(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の画面は前記画像形成装置の操作画面であって操作入力を行なう項目を含む操作画面であり、前記第2の画面は前記第1の画面に関連した内容を表示する画面であって前記第1の画面よりも操作入力を行なう項目の少ない画面であり、
前記読出手段は、前記端末装置が片手で把持されているときには前記第1の画面の表示データを読み出し、両手で把持されているときには第2の画面の表示データを読み出す、請求項1または2に記載の表示制御装置。
前記端末装置が両手で把持され、かつ、前記画像形成装置が前記予め規定されている状態であるときに、前記読出手段は、前記第2の画面と前記第3の画面とのうちの、予め設定されたルールに従う方法でいずれか一方の画面の表示データを読み出す、請求項5または6に記載の表示制御装置。
前記表示手段は、前記操作画面を表示中に前記画像形成装置の状態が変化したときに、前記端末装置の表示を、前記第1の画面または前記第2の画面と前記第3の画面との間で前記画像形成装置の状態に応じて切り替える、請求項6または7に記載の表示制御装置。
前記表示手段は、前記端末装置の表示の先の切り替えから規定された時間内に前記把持状況が変化した場合であっても、前記端末装置の表示の切り替えを行なわない、請求項4に記載の表示制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
【0028】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【0029】
図1を参照して、画像処理システムは、画像形成装置の一例としてのMFP(Multi-Functional Peripheral)100と、端末装置200とを含む。これらは、ネットワークで電気的に接続されている。
【0030】
端末装置200はMFP100と通信可能であって、操作画面の表示およびユーザーからの指示入力が可能であって、携帯可能なサイズの装置であればどのような装置であってもよい。端末装置200としては、たとえば携帯電話機やタブレット型端末装置や小型コンピューターなどが該当する。
【0031】
画像処理装置はMFPに限定されず、プリンターやファクシミリ送受信機やコピー機などのその他の装置であってもよい。MFP100は、これら機能を複合的に備えた画像処理装置である。
【0032】
ネットワークは、たとえばLAN(Local Area Network)などが該当する。一例として、端末装置200はネットワークに無線接続され、MFP100は無線または有線にてネットワークに接続される。
【0033】
<装置構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0034】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、メモリーとして機能する、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12、および画像データなどを保存するためのHD(ハードディスク)16と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データを得るためのスキャナー13と、画像データを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、ネットワーク300を介した通信の制御するためのネットワークコントローラー17とを含む。
【0035】
図3は、端末装置200のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図3を参照して、端末装置200は、全体を制御するための演算装置であるCPU20と、メモリーとして機能する、CPU20で実行されるプログラムや各種情報などを記憶するためのROM21、およびCPU20でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM22と、センサー23と、情報を表示したり当該端末装置200に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル25と、ネットワーク300を介した通信の制御するためのネットワークコントローラー27とを含む。
【0036】
操作パネル25は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルと、操作キーとを含む。
【0037】
なお、端末装置200の操作パネル25は、表示装置と入力装置とを兼ねる装置の具体例である。たとえば端末装置が携帯電話機である場合には、操作パネル25に替えて、ディスプレイとキー群とが備えられてもよい。
【0038】
センサー23は、後述するように、当該端末装置200が片手で把持されているか両手で把持されているかの把持状況を検知するために用いられるセンサーである。たとえば、端末装置200の両端に配された静電タッチセンサーや歪センサーや温度センサーや電極やボタンなどが該当する。センサー23は、手などの接触を検知するとセンサー信号をCPU20に対して入力する。CPU20は、センサー23からのセンサー信号を解析することで、端末装置200が片手で把持されているか両手で把持されているかの把持状況を検知する。
【0039】
また、CPU20は予め記憶されている画面表示をさせるためのデータに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU20に入力される。また、押下されたキーを示す操作信号がCPU20に入力される。CPU20は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0040】
[第1の実施の形態]
<動作概要>
本実施の形態にかかる画像処理システムにおいては、ユーザーは、端末装置200を用いてMFP100の遠隔操作が可能である。このとき、端末装置200にはMFP100の操作画面が表示される。ユーザーは、その操作画面をMFP100に対する操作と同様に操作することで、MFP100に対して指示命令を行なうことができる。この機能はリモートパネル機能とも呼ばれ、以降の説明では、端末装置200を用いたMFP100の遠隔操作を行なうための画像処理システムでの動作をリモートパネル動作とも称する。また、端末装置200からMFP100に対して操作画面を要求して接続することをリモートパネル接続とも称する。
【0041】
(リモートパネル動作)
図4は、画像処理システムでのリモートパネル動作の流れを表わす図である。
【0042】
図4を参照して、ステップS1でリモートパネル接続するにあたって、端末装置は、MFPに対して接続要求を行なう。MFPはその要求を確認し、たとえば予め接続が許可されている端末装置であるなど、接続が可能と判断すると、ステップS2で端末装置に対して接続完了通知を行なう。
【0043】
続いて、ステップS3でMFPは、端末装置に操作画面を表示させるための画面データ(以下、表示データとも称する)を生成し、ステップS4でその表示データを端末装置に対して送信する。
【0044】
ステップS5で端末装置は、受信した表示データを用いて、MFPの操作画面を表示する。端末装置は、その操作画面に対してユーザーの操作入力を受け付けると、ステップS6で、指示された位置を表わす座標など操作入力に関する情報(タッチイベント)を特定し、ステップS7でその情報をMFPに対して送信する。
【0045】
ステップS8でMFPは、受信したタッチイベントなどの情報に基づいて操作画面を更新(再作成)する。すなわち、ステップS8でMFPは、先に送信した操作画面に対して端末装置からの操作入力に関する情報で特定される操作がなされた場合の処理内容を特定してその処理を実行し、その処理に伴って操作画面を更新する。そして、ステップS9でMFPは、更新した表示データを端末装置に対して送信する。以降、この動作が繰り返されてリモートパネル動作が進行する。
【0046】
(表示制御)
画像処理システムでは、上記したリモートパネル動作において、端末装置に表示される操作画面は、端末装置が片手で把持されているときと両手で把持されているときとで、異なる画面とするための表示制御が行なわれる。
【0047】
図5は、第1の実施の形態にかかる表示制御を説明するための図である。ある操作画面について、「A」で表わされた画面(第1の画面)と「a」で表わされた画面(第2の画面)とが関連付けられているものとする。第1の画面である画面Aは、MFPの操作画面そのもの、またはその表示に近い画面であって、操作入力を行なう項目を含む操作画面である。第2の画面である画面aは、画面Aに関連した内容を表示する画面であって、画面Aよりも操作入力を行なう項目の少ない、または操作入力を行なう項目が含まれていない画面である。
【0048】
図5を参照して、端末装置が片手で把持されている場合、端末装置には画面Aが表示される。この場合、端末装置を把持していない一方の手によって操作が可能であるため、操作入力を行なう項目が含まれている、MFPの操作画面と同様またはそれに近い操作画面を用いて、MFPの遠隔操作をすることが望まれる。
【0049】
一方、端末装置が両手で把持されている場合、画面aが表示される。この場合、いずれの手でも自由な操作が難しいため、操作入力を行なう項目が含まれていない、または、できるだけ少ない表示画面であって、設定内容などを確認する画面であることが望まれる。
【0050】
さらに、端末装置が片手で把持されていて画面aが表示されている状態において、両手で把持されるようになると、表示画面が画面Aに切り替わる。逆に、端末装置が両手で把持されていて画面Aが表示されている状態において、片手で把持されるようになると、表示画面が画面aに切り替わる。
【0051】
MFPの操作画面のうち、第1の画面と第2の画面とが関連付けられている操作画面では、上記のように把持状況に応じて表示が切り替わる。第1の画面と第2の画面とが関連付けられている特定の操作画面を「特定画面」とも称する。言い換えると、上記のリモートパネル動作において表示対象となった操作画面が特定画面であった場合には、端末装置の把持状況に応じて第1の画面か第2の画面かのいずれかが端末装置に表示されることになる。また、端末装置で特定画面が表示されている場合には、把持状況が変化すると、第1の画面と第2の画面との間で把持状況に応じて端末装置の表示が切り替わる。
【0052】
図6〜
図16は、それぞれ、第1の画面である画面Aおよび第2の画面である画面aの組み合わせの具体例を表わした図である。
【0053】
図6を参照して、第1の例として、画面Aおよび画面aの組み合わせは、文書プレビュー画面および全画面プレビュー画面が挙げられる。すなわち、片手での把持時には文書プレビュー画面が表示され、両手での把持時には全画面プレビュー画面が表示される。
【0054】
文書プレビュー画面は、MFPでの文書プレビュー画面と概ね同じものであって、複数のページからなる文書の各ページのプレビューをページ送りやページ戻しなどの操作に従って順に表示したり、拡大や縮小の操作に従ってプレビュー表示を拡大したりする画面である。全画面プレビュー画面は、文書のうちの1ページのプレビューを表示画面のほぼ全体に表示する画面である。
図6に表わされたように、拡大や縮小や当該画面を閉じることを指示するためのボタンが含まれていてもよいが、好ましくは、
図6に表わされたように、その操作項目は両手で把持した状態で指の届く位置に配置される。
【0055】
図7を参照して、第2の例として、画面Aおよび画面aの組み合わせは、ジョブ設定画面およびジョブ設定内容表示画面が挙げられる。すなわち、片手での把持時にはジョブ設定画面が表示され、両手での把持時にはジョブ設定内容表示画面が表示される。
【0056】
ジョブ設定画面は、MFPでのジョブ設定画面と概ね同じものであって、ジョブごとに用紙サイズや原稿サイズや印刷方法や後処理などの設定を行なうための画面である。ジョブ設定内容表示画面は、設定中のジョブの設定内容を表示する画面である。
図7に表わされたように、ジョブの切り替えや当該画面を閉じることを指示するためのボタンが含まれていてもよいが、好ましくは、
図7に表わされたように、その操作項目は両手で把持した状態で指の届く位置に配置される。
【0057】
図8を参照して、第3の例として、画面Aおよび画面aの組み合わせは、宛先設定画面および宛先設定内容表示画面が挙げられる。すなわち、片手での把持時には宛先設定画面が表示され、両手での把持時には宛先設定内容表示画面が表示される。
【0058】
宛先設定画面は、MFPでの宛先設定画面と概ね同じものであって、数字キーや文字キーなどを用いてファクシミリなどの宛先を設定するための画面である。宛先設定内容表示画面は、設定した宛先一覧および設定内容を表示する画面である。
図8に表わされたように、宛先ごとに詳細を表示させたり削除したりすることを指示するためのボタンが含まれていてもよいが、好ましくは、
図8に表わされたように、その操作項目は両手で把持した状態で指の届く位置に配置される。
【0059】
なお、
図8の例の変形例として、
図9に表わされたように、画面aが宛先詳細画面であってもよい。すなわち、両手での把持時には宛先詳細画面が表示されてもよい。宛先詳細画面は設定された宛先についての詳細を表示する画面である。
【0060】
図10を参照して、第4の例として、画面Aおよび画面aの組み合わせは、ジョブリスト画面および選択ジョブの内容表示(ジョブ詳細)画面が挙げられる。すなわち、片手での把持時にはジョブリスト画面が表示され、両手での把持時には選択ジョブの内容表示(ジョブ詳細)画面が表示される。
【0061】
ジョブリスト画面は、MFPでのジョブリスト画面と概ね同じものであって、MFPにて処理中または処理待ちのジョブの一覧や、ジョブごとに処理の指示や設定などを行なうための画面である。選択ジョブの内容表示(ジョブ詳細)画面は、選択されたジョブの内容を表示する画面である。
【0062】
図11を参照して、第5の例として、画面Aおよび画面aの組み合わせは、ジョブ履歴画面および選択ジョブ履歴の内容表示画面が挙げられる。すなわち、片手での把持時にはジョブ履歴画面が表示され、両手での把持時には選択ジョブ履歴の内容表示画面が表示される。
【0063】
ジョブ履歴画面は、MFPでのジョブ履歴画面と概ね同じものであって、MFPにて処理終了したジョブの履歴の一覧や、ジョブ履歴ごとにそのジョブ再処理の指示や削除の指示などを行なうための画面である。選択ジョブ履歴の内容表示画面は、選択されたジョブ履歴の内容を表示する画面である。
【0064】
図12を参照して、第6の例として、画面Aおよび画面aの組み合わせは、記憶領域内文書(ボックス文書)画面および選択文書の設定内容表示画面が挙げられる。すなわち、片手での把持時にはボックス文書画面が表示され、両手での把持時には選択文書の設定内容表示画面が表示される。
【0065】
記憶領域内文書(ボックス文書)画面は、MFPでのボックス文書画面と概ね同じものであって、MFPに用意されているボックスと呼ばれるユーザーやユーザーグループに関連付けられた特定の記憶領域に格納されている文書データの一覧や、文書データごとに印刷や送信などの処理の指示や削除の指示などを行なうための画面である。選択文書の設定内容表示画面は、選択された文書データの設定内容を表示する画面である。
【0066】
なお、
図12の例の変形例として、
図13に表わされたように、画面aが選択文書の詳細画面であってもよい。すなわち、両手での把持時には選択文書の詳細画面が表示されてもよい。選択文書の詳細画面は選択された文書データについての詳細を表示する画面である。
【0067】
図14を参照して、第7の例として、画面Aおよび画面aの組み合わせは、宛先選択画面および宛先設定内容表示画面が挙げられる。すなわち、片手での把持時には宛先選択画面が表示され、両手での把持時には宛先設定内容表示画面が表示される。
【0068】
宛先選択画面は、MFPでの宛先選択画面と概ね同じものであって、MFPに登録されている宛先一覧の中から用いる宛先を選択するための画面である。宛先設定内容表示画面は
図8に画面aで表わされた画面と同じである。
【0069】
なお、
図14の例の変形例として、
図15に表わされたように、画面aが選択宛先詳細画面であってもよい。すなわち、両手での把持時には選択宛先詳細画面が表示されてもよい。宛先詳細画面は選択された宛先についての詳細を表示する画面である。
【0070】
図16を参照して、第8の例として、画面Aおよび画面aの組み合わせは、メンテナンス画面およびメンテナンス情報内容表示画面が挙げられる。すなわち、片手での把持時にはメンテナンス画面が表示され、両手での把持時にはメンテナンス情報内容表示画面が表示される。
【0071】
メンテナンス画面は、MFPでのメンテナンス画面と概ね同じものであって、MFPに搭載されている消耗品ごとの残量のカウンターを表示したり、その内容を印刷したりするための画面である。メンテナンス情報内容表示画面は、選択された消耗品についてのカウンター発声の時系列表示画面など、カウンターデータなどのメンテナンス情報を可視化して表示する画面である。
【0072】
<機能構成>
本実施の形態にかかる画
像処理システムでは、上記の表示制御を端末装置200において行なうものとする。すなわち、端末装置200は上記表示制御を行なう表示制御装置として機能する、または表示制御装置を搭載する。これは、以降の説明でも同様とする。
【0073】
図17は、表示制御装置としての端末装置200、または、端末装置200に搭載される表示制御装置が上記動作を行なうための機能構成の具体例を示すブロック図である。
図17の各機能は、端末装置200のCPU20が、ROM21に記憶されているリモートパネル動作における表示制御を行なうためのアプリケーションであるプログラムをRAM22上に読み出して実行することによって、主にCPU20によって実現される。しかしながら、少なくとも一部が、
図3に表わされたハードウェア構成、またはその他の電気回路などによって実現されてもよい。
【0074】
図17を参照して、メモリーとして機能するROM21には、操作画面を表示するためのデータである表示データを記憶するための記憶領域である表示データ記憶部211が設けられる。
【0075】
さらに
図17を参照して、CPU20は、端末装置200が片手で把持されているか両手で把持されているかの把持状況を検知するための検知部201と、第1の判断として、表示対象の操作画面が、関連付けられた第1の画面と第2の画面とが表示データ記憶部211に記憶されている特定画面であるか否かを判断するための判断部202と、ネットワークコントローラー27を介してMFP100から表示データの入力を受け付け、入力された表示データを表示データ記憶部211に格納するためのデータ入力部203と、表示対象の操作画面の表示データを表示データ記憶部211から読み出すための読出部204と、表示データを用いて操作画面を表示装置である操作パネル25に表示するための表示処理部205と、入力装置である操作パネル25に対するユーザーの操作入力に従った操作信号の入力を受け付けるための指示入力部206と、座標情報などの操作入力に関する情報をネットワークコントローラー27を介してMFP100に対して送信するための送信部207とを含む。
【0076】
読出部204は、表示対象の操作画面が特定画面であった場合に、把持状況に応じて、関連付けられた第1の画面と第2の画面とのうちのいずれか一方の画面の表示データを表示データ記憶部211から読み出す。すなわち、読出部204は、端末装置200が片手で把持されていることが検知されたときには第1の画面の表示データを読み出し、両手で把持されていることが検知されたときには第2の画面の表示データを読み出す。表示データは表示処理部205に渡され、表示処理が行なわれる。そのため、表示処理部205は、特定画面を表示中に把持状況が変化すると、端末装置200の表示を、第1の画面と第2の画面との間で把持状況に応じて切り替えることになる。
【0077】
<動作フロー>
図18は、第1の実施の形態にかかる表示制御の流れを表わすフローチャートである。端末装置200のCPU20は、端末装置200のROM21に記憶されている表示制御を行なうためのアプリケーションを起動することによって、該アプリケーションである制御プログラムをRAM22上に読み出して実行し、
図17の各機能を実現することによって、
図18のフローチャートに表わされた動作を実行する。
【0078】
図18を参照して、CPU20は上記アプリケーションを起動し、リモートパネル動作を開始する(ステップS101)。次に、CPU20は、端末装置200の把持状況を検知して、片手で把持されているか両手で把持されているかを判断する(ステップS103)。
【0079】
端末装置200が両手で把持されている場合(ステップS103でYES)、CPU20は、表示している操作画面が特定画面であるか否かを判断する(ステップS105)。ここでは、CPU20は、第1の画面と第2の画面とが関連付けられて記憶されているものであるか否かに基づいて特定画面であるか否かを判断する。
【0080】
その結果、表示している操作画面が特定画面であった場合(ステップS105でYES)、CPU20は、表示中の操作画面を両手で把持されているときの画面である第2の画面(画面a)に切り替える(ステップS107)。CPU20は、表示した画面に対するユーザーからの操作入力を受け付ける(ステップS109)。
【0081】
CPU20は、リモートパネル動作の継続中は(ステップS111でNO)、上記ステップS103〜S109を繰り返す。そして、CPU20は、リモートパネル動作が終了すると(ステップS111でYES)、一連の動作を終了する。
【0082】
<第1の実施の形態の効果>
表示制御装置としての端末装置200において上記の表示制御が行なわれることで、リモートパネル動作において、特定画面が表示される際には端末装置200の把持状況に応じて表示画面が自動的に切り替わる。すなわち、片手で把持しているときには操作用の画面が表示され、両手での把持に切り替わると、入力項目の含まれない、または少ない確認用の画面などに自動的に切り替わる。これにより、ユーザーに自然な操作性を提供することができ、操作効率を格段に向上させることができる。
【0083】
<変形例>
なお、上の説明では、表示制御装置が端末装置200に搭載されている、または、端末装置200が表示制御装置として機能するものとしている。しかしながら、表示制御装置は画像処理システムのいずれに存在してもよい。すなわち、MFP100に表示制御装置が搭載、またはMFP100が表示制御装置として機能してもよいし、MFP100および端末装置200とは異なる別の装置として画像処理装置に表示制御装置が含まれてもよい。この変形例は、以降の実施の形態でも同様とする。
【0084】
[第2の実施の形態]
<動作概要>
リモートパネル動作では、MFPが予め規定されている状態となったときに、その状態を報知するための画面(第3の画面)を表示する。予め規定されている状態を「特定の状態」とも称する。
【0085】
「特定の状態」には、MFPが読み込み動作や印刷動作や送信、受信動作などの動作中である状態や、紙詰まりやトナー切れなどのトラブルが発生した状態などの、報知が必要な状態が該当する。第3の画面は、MFPの状態を報知するための画面であって、MFPの状態に関連付けられて予め用意されている。具体的には、第3の画面は、特定の状態が上記のような動作中である場合には読み取ったり印刷したりする画像のプレビュー画面や送受信先を表示する画面などが該当する。また、特定の状態が上記のようなトラブルが発生した状態である場合には、第3の画面には、トラブル解消のための情報を提示する画面などが該当する。
【0086】
第2の実施の形態にかかる表示制御では、上記したリモートパネル動作において、端末装置が片手で把持されている場合、端末装置にはMFPの操作画面が表示される。一方、端末装置が両手で把持されている場合であって、かつ、上記の特定の状態である場合、第3の画面が表示される。
【0087】
さらに、端末装置が片手で把持されていて操作画面が表示されている状態において、両手で把持されるようになると、MFPが上記特定の状態であった場合には、表示画面が第3の画面に切り替わる。逆に、MFPが上記特定の状態であって端末装置が両手で把持されていて第3の画面が表示されている状態において、片手で把持されるようになると、表示画面が操作画面に切り替わる。
【0088】
<機能構成>
表示制御装置としての端末装置200、または、端末装置200に搭載される表示制御装置が上記動作を行なうための機能構成は、
図17のブロック図で表された機能構成と同様である。
【0089】
第2の実施の形態にかかる端末装置200では、表示データ記憶部211に、MFP100の特定の状態に関連付けられた、当該状態を報知するための画面である第3の画面の表示データが記憶されている。第3の画面の表示データは、予め表示データ記憶部211に記憶されているものであってもよいし、端末装置200がMFP100に対して要求することでMFP100からデータ入力部203が受け付けて、表示データ記憶部211に格納されるものであってもよい。また、MFP100から自身の状態に応じて送信されてくるものであってもよい。
【0090】
判断部202は、第2の判断として、MFP100の状態が特定の状態であるか否かを判断する。この判断の結果は、一定の間隔など所定のタイミングで端末装置200がMFP100に対して問い合わせ、その応答を解析することで得られてもよい。または、この判断の結果は、上記のように、MFP100から自身の状態に応じて表示データが送られてくることで、その表示データの受信を特定の状態の通知として検知することで得られてもよい。
【0091】
読出部204は、MFP100が特定の状態であった場合に、端末装置200の把持状況に応じて、操作画面と第3の画面とのうちのいずれか一方の画面の表示データを表示データ記憶部211から読み出す。すなわち、読出部204は、端末装置200が片手で把持されていることが検知されたときには操作画面の表示データを読み出し、端末装置200が両手で把持され、かつ、MFP100が特定の状態であるときには第3の画面の表示データを読み出す。表示データは表示処理部205に渡され、表示処理が行なわれる。そのため、表示処理部205は、MFP100の操作画面を端末装置200に表示中であり、かつ、MFP100が特定の状態であるときに把持状況が変化すると、端末装置200の表示を、MFP100の操作画面と第3の画面との間で把持状況に応じて切り替えることになる。
【0092】
<動作フロー>
図19は、第2の実施の形態にかかる表示制御の流れを表わすフローチャートである。端末装置200のCPU20は、端末装置200のROM21に記憶されている表示制御を行なうためのアプリケーションを起動することによって、該アプリケーションである制御プログラムをRAM22上に読み出して実行し、
図17の各機能を実現することによって、
図19のフローチャートに表わされた動作を実行する。
【0093】
図19を参照して、CPU20は上記アプリケーションを起動し、リモートパネル動作を開始する(ステップS201)。次に、CPU20は、端末装置200の把持状況を検知して、片手で把持されているか両手で把持されているかを判断する(ステップS203)。
【0094】
端末装置200が両手で把持されている場合(ステップS203でYES)、CPU20は、MFP100が特定の状態であるか否かを判断する(ステップS205)。ここでは、CPU20は、MFP100に状態を問い合わせてもよいし、MFP100からの通知を解析することで判断してもよい。
【0095】
その結果、MFP100が特定の状態であった場合(ステップS205でYES)、CPU20は、表示中の操作画面をMFP100の状態を通知するための画面である第3の画面に切り替える(ステップS207)。CPU20は、表示した画面に対するユーザーからの操作入力を受け付ける(ステップS209)。
【0096】
CPU20は、リモートパネル動作の継続中は(ステップS211でNO)、上記ステップS203〜S209を繰り返す。そして、CPU20は、リモートパネル動作が終了すると(ステップS211でYES)、一連の動作を終了する。
【0097】
なお、上記の動作の後、MFP100の特定の状態が通常の状態に戻ったときには、端末装置200の表示も元の表示に戻すようにしてもよい。この場合の動作の流れを
図20に示す。
【0098】
すなわち、
図20を参照して、上記ステップS207で端末装置200の表示を第3の画面に切り替えた後、MFP100が上記の特定の状態ではなくなったか否かを判断する(ステップS213)。その結果、MFP100が特定の状態ではなくなった場合(ステップS213でYES)、CPU20は、表示中の第3の画面を元の操作画面に戻す(ステップS215)。以降、同様に、CPU20は表示した画面に対するユーザーからの操作入力を受け付け(ステップS217)、リモートパネル動作の継続中は(ステップS219でNO)、上記ステップS203〜S217を繰り返す。そして、CPU20は、リモートパネル動作が終了すると(ステップS219でYES)、一連の動作を終了する。
【0099】
<第2の実施の形態の効果>
表示制御装置としての端末装置200において上記の表示制御が行なわれることで、リモートパネル動作において、MFP100が通知を要する特定の状態となった場合には端末装置200の把持状況に応じて表示画面が自動的に切り替わる。すなわち、片手で把持しているときには操作用の画面が表示され、両手での把持に切り替わると、上記状態を報知するための画面に自動的に切り替わる。
【0100】
たとえば、ユーザーが端末装置200を片手で把持して読み込み動作を指示する操作を行なった後、両手での把持に切り替えると、MFP100で原稿読み込み動作が開始し、読み込み動作中の状態であるときに端末装置200には、
図21のような、読み込まれた原稿をプレビュー表示する、読み込み動作を報知するための第3の画面が表示される。
【0101】
また、ユーザーが端末装置200を片手で把持して何らかの操作を行なった後、両手での把持に切り替えると、MFP100に消耗品(図の例ではステープル針)が不足するトラブルが生じている場合には、
図22のような、その旨やその解消手順を表示するための第3の画面が表示される。
図22のように、第3の画面は、トラブルの解消手順をアニメーションで報知する画面であってもよい。
【0102】
これにより、ユーザーに自然な操作性を提供することができ、操作効率を格段に向上させることができる。
【0103】
[第3の実施の形態]
<動作概要>
上記した、第1の実施の形態にかかる表示制御と第2の実施の形態にかかる表示制御とが組み合わされてもよい。すなわち、第3の実施の形態にかかる表示制御として、端末装置の把持状況に応じて、表示対象の操作画面が特定画面であるか否か、また、MFPの状態が特定の状態であるか否か、に応じて表示画面が切り替わってもよい。
【0104】
<機能構成>
第3の実施の形態にかかる表示制御を行なうための機能構成として、端末装置200の判断部202は、上記した第1の判断である、表示対象の操作画面が特定画面であるか否かの判断と、第2の判断である、MFP100の状態が特定の状態であるか否かの判断との両方の判断を行なう。
【0105】
読出部204は、表示対象の操作画面が特定画面である場合、端末装置200が片手で把持されていることが検知されたときには第1の画面の表示データを読み出し、両手で把持されていることが検知されたときには第2の画面の表示データを読み出す。また、読出部204は、MFP100が特定の状態であった場合に、端末装置200が両手で把持されているときには第3の画面の表示データを読み出す。
【0106】
表示対象の操作画面が特定画面であり、かつ、MFP100が特定の状態であった場合に端末装置200が両手で把持されていることが検知されたとき、読出部204は、第2の画面の表示データと第3の画面の表示データとのいずれを読み出すことも考えられる。この場合、いずれの画面を優先して読み出すか、すなわち、特定画面に対応した画面表示への切り替えを優先するか特定の状態に対応した画面表示への切り替えを優先するかを予め設定しておいてもよいし、いずれを優先するかを決定するためのルールを予め設定しておいてそのルールに従って都度、決定されてもよい。
【0107】
<動作フロー>
図23〜
図25は、それぞれ、第3の実施の形態にかかる表示制御の流れを表わすフローチャートである。
図23は特定画面に対応した画面表示への切り替えを優先する場合の動作の流れを表わし、
図24は特定の状態に対応した画面表示への切り替えを優先する場合の動作の流れを表わし、
図25はその都度いずれを優先するかを決定する場合の動作の流れを表わしている。
【0108】
すなわち、特定画面に対応した画面表示への切り替えを優先する場合、
図23を参照して、CPU20は上記アプリケーションを起動し、リモートパネル動作を開始する(ステップS301)。次に、CPU20は、端末装置200の把持状況を検知して、片手で把持されているか両手で把持されているかを判断する(ステップS303)。
【0109】
端末装置200が両手で把持されている場合(ステップS303でYES)、CPU20は、表示している操作画面が特定画面であるか否かを判断する(ステップS305)。また、CPU20は、さらに、MFP100が特定の状態であるか否かを判断する(ステップS307,S311)。
【0110】
その結果、表示している操作画面が特定画面であった場合には(ステップS305でYES)、MFP100が特定の状態であってもなくても(ステップS307でYES、NOいずれも)、表示中の操作画面を両手で把持されているときの画面である第2の画面に切り替える(ステップS309)。
【0111】
一方、表示している操作画面が特定画面でない場合には(ステップS305でNO)、MFP100が特定の状態であった場合には(ステップS311でYES)、CPU20は、表示中の操作画面をMFP100の状態を通知するための画面である第3の画面に切り替える(ステップS313)。MFP100が特定の状態でない場合には(ステップS311でNO)、CPU20は表示の切り替えを行なわずに、表示中の画面を継続する。
【0112】
以降、同様に、CPU20は表示した画面に対するユーザーからの操作入力を受け付け(ステップS315)、リモートパネル動作の継続中は(ステップS317でNO)、上記ステップS303〜S315を繰り返す。そして、CPU20は、リモートパネル動作が終了すると(ステップS317でYES)、一連の動作を終了する。
【0113】
特定の状態に対応した画面表示への切り替えを優先する場合、
図24を参照して、MFP100が特定の状態であった場合には(ステップS307でYES、ステップS311でYES)、表示している操作画面が特定画面であってもなくても(ステップS305でYES、NOいずれも)、CPU20は、表示中の操作画面をMFP100の状態を通知するための画面である第3の画面に切り替える(ステップS309’、ステップS313)。
【0114】
一方、MFP100が特定の状態でない場合には、表示している操作画面が特定画面である場合には(ステップS305でYES、かつステップS307でNO)、CPU20は表示中の操作画面を両手で把持されているときの画面である第2の画面に切り替え(ステップS308)、表示している操作画面が特定画面でない場合には(ステップS305でNO、かつステップS311でNO)、CPU20は表示の切り替えを行なわずに、表示中の画面を継続する。
【0115】
その都度、いずれを優先するかを決定する場合、
図25を参照して、表示している操作画面が特定画面であり(ステップS305でYES)、かつ、MFP100が特定の状態であった場合(ステップS307でYES)、CPU20は、設定されているルールを確認して、特定画面に対応した画面表示へ切り替えるか、特定の状態に対応した画面表示へ切り替えるかを判断する(ステップS401)。
【0116】
その結果、特定画面に対応した画面表示へ切り替えることが設定されていると判断した場合(ステップS401でYES)、CPU20は、表示中の操作画面を両手で把持されているときの画面である第2の画面に切り替える(ステップS403)。そうでない場合には(ステップS401でNO)、CPU20は、表示中の操作画面をMFP100の状態を通知するための画面である第3の画面に切り替える(ステップS405)。
【0117】
なお、端末装置200の把持状況に応じて表示画面を切り替えるか否かを、操作画面ごとに設定可能としておいてもよい。この設定は、たとえば
図26に表わされたように、操作画面ごとに切り替えのON/OFFを設定するための設定ボタン251等の手段を設けて、ユーザーの操作入力に基づいてなされてもよい。CPU20は、表示している操作画面に対して上記手段によって切り替えOFFが設定されると、その操作画面に関連付けて(たとえばフラグなどを用いて)切り替えOFFを記憶しておき、その操作画面表示中に切り替えの条件を満たした場合であっても、表示を切り替えない。
【0118】
図27は、この場合の表示制御の流れを表わしたフローチャートである。すなわち、
図27を参照して、この場合、PCU20は、リモートパネル動作を開始して(ステップS501)、端末装置200の把持状況が両手で把持されていると検知した場合であっても(ステップS503でYES)、切り替えOFFが設定されていない場合に(ステップS505でNO)CPU20は表示を切り替え(ステップS507)、表示している操作画面について切り替えOFFと設定されている場合には(ステップS505でYES)、表示画面の切り替え(ステップS507)を行なうことなく、その表示を継続する。
【0119】
または、端末装置200の把持状況に応じて表示画面を切り替えるか否かを、一括して設定可能としておいてもよい。さらに、特定画面に対応した画面表示への切り替えと、特定の状態に対応した画面表示への切り替えとを、個別に設定可能としてもよい。この設定は、たとえば
図28に表わされたように、画面表示の切り替えを設定するための画面において特定画面に対応した画面表示への切り替えと特定の状態に対応した画面表示への切り替えとのそれぞれについてのON/OFFを設定するようにしてよい。CPU20は、各切り替えについての設定を記憶しておき、その操作画面表示中に切り替えの条件を満たした場合であっても、切り替えOFFと設定されている場合には表示を切り替えない。
【0120】
図29は、この場合の表示制御の流れを表わしたフローチャートである。すなわち、
図29を参照して、この場合、PCU20は、リモートパネル動作を開始して(ステップS601)、端末装置200の把持状況が両手で把持されていると検知した場合であっても(ステップS603でYES)、切り替えが一括してOFFと設定されていない場合には(ステップS605でNO)CPU20は表示を切り替え(ステップS607)、切り替えが一括してOFFと設定されている場合には(ステップS605でYES)、表示画面の切り替え(ステップS607)を行なうことなく、その表示を継続する。なお、この場合には、CPU20は、把持状況の検知自体を行なわないようにしてもよい。
【0121】
<第3の実施の形態の効果>
表示制御装置としての端末装置200において上記の表示制御が行なわれることで、リモートパネル動作において、特定画面が表示されている場合、および/または、MFP100が通知を要する特定の状態となった場合には、端末装置200の把持状況に応じて表示画面が自動的に切り替わる。これにより、ユーザーに自然な操作性を提供することができ、操作効率を格段に向上させることができる。
【0122】
[その他の説明]
(MFPでの動作)
表示データは、一例として、表示のタイミングでMFP100にて生成され、端末装置200に送信される。
図30および
図31は、MFP100での表示データを送信する動作の流れを表わすフローチャートである。
図30は特定画面の表示データを送信する動作を表わし、
図31は特定の状態を報知するための画面の表示データを送信するための動作を表わしている。これらフローチャートに表わされる動作は、MFP100のCPU10がROM21に記憶されているリモートパネル動作を行なうためのアプリケーションであるプログラムをRAM12上に読み出して実行することによって、主にCPU10によって実現される。しかしながら、少なくとも一部が、
図2に表わされたハードウェア構成、またはその他の電気回路などによって実現されてもよい。
【0123】
図30を参照して、ステップS701でリモートパネル動作が開始すると、CPU10は、端末装置200からの操作入力に関する情報に基づいて処理を行なって操作画面を更新する必要があるか否かを判断する(ステップS703)。
【0124】
その結果、画面遷移の必要が生じると(ステップS703でYES)、CPU10は、遷移先の操作画面が特定画面であるか否かを判断する(ステップS705)。遷移先の操作画面が特定画面である場合(ステップS705でYES)、CPU10は、特定画面用の第1の画面の表示データを生成すると共に(ステップS707)、関連付けられている第2の画面の表示データも生成する(ステップS709)。
【0125】
第1の画面と第2の画面とは、予めROM11などのメモリーに記憶されており、CPU10は、その画面から端末装置200の特定を用いるなどして端末装置200の表示データを生成してもよい。または、操作パネル15に表示するための操作画面(特定画面)のデータを用いて第1の画面を生成した上でその表示データを生成し、さらに、その第1の画面を簡易化するなどして第2の画面を生成した上でその表示データを生成するようにしてもよい。
【0126】
CPU10は、両表示データを関連付けて、端末装置200に対して送信する(ステップS711、ステップS713)。
【0127】
遷移先の操作画面が特定画面でない場合には(ステップS705でNO)、CPU10は、操作画面の表示データを生成し(ステップS715)、端末装置200に対して送信する(ステップS717)。
【0128】
CPU10が以上の動作をリモートパネル動作が終了するまで繰り返すことで、リモートパネル動作に伴って操作画面の表示データがMFP100から端末装置200に送信されることになる。
【0129】
図31を参照して、ステップS801でリモートパネル動作が開始すると、CPU10は、当該MFP100が特定の状態であるか否かを判断する(ステップS803)。MFP100が特定の状態である場合(ステップS803でYES)、その状態を報知するための画面である第3の画面の表示データを生成し(ステップS805)、端末装置200に対して送信する(ステップS807)。
【0130】
CPU10が以上の動作をリモートパネル動作が終了するまで繰り返すことで、リモートパネル動作中に特定の状態となった場合に、その状態を報知するための第3の画面の表示データがMFP100から端末装置200に送信されることになる。また、この例のように、MFP100が特定の状態となった際に第3の画面の表示データを端末装置200に対して送信するようにすることで、MFP100から端末装置200に対して、特定の状態となったことが通知されることにもなる。
【0131】
第3の実施の形態のように、MFP100でも
図30の動作と
図31の動作とを組み合わせてもよい。すなわち、
図32を参照して、ステップS901でリモートパネル動作が開始すると、CPU10は、端末装置200からの操作入力に関する情報に基づいて処理を行なって操作画面を更新する必要があるか否かを判断する(ステップS903)。
【0132】
その結果、画面遷移の必要が生じると(ステップS903でYES)、CPU10は、遷移先の操作画面が特定画面であるか否かを判断する(ステップS905)。また、CPU10は、当該MFP100が特定の状態であるか否かを判断する(ステップS907)。
【0133】
遷移先の操作画面が特定画面であり、かつ、MFP100が特定の状態ではない場合(ステップS905でYES、かつ、ステップS907でNO)、CPU10は、特定画面用の第1の画面の表示データを生成すると共に(ステップS909)、関連付けられている第2の画面の表示データも生成する(ステップS911)。そして、CPU10は、両表示データを関連付けて、端末装置200に対して送信する(ステップS913、ステップS915)。
【0134】
遷移先の操作画面が特定画面であり、かつ、MFP100が特定の状態である場合(ステップS905でYES、かつ、ステップS907でYES)、CPU10は、特定画面用の第1の画面の表示データおよび第2の画面の表示データを生成すると共に(ステップS917、ステップS919)、第3の画面の表示データを生成する(ステップS921)。そして、CPU10は、これらの表示データを端末装置200に対して送信する(ステップS923〜S927)。
【0135】
遷移先の操作画面が特定画面ではなく、かつ、MFP100が特定の状態である場合(ステップS905でNO、かつ、ステップS929でYES)、CPU10は、操作画面の表示データおよび第3の画面の表示データを生成する(ステップS931、ステップS933)。そして、CPU10は、これらの表示データを端末装置200に対して送信する(ステップS935、ステップS937)。
【0136】
遷移先の操作画面が特定画面ではなく、かつ、MFP100が特定の状態ではない場合(ステップS905でNO、かつ、ステップS929でNO)、CPU10は、操作画面の表示データを生成し(ステップS939)、端末装置200に対して送信する(ステップS941)。
【0137】
(端末装置での表示の切り替え)
端末装置200のCPU20は、先述のように、特定画面の表示中に、把持状態やMFPの状態に応じて表示画面を切り替える。
図33は、CPU20が端末装置200の表示を切り替える動作の流れを表わしたフローチャートである。
【0138】
図33を参照して、ステップS1101でリモートパネル動作が開始すると、CPU20は、把持状況を検知して、片手で把持されている場合には(ステップS1103でYES)、第
1の画面の表示データを読み出して、第
1の画面を表示する(ステップS1105)。
【0139】
両手で把持されている場合であって、MFP100が特定の状態である場合には(ステップS1103でNO、かつ、ステップS1107でYES)、CPU20は、第
2の画面の表示データまたは第3の画面の表示データを読み出して、いずれかの画面を表示する(ステップS1109)。
【0140】
両手で把持されている場合であって、MFP100が特定の状態でない場合には(ステップS1103でNO、かつ、ステップS1107でNO)、CPU20は、第
2の画面の表示データを読み出して、第
2の画面を表示する(ステップS1111)。
【0141】
なお、このとき、CPU20は、把持状態による表示の切り替えの要否を、先の切り替えからの時間経過に基づいて判断するようにしてもよい。すなわち、CPU20は、
図33で表わされた切り替える動作を行なう最短の時間間隔を一定時間として記憶しておき、先の切り替えからの経過時間が上記一定時間よりも長い場合には切り替える動作(判断)を行ない、短い場合には切り替える動作(判断)を行なわないようにしてもよい。
【0142】
上記一定時間は、たとえば
図34に表わされたような設定画面によって、ユーザーの操作入力に従って設定可能であってもよい。または、予め規定されていてもよい。
【0143】
図35を参照して、把持状態が片手での把持から両手への把持に切り替わってから一定時間経過後に片手への把持に切り替わった場合、CPU20は、片手への把持に切り替わったタイミングで、表示の切り替えの要否を判断する。
【0144】
一方、把持状態が片手での把持から両手への把持に切り替わってから一定時間が経過するよりも以前に把持状態が切り替わった場合、CPU20は、その切り替わりによって表示の切り替えの要否を判断しない。これは、たとえば物が当たったり、極めて短い時間把持状態を変化させたりした場合が想定され、その都度表示が切り替わるとユーザーは表示を視認し難くなり、操作性の妨げとなる場合があるからである。そこで、この場合、CPU20は、上記一定時間が経過した後の把持状態で表示の切り替えの要否を判断する。
図35の例の場合には、一定時間が経過した後は、先の把持状態から変化しているため、そのタイミングで表示が切り替わることになる。
【0145】
図36は、この場合の端末装置200の表示を切り替える動作の流れを表わしたフローチャートである。すなわち、
図36を参照して、CPU20は、先に、把持状態の変化を検知して(ステップS1201でYES)、その把持状態に応じて表示画面を切り替えると(ステップS1203)、そのタイミングで計時を開始する。そして、CPU20は、次に把持状態の変化が検知されたときに(ステップS1205)、先の表示の切り替えから一定時間が経過しているか否かを判断する(ステップS1207)。その結果、一定時間が経過していない場合には(ステップS1207でNO)CPU20は表示画面を切り替えることをせず、一定時間が経過している場合にのみ(ステップS1207でYES)、表示画面を切り替える(ステップS1209)。
【0146】
(端末装置での表示データの更新)
先述のように、MFP100は操作画面を更新するタイミングで特定画面である場合には第1の画面の表示データと第2の画面の表示データとを端末装置200に対して送信する。端末装置200にはそれら表示データが記憶(蓄積)され、把持状態に応じてその表示データを用いて表示が切り替わることになる。
【0147】
操作項目を含んだ第1の画面に対してユーザーによって操作入力がなされてその画面の表示が更新されることになると、関連付けられている第2の画面も更新が必要となる場合がある。しかしながら、蓄積されている第2の画面の表示データにはその更新が反映されていないために、第1の画面の操作中に把持状態が変化して第2の画面に切り替わる際に、蓄積されている表示データを用いると第1の画面と第2の画面とで表示が一致しない場合が生じる。
【0148】
そこで、端末装置200は、第1の画面に対してユーザーによる操作入力があった場合、MFP100に対して、蓄積している第2の画面の表示データの更新を要求するようにしてもよい。
図37は、その場合の画像処理システムでの動作の流れを表わすフローチャートである。
【0149】
図37を参照して、ステップS1301で端末装置200のCPU20がMFP100から表示データを受信し、ステップS1303でその表示データに基づいた第1の画面を表示する。ステップS1305で第1の画面に対するユーザーの操作入力を受け付けると、MFP100がトラブル発生状態などの特定の状態でない場合には(ステップS1307でNO)、端末装置200のCPU20は、ユーザーによる操作入力に関する情報をMFP100に対して送信すると共に、第1の画面の更新を要求する(ステップS1309)。このとき、端末装置200に第2の画面の表示データがすでに記憶(蓄積)されている場合(ステップS1311でYES)、CPU20は、第2の画面についてもMFP100に対して更新を要求する(ステップS1313)。
【0150】
この要求を受けて、MFP100のCPU10は、更新後の第1の画面および第2の画面の表示データを作成し(ステップS1315)、その表示データを端末装置200に対して送信する(ステップS1317)。このとき、第1の画面および第2の画面の少なくとも一方について更新の必要がない場合には、CPU10は表示データの作成および送信を行なわないようにしてもよい。
【0151】
(他の例)
さらに、上述の表示制御を、端末装置200のCPU20や、MFP100のCPU10や、図示しない他の装置のCPUに実行させて表示制御装置として機能させるためのプログラム(アプリケーション)を提供することもできる。このようなプログラムは、コンピューターに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピューター読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピューターに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0152】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピューターのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0153】
また、本発明にかかるプログラムは、リモートパネル動作実行のプログラムなどの他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0154】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0155】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。