(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1 .
以下、この発明の実施の形態1を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態1の分解斜視図である。
図2は本発明の実施の形態1の斜視図である。
図3は本発明の実施の形態1の太陽電池モジュール施工部材の断面図である。
図4は本発明の実施の形態1の太陽電池モジュール施工部材の、
図3のA−A断面図である。
【0011】
図1〜
図4によって示す本実施の形態1の太陽電池モジュール施工部材は、太陽光発電の主体となる平盤形態をした太陽電池モジュール10を住宅の屋根等の設置構造20に敷き並べた状態に施工する施工部材に関するものである。太陽電池モジュール10は、
図1に示すように方形の平板状に構成された光発電機能体である太陽電池パネルの周辺にアルミ製等のフレームを装着した構成である。
【0012】
施工部材は、この複数の太陽電池モジュール10を屋根等の設置構造20に縦横に敷き並べて固定するものである。ここで、横方向とは水平方向の事であり図中Xの方向である。縦方向とは、屋根の傾斜に沿って軒側(下側)から棟側(上側)に向かう方向の事であり、図中Yの方向である。
屋根等の設置構造20は、屋根の傾斜に沿って垂木が縦方向に並列に複数配置されているのが一般的な構造である。この垂木上に施工部材を固定する事により、屋根等の設置構造20への固定強度の強い太陽電池モジュール施工部材を得ることが出来る。
垂木のピッチは屋根によって様々であるが、例えば1尺(303mm)、1尺5寸(455mm)、2尺(606mm)といったピッチが一般的に用いられる。
複数の太陽電池モジュール10を屋根に敷き並べて施工部材で固定することにより、太陽電池システムが構成される。
太陽電池モジュール10は、例えば横1660mm、縦860mmの大きさで、屋根の上に例えば
図2のように横5列、縦4段に並べられる。
太陽電池モジュール10の大きさや縦横に並べる数については、屋根の大きさに合わせて任意に選択される。
【0013】
本発明の実施の形態1の太陽電池モジュール施工部材の断面図を
図3に示す。本発明の実施の形態1の太陽電池モジュール施工部材は、屋根等の設置構造20上に縦方向に複数配列される縦桟3と、縦桟3上に固定され、複数配列される太陽電池モジュール10の隣り合う横フレームに設けられたモジュールフランジ72の一部を押さえて固定する太陽電池モジュール固定部材1と、太陽電池モジュール固定部材1とは別体として設けられ、桟3に固定され、複数配列される太陽電池モジュール10の隣り合う横フレームの間から太陽電池モジュール10の上面より上方に突出する雪止め板を備えた雪止め部材8と、縦桟3の滑り式固定部材保持部56に挿入され、太陽電池モジュール固定部材1と雪止め部材8とを縦桟3に固定するための桟固定部材4と、雪止め部材8と太陽電池モジュール固定部材1と縦桟3と桟固定部材4とを固定する桟固定ボルト5とを有する。
太陽電池システムは太陽電池モジュール施工部材と複数の太陽電池モジュール10とを有する。太陽電池モジュール施工部材により、複数の太陽電池モジュール10が設置構造20上に固定される。
【0015】
図8は縦桟3の斜視図である。
縦桟3は、
図1、
図8に示すように、断面が長方形状で上面に開口部を有し、断面と直交する縦方向(Y方向)に長く伸びた形状を有する。縦桟3の断面形状の詳細は
図4、
図8に示されている。縦桟3は、上部に縦桟天板51と、両側面に縦桟側面板52と、底面に縦桟底面板53を有する。縦桟天板51の中心部に開口部54を有する。開口部54は、長手方向の全長に渡って形成されている。両方の縦桟側面板52には、内側に向けて滑り式固定部材保持板55が設けられている。両側の縦桟天板51と縦桟側面板52と滑り式固定部材保持板55に囲まれて滑り式固定部材保持部56が構成される。底面板53には、縦桟3を設置構造20に固定するための固定穴が設けられており、施工部材固定ねじ21により縦桟3が設置構造20に固定される。
【0016】
なお、本発明の実施の形態1では、桟を縦方向に設置する例について説明したが、桟を設置する方向については縦方向に限るものではない。桟を横方向や斜め方向に設置しても構わない。あるいは、桟を横方向に設置し、その上にさらに縦方向に桟を設置しても構わない。屋根等の設置構造20上に桟を設置し、その上に太陽電池モジュールを載置することができれば、桟を設置する方向はどの方向でも構わない。
【0017】
太陽電池モジュール固定部材1の斜視図を
図5に示す。太陽電池モジュール固定部材1は、底面板31と、底面板31の端部から底面板と垂直上方に設けられた側面板32と、底面板31の中間部から底面板31と垂直上方に設けられた中間板33と、側面板32の上端と中間板33の上端を底面板31と平行に連結し、中間板33の外側まで張り出した天板34と、モジュールを固定するモジュール固定部35と、天板34の中央部より垂直上方に設けられて上端でモジュール固定部35と連結する固定部連結板36とを有する。
底面板31は側面板32と中間板33を連結し、中間板33の外側まで張り出して底面板固定部37を形成する。底面板固定部37には、桟固定ボルト5を通すための固定穴38が設けられている。
天板34から上方に固定部連結板36が設けられ、上端にモジュール固定部35を有する。モジュール固定部35は、両端にモジュールフランジに固定するためのモジュール固定突部39を有する。モジュール固定突部39はモジュール固定部35の下側に突起部として形成され、モジュールフランジを固定する。
太陽電池モジュール固定部材1は、横方向に縦桟3の位置の上に配置する2個で、太陽電池モジュール10を棟側のモジュールフランジの2箇所と軒側のモジュールフランジの2箇所の合計4箇所で固定する。太陽電池モジュール固定部材1の横幅としては、太陽電池モジュール10の荷重を4箇所で支えるのに必要な幅が適宜選択される。太陽電池モジュール固定部材1の横幅は太陽電池モジュール10の横幅よりも短く、太陽電池モジュール固定部材1は太陽電池モジュール10の横フレームの一部を押さえて固定する。例えば横幅が150mmの太陽電池モジュール固定部材1を2個用いて太陽電池モジュール10を支えることが出来る。
【0018】
雪止め部材8の斜視図を
図6に示す。雪止め部材8は、雪止め板41と雪止め固定板42を有する。雪止め固定板42の端部から垂直上方に雪止め板41が設けられる。雪止め板41の中央部には、雪止め板開口部43が設けられている。
図7に太陽電池モジュール固定部材1と雪止め部材8とを組み立てた斜視図を示す。
図3、
図4、
図7に示すように、太陽電池モジュール固定部材1と雪止め部材8を組み立てた状態では、太陽電池モジュール固定部材1のモジュール固定部35と固定部連結板36は、雪止め板開口部43の内側に配置される。雪止め部材1の横幅は太陽電池モジュール固定部材1の横幅よりも長く、雪止め部材1は太陽電池モジュール固定部材1を囲うように設けられる。例えば横幅が200mmの雪止め部材8を2個用いて太陽電池モジュール10の上面の積雪を支えることが出来る。
【0019】
桟固定部材4は、長方形の板状部材であり、中央部に桟固定ボルト5をネジ止めするためのネジ穴を有する。桟固定部材4は、
図4に示されるように、縦桟3の滑り式固定部材保持部56よりも小さい外形で形成され、滑り式固定部材保持部56に挿入されて縦方向に任意の位置まで滑って移動する。
【0020】
図9は太陽電池モジュール10の断面図である。
太陽電池モジュール10は、太陽電池パネル7と太陽電池モジュールフレーム6を有する。太陽電池モジュールフレーム6は、太陽電池パネル7の縦方向の両側面を覆う横フレームと、太陽電池パネル7の横方向の両側面を覆う図示しない側面フレームとを有する。横フレームは、太陽電池パネル7の軒側を覆う軒側横フレーム61と、太陽電池パネル7の棟側を覆う棟側横フレーム62とを有する。なお、軒側横フレーム61と棟側横フレーム62とは同じ断面形状を有し、180度回転した状態で軒側と棟側を覆っている。従って、太陽電池モジュール10をフレーム下面74に垂直な軸(Z軸)の周りに180度回転させても太陽電池モジュールフレーム6は同じ形状となる。
太陽電池パネル7は、タブ線により電気的に直列接続した複数の太陽電池セルを、充填材層を形成する透明加熱融着剤のシートに挟んで、これを透明な表面保護基板と耐候性フィルム等の裏面保護材との間に挟持して、真空引きしながら加熱して方形盤状のパネルに構成されている。
【0021】
なお、太陽電池セルとしては、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池などのいずれを使用しても良い。また、太陽電池パネル19としては、透明な表面保護基板上に薄膜系太陽電池を形成したものであっても良い。太陽電池パネルは、方形の平盤態に構成された光発電機能体であれば、どのような構成であっても良い。
【0022】
棟側フレーム61は、フレーム側面71と、フレーム側面71の中間付近から張り出し、架台3のフランジ保持面15に載置されるモジュールフランジ72と、太陽電池モジュール10の上面となるフレーム上面73と、架台3の下側フレーム保持面18に載置されるフレーム下面74と、太陽電池パネル7を支持するパネル保持面75とを有する。
太陽電池パネル7の上面とフレーム上面73とにより太陽電池モジュール10の上面が形成される。
【0023】
縦桟3、太陽電池モジュール固定部材1、桟固定部材4、雪止め部材8の断面形状は、長手方向の全長に渡って同一形状であり、長手方向のどの位置で切っても同じ断面を有する。また、縦桟3、太陽電池モジュール固定部材1、桟固定部材4の材料はアルミで形成されており、押し出し加工により成型される。
【0024】
次に、本発明の実施の形態1の太陽電池システムの施工手順を示す。
施工手順としては、まず縦桟3を屋根の垂木に施工部材固定ねじ21で固定する。ここで、太陽電池モジュール10の横幅と垂木のピッチは一致しないが、太陽電池モジュール1の横幅は垂木ピッチの2倍以上はあるので、太陽電池モジュール10の下には必ず2本以上の垂木があり、太陽電池モジュール10を2本の縦桟3上に固定することが可能となる。
【0025】
なお、縦桟3を屋根へ固定する方法は、垂木固定に限らない。屋根の構造としては、垂木の上に野地板を張った構造が一般的であるので、縦桟3を野地板に固定することにより屋根に固定しても構わない。
【0026】
次に、太陽電池モジュール固定部材1と雪止め部材8と太陽電池モジュール10を軒側から順に施工する。
まず、縦桟3の滑り式固定部材保持部56に縦桟固定部材4を挿入する。次に太陽電池モジュール固定用部材1を縦桟3の上に載置する。次に太陽電池モジュール固定用部材1の底面板固定部37の上に雪止め部材8を載置する。雪止め部材8の雪止め板の中央部には開口部が設けられており、雪止め部材8を載置した状態では、雪止め部材8の雪止め板の開口部の内側に太陽電池モジュール固定部材1のモジュール固定部35が配置される。即ち、太陽電池モジュール固定部材1は、雪止め板41に設けられた雪止め板開口部43の内側で太陽電池モジュール10を固定する。次に、縦桟固定ボルト5を雪止め部材8の固定穴と太陽電池モジュール固定部材1の固定穴に通し、縦桟3の滑り式固定部材保持部56内に挿入された桟固定部材4のネジ穴に締めこんで雪止め部材8と太陽電池モジュール固定部材1を縦桟3に固定する。
ここで、縦桟3の縦桟天板51には縦方向の全長に渡って開口部54が設けられているので、縦桟3の縦方向の任意の位置で太陽電池モジュール固定部材1を縦桟3に固定することができる。
【0027】
次に
図3のように、太陽電池モジュール10の軒側のモジュールフランジ72を、太陽電池モジュール固定部材1の固定部連結板36に接触させながらモジュール固定突部39に噛みこませて、太陽電池モジュール10を縦桟3の上に載置する。太陽電池モジュール固定用部材1の底面からモジュール固定突部39の下端までの高さは、太陽電池モジュール1の底面からモジュールフランジの上面までの高さよりもわずかに低くなるように構成されているので、
図3のように組み立てると、モジュールフランジ72が弾性変形してモジュール固定突部39に圧接し、太陽電池モジュール10が縦桟3と太陽電池モジュール固定部材1の間に固定される。
【0028】
次に縦桟3の滑り式固定部材保持部56に新たな桟固定部材4を挿入し、棟側のモジュールフランジ72に新たな太陽電池モジュール固定部材1を固定部連結板36に接触させながらモジュール固定突部39に噛みこませて、太陽電池モジュール固定部材1、雪止め部材8を太陽電池モジュール10の棟側から縦桟3に取り付ける。
【0029】
最後に桟固定ボルト5を締め付け、太陽電池モジュール10を固定する。
これを繰り返し、太陽電池モジュール10を段状に固定する。
それぞれの太陽電池モジュール10は、縦桟3の位置で棟側のモジュールフランジ2箇所と軒側のモジュールフランジ2箇所の合計4箇所で太陽電池モジュール固定部材1により固定される。それぞれの太陽電池モジュール固定部材1は棟側の太陽電池モジュール10と軒側の太陽電池モジュール10を同時に固定する。棟側の太陽電池モジュール10と軒側の太陽電池モジュール10の間には2箇所に太陽電池モジュール固定部材1が配置されてモジュールフランジを固定する。太陽電池モジュール固定部材1のモジュール固定部35を囲んで雪止め部材8が配置される。雪止め部材8は、それぞれの太陽電池モジュール10に対して2箇所で雪を止める。
【0030】
なお、
図1、
図2に示すように、最も棟側の固定に際しては、雪止め部材8を用いずに、太陽電池モジュール固定部材1のみで固定する。
【0031】
太陽電池システムは、太陽電池モジュール施工部材と複数の太陽電池モジュール10とを有する。太陽電池モジュール施工部材により、複数の太陽電池モジュール10が設置構造20上に固定される。
【0032】
本発明の実施の形態1の太陽電池システムでは、雪止め部材8を設けることにより、太陽電池モジュール上に積雪した雪が一気に滑落することを防ぐことができる。
また、太陽電池モジュール固定部材1と、雪止め部材8を別体として構成する事により、それぞれの機能に見合った適切な横幅を選択することが出来るので、縦桟3の付近に部分的に配置することが出来て、安価な構成で、太陽電池モジュールの固定と雪止めという機能を満たすことが出来る。
このように、太陽電池モジュールを固定するための部材と雪止め部とを別体として設けて、固定の機能に必要な構成と、雪止めのために必要な構成とを、それぞれ別々に最適な構成として選択する事により、安価な太陽電池モジュール施工部材を提供することが出来る。
【0033】
また、太陽電池モジュール固定部材1のモジュール固定部の外側に雪止め部材8の雪止め板の開口部が配置されるので、雪止めを必要としない地域では、雪止め部材を省いても他の施工部材を組み立てることが可能で、雪止め部材8以外の部品の共通化が可能となり、部品の共通化による製造コストの低減を図ることが出来る。
【0034】
また、太陽電池モジュール固定部材1のモジュール固定部の外側に雪止め部材8の雪止め板の開口部が配置され、
図3のように組み立てた時に雪止め部材8の雪止め板と太陽電池モジュール固定部材1のモジュール固定部連結板とが横方向から見て重なるように配置されるので、軒側の太陽電池モジュールと棟側の太陽電池モジュールとを太陽電池モジュール固定部材1で固定した時に、軒側太陽電池モジュールと棟側太陽電池モジュールとの間隔を狭くすることが出来る。
【0035】
軒側モジュールと棟側モジュールを配列する際に、両者の間隔を狭くすれば、屋根への設置効率を向上することが出来る。軒側モジュールと棟側モジュールとの間には、両者を固定するための太陽電池モジュール固定部材1を設ける必要があり、太陽電池モジュール固定部材1の固定部連結板36の縦方向の厚みの分だけは、軒側太陽電池モジュールと棟側太陽電池モジュールとの間隔を開ける必要がある。
本発明の実施の形態1の太陽電池システムでは、太陽電池モジュール固定部材1が太陽電池モジュールの横幅に対して部分的に設けられており、太陽電池モジュール固定部材1以外の位置では軒側太陽電池モジュールと棟側太陽電池モジュールとの間に間隔があいている。雪止め部材8の雪止め板41は、縦桟3側からこの隙間を通って太陽電池モジュール上面より上方に突出する。このように構成する事で、軒側太陽電池モジュールと棟側太陽電池モジュールとの間隔を広げることなく雪止め板を設けることができるので、雪止め機能をもった太陽電池システムを、高い設置効率で配列させることが出来る。
【0036】
また、
図4に示すように、太陽電池モジュール固定部材1は、雪止め部材8の雪止め板41に設けられた雪止め板開口部43の内側で太陽電池モジュール10を固定するので、太陽電池モジュール固定部材1の上方にも雪止め板を設けることが出来、広い横幅で雪を止めることができる。
また、雪止め板41は、雪止め板開口部43の上方で横方向に繋がっているので、雪の荷重を受けるために必要な強度を有することが出来る。
【0037】
また、太陽電池モジュール固定用部材1の底面板固定部37の上に雪止め部材8が載置されているので、太陽電池モジュール固定用部材1と雪止め部材8とを桟固定部材4に同時にネジ止めすることができるので、施工作業が簡便になり、固定ネジを共通化して材料コストを低減することが出来る。
【0038】
また、太陽電池モジュール固定部材1と、雪止め部材8を別体として構成する事により、雪止め部材を省いても他の施工部材を組み立てることが可能で、施工箇所によって雪止め部材を省いて施工する事により、雪止め部材の個数を減らすことが出来、雪止め部材のコストを削減することが出来る。例えば
図1、
図2のように、最も棟側の施工位置では、それより棟側には太陽電池モジュールはなく、雪止め部材を設ける必要が無いので、雪止め部材を省いて施工する事により、雪止め部材のコストを削減することが出来る。
【0039】
実施の形態2 .
以下、この発明の実施の形態2を添付図面に基づき詳細に説明する。
図10は本発明の実施の形態2の分解斜視図である。
図11は本発明の実施の形態2の斜視図である。
図12は本発明の実施の形態2の太陽電池モジュール施工部材の太陽電池モジュール固定部材の位置での断面図である。
図13は本発明の実施の形態2の太陽電池モジュール施工部材の雪止め部材の位置での断面図である。
【0040】
実施の形態2の太陽電池システムは、太陽電池モジュール固定部材101と雪止め部材108とが並んで配置され、太陽電池モジュール固定部材101と雪止め部材108とを支える太陽電池モジュール支持部材102を有する点が実施の形態1と異なる。それ以外の構成は実施の形態1の太陽電池システムと同様である。
【0041】
本発明の実施の形態2の太陽電池システムの太陽電池モジュール固定部材101の位置での断面図を
図12に示す。本発明の実施の形態2の太陽電池システムの雪止め部材108の位置での断面図を
図13に示す。本発明の実施の形態2の太陽電池モジュール施工部材は、屋根等の設置構造20上に縦方向に複数配列される縦桟3と、縦桟3上に固定され、太陽電池モジュール10の横フレームに設けられたフランジの一部を押さえて固定する太陽電池モジュール固定部材1と、太陽電池モジュール固定部材1とは別体として設けられ、桟3に固定され、複数配列される太陽電池モジュール10の隣り合う横フレームの間から太陽電池モジュール10の上面より上方に突出する雪止め板を備えた雪止め部材108と、縦桟3の天板下部の溝に挿入され、太陽電池モジュール固定部材101と雪止め部材108とを縦桟3に固定するための桟固定部材4と、太陽電池モジュール固定部材と雪止め部材とを並べて支持する太陽電池モジュール支持部材102と、太陽電池モジュール固定部材101と太陽電池モジュール支持部材102と縦桟3と桟固定部材4とを固定する桟固定ボルト105と、雪止め部材と太陽電池モジュール支持部材とを固定する雪止め固定部材109とを有する。
太陽電池システムは太陽電池モジュール施工部材と複数の太陽電池モジュール10とを有する。太陽電池モジュール施工部材により、複数の太陽電池モジュール10が設置構造20上に固定される。
【0042】
太陽電池モジュール固定部材101は、底面板と、モジュール固定部と、底面板の端部より垂直上方に設けられて上端でモジュール固定部と連結する固定部連結板とを有する。
底面板には、桟固定ボルト105を通すための固定穴が設けられている。
底面板から上方にモジュール固定部連結板が設けられ、上端にモジュール固定部を有する。モジュール固定部は、両端下側にモジュールフランジに圧接するためのモジュール固定突部を有する。
太陽電池モジュール固定部材101の横幅としては、太陽電池モジュール10を4箇所で固定するのに必要な幅が適宜選択される。太陽電池モジュール固定部材101の横幅は太陽電池モジュール10の横幅よりも短く、太陽電池モジュール固定部材1は太陽電池モジュール10の横フレームの一部を押さえて固定する。例えば横幅が150mmの太陽電池モジュール固定部材1を2個用いて太陽電池モジュール10を支えることが出来る。
【0043】
雪止め部材108は、雪止め板と底面板を有する。この断面形状は、横方向(X方向)に渡って同一形状であり、横方向のどの位置で切っても同じ断面を有する。
底面板には、雪止め固定部材109を通すための固定穴が設けられている。
底面板の棟側端部から上方に雪止め板が設けられる。雪止め板は施工状態で太陽電池モジュールの上面よりも上方に突出するような長さで構成され、太陽電池モジュールの上面に積もった雪の荷重を支えて雪の滑落を防ぐことが出来る。
雪止め部材108の横幅としては、雪の荷重を支えるのに必要な幅が適宜選択される。雪止め部材の横幅は太陽電池モジュール10の横幅よりも短く、太陽電池モジュール10から部分的に突出する。例えば横幅が200mmの雪止め部材108を2個用いて太陽電池モジュール10の上面の積雪を支えることが出来る。
【0044】
太陽電池モジュール支持部材102は、底面板と、側面板と、中間板と、天板とを有する。この断面形状は、横方向(X方向)の全長に渡って同一形状であり、横方向のどの位置で切っても同じ断面を有する。
底面板は側面板と中間板を連結し、中間板と反対側まで伸びて底面板支持部を形成する。底面板支持部には、桟固定ボルト105を通して太陽電池モジュール固定部材101を固定するための固定部材固定穴と、雪止め固定部材109を通して雪止め部材108を固定するための雪止め部材固定穴とが設けられている。
底面板支持部の上には、太陽電池モジュール固定部材101と雪止め部材108が並んで載置される。
太陽電池モジュール支持部材の横幅は、太陽電池モジュール固定部材と雪止め部材とを並べるための幅で構成される。
【0045】
次に、本発明の実施の形態2の太陽電池システムの施工手順を示す。
施工手順としては、まず縦桟3を屋根の垂木に施工部材固定ねじ21で固定する。縦桟の固定は実施の形態1と同様である。
【0046】
次に、太陽電池モジュール固定部材101と雪止め部材8と太陽電池モジュール支持部材102と太陽電池モジュール10を軒側から順に施工する。
まず、縦桟3の滑り式固定部材保持部56に桟固定部材4を挿入する。次に太陽電池モジュール支持部材102を縦桟3の上に載置する。次に太陽電池モジュール支持部材102の底面板支持部の上に太陽電池モジュール固定部材101を載置する。次に、桟固定ボルト105を太陽電池モジュール固定部材101および太陽電池モジュール支持部材102の固定穴に通し、縦桟3の滑り式固定部材保持部56内に挿入された桟固定部材4のネジ穴に締めこんで太陽電池モジュール固定部材101を縦桟3に固定する。
【0047】
次に、太陽電池モジュール支持部材102の底面板支持部の上の、太陽電池モジュール固定部材101と横方向に並んだ位置に雪止め部材108を載置する。次に、太陽電池モジュール支持部材102と雪止め部材108を雪止め固定部材109で固定する。
【0048】
次に、太陽電池モジュール10の軒側のモジュールフランジ72を、太陽電池モジュール固定部材101の固定部連結板に接触させながらモジュール固定突部に噛みこませて、太陽電池モジュール10を縦桟3の上に載置する。太陽電池モジュール支持部材102の底面からモジュール固定突部の下端までの高さは、太陽電池モジュール1の底面からモジュールフランジの上面までの高さよりもわずかに低くなるように構成されているので、
図3のように組み立てると、モジュールフランジが弾性変形してモジュール固定突部に圧接し、太陽電池モジュール10が縦桟3と太陽電池モジュール固定部材101の間に固定される。
【0049】
次に縦桟3の滑り式固定部材保持部56に別の桟固定部材4を挿入し、棟側のモジュールフランジ72に新たな太陽電池モジュール固定部材101を固定部連結板36に接触させながらモジュール固定突部39に噛みこませて、太陽電池モジュール固定部材101、雪止め部材108、太陽電池モジュール支持部材102を太陽電池モジュール10の棟側から縦桟3に取り付ける。
【0050】
最後に桟固定用ボルト105を締め付け、太陽電池モジュール10を固定する。
これを繰り返し、太陽電池モジュール10を段状に固定する。
それぞれの太陽電池モジュール10は、縦桟3の位置で棟側のモジュールフランジ2箇所と軒側のモジュールフランジ2箇所の合計4箇所で太陽電池モジュール固定部材101により固定される。それぞれの太陽電池モジュール固定部材101は棟側の太陽電池モジュール10と軒側の太陽電池モジュール10を同時に固定する。棟側の太陽電池モジュール10と軒側の太陽電池モジュール10の間には2箇所に太陽電池モジュール固定部材101が配置されてモジュールフランジを固定する。太陽電池モジュール固定部材101のモジュール固定部と並んで雪止め部材108が配置される。雪止め部材108は、それぞれの太陽電池モジュール10に対して2箇所で雪を止める。
【0051】
なお、
図10、
図11に示すように、最も棟側の固定に際しては、雪止め部材108を用いずに、太陽電池モジュール固定部材101のみで固定する。この時、太陽電池モジュール支持部材の横幅は、太陽電池モジュール固定部材のみを置くための幅で構成される。
【0052】
太陽電池システムは太陽電池モジュール施工部材と複数の太陽電池モジュール10とを有する。太陽電池モジュール施工部材により、複数の太陽電池モジュール10が設置構造20上に固定される。
【0053】
本発明の実施の形態2の太陽電池システムでは、雪止め部材108を設けることにより、太陽電池モジュール10上に積雪した雪が一気に滑落することを防ぐことができる。
また、太陽電池モジュール固定部材101と、雪止め部材108を別体として構成する事により、それぞれの機能に見合った適切な横幅を選択することが出来るので、縦桟3の付近に部分的に配置することが出来て、安価な構成で、太陽電池モジュール10の固定と雪止めという機能を満たすことが出来る。
このように、太陽電池モジュールを固定するための部材と雪止め部とを別体として設けて、固定の機能に必要な構成と、雪止めのために必要な構成とを、それぞれ別々に最適な構成として選択する事により、安価な太陽電池モジュール施工部材を提供することが出来る。
【0054】
また、太陽電池モジュール固定部材101と雪止め部材108が並べて配置されるので、雪止めを必要としない地域では、雪止め部材108を省いても他の施工部材を組み立てることが可能で、雪止め部材108以外の部品の共通化が可能となり、部品の共通化による製造コストの低減を図ることが出来る。
【0055】
また、太陽電池モジュール固定部材101と雪止め部材108とが並んで配置され、組み立てた時に雪止め部材108の雪止め板と太陽電池モジュール固定部材101のモジュール固定部連結板とが横方向から見て重なるように配置されるので、軒側の太陽電池モジュールと棟側の太陽電池モジュールとを太陽電池モジュール固定部材101で固定した時に、軒側モジュールと棟側モジュールとの間隔を狭くすることが出来る。
【0056】
軒側モジュールと棟側モジュールを配列する際に、両者の間隔を狭くすれば、屋根への設置効率を向上することが出来る。軒側モジュールと棟側モジュールとの間には、両者を固定するための太陽電池モジュール固定部材101を設ける必要があり、太陽電池モジュール固定部材101の固定部連結板の縦方向の厚みの分だけは、軒側太陽電池モジュールと棟側太陽電池モジュールとの間隔を開ける必要がある。
本発明の実施の形態2の太陽電池システムでは、太陽電池モジュール固定部材101が太陽電池モジュールの横幅に対して部分的に設けられており、太陽電池モジュール固定部材101以外の位置では軒側太陽電池モジュールと棟側太陽電池モジュールとの間に間隔があいている。雪止め部材108の雪止め板は、縦桟3側からこの隙間を通って太陽電池モジュール上面より上方に突出する。このように構成する事で、軒側太陽電池モジュールと棟側太陽電池モジュールとの間隔を広げることなく雪止め板を設けることができるので、雪止め機能をもった太陽電池システムを、高い設置効率で配列させることが出来る。
【0057】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3を添付図面に基づき詳細に説明する。
図14は本発明の実施の形態3の分解斜視図である。
図15は本発明の実施の形態3の斜視図である。
【0058】
実施の形態3の太陽電池システムは、太陽電池モジュール支持部材202の横方向の長さが太陽電池モジュール10の横方向の長さと等しい長さで構成される点が実施の形態2と異なる。それ以外の構成は実施の形態2の太陽電池システムと同様である。
【0059】
本発明の実施の形態3の太陽電池モジュール施工部材は、屋根等の設置構造20上に縦方向に複数配列される縦桟3と、縦桟3上に固定され、太陽電池モジュール10の横フレームに設けられたフランジの一部を押さえて固定する太陽電池モジュール固定部材101と、太陽電池モジュール固定部材101とは別体として設けられ、桟3に固定され、複数配列される太陽電池モジュールの隣り合う横フレームの間から太陽電池モジュール10の上面より上方に突出する雪止め板を備えた雪止め部材108と、縦桟3の天板下部の溝に挿入され、太陽電池モジュール固定部材101と雪止め部材108とを縦桟3に固定するための桟固定部材4と、太陽電池モジュール固定部材101と雪止め部材108とを並べて支持する太陽電池モジュール支持部材202と、太陽電池モジュール固定部材101と太陽電池モジュール支持部材202と縦桟3と桟固定部材4とを固定する桟固定ボルト105と、雪止め部材108と太陽電池モジュール支持部材202とを固定する雪止め固定部材109とを有する。
太陽電池システムは太陽電池モジュール施工部材と太陽電池モジュール10とを有する。太陽電池モジュール施工部材により、太陽電池モジュール10が設置構造20上に固定される。
【0060】
本発明の実施の形態3の太陽電池モジュール支持部材の断面形状は、本発明の実施の形態2の太陽電池モジュール支持部材の断面形状と同様である。
太陽電池モジュール支持部材の横方向の長さは、太陽電池モジュールの横方向の長さと等しい長さで構成される。
【0061】
次に、本発明の実施の形態3の太陽電池システムの施工手順を示す。
縦桟の固定は実施の形態1と同様である。
【0062】
次に、太陽電池モジュール固定部材101と雪止め部材108と太陽電池モジュール固定部材と太陽電池モジュール10を軒側から順に施工する。
まず、縦桟3の滑り式固定部材保持部56に桟固定部材4を挿入する。次に、隣り合う2本の縦桟の上に太陽電池モジュール支持部材202を載置する。
次に太陽電池モジュール支持部材202の底面板支持部の縦桟の位置の上に太陽電池モジュール固定部材101を載置する。次に、桟固定ボルト5を太陽電池モジュール固定部材101の固定穴に通し、縦桟3の滑り式固定部材保持部56内に挿入された桟固定部材4のネジ穴に締めこんで太陽電池モジュール固定部材101を縦桟3に固定する。
【0063】
次に、太陽電池モジュール支持部材202の底面板支持部の上の、太陽電池モジュール固定部材101と横方向に並んだ位置に雪止め部材108を載置する。次に、太陽電池モジュール支持部材202と雪止め部材108を雪止め固定部材109で固定する。
【0064】
次に、太陽電池モジュール10の軒側のモジュールフランジ72を、太陽電池モジュール固定部材101の固定部連結板に接触させながらモジュール固定突部に噛みこませて、太陽電池モジュール10を縦桟3の上に載置する。
【0065】
ここで、太陽電池モジュール支持部材202は太陽電池モジュール10の横幅と同じ幅で設置されているので、雪止め部材108は横方向に任意の位置に任意の個数を設置することが出来る。例えば
図12のように、太陽電池モジュール固定部材の外側にそれぞれ1個と、太陽電池モジュール固定部材の間に1個の合計3個を配置することが出来る。固定部材の位置は屋根の垂木のピッチに合わせるため、横方向に隣り合うモジュールで必ずしも均等なピッチで配置される訳ではないが、雪止め部材は垂木ピッチと無関係に任意の位置に設置することが出来るので、モジュールピッチに合わせて均等なピッチで配置することが出来、太陽電池モジュールの上の積雪を均一に支えることが出来る。また、複数の太陽電池モジュールの上面で構成される平面から突出する雪止め部を均等に配置することが出来るので、意匠性に優れた外観を得ることが出来る。
【0066】
なお、
図14、
図15に示すように、最も棟側の固定に際しては、雪止め部材108を用いずに、太陽電池モジュール固定部材101のみで固定する。この時、太陽電池モジュール支持部材の横幅は、太陽電池モジュール固定部材のみを置くための幅で構成される。
【0067】
本発明の実施の形態3の太陽電池システムでは、雪止め部材108を設けることにより、太陽電池モジュール10上に積雪した雪が一気に滑落することを防ぐことができる。
また、太陽電池モジュール固定部材101と、雪止め部材108を別体として構成する事により、それぞれの機能に見合った適切な横幅を選択することが出来るので、縦桟3の付近に部分的に配置することが出来て、安価な構成で、太陽電池モジュールの固定と雪止めという機能を満たすことが出来る。
このように、太陽電池モジュールを固定するための部材と雪止め部とを別体として設けて、固定の機能に必要な構成と、雪止めのために必要な構成とを、それぞれ別々に最適な構成として選択する事により、安価な太陽電池モジュール施工部材を提供することが出来る。
【0068】
また、太陽電池モジュール固定部材101と雪止め部材108とが別体で配置されるので、雪止めを必要としない地域では、雪止め部材を省いても他の施工部材を組み立てることが可能で、雪止め部材108以外の部品の共通化が可能となり、部品の共通化による製造コストの低減を図ることが出来る。
【0069】
また、太陽電池モジュール固定部材101と雪止め部材108とが並んで配置され、組み立てた時に雪止め部材108の雪止め板と太陽電池モジュール固定部材101のモジュール固定部連結板とが重なるように配置されるので、軒側の太陽電池モジュールと棟側の太陽電池モジュールとを太陽電池モジュール固定部材101で固定した時に、軒側モジュールと棟側モジュールとの間隔を狭くすることが出来る。
【0070】
軒側モジュールと棟側モジュールを配列する際に、両者の間隔を狭くすれば、屋根への設置効率を向上することが出来る。軒側モジュールと棟側モジュールとの間には、両者を固定するための太陽電池モジュール固定部材101を設ける必要があり、太陽電池モジュール固定部材101の固定部連結板の縦方向の厚みの分だけは、軒側太陽電池モジュールと棟側太陽電池モジュールとの間隔を開ける必要がある。
本発明の実施の形態3の太陽電池システムでは、太陽電池モジュール固定部材101が太陽電池モジュールの横幅に対して部分的に設けられており、太陽電池モジュール固定部材101以外の位置では軒側太陽電池モジュールと棟側太陽電池モジュールとの間に間隔があいている。雪止め部材108の雪止め板は、縦桟3側からこの隙間を通って太陽電池モジュール上面より上方に突出する。このように構成する事で、軒側太陽電池モジュールと棟側太陽電池モジュールとの間隔を広げることなく雪止め板を設けることができるので、雪止め機能をもった太陽電池システムを、高い設置効率で配列させることが出来る。
【0071】
また、雪止め部材108は垂木ピッチと無関係に任意の位置に設置することが出来るので、モジュールピッチに合わせて均等なピッチで配置することが出来、太陽電池モジュール10の上の積雪を均一に支えることが出来る。また、複数の太陽電池モジュール10の上面で構成される平面から突出する雪止め部108を均等に配置することが出来るので、意匠性に優れた外観を得ることが出来る。