特許第6048134号(P6048134)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6048134中継装置、中継装置のプログラムおよび通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6048134
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】中継装置、中継装置のプログラムおよび通信方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20161212BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20161212BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   G06F3/12 303
   G06F3/12 306
   G06F3/12 345
   G06F3/12 348
   G06F3/12 365
   G06F3/12 385
   H04N1/00 107Z
   B41J29/38 Z
【請求項の数】17
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-287126(P2012-287126)
(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公開番号】特開2014-130444(P2014-130444A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2015年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 昌幸
【審査官】 宮下 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−149220(JP,A)
【文献】 特開2011−248764(JP,A)
【文献】 特開2006−352845(JP,A)
【文献】 特開2007−055051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
H04N 1/00
B41J 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置および複数のサーバ装置とネットワークを介して接続することが可能な中継装置であって、
前記複数のサーバ装置は、前記画像処理装置で解読することができない文書ファイルフォーマットの第1種のデータと、前記画像処理装置で解読することができる画像ファイルフォーマットの第2種のデータとを記憶しており、
前記中継装置は、
選択サーバ装置が記憶している複数のデータを識別するデータ識別情報の送信を要求するデータ識別情報要求情報を、前記選択サーバ装置に送信するデータ識別情報要求情報送信処理であって、
前記選択サーバ装置は、前記複数のサーバ装置のうちから前記画像処理装置において選択されたサーバ装置である、前記データ識別情報要求情報送信処理と、
前記データ識別情報要求情報を送信後に、前記選択サーバ装置から前記データ識別情報を受信するデータ識別情報受信処理と、
前記データ識別情報を受信したことに応じて、前記データ識別情報によって識別される複数のデータに対応する第1種の選択肢を前記画像処理装置の表示部に表示させるためのデータであるデータ選択画面データを前記画像処理装置に送信するデータ選択画面データ送信処理と、
前記データ選択画面データを送信した後に、前記選択サーバ装置に記憶されているデータの中から選択されたデータである選択データを識別する、前記画像処理装置から送信されたデータ選択指示情報を取得するデータ選択指示情報取得処理であって、
前記データ選択指示情報は、前記画像処理装置の前記表示部に表示された前記第1種の選択肢のうち、前記画像処理装置が備える操作部を介して選択された選択肢に対応する情報である、前記データ選択指示情報取得処理と、
前記選択サーバ装置に記憶されているデータが第1種のデータであるか第2種のデータであるかを示すデータ種情報を、前記選択サーバ装置から受信するデータ種情報受信処理と、
受信した前記データ種情報に基づいて、前記選択データが前記第1種のデータであるか前記第2種のデータであるかを判断する判断処理と、
を実行し、
前記判断処理によって前記選択データが前記第1種のデータであると判断された場合には、前記中継装置は、さらに以下の処理、すなわち、
前記選択データの送信を要求する選択データ要求情報を前記サーバ装置に送信する選択データ要求情報送信処理であって、
前記選択データ要求情報は前記選択データを識別する前記データ識別情報を含む、前記選択データ要求情報送信処理と、
取得した前記データ選択指示情報によって識別されるデータであって前記選択サーバ装置から送信されるデータである、前記選択データを取得する選択データ取得処理と、
取得した前記第1種のデータである前記選択データを前記画像処理装置で解読可能なデータである変換データに変換する変換処理を実行するデータ変換処理と、
生成された前記変換データを前記画像処理装置へ提供する変換データ提供処理と、
を実行し、
前記判断処理によって前記選択データが前記第2種のデータであると判断された場合には、前記中継装置は、前記選択データを前記画像処理装置へ提供する選択データ提供処理を実行することを特徴とする中継装置。
【請求項2】
前記選択データ提供処理は、選択データ受信情報を前記画像処理装置へ送信する処理を含み、
前記選択データ受信情報は、前記選択データを前記画像処理装置が前記サーバ装置に要求するために必要な情報であって、前記選択データを識別する前記データ識別情報を含む情報であることを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記選択データは、前記データ選択指示情報取得処理によって取得された前記データ選択指示情報に対応するデータであることを特徴とする請求項1または2に記載の中継装置。
【請求項4】
前記データ識別情報を受信したことに応じて、前記データ選択画面データを生成するデータ選択画面データ生成処理を、前記中継装置はさらに実行し、
前記データ選択画面データ送信処理は、前記データ選択画面データ生成処理で生成された前記データ選択画面データを前記画像処理装置に送信することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の中継装置。
【請求項5】
前記変換データを前記画像処理装置に取得させるための情報である変換データ取得情報を生成する変換データ取得情報生成処理と、
生成された前記変換データ取得情報を画像処理装置に送信する変換データ取得情報送信処理と、
前記変換データ取得情報を送信した後に、前記変換データの前記画像処理装置への提供を要求する変換データ提供要求情報を、前記画像処理装置から受信する変換データ提供要求情報受信処理と、
を、前記中継装置はさらに実行し、
前記変換データ提供処理は、前記変換データ提供要求情報を受信したことに応じて、前記変換データを前記画像処理装置へ提供することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の中継装置。
【請求項6】
複数のサーバ装置に対応する第2種の選択肢を前記画像処理装置の前記表示部に表示させるためサーバ選択画面データを、前記画像処理装置へ送信するサーバ選択画面データ送信処理と、
前記サーバ選択画面データを送信した後に、選択サーバ装置を識別する選択サーバ識別情報を前記画像処理装置から受信する選択サーバ識別情報受信処理であって、
前記選択サーバ装置は、前記第2種の選択肢のうち、前記画像処理装置が備える前記操作部を介して選択された選択肢に対応する前記サーバ装置である、前記選択サーバ識別情報受信処理と、
を、前記中継装置はさらに実行し、
前記データ選択画面データ送信処理は、受信された前記選択サーバ識別情報が識別する前記選択サーバ装置を対象とする前記データ選択画面データを送信することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の中継装置。
【請求項7】
複数の画像処理に対応する第3種の選択肢を前記画像処理装置の前記表示部に表示させるための画像処理選択画面データを、前記画像処理装置へ送信する画像処理選択画面データ送信処理であって、
前記複数の画像処理は、前記サーバ装置が記憶しているデータを対象にした前記画像処理装置において実行可能な画像処理であり、
前記第3種の選択肢は、印刷に対応する画像処理を示す選択肢と、保存に対応する画像処理を示す選択肢とのうち少なくとも1つを含む、前記画像処理選択画面データ送信処理と、
前記画像処理選択画面データを送信した後に、選択処理を識別する選択処理識別情報を前記画像処理装置から受信する選択処理識別情報受信処理であって、
前記選択処理は、前記第3種の選択肢のうち、前記画像処理装置が備える前記操作部を介して選択された選択肢に対応する前記画像処理である、前記選択処理識別情報受信処理と、
を、前記中継装置はさらに実行し、
前記変換データ取得情報送信処理は、前記変換データ取得情報と選択処理実行情報とを前記画像処理装置に送信し、
前記選択処理実行情報は、受信された前記選択処理識別情報が識別する前記選択処理の実行を前記画像処理装置に指示する情報であり、
前記選択データ提供処理は、選択データ受信情報を前記画像処理装置へ送信する処理を含み、
前記選択データ受信情報は、前記選択データを前記画像処理装置が前記サーバ装置に要求するために必要な情報であって、前記選択データを識別する前記データ識別情報を含む情報であり、
前記選択データ提供処理は、前記選択データ受信情報と選択処理実行情報とを前記画像処理装置に送信することを特徴とする請求項5に記載の中継装置。
【請求項8】
前記データ変換処理は、前記変換処理の実行期間中は、前記変換処理の完了を待機する待機命令を前記画像処理装置へ出力し、
前記変換データ取得情報送信処理は、前記変換処理が完了することに応じて、前記変換データ取得情報を前記画像処理装置へ出力する
ことを特徴とする請求項に記載の中継装置。
【請求項9】
前記変換処理は、予め定められた所定データ量ごとに行われ、
前記変換データ取得情報送信処理は、前記選択データのうちの最初の所定データ量の前記変換処理が完了することに応じて、前記変換データ取得情報を前記画像処理装置へ出力することを特徴とする請求項に記載の中継装置。
【請求項10】
前記変換データ取得情報送信処理は、前記選択データの全体に対して前記変換処理が完了することに応じて、前記変換データ取得情報を前記画像処理装置へ出力することを特徴とする請求項に記載の中継装置。
【請求項11】
前記データ変換処理は、複数の前記選択データに対して前記変換処理を実行することが可能とされており、
前記変換データ取得情報送信処理は、1つの前記選択データに対する前記変換処理が完了するたびに、前記変換データ取得情報を前記画像処理装置へ出力し、
前記変換データ取得情報には、前記変換処理をまだ実行していない選択データが存在する場合には、変換処理実行要求情報が含まれており、前記変換処理をまだ実行していない選択データが存在しない場合には、変換処理終了要求情報が含まれており、
前記変換処理実行要求情報は、前記画像処理装置が前記変換データ取得情報に基づいて前記変換データを取得した後に、前記変換処理をまだ実行していない選択データに対して前記変換処理を実行開始する要求を前記画像処理装置に行なわせる情報であり、
前記変換処理終了要求情報は、前記画像処理装置が前記変換データ取得情報に基づいて前記変換データを取得した後に、前記変換処理を終了する要求を前記画像処理装置に行なわせる情報であることを特徴とする請求項に記載の中継装置。
【請求項12】
前記データ選択指示情報および前記変換データ取得情報は、URL(Uniform Resource Locator)の記述方式によって記述されていることを特徴とする請求項の何れか1項に記載の中継装置。
【請求項13】
前記データ変換処理は、前記変換処理の実行期間中は、前記変換処理中であることを示す情報を前記画像処理装置へ出力し、
前記中継装置は、前記変換処理が完了することに応じて、前記変換データを前記画像処理装置へ出力する変換データ出力処理をさらに実行することを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の中継装置。
【請求項14】
前記中継装置は、
前記画像処理装置およびサーバ装置とネットワークを介して接続することが可能な仲介サーバと、
前記画像処理装置および前記仲介サーバとネットワークを介して接続することが可能な変換サーバと、
を備えており、
前記仲介サーバは、前記選択データ取得処理によって、前記サーバ装置から送信された前記選択データを取得し、取得した前記選択データを前記変換サーバへ出力し、
前記変換サーバは、前記データ変換処理によって、前記仲介サーバから取得した前記選択データに対して前記変換処理を実行し、
前記仲介サーバは、前記変換データ取得情報生成処理によって前記変換サーバで生成された前記変換データ取得情報を、前記変換サーバから取得し、
前記仲介サーバは、前記変換データ取得情報送信処理によって、前記変換データを前記画像処理装置に前記変換サーバから取得させるための情報である前記変換データ取得情報を、前記画像処理装置へ出力することを特徴とする請求項に記載の中継装置。
【請求項15】
前記仲介サーバは、前記選択データを前記変換サーバへ出力してから、前記変換処理が完了したことを示す情報であって前記変換サーバから送信される情報を取得するまでの間、前記変換処理の完了を待機する待機命令を前記画像処理装置へ出力することを特徴とする請求項14に記載の中継装置。
【請求項16】
画像処理装置および複数のサーバ装置とネットワークを介して接続することが可能な中継装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記複数のサーバ装置は、前記画像処理装置で解読することができない文書ファイルフォーマットの第1種のデータと、前記画像処理装置で解読することができる画像ファイルフォーマットの第2種のデータとを記憶しており、
前記コンピュータ
選択サーバ装置が記憶している複数のデータを識別するデータ識別情報の送信を要求するデータ識別情報要求情報を、前記選択サーバ装置に送信するデータ識別情報要求情報送信処理であって、
前記選択サーバ装置は、前記複数のサーバ装置のうちから前記画像処理装置において選択されたサーバ装置である、前記データ識別情報要求情報送信処理と、
前記データ識別情報要求情報を送信後に、前記選択サーバ装置から前記データ識別情報を受信するデータ識別情報受信処理と、
前記データ識別情報を受信したことに応じて、前記データ識別情報によって識別される複数のデータに対応する第1種の選択肢を前記画像処理装置の表示部に表示させるためのデータであるデータ選択画面データを前記画像処理装置に送信するデータ選択画面データ送信処理と、
前記データ選択画面データを送信した後に、前記選択サーバ装置に記憶されているデータの中から選択されたデータである選択データを識別する、前記画像処理装置から送信されたデータ選択指示情報を取得するデータ選択指示情報取得処理であって、
前記データ選択指示情報は、前記画像処理装置の前記表示部に表示された前記第1種の選択肢のうち、前記画像処理装置が備える操作部を介して選択された選択肢に対応する情報である、前記データ選択指示情報取得処理と、
前記選択サーバ装置に記憶されているデータが第1種のデータであるか第2種のデータであるかを示すデータ種情報を、前記選択サーバ装置から受信するデータ種情報受信処理と、
受信した前記データ種情報に基づいて、前記選択データが前記第1種のデータであるか前記第2種のデータであるかを判断する判断処理と、
を実行させ、
前記判断処理によって前記選択データが前記第1種のデータであると判断された場合には、前記プログラムは、さらに以下の処理、すなわち、
前記選択データの送信を要求する選択データ要求情報を前記サーバ装置に送信する選択データ要求情報送信処理であって、
前記選択データ要求情報は前記選択データを識別する前記データ識別情報を含む、前記選択データ要求情報送信処理と、
取得した前記データ選択指示情報によって識別されるデータであって前記選択サーバ装置から送信されるデータである、前記選択データを取得する選択データ取得処理と、
取得した前記第1種のデータである前記選択データを前記画像処理装置で解読可能なデータである変換データに変換する変換処理を実行するデータ変換処理と、
生成された前記変換データを前記画像処理装置へ提供する変換データ提供処理と、
を前記コンピュータに実行させ、
前記判断処理によって前記選択データが前記第2種のデータであると判断された場合には、前記プログラムは、前記選択データを前記画像処理装置へ提供する選択データ提供処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
画像処理装置および複数のサーバ装置とネットワークを介して通信する通信方法であって、
前記複数のサーバ装置は、前記画像処理装置で解読することができない文書ファイルフォーマットの第1種のデータと、前記画像処理装置で解読することができる画像ファイルフォーマットの第2種のデータとを記憶しており、
前記通信方法は、
選択サーバ装置が記憶している複数のデータを識別するデータ識別情報の送信を要求するデータ識別情報要求情報を、前記選択サーバ装置に送信するデータ識別情報要求情報送信ステップであって、
前記選択サーバ装置は、前記複数のサーバ装置のうちから前記画像処理装置において選択されたサーバ装置である、前記データ識別情報要求情報送信ステップと、
前記データ識別情報要求情報を送信後に、前記選択サーバ装置から前記データ識別情報を受信するデータ識別情報受信ステップと、
前記データ識別情報を受信したことに応じて、前記データ識別情報によって識別される複数のデータに対応する第1種の選択肢を前記画像処理装置の表示部に表示させるためのデータであるデータ選択画面データを前記画像処理装置に送信するデータ選択画面データ送信ステップと、
前記データ選択画面データを送信した後に、前記選択サーバ装置に記憶されているデータの中から選択されたデータである選択データを識別する、前記画像処理装置から送信されたデータ選択指示情報を取得するデータ選択指示情報取得ステップであって、
前記データ選択指示情報は、前記画像処理装置の前記表示部に表示された前記第1種の選択肢のうち、前記画像処理装置が備える操作部を介して選択された選択肢に対応する情報である、前記データ選択指示情報取得ステップと、
前記選択サーバ装置に記憶されているデータが第1種のデータであるか第2種のデータであるかを示すデータ種情報を、前記選択サーバ装置から受信するデータ種情報受信ステップと、
受信した前記データ種情報に基づいて、前記選択データが前記第1種のデータであるか前記第2種のデータであるかを判断する判断ステップと、
を実行し、
前記判断ステップによって前記選択データが前記第1種のデータであると判断された場合には、前記通信方法は、さらに以下のステップ、すなわち、
前記選択データの送信を要求する選択データ要求情報を前記サーバ装置に送信する選択データ要求情報送信ステップであって、
前記選択データ要求情報は前記選択データを識別する前記データ識別情報を含む、前記選択データ要求情報送信ステップと、
取得した前記データ選択指示情報によって識別されるデータであって前記選択サーバ装置から送信されるデータである、前記選択データを取得する選択データ取得ステップと、
取得した前記第1種のデータである前記選択データを前記画像処理装置で解読可能なデータである変換データに変換する変換処理を実行するデータ変換ステップと、
生成された前記変換データを前記画像処理装置へ提供する変換データ提供ステップと、
を実行し、
前記判断ステップによって前記選択データが前記第2種のデータであると判断された場合には、前記選択データを前記画像処理装置へ提供する選択データ提供ステップを実行することを特徴とする通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、画像処理装置およびサーバ装置とネットワークを介して接続されている中継装置などを開示する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク上のストレージサーバに電子ファイルを格納することが出来る、電子ファイル格納サービスが普及している。また、関連する技術が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−269250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子ファイル格納サービスから、所望の電子ファイルを画像処理装置にダウンロードさせ、ダウンロードした電子ファイルを用いて画像処理装置で印刷処理を実行することが考えられる。しかしながら、画像処理装置で解読することができるデータ形式が限られている場合には、画像処理装置で解読できないデータ形式の電子ファイルを電子ファイル格納サービスからダウンロードして印刷する、と言う処理を実行することができない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では様々な開示をしている。開示例1の中継装置は、画像処理装置およびサーバ装置とネットワークを介して接続することが可能な中継装置であって、サーバ装置は、画像処理装置で解読することができない第1種のデータと、画像処理装置で解読することができる第2種のデータとを記憶しており、中継装置は、サーバ装置に記憶されているデータの中から選択されたデータである選択データを識別する、画像処理装置から送信されたデータ選択指示情報を取得するデータ選択指示情報取得手段と、取得したデータ選択指示情報によって識別されるデータであってサーバ装置から送信されるデータである、選択データを取得する選択データ取得手段と、取得された選択データが第1種のデータである場合に、選択データを画像処理装置で解読可能なデータである変換データに変換する変換処理を実行するデータ変換手段と、変換データを画像処理装置に取得させるための情報である変換データ取得情報を取得する取得手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
上記の構成によると、選択データが、画像処理装置で解読することができない第1種のデータである場合には、画像処理装置で解読することができるよう変換された変換データを画像処理装置に取得させることができる。これにより、画像処理装置で解読できない第1種のデータを画像処理装置が選択した場合においても、当該データを用いて、画像処理装置で印刷処理などの各種の処理を実行することが可能となる。
【0007】
開示例2に記載の中継装置によれば、変換データ取得情報を用いることで、変換データを画像処理装置に取得させることが可能となる。
【0008】
開示例3に記載の中継装置によれば、選択データが、画像処理装置で解読することができる第2種のデータである場合には、画像処理装置に当該選択データをサーバ装置から取得させることができる。よって、第2種のデータを画像処理装置が選択した場合においても、当該データを用いて、画像処理装置で印刷処理などの各種の処理を実行することが可能となる。
【0009】
開示例4に記載の中継装置によれば、選択データが、第1種のデータまたは第2種のデータの何れであるかを確実に判断し、選択データのデータ種に適した処理をすることが可能となる。
【0010】
開示例5に記載の中継装置によれば、画像処理装置に、変換処理の完了を待機させることができる。よって、タイムアウトなどのエラーが画像処理装置で発生してしまう事態を防止することが可能となる。
【0011】
開示例6に記載の中継装置によれば、選択データの全体に対して変換処理が完了することを待つことなく、選択データの一部に対する変換処理が完了することに応じて、その一部についての変換データを画像処理装置に取得させることができる。これにより、変換処理が開始されてから、画像処理装置が変換データの取得を開始するまでの期間を短縮化することができるため、タイムアウトなどのエラーが画像処理装置で発生してしまう事態を防止することが可能となる。
【0012】
開示例7に記載の中継装置によれば、選択データの全体に対して変換処理が完了することに応じて、変換データを画像処理装置に取得させることができる。これにより、画像処理装置が変換データの取得を開始した後に、変換処理の完了を待機する、といった事態の発生を防止することができる。
【0013】
開示例8に記載の中継装置によれば、複数の選択データについて順次変換処理を実行し、変換処理が完了するたびに、変換データを画像処理装置に取得させることが可能となる。
【0014】
開示例9に記載の中継装置によれば、選択データが文書ファイルフォーマットのデータである場合においても、当該データを用いて、画像処理装置で印刷処理などの各種の処理を実行することが可能となる。
【0015】
開示例10に記載の中継装置によれば、URLを用いて、データ選択指示情報や変換データ取得情報の通信を行うことができる。
【0016】
開示例11に記載の中継装置によれば、画像処理装置に、変換処理の完了を待機させることができる。よって、タイムアウトなどのエラーが画像処理装置で発生してしまう事態を防止することが可能となる。
【0017】
開示例12に記載の中継装置によれば、中継装置が仲介サーバと変換サーバを備えている場合においても、仲介サーバと変換サーバとの間で各種の情報を通信することによって、変換データを画像処理装置に取得させることが可能となる。
【0018】
開示例13に記載の中継装置によれば、中継装置が仲介サーバと変換サーバを備えている場合においても、画像処理装置に、変換処理の完了を待機させることができる。よって、タイムアウトなどのエラーが画像処理装置で発生してしまう事態を防止することが可能となる。
【0019】
上記の中継装置を実現するための方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。
以下に、開示例を列挙する。
[開示例2]
前記中継装置は、
前記取得手段で取得された前記変換データ取得情報を、前記画像処理装置へ出力する変換データ取得情報出力手段をさらに備えることを特徴とする開示例1に記載の中継装置。
[開示例3]
前記中継装置は、
前記選択データ取得手段で取得された前記選択データが前記第2種のデータである場合に、前記画像処理装置に前記選択データを前記サーバ装置から取得させるための選択データ取得情報を、前記画像処理装置へ出力する選択データ取得情報出力手段をさらに備えることを特徴とする開示例1または2に記載の中継装置。
[開示例4]
前記データ変換手段は、
前記選択データ取得手段で取得された前記選択データが前記第1種のデータまたは前記第2種のデータの何れであるかを示すデータ種情報を、前記サーバ装置から取得し、
前記第1種のデータであることを前記データ種情報が示す場合には前記変換処理を実行し、
前記第2種のデータであることを前記データ種情報が示す場合には前記変換処理を実行しないことを特徴とする開示例1〜3の何れか1項に記載の中継装置。
[開示例5]
前記データ変換手段は、前記変換処理の実行期間中は、前記変換処理の完了を待機する待機命令を前記画像処理装置へ出力し、
前記変換データ取得情報出力手段は、前記変換処理が完了することに応じて、前記変換データ取得情報を前記画像処理装置へ出力することを特徴とする開示例2〜4の何れか1項に記載の中継装置。
[開示例6]
前記変換処理は、予め定められた所定データ量ごとに行われ、
前記変換データ取得情報出力手段は、前記選択データのうちの最初の所定データ量の前記変換処理が完了することに応じて、前記変換データ取得情報を前記画像処理装置へ出力することを特徴とする開示例5に記載の中継装置。
[開示例7]
前記変換データ取得情報出力手段は、前記選択データの全体に対して前記変換処理が完了することに応じて、前記変換データ取得情報を前記画像処理装置へ出力することを特徴とする開示例5に記載の中継装置。
[開示例8]
前記データ変換手段は、複数の前記選択データに対して前記変換処理を実行することが可能とされており、
前記選択データ取得情報出力手段は、1つの前記選択データに対する前記変換処理が完了するたびに、前記変換データを前記画像処理装置に取得させるための変換データ取得命令情報を前記画像処理装置へ出力し、
前記変換データ取得命令情報には、前記変換処理をまだ実行していない選択データが存在する場合には、変換処理実行要求情報が含まれており、前記変換処理をまだ実行していない選択データが存在しない場合には、変換処理終了要求情報が含まれており、
前記変換処理実行要求情報は、前記画像処理装置が前記変換データ取得情報に基づいて前記変換データを取得した後に、前記変換処理をまだ実行していない選択データに対して前記変換処理を実行開始する要求を前記画像処理装置に行なわせる情報であり、
前記変換処理終了要求情報は、前記画像処理装置が前記変換データ取得情報に基づいて前記変換データを取得した後に、前記変換処理を終了する要求を前記画像処理装置に行なわせる情報であることを特徴とする開示例2に記載の中継装置。
[開示例9]
前記第1種のデータは、文書ファイルフォーマットのデータであり、
前記第2種のデータは、画像ファイルフォーマットのデータであることを特徴とする開示例1〜8の何れか1項に記載の中継装置。
[開示例10]
前記データ選択指示情報および前記変換データ取得情報は、URL(Uniform Resource Locator)の記述方式によって記述されていることを特徴とする開示例1〜9の何れか1項に記載の中継装置。
[開示例11]
前記データ変換手段は、前記変換処理の実行期間中は、前記変換処理中であることを示す情報を前記画像処理装置へ出力し、
前記中継装置は、前記変換処理が完了することに応じて、前記変換データを前記画像処理装置へ出力する変換データ出力手段をさらに備えることを特徴とする開示例1〜10の何れか1項に記載の中継装置。
[開示例12]
前記中継装置は、
前記画像処理装置およびサーバ装置とネットワークを介して接続することが可能な仲介サーバと、
前記画像処理装置および前記仲介サーバとネットワークを介して接続することが可能な変換サーバと、
を備えており、
前記仲介サーバは、前記選択データ取得手段によって、前記サーバ装置から送信された前記選択データを取得し、取得した前記選択データを前記変換サーバへ出力し、
前記変換サーバは、前記データ変換手段によって、前記仲介サーバから取得した前記選択データに対して前記変換処理を実行し、
前記仲介サーバは、前記取得手段によって、前記変換サーバから送信された前記変換データ取得情報を取得し、
前記仲介サーバは、前記変換データ取得情報出力手段によって、前記変換データを前記画像処理装置に前記変換サーバから取得させるための情報である前記変換データ取得情報を、前記画像処理装置へ出力することを特徴とする開示例2に記載の中継装置。
[開示例13]
前記仲介サーバは、前記選択データを前記変換サーバへ出力してから、前記変換処理が完了したことを示す情報であって前記変換サーバから送信される情報を取得するまでの間、前記前記変換処理の完了を待機する待機命令を前記画像処理装置へ出力することを特徴とする開示例12に記載の中継装置。
[開示例14]
画像処理装置およびサーバ装置とネットワークを介して接続することが可能な中継装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記サーバ装置は、前記画像処理装置で解読することができない第1種のデータと、前記画像処理装置で解読することができる第2種のデータとを記憶しており、
前記コンピュータを、
前記サーバ装置に記憶されているデータの中から選択されたデータである選択データを識別する、前記画像処理装置から送信されたデータ選択指示情報を取得するデータ選択指示情報取得手段と、
取得した前記データ選択指示情報によって識別されるデータであって前記サーバ装置から送信されるデータである、選択データを取得する選択データ取得手段と、
取得された前記選択データが前記第1種のデータである場合に、前記選択データを前記画像処理装置で解読可能なデータである変換データに変換する変換処理を実行するデータ変換手段と、
前記変換データを前記画像処理装置に取得させるための情報である変換データ取得情報を取得する取得手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。
[開示例15]
画像処理装置およびサーバ装置とネットワークを介して通信する通信方法であって、
前記サーバ装置は、前記画像処理装置で解読することができない第1種のデータと、前記画像処理装置で解読することができる第2種のデータとを記憶しており、
前記通信方法は、
前記サーバ装置に記憶されているデータの中から選択されたデータである選択データを識別する、前記画像処理装置から送信されたデータ選択指示情報を取得するデータ選択指示情報取得ステップと、
取得した前記データ選択指示情報によって識別されるデータであって前記サーバ装置から送信されるデータである、選択データを取得する選択データ取得ステップと、
取得された前記選択データが前記第1種のデータである場合に、前記選択データを前記画像処理装置で解読可能なデータである変換データに変換する変換処理を実行するデータ変換ステップと、
前記変換データを前記画像処理装置に取得させるための情報である変換データ取得情報を取得する取得ステップと、
を備えることを特徴とする通信方法。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】各デバイスが実行する各処理のシーケンス図を示す。
図3】各デバイスが実行する各処理のシーケンス図を示す。
図4】各デバイスが実行する各処理のシーケンス図を示す。
図5】各デバイスが実行する各処理のシーケンス図を示す。
図6】各デバイスが実行する各処理のシーケンス図を示す。
図7】メイン画面の表示例を示す。
図8】サーバ選択画面の表示例を示す。
図9】データ選択画面の表示例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(システムの構成)
図1に示されるように、通信システム2は、多機能機10と、仲介サーバ60と、コンテンツサーバ100および110と、変換サーバ200と、を備えている。多機能機10は、LAN4に接続されている。仲介サーバ60、コンテンツサーバ100および110、変換サーバ200は、インターネット6に接続されている。
【0022】
(多機能機10の構成)
多機能機10は、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、FAX機能等の多機能を実行可能である。多機能機10は、操作部12と、表示部14と、ネットワークインターフェイス16と、印刷実行部18と、スキャン実行部19と、制御部20と、を備える。操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示を多機能機10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。ネットワークインターフェイス16は、LAN4に接続されている。印刷実行部18は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構を備える。スキャン実行部19は、CCD、CIS等のスキャン機構を備える。制御部20は、CPU22と、メモリ24と、を備える。CPU22は、メモリ24に格納されているプログラム25に従って、様々な処理を実行する。
【0023】
(仲介サーバ60の構成)
仲介サーバ60は、変換サーバ200およびコンテンツサーバ100、110とは別体に構成されているサーバである。仲介サーバ60は、コンテンツサーバ100および110から多機能機10への各種データの提供を仲介するためのサーバである。仲介サーバ60は、多機能機10のベンダによって提供されるサーバである。仲介サーバ60は、ネットワークインターフェイス62と、制御部70と、を備える。制御部70は、CPU72と、メモリ74と、を備える。メモリ74には、プログラム75が記憶されている。CPU72は、プログラム75に従って、様々な処理を実行する。
【0024】
(変換サーバ200の構成)
変換サーバ200は、仲介サーバ60及びコンテンツサーバ100、110とは別体に構成されているサーバである。変換サーバ200は、各種データに対して、後述する変換処理を実行するためのサーバである。変換サーバ200は、多機能機10のベンダによって提供されるサーバであってもよい。変換サーバ200は、ネットワークインターフェイス262と、制御部270と、を備える。制御部270は、CPU272と、メモリ274と、を備える。メモリ274には、プログラム275が記憶されている。CPU272は、プログラム275に従って、様々な処理を実行する。
【0025】
本明細書における記載上の注意点を説明する。本明細書において、「仲介サーバ60のCPU72が、各種の情報を受信する」という記載は、「仲介サーバ60のCPU72が、ネットワークインターフェイス62を介して各種の情報を取得する」という技術内容を含んでいるものとする。また、「仲介サーバ60のCPU72が、各種の情報を送信する」という記載は、「仲介サーバ60のCPU72が、ネットワークインターフェイス62を介して各種の情報を出力する」という技術内容を含んでいるものとする。なお、変換サーバ200のCPU272およびネットワークインターフェイス262についても、同様の注意点が存在する。また、多機能機10のCPU22およびネットワークインターフェイス16についても、同様の注意点が存在する。
【0026】
本明細書では、仲介サーバ60と変換サーバ200とがインターネット6で接続されている場合(すなわち、仲介サーバ60として機能する装置と変換サーバ200として機能する装置とが物理的に離れた位置に配置されている場合)を説明したが、この形態に限られない。仲介サーバ60と変換サーバ200とが、1のサーバ装置で実現されてもよい。この場合、1のサーバ装置には、仲介サーバ60として機能するプログラムと、変換サーバ200として機能するプログラムとが稼動し、両プログラム間の通信は、サーバ装置内のバスラインなどを介して行われる。なお、仲介サーバ60と変換サーバ200とが、1のサーバ装置で実現される構成の場合、本明細書で、仲介サーバ60と変換サーバ200との間の通信として説明している通信が、仲介サーバ60として機能するプログラムと、変換サーバ200として機能するプログラムとの間で行われることとしてよい。また、仲介サーバ60として機能し、かつ、変換サーバ200としても機能するプログラムが、1のサーバ装置で稼動する形態で実現されてもよい。この場合、本明細書で、仲介サーバ60と変換サーバ200との間の通信として説明している通信は、仲介サーバ60として機能し、かつ、変換サーバ200としても機能するプログラム内でのデータの受け渡しに置き換わることとしてよい。
【0027】
(コンテンツサーバ100および110の構成)
コンテンツサーバ100および110は、多機能機10のベンダによって提供されるオンラインサービスに用いられるサーバである。コンテンツサーバ100および110は、いわゆるストレージサーバである。なお、コンテンツサーバ100および110は、コンテンツサーバ100および110のデータ記憶領域をユーザに貸し出すオンラインサービスに用いられるサーバであってもよい。オンラインサービスの例としては、「Evernote(登録商標)」、「Google(登録商標) Docs」、「PICASA(登録商標)」、「FACEBOOK(登録商標)」等の公知のサービスが挙げられる。オンラインサービスのユーザは、自己に割り当てられた記憶領域に、インターネット6経由で各種データをアップロードまたはダウンロードをすることができる。
【0028】
コンテンツサーバ100は、データ記憶領域101を備えている。データ記憶領域101は、各種のデータを記憶しておく領域である。データ記憶領域101に記憶されるデータには、多機能機10で解読することができない第1種のデータと、多機能機10で解読することができる第2種のデータとが含まれている。第1種のデータの例としては、文書ファイルフォーマットのデータが挙げられる。文書ファイルフォーマットのデータの具体例としては、ワープロソフト形式のデータ、表計算ソフト形式のデータ、プレゼンテーションソフト形式のデータ、などがある。第2種のデータの例としては、画像ファイルフォーマットのデータが挙げられる。画像ファイルフォーマットのデータの具体例としては、JPEG(Joint Photographic Experts Groupの略)形式のデータ、ビットマップ形式のデータ、GIF(Graphics Interchange Formatの略)形式のデータ、などがある。
【0029】
(仲介サーバ60の役割)
コンテンツサーバを提供する事業者は、コンテンツサーバが記憶しているフォルダのフォルダ名や、コンテンツサーバが記憶している各種データのファイル名の返信をコンテンツサーバに要求するための専用のAPI(Application Program Interfaceの略)を公開している。多機能機がコンテンツサーバのAPIに対応すれば、コンテンツサーバに情報の返信を要求することができるようになる。APIの仕様が変更された場合、多機能機のソフトウェアを、変更されたAPIに対応するように更新する必要が出てくる。しかしながら、すでに稼働している多機能機のソフトウェアを更新することは、ユーザにとって手間のかかる作業である。従って、本実施例では、多機能機10をコンテンツサーバのAPIに対応させる必要なく、多機能機10がコンテンツサーバからデータをダウンロードすることができるように、仲介サーバ60が設けられている。即ち、仲介サーバ60は、コンテンツサーバが記憶しているフォルダのフォルダ名や、コンテンツサーバが記憶している各種データのファイル名の返信をコンテンツサーバに要求するためのAPIに対応している。また、種類の異なる複数のコンテンツサーバが、インターネットに接続されている場合がある。また、各コンテンツサーバを提供する事業者は、コンテンツサーバからデータをダウンロードするための専用のAPIを公開している。多機能機10が複数個のコンテンツサーバのそれぞれからデータをダウンロードするためには、多機能機10がそれぞれのコンテンツサーバのAPIに対応している必要があり、多くのプログラムを格納する必要がある。しかしながら、PC等と比べると、多機能機10のメモリの記憶容量は少ない。
【0030】
従って、本実施例では、多機能機10に多くのプログラムを格納させることなく、多機能機10が複数個のコンテンツサーバのそれぞれからデータをダウンロードすることができるように、仲介サーバ60が設けられている。即ち、仲介サーバ60は、複数個のコンテンツサーバのための複数個のAPIに対応している。そして、多機能機10が、複数個のコンテンツサーバのうちの特定のコンテンツサーバ(例えばコンテンツサーバ100)からデータをダウンロードすべき状況では、仲介サーバ60は、特定のコンテンツサーバのためのAPIを利用して、特定のコンテンツサーバと後述の様々な通信(例えば、図2のS31や、図3のS53、S73、S79などの通信)を実行する。これにより、多機能機10は、特定のコンテンツサーバのためのAPIに対応していなくても、特定のコンテンツサーバからデータをダウンロードすることができる。
【0031】
(通信システムの動作)
通信システムの動作を、図2図6のシーケンス図を用いて説明する。多機能機10のCPU22は、メイン画面を表示させる命令を受け付けると、S15において、表示部14にメイン画面を表示させる。メイン画面を表示させる命令は、ユーザによって操作部12から入力されるとしてもよい。メイン画面を表すデータは、メモリ24に予め格納されているとしてもよい。図7に、メイン画面201の一例を示す。メイン画面201は、ボタン画像B1〜B4を含んでいる。ボタン画像B1〜B4は、複数の機能の実行命令の入力を受け付けるための画像である。ボタン画像B1〜B4の各々によって受け付けられる機能は、Internet機能、Copy機能、FAX機能、Print機能、である。
【0032】
本実施形態の説明例では、コンテンツサーバ100から各種のデータをダウンロードする場合を説明する。この場合、メイン画面201に含まれるボタン画像B1が選択される。S17において多機能機10のCPU22は、選択されたボタン画像B1を識別するためのボタン画像識別情報を、仲介サーバ60に送信する。ボタン画像識別情報の一例としては、ボタン画像B1の名称である「Internet」が挙げられる。
【0033】
仲介サーバ60のCPU72は、多機能機10からボタン画像識別情報を受信すると、次に多機能機10へ送信する画面データとして、サーバ選択画面211を特定する。サーバ選択画面211は、コンテンツサーバ100および110のうち、いずれかのコンテンツサーバを選択させるための画面である。
【0034】
S18において、仲介サーバ60のCPU72は、サーバ選択画面211を表示させるためのサーバ選択画面データを生成する。メモリ74には、サーバ選択画面データにどのような情報を含ませる必要があるかを示す、図示しない情報が記憶されている。仲介サーバ60のCPU72は、この情報に従って、サーバ選択画面データを生成する。サーバ選択画面データには、サーバ選択画面211にボタン画像B11およびB12が含まれることを示す情報と、ボタン画像B11およびB12のいずれかを選択するための画面を表示することを示す情報と、ボタン画像B11およびB12にそれぞれサーバ名「Server 100」および「Server 110」が対応することを示す情報と、ボタン画像B11およびB12に付して表示するための文字列を示す情報と、が含まれている。S19において、仲介サーバ60のCPU72は、サーバ選択画面データを多機能機10に送信する。
【0035】
多機能機10のCPU22は、仲介サーバ60からサーバ選択画面データを受信すると、S21において、サーバ選択画面211を表示部14に表示させる。図8に示されるように、サーバ選択画面211は、ボタン画像B11およびB12を含んでいる。ボタン画像B11およびB12は、コンテンツサーバ100、110のそれぞれの選択を受け付けるための画像である。なお、多機能機10のCPU22は、仲介サーバ60から受信したサーバ選択画面データに基づいて、ボタン画像B11およびB12の画像を表示するためのビットマップ情報などを作成し、サーバ選択画面211を表示部14に表示させる。このように、多機能機10の側でビットマップ情報を作成するため、サーバ選択画面データには、ボタン画像B11およびB12の画像を表示するためのビットマップ情報は含ませる必要がない。また、図8に示される上下の矢印ボタンを表示するためのビットマップ情報も含ませる必要がない。ユーザは、操作部12を操作して、サーバ選択画面211の中から、データをダウンロードするべきコンテンツサーバを表すボタン画像を選択する。本実施例では、ユーザがボタン画像B11(即ちコンテンツサーバ100)を選択する場合を例として、説明を続ける。
【0036】
S23において多機能機10のCPU22は、ユーザが選択したボタン画像に対応するサービス識別情報を、仲介サーバに送信する。本実施例の説明例では、サーバ名「Server 100」を含むサービス識別情報が、仲介サーバに送信される。仲介サーバ60のCPU72は、S24において、多機能機10から受信したサービス識別情報に基づいて、プリント/メディア選択画面を表示させるためのプリント/メディア選択画面データを生成する。プリント/メディア選択画面は、コンテンツサーバからダウンロードしたデータを用いた処理として、印刷処理を実行するか、メディアに保存する処理を実行するか、の入力を受け付けるための画面である。
【0037】
S25において、仲介サーバ60のCPU72は、プリント/メディア選択画面データを多機能機10に送信する。多機能機10のCPU22は、仲介サーバ60からプリント/メディア選択画面データを受信すると、S27において、プリント/メディア選択画面を表示部14に表示させる。プリント/メディア選択画面は、印刷処理と、メディアへの保存処理と、のそれぞれの選択を受け付けるための画像が含まれている。プリント/メディア選択画面の内容は、前述したサーバ選択画面211と同様であるため、詳細な説明を省略する。ユーザは、操作部12を操作して、プリント/メディア選択画面の中から、実行するべき処理を表すボタン画像を選択する。本実施例では、プリント実行のボタン画像の選択が受け付けられる場合を例として、説明を続ける。
【0038】
S29において、多機能機10のCPU22は、ユーザが選択したボタン画像に対応するプリント/メディア識別情報を、仲介サーバ60に送信する。本実施例の説明例では、プリントが選択されたことを示す情報が送信される。仲介サーバ60のCPU72は、S31において、データ情報要求情報をコンテンツサーバ100に送信する。データ情報要求情報は、データ情報を要求する情報である。データ情報は、選択されたコンテンツサーバに記憶されている複数のデータの各々を識別するための情報である。データ情報の一例としては、ファイル名が挙げられる。コンテンツサーバ100は、仲介サーバ60からデータ情報要求情報を受信すると、S33において、データ情報を仲介サーバ60に送信する。
【0039】
S34において、仲介サーバ60のCPU72は、S33において受信したデータ情報に基づいて、データ選択画面221を表示させるためのデータ選択画面データを生成する。データ選択画面は、ダウンロードするデータを、ユーザに選択させるための画面である。本実施例の説明例では、データ選択画面データには、データ選択画面221にボタン画像B21〜B25が含まれることを示す情報と、ボタン画像B21〜B25のいずれかを選択するための画面を表示することを示す情報と、ボタン画像B21〜B25のそれぞれに対応するファイル名を示す情報と、が含まれている。S35においてCPU72は、データ選択画面データを多機能機10に送信する。
【0040】
多機能機10のCPU22は、仲介サーバ60からデータ選択画面データを受信すると、S37において、データ選択画面221を表示部14に表示させる。そしてCPU22は、コンテンツサーバ100に記憶されている複数のデータのうちから、選択データを選択する処理を受け付ける。選択データは、コンテンツサーバ100からダウンロード対象として選択されたデータである。CPU22は、複数の選択データを選択する処理を受け付けてもよい。図9に示されるように、データ選択画面221は、ボタン画像B21〜B25を含んでいる。ボタン画像B21〜B25の各々は、選択データの選択を受け付けるための画像である。ユーザは操作部12を操作して、データ選択画面221の中から、ダウンロードしたいデータにアクセスするためのボタン画像を選択する。
【0041】
S41において、多機能機10のCPU22は、ユーザが選択したボタン画像に対応するデータ選択指示情報を、仲介サーバ60に送信する。データ選択指示情報は、選択データを識別するための情報である。本実施例の説明例では、ボタン画像B21に対応するデータが選択されたことを示す情報が送信される。データ選択指示情報は、URL(Uniform Resource Locatorの略)の記述方式によって記述されていてもよい。S43において、仲介サーバ60のCPU72は、データ選択指示情報に基づいて、プリント設定画面を表示させるためのプリント設定画面データを生成する。プリント設定画面は、プリントの各種設定(例:用紙サイズ、カラーモードなど)の入力を受け付けるための画面である。
【0042】
S45において、仲介サーバ60のCPU72は、プリント設定画面データを多機能機10に送信する。多機能機10のCPU22は、仲介サーバ60からプリント設定画面データを受信すると、S47において、プリント設定画面を表示部14に表示させる。CPU22は、操作部12を介した、ユーザによるプリントの各種設定の入力を受け付ける。
【0043】
S51において多機能機10のCPU22は、プリント設定情報を、仲介サーバ60に送信する。S53において、仲介サーバ60のCPU72は、データ詳細情報を要求するためのデータ詳細情報要求情報を、コンテンツサーバ100に送信する。データ詳細情報の一例としては、選択データの形式を示す拡張子、データ更新日、データサイズ、などが挙げられる。
【0044】
S55においてCPU72は、データ詳細情報をコンテンツサーバ100から受信する。S37において選択された選択データが複数である場合には、複数の選択データの各々についてのデータ詳細情報が、全て受信される。
【0045】
またCPU72は、受信したデータ詳細情報に基づいて、選択データが多機能機10で解読できる形式であるか否かを判断する。そして、解読可否の判断結果を、メモリ74に一時的に記憶させる。例えば、選択データに対応するデータ詳細情報に含まれている拡張子が、多機能機10で解読することができるデータ形式を表す拡張子として予めメモリ74に記憶されている拡張子の何れにも一致しない場合には、多機能機10で解読できない形式であると判断してもよい。S37において選択された選択データが複数である場合には、複数の選択データの各々について解読可否の判断結果が生成され、解読可否の判断結果がメモリ74に記憶される。
【0046】
S57において仲介サーバ60のCPU72は、S37でダウンロード対象として選択された1または複数の選択データのうちから、まだ印刷処理を実行していない1の選択データを特定する。そして、特定した選択データが、多機能機10で解読できない形式であるか否かを判断する。当該判断は、特定した選択データについての解読可否の判断結果を、メモリ74から読み出すことで行っても良い。選択データが多機能機10で解読できる形式である場合(S57:NO)には、後述する変換処理命令処理P1および待機命令処理P2をスキップしてS153へ進む。一方、解読できない形式である場合(S57:YES)には、S73へ進んで変換処理命令処理P1および待機命令処理P2が実行される。
【0047】
変換処理命令処理P1(S73〜S121)は、多機能機10で解読できない選択データを、コンテンツサーバ100から仲介サーバ60へダウンロードして、変換サーバ200にアップロードする処理である。そして、変換サーバ200にアップロードした全ての選択データに対して、変換処理の実行命令をかける処理である。変換処理は、取得された選択データが、多機能機10で解読することができない第1種のデータである場合に、選択データを、多機能機10で解読可能な第2種のデータである変換データに変換する処理である。変換処理の具体例としては、ワープロソフト形式のデータを、JPEG形式のデータに変換する処理が挙げられる。
【0048】
変換処理命令処理P1の内容を、以下に説明する。S73において、仲介サーバ60のCPU72は、ダウンロード元URL要求情報をコンテンツサーバ100に送信する。ダウンロード元URL要求情報は、S41で受信したデータ選択指示情報で識別される選択データにアクセスするためのダウンロード元URLを、要求する情報である。コンテンツサーバ100は、仲介サーバ60からダウンロード元URL要求情報を受信すると、まず、データ記憶領域101を参照して、ダウンロード元URL要求情報により指定された選択データにアクセスするためのダウンロード元URLを特定する。S75において、コンテンツサーバ100は、特定されたダウンロード元URLを仲介サーバ60に送信する。
【0049】
S79において仲介サーバ60のCPU72は、ダウンロード要求情報をコンテンツサーバ100に送信する。ダウンロード要求情報には、S75で取得したダウンロード元URLが含まれている。ダウンロード要求情報は、ダウンロード元URLによって特定される選択データの送信を、コンテンツサーバ100に対して要求するための情報である。S81においてコンテンツサーバ100は、ダウンロード元URLによって特定される選択データを、仲介サーバ60に送信する。
【0050】
S111において、仲介サーバ60のCPU72は、アップロード用データID取得要求情報を変換サーバ200に送信する。アップロード用データID取得要求情報は、変換サーバ200にアップロードした選択データを識別するためのアップロード用データIDを、変換サーバ200に対して要求するための情報である。S113において変換サーバ200のCPU272は、アップロード用データIDを、仲介サーバ60に送信する。
【0051】
S115においてCPU72は、S81でコンテンツサーバから取得した選択データを、S113で取得したアップロード用データIDと共に、変換サーバ200に送信する。S117において、変換サーバ200のCPU272は、選択データにアップロード用データIDを対応付けて記憶させる処理が成功したか否かを示すアップロード結果情報を、仲介サーバ60に送信する。
【0052】
S119においてCPU72は、データ変換要求情報を変換サーバ200に送信する。データ変換要求情報は、S113で受信したアップロード用データIDで識別される選択データ(すなわち、S115で変換サーバ200にアップロードした選択データ)に対して、変換処理の実行を要求するための情報である。S121において変換サーバ200のCPU272は、変換データ取得情報を仲介サーバ60に送信する。変換データ取得情報は、変換処理の実行を要求する処理(S119)に応じて行われる変換処理を識別するための情報である、変換ジョブIDを含んでいてもよい。変換データ取得情報は、URLの記述方式によって記述されていてもよい。
【0053】
待機命令処理P2(S131〜S142)は、1つの選択データについて変換処理を開始する際に、変換処理が完了するまで多機能機10を待機させる処理である。
【0054】
待機命令処理P2の内容を、以下に説明する。変換サーバ200は、S119においてデータ変換要求情報を受信することに応じて、選択データに対して変換処理を実行する。変換処理は、所定データ量(例:100KB)ごとに分割された選択データに対して行われるとしても良い。
【0055】
S131においてCPU72は、変換完了確認要求情報を変換サーバ200に送信する。変換完了確認要求情報は、S119で変換サーバ200に対して要求した変換処理が完了したか否かを、変換サーバ200に対して確認するための情報である。
【0056】
S132において変換サーバ200のCPU272は、変換処理が完了したか否かを判断する。具体的には、変換完了確認要求情報に含まれる変換データ取得情報を用いて、変換処理の完了の可否を判断する1の変換処理を特定する。そして、特定した変換処理で変換される選択データにおいて、選択データの先頭部分の所定データ量分(例:100KB)の変換が完了したか否かが判断される。変換処理が完了していない場合(S132:NO)にはS133へ進む。
【0057】
S133においてCPU272は、変換処理が完了していないことを示す変換未完了通知情報を、仲介サーバ60へ送信する。S135において仲介サーバ60のCPU72は、変換未完了通知情報を受信することに応じて、待機命令を生成する。待機命令は、多機能機10に、変換処理の完了を待機させるための命令である。S137においてCPU72は、待機命令を多機能機10へ送信する。
【0058】
S139において多機能機10のCPU22は、変換処理の完了を待機する待機処理を実行する。待機処理は、例えば、変換処理のタイムアウトを検知するためにスタートしていたタイマーをリセットして、再スタートさせる処理であってもよい。また例えば、変換処理がタイムアウトになる時間を延ばすように、メモリ24に記憶されているタイムアウト時間を増加させることで、変換処理がタイムアウトになるまでの時間を延長する処理であってもよい。待機処理を実行する理由を説明する。多機能機10から仲介サーバ60へ情報を送信してから、仲介サーバ60がその情報に対して返信した情報を多機能機10が受信するまでの時間が、タイムアウト時間を越えてしまうと、タイムアウトエラーが発生する。すると、多機能機10においてエラー処理が発生してしまう。エラー処理としては、エラー表示の発生、多機能機10から仲介サーバへの情報の再送、多機能機の処理をS15に戻すリセット処理の発生、などが考えられる。変換処理の完了に関しては、プリント設定情報の送信(S51)に対し仲介サーバが返信した情報(例えば、変換データ取得命令情報(S157))を多機能機10が受信するまでの期間が、タイムアウト時間を越えてしまうと、タイムアウトエラーが発生する。そこで、待機処理を行うことにより、タイムアウトエラーの発生を防止している。
【0059】
S141においてCPU22は、待機処理の実行が完了したことを示す待機処理完了情報を、仲介サーバ60へ送信する。そしてS131へ戻る。
【0060】
一方、S132において変換処理が完了したと判断された場合(S132:YES)には、S142へ進む。S142において変換サーバ200のCPU272は、選択データの先頭部分での所定データ量分の変換処理が完了したことを示す変換完了通知情報を、仲介サーバ60へ送信する。
【0061】
S152において仲介サーバ60のCPU72は、印刷処理に用いるデータが、変換データであるか選択データであるかを判断する。具体的には、印刷処理に用いるデータが多機能機10で解読できない形式である場合には、変換データを用いる場合であると判断し、多機能機10で解読できる形式である場合には、選択データを用いる場合であると判断する。当該判断は、S57で前述した方法を用いて行われるとしてもよい。印刷処理に用いるデータが変換データであると判断される場合(S152:変換データ)には、第1印刷処理P3を実行する場合であると判断され、S153へ進む。
【0062】
図5を用いて、第1印刷処理P3を説明する。第1印刷処理P3(S153〜S170)は、変換データを用いて多機能機10に印刷を実行させる処理である。S153において仲介サーバ60のCPU72は、変換データ取得命令情報を生成する。変換データ取得命令情報は、変換データを変換サーバ200から多機能機10に取得させ、印刷を実行させるための命令である。またCPU72は、変換処理をまだ実行していない選択データが存在する場合には、変換データ取得命令情報に、変換処理実行要求情報を含ませる。一方、変換処理を実行していない選択データが存在しない場合には、変換データ取得命令情報に、変換処理終了要求情報を含ませる。変換処理実行要求情報や変換処理終了要求情報は、URLの記述方式によって、変換データ取得命令情報に含まれていてもよい。
【0063】
S157においてCPU72は、変換データ取得命令情報を多機能機10へ送信する。S159において多機能機10のCPU22は、第1のダウンロード元URL要求情報および変換データ取得情報要求情報を仲介サーバ60へ送信する。第1のダウンロード元URL要求情報は、S131で変換完了確認が行われた変換データにアクセスするための第1のダウンロード元URLを、仲介サーバ60に対して要求する情報である。また変換データ取得情報要求情報は、S131で変換完了確認が行われた変換データを生成したジョブを、識別するための情報である。
【0064】
S161においてCPU72は、第1のダウンロード元URLおよび変換データ取得情報を、多機能機10へ送信する。これにより、選択データの先頭部分の所定データ量分の変換処理が完了することに応じて(S132:YES)、変換データを取得するための情報が多機能機10へ送信されることになる。
【0065】
S163において多機能機10のCPU22は、変換データ取得情報で識別される変換データをダウンロードするためのダウンロード要求情報を、第1のダウンロード元URLに基づいて、変換サーバ200に送信する。S165において変換サーバ200のCPU272は、ダウンロード要求情報によって特定される変換データを、多機能機10に送信する。変換サーバ200において、選択データに対する変換処理が、所定データ量(例:100KB)ずつ行われる場合には、S163でダウンロード要求情報を変換サーバに送信した時点では、選択データ全体の変換が終わっていない場合がある。この場合、変換サーバは、変換が完了していないことを示す情報を直ちに多機能機10に返信する。直ちに情報が返信されるので、多機能機10でタイムアウトが発生することはない。変換が完了していないことを示す情報を受信した多機能機10は、S163に戻り、再度ダウンロード要求情報を変換サーバに送信する。なお、S163でダウンロード要求情報を変換サーバに送信した時点では、選択データ全体の変換が終わっていない場合でも、S165において、変換サーバが所定データ量の変換データを多機能機10へ送信し、所定データ量の変換データを受信した多機能機10が、S163に戻り、残りの変換データを要求するダウンロード要求情報を変換サーバに送信するようにしてもよい。
【0066】
S167において多機能機10のCPU22は、印刷実行部18に印刷処理を実行させる。印刷処理は、印刷データの印刷可能な最小単位で実行されるとしてもよい。例えば、印刷実行部18がインクジェットプリンタである場合には、ライン単位で印刷処理を実行してもよい。印刷実行部18がレーザープリンタである場合には、印刷用紙の1枚単位で印刷処理を実行してもよい。
【0067】
1の変換データの印刷処理が完了すると、S169においてCPU22は、ダウンロード印刷が完了したことを示すダウンロード印刷完了通知情報を、仲介サーバ60へ送信する。また、ダウンロード印刷完了通知情報には、S157で受信した変換データ取得命令情報に含まれていた、変換処理実行要求情報または変換処理終了要求情報も含まれている。
【0068】
S170において仲介サーバ60のCPU72は、印刷処理をまだ実行していない選択データが存在するか否かを判断する。印刷処理が未実行である選択データの有無判断は、例えば、変換処理が未実行である選択データの有無判断によって行われても良い。変換処理が未実行である選択データの有無判断は、多機能機10から受信したダウンロード印刷完了通知情報に基づいて行われても良い。具体的には、ダウンロード印刷完了通知情報に、変換処理実行要求情報が含まれている場合には、変換処理をまだ実行していない選択データが存在すると判断してもよい。また、ダウンロード印刷完了通知情報に、変換処理終了要求情報が含まれている場合には、変換処理を実行していない選択データが存在しないと判断してもよい。
【0069】
印刷処理をまだ実行していない選択データが存在する場合(S170:YES)にはS57(図3)へ戻り、印刷対象となる次の選択データが特定される。そして、特定された選択データが、多機能機10で解読できない形式であるか否かが判断される。
【0070】
一方、印刷処理をまだ実行していない選択データが存在しない場合(S170:NO)には、S171へ進む。S171において仲介サーバ60のCPU72は、処理完了通知情報を多機能機10へ送信する。S173において多機能機10のCPU22は、完了画面を表示部14に表示させる。
【0071】
一方、S152において、印刷処理に用いるデータが選択データであると判断される場合(S152:選択データ)には、変換処理を行うことなく、第2印刷処理P3aを実行することができる場合であると判断され、S153aへ進む。
【0072】
図6を用いて、第2印刷処理P3aを説明する。第2印刷処理P3a(S153a〜S168a)は、選択データを用いて多機能機10に印刷を実行させる処理である。S153aにおいて仲介サーバ60のCPU72は、選択データ取得命令情報を生成する。選択データ取得命令情報は、選択データを多機能機10に取得させ、印刷を実行させるための命令である。選択データ取得命令情報は、コンテンツサーバ100へアクセスして選択データを取得することを、多機能機10へ命令するための情報を含んでいる。S157aにおいてCPU72は、選択データ取得命令情報を多機能機10へ送信する。
【0073】
S159aにおいて多機能機10のCPU22は、第2のダウンロード元URL要求情報を仲介サーバ60へ送信する。第2のダウンロード元URL要求情報は、選択データにアクセスするための第2のダウンロード元URLを、仲介サーバ60に対して要求する情報である。S161aにおいて仲介サーバ60のCPU72は、第2のダウンロード元URLを多機能機10へ送信する。S161aで使用される第2のダウンロード元URLの例としては、コンテンツサーバ100のURLが挙げられる。
【0074】
S163aにおいて多機能機10のCPU22は、選択データをダウンロードするためのダウンロード要求情報を、第2のダウンロード元URLに基づいて、コンテンツサーバ100に送信する。S165aにおいてコンテンツサーバ100は、ダウンロード要求情報によって特定される選択データを、多機能機10に送信する。S167において多機能機10のCPU22は、印刷処理を実行する。
【0075】
S168aにおいてCPU22は、印刷処理をまだ実行していない選択データが存在するか否かを判断する。印刷処理を未実行の選択データが存在する場合(S168a:YES)にはS57(図3)へ戻り、存在しない場合(S168a:NO)にはS169へ進む。以後の処理は、第1印刷処理P3と同様であるため、説明を省略する。
【0076】
(効果)
本明細書に記載されている仲介サーバ60では、コンテンツサーバ100に記憶されているデータの中から選択された選択データが、多機能機10で解読することができない第1種のデータである場合には(S57:Y)、当該選択データを、多機能機10で解読することができる変換データに変換して(S111〜S142)、多機能機10に取得させることができる(S165)。これにより、多機能機10で解読できない種類の選択データをコンテンツサーバ100から多機能機10が取得する場合においても、多機能機10で印刷処理などの各種の処理を実行することが可能となる。
【0077】
選択データが、多機能機10で解読することができる第2種のデータである場合には(S57:N)、多機能機10に当該選択データをコンテンツサーバから取得させることができる(S165a)。よって、選択データを用いて、多機能機10で印刷処理などの各種の処理を実行することが可能となる(S167)。
【0078】
本明細書に記載されている仲介サーバ60では、変換データを多機能機10に取得させるための情報である変換データ取得情報を変換サーバ200から取得すると(S121)、取得した変換データ取得情報を多機能機10へ送信することができる(S161)。これにより、変換データ取得情報を用いることで、変換データを多機能機10に取得させることが可能となる(S165)。
【0079】
本明細書に記載されている仲介サーバ60では、選択データのデータ形式を示す拡張子などを含んだデータ詳細情報を、コンテンツサーバから取得することができる(S55)。そして、データ詳細情報を用いて、選択データが、多機能機10で解読できる形式であるか否かを判断することができる(S57)。これにより、選択データのデータ形式を確実に判断し、選択データのデータ形式に適した処理をすることが可能となる。
【0080】
本明細書に記載されている仲介サーバ60では、変換処理の実行期間中は、変換処理の完了を待機する待機命令を多機能機10へ送信することができる(S137)。また、変換処理が完了することに応じて(S132:Y)、変換データを多機能機10に取得させるための情報である変換データ取得情報を、多機能機10へ送信することができる(S161)。よって、タイムアウトなどのエラーが多機能機10で発生してしまう事態を防止することが可能となる。
【0081】
本明細書に記載されている通信システム2では、変換サーバ200において、所定データ量(例:100KB)ごとに分割された選択データに対して変換処理を行うことができる。そして、選択データの先頭部分の所定データ量分の変換が完了することに応じて(S132:Y)、変換データを多機能機10に取得させるための変換データ取得情報を、多機能機10へ送信することができる(S161)。これにより、選択データの全体に対して変換処理が完了することを待つことなく、選択データの一部に対する変換処理が完了することに応じて、その一部のデータを多機能機10に取得させることができる。よって、変換処理が開始されてから、多機能機10が変換データの取得を開始するまでの期間を短縮化することができるため、タイムアウトなどのエラーが多機能機10で発生してしまう事態を防止することが可能となる。
【0082】
本明細書に記載されている仲介サーバ60では、変換データ取得命令情報を生成するタイミングで、変換処理をまだ実行していない選択データが存在するか否かを判断し、その判断結果を示す情報(すなわち、変換処理実行要求情報または変換処理終了要求情報)を、変換データ取得命令情報に含ませておくことができる(S153)。これにより、1の変換データの印刷処理が完了した場合に(S169)、事前に生成しておいた変換処理実行要求情報または変換処理終了要求情報に基づいて、変換処理をまだ実行していない選択データが存在するか否かを判断することができる(S170)。よって、複数の選択データについて順次変換処理を実行し、変換処理が完了するたびに、1つずつ変換データを多機能機10に取得させることが可能となる。
【0083】
本明細書に記載されている通信システム2では、データ選択指示情報(S41)、変換データ取得情報(S121)、変換処理実行要求情報および変換処理終了要求情報(S153)などの情報を、URLの記述方式によって記述することができる。URLの記述方式は広く知られた方式であるため、仲介サーバ、変換サーバやコンテンツサーバなどの各装置間でこれらの情報を通信する際に、機種依存性を無くすことができる。
【0084】
本明細書に記載されている通信システム2は、仲介サーバ60と、変換サーバ200を備えている。仲介サーバ60、変換サーバ200、コンテンツサーバ100および110は、インターネット6を介して互いに接続されている。仲介サーバ60と変換サーバ200の間では、選択データや変換データ取得情報などの各種のデータが通信される。これにより、仲介サーバ60と変換サーバ200が別体のサーバであり、通信経路を介して互いに接続されている場合においても、変換データを多機能機10に取得させることが可能となる。
【0085】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例が含まれる。
【0086】
(変形例)
多機能機10に、変換処理の完了を待機する待機処理(S139)を実行させる方法は、様々であってよい。例えば、多機能機10は、変換処理が完了していないことを示す変換未完了通知情報を受信することに応じて、待機処理を実行するとしてもよい。また多機能機10は、変換未完了通知情報を、変換サーバ200から受信するとしてもよい。
【0087】
選択データが多機能機10で解読できない形式であるかを判断する処理は、S57に示すように、仲介サーバ60で行われる形態に限られない。例えば、多機能機10で当該処理が行われてもよい。この場合、仲介サーバ60は、S55で受信したデータ詳細情報を多機能機10へ送信すればよい。多機能機10は、受信したデータ詳細情報に基づいて、選択データが多機能機10で解読できる形式であるか否かを判断し、判断結果を示す情報を仲介サーバ60に送信すればよい。また他の変形例として、S33において仲介サーバ60が受信したデータ情報に含まれている、コンテンツサーバに記憶されている複数のデータの各々のデータ形式を示す情報(例:拡張子)を、S35において多機能機10に送信するとしてもよい。S37において、多機能機10のCPU22は、選択データの選択を受け付けた際に、選択データが多機能機10で解読できる形式であるか否かを、データ形式を示す情報に基づいて判断してもよい。S41においてCPU22は、判断結果を示す情報を、データ選択指示情報と共に仲介サーバ60に送信してもよい。
【0088】
変換処理命令処理P1において、変換サーバ200にアップロードした複数の選択データに対して、変換処理の実行命令を1つずつかける形態であってもよい。そして、全ての選択データに対して変換処理の実行命令をかけおわると、変換処理命令処理P1を終了し、待機命令処理P2および第1印刷処理P3へ移行するとしてもよい。そして、1つの選択データについて待機命令処理P2で変換処理が完了し、第1印刷処理P3で印刷が完了すると、待機命令処理P2へ戻って、次の1の選択データに対して変換処理および印刷処理を行うとしてもよい。このような手順を実現するには、図3のS121の後に、S123として、変換処理の実行命令をまだかけていない選択データが存在するか否かを判断するステップを挿入すればよい。そして、存在する場合(S123:YES)にはS73へ戻り、存在しない場合(S123:NO)にはS131へ進めばよい。また、図5のS170において、変換処理をまだ実行していない選択データが存在する場合(S170:YES)には、S131へ戻るとすればよい。
【0089】
S132において、変換処理が完了したか否かの判断方法は、様々な方法であってもよい。例えば、選択データ全体についての変換処理が完了した場合に、変換処理が完了したと判断され、S132がYESとなってもよい。この場合、S161において仲介サーバ60のCPU72は、選択データの全体に対して変換処理が完了することに応じて、第1のダウンロード元URLおよび変換データ取得情報を、多機能機10へ送信することになる。これにより、S163において多機能機10が変換データ取得情報を送信した時点において、選択データの全体が変換データに既に変換済みである状態とすることができる。よって、多機能機10が変換データの取得を開始した後に、変換処理の完了を待機する、といった事態の発生を防止することができる。
【0090】
S159において、第1のダウンロード元URLを、仲介サーバ60に対して要求する形態に限られない。変換データをダウンロードするためにアクセスするサーバが変換サーバ200に固定されている場合には、多機能機10のメモリ24に、変換サーバ200へアクセスするためのURLを予め記憶させておいてもよい。この場合、S159では、変換サーバ200へアクセスするためのURLをメモリ24から読み出せばよい。
【0091】
S15において、表示部14にメイン画面を表示させる態様は、様々であってよい。例えば、メイン画面を表示させる命令がユーザによって操作部12から入力されると、多機能機10が仲介サーバ60にアクセスするとしてもよい。仲介サーバ60が、メイン画面を表示させるためのメイン画面データを作成し、多機能機10に送信してもよい。そして、多機能機10が、メイン画面データに基づいてメイン画面を表示してもよい。
【0092】
S165aにおいて、選択データをコンテンツサーバから多機能機10にダウンロードする態様は、様々であってよい。例えば、仲介サーバ60を介して、選択データをダウンロードする態様でもよい。この場合、S159aにおいて多機能機10のCPU22は、選択データをダウンロードするためのダウンロード要求情報を、仲介サーバ60へ送信すればよい。次に、仲介サーバ60のCPU72は、ダウンロード要求情報をコンテンツサーバ100に送信し、選択データをコンテンツサーバ100から受信すればよい。そしてCPU72は、受信した選択データを、多機能機10に送信すればよい。
【0093】
図3のS57において、選択データが多機能機10で解読できる形式である場合(S57:NO)には、図6のS153aへ進んでも良い。これにより、S152の処理を省略することが可能となる。
【0094】
図4のS137〜S141に記載されている、多機能機10に待機処理を実行させる処理は、図2図6のシーケンス図の何れの位置に挿入することも可能である。例えば、変換処理命令処理P1(S73〜S121)の任意の位置に、S137〜S141の処理を挿入してもよい。これは、コンテンツサーバ100から選択データをダウンロードする処理(S81)や、変換サーバ200へ選択データをアップロードする処理(S115)などにも、時間がかかる場合があるためである。これにより、S137〜S141の処理を挿入することによって、タイムアウトエラーの発生を防止することができる。
【0095】
本実施形態ではインターネット6にコンテンツサーバ100および110が接続されている場合を説明したが、3つ以上のコンテンツサーバがインターネット6に接続されていてもよい。
【0096】
本実施形態では、多機能機10、仲介サーバ60、変換サーバ200のCPU22、72、272がソフトウェアに従って処理を実行する場合を説明したが、この形態に限られない。ソフトウェアに従って実現される機能のうちの少なくとも一部は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0097】
多機能機10は画像処理装置の一例である。コンテンツサーバ100および110はサーバ装置の一例である。仲介サーバ60および変換サーバ200は中継装置の一例である。S41を実行するCPUは、データ選択指示情報取得手段の一例である。S81を実行するCPUは、選択データ取得手段の一例である。S111〜S153を実行するCPUは、データ変換手段の一例である。S121を実行するCPUは、取得手段の一例である。S161を実行するCPUは、変換データ取得情報出力手段の一例である。
【符号の説明】
【0098】
10:多機能機、22、72、272:CPU、60:仲介サーバ、100および110:コンテンツサーバ、200:変換サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9