(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6048434
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】フロア冷却構造
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20161212BHJP
B60K 13/04 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
B62D25/20 E
B60K13/04 A
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-62971(P2014-62971)
(22)【出願日】2014年3月26日
(65)【公開番号】特開2015-182700(P2015-182700A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 敬博
(72)【発明者】
【氏名】太田 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】長尾 哲治
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼元 克洋
(72)【発明者】
【氏名】古藤 政幸
(72)【発明者】
【氏名】信岡 俊祐
(72)【発明者】
【氏名】竹下 明良
(72)【発明者】
【氏名】宮本 圭太
【審査官】
川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭53−98231(JP,U)
【文献】
実開昭62−28632(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00 − 25/08
B62D 25/14 − 29/04
B60K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロアパネルの下方における乗員の足元近傍に触媒が配設されることで、該フロアパネルの一部が高温となるフロア高温部が設けられ、該フロア高温部を冷却するためのフロア冷却構造であって、
前記フロアパネルの表面は、内装材で覆われており、
前記フロアパネルにおける前記フロア高温部と前記内装材との間には、該内装材よりも高い通気性を有する充填材が設けられ、
冷気を生成するための冷気供給装置と、
前記充填材内部に生じる熱対流によって、前記フロア高温部の熱気が該充填材を介して放出されるとともに前記冷気供給装置で生成された冷気が該充填材内部に浸透されることで該フロア高温部が冷却されるように、該充填材周辺に向かって冷気を吹き出すための冷気吹出口とを備えたことを特徴とするフロア冷却構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記充填材は、断熱性、静音性、及び弾性を有する素材で構成されていることを特徴とするフロア冷却構造。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記冷気吹出口は、前記充填材から離間して配設されていることを特徴とするフロア冷却構造。
【請求項4】
請求項1乃至3のうち何れか1つにおいて、
前記フロアパネルには、上方に膨出して車両前後方向に延びるトンネル部が設けられ、
前記フロア高温部は、前記トンネル部の側面における下部位置に設けられ、
前記トンネル部の側面を覆う前記充填材には、前記冷気吹出口から吹き出された冷気を前記フロア高温部を覆う該充填材に向かって導くための冷気ガイド溝が形成されていることを特徴とするフロア冷却構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロア冷却構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、FR(前側エンジン後輪駆動)方式のスポーツタイプの車両では、変速機、プロペラシャフト、及び排気管等を、フロア中央のトンネル部に配索するようにした構成が知られている。排気管には、排気ガスの基準を満足するために触媒が設けられている。
【0003】
ここで、触媒をエンジンルーム内に配置した場合には、発熱量が増えるため、防水シール等への熱の影響を抑えるための隙間を設ける必要がある。その結果、エンジンや補機、及び車両の衝突変形や歩行者の衝突緩衝スペースのレイアウトが難しくなり、レイアウトを成立させるために車両が大型化するという問題がある。
【0004】
また、触媒を座席よりも車両後方に配設した場合には、排気ガスが触媒に到達する前に排気温度が低下してしまい、冷間始動時の触媒の温度上昇が遅れて浄化効率が悪化してしまうという問題がある。
【0005】
そのため、触媒は、トンネル部の内部に配設するのが好ましい。ところで、触媒は、高温で動作するとともに排気浄化の反応によって発熱するため、触媒の上方のフロアパネルが加熱されて高温となる。特に、夏場のような雰囲気温度が高い場合には、フロア高温部が体温以上(40℃程度)となってしまう。ここで、フロアパネルの下方における乗員の足元近傍に触媒が配設されていると、乗員の足がフロア高温部の上方近傍のフロアマットに触れて不快感を覚えてしまうという問題がある。
【0006】
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1の発明のように、フロア高温部とフロアマットとの間に冷却風導風ダクトを配設することで、フロア高温部を強制的に冷却することが考えられる。また、足元空調ダクトを利用して、フロア高温部に冷気を直接吹き付けることで、フロア高温部を冷却することも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭59−032513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の発明のように、冷却風導風ダクトをフロアマットの下方に配設した場合には、クッション性や吸音性が悪化するという問題がある。また、乗員の踏み付けに耐えるために強度が必要であることから、ダクトを分厚くすることでフロアが高くなってしまったり、コストがかかるという問題がある。さらに、組み立て時にダクト接続のための工数が増えてしまうことから、生産性が悪化するという問題がある。
【0009】
また、足元空調ダクトによってフロア高温部に冷気を直接吹き付けた場合には、冷気によって乗員の足元が冷却され過ぎて不快感を覚えてしまうという問題がある。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的簡単な構成で、フロア高温部を効率良く冷却できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、車両のフロアパネルの下方における乗員の足元近傍に触媒が配設されることで、該フロアパネルの一部が高温となるフロア高温部が設けられ、該フロア高温部を冷却するためのフロア冷却構造を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0012】
すなわち、第1の発明は、前記フロアパネルの表面は、内装材で覆われており、
前記フロアパネルにおける前記フロア高温部と前記内装材との間には、該内装材よりも高い通気性を有する充填材が設けられ、
冷気を生成するための冷気供給装置と、
前記充填材内部に生じる熱対流によって、前記フロア高温部の熱気が該充填材を介して放出されるとともに前記冷気供給装置で生成された冷気が該充填材内部に浸透されることで該フロア高温部が冷却されるように、該充填材周辺に向かって冷気を吹き出すための冷気吹出口とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
第1の発明では、フロアパネルにおけるフロア高温部と内装材との間に、内装材よりも高い通気性を有する充填材が設けられる。そして、充填材内部に生じる熱対流により、フロア高温部の熱気が充填材を介して放出される一方、冷気吹出口から充填材周辺に吹き出された冷気が充填材内部に浸透される。
【0014】
このような構成とすれば、比較的簡単な構成で、フロア高温部を効率良く冷却することができるので、乗員の足がフロア高温部の上方近傍の内装材に触れたとしても、不快感を覚えてしまうことはない。また、充填材の熱対流を利用したフロア冷却構造とすることで、フロア高温部の熱気を逃がすための排出口を別途設けたり、フロア高温部まで冷気を送り込むとともに熱気を掃気するために風圧を高くする必要がない。
【0015】
第2の発明は、第1の発明において、
前記充填材は、断熱性、静音性、及び弾性を有する素材で構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
第2の発明では、断熱性、静音性、及び弾性を有する素材で充填材が構成されているので、フロア高温部からの熱気が充填材によって断熱されて乗員の足に伝わりにくくなる。また、充填材が静音性(具体的には、吸音性、遮音性、制振性のうちの少なくとも1つ)を有しているから、騒音を抑えることができる。さらに、充填材が弾性を有しているから、複雑なフロア形状であっても組み付け性が良く、さらに、乗員が充填材を踏み付けたときのクッション性が良好となって質感を向上できる。
【0017】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記冷気吹出口は、前記充填材から離間して配設されていることを特徴とするものである。
【0018】
第3の発明では、冷気吹出口が充填材から離間しているから、冷気吹出口と充填材との間をダクト等で接続する場合に比べて、冷気吹出口と充填材との位置決めが容易となる。また、冷気吹出口と充填材との間をダクト等で接続する手間が不要であり、組み付け性が向上する。
【0019】
第4の発明は、第1乃至第3の発明のうち何れか1つにおいて、
前記フロアパネルには、上方に膨出して車両前後方向に延びるトンネル部が設けられ、
前記フロア高温部は、前記トンネル部の側面における下部位置に設けられ、
前記トンネル部の側面を覆う前記充填材には、前記冷気吹出口から吹き出された冷気を前記フロア高温部を覆う該充填材に向かって導くための冷気ガイド溝が形成されていることを特徴とするものである。
【0020】
第4の発明では、トンネル部の側面を覆う充填材には、冷気ガイド溝が形成される。冷気吹出口から吹き出された冷気は、冷気ガイド溝を通ってフロア高温部を覆う充填材に向かって流れる。これにより、フロア高温部を覆う充填材に対して冷気をスムーズに供給することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、比較的簡単な構成で、フロア高温部を効率良く冷却することができるので、乗員の足がフロア高温部の上方近傍の内装材に触れたとしても、不快感を覚えてしまうことはない。また、充填材の熱対流を利用したフロア冷却構造とすることで、フロア高温部の熱気を逃がすための排出口を別途設けたり、フロア高温部まで冷気を送り込むとともに熱気を掃気するために風圧を高くする必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施形態に係る車両の構成を示す側面断面図である。
【
図2】フロア高温部周辺の構成を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0024】
図1に示すように、車両10の前部のエンジンルーム11には、エンジン12が配設されている。エンジン12には、変速機13(
図3参照)が連結されており、エンジン12及び変速機13によってパワートレインが構成されている。
【0025】
エンジンルーム11の車両後側壁は、エンジンルーム11と車室Sとを区画するダッシュパネル14で構成されている。ダッシュパネル14は、上下方向且つ車幅方向に延びている。ダッシュパネル14の下端部は、車室Sの床面を構成するフロアパネル30の前端部と結合されている。
【0026】
フロアパネル30には、車両前後方向に延びるフロアフレーム38が接合されている(
図3参照)。フロアフレーム38は、下方が開口した断面コ字状に形成され、車幅方向に張り出した接合フランジ部によってフロアパネル30の上面に接合されている。
【0027】
車室S内には、乗員Hが着座するためのシート26が配設されている。車室S内の車両前部には、乗員Hが足を置くためのフットレスト27が設けられている。
【0028】
フロアパネル30の車幅方向中央部には、上方に膨出したトンネル部31が車両前後方向に延びるように形成されている。そして、ダッシュパネル14の下端部の車幅方向中央部は、トンネル部31に繋がるように上方に切り欠かれている。
【0029】
エンジン12には、エンジン12の各気筒内の排気ガスを排出するための排気マニホールド15が設けられている。排気マニホールド15には、排気管16が接続されている。
【0030】
排気管16は、トンネル部31の内部(車室Sの外側)を通るように配索され、トンネル部31に沿ってフロアパネル30の下方を車両前後方向に延びている。なお、本実施形態の車両10は、FR(前側エンジン後輪駆動)方式のスポーツタイプの車両10であるので、トンネル部31の内部を排気管16とともに後輪駆動用のドライブシャフト(図示省略)が通っている。
【0031】
排気管16には、排気管16の管部よりも大径で高温になる上流側の第1触媒17と、下流側の第2触媒18とが設けられている。第2触媒18は、遮熱カバー18aで覆われている。排気管16の後端部には、マフラ19が取り付けられている。
【0032】
第1触媒17は、エンジンルーム11におけるトンネル部31の入口付近に配設されている。第2触媒18は、トンネル部31の内部におけるシート26とフットレスト27との間、つまり、フロアパネル30の下方における乗員Hの足元近傍に配設されている。
【0033】
具体的に、フロアパネル30の一部は、トンネル部31の右側面の下部位置から運転席の床面に連続するように、車室S側に膨出している(
図3参照)。第2触媒18は、トンネル部31の内部における膨出部分に配設されている。
【0034】
ここで、第2触媒18は、高温で動作するとともに排気浄化の反応によって発熱するため、第2触媒18の上方のフロアパネル30の膨出部分には、第2触媒18によって加熱されて高温となるフロア高温部32が設けられることとなる。
【0035】
図2及び
図3に示すように、フロアパネル30の表面は、内装材としてのフロアマット35が敷設されて覆われている。フロアマット35とフロアパネル30との間には、充填材としてのインシュレータ36が設けられている。トンネル部31の側面とフロアマット35との間、及びフロア高温部32とフロアマット35との間のインシュレータ36は、フロアマット35よりも高い通気性を有する素材で構成されている。
【0036】
具体的に、インシュレータ36は、スポンジ、不織布、綿状、密集した立毛等で形成された絨毯状の素材、ビーズやそば殻、粒状ゴムのようなペレット状の素材、多孔質の集成材で形成された素材によって構成されている。
【0037】
また、インシュレータ36は、断熱性、静音性、及び弾性を有する素材で構成されている。これにより、フロア高温部32からの熱気がインシュレータ36によって断熱されて乗員Hの足に伝わりにくくなる。また、インシュレータ36が静音性(具体的には、吸音性、遮音性、制振性のうちの少なくとも1つ)を有しているから、騒音を抑えることができる。さらに、インシュレータ36が弾性を有しているから、複雑なフロア形状であっても組み付け性が良く、さらに、乗員Hがインシュレータ36を踏み付けたときのクッション性が良好となって質感を向上できる。
【0038】
なお、遮音性と通気性は一見矛盾するが、インシュレータ36を、フロアマット35よりも通気性の高い層に対し、これよりも高密度で通気性の低い層、あるいは遮蔽膜層を重ねた構成とすると良く、これによりフロアパネル30に沿った空気の流れを容易にしつつ、フロアパネル30の面と鉛直な方向での遮音性を両立できる。
【0039】
トンネル部31を構成するセンターコンソール28における左右の上隅部には、車両前後方向に延びるセンターコンソールフロントトリム29が配設されている。トンネル部31の右側面とセンターコンソールフロントトリム29との間には、後述する空調装置23の冷気吹出口25から吹き出された冷気を導入するための隙間が設けられている。トンネル部31の右側面を覆うインシュレータ36には、空調装置23の冷気吹出口25から吹き出された冷気を、フロア高温部32を覆うインシュレータ36に向かって導くための冷気ガイド溝36aが形成されている。
【0040】
ダッシュパネル14の車両後方には、車幅方向に延びるインパネメンバ20が配設されている。インパネメンバ20には、インパネステー21を介してインストルメントパネル22が支持されている。
【0041】
インストルメントパネル22の内部には、空気を導入して空調風を生成する空調装置23(冷気供給装置)が収容されている。空調装置23の空調ダクト24には、空調装置23で生成された冷気を下方に向かって吹き出すための冷気吹出口25が設けられている。
【0042】
冷気吹出口25は、トンネル部31の右側面とセンターコンソールフロントトリム29との隙間に向かって冷気を吹き出すためのものであり、トンネル部31を覆うインシュレータ36から離間して配設されている。これにより、冷気吹出口25とインシュレータ36との間をダクト等で接続する場合に比べて、冷気吹出口25とインシュレータ36との位置決めが容易となる。また、位置決めが多少ずれていても、特に支障なく冷気を供給することができるので、組立性や生産性を高めることができる。
【0043】
冷気吹出口25から吹き出された冷気は、トンネル部31の右側面を覆うインシュレータ36に形成された冷気ガイド溝36aを通って、フロア高温部32を覆うインシュレータ36の周辺に向かって供給される。
【0044】
ここで、冷気ガイド溝36aは、トンネル部31の右側面に沿って下方に延びるとともに、上流側に向かうほど開口が徐々に大きくなるように漏斗状に形成されている。これにより、冷気吹出口25と冷気ガイド溝36aの上流端とを離間させた場合でも、冷気が周辺の空気に対して比重が大きいことから、冷気を効果的に冷気ガイド溝36aで回収することができ、下方に向かってスムーズに供給させることができる。
【0045】
フロア高温部32を覆うインシュレータ36の内部では、フロア高温部32の熱気とインシュレータ36の周辺に供給された冷気とによって熱対流が生じている。具体的に、フロア高温部32の熱気は、インシュレータ36内部に生じる熱対流によって、インシュレータ36を介して放出される。また、空調装置23から供給された冷気は、熱対流によってインシュレータ36内部に浸透されるようになっている。
【0046】
これにより、フロア高温部32にインシュレータ36を配しているにもかかわらず、フロア高温部32を効率良く冷却して、フロア高温部32の温度を40℃以下に低減することができる。そのため、乗員Hの足がフロア高温部32の上方近傍のフロアマット35に触れたとしても、不快感を覚えてしまうことはない。
【0047】
また、インシュレータ36の熱対流を利用したフロア冷却構造とすることで、フロア高温部32の熱気を逃がすための排出口を別途設けたり、フロア高温部32まで冷気を送り込むとともに熱気を掃気するために風圧を高くする必要がない。
【0048】
また、フロア高温部32は、トンネル部31の右側面における下部位置に設けられており、トンネル部31の右側面を覆うインシュレータ36が高い通気性を有している。そのため、インシュレータ36を介してフロア高温部32の熱気が上昇拡散するのが促進され、冷却性能が向上する。なお、本実施形態では、トンネル部31の右側面とフロアマット35との間に通気性の高いインシュレータ36を設けているが、インシュレータ36を設けることなく、この部分を中空構造としてもよい。
【0049】
また、フロア高温部32のインシュレータ36の周囲に、冷気ガイド溝36aと連通してインシュレータ36の周囲を囲うように中空部37を形成しても良い。
【0050】
この中空部37は、冷気をフロア高温部32のインシュレータ36を避けて四散させてしまうのではなく、
図2の矢印で示すように、逆に冷気をインシュレータ36の周囲の広範囲に円滑に導き、インシュレータ36における熱対流による浸透が容易な部位から効率的に浸透させることができるので、特に熱対流の流路を考慮しなくともフロア高温部32の冷却を促進できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上説明したように、本発明は、比較的簡単な構成で、フロア高温部を効率良く冷却できるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0052】
10 車両
18 第2触媒
23 空調装置(冷気供給装置)
25 冷気吹出口
30 フロアパネル
31 トンネル部
32 フロア高温部
35 フロアマット(内装材)
36 インシュレータ(充填材)
36a 冷気ガイド溝
H 乗員