(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記記憶制御部は、前記送信制御部によるファクシミリ送信が失敗した場合において、ファクシミリ送信の失敗から予め定めた保存時間が経過した場合、前記送信履歴記憶部から前記相手先情報を削除する、請求項1又は請求項2に記載の通信装置。
前記記憶制御部は、前記送信制御部によるファクシミリ送信が失敗した場合において、前記保存時間が経過した場合、前記送信データ記憶部から前記送信データを削除する、請求項3に記載の通信装置。
前記取得部は、前記送信制御部によるファクシミリ送信が失敗した場合、前記携帯端末装置から、失敗したファクシミリ送信の再送信を指示するための再送指示を前記第1通信部を介して取得し、
前記送信制御部は、前記取得部で前記再送指示が取得された場合、前記送信履歴記憶部に記憶された前記相手先情報に従い、前記相手先情報に対応付けられ且つ前記送信データ記憶部に記憶された前記送信データを前記第2通信部からファクシミリ送信する制御を行う、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。他の構成を含むようにしてもよい。
【0017】
<通信システム>
通信システム10の概略について、
図1を参照して説明する。通信システム10は、通信装置20と、携帯端末装置50と、相手先装置80を含む。通信装置20は、例えば、ファクシミリ機能と、スキャン機能と、コピー機能を備えた複合機である。通信装置20は、公衆回線12に接続される。公衆回線12は、所定の通信事業者によって構築された、光回線及び/又はPSTN(Public Switched Telephone Networks)である。また、公衆回線12は、携帯電話機のための回線(例えば、3G回線及び/又はLTE(Long Term Evolution))を含む。本実施形態における公衆回線12は、特定の通信回線を意味するものではなく、各通信事業者と契約した利用者によって利用される各種の通信回線を総称するものである。通信装置20は、公共の場所に設置され、不特定多数の者に利用される場合もある。
【0018】
携帯端末装置50は、スマートフォンである。スマートフォンは、コンピュータ機能を有する携帯電話機である。携帯端末装置50は、公衆回線12を介した通信の他、所定の無線通信によって通信装置20と通信することができる。所定の無線通信の第1方式は、例えば、近距離無線通信(Near Field Communication 以下、「NFC」という)である。所定の無線通信の第2方式は、例えば、無線LAN通信又はBluetooth(登録商標)である。第2方式の無線通信は、第1方式の無線通信より通信範囲が広い無線通信である。本実施形態では、通信装置20と携帯端末装置50の間で利用される無線通信として、NFC(第1方式)と、無線LAN通信(第2方式)を例に説明する。
【0019】
相手先装置80は、ファクシミリ機能を備える公知の通信装置、又は、通信装置20と同じ通信装置である。相手先装置80は、公衆回線12に接続され、通信装置20の通信相手となる。
図1では、1台の相手先装置80が図示されているが、公衆回線12には、複数の相手先装置80が接続されている。相手先装置80に関するこの他の説明は省略する。
【0020】
<通信装置>
通信装置20について、
図1〜
図3を参照して説明する。通信装置20は、CPU22と、ROM24と、RAM26と、印刷部28と、読取部30と、表示部32と、操作部34と、回線通信部36と、近距離通信部38と、無線LAN通信部40と、計時部42を備える。これら各部22〜42は、バス44に接続される。
【0021】
CPU22は、演算処理を実行する。ROM24は、フラッシュメモリによって構成される。ROM24は、通信装置20で実行される各種処理のためのコンピュータプログラムを記憶する記憶領域を含む。ROM24に記憶されたコンピュータプログラムには、例えば、後述する通信装置処理(
図4及び
図5参照)のためのコンピュータプログラムが含まれる。ROM24は、送信履歴用メモリのための記憶領域と、通信管理用メモリのための記憶領域を含む。
【0022】
送信履歴用メモリには、
図2に示すように、通信番号(通信No.)と、端末IDと、相手先情報と、送信データ保存場所と、通信結果が対応付けて記憶される。通信番号は、送信履歴用メモリの各レコードを識別するための識別番号(通し番号)である。端末IDは、携帯端末装置50を識別するための識別情報である。携帯端末装置50は、自装置固有の端末IDを有する。相手先情報は、相手先装置80のFAX番号である。送信データ保存場所は、送信データの保存場所を表す情報(番地)である。送信データは、相手先装置80にファクシミリ送信されるファクシミリデータである。通信装置20は、携帯端末装置50から送信データを取得する。この点については、後述する。送信結果は、送信データのファクシミリ送信の成功(OK)又は失敗(NG)を表す情報である。送信履歴用メモリに対応付けて記憶された各情報は、ファクシミリ送信が失敗した場合の再送信に利用される。
【0023】
通信管理用メモリには、
図3(A)に示すように、通信番号(通信No.)と、端末IDと、相手先情報と、通信結果が対応付けて記憶される。通信番号は、通信管理用メモリの各レコードを識別するための識別番号(通し番号)である。その他の各情報は、上述した通りである。通信管理用メモリに記憶された各情報は、例えば、通信装置20の管理者が通信装置20の利用状況等を管理するために用いられる。通信装置20の一般的な利用者は、通信管理用メモリに記憶された各情報を利用することができない。
【0024】
RAM26は、CPU22が各種のコンピュータプログラムを実行する際に利用される記憶領域となる。RAM26には、各種の処理の実行途中に、処理で利用される所定のデータ(情報)が記憶される。例えば、送信データを記憶するための記憶領域として送信データ用メモリがRAM26に確保される。送信データは、送信データ用メモリ内の所定の番地に保存され記憶される(
図3(B)参照)。
図3(B)は、送信データ用メモリ内の「番地1」に「通信No.1用データ」が記憶され、他の番地(空白とされている「番地欄」参照)には送信データが記憶されておらず、空き領域となっている状態を示す。CPU22は、ROM24に記憶された各種のコンピュータプログラムを実行する等して、通信装置20を制御する。これによって、通信装置20では、各種の処理が実行され、各種の機能が実現される。
【0025】
印刷部28は、通信装置20で受信されたファクシミリデータに対応する画像を、記録用紙に印刷する。読取部30は、原稿を読み取る。表示部32は、諸情報を表示する。表示部32は、例えば、液晶ディスプレイにより構成される。操作部34は、通信装置20に所定の情報又は指示等を入力する際に操作される。操作部34は、複数のキーを含む。操作部34に含まれるキーとしては、テンキーが例示される。操作部34にタッチパッドを設け、タッチパッドと表示部32を組み合わせてタッチパネル機能を実現するようにしてもよい。この場合、操作部34の一部は、タッチパネル機能を利用した構成となる。回線通信部36は、公衆回線12に接続され、公衆回線12を介した通信を実行する。
【0026】
近距離通信部38は、NFCを実行する。無線LAN通信部40は、無線LAN通信を実行する。NFCと無線LAN通信を切り替えながら通信装置20と携帯端末装置50が無線通信する通信技術は、Wi−Fiハンドオーバーと称される。第2方式の無線通信として、Bluetoothが用いられる場合、NFCとBluetoothを切り替えながら通信装置20と携帯端末装置50が無線通信する通信技術は、Bluetoothハンドオーバーと称される。計時部42は、時間経過を計測する。
【0027】
<携帯端末装置>
携帯端末装置50について、
図1を参照して説明する。携帯端末装置50は、CPU52と、ROM54と、RAM56と、表示部58と、操作部60と、カメラ部62と、近距離通信部64と、無線LAN通信部66と、回線通信部68と、計時部70を備える。これら各部52〜70は、バス72に接続される。
【0028】
CPU52は、演算処理を実行する。ROM54は、フラッシュメモリによって構成される。ROM54は、携帯端末装置50で実行される各種処理のためのコンピュータプログラムを記憶する記憶領域を含む。ROM54に記憶されたコンピュータプログラムには、後述する携帯端末処理(
図6参照)のためのコンピュータプログラムが含まれる。携帯端末処理のためのコンピュータプログラムは、例えば、インターネット上の所定のサーバからダウンロードされる等して、ROM54にインストールされる。ROM54は、各種のデータを記憶する記憶領域を含む。各種のデータには、携帯端末装置50の端末IDと、相手先装置80の相手先情報と、送信データが含まれる。送信データとしては、文書データ及び写真データが例示される。文書データは、所定のアプリケーションプログラムによって作成等される。携帯端末装置50とは異なる情報処理装置で作成された文書データが、ROM54に記憶される場合もある。
【0029】
RAM56は、CPU52が各種のコンピュータプログラムを実行する際に利用される記憶領域となる。RAM56には、各種の処理の実行途中に、処理で利用される所定のデータ(情報)が記憶される。CPU52は、ROM54に記憶された各種のコンピュータプログラムを実行する等して、携帯端末装置50を制御する。これによって、携帯端末装置50では、各種の処理が実行され、各種の機能が実現される。
【0030】
表示部58は、諸情報を表示する。表示部58は、例えば、液晶ディスプレイにより構成される。操作部60は、携帯端末装置50に所定の情報又は指示等を入力する際に操作される。操作部60は、所定のキーと、タッチパッドを含む。操作部60の一部は、タッチパッドと表示部58を組み合わせたタッチパネル機能により構成される。カメラ部62は、外界像を撮像する。撮像された外界像に対応した写真データは、例えば、ROM54に記憶される。近距離通信部64は、NFCを実行する。無線LAN通信部66は、無線LAN通信を実行する。通信装置20と携帯端末装置50の間のNFCは、近距離通信部38及び近距離通信部64を介して行われる。通信装置20と携帯端末装置50の間の無線LAN通信は、無線LAN通信部40及び無線LAN通信部66を介して行われる。回線通信部68は、公衆回線12を介した通信を実行する。計時部70は、時間経過を計測する。
【0031】
<通信装置処理>
通信装置20で実行される通信装置処理について、
図4及び
図5を参照して説明する。通信装置処理は、例えば、通信装置20の電源がオンされた場合に開始される。通信装置処理を開始したCPU22は、NFCの接続要求を取得したか否かを判断する(S100)。接続要求は、通信装置20と携帯端末装置50の間のNFCの確立に際し(
図6のS200参照)、携帯端末装置50から送信され、近距離通信部38で受信される。CPU22は、近距離通信部38を介して接続要求を取得する。接続要求を取得していない場合(S100:No)、CPU22は、接続要求が取得されるまで、S100を繰り返して実行する。接続要求を取得した場合(S100:Yes)、CPU22は、NFCにおけるペアリングを実行し、要求元の携帯端末装置50との間でNFCを確立する。
【0032】
CPU22は、携帯端末装置50の端末IDと、ファクシミリ送信の宛先となる相手先装置80の相手先情報を取得する(S102)。端末IDと相手先情報は、携帯端末装置50からNFCによって送信され(
図6のS202参照)、近距離通信部38で受信される。CPU22は、近距離通信部38を介して端末IDと相手先情報を取得する。CPU22は、取得された端末IDと相手先情報を対応付けて送信履歴用メモリに書き込む(S104)。送信履歴用メモリには、取得された端末IDと相手先情報が所定の通信番号(例えば、書き込みのタイミングにおいて最小の番号)に対応付けて記憶される。具体的に、送信履歴用メモリに何れの情報も記憶されておらず、S102で取得された端末IDが「ID1」で、相手先情報が「052−111−2222」であった場合、CPU22は、通信番号「1」に対応付けて「ID1」と「052−111−2222」を送信履歴用メモリに書き込む(
図2(A)参照)。
【0033】
次に、CPU22は、送信データを取得する(S106)。送信データは、NFCが確立された携帯端末装置50から無線LAN通信によって送信され(
図6のS206参照)、無線LAN通信部40で受信される。NFCから無線LAN通信へとする無線通信の方式の変更は、上述したWi−Fiハンドオーバーに従い行われる。CPU22は、無線LAN通信部40を介して送信データを取得する。CPU22は、取得された送信データを送信データ用メモリに保存する(S108)。これによって、送信データが送信データ用メモリの所定の番地に記憶される。CPU22は、S104での書き込みに対応した通信番号(以下、「処理対象の通信番号」という)に対応付けて送信データの保存場所を表す番地を送信履歴用メモリに書き込む。これによって、送信履歴用メモリは、通信番号と、端末IDと、相手先情報と、送信データ保存場所が対応付けて記憶された状態となる。例えば、処理対象の通信番号が「1」(
図2(A)参照)で、S106で取得された送信データが「通信No.1用データ」であったとする。CPU22は、S108で、「通信No.1用データ」を送信データ用メモリの「番地1」に保存する(
図3(B)参照)。そして、CPU22は、処理対象の通信番号「1」に対応付けて送信データ保存場所「番地1」を送信履歴用メモリに書き込む(
図2(B)参照)。
【0034】
CPU22は、S102で取得されS104で記憶された相手先情報と、S108で送信データ用メモリに記憶された送信データを対象としたファクシミリ送信の制御を開始する(S110)。この制御によって、回線通信部36から相手先情報に対応した相手先装置80への送信データのファクシミリ送信が開始される。送信データは、ファクシミリ送信のための通信規格に従った形式に符号化される。CPU22は、S110で開始されたファクシミリ送信が成功したか否かを判断する(S112)。通信装置20がリダイヤル機能を備えているとする。リダイヤル機能は、相手先装置80が通信装置20とは別の通信装置と通信中であった場合等に対応した機能であり、所定間隔で所定回数、相手先装置80へのファクシミリ送信を繰り返して実行する機能である。リダイヤル機能は、ファクシミリ機能を備える公知の通信装置も備える機能であるため、これに関するこの他の説明は省略する。リダイヤル機能を備える通信装置20では、何れかのタイミングで、送信データを相手先装置80にファクシミリ送信できた場合、ファクシミリ送信は成功したと判断(S112:Yes)される。一方、所定回数繰り返しても、送信データを相手先装置80にファクシミリ送信できない場合、ファクシミリ送信は失敗したと判断(S112:No)される。
【0035】
ファクシミリ送信が成功した場合(S112:Yes)、CPU22は、処理対象の通信番号に対応付けて送信結果「OK」を送信履歴用メモリに書き込む(S114)。これによって、送信履歴用メモリは、通信番号と、端末IDと、相手先情報と、送信データ保存場所と、送信結果が対応付けて記憶された状態となる(
図2(C)参照)。続けて、CPU22は、処理対象の通信番号に対応付けて送信履歴用メモリに記憶された、端末IDと相手先情報と送信結果を通信管理用メモリに書き込む(S116)。例えば、通信管理用メモリに何れの情報も記憶されておらず、送信履歴用メモリが
図2(C)の状態であった場合、CPU22は、通信番号「1」に対応付けて「ID1」と「052−111−2222」と「OK」を通信管理用メモリに書き込む(
図3(A)参照)。通信管理用メモリに1以上のレコードが記憶されていた場合、通信番号は、最終レコードの通信番号の次の番号(例えば、通信管理用メモリが
図3(A)の状態であった場合、通信番号「1」の次の「2」)とされる。
【0036】
次に、CPU22は、送信履歴用メモリで処理対象の通信番号に対応付けられた送信データ用保存場所に従い、この保存場所に記憶された送信データを送信データ用メモリから削除する(S118)。続けて、CPU22は、処理対象の通信番号に対応付けられた各情報を送信履歴用メモリから削除する(S120)。S120でCPU22は、処理対象の通信番号についても送信履歴用メモリから削除する。送信履歴用メモリに記憶されたレコードが1つである場合(
図2(C)及び(D)参照)、送信履歴用メモリは、何れの情報も記憶されていない状態(未登録状態)となる。S120を実行した後、CPU22は、通信装置処理を終了する。
【0037】
説明をS112に戻し、ファクシミリ送信が失敗した場合(S112:No)、CPU22は、処理を
図5のS122に移行し、再送フラグが「ON」であるか否かを判断する。再送フラグは、送信履歴用メモリに記憶された処理対象の通信番号に対応付けられた各情報に従ったファクシミリ送信を繰り返して実行するか否かを示す情報であり、初期値は、「OFF」である。再送フラグ「ON」は再実行を示す。再送フラグは、後述する
図5のS130で設定される。CPU22は、S122の移行に際し、表示部32に通信エラー画面を表示する制御を行う。通信エラー画面は、例えば、「通信エラー 再度送信操作を行って下さい」との情報を含む。この制御によって、表示部32には、通信エラー画面が表示される。操作対象の利用者は、表示部32に表示された通信エラー画面を確認することができる。操作対象の利用者は、携帯端末装置50を通信装置20(近距離通信部38)にかざすといった、S100が肯定(S100:Yes)される要因となった操作を行った利用者である。
【0038】
再送フラグが「ON」である場合(S122:Yes)、CPU22は、処理をS126に移行する。再送フラグが「ON」ではない場合(S122:No)、CPU22は、処理対象の通信番号に対応付けて送信結果「NG」を送信履歴用メモリに書き込む(S124)。これによって、送信履歴用メモリは、通信番号と、端末IDと、相手先情報と、送信データ保存場所と、送信結果が対応付けて記憶された状態となる(
図2(D)参照)。S124を実行した後、CPU22は、処理をS126に移行する。
【0039】
S126でCPU22は、ファクシミリ送信の失敗から保存時間が経過しているか否かを判断する。保存時間は、失敗したファクシミリ送信の再送を受け付ける時間として、諸条件を考慮し、適宜設定される。保存時間は、例えば、予め定めた数分程度の時間とされる。保存時間が経過している場合(S126:Yes)、CPU22は、処理を
図4のS116に戻し、S116以降の処理を実行する。この場合、S116では、
図2(D)に基づき、通信管理用メモリに書き込まれる送信結果は「NG」とされる。
【0040】
保存時間が経過していない場合(S126:No)、CPU22は、再送指示を取得したか否かを判断する(S128)。再送指示は、
図4のS110で開始されたファクシミリ送信の再送信を指示するための指令である。再送指示は、
図6のS214で携帯端末装置50からNFCによって送信される。通信装置20では、携帯端末装置50から送信された再送指示が近距離通信部38で受信される。CPU22は、近距離通信部38を介して再送指示を取得する。
【0041】
再送指示を取得していない場合(S128:No)、CPU22は、処理をS126に戻し、S126を実行する。再送指示を取得した場合(S128:Yes)、CPU22は、再送フラグに「ON」を設定する(S130)。その後、CPU22は、処理を
図4のS110に戻し、S110以降の処理を実行する。この場合、S110では、送信履歴用メモリで処理対象の通信番号に対応付けられた相手先情報(
図2(D)に基づけば「052−111−2222」参照)に従い、同じく処理対象の通信番号に対応付けられた送信データ保存場所(
図2(D)に基づけば「番地1」参照)に記憶された送信データ(
図3(B)に基づけば「通信No.1用データ」参照)のファクシミリ送信が開始される。即ち、今回のS110では、前回のS110で失敗したファクシミリ送信が再送信される。
【0042】
<携帯端末処理>
携帯端末装置50で実行される携帯端末処理について、
図6を参照して説明する。携帯端末処理は、携帯端末装置50の利用者(操作対象の利用者)が操作部60を操作し、携帯端末処理のためのコンピュータプログラムを起動させる実行指示を入力した場合に開始される。実行指示の入力に伴い、CPU52は、表示部58に、タッチパネル機能を利用した操作部60を含む送信操作画面を表示する制御を行う。この制御によって、表示部58には、
図7(A)に示すような送信操作画面(但し、「052−111−2222」を例とする相手先情報は非表示)が表示される。操作部60の「再送」ボタンは、押下できない状態(
図7(A)で「再送」の部分における網点は、この状態を示す)とされる。また、操作対象の利用者は、例えば、実行指示の入力後に、送信データの宛先となる相手先情報と、送信データを指定する操作を行う。相手先情報の入力に伴い、送信操作画面には、入力された相手先情報が表示される(
図7(A)参照)。CPU52は、この操作に従い、相手先情報と送信データを特定する。その後、操作対象の利用者は、「送信」ボタンを押下する。操作対象の利用者は、「送信」ボタンの押下前又は押下後の所定のタイミングで、携帯端末装置50を通信装置20にかざす。
【0043】
携帯端末処理を開始したCPU52は、通信装置20との間でNFCが確立されたか否かを判断する(S200)。NFCの確立において、近距離通信部64から通信装置20に、
図4のS100に関連して説明した接続要求が送信される。そして、CPU52は、NFCにおけるペアリングを実行し、通信装置20との間でNFCを確立する。携帯端末装置50が通信装置20にかざされていない等の理由でNFCが確立されない場合(S200:No)、CPU52は、S200を繰り返して実行する。NFCが確立された場合(S200:Yes)、CPU52は、近距離通信部64から通信装置20に自装置の端末IDと相手先情報を送信する制御を行う(S202)。この制御により、端末IDと相手先情報がNFCによって近距離通信部64から通信装置20に送信される。CPU52は、NFCが確立された場合(S200:Yes)等、所定のタイミングで、操作部60の「再送」ボタンを押下可能な状態(
図7(B)参照)とする。
【0044】
続けて、CPU52は、Wi−Fiハンドオーバーに従い、通信装置20との間で無線LAN通信を確立するための処理を制御する。そして、CPU52は、通信装置20との間で無線LAN通信が確立されたか否かを判断する(S204)。例えば、無線LAN通信を確立するための処理が実行途中で、無線LAN通信が確立されていない場合(S204:No)、CPU52は、前述した処理を継続して制御する。無線LAN通信が確立された場合(S204:Yes)、CPU52は、無線LAN通信部66から通信装置20に、相手先情報と共に特定された送信データを送信する制御を行う(S206)。この制御により、送信データが無線LAN通信によって無線LAN通信部66から通信装置20に送信される。
【0045】
S206を実行した後、CPU52は、無線LAN通信による送信データの送信が完了したタイミングから一定時間が経過しているか否かを判断する(S208)。判断条件となる一定時間は、諸条件を考慮し、適宜設定される。例えば、一定時間は、上述した保存時間(
図5のS126参照)に対応した時間とされる。一定時間が経過している場合(S208:Yes)、CPU52は、携帯端末処理を終了する。一定時間が経過していない場合(S208:No)、CPU52は、操作対象の利用者がタッチパネル機能を利用した操作部60の「再送」ボタンを押下したか否かを判断する(S210)。CPU52は、送信操作画面における操作部60の「再送」ボタン(
図7(B)参照)の押下の有無に従い、S210を判断する。操作対象の利用者は、
図4のS110で開始されたファクシミリ送信が失敗(
図4のS112:No参照)した際に表示部32に表示された通信エラー画面に応じて失敗したファクシミリ送信を再送信する場合、「再送」ボタンを押下する。
【0046】
「再送」ボタンが押下されていない場合(S210:No)、CPU52は、処理をS208に戻し、S208を実行する。「再送」ボタンが押下された場合(S210:Yes)、CPU52は、通信装置20との間でNFCを確立するための処理を制御し、NFCが確立されたか否かを判断する(S212)。NFCが確立されない場合(S212:No)、CPU52は、処理をS208に戻し、S208以降の処理を実行する。NFCを確立させるためには、「再送」ボタンの押下前又は押下後の所定のタイミングで、携帯端末装置50が通信装置20にかざされなければならない。即ち、携帯端末装置50と通信装置20をNFCが可能な距離に接近した状態とする必要がある。通信装置20への携帯端末装置50のかざし方が不適切であった場合、又は、携帯端末装置50が通信装置20にかざされなかった場合、NFCは確立されない。
【0047】
NFCが確立された場合(S212:Yes)、CPU52は、近距離通信部64から通信装置20に再送指示を送信する制御を行う(S214)。この制御により、再送指示がNFCによって近距離通信部64から通信装置20に送信される。S214を実行した後、CPU52は、処理をS208に戻し、S208以降の処理を実行する。
【0048】
<本実施形態の効果>
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
【0049】
(1)通信装置20では、携帯端末装置50からの要求に基づき
図4のS110で開始されたファクシミリ送信が成功した場合(
図4のS112:Yes参照)、成功したファクシミリ送信のための通信番号(処理対象の通信番号)と、処理対象の通信番号に対応付けられた相手先情報を含む各情報を、送信履歴用メモリから削除する(
図4のS120参照)こととした。
図4のS110で開始されたファクシミリ送信が失敗した場合(
図4のS112:No参照)、処理対象の通信番号と、処理対象の通信番号に対応付けられた相手先情報を含む各情報を、直ちに、送信履歴用メモリから削除するといった制御は実行されないこととした。そのため、ファクシミリ送信が成功した場合、成功したファクシミリ送信の相手先情報を含む各情報が他人に取得又は利用されることを防止することができる。成功したファクシミリ送信の相手先情報を含む各情報に対するセキュリティを確保することができる。ファクシミリ送信が失敗した場合、相手先情報を含む各情報を送信履歴用メモリに記憶させたままの状態とすることができる。
【0050】
図4のS110で開始されたファクシミリ送信が失敗し(
図4のS112:No参照)、ファクシミリ送信の失敗から保存時間が経過している場合(
図5のS126:Yes参照)、処理対象の通信番号に対応付けられた相手先情報を含む各情報を、送信履歴用メモリから削除する(
図4のS120参照)こととした。そのため、ファクシミリ送信が成功した場合と同様、相手先情報を含む各情報に対するセキュリティを確保することができる。
【0051】
処理対象の通信番号に対応付けられた相手先情報を含む各情報を送信履歴用メモリから削除するに際し、送信対象の通信番号に対応付けられた送信データ用保存場所に従い、この保存場所に記憶された送信データを送信データ用メモリから削除する(
図4のS118参照)こととした。そのため、相手先情報を含む各情報と共に、送信データ用メモリに記憶された送信データについても、他人に取得又は利用されることを防止することができる。
【0052】
(2)
図4のS110で開始されたファクシミリ送信が失敗した場合(
図4のS112:No参照)であっても、保存時間が経過していない場合(
図5のS126:No参照)には、携帯端末装置50から再送指示を受け付けることとし、再送指示が取得された場合(
図5のS128:Yes参照)、送信履歴用メモリで処理対象の通信番号に対応付けて記憶された相手先情報に従い、送信データ用メモリに記憶された送信データを再度ファクシミリ送信する(
図4のS110参照)こととした。そのため、保存時間内については、再送信のための操作を携帯端末装置50と連携してスムーズに行うことができる。失敗したファクシミリ送信の再送信に関し、好適な操作性が実現された通信装置20とすることができる。
【0053】
<変形例>
本実施形態は、次のようにすることもできる。
【0054】
(1)上記では、携帯端末装置50がスマートフォンである場合を例に説明した。携帯端末装置50は、上述した携帯端末処理(
図6参照)を実行できるコンピュータ機能を備えた携帯型の端末装置であればよい。例えば、携帯端末装置50は、タブレット型のデバイスであってもよい。タブレット型のデバイスとしては、タブレット端末又はタブレットPCと称されるコンピュータ製品が例示される。タブレット型のデバイスは、上述した携帯端末装置50が備える各部52〜70のうち、回線通信部68を備えておらず、公衆回線12を介した通話等には対応していない場合もある。
【0055】
(2)上記では、通信装置20と携帯端末装置50の間の無線通信について、NFCと無線LAN通信を例に説明した。両装置間の無線通信は、これらとは異なる方式の無線通信によって行われるようにしてもよい。両装置間で採用される無線通信は、2種類でなくてもよい。例えば、1種類の無線通信によって行われるようにしてもよい。採用する無線通信の方式及び/又は種類数は、データ量、通信範囲及び/又は操作性等の諸条件を考慮し、適宜決定するとよい。
【0056】
通信装置処理(
図4及び
図5参照)と携帯端末処理(
図6参照)において、NFCによって実行することとした少なくとも一部の無線通信は、無線LAN通信によって実行するようにしてもよい。同じく、無線LAN通信によって実行することとした少なくとも一部の無線通信は、NFCによって実行するようにしてもよい。採用する無線通信の方式は、データ量、通信範囲及び/又は操作性等の諸条件を考慮し、適宜決定するとよい。