特許第6048360号(P6048360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6048360-車両用ペダル装置 図000002
  • 特許6048360-車両用ペダル装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6048360
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】車両用ペダル装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 1/30 20080401AFI20161212BHJP
   B60K 26/02 20060101ALI20161212BHJP
   B60T 7/06 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   G05G1/30 E
   B60K26/02
   B60T7/06 A
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-212606(P2013-212606)
(22)【出願日】2013年10月10日
(65)【公開番号】特開2015-75977(P2015-75977A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2015年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071216
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 昌毅
(72)【発明者】
【氏名】安達 隆介
【審査官】 鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−003086(JP,A)
【文献】 特開2013−147147(JP,A)
【文献】 特開2011−204193(JP,A)
【文献】 米国特許第6186026(US,B1)
【文献】 特開2012−218647(JP,A)
【文献】 特開昭59−023734(JP,A)
【文献】 特開2004−017709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 1/00−25/04
B60K 25/00−28/16
B60K 20/00−20/08
B60T 1/00− 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者席の前方の下部にて前記運転者の足により枢動可能に下方に延在したペダルアームを含むペダル装置であって、
前記ペダルアームの支点を含み、前記運転者席の前方の下部に固定されるブラケット部材と、
前記ブラケット部材及び該ブラケット部材に隣接又は付属された制御部品の下面と前記運転者席の足元の空間との間を遮るよう延在したカバー部材とを含み、
前記ブラケット部材と前記カバー部材との間の前記制御部品の下方領域に位置する前記ブラケット部材の下部から下向きに延在する凸部が形成されているペダル装置。
【請求項2】
請求項1のペダル装置であって、前記凸部が板状部材を湾曲してなる部材であり、前記制御部品の下方領域に位置する前記ブラケット部材の部分にて一体的に成型されるか別体として形成され固定されているペダル装置。
【請求項3】
請求項1又は2のペダル装置であって、前記凸部が前記カバー部材の上向きの撓みを阻止する剛性を有しているペダル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両のためのブレーキペダルやアクセルペダルの如きペダル装置に係る。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に於いては、ブレーキペダルやアクセルペダルとして、一般に、運転者の足にて操作される足踏み式のペダル装置が採用されている。特に、近年に於いては、ブレーキペダルやアクセルペダルによって直接に機械式に制動装置のブレーキ圧の調節又はエンジンのスロットルバルブの開閉の調節等を行うだけでなく、ペダル操作量を検出するストロークセンサやブレーキペダルの踏込みの有無を検知するストップランプスイッチなどの種々の制御部品がペダル装置に装備されていることが多い。この点に関し、下方に延在したペダルアームを旋回させてペダル操作を行う足踏み式のペダル装置は、車両の運転席の前方の下部に設置される。そして、そのペダル操作は、上記の如く、運転者の足元で、目視せずに為されることとなるので、運転者の足がペダル装置に装備された制御部品に無用に接触することをさけるべく、装置の下面は、パネル状のカバー部材で覆われている(例えば、特許文献1)。また、ペダルアームの側面に運転者の足が接触するなどの外力が加わった際に制御部品に無用な大きな力が作用することを回避するべく、ペダルアームが変形できるよう、ペダルアームに弱点部(溝)を形成することなども提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−239047
【特許文献2】特開2004−155340
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の如く、ペダル装置の下面がカバー部材で覆われている構成に於いて、運転者の足がカバー部材に当たると、カバー部材は、撓み変形し、これにより、カバー部材の付近に供えられた制御部品に衝撃が加わるおそれがある。そこで、このことを回避すべく、カバー部材の位置を、より下方にずらすと、運転者の足元の空間が小さくなり、返って、運転者の足がカバー部材に当たりやすくなる可能性がある。また、ペダル装置に装備された制御部品は、ペダルアームの枢動による機械的な変位を受容し、その位置は、ペダルアームの枢動軸(支点)に対してほぼ必然的に決定されるところ、カバー部材の位置が制御部品の位置又はペダルアームの枢動軸から離されると、カバー部材に於けるペダルアームの旋回中の経路に重なる部分の面積が大きくなるので、ペダルアームの旋回運動を妨げないように、カバー部材をより大きく切り欠く必要がある。しかしながら、その場合、ペダル装置の作動やその他の機械装置(ステアリングなど)の作動に於いて発生する音や振動或いはダッシュパネル透過音などが運転席へ漏れやすくなる。更に、カバー部材を撓みにくくするために、より厚みを増大するなどして剛固なものとすると、重量の増大につながる。
【0005】
かくして、本発明の一つの課題は、上記の如き車両用の運転者の足元で操作されるペダル装置の下面に取り付けられるカバー部材に於いて、その撓みによりカバー部材上方の制御部品等に衝撃を与えず、しかも、カバー部材を、制御部品の位置又はペダルアームの枢動軸から不必要に離さずに設置することを可能にして上記の如き問題を解決する新規な構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記の課題は、車両の運転者席の前方の下部にて運転者の足により枢動可能に下方に延在したペダルアームを含むペダル装置であって、ペダルアームの支点を含み、前記運転者席の前方の下部に固定されるブラケット部材と、ブラケット部材及び該ブラケット部材に隣接又は付属された制御部品の下面と運転者席の足元の空間との間を遮るよう延在したカバー部材とを含み、ブラケット部材とカバー部材との間の制御部品の下方領域に位置するブラケット部材の下部から下向きに延在する凸部が形成されているペダル装置によって達成される。
【0007】
上記の本発明に於いて、基本的な構成は、車両のブレーキペダルやアクセルペダルに使用される任意のペダル装置であってよく、車両の運転者席の前方の下部に装備され、運転者によるペダルの足踏み操作によって旋回するペダルアームを有し、運転者の足元の上方に位置するペダル装置の下面にペダル装置と足との接触を防止するカバー部材が設けられる。かかるカバー部材に関し、既に触れた如く、運転者がペダル操作の際に、カバー部材を不意に蹴り上げるなどした場合には、カバー部材が上方へ撓み、ペダル装置に取り付けられた種々の制御部品に接触してしまうことがある。そこで、本発明では、上記の如く、ブラケット部材とカバー部材との間の制御部品の下方領域に位置するブラケット部材の下部に於いて、下向きに延在する凸部が形成される。かかる凸部が形成されていることによれば、運転者による蹴り上げ等によりカバー部材に上向きの力がかかり、カバー部材が撓み始めても、すぐに凸部に接触し、更なるカバー部材の撓みが阻止又は抑制され、カバー部材の制御部品等への接触が回避されることとなる。また、カバー部材の上向きの撓みが抑制されることから、カバー部材の位置をブラケット部材の近くへ、即ち、上方へ配置可能となる。そうすると、ブラケット部材から垂れ下がって延在するペダルアームの旋回時の通過領域とカバー部材の延在領域との重複部分が小さくなるので、カバー部材によって覆われるペダル装置の下面の面積が増大し、これにより、ペダル装置にて発生する音や振動の運転席への漏洩が低減されることとなる。また、カバー部材が上方へ配置可能となることにより、運転者の足元の空間を広くすることができ、運転者の足とカバー部材との接触頻度も低減できることとなる。
【0008】
上記の本発明の構成に於いて、より詳細には、凸部は、板状部材を湾曲してなる部材であってよく、制御部品の下方領域に位置するブラケット部材の部分にて一体的に成型されるか、別体として形成されて、ブラケット部材の下部に溶接、接着又はその他の任意の方法にて固定されていてよい。凸部を湾曲した板状部材にて構成することにより、重量をさほどに増大せずに、カバー部材の撓みの抑制が達成される。また、できるだけ重量の増大を抑制するために、凸部は、制御部品の下方領域に位置するブラケット部材の部分に於いてのみ配置され、制御部品とカバー部材との接触が回避できるようになっていてよい。なお、実施形態に於いては、カバー部材と制御部品との接触を確実に回避すべく、カバー部材の上向きの撓みを阻止する剛性を有するよう凸部の寸法や厚みが調整される。
【発明の効果】
【0009】
かくして、上記の本発明の構成によれば、ブラケット部材とカバー部材との間に凸部を配置することによって、運転者の不意な蹴り上げ等によるカバー部材の撓みが抑制され、制御部品の保護が可能となる。また、カバー部材の撓みが抑制されることから、カバー部材の撓みを考慮してブラケット部材や制御部品の位置から離してカバー部材を配置する必要がなくなり、カバー部材をブラケット部材や制御部品等のより近くに配置することが可能となるので、より広い運転者足元空間の確保ができることとなる。更に、ペダルアームの支点により近い位置に、カバー部材の配置が可能となることから、ペダルアームの動きに対する干渉を回避するためのカバー部材の切り欠きの面積が低減され、これにより、カバー部材がペダル装置を覆う面積が増え、その分、ペダル装置に於いて発生する音や振動の外部への漏洩が抑制されることとなる。また更に、本発明の構成によれば、制御部品の下方領域に位置するブラケット部材の部分に凸部を設けるようになっていてもよいので、カバー部材の上向きの撓みの抑制のための重量の増大量を小さく抑えることが可能である。
【0010】
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1(A)、(B)は、それぞれ、本発明の実施形態が適用された車両用のブレーキペダル装置の模式的な右側面図と左側面図である。
図2図2(A)、(B)は、それぞれ、図1(A)、(B)のインパネアンダーカバー(カバー部材)と、荷重受け凸部と、凸部により保護される制御部品との位置関係を模式的に表した断面図である。
【符号の説明】
【0012】
1…インパネアンダーカバー
2…ペダルブラケット部材
2a…ペダルブラケット部材下縁
3…ペダルアーム
3a…ペダル
4…補助アーム
4a…ペダルブラケット部材支持枠
5、6、7…荷重受け凸部
8…ストロークセンサ
8a…ケーブル
10…ストップランプスイッチ
11…車体固定用締結具(ボルト)
R1…ペダルアーム枢動支点
R2…補助アーム枢動支点
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
【0014】
図1に示されている如く、本発明の適用される車両用のペダル装置は、典型的な自動車等の車両の運転者席の前方下部(図示せず)に配置されるペダル装置であってよい。図示の例は、ブレーキペダル装置であるが、アクセルペダル装置であってもよいことは理解されるべきである。同図を参照して、より具体的には、ペダル装置に於いては、締結具11により運転者席の前方下部にて車体(図示せず)に固定されたペダルブラケット部材2と、該ペダルブラケット部材2から垂れ下がったペダルアーム3とから構成される。ペダルブラケット部材2は、図中、車両の後方に開いたコの字形状の部材であり、ペダルアーム3は、ペダルブラケット部材2のコの字形状の内側にて支点R1を枢動点として枢動可能に取り付けられ、ペダルアーム3の先端に運転者の足にて踏み込み操作が為されるペダル3aが取り付けられる。また、図示の例では、ペダルアーム3は、機械式のリンク機構(図示せず)を介して補助アーム4に連結され、補助アーム4は、車両の後方上向きに延在し、ペダルアーム3の動きに連動して支点R2を枢動点として枢動可能に取り付けられる。そして、ペダルブラケット部材2は、ペダル装置の車両の後方側にて取り付けられたペダルブラケット部材支持枠4aを介して締結具11により車体に固定される。更に、車両用のペダル装置に於いては、ペダルブラケット部材2の一方の側(B)には、ペダルアーム3の枢動に於けるストローク量を検出するストロークセンサ8が取り付けられ、ケーブル8a(図2(B)参照)を通じて、ストローク量を任意の制動制御装置に送信する構成が設けられ、ペダルブラケット部材2の他方の側(A)には、ペダルアーム3の枢動(回動)位置に応じてオン−オフ切り替え作動を行うストップランプスイッチ10が装備され、図示していないケーブルを通じて、オン−オフ情報が任意のストップランプ制御装置又はその他の制御装置に送信される構成が設けられる。また更に、図示していないが、通常、ペダルアーム3の回動力を調節し、ペダル3aの踏み込みが解除された際に、ペダルアーム3を初期の位置へ戻すためのスプリング等の部材も設けられる。なお、図示していないが、ペダルアーム3の動きに連動して補助アーム4が回動することによって、制動装置の油圧の制御等が実行される場合がある。
【0015】
上記の如く、ペダル装置に於いては、ペダルブラケット部材2の周囲には、種々の制御部品やリンク機構が存在し、それらは、ペダルアーム3と機械的に連結して動作するため、ペダルアーム3との位置に対して配置されるべき位置が決定される。かかる構成に於いて、制御部品やリンク機構が、運転者の足元空間にむき出しになっていると、運転者の足によるペダル操作の際に、運転者の足が制御部品やリンク機構に接触し、制御部品やリンク機構に損傷が与えられてしまう場合があり、また、制御部品やリンク機構の作動音や振動が直接に運転席に広がってしまうこととなる。そこで、通常のペダル装置に於いては、図1中、太線にて描かれているように、インパネ(インストルメンタル・パネル)アンダーカバー1が、ペダルアーム3の延在する運転者の足元空間とペダルブラケット部材2との間とを遮るように、即ち、ペダルブラケット部材2及びその付属部品(制御部品等)の下方にて面状に延在するよう設けられ、ペダルアーム3がインパネアンダーカバー1の切り欠き領域を貫通して延在するよう構成される。かかるインパネアンダーカバー1が存在することによれば、運転者の足が、ペダル装置の制御部品やリンク機構へ直接に接触することが回避され、また、インパネアンダーカバー1が、制御部品やリンク機構の作動音や振動に対する遮音効果を奏することとなる。
【0016】
しかしながら、上記の如く、インパネアンダーカバー1が配置されていても、運転者のペダル操作は、通常、ペダルを目視せずに為されるので、不用に足を動かしたり、車両の乗降時に足を動かしたときに、インパネアンダーカバー1を上方へ蹴り上げてしまうといったことが起き得る。そして、そのようなインパネアンダーカバー1の蹴り上げがあると、インパネアンダーカバー1が上方に撓み、その一部がペダル装置の制御部品やリンク機構に接触し、損傷を惹起する場合がある。かかるインパネアンダーカバー1の撓みによる制御部品やリンク機構への接触を回避する一つの手法として、インパネアンダーカバー1の位置を制御部品やリンク機構から離す、即ち、車両のより下方にずらすことが考えられるところ、インパネアンダーカバー1の位置を下方へ移動すると、運転者の足元空間が狭くなり、返って、運転者の足がインパネアンダーカバー1に接触する頻度が増大し、インパネアンダーカバー1が劣化しやすくなってしまう。また、ペダルアーム3は、支点R1にて枢動旋回するので、インパネアンダーカバー1が下へ移動するほど、ペダルアーム3の旋回経路とインパネアンダーカバー1の延在領域との重複部分が増大することから、ペダルアーム3の貫通のためのインパネアンダーカバー1の切り欠き領域をより大きくする必要があるところ、インパネアンダーカバー1の切り欠き領域が大きくなれば、制御部品やリンク機構の作動音や振動が運転席へ漏れやすくなり、遮音効果が損なわれることとなる。
【0017】
そこで、上記の如き蹴り上げによるインパネアンダーカバー1の撓みの問題を解消すべく、本発明に於いては、インパネアンダーカバー1とペダルブラケット部材2との間のブラケット部材2の下部領域に、図1中に於いて斜線領域にて示されている如く、荷重受け凸部5、6、7を設け、インパネアンダーカバー1に於ける上方への大きな撓みの発生の阻止が図られる。より詳細には、例えば、図2に於けるインパネアンダーカバー1の断面図に示されている如く、ペダル装置の右側(A)に於いては、ストップランプスイッチ10の下方のペダルブラケット部材2の下縁2aに荷重受け凸部7が設けられ、ペダル装置の左側(B)に於いては、ストロークセンサ8の下方のペダルブラケット部材2の下縁2aに荷重受け凸部5、6が設けられてよい。荷重受け凸部5、6、7は、典型的には、重量の大きな増大を回避すべく、板状部材を湾曲してなる構造であってよく、ペダルブラケット部材2と一体成型されるか、別体にて形成されてペダルブラケット部材2の下縁2aへ溶接又はその他の方法により固定されてよい。
【0018】
上記の如く、荷重受け凸部5、6、7が設けられると、運転者の足によるインパネアンダーカバー1の蹴り上げによってインパネアンダーカバー1が上方へ撓み始めても、荷重受け凸部5、6、7に当接した段階でインパネアンダーカバー1の撓みが抑制され、これにより、ストロークセンサ8やストップランプスイッチ10がインパネアンダーカバー1からの接触又は衝突から保護されることとなる。また、インパネアンダーカバー1の撓みが抑制されることから、インパネアンダーカバー1は、できるだけ上方に配置することが可能となるので、運転者の足元空間が広くなり、運転者の足がインパネアンダーカバー1に接触する頻度も低減する。更に、インパネアンダーカバー1の位置がペダルアーム3の支点R1に近接できることから、ペダルアーム3の旋回経路とインパネアンダーカバー1の重複領域が小さくなり、従って、インパネアンダーカバー1の切り欠き面積を低減でき、ペダル装置を覆う面積が広くできるので、遮音効果が向上することとなる。更にまた、インパネアンダーカバー1の撓みが抑制されることにより、衝撃に弱い部品について、それらをインパネアンダーカバー1に近い位置に配置することも可能となるので、ペダル装置に於ける設計の自由度が増大される利点も得られる。
【0019】
理解されるべきことは、インパネアンダーカバー1の撓みは、特に、制御部品の位置の下方で阻止されるべきであるので、荷重受け凸部5、6、7は、図示の如く、制御部品の下方に配置されることが好ましい。逆に、保護されるべき制御部品の下方のみに荷重受け凸部5、6、7を配置するよう構成されていれば、無用な重量増大が回避されることとなる。また、荷重受け凸部5、6、7は、インパネアンダーカバー1の撓みの力に対抗可能な強度(変形しない強度)を有しているべきである。
【0020】
なお、上記の本発明による凸部は、アクセルペダル装置やパーキングブレーキペダル装置又はその他のペダル式に作動する任意の装置に設けられていてもよい。また、本発明は、アーム長の長い構成に於いても適用可能である。
【0021】
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
図1
図2