特許第6048460号(P6048460)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6048460保護フィルム複合体及び保護フィルムの貼付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6048460
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】保護フィルム複合体及び保護フィルムの貼付方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20161212BHJP
   B32B 7/06 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   G09F9/00 302
   G09F9/00 342
   B32B7/06
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-163949(P2014-163949)
(22)【出願日】2014年8月11日
(65)【公開番号】特開2016-38555(P2016-38555A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2015年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】390040187
【氏名又は名称】株式会社バッファロー
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【弁理士】
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100098028
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊之
(72)【発明者】
【氏名】尾関 強
【審査官】 南川 泰裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−139546(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3141815(JP,U)
【文献】 特開2014−102481(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3169203(JP,U)
【文献】 特開2014−012804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
C09J 7/00−7/04
G09F 9/00−9/46
H04M 1/02−1/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に貼付される保護フィルムと、
この保護フィルムの、前記電子機器に貼付される面に設けられた剥離フィルムと
を備えた保護フィルム複合体において、
前記剥離フィルムは前記保護フィルムよりその外形が大きく、前記剥離フィルムが前記保護フィルムに設けられた状態でこの保護フィルムの外方の少なくとも一部には前記剥離フィルムの周縁部が延出され、
前記剥離フィルムの前記保護フィルムと反対側の面に設けられ、この剥離フィルムの一の辺縁部から他の辺縁部まで延びるタブフィルムを備え、
前記剥離フィルムの一の辺縁部にある前記タブフィルムの端部は、前記剥離フィルムの辺縁で折り返されて前記保護フィルム側の面に延出してこの剥離フィルムに固定され、
さらに、前記剥離フィルムの前記一の辺縁部にある前記タブフィルムの端部のうち、前記剥離フィルムの辺縁で折り返された部分はこの剥離フィルムの前記周縁部に位置し、
前記剥離フィルムの他の辺縁部にある前記タブフィルムの端部は、前記剥離フィルムの他の辺縁部から所定長だけ延出している
ことを特徴とする保護フィルム複合体。
【請求項2】
前記剥離フィルムの一の辺縁部にある前記タブフィルムの端部のうちこの剥離フィルムに固定される固定端は略直線状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の保護フィルム複合体。
【請求項3】
前記剥離フィルムは外形が略矩形状に形成され、
前記剥離フィルムの一の辺縁部にある前記タブフィルムの端部の固定端は、この剥離フィルムの一辺に対して略平行となるように固定されていることを特徴とする請求項2に記載の保護フィルム複合体。
【請求項4】
前記剥離フィルムは複数の分割剥離フィルムを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保護フィルム複合体。
【請求項5】
前記剥離フィルムは少なくとも3つの前記分割剥離フィルムを備えることを特徴とする請求項4記載の保護フィルム複合体。
【請求項6】
前記タブフィルムは、前記保護フィルムを前記電子機器に対して位置決めする際に最初に剥がされる前記分割剥離フィルムを除いて、複数の前記分割剥離フィルム毎に設けられていることを特徴とする請求項5記載の保護フィルム複合体。
【請求項7】
前記保護フィルムの、前記電子機器に貼付される面と反対側の面に設けられたカバーフィルムを備え、このカバーフィルムには位置決め用マークが表示されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の保護フィルム複合体。
【請求項8】
前記保護フィルムの、前記電子機器に貼付される面と反対側の面に設けられたカバーフィルムを備え、このカバーフィルムには、複数の突部を有する位置決め用マークが表示され、これら突部のうち少なくとも2つの突部は、いずれか1つの分割剥離フィルムに対応する位置に表示されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の保護フィルム複合体。
【請求項9】
請求項1記載の保護フィルム複合体を用いた保護フィルムの貼付方法であって、
前記保護フィルム複合体を前記電子機器の上に配置して位置決めし、
前記剥離フィルムの前記他の辺縁部にある前記タブフィルムの端部を、前記保護フィルムから離間する方向に引くことで、前記剥離フィルムの前記一の辺縁部にある前記タブフィルムの端部側から前記剥離フィルムを前記保護フィルムから剥がし、
前記剥離フィルムが剥がれた部分の前記保護フィルムを前記電子機器に貼付する
ことを特徴とする保護フィルムの貼付方法。
【請求項10】
前記剥離フィルムに少なくとも3つの分割剥離フィルムを設けるとともに、前記タブフィルムを、前記保護フィルムを前記電子機器に対して位置決めする際に最初に剥がされる前記分割剥離フィルムを除いて、複数の前記分割剥離フィルム毎に設け、
前記保護フィルム複合体を前記電子機器の上に配置して位置決めする際に、少なくとも1つの前記分割剥離フィルムを前記保護フィルムから剥がして、この分割剥離フィルムが剥がされた部分の前記保護フィルムを前記電子機器に貼付する
ことを特徴とする請求項9記載の保護フィルムの貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に貼付される保護フィルムを含む保護フィルム複合体及び保護フィルムの貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレット端末に代表される電子機器において、画像が表示される表示面はガラス等の透明でかつ一定の強度及び硬度を有する材質で保護されている。しかしながら、この表示面に生じる引っかき傷から表示面を保護し、さらには表示面での反射を一定の割合で抑制する等の目的で、この表示面に貼付する保護フィルムと呼ばれるフィルムが提供されている(例えば非特許文献1参照)。また、電子機器の表示面以外の面、例えば表示面と反対側に位置する、ユーザが電子機器を把持する面にも保護フィルムを貼付することがある。本明細書では、電子機器の表示面及び表示面以外の面に貼付される保護フィルムを一括して「保護フィルム」と称する。
【0003】
電子機器及びその表示面は機種、型式毎に所定形状を有し、また、電子機器によっては表示面と同一面に操作ボタン、マイクやスピーカ用の切欠が設けられ、これら操作ボタン等の配置位置も機種、型式毎に異なることがあるので、上述した保護フィルムは電子機器の機種、型式に応じて所定形状に形成されていることが多い。また、保護フィルムは電子機器販売時には貼付されない状態で提供されることが多い。従って、電子機器のユーザは、電子機器使用時、あるいは保護フィルムの貼り替え時に、電子機器及びその表示面の形状に合わせて保護フィルムを位置決めした後、この保護フィルムを貼付する作業を行う。これら保護フィルム位置決めから貼付に至る作業は、電子機器及び保護フィルムの形状が個々に異なることもあり、電子機器のユーザが個別に手作業で行っていた。
【0004】
保護フィルムには、電子機器に貼付する側の面に、この電子機器に保護フィルムを接着するための接着層が設けられていることが多い。電子機器へ保護フィルムを貼付するまで接着層を保護するために、保護フィルムにはこの接着層が設けられた面に剥離フィルムが設けられていることがある。従って、ユーザは、保護フィルムを電子機器に貼付するに先立って、剥離フィルムを剥離して接着層を露出させていた。
【0005】
しかしながら、接着層を露出させると、この接着層に空気中を浮遊する塵埃が付着する可能性もあり、また、保護フィルムが貼付される電子機器の面にも塵埃が付着する可能性もあり、この結果、保護フィルムを電子機器に貼付した際に保護フィルムと電子機器との間に塵埃が挟まれてしまう可能性があった。従って、ユーザは、保護フィルムが貼付される電子機器の面に付着した塵埃等を予め除去した上で、剥離フィルムを剥離したら直ちに保護フィルムの位置決めを行い、この保護フィルムを電子機器に貼付していた。かかる作業はユーザに煩雑かつ迅速な作業を要請していた。
【0006】
そこで、剥離フィルムを中央付近で分割し、さらに、この剥離フィルムの一部を外方に延出させて90度折り曲げ、剥離フィルムを設けたままで保護フィルムを電子機器上で位置決めし、この状態で剥離フィルムを引っ張ることで剥離フィルムを捲りながら剥がす技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
なお、本明細書において、「フィルム」と「シート」とは同義に用いる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2014−102481号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「光沢?反射防止?フィルムの基本 - スマホの学校」[平成26年8月11日検索]、インターネット<URL: http://buffalo.jp/products/pickup/supply/smapho_school/article3.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された従来の技術では、剥離フィルムを引っ張る方向と剥離フィルムが剥がれる方向とが90度異なるので、剥離フィルムを剥がす際に剥がれた部分の剥離フィルムが大きく捲り上がる。この結果、剥離フィルムが捲り上がった部分に間隙が発生し、この間隙において保護フィルムの接着層及び電子機器の面の少なくとも一方に塵埃が付着する可能性がまだ存在していた。
【0011】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたもので、保護フィルムと剥離フィルムとを備えた保護フィルム複合体において、保護フィルムを電子機器に貼付する際に塵埃が保護フィルムと電子機器との間に介在する可能性をより低減することの可能な保護フィルム複合体及び保護フィルムの貼付方法の提供をその目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、電子機器に貼付される保護フィルムと、この保護フィルムの、電子機器に貼付される面に設けられた剥離フィルムとを備えた保護フィルム複合体に適用される。そして、剥離フィルムの保護フィルムと反対側の面に、この剥離フィルムの一の辺縁部から他の辺縁部まで延びるタブフィルムを設け、剥離フィルムの一の辺縁部にあるタブフィルムの端部を、剥離フィルムの辺縁で折り返して保護フィルム側の面に延出させてこの剥離フィルムに固定し、剥離フィルムの他の辺縁部にあるタブフィルムの端部を、剥離フィルムの他の辺縁部から所定長だけ延出させることにより、上述の課題の少なくとも一つを解決している。
【0013】
剥離フィルムの他の辺縁部にあるタブフィルムの端部を保護フィルムから離間する方向に引っ張ると、タブフィルムの折り返し位置である剥離フィルムの辺縁を支点として、剥離フィルムの一の辺縁部にあるタブフィルムの端部、及び、この端部が固定されている剥離フィルムに、電子機器から離間する方向への力が作用し、これに追従して保護フィルム2の端部が撓む。この状態で、剥離フィルムの他の辺縁部にあるタブフィルムの端部をさらに引っ張ると、剥離フィルムを保護フィルムから剥がすことができる。
【0014】
ここで、剥離フィルムは保護フィルムよりその外形が大きく、剥離フィルムを保護フィルムに設けた状態でこの保護フィルムの外方の少なくとも一部に剥離フィルムの周縁部が延出し、剥離フィルムの一の辺縁部にあるタブフィルムの端部のうち、剥離フィルムの辺縁で折り返した部分をこの剥離フィルムの周縁部に位置させることが好ましい。
【0015】
あるいは、剥離フィルムと保護フィルムとはその外形が略等しく、剥離フィルムの一の辺縁部にあるタブフィルムの端部のうち、剥離フィルムの辺縁で折り返した部分を剥離フィルムと保護フィルムとの間に位置させることが好ましい。
【0016】
また、剥離フィルムの一の辺縁部にあるタブフィルムの端部のうちこの剥離フィルムに固定される固定端を略直線状に形成することが好ましい。さらに、剥離フィルムの外形を略矩形状に形成し、剥離フィルムの一の辺縁部にあるタブフィルムの端部の固定端を、この剥離フィルムの一辺に対して略平行となるように固定することが好ましい。
【0017】
さらに、剥離フィルムに複数の分割剥離フィルムを設けることが好ましく、特に、剥離フィルムに少なくとも3つの分割剥離フィルムを設けることが好ましい。
【0018】
さらに、タブフィルムを、複数の分割剥離フィルム毎に設けることが好ましい。
【0019】
そして、保護フィルムの、電子機器に貼付される面と反対側の面にカバーフィルムを設け、このカバーフィルムに位置決め用マークを表示することが好ましい。特に、保護フィルムの、電子機器に貼付される面と反対側の面にカバーフィルムを設けた場合、このカバーフィルムに、複数の突部を有する位置決め用マークを表示し、これら突部のうち少なくとも2つの突部を、いずれか1つの分割剥離フィルムに対応する位置に表示することが好ましい。
【0020】
また、本発明は、保護フィルム複合体を用いた保護フィルムの貼付方法に適用され、保護フィルム複合体を電子機器の上に配置して位置決めし、剥離フィルムの他の辺縁部にあるタブフィルムの端部を、保護フィルムから離間する方向に引くことで、剥離フィルムの一の辺縁部にあるタブフィルムの端部側から剥離フィルムを保護フィルムから剥がし、剥離フィルムが剥がれた部分の保護フィルムを電子機器に貼付することにより、上述した課題の少なくとも一つを解決している。
【0021】
ここで、剥離フィルムに少なくとも2つの分割剥離フィルムを設けるとともに、タブフィルムを複数の分割剥離フィルム毎に設け、保護フィルム複合体を電子機器の上に配置して位置決めする際に、少なくとも1つの分割剥離フィルムを保護フィルムから剥がして、この分割剥離フィルムが剥がされた部分の保護フィルムを電子機器に貼付することが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、剥離フィルムが捲り上がる部分を小さくすることができる。この結果、保護フィルムを電子機器に貼付する際に塵埃が保護フィルムと電子機器との間に介在する可能性をより低減することの可能な保護フィルム複合体及び保護フィルムの貼付方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態である保護フィルム複合体を示す平面図である。
図2図1のA−A′線矢視断面図である。
図3】第1実施形態の保護フィルム複合体を示す分解斜視図である。
図4】第1実施形態の保護フィルム複合体を用いた保護フィルムの貼付方法の一例を示す平面図である。
図5】第1実施形態の保護フィルム複合体を用いた保護フィルムの貼付方法の一例を示す平面図である。
図6】第1実施形態の保護フィルム複合体を用いた保護フィルムの貼付方法の一例を示す平面図である。
図7】第1実施形態の保護フィルム複合体を用いた保護フィルムの貼付方法の一例を示す平面図である。
図8】第1実施形態の保護フィルム複合体を用いた保護フィルムの貼付方法の一例を示す断面図である。
図9】第1実施形態の保護フィルム複合体を用いた保護フィルムの貼付方法の一例を示す断面図である。
図10】本発明の第2実施形態である保護フィルム複合体を示す平面図及びB−B′線矢視断面図である。
図11】本発明の第3実施形態である保護フィルム複合体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の保護フィルム複合体及び保護フィルムの貼付方法の実施形態について説明する。なお、図面内に記載されている保護フィルム等の厚みは、説明の便宜上誇張して記載されており、実際の寸法を反映した縮尺ではない。また、図面内において単層で表示されているフィルム等は、実際には複数のフィルム等が重畳されて構成されることがある。すなわち、図面内の表示は機能的なものである。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である保護フィルム複合体を示す平面図、図2図1のA−A′線矢視断面図、図3は分解斜視図である。これら図において、1は保護フィルムが貼付される電子機器である。この電子機器1は、スマートフォン、タブレット端末に代表されるものであり、外形視略矩形板状の本体1aの一面(図3において上面)に、表示画面が表示される表示部(図3において図示略)を備える。この表示部は、電子機器1から露出する略矩形状の表示面1bを備える。この表示面1bはガラス、硬質プラスチック等からなる透明の材質で構成されている。また、電子機器1は、この表示面1bをユーザが手指等でタッチした場合に、この表示面1b上のタッチ位置を検出するタッチパネル(図3において図示略)を備えている。
【0026】
電子機器1の表示面1bには、この表示面1bを保護するための保護フィルム2が貼付される。この保護フィルム2は、本実施形態では電子機器1の表示面1b側の外形よりやや小さい、外形矩形状に形成されている。保護フィルム2には、図2及び図3に詳細を示すように、表示面1bに貼付される側(図2及び図3において下側)に、表示面1bに保護フィルム2を貼付するための第1の接着層(図略)が設けられるとともに、この第1の接着層を保護するための剥離フィルム3が設けられている。なお、以下の実施形態において、表示面1bが設けられている側を電子機器1の上側として説明し、保護フィルム2等における上下は、表示面1bに近い側を下側として統一して説明を行う。
【0027】
剥離フィルム3は、図1に詳細を示すように、保護フィルム2よりその外形が大きい矩形状に形成されている。そして、剥離フィルム3が第1の接着層を介して保護フィルム2に貼着された状態で、この保護フィルム2の外方には剥離フィルム3の周縁部3aが延出されている。この剥離フィルム3は、図1及び図3に詳細を示すように、3枚の分割剥離フィルム3b、3c、3dに分割されている。より詳細には、剥離フィルム3は、本実施形態では、保護フィルム2の長手方向に3分割されて分割剥離フィルム3b〜3dが形成されている。これら分割剥離フィルム3b〜3dのうち、保護フィルム2の長手方向の中央に位置する分割剥離フィルム3cは、それ以外の分割剥離フィルム3b、3dよりも、保護フィルム2の長手方向の長さが短く形成されている。
【0028】
剥離フィルム3には、第1の接着層を介して保護フィルム2に貼着される面と反対側の面には、外形矩形状のタブフィルム6が設けられている。本実施形態では、このタブフィルム6は、保護フィルム2の長手方向の中央に位置する分割剥離フィルム3cを除く分割剥離フィルム3b、3dにそれぞれ対応して2つ設けられている。タブフィルム6は、図1において剥離フィルム3の長手方向の一辺(左辺)から長手方向の他辺(右辺)まで、すなわち、剥離フィルム3の短手方向全体に沿って延出している。
【0029】
図1において剥離フィルム3の左辺側に位置するタブフィルム6の一方の端部6aは、剥離フィルム3の左辺側の辺縁で折り返されて、この剥離フィルム3の保護フィルム2側の面にある周縁部3aに所定長だけ延出してこの剥離フィルム3に固定されている(図2参照)。本実施形態では、タブフィルム6の一方の端部6aは、図1において保護フィルム2の長手方向の左辺側の辺縁近傍にまで延出している。そして、剥離フィルム3に固定されるタブフィルム6の一方の端部6aの固定端6bは略直線状に形成され、この固定端6bは剥離フィルム3の長手方向の左辺に略平行となるように固定されている。
【0030】
同様に、図1において剥離フィルム3の右辺側に位置するタブフィルム6の他方の端部6cは、この剥離フィルム3の右辺側の辺縁から所定長だけ外方に延出して延出部6cを形成している。
【0031】
保護フィルム2の表示面1bに貼付される側と反対側(図2及び図3において上側)に、保護フィルム2のユーザがタッチする面であるこの反対側の面を保護するためのカバーフィルム4が設けられている。カバーフィルム4には、このカバーフィルム4を保護フィルム2に固定するための第2の接着層(図略)が設けられている。
【0032】
そして、カバーフィルム4には、保護フィルム2に固定される側と反対側(図2及び図3において上側)に、保護フィルム2を電子機器1の表示面1bに貼付する際の位置決めに用いられる位置決め用マーク5が設けられている。位置決め用マーク5は、図1及び図3に詳細を示すように、一定の線幅を有する線分が中央で交差した、いわゆる十字形に形成され、その端部が、先端が尖った三角形状の突部5a(図1参照)に形成されている。
【0033】
本実施形態では、図1に詳細に示すように、位置決め用マーク5に形成された4つの突部5aのうち2つの突部5aが、一つの分割剥離フィルム3b〜3d、より詳細には図1において保護フィルム2の長手方向の中央に位置する分割剥離フィルム3cに対応する位置に表示されている。位置決め用マーク5は、後述する保護フィルム2の表示面1bへの貼付作業時に、この保護フィルム2の位置決めに用いられる。
【0034】
位置決め用マーク5は、カバーフィルム4の、保護フィルム2に固定される側と反対側の面に設けられ、言い換えれば表示されていればよく、位置決め用マーク5の表示の態様は任意である。一例として、この位置決め用マーク5をカバーフィルム4に印刷してもよく、あるいは、半透明の材質からなるフィルムを所定形状に切断してカバーフィルム4に貼着してもよい。
【0035】
本実施形態では、保護フィルム2及びカバーフィルム4は、電子機器1の表示面1bの外縁と等しいかやや小さい形状に形成され、あるいは、電子機器1の表示面1b側の面(図3において上面)が表示面1bと一体化された平坦面に形成されている場合は、この面の外縁と等しいかやや小さい形状に形成されている。なお、本実施形態では、電子機器1に操作ボタン1c及びスピーカ1dが設けられており、保護フィルム2及びにもカバーフィルム4にも、電子機器1の操作ボタン1c及びスピーカ1dに対応する位置に切欠2a、2b、4a、4bが形成されている。
【0036】
保護フィルム2、剥離フィルム3、カバーフィルム4及びタブフィルム6、さらには第1、第2の接着層は、既存の保護フィルム等として用いられている周知のフィルム、接着層が好適に適用可能である。一例として、保護フィルム2は厚み125μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)からなり、剥離フィルム3は厚さ50〜75μmのPETからなり、カバーフィルム4も厚さ50〜75μmのPETからなり、さらに、タブフィルム6は厚さ100〜150μmのポリエチレンからなる。好ましくは、タブフィルム6が設けられていることをユーザが視認しやすくする観点から、タブフィルム6は半透明または不透明の材質からなる。また、タブフィルム6は、容易に延伸せず、また剛性が低いものであればその材質に限定はなく、一例として、紙により形成してもよい。
【0037】
ここで、保護フィルム2には、表示面1bに貼付された状態で、指紋付着防止、ユーザの指のすべりを良くする、表示面1bに表示された画像の見栄えを良くする等の目的で、加工が適宜施されてもよい。
【0038】
剥離フィルム3は、後述するように、保護フィルム2を電子機器1の表示面1bに貼付する際にこの保護フィルム2から剥がされるので、この剥離フィルム3には、保護フィルム2から剥がされる際に保護フィルム2が帯電することを防止するための加工が施されてもよい。同様に、保護フィルム2から剥離フィルム3を剥がす際の剥離性を高めるための加工が剥離フィルム3に施されてもよい。
【0039】
また、第1の接着層は厚さ50μmとされ、第2の接着層は25μm〜50μm程度とされる。第1の接着層は、保護フィルム2が表示面1bに貼付された後に、気泡や埃を除去する等の目的で少なくとも保護フィルム2の一部が剥がされ、さらに再度保護フィルム2が表示面1bに貼付されることを考慮して、再剥離性・粘着性が良好となる材質が選定され、あるいは所定の加工が施されてもよい。
【0040】
そして、これら保護フィルム2、剥離フィルム3、カバーフィルム4及びタブフィルム6は、ユーザに提供される際に、図1及び図2に示すように第1、第2の接着層により互いに固定された状態で提供される。以下、図1及び図2に示すように互いに固定された状態の保護フィルム2、剥離フィルム3、カバーフィルム4及びタブフィルム6、さらには第1、第2の接着層を、保護フィルム複合体Aと称する。
【0041】
(第1実施形態の保護フィルムの貼付方法)
次に、図4図9を用いて、本実施形態の保護フィルム複合体Aを用いた保護フィルム2の貼付方法について説明する。
【0042】
本実施形態では、図4に示すように、保護フィルム複合体Aを用いて保護フィルム2を電子機器1の表示面1bに貼付する方法について説明する。
【0043】
まず、図5(a)に示すように、保護フィルム複合体Aを用意し、次に、図5(b)に示すように、保護フィルム複合体Aを構成する剥離フィルム3のうち、図5(b)で中央に位置する分割剥離フィルム3cをこの保護フィルム複合体Aから剥がす(取り除く)。この分割剥離フィルム3cが剥がされたことにより保護フィルム2の第1の接着層が部分的に露出されるので、部分的に露出された第1の接着層を用いて保護フィルム2を電子機器1の表示面1bに貼付する(図4参照)。
【0044】
この際、電子機器1の表示面1bに、保護フィルム複合体Aのカバーフィルム4に表示された位置決め用マーク5に対応する位置決め用マーク、一例として表示面1bの長手方向及び短手方向に延びる線分を中央部で交差させた十字型の位置決め用マークを表示させ、位置決め用マーク5及び表示面1bの位置決め用マークを用いて保護フィルム2の位置決めを行うことが好ましい。これら位置決め用マーク5及び表示面1bの位置決め用マークを用いた保護フィルム2の位置決め方法については、例えば、特願2014−64145等に詳細に開示されているので、ここではこれ以上の説明を行わない。
【0045】
なお、本実施形態では、上述したように、十字状の位置決め用マーク5に形成された4つの突部5aのうち2つの突部5aが、図4において保護フィルム2の長手方向の中央に位置する分割剥離フィルム3cに対応する位置に表示されている。この分割剥離フィルム3cは、図5(b)に示すように、保護フィルム2を位置決めする際に最初に剥がされるフィルムであり、また、タブフィルム6が設けられていないフィルムでもある。
【0046】
保護フィルム2と電子機器1の表示面1bとの位置決めは、位置決め用マーク5の先端部でもある突部5aと表示面1bに表示された位置決め用マークとを重畳させることにより好ましくは行われるので、少なくとも2つの突部5aが分割剥離フィルム3cに対応する位置に表示されていることにより、これら2つの突部5aを用いて精密に位置決めを行うことができる。
【0047】
加えて、上述のように視認性の観点からタブフィルム6を半透明または不透明な材質から形成した場合、位置決め用マーク5の突部5aがタブフィルム6と重畳した位置に表示されることがあり得るが、タブフィルム6が設けられていない分割剥離フィルム3cに対応する位置に位置決め用マーク5の少なくとも2つの突部5aが表示されているので、タブフィルム6が半透明または不透明な材質で形成されていた場合でも、位置決め用マーク5と表示面1bの位置決め用マークとの両方をユーザが容易に視認することが可能となる。この点からも、保護フィルム2と電子機器1の表示面1bとの位置決めを精密に行うことができる。
【0048】
次いで、図6(a)に示すように、分割剥離フィルム3cが剥がされたことにより部分的に露出された第1の接着層を用いて保護フィルム2が電子機器1の表示面1bに部分的に貼付された状態で、2つ設けられたタブフィルム6のうち一方のタブフィルム6を、その延出部6cを保護フィルム2から離間する方向(図6(a)において下方向)に引っ張ることで、図6(b)に示すように、タブフィルム6と、このタブフィルム6が固定されている分割剥離フィルム3bとを一体に剥がし、この分割剥離フィルム3bが剥がされることで部分的に露出された第1の接着層を用いて保護フィルム2を電子機器1の表示面1bに貼付する。
【0049】
タブフィルム6を引っ張ることで、このタブフィルム6と分割剥離フィルム3b、3dとを一体に剥がす過程について、図8を参照して詳細に説明する。
【0050】
まず、図8(a)に示すように、タブフィルム6の延出部6cを保護フィルム2から離間する方向(図8(a)において右方向)に引っ張ると、タブフィルム6と電子機器1(の表示面1b)との間には接着層等が介在していないので、タブフィルム6はこの電子機器1上を摺動しながら全体的に引っ張られた方向に移動し始める。このタブフィルム6の移動に伴い、タブフィルム6の折り返し位置である分割剥離フィルム3b、3dの辺縁(図8(a)において左辺縁)を支点として、タブフィルム6の固定端6b及び、この固定端6bが固定されている分割剥離フィルム3b、3dの周縁部3aに図中上方向への力が作用され、図8(b)に示すように、この周縁部3aが上方に引き上げられる。そして、分割剥離フィルム3b、3dの周縁部3aが上方に引き上げられることで、これに追従して保護フィルム2及びカバーフィルム4の端部(図中左端部)が上方に撓む。
【0051】
この状態でさらにタブフィルム6を図中右方向に引っ張ると、図8(c)に示すように、タブフィルム6の端部6a及び分割剥離フィルム3b、3dの周縁部3aが右方向に引っ張られつつ、分割剥離フィルム3b、3dの周縁部3a付近が屈曲されて、保護フィルム2及びカバーフィルム4と電子機器1の表示面1bとの間に一定の間隙Gが形成される。しかし、分割剥離フィルム3b、3dは可撓性を有する材質から形成されているので、この間隙Gは大きなものにならない。
【0052】
そして、タブフィルム6が引き続き図中右方向に引っ張られることで、この間隙Gが図中左から右へ順次移動し、間隙Gが通過した後は、分割剥離フィルム3b、3dが剥がされて第1の接着層が露出された状態になる。この後、保護フィルム2及びカバーフィルム4の自重で、好ましくはユーザが上方から保護フィルム2及びカバーフィルム4を圧着することで、第1の接着層を介して保護フィルム2が電子機器1の表示面1bに貼付される。このような過程を経て、分割剥離フィルム3b、3dが保護フィルム2から全て剥がされて、保護フィルム2が電子機器1の表示面1bに貼付される(図6(b)参照)。
【0053】
次いで、図7(a)に示すように、2つ設けられたタブフィルム6のうち他方、つまり残りのタブフィルム6を、その延出部6cを保護フィルム2から離間する方向(図7(a)において下方向)に引っ張ることで、図7(b)に示すように、タブフィルム6と、このタブフィルム6が固定されている分割剥離フィルム3bとを一体に剥がし、この分割剥離フィルム3bが剥がされることで部分的に露出された第1の接着層を用いて保護フィルム2を電子機器1の表示面1bに貼付する。この結果、カバーフィルム4が設けられた状態の保護フィルム2を電子機器1の表示面1bに貼付することができる。
【0054】
その後、図9(a)に示すように、カバーフィルム4の端部を上方に捲り上げることでこのカバーフィルム4を保護フィルム2から剥がすと、図9(b)に示すように、保護フィルム2のみを電子機器1の表示面1bに貼付することができる。
【0055】
(第1実施形態の効果)
以上説明したようにして、本実施形態の保護フィルム複合体Aを用いて電子機器1の表示面1bに保護フィルム2を貼付することができる。ここで、本実施形態では、タブフィルム6を引っ張る方向(例えば図6であれば下方向)と分割剥離フィルム3b、3dとが剥がれる方向(例えば図6であれば下方向)とが略一致しているので、分割剥離フィルム3b、3dが捲り上がる部分(図8の間隙Gに相当する)を、上述の従来技術よりも小さくすることができる。この結果、保護フィルム2を電子機器1に貼付する際に塵埃が保護フィルムと電子機器との間に介在する可能性をより低減することが可能となる。
【0056】
また、上述の従来技術では、剥離フィルムが大きく捲り上がることで、これに連れて保護フィルムも大きく曲がる(上方に持ち上げられる)ことになる。保護フィルムが適当な可撓性を有する材質、例えば有機材からなる場合は、剥離フィルムの捲り上がりに追従して撓むことも可能であるが、保護フィルムが硝子等可撓性をあまり有しない材質で、しかも曲げ応力に対して破断する材質であると、剥離フィルムが捲り上がる結果、保護フィルムに曲げ応力が作用すると、この保護フィルムが破断されてしまう可能性がある。従って、上述した従来技術では、適用可能な保護フィルムの材質に一定の制限が生じていた。
【0057】
一方、本実施形態の保護フィルム複合体Aでは、分割剥離フィルム3b、3dが捲り上がる部分をより小さくすることができるので、硝子等可撓性をあまり有しない材質からなる保護フィルム2であっても、本実施形態の保護フィルム複合体Aであれば電子機器1に貼付することが可能となる。
【0058】
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態である保護フィルム複合体Aを示す図であり、図10(a)は保護フィルム複合体Aを示す平面図、図10(b)は図10(a)のB−B′線矢視断面図である。
【0059】
本実施形態の保護フィルム複合体Aと第1実施形態の保護フィルム複合体Aとの差異は、保護フィルム2と剥離フィルム3との外形が略等しい矩形状に形成されている点であり、それ以外の構成は第1実施形態の保護フィルム複合体Aと略共通する。従って、本実施形態の剥離フィルム3には、保護フィルム2の外方に延出する周縁部3aが存在しない。
【0060】
また、剥離フィルム3の左辺側に位置するタブフィルム6の一方の端部6aは、剥離フィルム3の上辺側の辺縁で折り返されてこの剥離フィルム3の内方に向かって延出し、剥離フィルム3と保護フィルム2との間に位置している。従って、タブフィルム6の固定端6bも、剥離フィルム3と保護フィルム2との間に位置し、剥離フィルム3の上辺側の辺縁から内方の位置に設けられている。
【0061】
本実施形態の保護フィルム複合体Aによっても、上述の第1実施形態の保護フィルム複合体Aと同様に、タブフィルム6とともに分割剥離フィルム3b、3dを剥離することができる。従って、本実施形態によっても、上述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0062】
(第3実施形態)
図11は、本発明の第3実施形態である保護フィルム複合体Aを示す平面図である。本実施形態の保護フィルム複合体Aは、図11に示すように、タブレット端末に代表されるような、上述の第1及び第2実施形態の電子機器1よりも表示面1bが大きい電子機器1の表示面1bに適用される。
【0063】
本実施形態の保護フィルム複合体Aでは、剥離フィルム3は、保護フィルム2の短手方向に3分割されて分割剥離フィルム3b〜3dが形成されている。また、タブフィルム6は、図11において剥離フィルム3の短手方向の一辺(上辺)から長手方向の一辺(右辺または左辺)まで、すなわち、剥離フィルム3を斜めに横断しつつ交差しない方向にそれぞれ延出している。
【0064】
さらに、位置決め用マーク5に形成された4つの突部5aの全てが、図11において保護フィルム2の短手方向の中央に位置する分割剥離フィルム3cに対応する位置に表示されている。
【0065】
そして、以上説明した構成以外の本実施形態の保護フィルム複合体Aの構成については、第1実施形態の保護フィルム複合体Aと略共通する。
【0066】
本実施形態の保護フィルム複合体Aによっても、上述の第1実施形態の保護フィルム複合体Aと同様に、タブフィルム6とともに分割剥離フィルム3b、3dを剥離することができる。従って、本実施形態によっても、上述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0067】
なお、本実施形態では、タブフィルム6を引っ張る方向(図11において右下方向または左下方向)と分割剥離フィルム3b、3dとが剥がれる方向(図11であれば略下方向)とが一致していないが、図11においてタブフィルム6は剥離フィルム3の上辺で折り返され、さらに、タブフィルム6の固定端6bは剥離フィルム3の短手方向の上辺に略平行となるように固定されているので、分割剥離フィルム3b、3dに作用する力の方向はタブフィルム6を引っ張る方向よりもやや下向きの方向になる。従って、本実施形態においても、分割剥離フィルム3b、3dが捲り上がる部分(図8の間隙Gに相当する)を、上述の従来技術よりも小さくすることができる。
【0068】
(変形例)
なお、本発明の保護フィルム複合体及び保護フィルムの貼付方法は、その細部が上述の各実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。一例として、上述の各実施形態では、保護フィルム2を電子機器1の表示面1bに貼付する場合についてのみ説明してきたが、本発明の保護フィルム複合体A及び保護フィルムの貼付方法は、電子機器1の表示面1b以外の面に保護フィルム2を貼付する場合にも好適に適用可能である。
【0069】
また、上述の第1実施形態では、剥離フィルム3の周縁部3aが、保護フィルム2の外方の全周に延出されていたが、周縁部3aは保護フィルム2の外周の少なくとも一部に延出される構成であっても良い。
【0070】
さらに、上述の第1及び第3実施形態では、タブフィルム6の固定端6bが保護フィルム2の辺縁近傍にまで延出していたが、この固定端6bは、タブフィルム6の折り返し部分である剥離フィルム3の辺縁と保護フィルム2の辺縁との間に固定されていても良い。好ましくは、タブフィルム6の固定端6bは、タブフィルム6の折り返し部分である剥離フィルム3の辺縁と保護フィルム2の辺縁との間の中央か、この中央より保護フィルム2の辺縁に近い位置に固定される。
【0071】
さらに、上述の各実施形態では、剥離フィルム3が3つの分割剥離フィルム3b〜3dに分割されて構成していたが、剥離フィルム3の分割個数に制限はなく、製造工程の簡易さ等を考慮して適宜決定すればよい。加えて、剥離フィルム3を分割しない構成であっても本発明の保護フィルム複合体A及び保護フィルムの貼付方法は好適に適用可能である。
【0072】
さらに、本発明の保護フィルム複合体及び保護フィルムの貼付方法は、位置決め用マーク5が設けられない構成であっても好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 電子機器
1b 表示面
2 保護フィルム
3 剥離フィルム
3a 周縁部
3b〜3d 分割剥離フィルム
4 カバーフィルム
5 位置決め用マーク
5a 突部
6 タブフィルム
6a、6c 端部
6b 固定端
6c 延出部
A 保護フィルム複合体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11