ50は表示制御部の例である。
【0045】
A−2.複合機200のUI画像:
次に、複合機200の表示部270に、UI制御部120によって表示されるUI画像について説明する。
【0046】
図3は、UI画像の一例を示す図である。
図3(A)に示す第1のUI画像MI1は、インク装着部290に装着されるべきインクカートリッジCTが未装着であるエラーの発生を、利用者に示すためのUI画像である。この第1のUI画像MI1は、画像の上端にそって、帯状に配置された帯領域BA1と、帯領域BA1の下側に配置された主表示領域MA1とを含んでいる。帯領域BA1の色と主表示領域MA1の色とは、異なっており、例えば、帯領域BA1の色は、黄色、緑色などの比較的彩度が高い色であり、主表示領域MA1の色は、比較的彩度および明度が低い色、例えば、黒色やグレーなどが用いられている。また、帯領域BA1および主表示領域MA1には、それぞれ、エラーに関する情報を文字で表す文字画像CI1、CI2が含まれている。主表示領域MA1には、さらに、エラーに関する情報を複合機200の斜視図を表す製品画像DI1や、エラーに関する情報を記号で表す記号画像MKなどを含んでいる。
【0047】
図3(B)に示す第2のUI画像MI2は、UI画像MI1が示すエラーとは、異なるエラーを利用者に示すためのUI画像である。この第2のUI画像MI2は、印刷用紙がプリンタ部240の用紙搬送機構の特定の部分に詰まることによって、印刷処理の継続ができないエラー(いわゆる紙詰まり)の発生を、利用者に示すためのUI画像である。第2のUI画像MI2は、第1のUI画像MI1と同様に、帯領域BA2と、主表示領域MA2とを含んでいる。帯領域BA2は、エラーに関する情報を文字で表す文字画像CI4を含んでいる。主表示領域MA2は、エラーに関する情報を文字で表す文字画像CI3と、複合機200の斜視図を表す製品画像DI2と、表示部270に表示される画像を、第2のUI画像MI2から、第2のUI画像MI2と関連する情報を利用者に示すための別のUI画像(図示省略)に切り替えるためのボタン画像BTと、を含んでいる。第1のUI画像MI1の製品画像DI1と、第2のUI画像MI2の製品画像DI2は、表示部270の表示領域内に配置された位置や大きさが同じであるが、図示されている製品の部位や、製品の状態(特定の開閉部材(カバーなど)の開閉状態など)が互いに異なる。
【0048】
なお、
図3(A)(B)に示す第1のUI画像MI1および第2のUI画像MI2は、製品の状態を示す状態画像の例である。
【0049】
A−3.携帯端末400の情報提供部300の処理:
図4および
図5は、携帯端末400の情報提供部300(
図1)が実行する情報提供処理のフローチャートである。この情報提供処理は、例えば、複合機200の状態が特定の状態であることを示す特定のUI画像が表示部270に表示されたときに、利用者が当該特定のUI画像に関係する情報を取得するために、情報提供プログラムPG2を起動したときに、実行される。より具体的には、例えば、この情報提供処理は、複合機200がインクカートリッジの非装着などのエラー状態である場合に、表示部270にエラー状態を示すUI画像(例えば、第1のUI画像MI1(
図3(A)))が表示され、利用者がエラー状態の解決方法を詳しく知るために、情報提供プログラムPG2を起動したときに、実行される。
【0050】
ステップS10にて、情報提供部300(情報提供プログラムPG2)の起動処理が実行されて、情報提供部300が動作可能な状態になると、情報提供部300は、ステップS10での情報提供部300の起動処理が初回であるか否かを判断する(ステップS20)。例えば、情報提供部300は、既に対象機種が登録済みである場合には、今回の起動処理は初回でないと判断し、対象機種が未登録である場合には、今回の起動処理は初回であると判断する
【0051】
起動処理が初回であると判断されると(ステップS20:YES)、第1の受付部350は、機種選択画像MD1を表示部470に表示し(ステップS25)、表示された機種選択画像MD1を介して利用者から機種選択指示を受け付ける(ステップS30)。
【0052】
図6は、機種選択画像MD1の一例を示す図である。この機種選択画像MD1は、情報提供部300が対応している機種の名称(型番など)の一覧MNを含んでいる。利用者は、カーソルCUを移動させて、利用者が使用している複合機200の機種の名称を選択したうえで、モデル選択ボタンBT1にタッチすることによって、対象機種を入力する。第1の受付部350は、利用者からの入力に基づいて、対象機種を示す機種情報を生成して、不揮発性記憶装置420の所定領域に登録する。
【0053】
ステップS35では、第2の取得部320は、対象機種に対応する候補画像特徴テーブルを特定する。
【0054】
図7は、候補画像特徴テーブル群DT1(
図1)の内容を説明する図である。候補画像特徴テーブル群DT1は、情報提供部300が対応しているN種類の機種(Nは自然数)にそれぞれ対応するN種類の候補画像特徴テーブルDT11〜DT1Nを含んでいる。
図7には、3つの候補画像特徴テーブルDT11〜DT13だけが図示されている。候補画像特徴テーブルDT11には、候補画像の特徴を表す候補画像情報と、対応URLとが、候補画像に対応付けて記録されている。対応URLは、候補画像情報に対応付けられていると言うこともできる。ここで、候補画像は、テーブルに対応する機種において表示部270に表示され得る複数種類のUI画像、すなわち、複合機200に格納されたUI画像データ群224に含まれる複数種類のUI画像データによって表される画像である。また、候補画像は、利用者によって撮像された撮像画像(後述)に含まれるUI画像の候補を表す画像である。なお、候補画像特徴テーブルDT11には、対応する機種において表示され得る全ての種類のUI画像が、候補画像として記録されている必要はなく、全ての種類のUI画像のうち、一部の主要なUI画像群が記録されていることが好ましい。
【0055】
候補画像情報は、本実施例では、候補画像の色に関する特徴を表す色データと、候補画像の配置に関する特徴を表す配置データと、のセットである。
【0056】
図3(A)に示す第1のUI画像MI1が候補画像である場合を例に説明する。配置データは、例えば、候補画像内に表現された要素の画像内における配置を表すデータである。例えば、第1のUI画像MI1の配置データは、帯領域BA1や主表示領域MA1の配置、文字画像CI1、CI2の配置、製品画像DI1や記号画像MKの配置を、表すデータである。例えば、候補画像を、縦M個×横K個(M、Kは、例えば、20〜200程度の自然数)の升目状のブロックに分割し、ブロックごとにブロック内のオブジェクト(文字、製品画像、記号、背景1(帯領域)、背景2(主表示領域))を識別する識別値(文字=1、製品画像=2、...)を対応付けて得られるデータ(ブロック画像データとも呼ぶ)が、配置データとして用いられる。ブロック画像データは、縦M個×横K個のブロックに対応する縦M個×横K個の画素値から構成された画像データであって、画素値がオブジェクト識別子である画像データである。このような配置データは、例えば、
図3(A)に示す第1のUI画像MI1における文字画像CI1内の文字列の水平方向の長さ、文字画像CI2の配置位置など、他のUI画像(例えば、
図3(B)に示す第2のUI画像MI2)と異なる特徴を表すことができる。
【0057】
色データは、候補画像内に表現された要素の色分布特性を表すデータである。例えば、配置データに規定された複数個の領域(文字画像の領域、製品画像DI1の領域、...)ごとに作成されたヒストグラムデータが、色データとして用いられる。ヒストグラムデータは、周知のように、画像内の各画素を、その色に応じて、複数のクラスに分類することによって得られるデータである。このような色データは、例えば、
図3(A)に示す第1のUI画像MI1における製品画像DI1の色分布特性など、他のUI画像(例えば、
図3(B)に示す第2のUI画像MI2)と異なる特徴を表すことができる。
【0058】
対応URL(Uniform Resource Locator)は、対応する候補画像(UI画像)に関係するサポート情報を含むWEBページのサーバ60内の位置を表す位置情報である。UI画像に関係するサポート情報は、例えば、当該UI画像がエラー状態に関する画像である場合には、当該エラーの解決方法、エラーの解決に必要な消耗品に関する情報などを含む。なお、候補画像(UI画像)に関係するサポート情報は、関係情報の例である。
【0059】
他の候補画像特徴テーブルDT12、DT13(
図7(B)(C))も同様の構成を有している。ここで、候補画像特徴テーブルDT12(
図7(B))には、候補画像特徴テーブルDT11に記録されている複数個の候補画像と同一の複数個の候補画像(エラー表示画像1、2、3)が記録されている。そして、2個のテーブルにそれぞれ記録されている2個の同一の候補画像(例えば、エラー表示画像1)に対応する2個のURL(例えば、URL1と、URL4)は、互いに異なる。すなわち、2個の表示されるUI画像が同一であっても、提供されるサポート情報は、対象機種によって互いに異なっていることが解る。
【0060】
図4のステップS35では、第2の取得部320は、
図7に示す候補画像特徴テーブル群DT1の中から、対象機種に対応する候補画像特徴テーブルを特定する。候補画像特徴テーブル群DT1が不揮発性記憶装置420に格納されていない場合、あるいは、候補画像特徴テーブル群DT1の中に、所望の候補画像特徴テーブルがない場合には、第2の取得部320は、例えば、対象機種を表す機種情報とともに、候補画像特徴テーブルの送信を要求するコマンドをサーバ60に送信することによって、サーバ60から所望の候補画像特徴テーブルを取得しても良い。
【0061】
ステップS40では、第1の取得部310は、カメラ490を起動して、カメラ490を撮像可能な状態にする。ステップS45では、第1の取得部310は、複合機200の表示部270の表示パネルに表示されたUI画像を撮像して得られる撮像画像データを取得する。例えば、第1の取得部310は、表示部470に、利用者に対して表示パネル(UI画像)の撮像を促すメッセージを表示する。そして、第1の取得部310は、利用者の撮像操作(シャッターボタン等の操作)、あるいは、自動認識を利用した自動撮像によって、撮像画像データを取得する。
【0062】
ステップS50では、第1の取得部310は、撮像画像データの取得が成功したか否かを判断する。第1の取得部310は、利用者の撮像操作によって、何らかの撮像画像データを取得できた場合には、撮像画像データの取得が成功したと判断する。あるいは、第1の取得部310は、撮像画像データが取得された場合に、撮像画像データに対して、比較的簡単な解析を行い、撮像画像内に、表示部270の表示パネルである可能性が比較的高い矩形のオブジェクトが認識できた場合に、撮像画像データの取得が成功したと判断しても良い。矩形のオブジェクトの認識は、撮像画像データにエッジ抽出処理を施すことによって、表示パネルと同等の縦横比を有する矩形オブジェクトを抽出することによって実行される。
【0063】
撮像画像データの取得が成功したと判断できない場合には(ステップS50:NO)、第1の取得部310は、撮像画像データの取得を続ける。撮像画像データの取得が成功したと判断されると(ステップS50:YES)、第1の取得部310は、撮像画像データをバッファ領域427に格納する。撮像画像データによって表される撮像画像は、利用者が確認できるように、表示部470に表示される。
【0064】
図8は、撮像画像PCについて示す図である。
図8は、ステップS45にて取得された撮像画像データによって表される撮像画像PCを含む表示画像MD2を示す。表示画像MD2は、撮像画像データが取得された直後に、携帯端末400の表示部470に表示される画像である。
図8の例では、撮像画像PCは、表示部270の表示パネルを表す画像271と、表示部270の表示パネルに近接した複合機200の操作ボタン260Bを表す画像261Bと、を含んでいる。以下、撮像画像PC内のUI画像が写っている部分画像(表示パネルの画像)を撮像UI画像271とも呼ぶ。
【0065】
図4のステップS55では、撮像画像情報取得部321は、ステップS45において取得された撮像画像データを用いて、撮像画像PCの特徴を表す撮像画像情報を生成する。具体的には、撮像画像情報取得部321は、候補画像特徴テーブル群DT1に記録されている候補画像情報と同様の情報を生成する。
【0066】
具体的には、撮像画像情報取得部321は、撮像画像PCに対してエッジ抽出処理を施して、撮像画像PC内の撮像UI画像271を特定する。撮像画像情報取得部321は、さらに、当該撮像UI画像に対して傾き補正処理(回転処理)および拡大縮小処理を施して、適切なサイズおよび向きに修正された撮像UI画像271を表す画像データを取得する。
【0067】
さらに、撮像画像情報取得部321は、修正された撮像UI画像を、上述した縦M個×横K個の升目状のブロックに分割し、ブロックごとにブロック内のオブジェクト(文字、製品画像、記号、背景1(帯領域)、背景2(主表示領域))を識別する識別値(例えば、文字=1、製品画像=2、...)を対応付けて、撮像UI画像の配置データ(ブロック画像データ)を生成する。ブロック内のオブジェクトの認識は、周知の様々な方法を用いることができる。例えば、撮像画像情報取得部321は、ブロックごとに平均エッジ量と平均色値を算出し、平均エッジ量と平均色値とを基準値と比較することによってオブジェクトの認識を行うことができる。また、UI画像の大まかな配置は、複数のUI画像で共通している。例えば、
図3に示すように、製品画像は、UI画像の水平方向の中央より左側に表示され、文字画像は、右側に表示される。このような、大まかな配置を加味しながら、ブロック内のオブジェクトを判定することで、比較的高い判定精度を実現できる。
【0068】
さらに、撮像画像情報取得部321は、配置データに規定された複数個の領域(文字画像の領域、製品画像DI1の領域、...)ごとに撮像UI画像のヒストグラムデータを生成することによって、撮像UI画像の色データを生成する。
【0069】
ステップS60では、候補画像情報取得部322は、ステップS35にて特定された候補画像特徴テーブルから候補画像情報(配置データと色データ)を取得する。
【0070】
図5のステップS65では、決定部325は、候補画像情報と撮像画像情報とを用いて、複数個の候補画像の中から撮像画像PC内のUI画像と類似する候補画像、すなわち、撮像UI画像が表すUI画像と類似する候補画像を決定する。具体的には、決定部325は、候補画像特徴テーブルに記録された複数個の候補画像に対応する複数個の候補画像情報と、撮像画像情報と、を用いて、複数個の候補画像に対応する複数個の類似度SLを算出する。具体的には、決定部325は、算出対象の候補画像情報の色データと、撮像画像情報の色データとの類似度である色類似度CSと、算出対象の候補画像情報の配置データと、撮像画像情報の配置データとの類似度である配置類似度ASと、候補画像ごとに算出する。
【0071】
色類似度CSは、例えば、算出対象の2個の色データである2個のヒストグラムデータを用いて算出される。ヒストグラムデータの複数個のクラスh1,h2,h3...の頻度をvh1,vh2,vh3...とした場合に、I=(vh1,vh2,vh3,...)で表されるベクトルIを、ヒストグラムデータのベクトルとする。色類似度CSは、算出対象の2個のヒストグラムデータの2個のベクトルI1、I2の角距離cosθで表すことができる。
【0072】
配置類似度ASは、例えば、算出対象の2個の配置データである2個のブロック画像データを用いて算出される。配置類似度ASは、例えば、一致画素数PN1/総画素数PN2で表される。一致画素数PN1は、2個のブロック画像データのうちの第1のブロック画像データを構成する縦M個×横K個の画素値のうち、2個のブロック画像データのうちの第2のブロック画像データの対応する画素値と同値である画素値の数である。総画素数PN2は、1個のブロック画像データに含まれる全ての画素の総数(具体的には、M×K)である。
【0073】
候補画像ごとに算出される類似度SLは、色類似度CSと配置類似度ASとの和で表される。このような画像の類似度の評価手法は周知であり、例えば、特開平8−202733号公報、特開2007−094962号公報に同様な評価手法が記載されている。
【0074】
複数個の候補画像に対応する複数個の類似度SLが算出されると、決定部325は、次に、該複数の類似度SLを用いて、撮像UI画像と類似する候補画像を決定する。複数個の類似度SLの中に、所定のしきい値THを超える類似度SLが、1個だけ存在する場合には、しきい値THを超える1個の類似度SLに対応する候補画像が、撮像UI画像に最も類似する1個の候補画像として決定される。一方、複数個の類似度SLの中に、所定のしきい値THを超える2個以上の類似度SLが存在する場合には、および、複数個の類似度SLの中に、所定のしきい値を超える類似度SLが、存在しない場合には、撮像UI画像に類似する候補画像は決定されない。
【0075】
ステップS70では、情報提供部300は、ステップS65にて、1個の候補画像を決定できたか否かを判断する。1個の候補画像を決定できた場合には(ステップS70:YES)、識別情報取得部324は、決定された候補画像および候補画像情報に対応する識別情報としての対応URLを、候補画像特徴テーブル(
図7)から取得する(ステップS73)。対応URLが取得されると、情報提供部300は、ステップS110に処理を移行する。
【0076】
1個の候補画像を決定できない場合には(ステップS70:NO)、候補画像取得部323は、予め定められた複数個の候補画像データを候補画像データ群DT2(
図1)から取得する(ステップS75)。予め定められた複数個の候補画像データは、全ての候補画像のうちの、予め定められた複数個の候補画像をそれぞれ表す画像データである。予め定められた複数個の候補画像を、複数個の選択対象候補画像SGとも呼ぶ。不揮発性記憶装置420に格納された候補画像データ群DT2に含まれる候補画像データは、複数個の選択対象候補画像SGを表す候補画像データだけであっても良いし、選択対象候補画像SG以外の候補画像を表す候補画像データを含んでいても良い。
【0077】
ステップS80では、第2の受付部360は、複数個の選択対象候補画像SGを含む候補画像選択画像SEを表示部470に表示して、利用者の選択を受け付ける。
【0078】
図9、
図10は、候補画像選択画像SEを含む表示画像MD3、MD4の一例を示す図である。表示画像MD3(
図9)は、表示画像MD2(
図8)に、候補画像選択画像SEが重畳された画像である。候補画像選択画像SEは、半透明に見せる画像処理が施されて表示され、撮像画像PCの一部分、具体的には、撮像画像PCの左右方向の中心より右側の領域に重畳されている。候補画像選択画像SEは、複数個の選択対象候補画像SGと、特殊選択画像OT(
図10)と、上下方向に候補画像選択画像SEをスクロールさせる指示を受け付けるためのスクロールボタンSAと、を含んでいる。本実施例では、複数個の選択対象候補画像SGの全部が同時に表示されるわけではなく、利用者は、スクロールボタンSAを操作することによって、複数個の選択対象候補画像SGのうち、表示される画像を切り換えることができる(
図9、
図10)。
【0079】
各選択対象候補画像SGは、撮像画像PC内の撮像UI画像271と比較して小さく、一度に所定個数ずつ(
図9の例では3個ずつ)表示される。また、各選択対象候補画像SGは、撮像UI画像271の主要な特徴部分、
図9の例では製品画像や主要なメッセージが表示された左側の部分を避けて、重畳されている。このように、各選択対象候補画像SGは、利用者が、各選択対象候補画像SGと撮像UI画像271とを比較しやすい態様で、表示される。なお、各選択対象候補画像SGは、撮像画像PC内の撮像UI画像271と同程度の大きさで、一度に1個ずつ表示されてもよい。
【0080】
図10に示すように、候補画像選択画像SEを下方にスクロールさせると、下端の選択対象候補画像SGの下方に、特殊選択画像OTが表示される。
図10の例では、特殊選択画像OTには、「その他」の文字が表示されている。利用者は、複数個の選択対象候補画像SGと、特殊選択画像OTと、のうちのいずれか1個の画像を選択することができる。
【0081】
図5のステップS85では、情報提供部300は、第2の受付部360によって受け付けられた利用者の選択結果が、選択対象候補画像SGであるか、特殊選択画像OTであるかを判断する。
【0082】
利用者の選択結果が選択対象候補画像SGである場合には、識別情報取得部324は、選択された選択対象候補画像SGに対応する識別情報としての対応URLを、候補画像特徴テーブル(
図7)から取得する(ステップS107)。
【0083】
ステップS110では、第3の取得部330は、ブラウザプログラムPG3(
図1)をCPU410に実行させることによってWEBブラウザ50(
図1)を起動する。
【0084】
ステップS115では、第3の取得部330は、取得した識別情報(本実施例では、対応URL)を用いて、候補画像に関係するサポート情報をサーバ60から取得する。具体的には、第3の取得部330は、識別情報としての対応URLをWEBブラウザ50に渡して、WEBブラウザ50を用いて、候補画像に関係するサポート情報をサーバ60から取得する。
【0085】
ステップS120では、WEBブラウザ50は、取得されたサポート情報を表示部470に表示する。
【0086】
図11は、サポート情報の表示画像MD5の一例である。この表示画像MD5は、サーバ60が提供する複数のWEBページのうち、候補画像に対応するサポート情報を含むページの画像である。このページは、
図11に示すように、ステップS45にて撮像画像データが取得された際の撮像対象となったUI画像(
図3(A))が複合機200に表示された場合に、複合機200の利用者が参考とすることを想定して作成されたページである。
図11には、インクカートリッジの非装着のエラーを示すUI画像が表示された場合の解決方法が詳しく記載されたページが例示されている。
【0087】
図5のステップS85にて、利用者の選択結果が特殊選択画像OT(
図10)である場合には、情報提供部300は、WEBブラウザ50を起動する(ステップS90)。
【0088】
ステップS95では、WEBブラウザ50は、複合機200に表示され得る複数個のUI画像に関係するサポート情報の項目の一覧を表す一覧画像MD6を、表示部470に表示する。具体的には、WEBブラウザ50は、一覧画像MD6を表すWEBページのURLを情報提供部300から受け取って、当該URLを用いてサーバ60にアクセスすることによって、一覧画像MD6を表示する。
【0089】
図12は、一覧画像MD6の一例を示す図である。この一覧画像MD6には、複合機200に発生し得る多数のエラーに対応する多数の項目が網羅されている。したがって、この一覧画像MD6には、複合機200において、現在発生しているエラーに対応する特定の項目が含まれている可能性が高い。
【0090】
ステップS100では、WEBブラウザ50は、一覧画像MD6を介して、一覧画像MD6に含まれる項目の選択を利用者から受け付ける。ステップS105では、WEBブラウザ50は、選択された項目のサポート情報を、サーバ60から取得する。
【0091】
ステップS120では、WEBブラウザ50は、取得されたサポート情報を表示部470に表示する。
【0092】
以上説明した本実施例によれば、複合機200の特定の状態(例えば、紙切れなどのエラー状態)を示す特定のUI画像を表示する表示部270を撮像して得られる撮像画像データを解析することによって、特定のUI画像に関係する特定のサポート情報の位置を示すURLを取得する。そして、取得されたURLに基づいて、特定のサポート情報を取得して携帯端末400の表示部470に表示することができる。この結果、携帯端末400は、複合機200の表示部270に表示された特定のUI画像に応じた適切な情報を、利用者に提供することができる。
【0093】
複合機200にエラーが発生した場合に、複合機200に現在発生しているエラーに関係する情報は、表示部270に表示されるUI画像によっても提供される。しかし、複合機200の不揮発性記憶装置220の容量制限や、表示部270の解像度や大きさの制限などから、表示部270に表示されるUI画像によって、十分な情報が提供することは比較的困難である。
【0094】
このために、エラーに関する情報等を含むサポート情報が、サーバ60にてWEBサービスとして提供されている。しかし、サーバ60が充実した複合機200のサポート情報をWEBサービスとして提供していても、サポート情報が複合機200の利用者によって十分に活用されているとは言えない場合があった。例えば、多数のサポート情報を含むサポート情報群651の中から、所望のサポート情報に到達するのは、利用者にとって負担が大きい。
【0095】
本実施例によれば、例えば、複合機200にエラーが発生したときに表示されたUI画像を、携帯端末400で撮像することによって、利用者は、容易に、発生したエラーに関係するサポート情報を入手することができる。
【0096】
さらに、携帯端末400は、撮像画像の特徴を示す撮像画像情報を解析によって取得する。そして、携帯端末400は、複数個の候補画像の特徴を表す複数個の候補画像情報を、テーブル等(
図7)から取得する。携帯端末400は、撮像画像情報取得部と、複数個の候補画像情報とを用いて、最も類似する特定の候補画像の候補画像情報を決定する(
図5:S65)。そして、携帯端末400は、決定された候補画像情報に対応する識別情報(例えば、対応URL)を取得する。したがって、複数個の候補画像のそれぞれの特徴を表す複数個の候補画像情報を用いて、適切なサポート情報を表示できるので、利用者に対して適切な関係情報を表示することができる。
【0097】
また、UI画像自体の特徴(例えば、領域の色や配置)に応じて、提供すべきサポート情報を表示するので、提供すべきサポート情報を特定するための特別な情報(例えば、URLやQRコード(登録商標)などの情報)を、複合機200が表示する仕組みが必要ない。この結果、既存の製品についても、当該既存の製品に備えられる表示部に表示されるUI画像に関係する関係情報を、利用者に容易に提供することができる。例えば、特別な仕組みを持たない、既に出荷された複合機200のサポート情報であっても、当該出荷済みの複合機200に表示されるUI画像の特徴に基づいて、適切なサポート情報を容易に提供できる。
【0098】
また、携帯端末400は、撮像画像データの解析によって取得されたURLを用いてサーバ60にアクセスすることによって、サポート情報をサーバ60から取得する。利用者は、サーバ60に格納されたサポート情報を、容易に携帯端末400に表示させることができる。
【0099】
さらに、携帯端末400は、複合機200の種類の入力を利用者から受け付けて、撮像画像データの解析結果と、複合機200の種類を表す製品情報と、を用いて、特定のURLを取得する。したがって、複合機200の種類に応じて、適切な関係情報を表示部470に表示することができる。例えば、同一のUI画像が撮影された場合であっても、複合機200の種類が異なれば、提供すべきサポート情報が異なる場合がある。より具体的には、インクカートリッジCTが未装着であるエラーの発生を示すためのUI画像(
図3(A))として、同じUI画像データを使用している2つの機種であっても、対応しているインクカートリッジの品番や種類が互いに異なる場合がある。このような場合であっても、撮像画像データの解析結果のみならず複合機200の機種をも鑑みて、提供すべきサポート情報のURLが取得される。そのため、機種ごとに適切なインクカートリッジの品番や種類を示すサポート情報を提供することができる。
【0100】
第1の撮像画像データの解析結果と、複合機200の機種情報と、を用いてURLを取得した場合には、第1の撮像画像データが取得された後に取得された第2の撮像画像データの解析結果を用いてURLを取得する際に、機種の受け付けを行わない。例えば、初回に複合機200の機種情報を入力すれば、2回目以降は、機種の受け付けを行わない(
図4:S20)。この結果、第2の撮像画像データを解析することによって識別情報を取得する際に、複合機200の種類の受け付けを行うことなく、適切なURLを取得できる。この結果、利用者の操作負担を軽減できる。
【0101】
さらに、携帯端末400は、撮像画像データを解析することによって、特定のURLを取得できない場合に、複数個の選択対象候補画像SGを表示部470に表示して、利用者の選択を受け付ける(
図9、10)。そして、受け付けられた利用者の選択結果を用いて、特定のURLを取得する。したがって、撮像画像データを解析することによって、特定のURLを取得できない場合であっても、適切なサポート情報を携帯端末400に表示させることができる。
【0102】
また、携帯端末400は、撮像画像データを解析することによって、特定のURLを取得できない場合に、予め定められた個数の候補画像を表示部470に表示させる(
図9、10)ので、過剰な数の候補画像が表示されることを抑制して、操作が複雑になることを抑制することができる。
【0103】
また、携帯端末400は、利用者の選択を受け付けるために、複数個の選択対象候補画像SGと、撮像画像データによって表される撮像画像PCとを、表示部470に表示させる。この結果、選択対象候補画像SGと撮像画像PCを比較しながら、撮像画像PCに対応する候補画像を容易に選択することができる。
【0104】
携帯端末400は、複数個の選択対象候補画像SGに加えて、特殊選択画像OTを特定の選択肢として、表示部470に表示させる。そして、特殊選択画像OTが選択された場合に、複数個のエラー項目であって、複合機200において現在発生しているエラーに対応する特定のエラー項目を含む複数個のエラー項目を表示部470に表示させる。具体的には、
図12に示すエラー項目の一覧画像MD6が表示部470に表示される。この結果、選択対象候補画像SGの表示個数が過度に増加することを抑制しつつ、利用者に適切なサポート情報を選択させることができる。
【0105】
B.第2実施例:
図13、
図14は、第2実施例の情報提供処理のフローチャートである。
図13、
図14において、第1実施例の情報提供処理(
図4、
図5)と同一のステップには、
図4、
図5と同一の符号を付し、第1実施例の情報提供処理と異なるステップには、符号の末尾に「A」を付した。
【0106】
第2実施例は、第1実施例と大きく2つの点で異なる。1つは、対象機種の1機種分のサポート情報の全体が、携帯端末400の記憶装置に格納される点である。まずこの点について説明する。
【0107】
第2実施例の情報提供処理では、ステップS30にて、機種選択指示を受け付けることによって、対象機種が選択された後、ステップS38Aでは、第3の取得部330は、選択された対象機種の全てのサポート情報をサーバ60から取得する。取得されたサポート情報は、携帯端末400の内部の記憶装置、例えば、不揮発性記憶装置420に格納される。
【0108】
そして、第2実施例の情報提供処理では、
図14のステップS73A、S107Aにおいて、取得される識別情報は、URLに代えて、取得すべきサポート情報が格納された不揮発性記憶装置420内の位置を識別可能な識別情報が用いられる。識別情報には、アドレス、サポート情報を格納したファイル名などが用いられる。
【0109】
そして、第2実施例の情報提供処理では、ステップS115Aにおいて、サポート情報は、上述した識別情報を用いて、不揮発性記憶装置420から取得される。
【0110】
同様に、ステップS105Aにおいて、利用者によって選択された項目のサポート情報は、不揮発性記憶装置420から取得される。
【0111】
第2実施例では、1機種分のサポート情報が、不揮発性記憶装置420に格納されるので、対象機種が変わらない限り、携帯端末400とサーバ60との間で通信が発生しないので、通信障害などの影響で、サポート情報が取得できない可能性を抑制できる。
【0112】
また、携帯端末400の不揮発性記憶装置420には、1機種分のサポート情報に限らず、情報提供部300が対応している全ての機種のサポート情報が格納されても良い。こうすれば、さらに、携帯端末400とサーバ60との間で通信が発生する可能性を低くすることができる。
【0113】
次に、第2実施例が第1実施例と異なる2つ目の点について説明する。
ステップS65にて、撮像画像データを解析し、類似度SLとしきい値THとの比較結果によって、撮像UI画像に類似する1個の候補画像を決定できない場合には(ステップS70:NO)、情報提供部300は、1個の候補画像を決定できないものの、撮像UI画像に類似する候補画像が、複数個の候補に絞られたか否かを判断する(ステップS72A)。
【0114】
上述したように、撮像UI画像に類似する1個の候補画像が決定される条件は、候補画像ごとに算出された複数個の類似度SLのうち、しきい値THを超える類似度SLが、1個だけ存在することである。したがって、撮像UI画像に類似する1個の候補画像が決定されない場合には、以下の2つがある。
【0115】
(1)候補画像ごとに算出された複数個の類似度SLのうち、しきい値THを超える類似度SLが、2個以上存在する。
(2)候補画像ごとに算出された複数個の類似度SLのうち、しきい値THを超える類似度SLが、1個も存在しない。
【0116】
ここで、上記(1)の場合には、情報提供部300は、撮像UI画像に類似する1個の候補画像は、しきい値THを超える2個以上の類似度SLに対応する2個以上の候補画像に絞られたと判断する。上記(2)の場合には、情報提供部300は、撮像UI画像に類似する1個の候補画像は、絞られていないと判断する。
【0117】
ここで、撮像UI画像に類似する1個の候補画像は、特定個数に絞られていないと判断された場合には(ステップS72A:NO)、第1実施例と同様の処理が行われるので説明を省略する。
【0118】
ここで、撮像UI画像に類似する1個の候補画像は、特定個数に絞られたと判断された場合には(ステップS72A:YES)、第2の受付部360は、当該絞られた所定個数の候補画像を含む選択画像を表示部470に表示する(ステップS73A)。続くステップS74Aでは、第2の受付部360は、ステップS73Aにおいて表示された選択画像を介して、利用者から候補画像の選択を受け付ける。
【0119】
第2実施例によれば、撮像画像データを解析することによって、撮像画像データによって表される撮像画像に類似する所定数の候補画像が特定された場合に、利用者は、撮像画像に類似する所定数の候補画像の中から1つの候補画像を選択することができ、利用者の操作負担を軽減できる。
【0120】
C.変形例:
(1)上記各実施例は、製品の例示として複合機をあげているが、これに代えて、他の電子機器、例えば、デジタルカメラや、単体のプリンタ、スキャナであっても良い。
【0121】
(2)携帯端末400の情報提供部300によって実行される処理の一部は、携帯端末400と接続された他の計算機、例えば、サーバによって実行されても良い。例えば、
図4のステップS50で携帯端末400が撮像画像データを取得した後、当該撮像画像データを所定のサーバに送信しても良い。この場合には、当該撮像画像データを受け取ったサーバが、ステップS55〜S115までの処理を実行して、取得したURLを、携帯端末400に対して送信しても良い。
【0122】
(3)上記実施例において、候補画像と撮像画像の類似度を評価する手法は、一例であって、これに限られない。上述したヒストグラムデータとブロック画像データを用いる方法に代えて、画像の周波数成分を用いる手法や、文字認識技術を用いる手法であっても良い。このような2種類の画像の類似度を評価する手法は、例えば、特開2001−167118号公報(画像の周波数成分を表す係数を、比較する手法)や、特開2008−234327号公報(画像の色度を色度図上でヒストグラム化したヒストグラムデータを、比較する手法)に開示されている。
【0123】
(4)上記実施例では、携帯端末400とサーバ60とが協働して、利用者に対するサポート情報の提供を実現しているが、携帯端末400単体で、サーバ60にサポート情報を提供してもよい。この場合には、全ての機種の全ての項目のサポート情報が携帯端末400の不揮発性記憶装置420に格納されれば良い。この場合には、携帯端末400の情報提供部300は、撮像画像PCに対応する1個の候補画像を特定した後、候補画像に対応する識別情報(例えば、エラー項目名、不揮発性記憶装置420内におけるアドレス)に基づいて、不揮発性記憶装置420から対応するサポート情報を取得・表示すれば良い。
【0124】
(5)上記第1実施例において、候補画像に対応する識別情報として、URLが用いられているが、これに代えて、エラー項目や候補画像の識別子(名称、識別コード)が用いられても良い。この場合には、例えば、携帯端末400の情報提供部300は、エラー項目や候補画像の識別子をサーバ60に送信して、URLを問い合わせる。サーバ60は、エラー項目や候補画像の識別子に対応するURLを、情報提供部300に返信する。携帯端末400は、サーバから取得したURLをWEBブラウザに渡すことによって、上記実施例と同様に、対応するサポート情報を表示部470に表示させることができる。この場合には、サーバ60において、サーバの管理者がサポート情報を提供するWEBページを更新することによって、URLが変更されても、携帯端末400は、問題なくサポート情報を取得することができる。
【0125】
(6)上記実施例では、予め候補画像情報が算出されて候補画像特徴テーブル(
図7)に格納されているが、候補画像情報取得部322が、候補画像を表す候補画像データを解析することによって、候補画像情報を生成しても良い。候補画像情報の生成手法は、例えば、撮像画像情報取得部321による撮像画像情報の生成と同様の手法が用いられる。
【0126】
(8)上記実施例では、候補画像データ群DT2が不揮発性記憶装置420に格納されているが、候補画像データ群DT2は、不揮発性記憶装置420に格納されていなくても良い。候補画像データ群DT2がなくても、予め算出された候補画像情報を含む候補画像特徴テーブル(
図7)が格納されていれば、情報提供部300は、撮像画像PCに対応する1個の候補画像を決定することができる。候補画像データ群DT2がない場合には、情報提供部300は、選択対象候補画像SGの表示(
図9)を行えない。この場合には、情報提供部300は、選択対象候補画像SGの表示に代えて、選択対象候補画像SGに対応する複合機200の状態(例えば、エラー状態)を文字で表示しても良い。
【0127】
(9)上記実施例では、製品の現在の状態を示す状態画像として、複合機200のエラー状態を示すUI画像(
図3)を例示し、状態画像に関係する関係情報として、エラーの解決方法を例示している。これに代えて、製品の現在の状態を示す状態画像は、利用者の印刷指示やスキャン指示を受け付け可能な待機状態を示すUI画像(待ち受け画面)、各種の設定(ネットワーク設定、初期設定)に関する利用者の入力を受け付けている設定処理状態を示すUI画像(設定画面)であって良い。そして、状態画像に関係する関係情報は、待機状態のUI画像で選択可能な印刷処理やスキャン処理の具体的な操作方法の説明であっても良い。また、状態画像に関係する関係情報は、設定処理状態のUI画像で設定可能な各種設定項目の説明および各種設定項目の具体的な設定方法の説明であっても良い。
【0128】
(10)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0129】
(11)本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリーカードやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含んでいる。
【0130】
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。