特許第6048228号(P6048228)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6048228サービス提供装置および情報端末へのサービス提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6048228
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】サービス提供装置および情報端末へのサービス提供方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20161212BHJP
【FI】
   H04M1/00 V
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-45996(P2013-45996)
(22)【出願日】2013年3月7日
(65)【公開番号】特開2014-175808(P2014-175808A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】押之見 章彦
【審査官】 白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−086641(JP,A)
【文献】 特開2006−004261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00−7/12
7/34−7/36
50/00−50/90
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーションセンサーを備えた情報端末にサービスを提供するサービス提供装置であって、
載置台に載置された前記情報端末と無線通信する無線通信手段と、
前記無線通信手段を介して前記情報端末から前記モーションセンサーの検出結果を取得し、当該検出結果に基づいて前記情報端末の前記載置台への置き方を前記情報端末の前記載置台における載置状態として検出する載置状態検出手段と、
前記載置状態検出手段により検出された前記載置状態に基づいて、前記情報端末に提供するサービスを決定する提供サービス決定手段と、
前記無線通信手段を介して前記情報端末に、前記提供サービス決定手段により決定された前記サービスを提供するサービス提供手段と、を有する
ことを特徴とするサービス提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサービス提供装置であって、
それぞれ異なるネットワークに接続する複数のネットワーク接続手段を有し、
前記サービス提供手段は、
前記提供サービス決定手段により決定された前記サービスが、所定のネットワークへの接続サービスを含むならば、当該所定のネットワークに接続する前記ネットワーク接続手段と前記無線通信手段との間を中継して、前記情報端末を当該所定のネットワークに接続する
ことを特徴とするサービス提供装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のサービス提供装置であって、
複数の記憶手段をさらに有し、
前記サービス提供手段は、
前記提供サービス決定手段により決定された前記サービスが、前記複数の記憶手段のいずれか一つの記憶手段への接続サービスを含むならば、当該一つの記憶手段と前記無線通信手段との間を中継して、前記情報端末を当該一つの記憶手段に接続する
ことを特徴とするサービス提供装置。
【請求項4】
請求項1ないしのいずれか一項に記載のサービス提供装置であって、
前記載置状態検出手段により検出された前記載置状態に関する情報および前記提供サービス決定手段により決定された前記サービスに関する情報の少なくとも一方を、前記無線通信手段を介して前記情報端末に通知する情報通知手段をさらに有する
ことを特徴とするサービス提供装置。
【請求項5】
サービス提供装置によるモーションセンサーを備えた情報端末へのサービス提供方法であって、
前記サービス提供装置は、
無線通信により載置台に載置された前記情報端末から前記モーションセンサーの検出結果を取得し、当該検出結果に基づいて前記情報端末の前記載置台への置き方を前記情報端末の前記載置台における載置状態として検出し、
当該検出された載置状態に基づいて、前記情報端末に提供するサービスを決定し、
当該決定したサービスを、前記情報端末との無線通信を介して当該情報端末に提供する
ことを特徴とする情報端末へのサービス提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末へのサービス提供技術に関し、特に、情報端末に提供するサービスを自動的に切り換える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車載装置との間で、ハンズフリー電話のための無線通信を行う携帯端末装置の電力消費を抑えることができる車載システムが開示されている。この車載システムは、携帯端末装置あるいは車載装置の現在地を検出し、この現在地が、自宅位置、車両が走行する経路の目的地あるいは経由地等の予め登録された特定位置を示しているならば、操作者が車両(車載装置)から離れて携帯端末装置を単独使用するものと判断して、携帯端末装置の車載装置との無線通信機能(ハンズフリー電話機能)を無効にする。これにより、消費電力を削減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−169792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、スマートホン、タブレット端末等の情報端末がビジネスで利用されるようになってきており、これに伴い、一台の情報端末をビジネスおよびプライベートの両方で利用するケースが増えてきている。この場合、セキュリティ等の理由により、ビジネスおよびプライベートで利用サービスを使い分けることが好ましいが、その変更を手動で行うことは、非常に煩わしく非効率であるという問題がある。
【0005】
なお、特許文献1に記載の技術を情報端末の利用サービス変更に応用することも可能である。しかし、この技術は、携帯端末装置あるいは車載装置の現在地に基づいて無線通信機能の有効無効を切り替える技術であり、テレワーク等の、地理的に同じ位置で情報端末がビジネスおよびプライベートの両方に利用されるケースには対応できない。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、操作者の簡単な動作で、情報端末に提供するサービスを切り替える技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明において、サービス提供装置は、載置台に載置された情報端末の載置状態を検出し、この検出結果に基づいて、情報端末に提供するサービスを決定する。そして、決定したサービスを、情報端末との通信を介して、この情報端末に提供する。
【0008】
例えば、本発明は、モーションセンサーを備えた情報端末にサービスを提供するサービス提供装置であって、
載置台に載置された前記情報端末と無線通信する無線通信手段と、
前記無線通信手段を介して前記情報端末から前記モーションセンサーの検出結果を取得し、当該検出結果に基づいて前記情報端末の前記載置台への置き方を前記情報端末の前記載置台における載置状態として検出する載置状態検出手段と、
前記載置状態検出手段により検出された前記載置状態に基づいて、前記情報端末に提供するサービスを決定する提供サービス決定手段と、
前記無線通信手段を介して前記情報端末に、前記提供サービス決定手段により決定された前記サービスを提供するサービス提供手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、情報端末の載置台への載置状態(置き場所、置き方等)を変更するだけで、情報端末に提供するサービスを自動的に切り替えることができるので、操作者は、簡単な動作で、情報端末に提供するサービスを切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る通信システムの概略図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係る通信システムの、情報端末2が充電エリア10Aに載置された場合における動作例を説明するためのシーケンス図である。
図3図3は、本発明の一実施の形態に係る通信システムの、情報端末2が充電エリア10Bに載置された場合における動作例を説明するためのシーケンス図である。
図4図4は、中継装置1の概略機能構成図である。
図5図5は、中継装置1の動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る通信システムの概略図である。
【0013】
図示するように、本実施の形態に係る通信システムにおいて、中継装置1は、スマートホン、タブレット端末等の情報端末2との無線通信機能を備え、インターネット等のWAN3に接続されるとともに、WAN3上に構築されたVPN(Virtual Private Network)4を介して、社内LAN、宅内LAN、構内LAN等のLAN5にも接続される。なお、LAN5の代わりに、通信キャリア、自治体等が運営する閉域網に接続されてもよい。
【0014】
また、中継装置1は、少なくとも2つの充電エリア10A、10Bを備えたワイヤレス充電台10を有しており、このワイヤレス充電台10に載置された情報端末2をワイヤレスで充電するとともに、無線通信を介してこの情報端末2に、ワイヤレス充電台10における情報端末2の載置状態(充電エリア10Aに載置されているか、それとも充電エリア10Bに載置されているか)に基づいて、プライベート用のネットワーク接続サービス、あるいはビジネス用のネットワーク接続サービスを提供する。
【0015】
本実施の形態では、情報端末2が充電エリア10Aに載置されている場合に、プライベート用のネットワーク接続サービスが情報端末2に提供され、情報端末2が充電エリア10Bに載置されている場合に、ビジネス用のネットワーク接続サービスが情報端末2に提供される。また、中継装置1は、プライベート用のネットワーク接続サービスでは、WAN3に情報端末2を接続し、ビジネス用のネットワーク接続サービスでは、WAN3およびVPN4を介してLAN5に情報端末2を接続する。
【0016】
図2は、本実施の形態に係る通信システムの、情報端末2が充電エリア10Aに載置された場合における動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0017】
まず、情報端末2は、中継装置1から定期的に送信されるビーコン信号等の受信強度に基づいて、自情報端末2が中継装置1の無線通信エリアに進入していることを検出すると(S100)、中継装置1から応答を受信するまで、自情報端末2の認証情報(ID、パスワード等)を含む帰属要求を中継装置1に対して定期的に送信する(S101)。一方、中継装置1は、情報端末2がワイヤレス充電台10に載置されるまで、この帰属要求を無視する。
【0018】
つぎに、操作者により中継装置1のワイヤレス充電台10の充電エリア1Aに情報端末2が載置されたものとする(S102)。これを受けて、中継装置1は、ワイヤレス充電台10の充電エリア10Aに情報端末2が載置されたことを検出する(S103)。そして、情報端末2が帰属要求を送信したならば(S104)、中継装置1は、これを受信して、この帰属要求に含まれている認証情報を、自中継装置1に予め登録されている認証情報と照合して認証処理を行う。そして、認証成立したならば、中継装置1は、帰属処理を行って、この情報端末2を自中継装置1に帰属させ(S105)、それから、情報端末2に帰属許可を通知する(S106)。
【0019】
つぎに、中継装置1は、情報端末2と連携して、ワイヤレス充電台10の充電エリア10Aによる情報端末2のワイヤレス充電を開始する(S107)。情報端末2のワイヤレス充電台10に対する載置状態が充電エリア10Aへの載置であるため、中継装置1は、情報端末2に提供するネットワーク接続サービスとしてプライベート用のネットワーク接続サービスを決定する。そして、プライベート用のネットワーク接続サービスに従い、PPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet(Ethernetは登録商標))等の通信プロトコルによりWAN3への接続処理を行い(S108)、情報端末2とWAN3との間の中継処理を開始する(S109)。さらに、中継装置1は、情報端末2に、ワイヤレス充電台10に対する情報端末2の載置状態(充電エリア10Aに載置)を送信する(S110)。
【0020】
さて、情報端末2は、中継装置1から情報端末2の載置状態を受信すると、この載置状態が充電エリア10Aへの載置を示していることを確認し、プライベート用の設定アプリケーションであるWebブラウザを起動する(S111)。これにより、操作者は、Webブラウザを介してWAN3上のサイトを閲覧することができる。
【0021】
図3は、本発明の一実施の形態に係る通信システムの、情報端末2が充電エリア10Bに載置された場合における動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0022】
まず、情報端末2は、中継装置1から定期的に送信されるビーコン信号等の受信強度に基づいて、中継装置1の無線通信エリアに自情報端末2が進入していることを検出すると(S120)、中継装置1から応答を受信するまで、自情報端末2の認証情報を含む帰属要求を中継装置1に対して定期的に送信する(S121)。一方、中継装置1は、情報端末2がワイヤレス充電台10に載置されるまで、この帰属要求を無視する。
【0023】
つぎに、操作者により中継装置1のワイヤレス充電台10の充電エリア1Bに情報端末2が載置されたものとする(S122)。これを受けて、中継装置1は、ワイヤレス充電台10の充電エリア10Bに情報端末2が載置されたことを検出する(S123)。そして、情報端末2が帰属要求を送信したならば(S124)、中継装置1は、これを受信して、この帰属要求に含まれている認証情報を、自中継装置1に予め登録されている認証情報と照合して認証処理を行う。そして、認証成立したならば、中継装置1は、帰属処理を行って、この情報端末2を自中継装置1に帰属させ(S125)、それから、情報端末2に帰属許可を通知する(S126)。
【0024】
つぎに、中継装置1は、情報端末2と連携して、ワイヤレス充電台10の充電エリア10Bによる情報端末2のワイヤレス充電を開始する(S127)。情報端末2のワイヤレス充電台10に対する情報端末2の載置状態が充電エリア10Bへの載置であるため、中継装置1は、情報端末2に提供するネットワーク接続サービスとしてビジネス用のネットワーク接続サービスを決定する。そして、ビジネス用のネットワーク接続サービスに従い、PPPoE等の通信プロトコルによりWAN3への接続処理を行うとともに(S128)、IPSec(Security Architecture for Internet Protocol)等の暗号通信プロトコルにより、WAN3上に構築され、LAN5と接続するVPN4への接続処理を行い(S129)、情報端末2とLAN5との間の中継処理を開始する(S130)。さらに、中継装置1は、情報端末2に、ワイヤレス充電台10に対する情報端末2の載置状態(充電エリア10Bに載置)を送信する(S131)。
【0025】
さて、情報端末2は、中継装置1から情報端末2の載置状態を受信すると、この載置状態が充電エリア10Bへの載置を示していることを確認し、ビジネス用の設定アプリケーションであるシンクライアントプログラムを起動する(S132)。これにより、操作者は、シンクライアントプログラムを介して、LAN5内のシンクライアントサーバが提供する各種サービスを利用することができる。
【0026】
つぎに、中継装置1の詳細を説明する。なお、情報端末2は、ワイヤレス充電機能を備え、かつ、中継装置1から情報端末2の載置状態を受信する手段および受信した載置状態に基づいてプログラムを起動する手段を有するものならば、スマートホン、タブレット端末等、どのような情報端末でも用いることができるので、その詳細な説明を省略する。
【0027】
図4は、中継装置1の概略機能構成図である。
【0028】
図示するように、中継装置1は、ワイヤレス充電台10と、無線インターフェース部11と、有線インターフェース部12と、充電制御部13と、認証・帰属処理部14と、載置状態送信部15と、提供サービス決定部16と、WAN接続処理部17と、VPN接続処理部18と、中継制御部19と、を備えている。
【0029】
ワイヤレス充電台10は、情報端末2をワイヤレスで充電するための充電台であり、充電エリア10Aに載置された情報端末2をワイヤレスで充電するワイヤレス充電部101Aと、充電エリア10Bに載置された情報端末2をワイヤレスで充電するワイヤレス充電部101Bと、を有する。
【0030】
無線インターフェース部11は、無線を介して情報端末2と通信するためのインターフェースであり、有線インターフェース部12は、有線を介してWAN3と通信するためのインターフェースである。
【0031】
充電制御部13は、ワイヤレス充電部101A、101Bによる充電を制御する。また、充電制御部13は、ワイヤレス充電部101A、101B(充電エリア10A、10B)と情報端末2との電気的な接続を検出することにより、情報端末2の載置状態(充電エリア10Aに載置されているか、充電エリア10Bに載置されているか、それともいずれの充電エリア10A、10Bにも載置されていないか)を検出する。なお、情報端末2の載置状態の検出は、例えば、充電エリア10A、10Bから光を出力して、充電エリア10A、10Bに載置された情報端末2によるその反射光を検出する光学センサ、充電エリア10A、10Bに対する荷重を機械的に検出する機械センサ、充電エリア10A、10Bから電磁波を出力して、充電エリア10A、10Bに載置された情報端末2によるその反射波を検出する電磁波センサ等を用いて行うようにしてもよい。
【0032】
認証・帰属処理部14は、情報端末2がワイヤレス充電台10の充電エリア10A、10Bに載置されている場合(充電制御部13で検出された載置状態が、充電エリア10Aあるいは充電エリア10Bに情報端末2が載置されていることを示している場合)に、無線インターフェース部11を介して情報端末2から帰属要求を受信し、この帰属要求に含まれている認証情報を、予め登録されている認証情報と照合することにより認証処理を行う。そして、情報端末2に対する認証が成立したならば、帰属処理を行って、この情報端末2を自中継装置1に帰属させるとともに、無線インターフェース部11を介してこの情報端末2に帰属許可を送信する。
【0033】
載置状態送信部15は、認証・帰属処理部14によって自中継装置1に帰属した情報端末2に、無線インターフェース部11を介して、充電制御部13により検出された情報端末2の載置状態を送信する。
【0034】
提供サービス決定部16は、充電制御部13により検出された情報端末2の載置状態に基づいて、認証・帰属処理部14によって自中継装置1に帰属した情報端末2に提供するサービスを決定する。具体的には、情報端末2の載置状態が充電エリア10Aへの載置を示している場合、プライベート用のネットワーク接続サービスを、情報端末2に対する提供サービスに決定し、情報端末2の載置状態が充電エリア10Bへの載置を示している場合、ビジネス用のネットワーク接続サービスを、情報端末2に対する提供サービスに決定する。
【0035】
WAN接続処理部17は、中継制御部19の指示に従い、有線インターフェース部12を介して、PPPoE等の通信プロトコルによりWAN3への接続処理を行って、WAN3と接続する。
【0036】
VPN接続処理部18は、中継制御部19の指示に従い、WAN接続処理部17および有線インターフェース部12を介して、IPSec等の暗号通信プロトコルによりVPN4への接続処理を行って、VPN4と接続する。
【0037】
中継制御部19は、提供サービス決定部16により決定されたネットワーク接続サービスを提供する。具体的には、提供サービス決定部16により決定されたネットワーク接続サービスがプライベート用のネットワーク接続サービスである場合、WAN接続処理部17にWAN3の接続処理を行わせてWAN3に接続させるとともに、WAN接続処理部17と無線インターフェース部11との間を中継する。これにより、自中継装置1に帰属している情報端末2をWAN3に接続する。また、提供サービス決定部16により決定されたネットワーク接続サービスがビジネスト用のネットワーク接続サービスである場合、WAN接続処理部17にWAN3の接続処理を行わせてWAN3に接続させ、かつVPN接続処理部18にVPN4の接続処理を行わせてVPN4に接続させるとともに、VPN接続処理部18と無線インターフェース部11との間を中継する。これにより、自中継装置1に帰属している情報端末2を、VPN4と接続するLAN5に接続する。
【0038】
図5は、中継装置1の動作を説明するためのフロー図である。
【0039】
まず、充電制御部13は、ワイヤレス充電台10の充電エリア10A、10Bのいずれか一方に情報端末2が載置されたことを検出すると(S200でYES)、その旨を認証・帰属処理部14に通知する。これを受けて、認証・帰属処理部14は、無線インターフェース部11を介して情報端末2から帰属要求が送られてくるのを待つ(S201)。そして、情報端末2から帰属要求を受信したならば(S201でYES)、この帰属要求に含まれている認証情報を、予め登録されている認証情報と照合することにより認証処理を行う(S202)。
【0040】
この認証処理が不成立となった場合(S203でNO)、認証・帰属処理部14は、無線インターフェース部11を介して情報端末2に帰属拒否を送信する(S204)。その後、S200に戻る。
【0041】
一方、この認証処理が成立した場合(S203でYES)、認証・帰属処理部14は、帰属処理を行って、情報端末2を自中継装置1に帰属させるとともに、無線インターフェース部11を介して情報端末2に帰属許可を送信する(S205)。また、その旨を充電制御部13に通知する。これを受けて、充電制御部13は、提供サービス決定部16に、情報端末2のワイヤレス充電台10に対する載置状態を通知して提供サービス決定を指示するとともに、載置状態送信部15に、この載置状態を通知して、自中継装置1に帰属させた情報端末2への送信を指示する。
【0042】
つぎに、提供サービス決定部16は、充電制御部13から提供サービス決定の指示を受け付けると、この指示とともに充電制御部13から受け取った情報端末2の載置状態に基づいて、情報端末2に対する提供サービスを決定する(S206)。具体的には、情報端末2の載置状態が充電エリア10Aへの載置を示している場合、プライベート用のネットワーク接続サービスを情報端末2に対する提供サービスに決定し、情報端末2の載置状態が充電エリア10Bへの載置を示している場合、ビジネス用のネットワーク接続サービスを情報端末2に対する提供サービスに決定する。そして、決定した提供サービスを中継制御部19に通知する。
【0043】
ここで、提供サービス決定部16によりプライベート用のネットワーク接続サービスが情報端末2に対する提供サービスとして決定された場合(S206で「プライベート」)、中継制御部19は、WAN接続処理部17にWAN3との接続処理を行わせてWAN3に接続させるとともに(S207)、WAN接続処理部17と無線インターフェース部11との間を中継する。これにより、自中継装置1に帰属している情報端末2をWAN3に接続する(S208)。
【0044】
一方、提供サービス決定部16によりビジネス用のネットワーク接続サービスが情報端末2に対する提供サービスとして決定された場合(S206で「ビジネス」)、中継制御部19は、WAN接続処理部17にWAN3との接続処理を行わせてWAN3に接続させ(S209)、かつVPN接続処理部18にVPN4との接続処理を行わせてVPN4に接続させるとともに(S210)、VPN接続処理部18と無線インターフェース部11との間を中継する。これにより、自中継装置1に帰属している情報端末2をVPN4と接続するLAN5に接続する(S211)。
【0045】
また、載置状態送信部15は、充電制御部13から自中継装置1に帰属している情報端末2への載置状態の送信指示を受け付けると、この指示とともに充電制御部13から受け取った情報端末2載置状態を、無線インターフェース部11を介してこの情報端末2に送信する(S212)。
【0046】
その後、充電制御部13は、ワイヤレス充電台10の充電エリア10A、10Bのいずれかに載置されていた情報端末2がワイヤレス充電台10から取り外されたことを検出すると(S213でYES)、その旨を提供サービス決定部16に通知する。これを受けて、提供サービス決定部16は、情報端末2に対するサービス提供終了を決定し、その旨を中継制御部19に通知する。中継制御部19は、提供サービス決定部16から受け付けたサービス提供終了の指示に従い、ネットワーク接続サービスを終了して(S214)、S200に戻る。具体的には、情報端末2に対する提供サービスがプライベート用のネットワーク接続サービスの場合は、WAN接続処理部17にWAN3との接続を切断させるとともに、無線インターフェース部11およびWAN接続処理部17間の中継を終了する。また、情報端末2に対する提供サービスがビジネス用のネットワーク接続サービスの場合は、VPN接続処理部18にVPN4との接続を切断させ、かつWAN接続処理部17にWAN3との接続を切断させるとともに、無線インターフェース部11およびVPN接続処理部18間の中継を終了する。
【0047】
以上、本発明の一実施の形態を説明した。
【0048】
本実施の形態において、中継装置1は、ワイヤレス充電台10に載置された情報端末2の載置状態を検出し、この検出した載置状態に基づいて、情報端末2に対する提供サービスを決定する。そして、無線通信を介して情報端末2に、決定したサービスを提供する。具体的には、情報端末2の載置状態が充電エリア10Aへの載置を示している場合、プライベート用のネットワーク接続サービスを情報端末2に対する提供サービスに決定し、情報端末2の載置状態が充電エリア10Bへの載置を示している場合、ビジネス用のネットワーク接続サービスを情報端末2に対する提供サービスに決定する。そして、決定された提供サービスがプライベート用のネットワーク接続サービスならば、WAN3への接続処理を行って、情報端末2をWAN3に接続する。また、決定された提供サービスがビジネスト用のネットワーク接続サービスならば、WAN3およびVPN4への接続処理を行って、情報端末2をVPN4と接続するLAN5に接続する。
【0049】
このように本実施の形態によれば、情報端末2のワイヤレス充電台10への置き場所(充電エリア10A、10B)を変更するだけで、情報端末2に対するサービス(プライベート用のネットワーク接続サービス、ビジネス用のネットワーク接続サービス)を自動的に切り替えることができる。このため、操作者は、簡単な動作で、情報端末2に対する提供サービスを切り替えることが可能となる。
【0050】
また、本実施の形態において、中継装置1は、情報端末2がワイヤレス充電台10に載置された場合に、無線通信を介して情報端末2にその載置状態を通知する。このため、情報端末2は、中継装置1から通知された自身の載置状態に基づいて、起動するアプリケーションを決定することが可能となり、情報端末2の使い勝手が向上する。
【0051】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0052】
例えば、上記の実施の形態において、ワイヤレス充電台10の充電エリアを3以上設け、これに応じて中継装置1が情報端末2に提供するサービスを3種以上としてもよい。
【0053】
また、上記の実施の形態において、中継装置1は、情報端末2のワイヤレス充電台10への置き場所(充電エリア10A、10B)を載置状態として検出しているが、本発明はこれに限定されない。情報端末2のワイヤレス充電台10への置き方(縦置き、横置き等の姿勢)を情報端末2の載置状態として検出してもよい。なお、情報端末2のワイヤレス充電台10への置き方は、例えばデジタルカメラで撮像した、情報端末2が載置されたワイヤレス充電台10の画像データに画像認識処理を施すことにより特定してもよいし、モーションセンサーの検出結果を情報端末2に問い合わせることによって特定してもよい。
【0054】
また、上記の実施の形態において、中継装置1は、ワイヤレス充電台10に載置された情報端末2にプライベート用あるいはビジネス用のネットワーク接続サービスを提供している。しかし、情報端末2に提供するサービスは、ネットワーク接続サービスに限定されない。ネットワーク接続サービスに代えて、あるいはネットワーク接続サービスに加えて他のサービスを提供してもよい。
【0055】
例えば、中継装置1に、プライベート用およびビジネス用の記憶エリアを備えた記憶部を設ける。そして、ワイヤレス充電台10に載置された情報端末2の載置状態に基づいて決定された情報端末2に対する提供サービスがプライベート用のサービスならば、上述のプライベート用のネットワーク接続サービスに加え、プライベート用のストレージサービスを情報端末2に提供させる。すなわち、中継制御部19に、無線インターフェース部11とプライベート用の記憶エリアとの間を中継させて、無線通信を介して情報端末2にプライベート用の記憶エリアへのアクセスを許可する。また、決定された情報端末2に対する提供サービスがビジネス用のサービスならば、上述のビジネス用のネットワーク接続サービスに加え、ビジネス用のストレージサービスを情報端末2に提供させる。すなわち、中継制御部19に、無線インターフェース部11とビジネス用の記憶エリアとの間を中継させて、無線通信を介して情報端末2にビジネス用の記憶エリアへのアクセスを許可する。
【0056】
また、上記の実施の形態において、中継装置1は、自中継装置1に帰属した情報端末2に載置状態を通知しているが、本発明はこれに限定されない。情報端末2の載置状態に代えて、この載置状態に基づいて決定された情報端末2に対する提供サービスの内容を通知してもよい。
【0057】
また、上記の実施の形態において、中継装置1は、情報端末2のワイヤレス充電台10への載置状態を検出しているが、本発明は、情報端末2の載置台への載置状態を検出するものであればよい。載置台は、ワイヤレス充電台でなくても構わない。
【0058】
また、上記の実施の形態において、図4に示す中継装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびモデム、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースを備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されるものでもよい。
【0059】
また、上記の実施の形態では、載置台に載置された情報端末2をWAN3あるいはLAN5に接続する中継装置1に適用した場合を例にとり説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明は、載置台に載置された情報端末2に複数種類のサービスを提供するサービス提供装置に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1:中継装置、 2:情報端末、 3:WAN、 4:VPN、 5:LAN、 10:ワイヤレス充電台、10A、10B:充電エリア、 11:無線インターフェース部、 12:有線インターフェース部、 13:充電制御部、 14:認証・帰属処理部、 15:載置状態送信部、 16:提供サービス決定部、 17:WAN接続処理部、 18:VPN接続処理部、 19:中継制御部、 101A、101B:ワイヤレス充電部
図1
図2
図3
図4
図5