特許6048405IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

表面プラズモン励起増強蛍光分光法〔SPFS〕を用いたサンドイッチアッセイにおいて、アナライト量を測定する方法に関する。さらに詳細には、本発明は、SPFSを用いたサンドイッチアッセイにおいて、蛍光標識レクチンを二次抗体として用いる、アナライト量を測定する方法および該測定方法に用いるSPFS用装置

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

従来、解離速度定数の大きいレクチンを用いた糖鎖の相互作用の解析には、BIACOREをはじめとした流路を利用した、ノンラベルの(蛍光標識を用いない)手法である表面プラズモン共鳴〔SPR〕が利用されてきた。しかしながら、そのような解析には、高アフィニティな(結合力の強い)レクチンと高濃度のアナライトとが必要となることから、血中の微量糖鎖の定量測定には解析能力が不足していた。 また、特許文献1に記載の、局在場光を利用した糖鎖解析手法は、流路を利用する形式ではなくマイクロアレイ形式であって、定量性がないために複数糖鎖のプロファイル解析に利用は止まるものである。このうち、レクチンを固定化した態様(AおよびB)は、目的とするアナライト(単一の糖脂質、糖タンパク質など)以外の物質とも反応してしまうという問題もある。すなわち、レクチンを固定化した基板に生体成分(血液、体液等)をアプライすると、レクチンと特異的に結合する糖鎖を有する糖脂質や糖タンパクであれば、アナライト以外の物質も固定化されたレクチンに吸着するため、感度や定量性に著しく欠ける測定系になる場合がある。 一方、レクチンを固定化せずに蛍光標識レクチンとして用いる態様(E)は、一般記載として例示されてはいるが、実施例において実際にこの態様を用いた測定は行われておらず、測定能力の検証や実用性の裏付けは行われていない。 すなわち、感度と非特異的反応の問題を解決し、血中の微量糖鎖の定量測定を可能とする技術はこれまで存在しなかったと言える。 そこで、本発明は、微量なアナライト(特に糖鎖を有するもの)の量を高精度で測定できる方法および該測定方法に用いる装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明者らは、糖鎖等に対するレクチンのように解離速度定数が大きい物質を固定化された一次抗体ではなく(蛍光標識した)二次抗体として用いることは、流路系で行われる従来のノンラベルのSPR等の測定手法や、特許文献1に記載のような増強されない局在場光を用いる測定手法では、解離定数が大きく結合量が不充分となることなどから、定量的な測定が困難で実用的でないが、増強された局在場光を用いるため高感度化された・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明は、SPFSを用いることで、従来の全反射系では実現不可能な増強電場を作り出し、抗体と「解離速度定数が高いリガンドプローブ」とで捕捉した微量な糖鎖を認識できるアナライト量の測定方法を提供することができる。 本発明において、「解離速度定数が高いリガンドプローブ」であるレクチンを固相ではなく、標識レクチンとして使用することで、レクチンの非特異的反応を懸念することなく、血中での微量糖鎖の認識が可能となる。 また、本発明の測定方法を流路内で実施することで、アッセイシグナルとアッセイブランクとの分離が可能となり、結合した微量糖鎖の認識力が高まる。さらに、一連の工程を迅速・簡便に行うことができる。 SPFSにおける一般的な洗浄後の蛍光測定では、捕捉したアナライトの解離に伴うシグナル低下、迅速診断が困難となる等の問題が生じているが、本発明はリアルタイム計測が可能であることから、高感度かつ迅速に処理できる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】図1は、実施例1の(1-3)リアルタイム測定の結果を示すものであり、SPFSにおける蛍光標識レクチンの結合反応をリアルタイムでモニタリングかつ検出し、蛍光標識レクチンの添加濃度ごとにプロットしたグラフである。蛍光標識レクチン添加開始から洗浄直前までに反応量が経時的に増加しており、洗浄後に急速に反応量が低下していることがわかり、微量の結合についても洗浄前の反応量を測定することで定量化が可能なことを示している。

【図2】図2は、解離速度定数の大きいレクチンを用いた場合の従来法(ELISA;比較例1)とSPFS(実施例1)とを比較した結果を示したものである。解離速度定数の大きいレクチンでかつ蛍光標識レクチンの洗浄後であっても、微量糖鎖の検出がSPFSでは可能であることがわかる。

【図3】図3は、表面プラズモン励起増強蛍光分光法〔SPFS〕を用いたサンドイッチアッセイにおいて、本発明で用いるプラズモンセンサに固定化された一次抗体(リガンド)が、好ましくは3次元構造を有する固相化層の中および外面に固定化された抗体である該プラズモンセンサの横断面の模式図を示す。

【図4】図4は、特許文献1の図9のA〜Eを示す。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

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