(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
互いに間隔を空けて並列配置される複数の作像ユニットであって、前記複数の作像ユニットのそれぞれが、感光ドラム、および、前記感光ドラムを帯電させるように構成される帯電器を備える複数の作像ユニットと、
前記複数の作像ユニットを支持する枠体と、
前記複数の作像ユニットのうち、複数の作像ユニットの並列方向において、一端部に位置する作像ユニットと、前記枠体の前記並列方向の一端部との間に配置される規制部材であって、気流を規制するように構成される規制部材と、を備え、
前記規制部材は、前記一端部に位置する作像ユニットを付勢するように構成されていることを特徴とする、画像形成装置。
前記一端部に位置する作像ユニット、前記枠体の前記並列方向の一端部および前記規制部材は、前記帯電器から発生するオゾンが含まれる空気が流通する流路を形成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
互いに間隔を空けて並列配置される複数のプロセスカートリッジであって、前記複数のプロセスカートリッジのそれぞれが、感光ドラム、および、前記感光ドラムを帯電させるように構成される帯電器を備える複数のプロセスカートリッジと、
前記複数のプロセスカートリッジを着脱可能に支持する枠体と、
前記複数のプロセスカートリッジのうち、複数のプロセスカートリッジの並列方向において、一端部に位置するプロセスカートリッジと、前記枠体の前記並列方向の一端部との間に配置される規制部材と、
前記枠体に支持された状態における、前記一端部に位置するプロセスカートリッジを押圧するように構成される押圧部材と、備え、
前記規制部材は、前記一端部に位置するプロセスカートリッジを付勢するように構成され、
前記押圧部材は、前記規制部材の付勢力に抗して、前記一端部に位置するプロセスカートリッジの前記枠体に対する相対移動を規制することを特徴とする、画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0035】
1.プリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラープリンタである。
【0036】
プリンタ1は、装置本体の一例としての本体ケーシング2内において、用紙Sを給紙するように構成される給紙部3と、給紙された用紙Sに画像を形成するように構成される画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、側面視略矩形のボックス形状であり、給紙部3および画像形成部4を収容している。また、本体ケーシング2は、開口部5を有する壁部と、開口部5を開閉するためのフロントカバー6とを備えている。
【0037】
なお、以下の説明において、フロントカバー6が備えられる側を前方とし、その反対を後方とする。また、プリンタ1を前方から見たときを左右の基準とする。すなわち、
図1の紙面左方が前方、紙面右方が後方、
図1の紙面手前が右方、紙面奥側が左方である。
【0038】
なお、左右方向が軸線方向の一例であり、左方が軸線方向の一方、右方が軸線方向の他方である。また、前後方向が並列方向の一例であり、後方が並列方向の一方、前方が並列方向の他方である。また、上下方向が鉛直方向であり、前後方向および左右方向が水平方向である。
【0039】
フロントカバー6は、その下端部を支点として、開口部5を閉鎖する閉鎖位置と、
図2に示すように、開口部5を開放する開放位置とに揺動可能である。なお、
図1において仮想線にて示されるフロントカバー6は、閉鎖位置と開放位置との間に配置されるフロントカバー6である。
(2)給紙部および画像形成部
給紙部3は、
図1に示すように、記録媒体の一例としての用紙Sを収容する給紙トレイ7を備えている。給紙トレイ7は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。
【0040】
画像形成部4は、給紙トレイ7の上方に配置されており、スキャナユニット10と、ドロワユニット11と、転写ユニット12と、定着ユニット13とを備えている。
【0041】
スキャナユニット10は、本体ケーシング2内における上端部に配置されている。スキャナユニット10は、実線で示すように、複数の感光ドラム17のそれぞれに向けて、画像データに基づく、レーザービームを出射し、感光ドラム17を露光する。
【0042】
ドロワユニット11は、スキャナユニット10の下方に僅かに間隔を空けて配置されている。ドロワユニット11は、枠体の一例としてのドロワフレーム16と、プロセスユニット50とを備えている。
【0043】
ドロワフレーム16は、
図3に示すように、平面視略矩形の枠形状である。また、ドロワフレーム16は、詳しくは後述するが、
図1および
図2に示すように、本体ケーシング2に収容される第1位置と、開口部5を介して、本体ケーシング2から引き出される第2位置とに前後方向に沿ってスライド移動可能に構成されている。なお、以下の説明においては、ドロワフレーム16が、
図1、
図3、
図7および
図8に示す第1位置にある状態を基準として説明する。
【0044】
また、ドロワフレーム16は、
図3に示すように、プロセスユニット50を支持している。
【0045】
プロセスユニット50は、複数色に対応して複数備えられており、具体的には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのそれぞれに対応して、4つ備えられている。
【0046】
4つのプロセスユニット50は、ドロワフレーム16内において、前後方向に互いに僅かな間隔を空けて並列配置されている。より詳しくは、プロセスユニット50は、前方から後方に向かって、イエロープロセスユニット50Y、マゼンタプロセスユニット50M、シアンプロセスユニット50Cおよびブラックプロセスユニット50Kが順次配置されている。
【0047】
各プロセスユニット50は、
図1に示すように、感光ドラム17と、帯電器の一例としてのスコロトロン型帯電器18と、ドラムクリーニングローラ29と、現像ローラ19と、供給ローラ20と、層厚規制ブレード21とを備えている。
【0048】
感光ドラム17は、左右方向に延びる略円筒形状である。また、感光ドラム17は、感光ドラム17の下端部がドロワフレーム16から露出するように、プロセスユニット50の下端部に配置されている。また、感光ドラム17は、ドロワフレーム16に対して回転可能に構成されている。
【0049】
スコロトロン型帯電器18は、感光ドラム17の後上方において間隔を隔てて配置されている。
【0050】
ドラムクリーニングローラ29は、感光ドラム17の後方に配置されており、ドラムクリーニングローラ29の前端部が感光ドラム17に接触している。
【0051】
現像ローラ19は、感光ドラム17の前上方に配置されており、現像ローラ19の前下端部が感光ドラム17に接触している。
【0052】
供給ローラ20は、現像ローラ19の前上方に配置されており、供給ローラ20の後下端部が現像ローラ19に接触している。
【0053】
層厚規制ブレード21は、前後方向に延びる略板状である。また、層厚規制ブレード21は、現像ローラ19の上方に配置されており、層厚規制ブレード21の前端部が現像ローラ19の上端部に接触している。
【0054】
また、各プロセスユニット50は、現像ローラ19、供給ローラ20および層厚規制ブレード21の上方において、現像剤の一例としてのトナーを収容している。
【0055】
転写ユニット12は、給紙トレイ7の上方、かつ、複数の感光ドラム17の下方において、前後方向に沿って延びるように設けられている。
【0056】
転写ユニット12は、駆動ローラ22と、従動ローラ23と、搬送ベルト24と、転写ローラ25とを備えている。
【0057】
駆動ローラ22および従動ローラ23は、前後方向に互いに間隔を空けて配置されている。
【0058】
搬送ベルト24は、搬送ベルト24の上方部分が複数の感光ドラム17のそれぞれに対して下方から接触するように、駆動ローラ22および従動ローラ23の周りに掛け渡されている。そして、搬送ベルト24は、駆動ローラ22の駆動および従動ローラ23の従動により、感光ドラム17と接触する上方部分が前方から後方に向かって移動するように、周回移動する。
【0059】
転写ローラ25は、4つの感光ドラム17のそれぞれに対応して4つ備えられ、対応する感光ドラム17とともに、搬送ベルト24の上方部分を挟さむように、各感光ドラム17の下方に配置されている。
【0060】
定着ユニット13は、転写ユニット12の後上方かつドロワユニット11の後方に配置されている。また、定着ユニット13は、加熱ローラ31と、加熱ローラ31に圧接される加圧ローラ32とを備えている。
(3)画像形成動作
次に、プリンタ1の画像形成動作について説明する。なお、以下の画像形成動作は、図示しない制御部の制御により実行される。
(3−1)現像動作
供給ローラ20は、プロセスユニット50内のトナーを、現像ローラ19に供給する。そして、供給ローラ20と現像ローラ19とは、それらの間でトナーを正極性に摩擦帯電する。
【0061】
次いで、現像ローラ19が回転すると、層厚規制ブレード21が、現像ローラ19に供給されたトナーの厚みを規制する。これによって、現像ローラ19に供給されたトナーが、一定厚さの薄層として現像ローラ19の表面に担持される。
【0062】
一方、スコロトロン型帯電器18は、感光ドラム17の表面を一様に帯電する。その後、スキャナユニット10が、所定の画像データに基づいて、帯電された感光ドラム17の表面を露光する。これによって、感光ドラム17の表面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0063】
そして、現像ローラ19は、回転することにより、担持するトナーを、感光ドラム17の周面上の静電潜像に供給する。これにより、感光ドラム17の周面上にトナー像が担持される。
(3−2)給紙動作
給紙トレイ7の前上方に配置される給紙ローラ8は、回転することにより、給紙トレイ7に収容されている用紙Sを、上方の1対のレジストローラ9間に向けて1枚ずつ給紙する。次いで、1対のレジストローラ9は、回転することにより、所定のタイミングで、用紙Sを、画像形成部4に向けて搬送し、感光ドラム17と搬送ベルト24との間に供給する。
【0064】
次いで、搬送ベルト24が、感光ドラム17と搬送ベルト24との間に給紙された用紙Sを、前方から後方に向かって搬送する。このとき、感光ドラム17および転写ローラ25が、それらの間を通過する用紙Sに、各色のトナー像を順次転写する。これによって、用紙Sにカラー画像が形成される。
(3−3)定着および排紙動作
次いで、カラー画像が形成された用紙Sは、搬送ベルト24の周回移動により、加熱ローラ31と加圧ローラ32との間に到達する。加熱ローラ31および加圧ローラ32は、それらの間を通過する用紙Sを加熱および加圧する。これにより、用紙Sに転写されたカラー画像は、用紙Sに熱定着される。
【0065】
その後、各種ローラが、用紙Sを前上方へUターンするように搬送し、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ33に排紙する。
2.本体ケーシングの詳細
本体ケーシング2は、その内部空間において、
図1および
図3に示すように、内壁の一例としてのダクト部68と、位置決め部材の一例としての本体側基準軸67と、押圧部材69とを備えている。
【0066】
ダクト部68は、
図1に示すように、本体ケーシング2内の後端部であって、スキャナユニット10の後下方かつ転写ユニット12の後上方に配置されている。これによって、ダクト部68、スキャナユニット10、転写ユニット12、および、本体ケーシング2の左右両側壁は、ドロワユニット11を収容するための収容部40を画定している。つまり、ダクト部68は、収容部40の後端部であり、収容部40の後端部を規定している。
【0067】
ダクト部68は、
図1および
図4Aに示すように、ダクトフレーム70と、ファン72と、フィルタの一例としてのオゾンフィルタ73と、トナーフィルタ93と、ダクト側規制部材71とを備えている。
【0068】
ダクトフレーム70は、排気口の一例としてのダクト本体74と、リップ部75とを備えている。
【0069】
ダクト本体74は、定着ユニット13の上方、かつ、後述するリヤビーム87の後上方に配置されている。つまり、ダクト本体74は、後述するリヤビーム87よりも上方、かつ、ドロワフレーム16よりも後方(並列方向の他端部から一端部に向かう方向における下流側)に配置されている。
【0070】
また、ダクト本体74は、
図4Aに示すように、左右方向に延びる略ボックス形状であり、フィルタ開口部76と、ファン開口部77と、定着吸気口94(
図1参照)とを有している。
【0071】
フィルタ開口部76は、ダクト本体74の前壁において、左右方向に並ぶように、複数具体的には2つ配置されている。各フィルタ開口部76は、左右方向に延びる正面視略矩形状であり、ダクト本体74の前壁を前後方向に貫通している。
【0072】
ファン開口部77は、ダクト本体74の右壁に配置されている。ファン開口部77は、側面視略円形状であり、ダクト本体74の右壁を左右方向に貫通している。なお、図示しないが、本体ケーシング2の右側壁は、ファン開口部77と対向する部分において、排出口を有している。これによって、ダクト本体74の内部空間と、プリンタ1の外部空間とは、ファン開口部77および図示しない排出口を介して、連通している。
【0073】
定着吸気口94は、
図1に示すように、ダクト本体74の下壁に配置されており、ダクト本体74の下壁を上下方向に貫通している。
【0074】
リップ部75は、
図1および
図4Aに示すように、ダクト本体74の底壁における前端部から連続して、下方に向かって延びる板状であり、左右方向に延びている。また、リップ部75は、定着ユニット13の前方に間隔を空けて配置されている。
【0075】
ファン72は、ダクト本体74内の右端部に配置されており、ダクト本体74の右壁、具体的には、ファン開口部77の左方に配置されている。
【0076】
ファン72は、回転羽78を備えている。回転羽78は、ダクト本体74に対して回転可能に構成されており、回転することでダクト本体74内の空気を左方から右方に向かって流動させるように構成されている。
【0077】
オゾンフィルタ73は、空気の通過を許容するように構成されており、オゾンフィルタ73を通過する空気に含まれるVOC(揮発性有機化合物)を捕捉し、オゾンを分解・除去するように構成されている。オゾンフィルタ73は、2つのフィルタ開口部76のそれぞれに対応して2つ備えられている。
【0078】
各オゾンフィルタ73は、左右方向に延びる板状である。そして、オゾンフィルタ73は、対向するフィルタ開口部76の後方に位置するように、ダクト本体74内の前端部に配置されている。これによって、各オゾンフィルタ73の前面は、対応するフィルタ開口部76を介してダクト本体74から露出している。
【0079】
トナーフィルタ93は、空気の通過を許容するように構成されており、トナーフィルタ93を通過する空気に含まれるトナー、紙粉などの異物を捕捉するように構成されている。トナーフィルタ93は、定着吸気口94に対応して備えられており、定着吸気口94内に嵌め込まれている。
【0080】
ダクト側規制部材71は、可撓性を有する可撓性材料からなり、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂フイルムである。そのため、ダクト側規制部材71は、弾性変形可能に構成されている。また、ダクト側規制部材71は、左右方向に延びる正面視略矩形状であり、側面視において上下方向に沿って延びている。
【0081】
そして、ダクト側規制部材71は、その上端部がダクト本体74の前壁の下端部に固定されることにより、ダクト部68に支持されている。また、ダクト側規制部材71の下端部は、
図8に示すように、ドロワフレーム16が第1位置にある状態において、後述するリヤビーム87の上端部に後上方から接触し、かつ、左右方向に沿って接触している。つまり、ダクト側規制部材71は、後述するリヤビーム87とダクト本体74との間に配置されている。
【0082】
これによって、ダクト側規制部材71は、前方から後方に向かって撓むように弾性変形しており、後方に反る湾曲形状となっている。
【0083】
そのため、ダクト側規制部材71は、後述するリヤビーム87を介して、ドロワフレーム16を前下方に向かって付勢している。
【0084】
ダクト側規制部材71の付勢力F1は、ドロワフレーム16を前方に向かって付勢する付勢分力C1と、ドロワフレーム16を下方に向かって付勢する付勢分力C2とに分散される。
【0085】
本体側基準軸67は、
図1および
図3に示すように、ダクト部68のリップ部75の前方に間隔を空けて配置されている。本体側基準軸67は、左右方向に延びる略円柱形状である。また、本体側基準軸67の左右両端部のそれぞれは、本体ケーシング2に固定されている。
【0086】
押圧部材69は、
図3に示すように、本体側基準軸67の左右両端部のそれぞれに対応して備えられており、左右方向に間隔を空けて1対備えられている。各押圧部材69は、上下方向に延びる略杆状である。また、各押圧部材69は、その左右方向内方面において、軸受入溝80を有している。
【0087】
軸受入溝80は、押圧部材69の左右方向内方面から左右方向外方に凹む凹部であり、
図8に示すように、押圧部材69の前端縁から後端縁まで、後下方に向かって延びている。また、軸受入溝80は、押圧面81を有している。押圧面81は、軸受入溝80の前方の端面における後方部分に配置されている。また、押圧面81は、前下方および後上方を結ぶ方向に延びている。
【0088】
そして、1対の押圧部材69は、公知の連動機構により、フロントカバー6の回動と連動しており、フロントカバー6が開放位置に配置された状態で、前上方と後下方とを結ぶ移動方向Xに沿って前上方に退避し、フロントカバー6が閉鎖位置に配置された状態で、移動方向Xに沿って後下方に進出する。
【0089】
また、フロントカバー6が閉鎖位置に配置され、各押圧部材69が後下方に進出した状態で、各押圧部材69の押圧面81が、対応するドラム側基準軸89の左右方向端部を、後下方に向かって押圧している。
3.プロセスユニットの詳細
ドロワユニット11は、上記したように、ドロワフレーム16を備えている。
【0090】
ドロワフレーム16は、
図4Bに示すように、1対の側壁85と、フロントビーム86と、リヤビーム87とを備えている。
【0091】
1対の側壁85は、左右方向に互いに間隔を空けて配置されている。1対の側壁85のそれぞれは、前後方向に延びる側面視略矩形の板状である。また、各側壁85は、
図6に示すように、その後端部において、切欠部88を有している。切欠部88は、側面視略V字状の溝部であり、側壁85の後端縁における上下方向略中央部分から、前方に向かって切り欠かれている。切欠部88は、
図7に示すように、ドロワフレーム16が第1位置にある状態で、本体側基準軸67を受け入れて、本体側基準軸67に上方および前下方から当接する。
【0092】
フロントビーム86は、
図4Bに示すように、左右方向に延びる正面視略矩形の板状であり、1対の側壁85の前端部間に架設されている。
【0093】
また、フロントビーム86は、
図3および
図4Bに示すように、ドラム側基準軸89を支持している。ドラム側基準軸89は、左右方向に延びる略円柱形状であり、フロントビーム86および1対の側壁85の前端部を左右方向に貫通している。ドラム側基準軸89の左右両端部は、各側壁85の前端部から左右方向外方に突出している。
【0094】
リヤビーム87は、左右方向に延びる背面視略矩形状の板状であり、1対の側壁85の後端間に架設されている。つまり、リヤビーム87は、ドロワフレーム16の後端部であって、ドロワフレーム16における並列方向の一方の端部(一端部)である。
【0095】
また、リヤビーム87は、規制部材の一例としてのドロワ側規制部材90を支持している。
【0096】
ドロワ側規制部材90は、可撓性を有する可撓性材料からなり、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂フイルムである。そのため、ドロワ側規制部材90は、弾性変形可能に構成されている。また、ドロワ側規制部材90は、左右方向に延びる平面視略矩形状であり、側面視において前後方向に延びている。
【0097】
そして、ドロワ側規制部材90は、ドロワ側規制部材90の後端部がリヤビーム87の下端部に固定されることにより、ドロワフレーム16に支持されている。
【0098】
また、ドロワ側規制部材90の前端部は、
図8に示すように、ドロワフレーム16が第1位置にある状態において、後述するブラックドラムユニット14Kの第1延長壁57の上面に後上方から接触し、かつ、左右方向に沿って接触している。つまり、ドロワ側規制部材90は、後述するブラックドラムユニット14Kとリヤビーム87との間に配置されている。
【0099】
これによって、ドロワ側規制部材90の前端部は、第1延長壁57に沿うように弾性変形されており、上方に向かって反る湾曲形状となっている。そのため、ドロワ側規制部材90は、後述するブラックドラムユニット14Kの第1延長壁57を前下方に向かって付勢している。
【0100】
ドロワ側規制部材90の付勢力F2は、ドロワフレーム16を前方に向かって付勢する付勢分力C3と、ドロワフレーム16を下方に向かって付勢する付勢分力C4とに分散される。
【0101】
また、ドロワフレーム16は、上記したように、複数のプロセスユニット50を支持している。
【0102】
複数のプロセスユニット50のそれぞれは、作像ユニットの一例としてのドラムユニット14と、現像カートリッジ15とを備えている。つまり、ドラムユニット14および現像カートリッジ15のそれぞれは、プロセスユニット50と同様に、複数色に対応して複数備えられており、具体的には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのそれぞれに対応して、4つ備えられている。
【0103】
より詳しくは、ドラムユニット14は、前方から後方に向かって、イエロードラムユニット14Y、マゼンタドラムユニット14M、シアンドラムユニット14Cおよびブラックドラムユニット14Kが、順次配置されている。つまり、ブラックドラムユニット14Kが、複数のドラムユニット14のうち、最も後方、すなわち、複数のドラムユニット14の並列方向の一方の端部(一端部)に配置されている。また、ブラックドラムユニット14Kは、複数のドラムユニット14のうち、定着ユニット13の一番近くに配置されている。
【0104】
また、現像カートリッジ15は、前方から後方に向かって、イエロー現像カートリッジ15Y、マゼンタ現像カートリッジ15M、シアン現像カートリッジ15Cおよびブラック現像カートリッジ15Kが、順次、互いに間隔を空けて並列配置されている。
【0105】
複数のドラムユニット14のそれぞれは、各プロセスユニット50の下方部分であって、1対の側壁85の下方部分間において、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。
【0106】
各ドラムユニット14は、上記した感光ドラム17と、ドラムサブユニット51とを備えている。そのため、感光ドラム17は、本体ケーシング2の収容部40において、前後方向に間隔を隔てて並列配置されている。
【0107】
感光ドラム17は、感光ドラム17の左右両端部のそれぞれが、1対の側壁85のそれぞれに回転可能に支持されることにより、ドロワフレーム16に支持されている。これによって、各感光ドラム17は、
図1に示すように、左右方向に延びる中心軸線Aを回転中心として、ドロワフレーム16に対して回転可能に構成されている。
【0108】
ドラムサブユニット51は、
図5および
図6に示すように、対応する感光ドラム17の後上方に配置されている。ドラムサブユニット51は、サブフレーム52と、上記したスコロトロン型帯電器18およびドラムクリーニングローラ29とを備えている。
【0109】
サブフレーム52は、第1フレーム53と、第2フレーム54と、カバー部材55とを備えている。
【0110】
第1フレーム53は、対応する感光ドラム17の後上方に配置されており、帯電支持壁56と、第1延長壁57と、第2延長壁58とを備えている。
【0111】
帯電支持壁56は、左右方向に延びる角筒状である。また、帯電支持壁56は、その上壁および下壁のそれぞれに、開口59を有している。開口59は、図示しないが、左右方向に延びる平面視矩形状であり、帯電支持壁56の上壁および下壁のそれぞれを上下方向に貫通している。
【0112】
第1延長壁57は、帯電支持壁56の後壁の上下方向略中央部分から連続して、後下方に向かって延び、かつ、帯電支持壁56の後壁の左右方向全体にわたって延びる略板状である。
【0113】
第2延長壁58は、帯電支持壁56の前壁の下端部から連続して、前上方に向かって延びた後、屈曲して後上方に延びている。また、第2延長壁58は、図示しないが、帯電支持壁56の前壁の左右方向全体にわたって延びている。
【0114】
第2フレーム54は、対応する感光ドラム17の後方、および、第1延長壁57の下方に配置されている。第2フレーム54は、前上方に向かって開放される側面視略円弧形状であり、左右方向に延びている。そして、第2フレーム54は、第2フレーム54の上端部が第1延長壁57の後端部の下方に隣接するように配置されている。これによって、第1延長壁57、第2フレーム54および感光ドラム17の後方部分の周面は、ドラムクリーニングローラ29を収容するローラ収容空間61を画定している。
【0115】
カバー部材55は、左右方向に延びる平面視略矩形の板状であり、帯電支持壁56および第2延長壁58を上方から被覆している。そして、
図6に示すように、カバー部材55の後端部が、帯電支持壁56の後壁の上端部と係合し、カバー部材55の前端部が、第2延長壁58の上端部と係合している。
【0116】
これによって、第2延長壁58、帯電支持壁56およびカバー部材55が、スコロトロン型帯電器18に空気を供給するための空気流路60を画定する。空気流路60は、サブフレーム52を左右方向に貫通している。
【0117】
スコロトロン型帯電器18は、帯電支持壁56内に嵌め込まれている。これによって、スコロトロン型帯電器18の下端部は、下方の開口59を介して露出しており、対応する感光ドラム17の後上方において間隔を隔てて位置している。
【0118】
ドラムクリーニングローラ29は、ローラ収容空間61に配置されており、ドラムクリーニングローラ29の前端部が対応する感光ドラム17に対して接触している。
【0119】
そして、各サブフレーム52は、第1フレーム53の左右両端部のそれぞれが、1対の側壁85のそれぞれに支持している。これによって、複数のドラムユニット14が、ドロワフレーム16に支持されている。つまり、ドロワフレーム16は、複数のサブフレーム52を介して、複数のスコロトロン型帯電器18を支持している。
【0120】
また、複数のドラムユニット14のそれぞれは、
図8に示すように、ドロワフレーム16が第1位置にある状態において、ダクト本体74よりも下方に配置されており、ブラックドラムユニット14Kは、ダクト本体74の前下方に配置されている。つまり、ダクト本体74は、4つのドラムユニット14よりも上方、かつ、ブラックドラムユニット14Kよりも後方(並列方向の他端部から一端部に向かう方向における下流側)に配置されている。
【0121】
また、複数の現像カートリッジ15のそれぞれは、各プロセスユニット50の上方部分であって、対応するドラムユニット14の前上方に配置されている。これによって、複数の現像カートリッジ15は、1対の側壁85の上方部分間において、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。
【0122】
そして、各現像カートリッジ15は、
図2に示すように、現像カートリッジ15の左右両端部のそれぞれが1対の側壁85に着脱可能に支持されることにより、ドロワフレーム16に支持されている。
【0123】
また、プリンタ1ではドロワフレーム16が第1位置にある状態において、
図8に示すように、ブラックドラムユニット14K、ブラック現像カートリッジ15K、ドロワフレーム16のリヤビーム87、1対の側壁85、ダクト側規制部材71、ドロワ側規制部材90およびダクト部68は、スコロトロン型帯電器18から発生するオゾンが含まれる空気を流通するための流路99を形成している。
【0124】
より詳しくは、流路99は、ブラックドラムユニット14Kのサブフレーム52の上面(第1延長壁57およびカバー部材55の上面)、ブラック現像カートリッジ15Kの後面、リヤビーム87の前面、1対の側壁85の左右方向内方面、ダクト側規制部材71の前面、ドロワ側規制部材90の上面およびダクト本体74の前面により画定されている。つまり、流路99とダクト本体74の内部空間とは、フィルタ開口部76を介して連通している。
4.本体ケーシングに対するドロワフレームの引き出しおよび装着動作
次に、
図1、
図2および
図6〜
図8を参照して、本体ケーシング2に対するドロワフレーム16の引出動作および装着動作を説明する。なお、
図6〜
図8では、説明の便宜上、本体ケーシング2を省略している。
(1)ドロワフレームの第1位置から第2位置への移動(引出動作)
ドロワフレーム16を第1位置から第2位置に移動させるには、まず、
図2に示すように、ユーザが、本体ケーシング2のフロントカバー6を、閉鎖位置から開放位置に向かって回動させ、フロントカバー6を開放位置に配置する。これによって、開口部5が開放される。
【0125】
このとき、押圧部材69は、
図8に示すように、公知の連動機構により、フロントカバー6の閉鎖位置から開放位置への移動に連動して、移動方向Xに沿って前上方に移動し、押圧面81と、ドラム側基準軸89との当接が解除される。これによって、押圧部材69によるドラム側基準軸89の押圧が解除され、ドロワフレーム16の本体ケーシング2に対するロックが解除される。
【0126】
次いで、ユーザが開口部5を介してドロワフレーム16を前方に引き出すと、ドロワフレーム16は、
図6に示すように、本体ケーシング2に備えられる図示しないガイド部にガイドされて、前上方に向かって移動する。このとき、切欠部88と本体側基準軸67との係合が解除される。
【0127】
次いで、ユーザがドロワフレーム16をさらに前方に引き出すと、ドロワフレーム16は、開口部5を通過し、前方に向かってスライド移動する。
【0128】
そうすると、ドロワフレーム16は、
図2に示すように、すべてのプロセスユニット50が本体ケーシング2外に配置される第2位置に到達する。このとき、すべての現像カートリッジ15が上方から露出する。
【0129】
以上により、ドロワフレーム16の第1位置から第2位置への移動、すなわち、ドロワフレーム16の本体ケーシング2に対する引き出し動作が完了する。
【0130】
なお、ユーザが、現像カートリッジ15をドロワフレーム16から離脱させる場合、ドロワフレーム16が第2位置にある状態で、現像カートリッジ15を上方に向かって引き上げる。これによって、現像カートリッジ15がドロワフレーム16から離脱される。また、ユーザが、現像カートリッジ15をドロワフレーム16に装着する場合、ドロワフレーム16が第2位置にある状態で、現像カートリッジ15を上方からドロワフレーム16の対応する部分に挿入する。これによって、現像カートリッジ15がドロワフレーム16に装着される。
(2)ドロワフレームの第2位置から第1位置への移動(収容動作)
ドロワフレーム16を第2位置から第1位置に移動させるには、上記した引出動作と逆の手順に操作する。
【0131】
具体的には、ユーザが第2位置あるドロワフレーム16を後方に向かって押圧する。そうすると、ドロワフレーム16は、後方に向かってスライド移動する。
【0132】
次いで、ユーザがさらにドロワフレーム16を後方に押圧すると、ドロワフレーム16は、
図6および
図7に示すように、本体ケーシング2に備えられる図示しないガイド部にガイドされて、後下方に向かって移動する。このとき、切欠部88が、本体側基準軸67を後下方から受け入れ、切欠部88と本体側基準軸67とが係合する。これにより、ドロワフレーム16は、本体ケーシング2に対する前後方向への相対移動が規制される。つまり、本体側基準軸67が、ドロワフレーム16を本体ケーシング2に対して位置決めする。
【0133】
また、ドロワフレーム16のリヤビーム87が、ダクト本体74の前壁の下方に到達し、ドロワフレーム16のリヤビーム87の上端部が、ダクト側規制部材71の下端部に前方から(並列方向の他端部から一端部に向けて)当接する。これによって、ダクト側規制部材71が、後方に向かって湾曲するように弾性変形し、ドロワフレーム16のリヤビーム87を前下方に向かって付勢する。
【0134】
以上によって、ドロワフレーム16の第2位置から第1位置への移動が完了し、ドロワフレーム16が本体ケーシング2の収容部40に収容される。
【0135】
次いで、ユーザがフロントカバー6を開放位置から閉鎖位置に回動する。
【0136】
このとき、押圧部材69は、
図8に示すように、公知の連動機構により、フロントカバー6の開放位置から閉鎖位置の回動に連動して、移動方向Xに沿って後下方に向かって移動する。
【0137】
そうすると、押圧部材69の押圧面81が、ドラム側基準軸89の左右方向端部に対して、前上方から当接し、ドラム側基準軸89を後下方に向かって押圧する。これによって、押圧部材69は、ドラム側基準軸89を介して、ドロワフレーム16を後下方に向かって押圧する。
【0138】
このとき、押圧部材69の押圧力F3は、ドロワフレーム16を後方に向かって押圧する押圧分力C5と、ドロワフレーム16を下方に向かって押圧する押圧分力C6とに分散される。
【0139】
そのため、押圧部材69がドラム側基準軸89の左右方向端部を後下方に向かって押圧すると、押圧部材69の押圧分力C5により、ダクト側規制部材71の付勢分力C1およびドロワ側規制部材90の付勢分力C3に抗して、ドロワフレーム16が、本体側基準軸67に向かって押圧される。
【0140】
また、押圧分力C5は、ダクト側規制部材71の付勢分力C1およびドロワ側規制部材90の付勢分力C3の総和よりも大きくなるように設定されている。
【0141】
つまり、押圧部材69は、付勢分力C1および付勢分力C3に抗して、ドロワフレーム16をドラム側基準軸89に向けて押圧しており、本体ケーシング2に対するドロワフレーム16の相対移動を規制している。
5.プリンタの排気動作
上記した画像形成動作において、スコロトロン型帯電器18には、サブフレーム52の空気流路60を介して、空気が供給される。
【0142】
詳しくは、空気流路60を通過した空気は、上方の開口59を介して、スコロトロン型帯電器18に供給された後、感光ドラム17に向かって流動し、下方の開口59を介して排出される。
【0143】
このようにスコロトロン型帯電器18から排出された空気には、スコロトロン型帯電器18の放電により発生するオゾンが含まれる。
【0144】
このとき、ダクト本体74内の空気が、ファン72の回転により、ファン開口部77および図示しない開口を介して、本体ケーシング2外に排気される。そうすると、本体ケーシング2内の空気が、フィルタ開口部76およびオゾンフィルタ73を介して、ダクト本体74内に取り込まれる。
【0145】
これにより、流路99内の空気がダクト本体74内に取り込まれ、流路99において、空気が流動し、フィルタ開口部76に向かう気流a(
図8参照)が発生する。
【0146】
ここで、ブラックプロセスユニット50Kのスコロトロン型帯電器18から排出された、オゾンを含む空気は、流路99における気流aの発生に伴って、例えば、ブラック現像カートリッジ15Kと、ブラックドラムユニット14Kとの間の隙間から、流路99に流入する。そして、流路99に流入したオゾンを含む空気は、気流aと合流して、フィルタ開口部76に向かって流動する(
図9参照)。
【0147】
このとき、ドロワ側規制部材90は、ブラックドラムユニット14Kとリヤビーム87との間に気流aが流入しないように、気流aを規制している。また、ダクト側規制部材71は、リヤビーム87とダクト本体74との間を気流aが流入しないように、気流aを規制している。
【0148】
そして、オゾンフィルタ73は、気流aがオゾンフィルタ73を通過するときに、その空気に含まれるVOC(揮発性有機化合物)を捕捉し、オゾンを分解・除去する。
【0149】
また、
図9に示すように、ファン72が回転すると、ドロワユニット11とスキャナユニット10との間の空間すなわち収容部40の上端部の空気が、フィルタ開口部76およびオゾンフィルタ73を介して、ダクト本体74内に取り込まれる。そうすると、ドロワユニット11とスキャナユニット10と間の空間において、空気が前方から後方に流動し、フィルタ開口部76に向かう気流bが発生する。
【0150】
ここで、イエロープロセスユニット50Y、マゼンタプロセスユニット50Mおよびシアンプロセスユニット50Cのそれぞれのスコロトロン型帯電器18から排出された、オゾンを含む空気は、気流bの発生に伴って、現像カートリッジ15とドラムユニット14との間の隙間から上方に向かって流動した後、互いに隣り合う現像カートリッジ15の間の隙間を上方に向かって通過する。これによって、イエロープロセスユニット50Y、マゼンタプロセスユニット50Mおよびシアンプロセスユニット50Cのそれぞれのスコロトロン型帯電器18から排出されたオゾンを含む空気が、ドロワユニット11とスキャナユニット10との間の空間に到達し、気流bと合流して、フィルタ開口部76に向かって流動する。そして、オゾンフィルタ73は、気流bがオゾンフィルタ73を通過するときに、上記と同様に、VOC(揮発性有機化合物)を捕捉し、オゾンを分解・除去する。
【0151】
また、ファン72が回転すると、定着ユニット13の周囲の空気は、定着吸気口94およびトナーフィルタ93を介して、ダクト本体74内に取り込まれる。そうすると、定着ユニット13の周囲において、定着吸気口94に向かう気流が発生し、定着ユニット13から生じた熱が放熱される。これによって、定着ユニット13が冷却される。そして、トナーフィルタ93は、定着ユニット13から生じた熱を放熱するための気流がトナーフィルタ93を通過するときに、その空気に含まれるトナー、紙粉などの異物を捕捉する。
【0152】
次いで、ファン72は、回転することにより、ダクト本体74内に取り込まれた空気を吸引し、空気をダクト本体74内において左方から右方に向かって流動させる。その後、ファン72は、ファン開口部77および図示しない開口を介して、空気をダクト本体74内から本体ケーシング2外に排気する。つまり、ダクト本体74は、本体ケーシング2内の空気を外部に排出するように構成されている。
6.作用効果
(1)プリンタ1では、
図8に示すように、気流を規制するドロワ側規制部材90が、ブラックドラムユニット14Kと、ドロワフレーム16のリヤビーム87との間に配置されている。そのため、ブラックドラムユニット14Kの周囲において、スコロトロン型帯電器18から発生するオゾンを含む空気が所望しない空間に流入することを、ドロワ側規制部材90により規制することができる。
【0153】
そのため、ブラックドラムユニット14Kの周囲において、オゾンを含む空気の円滑な流通を確保することができる。
【0154】
また、ドロワ側規制部材90はブラックドラムユニット14Kを前下方に向かって付勢している。そのため、ブラックドラムユニット14Kにがたつきが生じても、ドロワ側規制部材90をブラックドラムユニット14Kのがたつきに追従させることができる。その結果、ブラックドラムユニット14Kとドロワ側規制部材90との間に隙間ができることを抑制でき、ドロワ側規制部材90が気流を確実に規制することができる。
【0155】
従って、プリンタ1によれば、ブラックドラムユニット14Kの周囲において、オゾンを含む空気の円滑な流通を確保することができ、かつ、例え、ブラックドラムユニット14Kにガタつきが生じても、ドロワ側規制部材90が気流を確実に規制することができる。
(2)また、ドロワ側規制部材90の後端部が、
図8に示すように、ドロワフレーム16のリヤビーム87に支持され、ドロワ側規制部材90の前端部が、ブラックドラムユニット14Kと接触している。
【0156】
そのため、簡易な構成でありながら、ドロワ側規制部材90を、ブラックドラムユニット14Kと、ドロワフレーム16のリヤビーム87との間に確実に配置することができる。
(3)また、ドロワ側規制部材90は、
図8に示すように、可撓性を有しており、弾性変形可能である。
【0157】
そのため、ドロワ側規制部材90を弾性変形させた状態で、ドロワ側規制部材90をブラックドラムユニット14Kと接触させることにより、ドロワ側規制部材90がブラックドラムユニット14Kを付勢する。
【0158】
その結果、ドロワ側規制部材90をブラックドラムユニット14Kに向けて付勢するために、別部材を用いる場合と比較して、部品点数の低減を図ることができる。
(4)また、プリンタ1は、
図1に示すように、定着ユニット13を備えている。また、複数のドラムユニット14は、複数色、具体的には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのそれぞれに対応している。
【0159】
そのため、複数のドラムユニット14により、フルカラーの画像を形成することができ、かつ、定着ユニット13により、その画像を用紙Sに確実に定着させることができる。
【0160】
しかるに、定着ユニット13は、用紙Sに画像を定着するときに熱を生じる。そこで、プリンタ1では、ファン72を回転させることにより、定着ユニット13の周囲に気流を発生させ、定着ユニット13から生じる熱を放熱させている。そのため、オゾンを含む空気が、定着ユニット13の放熱のための気流と合流し、所望しない空間に流入してしまう場合がある。
【0161】
しかし、プリンタ1では、ブラックドラムユニット14Kが、複数のドラムユニット14のうち、定着ユニット13に一番近くに配置されており、ブラックドラムユニット14Kと、ドロワフレーム16のリヤビーム87との間にドロワ側規制部材90が配置されている。
【0162】
そのため、定着ユニット13の放熱のために気流を発生させても、ドロワ側規制部材90により、オゾンを含む空気が定着ユニット13の放熱のための気流と合流すること、すなわち、所望しない空間に流入することを確実に抑制できる。
(5)また、ブラックドラムユニット14K、ドロワフレーム16のリヤビーム87およびドロワ側規制部材90は、
図8に示すように、流路99の一部を形成している。
【0163】
そのため、スコロトロン型帯電器18から発生するオゾンが含まれる空気を流路99に確実に流通させることができる。
【0164】
その結果、ブラックドラムユニット14Kの周囲において、オゾンを含む空気の円滑な流通を確実に確保することができる。
(6)また、ダクト部68のダクト本体74が、
図1に示すように、複数のドラムユニット14よりも上方、かつ、ブラックドラムユニット14Kよりも後方に配置されている。
【0165】
そのため、各ドラムユニット14から排出されるオゾンを含む空気を、上方に向かって流動させた後、後方に向かって、流動させることにより、一括してダクト部68を介して本体ケーシング2外に排出することができる。その結果、オゾンが、本体ケーシング2内に滞留することを確実に抑制できる。
7.第2実施形態
次に、
図10および
図11を参照して、本発明の画像形成装置の第2実施形態としてのプリンタ110について説明する。なお、第2実施形態では、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0166】
上記した第1実施形態では、
図2に示すように、プロセスユニット50が、ドロワフレーム16に支持されるドラムユニット14と、ドロワフレーム16に対して着脱可能な現像カートリッジ15とを備える分離型として構成される。
【0167】
これに対して、第2実施形態では、
図11に示すように、プロセスカートリッジ100が、一体として、ドロワフレーム16に対して着脱可能に支持されている。
【0168】
プロセスカートリッジ100は、複数色に対応して複数備えられており、具体的には、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンのそれぞれに対応して、4つ備えられている。
【0169】
4つのプロセスカートリッジ100は、ドロワフレーム16内において、前後方向に互いに間隔を空けて並列配置されている。より詳しくは、プロセスカートリッジ100は、前方から後方に向かって、ブラックプロセスカートリッジ100K、イエロープロセスカートリッジ100Y、マゼンタプロセスカートリッジ100M、および、シアンプロセスカートリッジ100Cが順次配置されている。つまり、複数のプロセスカートリッジ100のうち、シアンプロセスカートリッジ100Cが、最も後方(並列方向の一端部)に位置している。
【0170】
また、各プロセスカートリッジ100は、ユニットフレーム105と、感光ドラム17と、スコロトロン型帯電器18と、ドラムクリーニングローラ29と、現像ローラ19と、供給ローラ20と、層厚規制ブレード21とを備えている。なお、
図10および
図11では、説明の便宜上、ドラムクリーニングローラ29、現像ローラ19、供給ローラ20、および層厚規制ブレード21を省略しており、また、その説明についても省略している。
【0171】
ユニットフレーム105は、下端部が開放された略ボックス形状である。また、ユニットフレーム105は、その内部空間において、感光ドラム17およびスコロトロン型帯電器18を支持しており、また、トナーを収容している。
【0172】
感光ドラム17は、その下端部がユニットフレーム105から露出するように、ユニットフレーム105内の下端部に配置されている。スコロトロン型帯電器18は、対応する感光ドラム17の後上方に間隔を空けて配置されている。
【0173】
また、ドロワフレーム16は、
図10に示すように、規制部材103を支持している。
【0174】
規制部材103は、可撓性を有する可撓性材料からなり、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂フイルムである。そのため、規制部材103は、弾性変形可能に構成されている。また、規制部材103は、左右方向に延びる平面視略矩形状であり、側面視において前後方向に延びている。
【0175】
そして、規制部材103は、規制部材103の後端部がリヤビーム87の下端部に固定されることにより、ドロワフレーム16に支持されている。
【0176】
また、規制部材103の前端部は、シアンプロセスカートリッジ100Cがドロワフレーム16に装着された状態において、シアンプロセスカートリッジ100Cのユニットフレーム105の後下端部に、後下方から接触し、かつ、左右方向に沿って接触している。つまり、規制部材103は、シアンプロセスカートリッジ100Cとリヤビーム87との間に配置されている。
【0177】
これによって、規制部材103の前端部は、ユニットフレーム105の後下端部に沿うように弾性変形されており、下方に向かって反る湾曲形状となっている。そのため、規制部材103は、シアンプロセスカートリッジ100Cを前上方に向かって付勢している。
【0178】
規制部材103の付勢力F4は、シアンプロセスカートリッジ100Cを上方に向かって付勢する付勢分力C7と、シアンプロセスカートリッジ100Cを前方に向かって付勢する付勢分力C8とに分散される。
【0179】
また、本体ケーシング2は、押圧部材の一例としての押圧ユニット107を備えている。押圧ユニット107は、ドロワフレーム16に支持された状態における、複数のプロセスカートリッジ100を一括して押圧するように構成されている。
【0180】
押圧ユニット107は、本体ケーシング2内において、第1位置にあるドロワフレーム16の上方に配置されており、複数の押圧部101と、複数の押圧部101を支持する支持部102とを備えている。
【0181】
複数の押圧部101は、複数のプロセスカートリッジ100のそれぞれに対応して複数備えられており、前後方向に間隔を空けて並列配置されている。各押圧部101は、対応するプロセスカートリッジ100の上方に配置されている。また、各押圧部101は、上下方向に延びる略杆状であり、その下端部が側面視略半円状に面取りされている。
【0182】
支持部102は、前後方向に延びる板状であり、複数の押圧部101を一括して支持している。
【0183】
そして、押圧ユニット107は、公知の連動機構により、フロントカバー6の回動と連動しており、フロントカバー6が開放位置に配置された状態で、上方に退避し、フロントカバー6が閉鎖位置に配置された状態で、下方に進出する。
【0184】
また、フロントカバー6が閉鎖位置に配置され、各押圧部材69が下方に進出した状態で、各押圧部101が、対応するプロセスカートリッジ100のユニットフレーム105を、下方に向かって押圧する。
【0185】
次に、第2実施形態における、本体ケーシング2に対するドロワフレーム16の引出動作および装着動作を説明する。
【0186】
ドロワフレーム16を第1位置から第2位置に移動させるには、まず、
図11に示すように、ユーザが、本体ケーシング2のフロントカバー6を開放位置に配置する。
【0187】
このとき、押圧ユニット107は、公知の連動機構により、上方に退避される。次いで、ユーザが開口部5を介してドロワフレーム16を前方に引き出すと、ドロワフレーム16は、前方に向かって移動する。
【0188】
そうすると、ドロワフレーム16は、すべてのプロセスユニット50が本体ケーシング2外に配置される第2位置に到達する。
【0189】
以上により、ドロワフレーム16の第1位置から第2位置への移動、すなわち、ドロワフレーム16の本体ケーシング2に対する引き出し動作が完了する。
【0190】
なお、ユーザが、プロセスカートリッジ100をドロワフレーム16から離脱させる場合、プロセスカートリッジ100が第2位置にある状態で、プロセスカートリッジ100を上方に向かって引き上げる。これによって、プロセスカートリッジ100がドロワフレーム16から離脱される。また、ユーザが、プロセスカートリッジ100をドロワフレーム16に装着する場合、プロセスカートリッジ100が第2位置にある状態で、プロセスカートリッジ100を上方からドロワフレーム16の対応する部分に挿入する。これによって、プロセスカートリッジ100がドロワフレーム16に装着される。
【0191】
シアンプロセスカートリッジ100Cがドロワフレーム16に装着されると、シアンプロセスカートリッジ100Cのユニットフレーム105の後下端部が、規制部材103の前端部に上方から当接する。これにより、規制部材103の前端部が、上記したように、下方に向かって反る湾曲形状となる。
【0192】
ドロワフレーム16を第2位置から第1位置に移動させるには、上記した引出動作と逆の手順に操作する。
【0193】
具体的には、ユーザが第2位置あるドロワフレーム16を後方に向かって押圧する。そうすると、ドロワフレーム16は、後方に向かってスライド移動する。これによって、ドロワフレーム16の第2位置から第1位置への移動し、ドロワフレーム16が本体ケーシング2の収容部40に収容される。
【0194】
次いで、ユーザがフロントカバー6を開放位置から閉鎖位置に回動する。
【0195】
このとき、押圧ユニット107は、
図10に示すように、公知の連動機構により、フロントカバー6の開放位置から閉鎖位置の回動に連動して、下方に向かって移動する。
【0196】
そうすると、押圧ユニット107の押圧部101が、対応するプロセスカートリッジ100のユニットフレーム105の上端部に対して、上方から当接し、各プロセスカートリッジ100を下方に向かって押圧する。つまり、押圧ユニット107は、シアンプロセスカートリッジ100Cを下方に向かって押圧している。
【0197】
このとき、押圧部101の押圧力F5は、規制部材103の付勢分力C7よりも大きくなるように設定されている。
【0198】
つまり、押圧ユニット107は、付勢分力C7に抗して、シアンプロセスカートリッジ100Cを下方に向けて押圧しており、ドロワフレーム16に対するシアンプロセスカートリッジ100Cの相対移動を規制している。
【0199】
そのため、シアンプロセスカートリッジ100Cのドロワフレーム16に対する相対的な位置精度の低下を抑制することができる。
【0200】
その結果、シアンプロセスカートリッジ100Cの周囲において、オゾンを含む空気の円滑な流通を確保することができながら、例え、シアンプロセスカートリッジ100Cにガタつきが生じても、規制部材103が気流を確実に規制することができ、さらには、シアンプロセスカートリッジ100Cのドロワフレーム16に対する相対的な位置精度の低下を抑制することができる。
8.変形例
上記したプリンタ1およびプリンタ110は、本発明の画像形成装置の一実施形態であり、本発明は上記した第1実施形態および第2実施形態に限定されない。
【0201】
上記した第1実施形態では、
図8に示すように、ダクト側規制部材71の上端部がダクト本体74の前壁に固定され、ダクト側規制部材71の下端部が、第1位置にあるドロワフレーム16のリヤビーム87の上端部に後上方から接触している。
【0202】
しかし、ダクト側規制部材71は、
図8に仮想線で示すように、ダクト側規制部材71の下端部をリヤビーム87の上端部に固定し、ダクト側規制部材71の上端部が、ドロワフレーム16が第1位置にある状態において、ダクト本体74の前壁の下端部に前下方から接触するように配置してもよい。
【0203】
この場合、ダクト側規制部材71は、並列方向の他方の端部(他端部)から一方の端部(一端部)に向かって撓むように弾性変形しており、前方に反る湾曲形状となっている。
【0204】
これによっても、ダクト側規制部材71が、リヤビーム87とダクト本体74との間に配置される。つまり、簡易な構成でありながら、ダクト側規制部材71を、リヤビーム87とダクト本体74との間により一層確実に配置することができる。
【0205】
また、上記の第1実施形態では、ダクト側規制部材71が、リヤビーム87とダクト本体74との間に配置されているが、これに限定されず、ダクト側規制部材71は、フロントビーム86と、本体ケーシング2の前端部、例えば、フロントカバー6との間に配置されてもよい。この場合、前方が並列方向の一方(一端部)に対応し、後方が並列方向の他方(他端部)に対応する。また、フロントカバー6が内壁の一例として対応する。
【0206】
また、上記の第1実施形態では、
図8に示すように、ドロワ側規制部材90が、シアンプロセスユニット50Cとリヤビーム87との間に配置され、上記の第2実施形態では、規制部材103が、
図10に示すように、シアンプロセスカートリッジ100Cとリヤビーム87との間に配置されているが、これに限定されない。
【0207】
例えば、ドロワ側規制部材90は、ブラックプロセスユニット50Kとフロントビーム86との間に配置されてもよく、規制部材103は、ブラックプロセスカートリッジ100Kとフロントビーム86との間に配置されてもよい。これらの場合、前方が並列方向の一方(一端部)に対応し、後方が並列方向の他方(他端部)に対応する。
【0208】
また、上記したダクト側規制部材71、ドロワ側規制部材90および規制部材103のそれぞれは、可撓性を有する樹脂フィルムであるが、これに限定されず、例えば、スポンジなどの弾性発泡体であってもよく、また、ばね等の付勢部材を有するシャッタなどであってもよい。
【0209】
また、上記したプリンタ1およびプリンタ110では、帯電器の一例としてスコロトロン型帯電器18を備えるが、これに代えて、帯電ローラなどの公知の帯電器を採用することもできる。
【0210】
これらによっても、上記した第1実施形態および第2実施形態のそれぞれと同様の作用効果を奏することができる。
【0211】
なお、これら第1実施形態、第2実施形態および変形例のそれぞれは、適宜組み合わせることができる。