特許第6048470号(P6048470)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6048470
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】電気音響変換器
(51)【国際特許分類】
   H04R 7/12 20060101AFI20161212BHJP
   H04R 7/20 20060101ALI20161212BHJP
   H04R 9/06 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   H04R7/12 Z
   H04R7/12 K
   H04R7/20
   H04R9/06 Z
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-200339(P2014-200339)
(22)【出願日】2014年9月30日
(65)【公開番号】特開2015-119471(P2015-119471A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2015年10月28日
(31)【優先権主張番号】特願2013-219607(P2013-219607)
(32)【優先日】2013年10月22日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-237777(P2013-237777)
(32)【優先日】2013年11月18日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和
(72)【発明者】
【氏名】野呂 正夫
【審査官】 大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−122728(JP,A)
【文献】 特開平09−224299(JP,A)
【文献】 特表平06−511116(JP,A)
【文献】 特開2002−078075(JP,A)
【文献】 特開平09−327087(JP,A)
【文献】 特開平08−140175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 7/12
H04R 7/20
H04R 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の縦割り筒状部の各々の凸面からなる一対の凸面を備え、前記一対の凸面の各々の一方の側部どうしの間で谷部を形成した翼状部、及び該翼状部の外周縁部を囲むように設けられ錐形状に延びるコーン部を備える振動体と、
該振動体の前記谷部の深さ方向に沿う振動と該振動に対応する電気信号との変換を行う変換部と、
前記振動体における前記コーン部の外周縁部を前記振動の方向に沿って振動可能に支持する支持部と、
を備える電気音響変換器。
【請求項2】
前記翼状部は、前記コーン部の小径側端部と大径側端部との間に配置され、
前記変換部は、前記小径側端部の側に設けられている請求項1記載の電気音響変換器。
【請求項3】
前記翼状部は前記コーン部の表面に貼付されている請求項2記載の電気音響変換器。
【請求項4】
前記コーン部に、該コーン部と前記翼状部との間の空間に開口する貫通孔が形成されている請求項3記載の電気音響変換器。
【請求項5】
前記コーン部に、前記翼状部における前記谷部の両端部を配置させる切欠部が形成されている請求項2又は3記載の電気音響変換器。
【請求項6】
前記翼状部と前記コーン部とは、前記翼状部の前記外周縁部と前記コーン部の内周縁とが連続した状態に一体成形されている請求項1記載の電気音響変換器。
【請求項7】
各々が凸状部の表面である一対の凸面を備え、各々の一方の端部どうしが各々の他方の端部どうしよりも近接して配置されて前記一対の凸面の間に谷部を形成する翼状部及び、前記翼状部の外周縁部を囲むように設けられ、錐形状に延びるコーン部を備える振動体と、
前記振動体の前記谷部の深さ方向に沿う振動と前記振動に対応する電気信号との間の変換を行う変換部と、
前記振動体及び前記変換部を支持する支持体と、
一端が前記コーン部の外周縁部に固定されるとともに他端が前記支持体に固定され、前記コーン部の前記外周縁部を前記振動の方向に沿って振動可能に支持するエッジ部と、
を備える電気音響変換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凸面を振動させて音を再生するスピーカ又は音を収集するマイクロホンに好適な電気音響機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なダイナミックスピーカは、振動板をボイスコイルモータで往復駆動するピストンモーションにより音を発するスピーカであり、低い周波数ではほぼ点音源として機能し、広い指向特性を有するが、振動板の口径と再生音の半波長がほぼ同等になる周波数以上の帯域では、指向性が鋭くなる。このため、高音域の再生には、小口径の振動板を使用した小型のスピーカが用いられる。 また、ダイナミックスピーカの動作原理と逆の動作原理を有するダイナミックマイクロホンでも、上記と同様のことが言える。即ち、広い指向性で高音域を収集するには、小口径の振動板を使用した小型のマイクロホンが用いられる。
【0003】
これに対してリッフェル型スピーカは、一対の長方形の湾曲板により振動板が構成され、中高音域での指向性が広く、また、振動板の湾曲方向に沿う横方向に音が広がり、縦方向にはほとんど広がらないという特性を有するため、ラインアレイスピーカとして縦方向に連続させることにより、理想的な音空間を提供することができると考えられる。
【0004】
このようなリッフェル型スピーカとして、従来、例えば特許文献1又は特許文献2に開示されたものがある。
特許文献1には、高分子樹脂フィルムの中央部分にボイスコイルとしての導電体パターンをプリント形成し、その中央部分を折り返し加工して接着することによって、導電体パターンを有する平板状の部分と、湾曲形状の第1,第2の振動部とを一体化して備える振動板が形成されており、この振動板の平板状の部分は磁気回路内の磁気ギャップ内に配置され、両振動部の先端は支持部材に固定された構造のスピーカが開示されている。
特許文献2には、振動板中央部が凹部を形成した状態で折り返され、その凹部内に、長円の環状に巻回された偏平なボイスコイルが配置され、そのボイスコイルを上下に離間した二つの磁気ギャップ内に配置した構造のスピーカが開示されている。このスピーカにおいても、振動板の外周部は、環状のフレーム上に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−78079号公報
【特許文献2】特開2007−174233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この種のリッフェル型スピーカは、低音域での再生には適さないため、可聴帯域の全域を再生するためには、別途、低音域用のスピーカ(ウーハー)を用いたマルチスピーカシステムとする必要がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、1本のユニットで低音域から高音域までの広い周波数の帯域に亘って広い指向性を有する安価な電気音響変換器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気音響変換器は、一対の縦割り筒状部の各々の凸面からなる一対の凸面を備え、前記一対の凸面の各々の一方の側部どうしの間で谷部を形成した翼状部、及び該翼状部の外周縁部を囲むように設けられ錐形状に延びるコーン部を備える振動体と、該振動体の前記谷部の深さ方向に沿う振動と該振動に対応する電気信号との変換を行う変換部と、前記振動体における前記コーン部の外周縁部を前記振動の方向に沿って振動可能に支持する支持部と、を備える。
【0009】
この電気音響変換器は、一対の縦割り筒状部の各々の凸面が振動面となるので、本発明をスピーカに適用する場合、リッフェル型スピーカと同様に中高音域で広い指向性を有しており、しかも、変換部により振動させられる振動体は、その全体がピストンモーションするので、ダイナミックスピーカと同様に低音域においても高い音圧を有する。したがって、1本のスピーカユニットにより低音域から中高音域までの可聴帯域の全域で広い指向性で再生可能なフルレンジスピーカユニットを実現することができる。
この場合、振動体が縦割り筒状面の翼状部のみで形成される場合は、その外周縁が複雑な形状となるため、支持部の構造も複雑になるが、一対の縦割り筒状部の各々の凸面から錐形状に延在するコーン部を介在させることにより、支持部に円形リング状又は楕円形リング状等の単純形状のものを用いることができ、安価に製造することが可能になる。
本発明をマイクロホンに適用する場合も、一対の縦割り筒状部の各々の凸面が振動面であり、その振動体の全体が一様に振動することにより、感度を維持しながら指向性が良好となり、低音域から高音域まで広い周波数帯域に亘って広い指向性で収音することができる。
【0010】
本発明の電気音響変換器において、前記翼状部は、前記コーン部の小径側端部と大径側端部との間に配置され、前記変換部は、前記小径側端部の側に設けられているものとしてもよい。
コーン部を翼状部の外周部だけでなく、コーン部の小径側端部と大径側端部との間に翼状部が配置されるように設けたことにより、支持部及び変換部の両方に通常のダイナミックスピーカ等と同様の構成のものを用いることが容易になり、より安価に製造することが可能である。
【0011】
また、本発明の電気音響変換器において、前記翼状部は前記コーン部の表面に貼付されているとよい。
翼状部以外は通常のダイナミックスピーカ等に用いられる部品を適用することができ、そのコーン部に翼状部を貼付した単純構造であり、さらに安価に製造することができる。
【0012】
この場合、前記コーン部に、該コーン部と前記翼状部との間の空間に開口する貫通孔が形成されているとよい。
コーン部と翼状部との間の空間が密閉されていると空洞共鳴の原因となるおそれがあり、また、振動板が2枚重なって存在することになるため、それぞれから放射される音が干渉して特性の乱れを生じるおそれがある。そこで、2重構造となっている部分のコーン部に貫通孔を形成することにより、コーン部と翼状部との間の空間を開放状態として空洞共鳴を防止するとともに、コーン部の面積を貫通孔により小さくして、振動板としての機能を低下させて干渉を抑えるようにしたものである。貫通孔は、コーン部が翼状部を支持し得る程度の強度を有する範囲内で1個又は複数個形成することができる。
【0013】
また、本発明の電気音響変換器において、前記コーン部に、前記翼状部における前記谷部の両端部を配置させる切欠部が形成されていてもよい。
翼状部の両先端部(側部)はコーン部の大径側に配置され、翼状部の谷部はコーン部の小径側に配置される。このため、単に円錐面状又は楕円錐面状のコーン部であると、翼状部の谷部の長さを小さくしないと配置できないが、コーン部の小径側部分に切欠部を形成して、その切欠部内に谷部の両端部を配置したことにより、谷部の長さを大きくすることができ、縦割り筒状部の凸面としての放射面を広く確保することができる。
【0014】
本発明の電気音響変換器において、前記翼状部と前記コーン部とは、前記翼状部の前記外周縁部と前記コーン部の内周縁とが連続した状態に一体成形されているとよい。
例えば、樹脂フィルムの真空成形等により、翼状部とコーン部とを一体に形成することができ、安定した品質のスピーカ又はマイクロホンを容易に製造することができる。
【0015】
さらに、本発明の電気音響変換器は、各々が凸状部の表面である一対の凸面を備え、各々の一方の端部どうしが各々の他方の端部どうしよりも近接して配置されて前記一対の凸面の間に谷部を形成する翼状部及び、前記翼状部の外周縁部を囲むように設けられ、錐形状に延びるコーン部を備える振動体と、前記振動体の前記谷部の深さ方向に沿う振動と前記振動に対応する電気信号との間の変換を行う変換部と、前記振動体及び前記変換部を支持する支持体と、一端が前記コーン部の外周縁部に固定されるとともに他端が前記支持体に固定され、前記コーン部の前記外周縁部を前記振動の方向に沿って振動可能に支持するエッジ部と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明の電気音響変換器をスピーカに適用した場合、このスピーカは、低音域においてはピストンモーションにより高い音圧を有し、中低音域においては縦割り筒状部の凸面からの再生音の放射により広い指向性を有しており、1本のスピーカユニットにより低音域から中高音域までの広い範囲で広い指向性を有するフルレンジスピーカユニットを実現することができる。しかも、通常のダイナミックスピーカの部品を適用することが可能で、安価に製造することができる。また、本発明の電気音響変換器をマイクロホンに適用した場合も、このマイクロホンは、低音域から高音域まで広い周波数帯域に亘って広い指向性で収音することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態のスピーカを示す分解斜視図である。
図2図1のスピーカの組立状態を示す斜視図である。
図3図2のスピーカの上面図である。
図4図3のA−A線に沿う矢視断面図である。
図5図2の半分を断面にした斜視図である。
図6図1のスピーカに用いられている振動体の斜視図である。
図7図6の振動体の上面図である。
図8図7のB−B線に沿う矢視断面図である。
図9】本発明の第2実施形態における振動体の分解斜視図である。
図10図9の振動体の組立状態を示す斜視図である。
図11図10の振動体の上面図である。
図12図11のC−C線に沿う矢視断面図である。
図13】本発明の第3実施形態における振動体の分解斜視図である。
図14】本発明の第4実施形態における振動体の分解斜視図である。
図15図14の振動体の組立状態を示す斜視図である。
図16】本発明の第5実施形態のスピーカを示す図4同様の断面図である。
図17図16のスピーカの半分を断面にした斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
今回発明者らがリッフェル型スピーカの動作原理の解析を行うにあたり、その指向性の広さが、高域での振動領域が線音源に集中することに起因するのではなく、振動板の形状そのものに依るものであることを見出した。そこで、この形状の振動板を保持したまま、ピストンモーションさせれば高域の指向性を保ったまま、低域までの再生が可能なスピーカユニットが実現可能であることに到達した。また、そのようなスピーカユニットを構成する場合に、通常のダイナミックスピーカ等の部品を適用できれば安価に製作できるとの知見を得た。
【0019】
以下、本発明の電気音響機器をスピーカに適用した実施形態について図面を参照して説明する。
図1図8は、本発明の第1実施形態のスピーカ(電気音響機器の一例)を示す。
この実施形態のスピーカは、振動体1と、この振動体1を往復駆動するアクチュエータ(変換部の一例)2と、これら振動体1及びアクチュエータ2を支持するための支持枠3と、振動体1を支持枠3に往復移動自在に支持するエッジ部4とを備えている。
なお、図2において、エッジ部4が設けられている側を上、アクチュエータ2が設けられている側を下とするように上下方向を設定し、後述する振動体1の谷部の延在方向を縦方向、これと直交する方向を横方向とする。また、上方を向く面を表面、下方を向く面を裏面とし、さらに、図示したように、縦方向をx方向、横方向をy方向、上下方向をz方向と称する場合もあるものとする。
【0020】
振動体1は、図6図7に拡大して示したように、一対の縦割り筒状部(凸状部)の凸面5が並列に形成されるとともに、隣接する凸面5の一方の側部どうしの間(又は一対の縦割り筒状部の凸面5どうしの間)で谷部6を形成した表面形状を有する翼状部7と、この翼状部7の外周縁部を囲むように円錐面状に延びるコーン部8とを備えている。なお、一対の縦割り筒状部は、筒形状の部材を、縦方向(筒部の軸方向)に分割して得られる複数の部材のうちの2つの部材によって構成されるものである。
図示例の翼状部7は、各々が凸面5を有する一対の縦割り筒状部としての一対の湾曲板11により構成されており、両湾曲板11の谷部6を形成している側部どうしが接合された状態とされている。コーン部8は、両湾曲板11の接合部13とは反対側の側部(端部)から延びるとともに、両湾曲板11の谷部6の縦方向の両端を閉塞しており、全体として円錐面状に形成されている。
つまり、この振動体1は、図4及び図8に断面を示したように、湾曲板11の接合部13を下側に配置すると、この接合部13から高さ方向の大部分が翼状部7とされ、この翼状部7の上端部及び谷部6の両端部にコーン部8が円錐面の一部をなすように配置された形状とされる。
また、一対の湾曲板11によって形成される一対の凸面5は、互いに向き合って配置されている。言い換えれば、一対の湾曲板11は、一対の湾曲板11の一方の湾曲板の凸面5と他方の湾曲板の凹面が互いに向き合うように配置されておらず、また、一対の湾曲板11の一対の凹面どうしが互いに向き合うように配置されていない。一対の凸面5の各々の一端部どうしが、一対の凸面5の他端部どうしよりも互いに近接して配置されるか、または、一対の凸面5の各々の他端部どうしが離間して配置され、一端部どうしが互いに接触して配置されることにより、一対の凸面5の間に一端部近傍を底部とする谷部6が形成される。
【0021】
また、湾曲板11の凸面5は、必ずしも単一円弧面でなくてもよく、複数の曲率を連続させたもの、凸面5の周方向(横方向)に沿う断面が放物線形状やスプライン曲線など曲率が一定ないし連続的に変化するもの、角筒状面としたもの、階段状に複数の段差部を有する形状としたものなどを採用することができる。また本実施形態の凸面5は、一方向(凸面5の周方向:横方向)に湾曲し、その一方向と直交する方向(凸面5の縦方向であり、縦割り筒状部の筒部の軸方向)へは直線状となっているが、凸面5は、縦方向に沿う断面の曲率が横方向に沿う断面の曲率(一定の曲率又は連続的に変化する複数の曲率)よりも小さい曲面(凸面)であっても良い。そして、一対の湾曲板11が、その凸となる方向を同じ表面側に向けて並列に配置されるとともに、隣接する側部どうしが、接線方向をほぼ平行にした状態で接合されている。図8に示すように、その接合部13では、両湾曲板11がわずかに間隔をあけて接合されており、したがって、その接合部13における接線L1,L2が平行に配置される。そして、この接合部13に沿って、両湾曲板11の間に、凸面5の縦方向に沿う直線状に谷部6が形成されている。
したがって、振動体1の下端部において、図6及び図7に示すように、翼状部7の接合部13がコーン部8の直径方向に沿う直線状に配置される。
また、均一な再生音を得るために、両湾曲板11を、その断面が接合部13の接線L1,L2の間の中心を通る線Mに対して線対称になるように形成することが好ましい。ただし、本発明においては、両湾曲板11の各々の断面は、必ずしも線対称でなくてもよい。
【0022】
この振動体1は、その材質が限定されるものではなく、スピーカの振動板として一般的に用いられる合成樹脂、紙、金属等の材料を用いることができ、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂からなるフィルムを真空成形することにより、比較的容易に成形することができる。
この実施形態の振動体1は合成樹脂からなる1枚のフィルムを一体成形しており、その接合部13は、フィルムの中央部を断面U字状に折り返すことにより成形して形成されている。
【0023】
アクチュエータ2は、例えばボイスコイルモータが用いられ、湾曲板11の接合部13に設けられたボイスコイル20と、支持枠3に固定された磁石機構21とにより構成される。
ボイスコイル20は、円筒状のボビン20aの回りにコイル20bが巻回されたものであり、その直径方向に湾曲板11の接合部13が配置されるように、ボイスコイル20の上端と接合部13の下縁とが接着剤等を介して固着されている。そして、このボイスコイル20の外周部がダンパー22を介して支持枠3に支持されており、ボイスコイル20は支持枠3に対してボイスコイル20の軸方向に沿って往復移動自在である。ダンパー22は一般的なダイナミックスピーカに用いられる材料のものを適用することができる。
磁石機構21は、環状の磁石23と、この磁石23の一方の極に固定されたリング状のアウターヨーク24と、他方の極に固定されたインナーヨーク25とを備えており、インナーヨーク25の中心のポール部25aの先端部がアウターヨーク24内に配置されることにより、これらアウターヨーク24とインナーヨーク25との間に、環状に磁気ギャップ26が形成され、この磁気ギャップ26内にボイスコイル20の端部が挿入状態に配置されている。
【0024】
支持枠3は、例えば金属材により成形され、図示例では、矩形の枠状に形成されたフランジ部30と、フランジ部30の下方に延びる複数のアーム部31と、これらアーム部31の下端に形成された環状フレーム部32とを備えている。そして、そのフランジ部30の内周面は円周面に形成されており、その内側に、接合部13を下方に向けて振動体1が配置され、振動体1のコーン部8の上端縁がエッジ部4を介してフランジ部30の上面に支持されている。したがって、エッジ部4は、振動体1のコーン部8に対応して円形リング状に形成される。このエッジ部4も、一般的なダイナミックスピーカに用いられている材料のものを適用することができる。
なお、谷部6の深さ方向における振動体1の変形し難さの度合い(剛性)が、谷部6の深さ方向におけるエッジ部4の変形し難さの度合い(剛性)よりも大きくなるように、振動体1及びエッジ部4が形成される。言い換えれば、振動体1及びエッジ部4は、振動体1が谷部6の深さ方向に振動する際に、振動体1の振動によって引き起こされる振動体1の変形量が、振動体1の振動によって引き起こされるエッジ部4の変形量よりも小さくなるように構成される。
本発明において、振動体1を谷部6の深さ方向(z方向)に振動可能に支持する支持部35は、この実施形態では、支持枠3とエッジ部4によって構成されている。
なお、エッジ部4は、一対の湾曲板11の横方向の外周縁部、つまり、湾曲板11の接合部13が設けられた端部と反対の端部の縁部(湾曲板11のエッジ部4への接続端ともいう)にエッジ部4の一端が固定され、支持枠3にエッジ部4の他端が固定されている。従って、一対の湾曲板11の外周縁部は、エッジ部4が変形することにより、支持枠3に対して上下方向に相対的に振動することができる。従って、エッジ部4は、振動体1の全体が上下方向へ振動することを許容しつつ、振動体1を支持している。
【0025】
この支持枠3に振動体1を取り付けた状態において、凸面5は、図8に示すように、凸面5の湾曲方向に沿って最も外側の先端どうしを結ぶ線(図示例では、湾曲板11の接合部13とは反対側の側部の先端とコーン部8との接続点における接線となる)を境界線Hとするとき、先端から谷部6に向かうにしたがって境界線Hから漸次離間する方向に湾曲する。
前述したように、凸面5は、単一円弧面だけでなく、複数の曲率を連続させたもの、断面が放物線形状やスプライン曲線など曲率が一定ないし連続的に変化するもの、角筒状面としたもの、階段状に複数の段差部を有する形状としたものなどを採用することができるが、その先端どうしを結ぶ境界線Hを超えない形状の凸面とするのが好ましい。
なお、図1及び図2において符号33は、ボイスコイル20を外部に接続するための端子を示している。
【0026】
このように構成されたスピーカは、振動体1に固定されたアクチュエータ2のボイスコイル20に音声信号に応じた駆動電流が流れると、その駆動電流によって生じる磁束変化と、磁気ギャップ26内の磁界とにより、ボイスコイル20に駆動電流に応じた駆動力が作用し、磁界と直交する方向(ボイスコイル20の軸方向、図4では矢印で示す上下方向)にボイスコイル20を振動させる。これにより、このボイスコイル20に接続されている振動体1が、谷部6の深さ方向に沿って振動し、表面から再生音が放射される。
【0027】
この場合、振動体1は、その高さ方向の大部分を構成するように配置された翼状部7と、その上端部の限られた範囲に配置されたコーン部8とからなっており、その大部分を構成する翼状部7の凸面5から放射される再生音が支配的になる。
このため、リッフェル型スピーカに用いられている振動板と同様に、凸面5の周方向に沿う横方向への音の指向性が広く、縦方向には狭いという特性を有する。また、リッフェル型スピーカに用いられている振動板と同様に中高音域で広い指向性を有している。
しかも、振動体1は、コーン部8の外周縁部がエッジ部4により支持枠3に往復振動が可能なように支持されているので、接合部13から外周縁部までの全体がアクチュエータ2によって一様に振動し、いわゆるピストンモーションによる振動が生じる。このため、ダイナミックスピーカと同様に、低音域においても高い音圧を有する。この場合、谷部6の両端が開放状態であると、振動体1により放射された音波の一部が、その開放された空間を通って湾曲板11の裏面側に抜けていくが、コーン部8により谷部6の両端が塞がれた状態となっているので、音波の湾曲板11の裏面側への抜けを防止し、振動体1の前面の全体から効率的に放音することができる。
【0028】
したがって、1本のスピーカユニットにより低音域から中高音域までの可聴帯域の全域で広い指向性で再生可能なフルレンジスピーカユニットを実現することができる。このスピーカを振動体1の谷部6を連続させるように縦列に複数並べることにより、ラインアレイスピーカシステムを構築することができ、理想的な線音源による音空間を提供することができる。
また、この実施形態では、振動体1の外周縁部が円錐面状のコーン部8により形成されているので、エッジ部4を円形リング状の単純形状とすることができる。さらに、アクチュエータ2のボイスコイル20も円筒状に形成して、その上端部と振動体1とを固着したので、このアクチュエータ2としても、通常のダイナミックスピーカに用いられているものを適用することができ、したがって、エッジ部4、支持枠3、アクチュエータ2等として、通常のコーン状振動板を有するダイナミックスピーカと共通の部品を適用することができ、安価に製造することができる。
【0029】
なお、翼状部7は、1枚のフィルムから一体成形した例を示したが、2枚の湾曲板の一側部どうしを接着して形成してもよく、また、湾曲板11の接合部13は、実施形態のようにフィルムを断面U字状に折り返して形成した形態以外にも、フィルムをV字状に折り返して形成した形態でもよいし、2枚の湾曲板11の一側部どうしを所定幅で接着して帯板状に形成した形態、湾曲板とは別の帯板状の補強板あるいは補強ワイヤ等の補強部材を接合部に沿って固着して接合部を直線状に補強した形態等としてもよい。
いずれの形態の場合も、凸面5は、両湾曲板11の接合部13とは反対側の側部の先端どうしを結ぶ境界線Hを超えない凸面とするのが好ましい。
【0030】
図9図14は、他の実施形態に用いられる振動体を示している。これらの実施形態において、振動体以外の構成要素(アクチュエータ、支持体、エッジ部)は第1実施形態と同じものが用いられるので、図示を省略し、また、各図において、第1実施形態と共通要素には同一符号を付して説明を簡略化する。
【0031】
図9図12に示す第2実施形態における振動体41は、図9に分解して示したように、翼状部42とコーン部43とが別々に製作され、コーン部43の表面に翼状部42が貼り付けられた構成である。この場合、翼状部42は、第1実施形態のものと同様、凸面5に沿って湾曲形成された一対の湾曲板11により構成されており、両湾曲板11の谷部6を形成している側部どうしが接合されている。
コーン部43は、円錐面状に形成され、その大径側端部43aと小径側端部43bとを除く中央部分に翼状部42が接着されており、この翼状部42が貼り付けられる領域には複数の貫通孔44が形成されている。そして、コーン部43の貫通孔44が形成された領域を覆うように翼状部42がコーン部43の表面に接着されている。したがって、コーン部43と翼状部42との間には図12に示すように空洞部45が形成されており、その空洞部45は貫通孔44によりコーン部43の裏側に開口している。
【0032】
なお、翼状部42の両湾曲板11の接合部13とは反対側の側部は、凸面5の長さ方向に沿う屈曲部46を介して屈曲状態とされており、この屈曲部46により側部の剛性が付与されている。
この場合、凸面5は、両凸面5の屈曲部46の頂点を通る線を境界線Xとするとき、境界線Xを超える凸面とならないように、屈曲部46の頂点から谷部6に向かうにしたがって境界線Xから漸次離間する方向に湾曲している。
また、第1実施形態の翼状部7においては、図8に示すように各湾曲板11の接合部13における接線L1,L2が平行に1本ずつ形成されたが、第2実施形態の翼状部42においては、図12に示すように、両湾曲板11の側部どうしが接着されていることにより、接合部13における接線が両湾曲板11で一致し、1本の接線Lとなっている。
【0033】
このように構成される振動体41は、図12に示すように、湾曲板11の接合部13はコーン部43の小径側端部43bの下端から突出することなく、その上方位置に配置されており、振動体41としての下端部はコーン部43の小径側端部43bによって形成されている。したがって、アクチュエータのボイスコイル20は、コーン部43の小径側端部43bから離間した状態とされ、湾曲板11の接合部13に固着される。このように、ボイスコイル20は、コーン部43の大径側端部43aの側ではなく、小径側端部43bの側に配置され、接合部13を駆動するように構成されている。
【0034】
この振動体41を備えたスピーカは、アクチュエータによって翼状部42の谷部6の深さ方向に駆動されることにより、振動体41全体にピストンモーションによる振動が生じて、翼状部42の凸面5から音が放射される。このとき、コーン部43と翼状部42との間に形成されている空洞部45が密閉空間であると空洞共鳴の原因となるおそれがあるとともに、2枚の振動板が重なって存在することにより音の干渉が生じるおそれがあるが、本実施形態の振動体41においては、貫通孔44により空洞部45が開放空間とされるとともに、コーン部43の翼状部42と重なっている部分の面積を貫通孔44により小さくして、振動板としての機能を低下させている。
したがって、翼状部42の背面側のコーン部43に影響されることなく、凸面5から有効に再生音を放射することができる。
なお、貫通孔44は、コーン部43が翼状部42を支持し得る程度の強度を有する範囲内で1個又は複数個形成することができる。
【0035】
また、この第2実施形態の振動体では、翼状部42がコーン部43に重なる部分に、内部の空洞部45をコーン部43の裏側に開口する貫通孔44を形成したが、本発明においては、貫通孔44を有さないものも含むものとする。図13は、そのような振動体として第3実施形態における振動体を分解して示した斜視図であり、この振動体47は、貫通孔を有しないコーン部48の大径側端部48aと小径側端部48bとの間の表面に、第2実施形態の翼状部と同様の翼状部42が貼り付けられている。
【0036】
図14及び図15は第4実施形態における振動体を示している。この振動体51は、第2実施形態のものと同様に翼状部52とコーン部53とが別々に製作され、コーン部53の大径側端部53aと小径側端部53bとの間に翼状部52が貼り付けられた構成とされている。そして、この実施形態においては、コーン部53に、翼状部52における谷部6を形成している接合部13の両端部を配置させる切欠部54が形成され、その切欠部54内に接合部13の両端部を収容した状態で、翼状部52がコーン部53に貼り付けられている。
この場合、切欠部54は、図14に示すように、コーン部53の一部にV字状の切り込みを入れて三角形状の舌片54aを形成し、この舌片54aを上方から下方へ押し込むことにより、形成されている。したがって、図15に示すように、翼状部52の谷部6の両端が舌片54aによって閉塞された状態となり、音波のコーン部53の裏側への抜けが防止され、振動体51の前面の全面から放音することができる。
【0037】
翼状部52の接合部13は、2枚の湾曲板11を接合して構成され、直線状に延びており、また、翼状部52の両端部は、接合部13を頂点として徐々に広がるほぼ三角形状をなしている。したがって、第2実施形態のように円錐面状のコーン部の表面に貼り付ける場合は、コーン部の円錐面に対応させるように、翼状部を接合部に向かうにしたがって徐々に小さく形成する必要があるため、接合部の長さが短くなるが、本実施形態のように、コーン部53に切欠部54を形成して、その切欠部54に接合部13の両端部を配置することにより、接合部13を長い状態のままコーン部53に貼り付けることが可能になり、円錐面状のコーン部53を用いた振動体でありながら、凸面5を広い面積で確保することができる。
なお、第4実施形態では、コーン部53に貫通孔は設けられていないが、第2実施形態の場合と同様に、コーン部53の翼状部52と重なる部分に貫通孔を設けてもよい。
【0038】
図16及び図17は第5実施形態のスピーカを示している。これらの図においても、第1実施形態と共通要素には同一符号を付して説明を簡略化する。
この第5実施形態のスピーカは、振動体61としては、翼状部62が、円錐面状のコーン部63の大径側端部63aと小径側端部63bとの間に貼り付けられた構成とされており、振動体61の下端部に配置される小径側端部63b内にボイスコイル64が、小径側端部63bから離間して配置されるとともに、このボイスコイル64の上端部に、これを二つ割り状に分岐させるように溝65が直径方向に沿って形成され、その溝65内に、翼状部62の接合部13を食い込ませた状態に固定している。二つ割り状に分岐したボイスコイル64の上端は、翼状部62の両湾曲板11の裏面に緊密接触するように曲線状に成形され、湾曲板11の裏面に接着されている。このように、ボイスコイル64は、コーン部63の大径側端部63aの側ではなく、小径側端部63bの側に配置 され、接合部13及び両湾曲板11の裏面を駆動するように構成されている。
なお、この翼状部62は、図16に示すように、両湾曲板11の接合部13における接線は一致し、1本の接線Lとなっている。
また、第5実施形態のボイスコイル64は、両湾曲板11の裏面に接着され、両湾曲板11の裏面及び接合部13に接触するように構成されていたが、ボイスコイル64を、両湾曲板11の裏面に接着させて両湾曲板11の裏面に接触させるとともに、ボイスコイル64を翼状部62の接合部13から離間させることとしても良い。
【0039】
このように構成することにより、振動体61の翼状部62が強固にボイスコイル64に接着され、したがって、アクチュエータ2の駆動力を確実に翼状部62に伝達することができる。また、翼状部62における両湾曲板11の裏面にボイスコイル64の上端が接着されていることから、湾曲板11の湾曲形状がボイスコイル64により補強された状態となり、ピストンモーションを翼状部62に確実に伝達することができる。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、各実施形態において、コーン部は円錐面状に形成し、エッジ部を円形のリング状に形成したが、コーン部を翼状部の長さ方向に沿って長い楕円錐面状に形成し、エッジ部も楕円形のリング状に形成してもよい。また、コーン部は、一般的なダイナミックスピーカとして用いられる振動板であれば、円錐面状や楕円錘面状以外の形状でもよく、 正面視で丸型や角型、あるいは角型に丸型を組み合わせた形状 でもよく、全体として錐形状に形成されていればよい。翼状部の形状も、上記コーン部の形状に合わせて、適宜変更される。
また、振動体の裏面に補強用のリブやブロック等を固着してもよい。振動体の放射面に対しては、凸面に横方向に沿って板状又は棒状のリブを設けることが可能である。このスピーカは、前述したように、凸面を再生音の放射面としているので、その凸面の周方向に沿う横方向への指向性は広いが、縦方向には狭いという特性を有しており、このため、凸面の放射面に横方向に沿って板状又は棒状のリブを設けたとしても、音響的な影響は少ない。
また、上記実施形態では、いずれも一対の湾曲板により翼状部を構成したが、さらに一対の湾曲板を加えて、一対の湾曲板の接合部の両端に、さらに湾曲板を直角に配置する構成としてもよい。
さらに、振動体を往復駆動する変換部として、ボイスコイルモータを適用したが、ボイスコイルモータに代えて、圧電素子等を用いてもよい。
また、上記実施形態ではいずれも本発明をスピーカに適用したが、本発明をマイクロホンに適用することも可能である。本発明をスピーカに適用する場合は、ボイスコイルモータ等の変換部が、音声信号に基づく電気信号を振動体の振動に変換するが、本発明をマイクロホンに適用する場合も、変換部としてボイスコイルモータ等を用いることができ、その場合の変換部は、音波を受けて振動する振動体の振動を電気信号に変換する。そして、本発明を適用したマイクロホンは、凸面が振動面であり、その振動体の全体が一様に振動することにより、感度を維持しながら指向性が良好となり、低音域から高音域まで広い周波数帯域に亘って広い指向性で収音することができる。
【符号の説明】
【0041】
1…振動体、2…アクチュエータ(変換部)、3…支持枠、4…エッジ部、5…凸面、6…谷部、11…湾曲板、13…接合部、15…補強板、16…接合部、20…ボイスコイル、21…磁石機構、22…ダンパー、23…磁石、24…アウターヨーク、25…インナーヨーク、25a…ポール部、26…磁気ギャップ、30…フランジ部、31…アーム部、32…環状フレーム部、33…端子、41…振動体、42…翼状部、43…コーン部、43a…大径側端部、43b…小径側端部、44…貫通孔、45…空洞部、46…屈曲部、47…振動体、48…コーン部、48a…大径側端部、48b…小径側端部、51…振動体、52…翼状部、53…コーン部、53a…大径側端部、53b…小径側端部、54…切欠部、61…振動体、62…翼状部、63…コーン部。63a…大径側端部、63b…小径側端部、64…ボイスコイル、65…溝
図1
図2
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図8
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図10
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