(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6048456
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】ベルトコンベアギャラリおよびその清掃方法
(51)【国際特許分類】
B65G 21/08 20060101AFI20161212BHJP
E02F 7/00 20060101ALI20161212BHJP
B65G 45/22 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
B65G21/08
E02F7/00 E
B65G45/22 C
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-133437(P2014-133437)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-11186(P2016-11186A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2016年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126701
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100130834
【弁理士】
【氏名又は名称】森 和弘
(72)【発明者】
【氏名】石澤 允
(72)【発明者】
【氏名】山口 富
(72)【発明者】
【氏名】西村 有二
【審査官】
中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭50−147383(JP,U)
【文献】
実開昭55−172210(JP,U)
【文献】
実開昭58−23812(JP,U)
【文献】
特開昭53−146471(JP,A)
【文献】
米国特許第4714151(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 21/08
B65G 45/22
E02F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトコンベア本体からの落下物を受け止めて堆積させるベルトコンベアギャラリであって、ベルトコンベア本体が設置される多孔構造金属体製の基礎板と、基礎板の幅方向両端部からそれぞれ斜め下方に伸びて、それらの下端部同士が連結している鉄板製の側板とによって構成されて、横断面が逆三角構造になっているとともに、前記側板同士の間に多孔構造金属体製の歩行通路を備えていることを特徴とするベルトコンベアギャラリ。
【請求項2】
請求項1に記載のベルトコンベアギャラリの清掃方法であって、前記ベルトコンベアギャラリ内に堆積させた落下物に向かって、前記多孔構造金属体製の歩行通路上から高圧水を噴射して、前記落下物を前記ベルトコンベアギャラリの長手方向に押し流し、前記ベルトコンベアギャラリの長手方向の所定個所に設けられている落下物排出孔から排出することを特徴とするベルトコンベアギャラリの清掃方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベアギャラリおよびその清掃方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種鉱石等を搬送するベルトコンベアは、ベルトコンベア本体とそれを保持するギャラリ(ベルトコンベアギャラリ)を備えている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
そのようなベルトコンベアが道路の上方を横切る場合等には、ベルトコンベア本体からの落下物(落鉱)をギャラリで受け止めることによって、落下物が道路上の車や人に当たる事故を防止するようにしている。
【0004】
図2は、従来の上記のようなベルトコンベアにおけるギャラリの構造を示す横断面図である。
【0005】
図2に示すように、従来のギャラリ90は、ベルトコンベア本体1の下方に設置されていて、ベルトコンベア本体1が設置される多孔構造金属体(エキスパンドメタル、グレーチング等)製の基礎板91と、基礎板91の幅方向両端部からそれぞれ斜め下方に伸びる鉄板製の側板92、92と、それら側板92、92の下端部間を結ぶ鉄板製の底板93とで構成され、横断面が逆台形構造になっている。なお、基礎板91と底板93の間には補強用のフレーム部材94が設置されている。
【0006】
これによって、ベルトコンベア本体1からの落下物(落鉱)2は、基礎板91を通過した後、側板92上面や底板93上面で受け止められて、ギャラリ90内(底板93上面)に堆積するので、落下物2が道路上の車や人に当たる事故が防止される。
【0007】
そして、ギャラリ90内(底板93上面)に堆積した落下物2は、所定の期間が経つと、作業員によって、ギャラリ90の長手方向の所定個所(下方に道路等が通っていない個所)に設けられている落下物排出孔(図示せず)からギャラリ90外に排出・清掃される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平7−31734号公報
【特許文献2】特開平8−175639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、
図2に示したような、従来のギャラリ(逆台形構造)90の場合、底板93上面全体が落下物2の清掃範囲になるため、清掃に時間を費やすという課題があった。
【0010】
しかも、本来は歩行個所ではない底板93上面を作業員が清掃作業を行いながら歩くため、平滑な底板93上面や底板93上面の落下物2によって作業員の足元が滑るという危険性があった。
【0011】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、ベルトコンベア本体からの落下物を受け止めて堆積させるベルトコンベアギャラリにおいて、堆積させた落下物を効率よく安全に清掃することを可能にするベルトコンベアギャラリおよびその清掃方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有している。
【0013】
[1]ベルトコンベア本体からの落下物を受け止めて堆積させるベルトコンベアギャラリであって、ベルトコンベア本体が設置される多孔構造金属体製の基礎板と、基礎板の幅方向両端部からそれぞれ斜め下方に伸びて、それらの下端部同士が連結している鉄板製の側板とによって構成されて、横断面が逆三角構造になっているとともに、前記側板同士の間に多孔構造金属体製の歩行通路を備えていることを特徴とするベルトコンベアギャラリ。
【0014】
[2]前記[1]に記載のベルトコンベアギャラリの清掃方法であって、前記ベルトコンベアギャラリ内に堆積させた落下物に向かって、前記多孔構造金属体製の歩行通路上から高圧水を噴射して、前記落下物を前記ベルトコンベアギャラリの長手方向に押し流し、前記ベルトコンベアギャラリの長手方向の所定個所に設けられている落下物排出孔から排出することを特徴とするベルトコンベアギャラリの清掃方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、ベルトコンベア本体からの落下物を受け止めて堆積させるベルトコンベアギャラリにおいて、堆積させた落下物を効率よく安全に清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係るベルトコンベアギャラリを示す横断面図である。
【
図2】従来のベルトコンベアギャラリを示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係るベルトコンベアギャラリを示す横断面図である。
【0019】
本発明の一実施形態に係るベルトコンベアギャラリは、各種鉱石等を搬送するベルトコンベアが道路の上方を横切る場合等に適用されて、ベルトコンベア本体からの落下物(落鉱)を受け止めて堆積させるようになっている。
【0020】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るベルトコンベアギャラリ10は、ベルトコンベア本体1の下方に設置されていて、ベルトコンベア本体1が設置される多孔構造金属体(エキスパンドメタル、グレーチング等)製の基礎板11と、基礎板11の幅方向両端部からそれぞれ斜め下方に伸びて、それらの下端部同士が連結している鉄板製の側板12、12とによって構成されて、横断面が逆三角構造になっているとともに、側板12、12同士の間を結ぶようにして設置された多孔構造金属体(エキスパンドメタル、グレーチング等)製の歩行通路15を備えている。なお、基礎板11と側板12の間には補強用のフレーム部材14が設置されている。
【0021】
これによって、ベルトコンベア本体1からの落下物(落鉱)2は、基礎板11を通過した後、側板12の上面で受け止められて、ギャラリ10内(側板12上面)に堆積するので、落下物2が道路上の車や人に当たる事故が防止される。
【0022】
そして、ギャラリ10内(側板12上面)に堆積した落下物2は、所定の期間が経つと、作業員が、その堆積させた落下物に向かって、多孔構造金属体製の歩行通路15上から高圧水を噴射して、落下物2をギャラリ10の長手方向に押し流し、ギャラリ10の長手方向の所定個所(下方に道路等が通っていない個所)に設けられている落下物排出孔(図示せず)から排出するようになっている。
【0023】
なお、歩行通路15の幅は、作業性や安全性の点から600mm以上が好ましく、800mm以上が更に好ましい。
【0024】
これによって、この実施形態においては、ギャラリ10を逆三角形構造としているので、ベルトコンベア本体1からの落下物2が逆三角形の下端部中央に集約されることから、1点集中の清掃となり、従来のギャラリ90に比べて、清掃が効率的に行えて、時間短縮につながる。
【0025】
また、多孔構造金属体製の歩行通路15を設置しているので、作業員が歩行する際に滑り止め効果を有することから、従来のギャラリ90のような、平滑な底板93上を歩行することによって足元を滑らせる危険性もなく、安全に清掃を行うことができる。
【符号の説明】
【0026】
1 ベルトコンベア本体
2 落下物(落鉱)
10 ベルトコンベアギャラリ
11 基礎板
12 側板
14 フレーム部材
15 歩行通路
90 ベルトコンベアギャラリ
91 基礎板
92 側板
93 底板
94 フレーム部材