【文献】
三原 詩織 他,周波数重複度を用いた系分離方式SMFの提案,電子情報通信学会技術研究報告,2012年 8月17日,第112巻,第185号,pp.31-36,SANE2012-54
【文献】
原田 浩樹 他,周波数共用環境における複数信号検出のための周期定常性に基づく反復型特徴検出法,電子情報通信学会技術研究報告,2010年 1月14日,第109巻、第383号,pp.65-72,SR2009-84
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
送信する周波数を切替える場合の周波数切替単位時間と、前記周波数切替単位時間を複数個含む通信割当単位時間と、前記通信割当単位時間の周期とが規定された通信方式の信号を、前記信号を含む無線信号のなかから検出する受信装置であって、
前記無線信号の周波数および時間の情報を入力し、設定された周波数範囲に含まれる前記無線信号の時間の情報をまとめて監視した監視結果をもとに、前記通信方式における連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数を推定する第1の手段と、
前記第1の手段で推定した前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数の、約数の情報をもとに、前記通信割当単位時間に含まれる前記周波数切替単位時間の個数を推定する第2の手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。
前記無線信号の周波数の情報および時間の情報を入力し、前記通信方式を想定した場合に前記周期内での位置が同一となる通信割当単位期間毎に、前記無線信号の検出状況を監視期間に渡って監視する第4の手段
をさらに備え、
前記第1の手段は、
前記第4の手段の監視結果にもとづいて前記周波数および時間の情報から一部の情報を除外したもの、をもとに前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数を推定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の受信装置。
前記無線信号の周波数および時間の情報を入力し、前記通信方式を想定した場合に前記周期内での位置が同一となる通信割当単位期間毎に、前記無線信号の時間的変化を設定された監視期間に渡って監視する第4の手段
をさらに備え、
前記第1の手段は、
前記第4の手段の監視結果にもとづいて、監視期間内で最も確からしいと判断した信号検出状態に対応する情報に他の情報を合せるよう変更したもの、をもとに前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数の推定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の受信装置。
前記無線信号の周波数および時間の情報を入力し、設定された周波数範囲に含まれる前記無線信号の時間の情報をまとめて監視した監視結果をもとに、無線信号の存在または不存在が連続する前記周波数切替単位時間の数が閾値以下の期間を識別する第4の手段
をさらに備え、
前記第1の手段は、
前記第4の手段の識別結果にもとづいて、前記閾値以下の期間に対応する前記周波数および時間の情報を変更したもの、をもとに前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数の推定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の受信装置。
周波数帯域を切替える場合の周波数切替単位時間と、前記周波数切替単位時間を所定数含む通信割当単位期間と、前記通信割当単位期間の周期とが規定された通信方式の信号を、前記信号を含む無線信号のなかから検出する受信装置であって、
前記無線信号を受信し、無線信号の周波数の情報および時間の情報をもとめる受信手段と、
前記受信手段が求めた前記無線信号の周波数の情報および時間の情報を入力し、所定の周波数範囲に含まれる前記無線信号の時間の情報をまとめて監視した監視結果をもとに、前記通信方式における連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数を推定する第1の推定手段と、
前記第1の手段で推定した前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数の、約数の情報をもとに、前記所定数を推定する第2の推定手段と、
前記第2の手段の推定結果を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。
送信する周波数を切替える場合の周波数切替単位時間と、前記周波数切替単位時間を複数個数含む通信割当単位時間と、前記通信割当単位時間の周期とが規定された通信方式の信号を、前記信号を含む無線信号のなかから検出する受信方法であって、
前記無線信号の周波数および時間の情報を入力し、設定された周波数範囲に含まれる前記無線信号の時間の情報をまとめて監視した監視結果をもとに、前記通信方式における連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数を推定する第1のステップと、
前記第1のステップで推定した前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数の、約数の情報をもとに、前記通信割当単位時間に含まれる前記周波数切替単位時間の個数を推定する第2のステップと、
を備えることを特徴とする受信方法。
前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数が、特定の確率分布に従って変動すると仮定した場合の約数の頻度分布をもとめる、第3のステップ
をさらに備え、
前記第2のステップは、
前記約数の情報として、
前記第1のステップで推定した前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数の、約数の頻度分布と、
前記第3のステップでもとめた約数の頻度分布と、
を用い、
前記両頻度分布の差が最大となる約数の値を前記個数として推定することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の受信方法。
前記無線信号の周波数の情報および時間の情報を入力し、前記通信方式を想定した場合に前記周期内での位置が同一となる通信割当単位期間毎に、前記無線信号の検出状況時間的変化を監視期間に渡って監視する、第4のステップ
をさらに備え、
前記第1のステップは、
前記第4のステップの監視結果にもとづいて前記周波数および時間の情報から一部の情報を除外したもの、をもとに前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数を推定することを特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれかに記載の受信方法。
前記無線信号の周波数および時間の情報を入力し、前記通信方式を想定した場合に前記周期内での位置が同一となる通信割当単位期間毎に、前記無線信号の時間的変化を設定された監視期間に渡って監視する第4のステップ
をさらに備え、
前記第1のステップは、
前記第4のステップの監視結果にもとづいて、監視期間内で最も確からしいと判断した信号検出状態に対応する情報に他の情報を合せるよう変更したもの、をもとに前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数の推定することを特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれかに記載の受信方法。
前記無線信号の周波数および時間の情報を入力し、設定された周波数範囲に含まれる前記無線信号の時間の情報をまとめて監視した監視結果をもとに、無線信号の存在または不存在が連続する前記周波数切替単位時間数が閾値個数以下の期間を識別する第4のステップ
をさらに備え、
前記第1のステップは、
前記第4のステップの識別結果にもとづいて、前記閾値以下の期間に対応する前記周波数の情報および時間の情報を変更したもの、をもとに前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数の推定することを特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれかに記載の受信方法。
周波数帯域を切替える場合の周波数切替単位時間と、前記周波数切替単位時間を所定数含む通信割当単位期間と、前記通信割当単位期間の周期とが規定された通信方式の信号を、前記信号を含む無線信号のなかから検出する受信方法であって、
前記無線信号を受信し、無線信号の周波数の情報および時間の情報をもとめる受信ステップと、
前記受信手段が求めた前記無線信号の周波数の情報および時間の情報を入力し、所定の周波数範囲に含まれる前記無線信号の時間の情報をまとめて監視した監視結果をもとに、前記通信方式における連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数を推定する第1の推定ステップと、
前記第1のステップで推定した前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数の、約数の情報をもとに、前記個数を推定する第2の推定ステップと、
前記第2のステップの推定結果を表示する表示ステップと、
を備えることを特徴とする受信方法。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態1を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る、受信装置の装置構成、機能ブロックおよび処理の流れを示す図である。
【0028】
なお、各実施の形態における受信装置の装置構成、機能および処理の分割のしかたは一例であり、装置の実装においては、同一または別々のハードウエアまたはソフトウェアまたはそれらの組合せとしてもよく、図に示す分割の仕方に限定されない。また、等価な機能を実現できればよく各本実施の形態に限定されない。
【0029】
また、図のブロックの間を結ぶ矢印によって運ばれる信号または情報の内容は、分割のしかたによって変わることがあり、その場合、矢印によって運ばれる信号または情報が明示的に実装される情報か黙示的な情報か、また明示的に規定される情報か否か、といった情報の属性が異なってもよい。
【0030】
また、以下に示す各種処理または動作は、(1)実質的に等価な処理または動作に変形して実装する、(2)実質的に等価な複数の処理に分割して実装する、(3)複数のブロックに共通する処理はそれらを含むブロックの処理として実装する、(4)あるブロックがまとめて実装する、など本発明の課題及び効果の範囲で各種変形が可能である。
【0031】
また、以下の記載における「・・・手段」は、「・・・装置」、「・・・部」「・・・機能単位」、「・・・処理部」などと置換えてもよく、また、処理手順の図としてみることも可能であり上記機能ブロックにおける処理又は動作に相当する「・・・ステップ」などと置換えてもよい。
【0032】
図において、1は受信装置、100は受信手段、200は推定手段、201は連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段(上記の第1の手段に相当。)、202は通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段(上記の第2の手段に相当。)、300は表示手段を示す。
【0033】
なお、図中の周波数切替単位時間、通信割当単位時間および端末通信時間間隔は、
図26と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0034】
また、以下では、受信装置1を広義の受信装置、推定手段200を狭義の受信装置と記載することがある。
【0035】
また、上記各実施の形態の説明においては、受信手段100および表示手段300を含む広義の受信装置について説明しているが、上記各実施の形態を狭義の受信手段の発明に対する実施の形態として理解することも可能である。
【0036】
受信手段100は、無線信号を受信し、検出した無線信号の存在する周波数の情報および時間の情報をもとめる。
【0037】
前記周波数の情報としては、例えば想定する通信方式の周波数帯域の中心周波数(
図26のf1、f2など。)、周波数帯域の番号、無線信号の存在する周波数の範囲など、各種の周波数情報を用いることができる。
【0038】
図2は、本発明の実施の形態1に係る、無線信号の存在する時間の情報の例を示す図である。横軸は時間、縦軸は受信を検出したことを示す信号を示す。
【0039】
受信を検出したことを示す信号としては、
図2(A)に示すような矩形波形の信号として、例えば(1)受信電力波形、(2)受信電力を増幅して飽和させパルス状信号としたもの、(3)閾値以上の受信電力の存在情報(例えば1または0)などが使用可能である。あるいは、
図2(B)または(C)の矢印に示すような信号として、例えば受信信号の立上りまたは立下りに同期したトリガ信号またはインパルス信号、などが使用可能である。また、前記(A)、(B)、(C)を組合せる、あるいは上記各種信号と他の時間情報を組合せるなど各種変形が可能である。
【0040】
なお、
図26で説明したように、個々の無線信号は周波数遷移のための切替遷移時間が存在するので、検出信号も、基本的には
図2に示すように周波数切替単位時間毎に分離された信号となるが、立上りと立下りが連続するような場合には、例えば、
図2(A)の一連の矩形波形を合体して、最初の立上り時刻から最後の立下り時刻に渡る1つの矩形波形とするなどしてもよい。
【0041】
無線信号の存在する時間の情報としては、
図2(A)に示す検出信号波形の中央の時刻、
図2(B)に示す検出信号の立上りの時刻、
図2(C)に示す検出信号の立下りの時刻などが使用可能である。上記周波数の情報と同様に、前記(A)、(B)、(C)を組合せる、あるいはそれらと他の時間情報を組合せるなど各種変形が可能である。
【0042】
推定手段200は、受信手段100でもとめた、無線信号の存在する周波数および時間の情報を入力する。
【0043】
連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段(第1の手段)201は、推定手段200から入力された前記周波数の情報および時間の情報をもとに、前記通信方式における連続受信期間毎および連続非受信期間毎の周波数切替単位時間の数を推定する。連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201の動作の詳細については後述する。
【0044】
通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段(第2の手段)202は、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201が推定した、前記通信方式における連続受信期間毎および連続非受信期間毎の周波数切替単位時間の数の、約数の情報をもとに、1つの通信割当単位時間内に含まれる周波数切替単位時間の個数、を推定する。通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202の動作の詳細についても後述する。
【0045】
表示手段300は、推定手段200から出力される各種情報、例えば(1)通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202が推定した前記個数を直接表示する、(2)想定する通信方式の他の情報を表示する、(3)想定する通信方式の混雑状況を表示するなど、従来の表示項目か新規な表示項目かを問わず、各種の表示項目が想定可能である。
【0046】
次に、本実施の形態における受信装置300の動作を
図3を用いて説明する。
なお、受信手段100と表示手段の機能は、上述した説明以上の詳細は本発明の動作の説明においては重要でないので以下では適宜省略する。
【0047】
図3は、本発明の実施の形態1に係る、送信状況のモデルを示す図である。
【0048】
なお、図の見方は上述した
図26と同様であるが、丸印は、想定する通信方式の通信装置の無線信号の送信状況を示し、個別の通信装置は区別していない。
【0049】
また、説明を分かりやすくするために、ここでは、想定する通信方式の信号のみが送信されている場合をモデルとして説明するが、他の無線信号が混在していてもよい。
【0050】
また、
図3に示す周波数帯域f1、f2、…、f8は、例えば受信装置が受信できる全ての周波数帯域でも、受信装置が設定可能な特定の周波数範囲の帯域でも、本発明の推定で想定する通信方式の周波数範囲の帯域でも、推定にのみ用いる範囲の周波数範囲の帯域でもよく、また、固定の周波数範囲でも、周波数範囲の設定を適宜切替えるようにしてもよい。(以下の各実施の形態においても同様。)
【0051】
まず、受信手段100は、無線信号を受信し、受信した無線信号(以下、受信信号と記載。)の存在する周波数の情報および時間の情報をもとめる。
【0052】
次に、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201は、受信手段100から、受信信号の存在する周波数の情報および時間の情報を入力する。
【0053】
次に、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201は、受信信号の周波数の情報および時間の情報をもとに、設定された周波数範囲、ここでは周波数帯域f1からf8、をひとまとめにした場合の、受信信号が連続して存在する期間(即ち、連続受信期間)と、連続して存在しない期間(即ち、連続非受信期間)と、を推定するとともに、前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の周波数切替単位時間の数を推定する。
【0054】
図3のモデルでは、通信割当単位時間(番号)T1からT2に渡って信号が6回連続して受信され、通信割当単位時間(番号)T3からT4に渡って6回連続して非受信となっている。同様に、通信割当単位時間(番号)T5からT7に渡って信号が9回連続受信、通信割当単位時間(番号)T8において3回連続非受信、通信割当単位時間(番号)T9において3回連続受信、通信割当単位時間(番号)T10からT12に渡って信号が9回連続受信となっていることが分かる。
【0055】
以上のようにして、想定する通信方式における、連続受信期間毎および連続非受信期間毎の周波数切替単位時間の数として、6、6、9、3、3、9、・・・が得られる。(以下、推定された連続受信期間毎および連続非受信期間毎の周波数切替単位時間の数の集合を、連続受信非受信時間内周波数切替単位時間数群と記載。)
【0056】
なお、連続受信期間および連続非受信期間自体を直接もとめる必要はなく、例えば、送信が連続するかどうかを監視して、連続受信期間毎および連続非受信期間毎の周波数切替単位時間の数を推定しても良い。
【0057】
次に、通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202は、前記連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201で推定した、連続受信非受信時間内周波数切替単位時間数群の各々の数について、約数をもとめる。
【0058】
1つの通信装置からのひとまとまりの送信は、通信割当単位期間を単位として行なわれるので、連続受信期間毎および連続非受信期間毎の周波数切替単位時間の数は、理想的には全て、1つの通信割当単位時間内に含まれる周波数切替単位時間の数、すなわち通信割当単位時間に含まれる前記周波数切替単位時間の個数、の倍数となる関係にある。
【0059】
図3に示すモデルでは、連続受信非受信時間内周波数切替単位時間数群(={6、6、9、3、3、9、・・・}の約数は{{1、2、3}、{1、2、3}、{1、2、3}、{1、3}、{1、3}、{1、2、3}、・・・})となる。
【0060】
次に、通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202は、連続受信非受信時間内周波数切替単位時間数群に含まれる数の最大公約数をもとめ、その値を前記個数として推定する。
【0061】
図3に示すモデルでは、6、6、9、3、3、9、・・・の最大公約数は3となり、通信割当単位時間内周波数切替単位時間の数、すなわち個数、が3であると推定され、正しい推定結果となっていることが分かる。
【0062】
以上のように、本発明の実施の形態1によれば、想定する通信方式の通信割当単位時間および端末通信時間間隔を推定することなく、1つの通信割当単位時間に含まれる周波数切替単位時間の数、すなわち個数、を推定することができる。
【0063】
また、本実施の形態においては、通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202の処理が、最大公約数をもとめるという簡便な処理に基づいて行なわれるので、推定に必要な処理量および諸費電力が低減できる。
【0064】
前記の本発明の実施の形態においては、全ての通信装置から送信される無線信号が同じ周波数帯域を使用することを前提として説明したが、上記実施の形態変形例として、送信に使用する周波数帯域が異なる複数の通信装置があるモデルの場合を、一例を用いて説明する。
【0065】
なお、通信割当単位時間など他の設定及び条件は同一であるとする。
【0066】
図4は、本発明の実施の形態1の変形例に係る、送信状況のモデルを示す図である。
図において、丸印と三角印とは別々の周波数帯域を用いて無線信号を送信している。即ち、丸印の無線信号は周波数帯域f1〜f3とf7を、三角印の無線信号は周波数帯域f4〜f6とf8を用いて送信されている。
【0067】
その他については、上記
図3と同様であるので以下ではその説明を省略する。
【0068】
本変形例においては、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201はさらに、同一の周波数切替単位時間(番号)における受信信号の存在数も監視する。
【0069】
連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201は、連続受信期間毎の周波数切替単位時間の数を推定する際に、同一の周波数切替単位時間における受信信号の存在数が異なる期間については、別々の連続受信期間として扱い、各々の連続受信期間毎の周波数切替単位時間の数を推定する。
【0070】
即ち、使用する周波数帯域の異なる通信装置が存在する場合は、(1)周波数切替単位時間における信号の数が一定である時間範囲毎に分けて、連続受信期間内の周波数切替単位時間の数を推定する、あるいは、(2)ある連続受信期間内の周波数切替単位時間の数を求め、連続受信非受信時間内周波数切替単位時間数群をもとめる際に、信号が検出された周波数帯域の数が一定の期間毎に分割する、ことで同様に推定することができる。
【0071】
図4に示すモデルでは、通信割当単位時間(番号)T1からT2にわたって6回連続送信されているが、信号が検出された周波数帯域の数が一定の範囲で分割し、3と3とする。
【0072】
同様に、通信割当単位時間(番号)T5からT7にわたって9回連続送信されているが、信号の数が一定の範囲で分割し、6と3とする。
【0073】
なお、通信割当単位時間(番号)T9からT10に渡って異なる通信装置からの送信が連続する場合には、単一の連送信期間として扱い、6とする。
【0074】
以上のように、本変形例においても、最大公約数は3となり、周波数帯域のみ異なる複数の通信装置が送信している場合においても、正しい推定結果が得られる。
【0075】
なお、本発明の実施の形態においては、受信手段100が受信した信号の存在する周波数及び時間の情報をもとめているが、受信手段100では単に受信し、推定装置200で前記周波数及び時間の情報をもとめるようにしてもよく、実施の形態及び図面に限定されない。
【0076】
また、本実施の形態においては、受信手段100では想定する通信方式の用いられる周波数帯域を考慮してないが、受信手段でも周波数帯域を想定し、受信した信号の存在する周波数の情報として、周波数帯域に関する情報を推定手段200に渡すようにしてもよく、実施の形態及び図面に限定されない。
【0077】
実施の形態2.
以下に、図面を用いて本発明の実施の形態2について説明する。
【0078】
図5は、本発明の実施の形態2に係る、受信装置の装置構成、機能ブロックおよび処理の流れを示す図である。
【0079】
なお、前記実施の形態1と同一または相当する部分には、
図1と同一符号または同様な符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0080】
図において、前記実施の形態1の
図1と異なる点は、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段(第1の手段)201と通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段(第2の手段)202との間に、誤検出失検出周波数切替単位時間数推定手段203が配置されている点である。
【0081】
連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201は、前記実施の形態1と同様に連続受信非受信時間内周波数切替単位時間数群をもとめるとともに、受信手段100から入力した無線信号の周波数の情報および時間の情報を、通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202に通知する。
【0082】
誤検出失検出周波数切替単位時間数推定手段203は、前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数が、ある特定の確率分布に従って時間的に変動すると仮定した場合の、約数の頻度分布をもとめる。
【0083】
また、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201でもとめられた連続受信非受信時間内周波数切替単位時間数群の情報を、通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202に通知する。
【0084】
通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202は、(1)連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201の推定結果である前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の周波数切替単位時間の数、の約数の頻度分布の情報と、(2)前記誤検出失検出周波数切替単位時間数推定手段203でもとめた約数の頻度分布と、を推定に用いる約数の情報として用いる。
【0085】
誤検出失検出周波数切替単位時間数推定手段203は、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201から入力した連続受信非受信時間内周波数切替単位時間数群の情報をもとに、連続受信期間毎および連続非受信時間毎に含まれる周波数切替単位時間の数について、約数をもとめる。
【0086】
以下に、本実施の形態における受信装置の動作、主に誤検出失検出周波数切替単位時間数推定手段203と通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202の動作、を
図6ないし
図9を用いて説明する。
【0087】
図6は、本発明の実施の形態2に係る、送信状況のモデルを示す図である。
【0088】
図において、6回、1回、1回、・・・とあるのは、前記実施の形態1の
図3、
図4と同様に、連続受信期間内または連続非受信時間内に含まれる周波数切替単位時間の数を示す。
【0089】
また、図において、黒丸印は、スケジューリング制御による割当てなどがなく本来は通信装置からの送信がない期間(図中、灰色で示した期間。例えばT3,T4など。)にもかかわらず、信号が存在していると受信装置100が検出する場合である、誤検出の場合を示す。
【0090】
誤検出の原因としては、雑音、干渉信号などが挙げられる。
【0091】
図のように誤検出がある場合、あるいは、信号が存在するのに検出しない場合である失検出が含まれる場合には、連続受信期間内または連続非受信時間内に含まれる周波数切替単位時間の数が、1つの通信割当単位時間内に含まれる周波数切替単位時間の数(すなわち個数)の倍数とならないことがある。
【0092】
そのため、前記実施の形態1で説明した最大公約数を求めて推定する方法を用いた場合に、正しい数と異なる数が推定されてしまう可能性があるモデルとなっている。
【0093】
図7は、本発明の実施の形態2に係る、推定方法を示す図である。
誤検出失検出周波数切替単位時間数推定手段203は、まず、推定に用いる約数の範囲を設定する。
図7において、最上段が推定に使用する約数(x)の範囲を示し、1から10までが設定されていることを示す。
【0094】
次に、誤検出失検出周波数切替単位時間数推定手段203は、連続受信期間毎および連続非受信時間毎に含まれる周波数切替単位時間の数が、時系列的にある値となる確率が、特定の確率分布に従って変動すると仮定した場合に、その数の約数がある値となる確率をもとめる。
【0095】
図8は、本発明の実施の形態2に係る、連続受信期間内または連続非受信時間内に含まれる周波数切替単位時間の数がある値をとる確率が特定の確率分布に従うと仮定した場合に、約数がある値となる確率を示す図である。
【0096】
図では、連続受信期間毎および連続受信非受信期間毎に含まれる周波数切替単位時間の数が、時系列的にランダムにある値となる場合を想定している。この場合、ある数が、約数xを持つ確率は、1/xとなる。
【0097】
例えば、約数(x)=1を考えると、連続受信期間内および連続受信非受信期間内に含まれる周波数切替単位時間の数は全て整数となるので、全て1を約数に持つことから、約数=1を持つ確率は1となる。
【0098】
また、約数(x)=2を考えると、連続受信期間内および連続受信非受信期間内に含まれる周波数切替単位時間の数が偶数であれば、2を約数として持つ。偶数となるか奇数となるかは同じなので、約数=2をもつ確率は1/2となる。
【0099】
他の約数についても同様であり
図8の確率分布が得られる。
【0100】
次に、単位通信割当期間内周波数切替単位時間数推定手段202は、
図7に示すように、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201で推定した連続受信非受信時間内周波数切替単位時間数群をもとに、ある約数をもつ連続受信非受信時間内周波数切替単位時間数群の要素がいくつあるか調べる。
【0101】
図7の1列目の中段部分は、
図6に示した連続受信期間内または連続非受信時間内に含まれる周波数切替単位時間の数であり、2列目以降は、その数に対する約数の有無を示すためのカウント(1:有、0:無)である。
【0102】
図6のモデルに示した連続受信期間内および連続非受信時間内に含まれる周波数切替単位時間の数は、6、1、1、4、5、1、3、3、・・・であり、
図7の1列目に記載の数と対応する。
【0103】
例えば、1つ目の数(=6)の約数は1、2、3、6であるので、1つ目の数(=6)の右側の約数(x)が1、2、3、6の欄にカウント1を設定し、他の欄は0とする。2つめの数(=1)の約数は1のみなので、約数(x)が1の欄にカウント11を設定し、他の欄は0とする。
【0104】
次に、
図7の下から3段目のように、連続受信期間内および連続非受信時間内に含まれる周波数切替単位時間の数(=6、1、1、4、5、1、3、3、・・・)の全てに対して約数カウントを加算し、約数(x)毎の総カウント(図中、(A)と記載。)を求める。
【0105】
次に、
図8に示した確率分布に、約数(x)=1の場合の総カウント(A)(=30)を各々掛け、その約数が発生する回数の期待値(図中、(B)と記載。)をもとめる。従って、
図8の確率の分布と期待値(B)の分布とは相似となる。
【0106】
図9は、上記で求めた(A)と(B)を示す図である。
【0107】
次に、通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202は、
図7の最下段に示すように、前記約数(x)毎の総カウント(A)と特定の分布の場合の期待値(B)との差分を調べる。
【0108】
そして、(A)と(B)の差分が最大となる約数を、通信割当単位時間内の周波数切替単位時間の数、即ち個数、として推定する。
図6に示したモデルの場合、
図7、
図9に示すように、約数=3において、差分が最大となるため、推定結果は3となる。
【0109】
以上のように、本発明の実施の形態2によれば、誤検出や失検出によって、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数群のなかに「倍数関係にない数」が要素として含まれる場合でも、通信割当単位時間内に含まれる周波数切替単位時間の数、即ち個数、を正しく推定することができる。
【0110】
なお、本発明の実施の形態においては、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201、誤検出失検出相当周波数切替単位時間203、通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202が、直列的に配置されているが、変形例として、
図10に示すように、誤検出失検出相当周波数切替単位時間203、通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202が並列的に配置されていてもよく、実施の形態及び図面に限定されない。この場合、誤検出失検出相当周波数切替単位時間203は
図8に示した確率分布の情報を通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202に通知し、通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202において期待値(B)をもとめる。
【0111】
また、本実施の形態においては、連続受信期間毎および連続非受信期間毎の周波数切替単位時間の数が、ランダムに変動すると仮定した場合の約数の頻度分布を用いたが、他の変動の仕方または頻度分布を想定しても、また複数の変動の仕方または頻度分布を想定してもよく、上記実施の形態の説明に限定されない。例えば、過去の推定結果を類型化して記憶しておき、推定に用いることが可能である。
【0112】
また、本実施の形態においては、推定に用いる各種情報のやり取りについて、
図5に示した推定手段201内の各ブロックの動作に分割して説明したが、推定手段201が適宜各ブロックに通知するようにしてもよく、図の矢印および前記説明に限定されない。
【0113】
実施の形態3.
以下に、図面を用いて本発明の実施の形態3について説明する。
【0114】
図11は、本発明の実施の形態3に係る、受信装置の装置構成、機能ブロックおよび処理の流れを示す図である。
【0115】
なお、前記実施の形態1および2と同一または相当する部分には、同一符号または同様な符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0116】
図において、前記実施の形態2の
図5と異なる点は、受信手段100と連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段(第1の手段)201との間に、誤検出失検出影響低減手段204が配置されている点である。
【0117】
誤検出失検出影響低減手段204は、受信手段100でもとめた周波数の情報および時間の情報に対し、誤検出または失検出などの影響を低減する処理を行なう。
【0118】
連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201は、誤検出失検出影響低減手段204によって修正された周波数の情報および時間の情報を用いて、連続受信期間毎および連続非受信期間毎の前記周波数切替単位時間の数を推定する。
【0119】
次に、誤検出失検出影響低減処理手段204の動作を説明する。
図12は、本発明の実施の形態3に係る、送信状況のモデルを示す図である。
【0120】
図13は、誤検出失検出影響低減処理手段の動作を示す図である。
【0121】
なお、
図13は表形式となっているが、図と同様な情報を構成できればよく、図の表現形式に限定されない。
【0122】
図13において、横軸は周波数切替単位時間番号を、縦軸は端末通信時間間隔番号を示す。
【0123】
また、白丸印は、
図12ににおいて、ある周波数切替単位時間番号に丸印がある場合を、バツ印はない場合を示す。例えば、端末通信時間間隔番号D1の周波数切替単位時間番号1に、設定された周波数範囲(f1〜f8)内に受信信号が検出されているので白丸印となっている。
【0124】
また、灰色の欄は、
図12の灰色で示した周波数切替単位時間に対応し、スケジューリング制御による割当てなどがなく、本来は信号が送信されない周波数切替単位時間を示す。
【0125】
まず、誤検出失検出影響低減処理手段204は、想定する通信方式に用いられる端末通信時間間隔をある値に設定する。この値は例えば、(1)低減処理においてある範囲で設定値を変更ながら試行して最終的に最適な値を設定する、(2)前記特許文献1の方法を用いて別途推定する、など各種設定方法が適用可能である。
【0126】
次に、設定した監視期間に渡って、
図13に示すようにして、周波数切替単位時間番号毎の検出状況を監視する。即ち、前記通信方式を想定した場合の端末通信時間間隔内での位置が同一となる周波数切替単位時間について、各々の前記無線信号の検出状況の時間的変化を設定した監視期間に渡って監視する。
前記監視期間は、(1)装置の実装時に装置に設定及び記憶させる、(2)装置動作の初期に設定及び記憶する、(3)推定状況によって人為的または装置的に設定させるなどの各種設定方法が適用可能であり、また、(4)通信方式によって固定期間とする、(5)推定状況を監視しながら最適な期間となるよう適宜変更して求めるなど各種最適化方法が適用可能である。
【0127】
図12のように誤検出および失検出がない理想的な場合には、
図13のように、同一の周波数切替単位時間番号における信号検出数(白丸印の数)が等しくなる。
【0128】
図14は、本発明の実施の形態3に係る、失検出のある送信状況のモデルを示す図である。
【0130】
図14のように失検出がある場合には、
図15に示すように、失検出のある周波数切替単位時間番号において、監視期間内で検出状態が時間的に変化しているので、監視期間内での信号検出数(図中の白丸印の数)が、他の周波数切替単位時間番号の検出数と異なるものが出てくる。
【0131】
次に、誤検出失検出影響低減処理手段204は、検出状況の時間的変化があった周波数切替単位時間(番号)または信号検出数(白丸印の数)が他と異なっている周波数切替単位時間(番号)、を含む通信割当単位時間の、周波数および時間の情報を、受信手段100でもとめた周波数の情報および時間の情報から除外する変更処理を行い、変更された周波数の情報および時間の情報を連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201に通知する。
【0132】
例えば、
図15の周波数切替単位時間番号3および5の周波数切替単位時間において、信号検出数(白丸印の数)が異なっているので、周波数切替単位時間番号1〜3および4〜6における周波数の情報および時間の情報が含まれる情報は除外される。
【0133】
なお、周波数切替単位時間番号7〜10において、全ての端末通信時間間隔で非受信(バツ印)となっているので、周波数切替単位時間番号7〜10の情報は除外されない。
【0134】
従って、
図12及び
図13に示したような、より理想的な場合の情報が、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201に通知されることになる。
【0135】
連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201は、変更処理によって一部の前記周波数および時間の情報が除外された情報をもとに、前記連続受信期間毎および連続非受信期間毎の周波数切替単位時間の数を推定する。
【0136】
以上の説明においては失検出がある場合について説明したが、誤検出がある場合など、理想的でない他の場合についても同様である。また、受信時間が短い場合にも本実施の形態が適用可能である。
【0137】
以上のように、本発明の実施の形態3によれば、誤検出や失検出などによって信号検出数が変動する場合の周波数の情報および時間の情報が除外されるので、通信割当単位時間内に含まれる周波数切替単位時間の数、即ち個数、をより正しく推定することができる。
【0138】
なお、上記説明においては、誤検出などが発生する以外は、誤検出失検出影響低減処理手段204で監視する設定期間内で、受信(
図15の白丸印)および非受信(
図15のバツ印)が変化しない場合をモデルとして説明したが、端末通信時間間隔(D1、D2、・・・)単位で、ある通信装置が送信と非送信を切り替えることにより監視期間内で信号検出状態が変化する場合に、変化のある周波数切替単位時間番号に関係する周波数の情報および時間の情報を除外するようにしても良い。
【0139】
この場合に、ある通信装置が送信と非送信とを切替える場合には、理想的には、端末通信時間間隔単位で受信と非受信が切替るとともに、同じ通信割当単位期間に含まれる全ての周波数切替単位時間(=個数分の周波数切替単位時間の期間)で同一の状態に切替わるので、検出状況が通信割当単位期間内で一定となる。従って、そのような切替りかたをする範囲の情報は除外しないようにしても良い。
【0140】
例えば、
図13において、ある通信装置が周波数切替単位時間番号1〜3を用いて送信する場合、例えば端末通信時間間隔D1では周波数切替単位時間番号1〜3において全て白丸印となり、D2では周波数切替単位時間番号1〜3において全てバツ印となるような場合には、D1およびD2の情報は除外しない。
【0141】
また、本実施の形態においては、誤検出失検出影響低減処理手段204において周波数の情報および時間の情報を変更しているが、誤検出失検出影響低減処理手段204が、除外すべき情報の範囲または使用すべき情報の範囲についての情報を別途連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201に通知し、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201が通知された情報をもとに推定処理をするようにしてもよく、実施の形態及び図面に限定されない。
【0142】
この場合、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201は、誤検出失検出影響低減処理手段204がもとめた除外範囲に含まれる情報と、受信手段100が求めたもともとの周波数の情報および時間の情報と、を用いて個数を推定する。
【0143】
また、本実施の形態においては、誤検出失検出影響低減処理手段204においても通信方式を想定して、受信信号の検出状況を監視しているが、誤検出失検出影響低減処理手段204と連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201とを入替えてもよい。
【0144】
この場合、誤検出失検出影響低減処理手段204は、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201の推定時の各種情報、例えば連続受信期間毎および連続非受信期間毎の周波数切替単位時間の数の推定結果、をもとに、
図15を用いて前記説明した低減処理を行なう。
【0145】
また、誤検出失検出影響低減処理手段204が連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201と情報を共有する、または、協調して動作するようにしてもよい。
【0146】
実施の形態4.
以下に、図面を用いて本発明の実施の形態4について説明する。
【0147】
図16は、本発明の実施の形態3に係る、受信装置の装置構成、機能ブロックおよび処理の流れを示す図である。
【0148】
なお、前記実施の形態1ないし3と同一または相当する部分には、同一符号または同様な符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0149】
図において、前記実施の形態3の
図11と異なる点は、誤検出失検出影響低減手段204ではなく、誤検出失検出影響低減手段204aが配置されている点である。
【0150】
即ち、誤検出失検出影響低減手段の処理が実施の形態3と異なっている。
【0151】
本実施の形態では、前記実施の形態3と同様に、周波数切替単位時間番号毎の受信状態を時系列的に監視し、受信状態が変化する周波数切替単位時間(番号)の情報に対して修正を行なう。
【0152】
図17は、本発明の実施の形態5に係る、誤検出失検出影響低減処理の動作を示す図である。
【0153】
図の見方は、前記実施の形態3の
図13および
図15と同様であるが、失検出と誤検出の両方を含むモデルとなっている。図においては、周波数切替単位時間番号2、3、4、6において失検出が、周波数切替単位時間番号8、9において誤検出があるモデルとなっている。
【0154】
次に、誤検出失検出影響低減処理手段204aの動作を説明する。
まず、誤検出失検出影響低減手段204aは、前記実施の形態3と同様に、受信手段で得られた周波数および時間の情報をもとに、周波数切替単位時間番号毎の信号の検出状況を、設定された監視期間に渡って監視する。即ち、前記通信方式を想定した場合に端末通信時間間隔内での位置が同一となる通信割当単位時間毎に、前記無線信号の存在状態の時間的変化を設定された監視期間に渡って監視する。
【0155】
次に、受信信号の検出状態が監視期間内で変化している周波数切替単位時間番号について、数の多い検出状態のほうが確からしい(または正しい)検出状態であるとして、数の少ないほうの情報を数の多いほうの情報に合せるよう変更する。
【0156】
図17においては、例えば周波数切替単位時間番号が2の周波数切替単位時間において、端末通信時間間隔番号D3およびD6の端末通信時間間隔における受信状態が、失検出によって他の端末通信時間間隔の状態と異なっているとともに、監視期間内において失検出の数のほうが少ないので、端末通信時間間隔D3およびD6の失検出(黒丸印)を受信(白丸印)に変更する。同様に、例えば周波数切替単位時間番号8において、端末通信時間間隔D5が他の端末通信時間間隔と異なっているとともに、数が少ないので、端末通信時間間隔D5の誤検出(白丸印)を数の多い非受信(バツ印)に変更する。
【0157】
この結果、誤検出に対しては信号数を減算、失検出に関しては信号数を加算することにより、の周波数切替単位時間(番号)毎に、受信される信号数が同一となる。
【0158】
誤検出失検出影響低減手段204aは、修正された周波数および時間の情報を連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段291へ通知する。
【0159】
なお、多数か少数かの判断、即ち誤検出等かどうかの判断は、監視期間が長いほうがより正確となるので、監視期間が長いほうが望ましい。
【0160】
また、通信装置からの信号の送信・非送信が監視期間内で変化する場合に、判断を誤ることが考えられるが、信号の送信・非送信は、通信割当単位期間毎であるため、単位通信割当期間内周波数切替単位時間数推定手段202における推定結果に対しては影響を与えない。
【0161】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、誤検出等の影響を低減して推定することができ、特に、監視時間が長い場合に、より影響を低減することができる。
【0162】
なお、上記説明では単に多数決としているが、少数のほうを誤検出、失検出またはその他といったように判別するようにしてもよい。
【0163】
また、上記説明では単に多数決としているが、統計処理により、監視期間内の検出状態が最も多いほうまたは最も確からしい情報に、他の情報を合せるようにしてもよい。
【0164】
また、本実施の形態においては、誤検出失検出影響低減処理手段204において周波数の情報および時間の情報を変更しているが、誤検出失検出影響低減処理手段204が、除外すべき情報の範囲または使用すべき情報の範囲についての情報を別途連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201に通知し、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201が通知された情報をもとに推定処理をするようにしてもよく、実施の形態及び図面に限定されない。
【0165】
なお、本実施の形態においても、前記実施の形態3に示した各種変形、例えば誤検出失検出影響低減手段204aと連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201の順番の入替え、を適用してもよく、実施の形態及び図面に限定されない。
【0166】
実施の形態5.
以下に、図面を用いて本発明の実施の形態4について説明する。
【0167】
図18は、本発明の実施の形態5に係る、受信装置の装置構成、機能ブロックおよび処理の流れを示す図である。
【0168】
なお、前記実施の形態1ないし4と同一または相当する部分には、同一符号または同様な符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0169】
図において、前記実施の形態4の
図16と異なる点は、誤検出失検出影響低減手段204aではなく、誤検出失検出影響低減手段204bが配置されている点である。
【0170】
即ち、誤検出失検出影響低減手段の処理が実施の形態4と異なっている。
【0171】
本実施の形態では、前記実施の形態4のような周波数切替単位時間番号別の信号検出状況の時系列的な監視は行なわず、前記実施の形態1と同様にして周波数切替単位時間毎の受信状態を時系列的に監視し、信号の検出状態が短期間で変化する周波数切替単位時間における周波数の情報および時間の情報に対して、変更を行なう。
【0172】
次に、誤検出失検出影響低減処理手段204bの動作を説明する。
図19ないし
図21は、本発明の実施の形態5に係る、誤検出失検出影響低減処理の説明を示す図である。
【0173】
各図において、(A)が、受信信号の周波数の情報および時間の情報としての低減処理前の検出信号、(B)が低減処理後の検出信号を示す。
なお、図では、受信が連続する場合には、1つにまとめた信号で表している。
【0174】
まず、失検出の場合について
図19を用いて説明する。
【0175】
誤検出失検出影響低減手段204bは、受信手段100で得られた周波数の情報および時間の情報を監視し、ある数(閾値)以下の数の周波数切替単位時間、例えば周波数切替単位時間1つ分の期間、に渡って信号の検出がない周波数切替単位時間は、失検出であるとみなし、その周波数切替単位時間では「検出された」とする情報へ変更する。
【0176】
図19の(A)では、1つ目の連続非受信期間が、1つ目の連続受信期間と2つ目の連続受信期間の間にあり、1つ目の連続非受信期間に含まれる周波数切替単位時間の数が1である。同様に、3つめの連続非受信期間が、3つ目の連続受信期間と4つ目の連続受信期間の間にあり、3つ目の連続非受信期間に含まれる周波数切替単位時間の数が1である。
【0177】
このような場合、誤検出失検出影響低減手段204bは、図の(B)に示すように、信号が検出されたとする情報へ変更する。
【0178】
次に、誤検出の場合について
図20を用いて説明する。
【0179】
誤検出失検出影響低減手段204bは、受信手段100で得られた周波数の情報および時間の情報を監視し、ある数(閾値)以下の数の周波数切替単位時間の期間、例えば周波数切替単位時間1つ分の期間、で信号が検出された周波数切替単位時間は、誤検出であるとみなし、その周波数切替単位時間では「検出されなかった」とする情報へ変更する。
【0180】
図20の(A)では、2つ目の連続受信期間および4つ目の連続受信期間において、連続受信期間に含まれる周波数切替単位時間の数が1である。
【0181】
このような場合、誤検出失検出影響低減手段204bは、図の(B)に示すように、検出されなかったとする情報へ変更する。
【0182】
次に、誤検出と失検出がある場合について
図21を用いて説明する。
【0183】
誤検出失検出影響低減手段204bは、受信手段で得られた周波数の情報および時間の情報を監視し、ある数(閾値)以下の数の周波数切替単位時間の期間、例えば周波数切替単位時間1つ分の期間で信号が検出されなかった周波数切替単位時間は、失検出であるとみなし、その周波数切替単位時間では「検出された」とする情報へ優先的に変更する。
【0184】
図21の(A)では、1つ目の連続非受信期間および5つ目の連続非受信期間において、連続非受信期間に含まれる周波数切替単位時間の数が1である。
【0185】
このような場合、誤検出失検出影響低減手段204bは、図の(B)に示すように、検出されたとする情報へ変更する。
【0186】
ここでは、誤検出と失検出がある場合について失検出の対応を優先しているが、誤検出の対応を優先する、または両方をするようにしてもよい。両方をするような方法の場合、送信が時間的に密集して行われているような状況や、失検出と比べて誤検出が多く発生する場合は、後者が有効に動作し、送信が密集していないような状況や、誤検出と比べて失検出が多く発生する場合は、前者が有効に動作する。
【0187】
なお、
図21のように誤検出と失検出とが連続する場合に、誤検出と失検出とが判別できない、あるいは誤った補正を行ってしまうことがある。その場合、失検出および誤検出の影響が完全には低減されない可能性があるが、誤検出と失検出とが連続する可能性は少ないことから、統計的に誤検出・失検出の影響が低減できる。
【0188】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、誤検出等の影響を低減して推定することができる。
【0189】
なお、本発明の実施の形態では、短期間の検出状態(信号の受信、非受信)の変化に対応する情報に対する変更をするかどうかについての判断を、その短期間の検出状態をもとに判断しているが、前記短期間の前または後の検出状態を考慮して変更するようにしてもよい。例えば、ある検出状態が別の検出状態によって時間的に前後に挟まれている場合に、前後の状態のほうに合せるように変更するようにしてもよい。
【0190】
また、何らかの方法により、通信割当単位時間内に含まれる周波数切替単位時間の数、即ち個数、がある数(=N)以上であることが判明するような場合には、閾値をNとして、N以下の周波数切替単位時間の期間に含まれる状態を変更するようにしてもい。これにより、推定精度を向上させることができる。
【0191】
また、閾値を変更して推定を繰り返して最適な閾値と推定結果をもとめるようにしてもよい。
【0192】
また、本実施の形態においても、前記実施の形態3に示した各種変形、例えば誤検出失検出影響低減手段204aと連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201の順番を入替え、連続受信非受信期間内周波数切替単位時間数推定手段201の推定結果に対して低減処理を行なうようにしてもよく、実施の形態及び図面に限定されない。
【0193】
実施の形態6.
以下に、図面を用いて本発明の実施の形態6について説明する。
【0194】
図22は、本発明の実施の形態6に係る、受信装置の装置構成、機能ブロックおよび処理の流れを示す図である。
【0195】
なお、前記実施の形態1と同一または相当する部分には、同一符号または同様な符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0196】
図において、前記実施の形態1の
図2と異なる点は、系推定手段400および系推定結果判定手段500が、通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202と表示手段300との間に配置されている点である。
【0197】
系推定手段400は、通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202における推定された個数の情報を用いて、ある集団に属する通信装置からの無線信号と別の集団に属する通信装置からの無線信号とを同時期に受信しているか、即ち通信装置が属する集団が複数あるか、を推定する。
【0198】
系推定結果判定手段500は、前記系推定手段400による推定結果と、通信割当単位時間内に含まれる周波数切替単位時間の数(=個数)の推定結果とについて、判定結果の尤もらしさを判断する。
【0199】
次に、系推定手段400および系推定結果判定手段500の動作を説明する。
以下では、前記実施の形態1の
図4のように、周波数帯域が異なる集団が存在する場合を例として説明する。
【0200】
系推定手段400は、同じ周波数切替単位時間(番号)において信号が検出された周波数帯域の数の情報をもとに、複数の周波数帯域で同時に受信が検出された場合は、異なる周波数帯域では異なる集団の通信装置から送信されているものと推定する。
【0201】
また、例えば前記特許文献1に記載の周期検出方法により、端末通信時間間隔の情報を予め推定できる場合には、端末通信時間間隔毎に同じ通信装置が通信を行うことに着目し、端末通信時間間隔単位で検出される信号は、同じの集団の通信装置からされているものと推定する。
【0202】
系推定結果判定手段500は、系推定手段400の推定結果をもとに、通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202で推定した、通信割当単位時間内に含まれる前記周波数切替単位時間の数(=個数)、を他の数に変更する。
【0203】
例えば、前記系推定手段400において、信号の検出された周波数帯域の数を用いた推定を行った場合において、通信割当単位時間内に含まれる周波数切替単位時間の数(=個数)の推定結果が正しい場合には、周波数帯域の各種の組合せのなかに、起こりえない、または、ほとんど起こらない組合せが存在することになる。
【0204】
そこで、周波数帯域の組合せを監視し、そのような周波数帯域の組合せがある設定回数(=閾値)以上発生した場合においては、通信割当単位時間内周波数切替単位時間数推定手段202の推定結果が誤っていると判断し、
図7に示した差分(A−B)次に大きい約数を、個数の推定結果として選択する。
【0205】
また、例えば、前記系推定手段400において、端末通信時間間隔を用いた推定を行った場合において、通信割当単位時間内に含まれる周波数切替単位時間の数(=個数)の推定結果が正しい場合には、端末通信時間間隔単位で周期的に信号が検出される周波数帯域は、ある集団において使用される限定的な周波数帯域のみとなるはずである。
【0206】
そこで、端末通信時間間隔単位で監視した場合に、する周波数範囲内のほぼ全ての周波数帯域で信号が検出される場合においては、通信割当単位時間内に含まれる周波数切替単位時間の数(=個数)の推定結果が誤っていると判断し、
図7に示した差分(A−B)次に大きい約数を、個数の推定結果として選択する。
【0207】
このように、系推定手段400で用いた系推定方式特有の特徴が検出された場合は、通信割当単位時間に含まれる周波数切替単位時間の数(=個数)の推定結果が正しいと判定する。
【0208】
一方、系推定手段400で用いた系推定方式に特有の特徴が検出されなかった場合は、通信割当単位時間に含まれる周波数切替単位時間の数(=個数)の推定結果は誤っていると判断し、2番目に尤もらしいと推定される個数を選択し、系推定結果が正しいと判定されるまでそれを繰り返し行う。
【0209】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、単位通信割当時間内に含まれる周波数切替単位時間の数(=個数)の妥当性を判断するので、より正しく個数の推定と集団の分別とを行なうことができる。
【0210】
なお、本発明の実施の形態では、系推定手段400における方法として2種類示したが、他の方式でもよく、上記説明に限定されない。
【0211】
また、上記各実施の形態においては、受信手段100については、詳細な説明を省略したが、従来技術を用いても新規な技術を用いてもよく、例えば
図23に示すような構成、機能ブロックとしても良い。
【0212】
図において、101はアンテナ、102は周波数帯域分離手段、103は受信検出手段を示す。
【0213】
図において、周波数帯域分離手段102は、受信した信号を周波数帯域別に分離する。分離に際しては例えば、想定する通信方式の周波数帯域幅より小さい帯域幅の帯域フィルタ群、または、可変帯域幅の帯域フィルタ群を用いることができる。
【0214】
周波数帯域につけた番号を信号の周波数の情報として用いることができる。
【0215】
また、上記各実施の形態においては、表示手段300については、従来技術を用いても新規な技術を用いてもよく、例えば
図24に示すような構成、機能ブロックとしても良い。
【0216】
また、上記各実施の形態の図の構成を全て含む広義の受信装置の実装形態として、例えば
図25のような構成を備えるようにしてもよい。
図において、401は表示手段300の制御手段、402は最終的な表示を行なう手段を示す。図に示した構成要素は一般的なものであるので詳細な説明は省略する。
【0217】
図において、500はいわゆる無線インターフェース(I/F)、501はいわゆるランダムアクセスメモリ、502はいわゆるリードオンリーメモリ、503はいわゆるプロセッサ(例えばCPUなどの演算装置でプログラムにより動作するもの、または、設定された固定的な処理を行なうものを含む)、504は液晶表示装置、505はいわゆる信号線を示す。
【0218】
図に示した構成要素は一般的なものであるので詳細な説明は省略する。
【0219】
また、上記各実施の形態に記載の機能または処理を組合せてもよく、上記各実施の形態のみに限定されない。複数の方法を比較する、複数の方法を組合せて用いることにより、推定精度を高くすることができる。