(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、通信ネットワークに接続された処理装置の識別情報等は、権限のあるネットワーク管理者等によって管理されていることがある。
【0006】
そのため、ユーザがネットワーク管理者等へ問い合わせできない状況等では、当該処理装置に割り当てられた識別情報等を事前に取得することができないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、自装置の識別情報を事前に取得させることができる処理装
置を含むシステム及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載のシステムは、処理装置と情報装置を含むシステムであって、前記処理装置は、前記処理装置の識別情報を前記情報装置に対して送信する第1の通信手段を備え、前記情報装置は、前記第1の通信手段により送信された前記識別情報を受信する第2の通信手段と、前記識別情報に対応する前記処理装置を制御するためのドライバをインストールするドライバインストール手段を備える。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、前記処理装置は、前記第1の通信手段とは異なる通信プロトコルによりジョブを受信する第3の通信手段をさらに備え、前記情報装置は、前記ドライバインストール手段によりインストールされたドライバを用いて、前記第2の通信手段とは異なる通信プロトコルによりジョブを送信する第4の通信手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載のシステムである。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、前記第1の通信手段及び前記第2の通信手段は、近距離無線通信手段を含むことを特徴とする請求項1乃至2に記載のシステムである。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、処理装置と情報装置を含むシステムであって、前記処理装置は、前記処理装置の識別情報を前記情報装置に対して送信する第1の通信手段と、画像データを受信する、前記第1の通信手段と通信プロトコルが異なる第3の通信手段を備え、前記情報装置は、前記第1の通信手段により送信された前記識別情報を受信する第2の通信手段と、前記第2の通信手段により受信された前記識別情報に対応する前記処理装置に前記画像データを送信する、前記第2の通信手段と通信プロトコルが異なる第4の通信手段を有するシステムである。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、前記情報装置は、前記識別情報に対応する前記処理装置を、前記第4の通信手段における画像データ送信先として検出する処理装置検出手段と、前記処理装置検出手段により検出された前記処理装置を制御するためのドライバをインストールするドライバインストール手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項4に記載のシステムである。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、前記情報装置は、前記処理装置に対する画像データの送信を監視し、検知する画像データ検知手段と、前記画像データ検知手段により前記画像データが検知された場合に、前記識別情報であるIPアドレスに対応する送信先に対して、前記画像データを前記第4の通信手段により送信することを特徴とする請求項4に記載のシステムである。
【0014】
また、請求項7に記載の発明は、前記第1の通信手段及び前記第2の通信手段は、近距離無線通信手段を含むことを特徴とする請求項4乃至6に記載のシステムである。
【0015】
また、請求項8に記載の発明は、前記第3の通信手段は、前記情報装置に画像データを送信し、前記第4の通信手段は、前記第3の通信手段により送信された画像データを受信することを特徴とする請求項4に記載のシステムである。
【0016】
また、請求項9に記載の発明は、識別情報によって特定され、画像データを受信する、第1の通信手段と、前記識別情報を情報装置に対して送信する、前記第1の通信手段と通信プロトコルが異なる第2の通信手段と、を備えることを特徴とする処理装置である。
【0017】
また、請求項10に記載の発明は、コンピュータを、処理装置の識別情報を受信する第1の通信手段、前記識別情報に対応する前記処理装置を制御するためのドライバをインストールするドライバインストール手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【0018】
また、請求項11に記載の発明は、コンピュータを、識別情報によって処理装置に備えられた通信手段を特定し、画像データを送信する、第1の通信手段、処理装置により送信された前記識別情報を受信する、前記第1の通信手段と通信プロトコルが異なる第2の通信手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【0019】
また、請求項12に記載の発明は、処理装置に備えられたコンピュータを、識別情報によって特定され、画像データを受信する、第1の通信手段、前記識別情報を情報装置に対して送信する、前記第1の通信手段と通信プロトコルが異なる第2の通信手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、自装置の識別情報を事前に取得させる処理装置、処理装置の識別情報を事前に取得し、処理装置のドライバをインストールする情報装置、それらを含むシステムが得られる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、ジョブを受信する処理装置、ジョブを送信する情報装置、それらを含むシステムが得られる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、自装置の識別情報を近距離無線通信により事前に取得させる処理装置、処理装置の識別情報を近距離通信により事前に取得する情報装置、それらを含むシステムが得られる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、通信ネットワークにおける自装置の識別情報を事前に取得させる処理装置、通信ネットワークにおける処理装置の識別情報を事前に取得する情報装置、それらを含むシステムが得られる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、処理装置のドライバがインストールされた情報装置を含むシステムが得られる。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、処理装置に対する画像データの送信を検知した場合に、当該画像データを処理装置に対して送信する情報装置を含むシステムが得られる。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、通信ネットワークにおける自装置の識別情報を近距離無線通信により事前に取得させる処理装置、通信ネットワークにおける処理装置の識別情報を近距離通信により事前に取得する情報装置、を含むシステムが得られる。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、情報装置との間で画像データを送受信する処理装置、処理装置との間で画像データを送受信する情報装置、それらを含むシステムが得られる。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、通信ネットワークにおける自装置の識別情報を事前に取得させる処理装置が得られる。
【0029】
請求項10に記載の発明によれば、処理装置の識別情報を事前に取得し、ドライバをインストールするプログラムが得られる。
【0030】
請求項11および12に記載の発明によれば、通信ネットワークにおける処理装置の識別情報を事前に取得させるプログラムが得られる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下において、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システム1の構成例を示す図である。画像形成システム1は、複合機200とPC(Personal Computer)30000を含んでいる。
【0034】
複合機200は、複合機本体部210と、記憶部(複合機)220、制御部(複合機)230、表示部(複合機)240、入力部(複合機)250、ネットワーク接続部(複合機)260、NFC送受信部(複合機)270を含んで構成されている。ここで、制御部(複合機)230と、記憶部(複合機)220、表示部(複合機)240、入力部(複合機)250は一体となってコンピュータとして機能する。
【0035】
ここで、複合機本体部210は、スキャナ部211とプリンタ部212を含んでいる。この他に、ファクシミリ部等を含んでいることとしてもよい。
【0036】
記憶部(複合機)220は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含んでいる。記憶部(複合機)220は制御部(複合機)230が実行するプログラムを格納するとともに、制御部(複合機)230のワークメモリとしても機能する。なお、記憶部(複合機)220に格納される制御部(複合機)230が実行するプログラムは、電気通信回線を介して提供されるものであってもよいし、半導体記憶素子等のコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよい。
【0037】
制御部(複合機)230は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含んでおり、記憶部(複合機)220に格納されているプログラムを実行することにより、複合機200の全体を制御する。
【0038】
表示部(複合機)240は、例えば液晶ディスプレイであり、ユーザが複合機200を操作するために必要な情報等を表示する。
【0039】
入力部(複合機)250は、例えば物理テンキーやタッチパネルであり、ユーザの指示を制御部(複合機)230に出力する。
【0040】
ネットワーク接続部(複合機)260は、本実施の形態においては無線LANデバイスである。その他に、有線によりネットワーク接続を行うネットワークカード等であってもよい。
【0041】
NFC送受信部(複合機)270は、NFC(Near Field Communication)技術による無線通信を行うための電波送受信部を含む。この他に、例えば赤外線通信部やBluetooth(登録商標)送受信部であってもよい。
【0042】
NFC技術とは、近距離無線通信技術の一つであり、狭義には国際標準化機構(International Organization for Standardization、ISO)及び国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission、IEC)により定められた国際規格であるISO/IEC 14443やISO/IEC 18092、ISO/IEC 21481で定められた技術をいう。NFCは13.56MHzの周波数帯を使用する無線通信であり、数十cm程度の距離での通信を想定し、通信速度は数百kbpsとBluetooth(登録商標)等の通信技術に比べて低速であるものの、いわゆるペアリング等の通信機器の初期設定を必要としないため、簡易に通信を確立したい場合に有用な技術となっている。また、赤外線通信等の通信技術は指向性を有するのに対し、NFCはほぼ全方位で送受信可能である点で優れている。他に、NFC機器の一方から発せられた電磁波による誘導起電力を利用して他方のNFC機器の駆動電力を確保することができるため、NFC機器の一方が無電源であっても送受信可能である点が特徴として挙げられる。このため、カード型等のNFC送受信機が広く用いられている。
【0043】
PC(Personal Computer)30000は、ネットワーク接続部(PC)31000と、NFC送受信部(PC)32000、記憶部(PC)33000、制御部(PC)34000、表示部(PC)35000、入力部(PC)36000を含んで構成されている。
【0044】
ネットワーク接続部(PC)31000及びNFC送受信部(PC)32000、記憶部(PC)33000、制御部(PC)34000、表示部(PC)35000、入力部(PC)36000は、複合機200におけるネットワーク接続部(複合機)260及びNFC送受信部(複合機)270、記憶部(複合機)220、制御部(複合機)230、表示部(複合機)240、入力部(複合機)250と、それぞれ同様の構成を有する。
【0045】
ただし、表示部(PC)35000は表示部(複合機)240に比べて表示領域の広い液晶ディスプレイ等であり、入力部(PC)36000はマウス等のポインティングデバイスやキーボードを含む。また、制御部(PC)34000によるネットワーク接続部(PC)31000等のデバイスの制御やCPUの制御等は、OS(Operating System)により行われるものとする。具体的には、MicrosoftによるWindows(登録商標)やAppleによるMac OS(登録商標)、もしくはLinux(登録商標)などである。
【0046】
本実施の形態においては、ネットワーク接続部(複合機)260とネットワーク接続部(PC)31000は、それぞれ固有のMACアドレス(Media Access Control address)をもつものとし、OSI参照モデル(The Open Systems Interconnection model、ISO/IEC 7498)にいう第2層であるデータリンク層における識別情報として用いられるものとする。また、ネットワークでの識別情報としてIPアドレス(Internet Protocol address)が割り振られ、TCP(Transmission Control Protocol)により通信が確立されるものとする。IPアドレスとはOSI参照モデルの第3層であるネットワーク層で用いられる識別情報をいい、TCPとは第4層であるトランスポート層において通信の信頼性を担保するために用いられる通信手順をいう。ただし、他のプロトコルを用いて通信するものとしてもよい。
【0047】
本実施の形態における画像形成システム1は、4つの通信手段を含んでいる。第1の通信手段としてNFC送受信部(複合機)270、第2の通信手段としてNFC送受信部(PC)32000、第3の通信手段としてネットワーク接続部(複合機)260、第4の通信手段としてネットワーク接続部(PC)31000である。
【0048】
図2は、本実施の形態における記憶部(PC)33000の内容例を示すものである。記憶部(PC)33000は、操作案内画像記憶部33100、プログラム記憶部33200、プリンタ構成情報記憶部33300を含んでいる。また、プリンタ構成情報記憶部33300は、プリンタ制御プログラム記憶部33310及びプリンタ制御情報記憶部33320を含み、プリンタ制御情報記憶部33320は、プリンタポート記憶部33321及びプリントキュー状態記憶部33322を含んでいる。
【0049】
プログラム記憶部33200には、PC30000を制御する上で必要となるプログラムが格納されている。例えば、前述のOSやデバイスドライバ等である。デバイスドライバとは、例えばキーボード等の周辺機器をOSにより制御する場合に、機器の機能を抽象化し、機器の電気的仕様等を考慮せずとも制御が可能となるように、機器毎に用意されるプログラムをいう。もっとも、キーボード等ありふれた機器についてはOSがそのデバイスドライバを含むことが通常である。それらは「標準ドライバ」や「In-Boxドライバ」の名称で呼ばれる。
【0050】
プリンタ制御プログラム記憶部33310は、プリンタドライバを含むプリンタ制御に必要なプログラムを格納する。本実施の形態では、プリンタドライバはOSに含まれる標準ドライバであるものとするが、専用ドライバであってもよい。
【0051】
プリンタポート記憶部33321は、ネットワーク接続部(複合機)260に割り当てられたIPアドレスを格納するものとする。本実施の形態では、複合機200はネットワーク接続部(複合機)260を含むものとしたが、別体のプリントサーバを介してネットワークに接続されるものとしてもよい。その場合、プリンタポート記憶部33321には当該プリントサーバに割り当てられたIPアドレスを格納するものとする。
【0052】
プリントキュー状態記憶部33322は、OSにプリンタドライバをインストールした際に生成されるプリントキューの状態を格納するものとする。プリントキューの状態とは、例えば印刷可能状態や一時停止状態をいうものとする。
【0053】
図3は、操作案内画像記憶部33100に格納された操作案内画像を示すものである。本実施の形態においては、第1操作案内画像及び第2操作案内画像が格納されている。これらの画像は、後述するプリンタセットアッププログラムもしくは印刷ジョブ監視プログラムにおいて呼び出され、表示部(PC)35000に表示されるものである。
【実施例1】
【0054】
以下において、本発明の第1の実施例を説明する。
図4は、第1の実施例におけるユーザの行為と、制御部(PC)34000及び制御部(複合機)230で行われる処理を時系列順に記載したものである。
【0055】
初めに、ユーザが入力部(PC)36000を操作することにより、制御部(PC)36000はプログラム記憶部33310に格納されたプリンタセットアッププログラムを起動する(S101)。当該プログラムは予めプログラム記憶部33310に格納されていることとしてもよいし、必要に応じて電気通信回線を介して取得するか、もしくは半導体記憶素子等のコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体に格納されて提供されるものとしてもよい。
【0056】
次に、制御部(PC)36000は表示部(PC)35000を用いて操作案内画像記憶部33100に格納された第1操作案内画像40aを表示する(S102)。
【0057】
図5に第1操作案内画像40aを示す。第1操作案内画像40aは、第1メッセージ表示欄41a、及び第1操作案内表示欄42aを含む。本実施の形態においては、第1メッセージ表示欄41aに「使用したい複合機にPCをタップして下さい」という文字が表示され、第1操作案内表示欄42aには当該指示を表す図が表示されている。
【0058】
ここで「タップ」とは、PC30000の特にNFC送受信部(PC)32000を、複合機200のNFC送受信部(複合機)270に接触、もしくは数十cm以内の距離に近接させ、数秒間静止させてNFCによる通信が可能な状態にすることをいう。
【0059】
当該案内画像を視認したユーザは、PC30000を複合機200にタップする(S103)。この際、NFC送受信部(PC)32000とNFC送受信部(複合機)270の取り付けられた位置を知ることが必要となるため、当該部分を発光させる等してユーザの視認性を高めることとしてもよい。
【0060】
NFCによる通信が可能となった場合、制御部(複合機)230は、後述するWSD(Web Services on Devices)プロトコルのUUID(Universally Unique Identifier)をNFC送受信部(複合機)270により送信する(S104)。ここで、UUIDとはISO/IEC 11578:1996により定められた一意な識別子をいい、ネットワーク接続部(複合機)260のMACアドレスに基づいて算出されるものであってもよいし、乱数等に基づいて算出されるものであってもよい。
【0061】
NFC送受信部(PC)32000は、NFC送受信部(複合機)270により送信されたUUIDを受信する(S105)。この際、受信が完了したことをユーザに知らせるため、音や光を発することとしてもよい。また、受信に失敗した場合、その旨をユーザに通知することとしてもよい。
【0062】
なお、本実施の形態ではPC30000を複合機200に直接タップすることとしたが、カード型等のNFC機器を複合機200にタップしてUUIDを受信し、当該NFC機器に備えられた記憶部にUUIDを格納し、その後当該NFC機器をPC30000にタップすることでNFC送受信部(PC)32000がUUIDを受信することとしてもよい。
【0063】
次に、制御部(PC)34000は、ネットワーク上のプリンタを検索し(S106)、検出されたプリンタのUUIDと、NFC送受信部(PC)32000により受信されたUUIDが一致するか判断する(S107)。一致しない場合、別のプリンタがネットワーク内に存在しないか検索する。
【0064】
UUIDの一致するプリンタが検出された場合、制御部(PC)34000は、記憶部(PC)33000内の記憶領域を確保し、新たなプリンタ構成情報記憶部33300を作成する(S108)。なお、記憶部(PC)33000には複数のプリンタ構成情報記憶部が含まれるものとしてよい。
【0065】
その後、制御部(PC)34000は、新たに作られたプリンタ構成情報記憶部33300に含まれるプリンタ制御プログラム記憶部に、プリンタドライバをインストールする(S109)。本実施の形態では、取得されたUUIDに基づいてWSDを用いて標準ドライバを選択し、インストールするものとする。ここで、WSDとは、Microsoftが提供するAPI(Application
Programming Interface)の一種であり、ネットワーク上のプリンタ等の検出、接続等を容易にするものである。なお、当該ドライバは予め記憶部(PC)33000に格納されているものであってもよいし、電気通信回線を介して取得するか、もしくはコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよい。
【0066】
最後に、制御部(PC)34000は、表示部(PC)35000を用いて準備が完了した旨を告げるメッセージを表示する(S110)。以上により、第1の実施例におけるプリンタセットアッププログラムは終了する。
【0067】
以上の実施例は、複合機200のプリンタ部212を使用するためにプリンタドライバをインストールする例であったが、スキャナ部211を使用するためにスキャナドライバをインストールする例とすることもできる。その場合、制御部(PC)34000は、ネットワーク上のスキャナを検索し(S106)、UUIDが一致するか判断し(S107)、スキャナ構成情報記憶部を作成し(S108)、スキャナドライバをインストールする(S109)。また、制御部(PC)34000は、プリンタドライバとスキャナドライバの両方をインストールすることとしてもよいし、複合機200に含まれる他の機能を利用するために必要となるプログラムをインストールすることとしてもよい。
【実施例2】
【0068】
次に、本発明の第2の実施例を説明する。
図6は、第2の実施例の準備段階におけるユーザの行為と、制御部(PC)34000で行われる処理を時系列順に記載したものである。
【0069】
初めに、ユーザが入力部(PC)36000を操作することにより、制御部(PC)36000はプログラム記憶部33310に格納された印刷ジョブ監視プログラムを起動する(S201)。当該プログラムは予めプログラム記憶部33310に格納されていることとしてもよいし、必要に応じて電気通信回線を介して取得するか、もしくは半導体記憶素子等のコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体に格納されて提供されるものとしてもよい。
【0070】
次に、制御部(PC)34000は、記憶部(PC)33000内の記憶領域を確保し、新たなプリンタ構成情報記憶部33300を作成する(S202)。
【0071】
その後、制御部(PC)34000は、新たに作られたプリンタ構成情報記憶部33300に含まれるプリンタ制御プログラム記憶部に、プリンタドライバをインストールする(S203)。本実施の形態では、標準ドライバをインストールするものとする。なお、専用ドライバをインストールすることとしてもよい。また、当該ドライバは予め記憶部(PC)33000に格納されているものであってもよいし、電気通信回線を介して取得するか、もしくはコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよい。
【0072】
処理S202及びS203は、第1の実施例において説明したプリンタセットアッププログラムにおいて行われる処理S108及びS109であってもよい。その場合、印刷ジョブ監視プログラムは、初めにプリンタセットアッププログラムを呼び出し、一連の処理を行った後、S110を行わずに印刷ジョブ監視プログラムに復帰する構成をもつものとしてもよい。
【0073】
次に、制御部(PC)34000はプリントキュー状態記憶部33322を更新し、プリントキュー状態を一時停止にする(S204)。印刷可能状態として放置すると、プリンタポートが指定されていないプリンタに対して印刷要求が発せられる場合が考えられ、誤動作の原因となるためである。
【0074】
そして、制御部(PC)34000は複合機200のプリントキューに対する印刷ジョブを継続的に監視する(S205)。以上により、印刷ジョブ監視プログラムの準備段階は終了する。
【0075】
図7は、印刷ジョブ監視プログラムの主機能を構成する処理の流れを示すものである。制御部(PC)34000は、印刷ジョブ監視プログラムの準備段階で説明したように、印刷ジョブを監視し(S301)、印刷ジョブが無い場合は監視を継続する(S303)。
【0076】
その後、ユーザが入力部(PC)35000を操作することにより印刷要求が行われると(S302)、制御部(PC)34000が当該要求に係る印刷ジョブを検知することで(S303)、監視のループを抜け出す。当該要求は、例えばPC30000のOS上で動作するウェブブラウザや文書作成アプリケーション等において実行されるものであり、ドキュメントを紙等に印刷する形で出力する目的で行われるものである。
【0077】
印刷ジョブがある場合(S303)、制御部(PC)34000は、表示部(PC)35000を用いて第2操作案内画像40bを表示する(S304)。
【0078】
図8に第2操作案内画像40bを示す。第2操作案内画像40bは、第2メッセージ表示欄41b、及び第2操作案内表示欄42bを含む。本実施の形態においては、第2メッセージ表示欄41bに「ドキュメントを出力したい複合機にPCをタップして下さい」という文字が表示され、第2操作案内表示欄42bには当該指示を表す図が表示されている。
【0079】
当該案内画像を視認したユーザは、PC30000を複合機200にタップする(S305)。この際、第1の実施例と同様に、NFC送受信部(PC)32000とNFC送受信部(複合機)270の取り付けられた位置を知ることが必要となるため、当該部分を発光させる等してユーザの視認性を高めることとしてもよい。
【0080】
NFCによる通信が可能となった場合、制御部(複合機)230は、ネットワーク接続部(複合機)260に割り当てられたIPアドレスをNFC送受信部(複合機)270により送信する(S306)。
【0081】
送信されたIPアドレスは、NFC送受信部(PC)32000により受信される(S307)。この際、第1の実施例と同様に、受信が完了したことをユーザに知らせるため、音や光を発することとしてもよい。また、受信に失敗した場合、その旨を通知することとしもよい。
【0082】
なお、第1の実施例と同様に、カード型等のNFC機器を複合機200にタップしてIPアドレスを受信し、当該NFC機器に備えられた記憶部にIPアドレスを格納し、その後当該NFC機器をPC30000にタップすることでNFC送受信部(PC)32000がIPアドレスを受信することとしてもよい。
【0083】
次に、制御部(PC)34000は、印刷ジョブ監視プログラムの準備段階で作成したプリンタ構成情報記憶部33300に含まれるプリンタポート記憶部33321を更新し、プリンタポートを受信したIPアドレスに変更する(S308)。
【0084】
その後、制御部(PC)34000は、プリントキュー状態記憶部33322を更新し、一時停止状態だったプリントキューの状態を印刷可能状態に変更する(S309)。
【0085】
そして、印刷要求(S302)のあった印刷ジョブをネットワーク接続部(PC)31000からネットワークを介して複合機200に送信する(S310)。本実施の形態では、当該送信処理はいわゆるTCP/IPに定められた手順に従って行われるものとする。そのために上記IPアドレスが必要とされる。異なる通信プロトコルによる実装を行うこととしてもよく、その場合はNFCにより送受信される情報をそのプロトコルで定められた識別情報とすればよい。
【0086】
ネットワーク接続部(複合機)260を通じて印刷ジョブを受信した複合機200の制御部(複合機)230は、プリンタ部212を用いて当該ジョブの印刷を行う(S311)。結果、紙等に印刷された出力結果をユーザが取得する。
【0087】
最後に、制御部(PC)34000は、プリントキュー状態記憶部33322を更新し、プリントキュー状態を一時停止にする(S312)。その後は、印刷ジョブの監視(S301)に戻ってもよいし、印刷ジョブ監視プログラムを終了することとしてもよい。
【0088】
以上により、本実施の形態におけるプリンタ等のセットアップ、及びドキュメントの出力先とするプリンタの設定が行われる。
【0089】
なお、本発明の実施の形態は以上に説明したものに限られない。例えば、複合機200にファクシミリ機能が含まれる場合、PC30000から当該機能を利用するためにはファクシミリドライバをインストールする必要があるため、第1の実施例においてファクシミリドライバをインストールすることとしてもよい。