(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明に係る好適な実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0016】
まず、本実施形態の構成について説明する。
〔診断システムの構成〕
図1に、本実施形態における診断システム1の全体構成例を示す。
診断システム1は、開業医やクリニック等の比較的小規模の医療施設に適用されるシステムであり、
図1に示すように、モダリティー10と、電子カルテ装置20と、受付装置30と、医事会計システム40と、を備えて構成されている。診断システム1を構成する各装置は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0017】
モダリティー10は、撮影室に設けられ、患者の診断対象部位を撮影し、デジタルの医用画像を生成する画像生成装置である。モダリティー10としては、CR装置、FPD装置等のX線画像撮影装置、超音波診断装置(US)等が適用可能である。
【0018】
電子カルテ装置20は、診察室に設けられ、電子カルテ機能、画像ビューアー機能を有するコンピューター装置である。電子カルテ装置20は、患者毎、診断毎に、電子カルテ情報を生成し、電子カルテDB(Data Base)262(
図2参照)に記憶する。また、電子カルテ装置20は、電子カルテ情報に含まれる患者情報、日付及び診療行為情報を医事会計システム40に送信する。
ここで、電子カルテ情報は、患者情報(患者ID、患者名、性別、年齢等)、日付、自由記述情報及び診療行為情報により構成される。自由記述情報は、例えば、所見、主訴、既往症、嗜好、診断に用いた医用画像(縮小画像)等、医師が必要と認める情報を自由に記録した情報である。診断行為情報は、医師が患者に対して行った診療行為を示す情報、例えば、傷病名、投薬(処方)、処置、注射、検査、手術、画像診断、リハビリテーション等の情報である。
【0019】
受付装置30は、受付に設けられ、患者の受付情報(受付日付、受付番号、受付された患者の患者情報)を入力するためのコンピューター装置である。受付装置30は、入力された受付情報を記憶するとともに、受付情報を電子カルテ装置20、医事会計システム40に送信する。
【0020】
医事会計システム40は、会計計算や保険点数計算等を行うためのコンピューター装置である。医事会計システム40は、電子カルテ装置20から電子カルテ情報に含まれる患者情報、日付及び診療行為情報を受信する。医事会計システム40は、診療行為情報に含まれる診療行為を診療報酬の点数に変換し、会計計算や保険点数計算を行い、レセプトデータを生成する。レセプトデータは、患者が受けた診療について、医療機関が保険者(市町村や健康保険組合等)に医療費を請求するための診療報酬明細書(レセプト)の情報である。レセプトデータには、患者情報(患者氏名、性別、生年月日等)、患者の健康保険加入情報、請求元の医療機関名、診療科、診療行為情報、診療行為情報に含まれる各診療行為に対応する診療報酬の点数等が記載されている。
【0021】
なお、診断システム1を構成する各装置の数は、特に限定されない。
また、診断システム1における通信方式としては、一般的に、DICOM規格が用いられており、各装置間の通信では、DICOM MWM(Modality Worklist Management)やDICOM MPPS(Modality Performed Procedure Step)が用いられる。
【0022】
〔電子カルテ装置の構成〕
図2に、電子カルテ装置20の機能的構成を示す。
図2に示すように、電子カルテ装置20は、制御部21、操作部22、表示部23、通信部24、RAM(Random Access Memory)25、記憶部26等を備えて構成されており、各部はバス27により接続されている。
【0023】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、電子カルテ装置
20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部22から入力される操作信号又は通信部24により受信される指示信号に応じて、記憶部26に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM25に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。制御部21は、電子カルテ機能プログラムP1及び画像ビューアー機能プログラムP2との協働により、制御手段として機能する。
【0024】
操作部22は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部21に出力する。
また、操作部22は、表示部23の表面を覆うように透明電極を格子状に配置したタッチパネル等を有し、手指やタッチペン等で押下された位置を検出し、その位置情報を操作情報として制御部21に出力する構成としてもよい。
【0025】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0026】
通信部24は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。例えば、通信部24は、受付装置30から受付情報を受信する。また、通信部24は、モダリティー10により患者を撮影して得られた医用画像を受信する。また、通信部24は、電子カルテ情報の患者情報、日付及び診療行為情報を医事会計システム40に送信する。
【0027】
RAM25は、制御部21により実行制御される各種処理において、記憶部26から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0028】
記憶部26は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリー等により構成され、各
種プログラム、当該プログラムの実行に必要なデータを記憶している。
具体的に、記憶部26には、電子カルテ機能プログラムP1、画像ビューアー機能プログラムP2、受付リストDB261、電子カルテDB262、画像DB263、設定情報ファイル264等が記憶されている。
【0029】
電子カルテ機能プログラムP1は、電子カルテ情報の作成、表示、転送、記憶等に係る機能(電子カルテ機能)を実現するためのプログラムである。
画像ビューアー機能プログラムP2は、医用画像の記憶、表示等に係る機能(画像ビューアー機能)を実現するためのプログラムである。
【0030】
なお、本実施形態においては、電子カルテ機能プログラムP1及び画像ビューアー機能プログラムP2は記憶部26に記憶されている構成とするが、電子カルテ装置20の起動時にインターネット等を介して外部のデータ管理サーバーにアクセスしてダウンロードするSaaS(Software as a Service)型のプログラムとしてもよい。
【0031】
受付リストDB261は、通信部24により受付装置30から送信され、通信部24により受信された受付情報を格納するためのデータベースである。
電子カルテDB262は、作成された電子カルテ情報を格納するためのデータベースである。
画像DB263は、通信部24によりモダリティー10から送信され、通信部24により受信された医用画像を患者情報と対応付けて格納するためのデータベースである。
設定情報ファイル264は、電子カルテ装置20に係る各種の設定情報を記憶するファイルである。設定情報としては、例えば、後述するカルテ画面G1の新規カルテ入力領域52a(
図4B参照)の表示時にモダリティー10で撮影された医用画像が取り込まれた場合に、取り込まれた医用画像の縮小画像を新規カルテ入力領域52aに自動貼り付けするか否かの設定情報(以下、「自動貼り付け有り」、「自動貼り付け無し」の設定情報と呼ぶ)、カルテ画面G1の表示中にモダリティー10で撮影された医用画像が取り込まれた場合に、カルテ・ビューアー画面G2(
図5参照)に自動的に切り替える、画面は切り替えない(通知もなし)、又は、画面は切り替えずに新規の医用画像が取り込まれたことを通知する、の何れを行うかの設定情報(以下、「自動切り替え有り」、「自動切り替え無し」、「通知あり」の設定情報と呼ぶ)等が含まれる。これらの設定情報は、図示しない設定画面から操作部22の操作によりユーザー(医師)が設定可能である(設定手段)。なお、モダリティー10で撮影された医用画像が取り込まれるとは、モダリティー10で撮影され、送信された医用画像を電子カルテ装置20で受信して、患者情報と対応付けて画像DB263に記憶することを指す。
【0032】
〔診断システム1の動作〕
次に、開業医やクリニック等の小規模な医療施設に一の患者が来院した際の診断の流れ及び診断システム1の動作について説明する。
【0033】
患者が来院すると、まず、受付に設けられた受付装置30において、オペレーターの操作により患者情報の入力(受付入力)が行われる。受付装置30においては、患者情報が入力されると、受付番号を発行し、受付番号、受付日付、及び患者情報を含む受付情報を生成する。そして、生成した受付情報を記憶部に記憶するとともに、通信ネットワークNを介して受付情報を電子カルテ装置20及び医事会計システム40に送信する。
【0034】
受付番号が付与された患者が診察室に移動すると、医師により問診が行われる。問診時には、医師は電子カルテ装置20において操作部22により診断対象の患者を指定してその患者のカルテ画面G1を開き、その患者の過去のカルテを参照して経過履歴等を確認する。次いで、問診や経過履歴に基づいて行うべき撮影、検査、処置等を決定する。撮影を行う場合には、患者を撮影室に移動させてモダリティー10等により撮影を行う。
【0035】
撮影後、医師は撮影により得られた医用画像を参照し、診断を行う。そして、行った診療行為や診断結果をその患者のカルテ画面G1から入力する。電子カルテ装置20は、カルテ画面G1から入力された情報に基づいて電子カルテ情報を作成し、電子カルテDB262に記憶するとともに、その患者情報、日付及び診療行為情報を医事会計システム40に送信する。医事会計システム40においては、患者に対する保険点数計算等を行う。
【0036】
ここで、従来、電子カルテ装置にて撮影オーダー情報を発行することが行われていたが、電子カルテ装置で撮影オーダー情報を発行しても、別途、撮影室のモダリティーのコンソールにて撮影オーダー情報の一覧を表示し、撮影対象の撮影オーダー情報の選択、画像表示確認等を行う操作が必要で、医師一人の運用では操作が非常に煩雑であり、効率が悪かった。また、医用画像は医用画像管理装置(例えば、特許文献1参照)に取り込まれて記憶、管理されるため、撮影により得られた医用画像を電子カルテ情報に貼り付けたい場合には、モダリティーや医用画像管理装置から医用画像を取得して貼り付ける操作が必要となり、煩雑であった。
【0037】
そこで、本実施形態の電子カルテ装置20においては、電子カルテ機能プログラムP1と画像ビューアー機能プログラムP2とを備え、電子カルテ機能プログラムP1と画像ビューアー機能プログラムP2との協働により、モダリティー10において撮影され、送信された医用画像を、現在カルテ画面G1が開かれている患者の患者情報と自動的に対応付けて画像DB263に記憶し、カルテ画面G1に表示したり、その患者の新規の電子カルテ情報に縮小画像として貼り付けたりすることを可能とする。即ち、従来の電子カルテ画面では不可能であった医用画像と患者情報との対応付けを、診断の流れの中において簡単な操作で容易に可能とする。また、簡単な操作で医用画像の電子カルテ情報への貼り付けを可能とする。
【0038】
以下、上記の診断の流れにおいて、電子カルテ装置20においてモダリティー10からの医用画像の取り込み及び表示を行う際の画像取り込み表示処理の流れについて説明する。
【0039】
図3は、電子カルテ装置20及びモダリティー10により実行される画像取り込み表示処理の流れを示す図である。電子カルテ装置20側の処理は、制御部21と、電子カルテ機能プログラムP1及び画像ビューアー機能プログラムP2との協働により実行される。
図3のモダリティー10側の処理は、モダリティー10の制御部(図示せず)と制御プログラムとの協働により実行される。
なお、
図3は、設定情報ファイル264において、「自動貼り付け有り」、「自動切り替え有り」の設定情報が設定されている場合の動作例である。
【0040】
電子カルテ装置20において、医師による操作部22の操作により受付リスト画面(図示せず)の表示が指示されると、制御部21は、電子カルテ機能プログラムP1に従って、受付日付が本日の受付情報を記憶部26に記憶されている受付リストDB261から読み出し、表示部23に受付リスト画面を表示させる(ステップS1)。受付リスト画面は、受付された患者情報の一覧が表示された画面であり、この受付リスト画面から操作部22により診断対象の患者を指定することができる(患者指定手段)。
【0041】
電子カルテ装置20において、表示部23に表示された受付リスト画面から操作部22により診断対象の患者の患者情報が指定されると(ステップS2)、制御部21は、電子カルテ機能プログラムP1に従って、指定された患者についてのカルテ画面G1を表示部23に表示させる(ステップS3)。
【0042】
図4Aに、カルテ画面G1の一例を示す。
図4Aに示すように、カルテ画面G1には、患者情報表示領域P、表示モード選択ボタンB1〜B3、画像取り込みボタンB4、カルテ表示領域51、カルテ表示領域52、過去カルテ選択領域53、新規カルテボタン54等が設けられている。
【0043】
患者情報表示領域Pは、ステップS2において指定された患者情報を表示する領域である。
【0044】
表示モード選択ボタンB1〜B3は、表示部23における画面の表示モードを選択するためのボタンである。表示モード選択ボタンB1は、画面の表示モードとして、カルテ画面G1を表示部23の画面全面に表示するカルテ表示モードを選択するためのボタンである。
表示モード選択ボタンB2は、表示部23における画面の表示モードとして、カルテ・ビューアー画面G2を表示部23に表示するカルテ・ビューアー表示モードを選択するためのボタンである。
図5に、カルテ・ビューアー画面G2の一例を示す。カルテ・ビューアー画面G2は、カルテ画面G1を表示するための領域61とビューアー画面G3を表示するための領域62を有し、双方の画面を同時に表示する。操作部22により表示モード選択ボタンB2を押下し、カルテ・ビューアー表示モードを選択することにより、カルテ・ビューアー画面G2に切り替えることができる。
表示モード選択ボタンB3は、表示部23における画面の表示モードとして、ビューアー画面G3を表示部23の画面全面に表示するビューアー表示モードを選択するためのボタンである。
図6に、ビューアー画面G3の一例を示す。ビューアー画面G3は、診断対象の患者の医用画像を表示するための医用画像表示領域71を有し、医師が医用画像を観察し、読影診断するための画面である。操作部22により表示モード選択ボタンB3を押下し、ビューアー表示モードを選択することにより、ビューアー画面G3を表示することができる。
【0045】
画像取り込みボタンB4は、モダリティー10から送信された医用画像を診断対象として指定されている(カルテ画面G1が表示されている)患者の医用画像として取り込むことを指示するための取り込み指示手段である。画像取り込みボタンB4は、「CR」、「DR−1(FPD)」、「US」のように、モダリティー10の種類毎に設けられている。
カルテ表示領域51、52は、過去カルテ選択領域53から選択された過去カルテ(過去の電子カルテ情報)、又は、新規の電子カルテ情報を入力するための新規カルテ入力領域52aを表示するための領域である。なお、デフォルトでは、
図4Aに示すように、カルテ表示領域51、52には、それぞれ直近に作成された2つの過去の電子カルテ情報が表示される。
新規カルテボタン54は、カルテ表示領域52に新規カルテ入力領域52aを表示する(新規カルテを開く)ことを指示するためのボタンである。
【0046】
電子カルテ装置20において、操作部22により新規カルテボタン54が押下されると、制御部21は、電子カルテ機能プログラムP1に従って、新規カルテを開く、即ち、表示部23に表示されているカルテ画面G1のカルテ表示領域52に新規カルテ入力領域52aを表示する(ステップS4)。
【0047】
図4Bに、新規カルテ入力領域52aが表示されたカルテ画面G1の一例を示す。新規カルテ入力領域52aには、自由記述領域521と診療行為領域522が設けられている。自由記述領域521は、上述の自由記述情報を入力するための領域である。診療行為領域522は、上述の診療行為情報を入力するための領域である。
【0048】
電子カルテ装置20において、操作部22により画像取り込みボタンB4が押下されると(ステップS5)、制御部21は、電子カルテ機能プログラムP1に従って、画像取り込み指示情報を画像ビューアー機能プログラムP2に出力する(ステップS6)。画像取り込み指示情報は、例えば、Modality:CR、Patient ID:001、CR Online:ONのように、押下された画像取り込みボタンB4に対応するモダリティー10の種類(ここでは、CR)、表示されているカルテ画面G1の患者ID、CRの画像取り込みボタンB4がONであることを示す情報を示すファイルである。
【0049】
次いで、制御部21は、画像ビューアー機能プログラムP2に従って、画像取り込み指示情報を解釈し(ステップS7)、押下された画像取り込みボタンB4に対応する種類のモダリティー10に対し、通信部24により撮影スタンバイの指示を送信する(ステップS8)。また、制御部21は、モダリティー10からの医用画像の受信のスタンバイを行う(ステップS9)。
【0050】
モダリティー10においては、電子カルテ装置20からの指示を受信すると、撮影スタンバイを行う。そして、医師や撮影技師の操作に応じて患者の診断対象部位の撮影を行い(ステップS11)、撮影により得られた医用画像を通信ネットワークNを介して電子カルテ装置20に送信する(ステップS12)。
【0051】
電子カルテ装置20において、通信部24によりモダリティー10からの医用画像が受信されると(ステップS13)、制御部21は、画像ビューアー機能プログラムP2に従って、受信した医用画像を現在表示されているカルテ画面G1の患者情報に対応付けて画像DB263に記憶する(ステップS14)。
【0052】
次いで、制御部21は、画像ビューアー機能プログラムP2に従って、医用画像を縮小して縮小画像を生成する(ステップS15)。縮小画像は、例えば、JPEG形式等の画像である。そして、制御部21は、画像ビューアー機能プログラムP2に従って、生成された縮小画像と、画像情報と、カルテレイアウト指示情報を電子カルテ機能プログラムP1に出力する(ステップS16)。画像情報は、例えば、Modality:CR、Patient ID:001、Body Part: Chestのように、撮影に使用したモダリティー10の種類(ここでは、CR)、患者ID、撮影部位(ここでは、胸部)を示すファイルである。また、カルテレイアウト指示情報は、例えば、Layout:mixのように、カルテ・ビューアー画面G2に自動的に切り替えることを指示する情報である。
【0053】
次いで、制御部21は、電子カルテ機能プログラムP1に従って、表示部23の画面上の表示レイアウトを変更し、表示部23にカルテ・ビューアー画面G2を自動的に切り替え表示する(ステップS17)。そして、制御部21は、電子カルテ機能プログラムP1に従って、領域61に表示されたカルテ画面G1の新規カルテ入力領域52aに、撮影により得られた医用画像の縮小画像を自動的に貼り付けて表示する(ステップS18)。また、制御部21は、画像ビューアー機能プログラムP2に従って、領域62に表示されたビューアー画面G3の医用画像表示領域71に、モダリティー10から受信した医用画像を表示する(ステップS19)。
【0054】
図5は、ステップS18、S19の処理後に表示部23に表示されるカルテ・ビューアー画面G2の一例を示している。
上記画像取り込み表示処理によれば、電子カルテ装置20において、診断対象の患者を指定してカルテ画面G1を表示し、その画面上で操作部22により画像取り込みボタンB4を押下すると、押下した画像取り込みボタンB4に対応する種類のモダリティー10で撮影された医用画像が自動的に電子カルテ装置20に取り込まれる。そして、
図5に示すように、表示部23の画面のレイアウトがカルテ・ビューアー画面G2に自動的に切り替わり、取り込まれた医用画像のビューアー画面G3が領域62に表示されるとともに、領域61に表示されたカルテ画面G1の新規カルテ入力領域52aにその縮小画像が自動貼り付けされる。
【0055】
従って、医師は、従来のように、モダリティー10のコンソールにて撮影オーダー情報の一覧を表示し、撮影対象の撮影オーダー情報の選択し、画像表示確認等を行うという煩雑な操作を行うことなく、診断の流れにおいて表示される、診断対象(即ち、撮影対象)の患者のカルテ画面G1から画像取り込みボタンB4を押下するという簡単な操作で、モダリティー10で撮影された医用画像と患者情報とを対応付けることが可能となるので、診断時の操作性及び診断効率を向上させることができる。また、医用画像を参照するために表示部23に表示させる操作や、撮影された医用画像の縮小画像をモダリティー10や医用画像管理装置から取り込んで新規の電子カルテ情報に貼り付ける操作が不要となるので、より一層操作性及び診断効率を向上させることができる。
【0056】
なお、複数のモダリティー10で撮影を行う場合は、1つのモダリティー10に対する画像取り込みボタンB4の押下後は、ステップS19の処理が終了するまでの間は画像取り込みボタンB4の押下は無効となる。ステップS19の終了後、別のモダリティー10の画像取り込みボタンB4が押下されると、制御部21は、ステップS6以降の処理を実行し、その別のモダリティー10において撮影され、送信された医用画像を現在表示されているカルテ画面G1の患者の患者情報に対応付けて記憶するとともに、その医用画像の縮小画像を新規カルテ入力領域52aに貼付する。
診断が終了し、操作部22の操作により表示されているカルテ画面G1が閉じられると、制御部21は、電子カルテ機能プログラムP1に従って、新規カルテ入力領域52aから入力された情報に基づいて電子カルテ情報を作成し、電子カルテDB262に記憶するとともに、その患者情報、日付及び診療行為情報を医事会計システム40に送信する。
【0057】
[変形例]
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態においては、電子カルテ機能プログラムP1と画像ビューアー機能プログラムP2はそれぞれ独立していることとして説明したが、画像ビューアー機能プログラムP2上で電子カルテ機能プログラムP1を起動、動作させることとしてもよい。
また、画像取り込みボタンB4は画像ビューアー機能プログラムP2上に存在することとしてもよい。
【0058】
図7は、画像取り込みボタンB4が画像ビューアー機能プログラムP2上に存在し、画像ビューアー機能プログラムP2上で電子カルテ機能プログラムP1を起動、動作させる場合の画像取り込み表示処理の流れを示す図である。
図7の電子カルテ装置20側の処理は、制御部21と、電子カルテ機能プログラムP1及び画像ビューアー機能プログラムP2との協働により実行される。
図7のモダリティー10側の処理は、モダリティー10の制御部(図示せず)と制御プログラムとの協働により実行される。
なお、
図7は、設定情報ファイル264において、「自動貼り付け有り」、「自動切り替え有り」の設定情報が設定されている場合の動作例である。表示される各画面は、上記実施形態と同様である。
【0059】
電子カルテ装置20において、医師による操作部22の操作により受付リスト画面の表示が指示されると、制御部21は、画像ビューアー機能プログラムP2に従って、受付日付が本日の受付情報を記憶部26に記憶されている受付リストDB261から読み出し、表示部23に受付リスト画面を表示させる(ステップS31)。
【0060】
電子カルテ装置20において、表示部23に表示された受付リスト画面から操作部22により診断対象の患者の情報が指定されると(ステップS32)、制御部21は、画像ビューアー機能プログラムP2に従って、指定された診断対象の患者についてのビューアー画面G3を表示部23に表示させる(ステップS33)。操作部22によりビューアー画面G3から表示モード選択ボタンB1が押下されると、制御部21は、画像ビューアー機能プログラムP2に従って、電子カルテ機能プログラムP1を起動させるとともに、電子カルテ機能プログラムP1に診断対象の患者の患者IDを出力する(ステップS34)。
【0061】
電子カルテ機能プログラムP1が起動されると、制御部21は、電子カルテ機能プログラムP1に従って、画像ビューアー機能プログラムP2により出力された患者IDの患者のカルテ画面G1を表示部23に表示する(ステップS35)。
【0062】
表示部23の画面上に表示されている画像取り込みボタンB4が操作部22により押下されると(ステップS36)、制御部21は、画像ビューアー機能プログラムP2に従って、押下された画像取り込みボタンB4に対応する種類のモダリティー10に対し、通信部24により撮影スタンバイの指示を送信する(ステップS37)。また、制御部21は、モダリティー10からの医用画像の受信のスタンバイを行う(ステップS38)。
【0063】
ステップS39以降の処理は、
図3のステップS10以降の処理と同様であるので説明を援用する。
【0064】
このように、電子カルテ機能プログラムP1が画像ビューアー機能プログラムP2上で起動、動作する構成であっても、画像取り込みボタンB4を押下することで、モダリティー10で撮影された医用画像を現在開いているカルテ画面G1の患者のものとして医用画像を取り込むことができる。また、自動によるカルテ・ビューアー画面G2への切り替え表示、新規カルテへの医用画像の縮小画像の貼り付けが可能である。
【0065】
この変形例においても、上記実施形態と同様に、1つのモダリティー10からの画像の取り込み終了後(ステップS48の処理の終了後)、別のモダリティー10の画像取り込みボタンB4に応じてステップS37以降の処理を実行することで、複数種類のモダリティー10で撮影された医用画像を順次現在表示されているカルテ画面G1の患者の患者情報に対応付けて記憶するとともに、その医用画像の縮小画像を新規カルテ入力領域52aに貼付することができる。
また、診断が終了し、操作部22の操作により表示されているカルテ・ビューアー画面G2(又はカルテ画面G1)が操作部22の操作により閉じられると、制御部21は、電子カルテ機能プログラムP1に従って、新規カルテ入力領域52aから入力された情報に基づいて電子カルテ情報を作成し、電子カルテDB262に記憶するとともに、医事会計システム40に送信する。
【0066】
なお、上記実施形態及び変形例においては、設定情報ファイル264において、「自動貼り付け有り」、「自動切り替え有り」の設定情報が設定されている場合について説明したが、「自動貼り付けなし」の設定情報が設定されている場合には、制御部21は、
図3のステップS18の処理(
図7のステップS47の処理)を省略する。「自動切り替えなし」が設定されている場合には、制御部21は、
図3のステップS16(
図7のステップS45)のカルテレイアウト指示情報の出力、ステップS17(
図7のステップS46)、及び
図3のステップS19(
図7のステップS48)の処理を省略する。「通知あり」が設定されている場合には、制御部21は、
図3のステップS16(
図7のステップS45)におけるカルテレイアウト指示情報の出力の変わりに、画像取り込みの通知情報を出力し、
図3のステップS17(
図7のステップS46)においては、表示レイアウトの変更は行わず、カルテ画面G1への画像取り込み通知の表示を行う。画像取り込み通知の一例としては、例えば、ポップアップにより「画像が取り込まれました」等のメッセージを表示することとしてもよいし、画像取り込み通知を示すインジケーターを表示することとしてもよい。また、ステップS17(
図7のステップS46)の処理は省略し、新規カルテ上に縮小画像を表示することで、画像取り込みの通知としてもよい。
【0067】
以上説明したように、電子カルテ装置20によれば、操作部22によりカルテ画面G1において画像取り込みボタンB4が押下されると、制御部21は、モダリティー10から送信された医用画像を表示部23に表示されているカルテ画面G1の患者の患者情報に対応付けて画像DB263に記憶させる。
【0068】
従って、医師は、従来のように、モダリティーのコンソールにて撮影オーダー情報の一覧を表示し、撮影対象の撮影オーダー情報の選択し、画像表示確認等を行うという煩雑な操作を行うことなく、診断の流れにおいて表示される、診断対象(即ち、撮影対象)の患者のカルテ画面G1から画像取り込みボタンB4を押下するという簡単な操作で、モダリティー10で撮影された医用画像と患者情報とを対応付けることが可能となるので、操作性及び診断効率を大幅に向上させることができる。
【0069】
また、制御部21は、カルテ画面G1において画像取り込みボタンB4が押下されると、モダリティー10から送信された医用画像をカルテ画面G1の新規カルテ入力領域52aに自動的に貼り付ける。従って、電子カルテ作成時に医用画像を参照するために表示部23に表示させる操作や、撮影された医用画像の縮小画像をモダリティー10や医用画像管理装置から取り込んで新規の電子カルテ情報に貼り付ける操作が不要となり、より一層操作性及び診断効率を向上させることができる。
【0070】
新規カルテ入力領域52aには、医用画像を縮小した縮小画像を貼り付けることが好ましい。これにより、他の電子カルテ情報の入力の邪魔にならずに医用画像を新規カルテ入力領域52aに貼り付けることができる。
また、モダリティー10から送信された医用画像を新規カルテ入力領域52aに貼り付けるか否かは、操作部22により設定できることが好ましい。これにより、ユーザーである医師が所望する場合に、モダリティー10において撮影された医用画像を新規カルテ入力領域52aに自動的に貼り付けるようにすることが可能となる。
【0071】
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る電子カルテ装置の例であり、これに限定されるものではない。
【0072】
例えば、上記実施形態及び変形例では、デフォルトでは、
図4Aに示すように、カルテ画面G1カルテ表示領域51、52には、それぞれ直近に作成された2つの過去の電子カルテ情報が表示されていることとしたが、カルテ表示領域51又は52に新規カルテ入力領域52aを表示しておくこととしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態及び変形例においては、カルテ表示領域52に新規カルテ入力領域52aを表示させた状態で画像取り込みボタンB4を押下した場合を例にとり説明したが、カルテ表示領域52に過去の電子カルテ情報を表示した状態で画像取り込みボタンB4を押下した場合においても、
図3、
図7と同様の処理が実行される。ただし、
図3のステップS18(
図7のステップS47)においては、新規カルテ入力領域52aが表示されていないため、電子カルテ機能プログラムP1に従って、縮小画像を制御部21でRAM25に記憶しておく。そして、新規カルテボタン54が操作部22により押下され、新規カルテ入力領域52aが表示された際に、制御部21は、電子カルテ機能プログラムP1に従って、RAM25に記憶された縮小画像を新規カルテ入力領域52aに貼付して表示する。
【0074】
また、上記実施形態においては、電子カルテ装置20は、電子カルテ機能プログラムP1と画像ビューアー機能プログラムP2の2つのプログラムを有し、この2つのプログラムの連携により、制御部21に上記画像取り込み表示処理の電子カルテ装置20側の機能を実現させることとして説明したが、この2つのプログラムの機能を一体化した1つのプログラムとしてもよい。
【0075】
また、以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体としてHDDや不揮発性メモリーを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【0076】
その他、電子カルテ装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。