【文献】
谷川 由紀子,ユーザビリティに配慮した配色評価・推薦方式の提案と設計支援ツールへの適用,FIT2011 第10回情報科学技術フォーラム 講演論文集 第3分冊,日本,一般社団法人情報処理学会,2011年 8月22日,pp.523−524
【文献】
矢野 有美,ユーザビリティ評価における配色評価・推薦方式の実システムへの適用,FIT2011 第10回情報科学技術フォーラム 講演論文集 第3分冊,日本,一般社団法人情報処理学会,2011年 8月22日,pp.525−526
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る色彩抽出装置(色彩情報記憶装置)の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1を参照すると、第1の実施形態に係る色彩抽出装置101は、入力画像の部分領域を特定する部分画像特定部である分割部102と、部分領域に含まれる色を特定する色情報と、部分領域に含まれる文字列とを取得する部分画像特定部である取得部103と、色情報と文字列とを関連付けて記憶する記憶部である作成部104とを備える。
【0018】
図6は、第1の実施形態における色彩イメージテーブルT1の一例を示す図である。
図6は、第1の実施形態だけでなく、第2の実施形態における色彩イメージテーブルの一例を示す図でもある。色彩イメージテーブルT1は、色彩の名称である色名と、その色名に対応する16進数を使った表記(以降、「16進表記」と略記する)と、Hue・Lightness・Saturation値(以降、「HLS値」と略記する)と、色彩イメージを表現する文字列等とを関連付けている。色彩イメージテーブルT1は、上記以外の値と関連付けしていてもよい。また、色彩イメージテーブルT1は、ここに例示した情報と、必ずしも関連付けをしていなくてもよい。
【0019】
図2は、第1の実施形態における画面情報の一例を示す図である。
図2は、第1の実施形態だけでなく、第2の実施形態における画面情報の一例を示す図でもある。画面情報は、画面の題名を示すタイトル領域105と、画面のナビゲーションを表示するナビゲーション領域106と、見出しを表す見出し領域107と、情報などを入力する入力領域108と、その入力領域のラベルを表すラベル領域109等の情報を、含んでいる。画面情報は、上記以外の領域を含んでいてもよい。また、画面情報は、ここに例示した情報を必ずしも含んでいなくてもよい。
【0020】
次に、
図1を使って、第1の実施形態に係る色彩抽出装置101の動作について説明する。色彩抽出装置101は、色彩イメージテーブルT1の構築に用いる抽出対象の画面情報I1を受け取る。画面情報I1は、HyperText Markup Language等の(以降、「HTML」と略記する)言語と、ビットマップ形式等の画像データ等とを使って、表現されている。作成する色彩イメージテーブルT1において領域数を表す行数は、画面情報I1に存在する領域数が多いほど、増える。以下では、HTMLやビットマップなどの用語を使って説明を行うが、その他の言語や、フォーマットによって表現されていても、同様の動作をする。
【0021】
分割部102は、表示画像(以降、「画面」と略記する)を少なくとも1つ以上の小領域に分割する。例えば、抽出対象の画面における画面情報がHTMLを使って記述されている場合には、一つの小領域は、ある開始タグとそれに対応する終了タグとに囲まれた記述部分に対応する。また、抽出対象の画面が、画像データにより記述されている場合には、一つの小領域は、画像処理の結果に応じて決まる領域に対応する。
【0022】
本説明においては、ある開始タグとそれに対応する終了タグとに囲まれた記述部分を、「タグスコープ」と定義する。分割部102は、HTMLなどの言語で記述されている場合には、タグスコープに基づいて、上記のように表示画像を各小領域に分ける。画面が画像データで記述されている場合には、分割部102は、既存の画像処理技術等を使って、その画像データを、類似した特徴を持つ小領域に分割する。例えば、
図2に示すような画面が抽出対象である場合に、分割部102は、画面を、タイトル領域105と、ナビゲーション領域106と、見出し領域107と、ラベル領域109と、入力領域108と、補助情報領域110と、補助情報領域111と、ボタン領域112と、背景領域113との9つの領域に分割する。また、
図2に示す各領域は、色付けが行われている。例えば、タイトル領域105は、濃紺色で色付けられている。ナビゲーション領域106は灰色で色付けられている。見出し領域107は青色で色付けられている。入力領域108は白色で色付けられている。補助情報領域110は、赤色で色付けられている。補助情報領域111は紫色で色付けられている。
【0023】
以下の説明において、「構成部品」は、タグスコープの解析や画像処理等に応じて分割した小領域を意味している。また、「画面構成」は、画面における構成部品を組み合わせた状態を指す。また、画面構成を調べることは、上述のように、タグスコープを抽出すること、あるいは画像処理技術等により、具体化することができる。さらに、「分割」は、構成部品が1つである場合も含んでいる。
【0024】
次に、取得部103は、分割部102が作成した小領域に関連付けされた情報が伝える意味を表す文字列S1を取得する。その小領域に関連付けされた情報が伝える意味を表す文字列S1は、領域ごとに、その画面を見た利用者に伝える情報の意味を表現している。領域に関連付けされた情報は、その領域に存在する情報だけではなく、補助情報領域とそれに関連したラベル領域などの情報を含んでいる。
【0025】
例えば、
図2においては、抽出対象の画面における補助情報領域110は、「禁止」を伝える文章を表示する領域である。その場合、取得部103は、補助情報領域110に関連付けされた「禁止」という文字列を取得する。
【0026】
図3は、第1の実施形態における領域情報テーブルの一例を示す図である。
図3は、第1の実施形態だけでなく、第2の実施形態における領域情報テーブルの一例を示す図でもある。領域情報テーブルT2は、抽出対象の画像における各小領域に関する情報を、その位置座標と、その高さと、その幅と、その小領域の色を表す文字情報(以降、「色情報」と略記する)と、そこに存在する表示情報が伝える意味を表す文字列と、その属性等とを関連付けしている。ここで、色情報として、数値で表現される情報を用いることもできる。
【0027】
図2及び
図3を参照しながら、分割部102、取得部103の動作を説明する。以下の説明において、画面情報I1は、HTMLを使って記述されていると仮定するが、HTML以外の言語であってもよい。
【0028】
分割部102は、抽出対象画面を、少なくとも1つ以上の領域に分割する。例えば、抽出対象の画面における画面情報I1がHTMLを使って記述されている場合には、分割部102は、タグスコープに応じて、上記のように、小領域に分ける。あるいは、分割部102は、抽出対象の画面における画面情報I1が画像データを使って記述されている場合には、画像処理技術等を使って、上記のように、小領域に分ける。
【0029】
次に、取得部103は、分割部102が分割した各小領域の色情報I2を取得する。取得部103は、カスケーディングスタイルシート(Cascading Style Sheets、以下、CSSと記すことがある)などを参照して、各小領域における色情報I2と、位置座標と、高さと、幅と、その小領域に付随した属性などを取得する。取得部103は、小領域内の色が均一でないと判定した場合には、中央値などをその小領域を表す色とする処理を行ってもよい。
【0030】
次に、取得部103は、分割部102が分割した小領域ごとに、そこに関連付けされた文字列を取得する。文字列の取得方法は、Optical Character Reader(以降、「OCR」と略記する)であってもよいし、文字列として読み取ってもよい。そして、作成部104は、小領域ごとに、取得部103が取得した文字列と、色情報I2と、位置座標と、高さと、幅と、領域の属性などを関連付けする。
【0031】
取得部103及び作成部104が実施する処理は、分割部102が作成したすべての小領域について行ってもよい。また、取得部103及び作成部104が実施する処理は、取得部103が文字列を取得できる小領域について行ってもよい。作成部104は、上記のように関連付けを行い、分割部102が分割した小領域に対する、領域情報テーブルT2の行を作成する。
【0032】
図4は、第1の実施形態における基本色リストの一例を示す図である。
図4は、第1の実施形態だけでなく、第2の実施形態における基本色リストの一例を示す図である。基本色リストは、色名と、その色についての色情報等の情報とを、関連付けしている。基本色リストは、上記以外の情報を関連付けしていてもよい。また、基本色リストは、上記の情報を、必ずしもすべて関連付けしていなくてもよい。
【0033】
図5は、第1の実施形態において作成される色彩イメージ候補テーブルT3の一例を示す図である。
図5は、第1の実施形態だけでなく、第2の実施形態における作成する色彩イメージ候補テーブルT3の一例を示す図である。色彩イメージ候補テーブルT3は、一つの色情報に対して、少なくとも1種類以上の色彩イメージ候補を表す文字列と、各色彩イメージ候補を表す文字列が出現する出現数とを、関連付けている。
【0034】
例えば、
図5における色彩イメージ候補テーブルT3は、「赤」であれば、関連付いていることを表す行を参照することにより、「禁止」が60回、「エラー」が100回出現していることを意味する。テーブルにおける各行は、お互いに関連付いていることを表している。他の説明においても、テーブルの種類によらず、同様である。
【0035】
図4及び
図5を参照しながら、作成部104の動作について説明をする。
【0036】
作成部104は、
図4のような基本色リストL1から、色名とそれに関連付けされた色情報を抜き出す。次に、作成部104は、
図3のような領域情報テーブルT2にある色情報が、前述の色情報に一致する行を選び、その行の表示情報が伝える意味を表す文字列を取得する。
【0037】
次に、作成部104は、その小領域に関連付けされた情報が伝える意味を表す文字列S1を、色彩イメージを表す文字列(この場合、色彩イメージを示す文字列は、小領域に関連付けされた情報が伝える意味を表す文字列S1の値と同じであるため、以降、統一して「文字列」として表記する。)とし、それと色情報とを関連付けする。次に、作成部104は、その関連付けに応じて、
図5のような色彩イメージ候補テーブルT3を、以下の処理を行って、更新する。
【0038】
作成部104は、色彩イメージ候補テーブルT3に、既に、色情報とそれに関連する文字列との組が、関連付けされている場合に、その組に関連した出現数を1増やす。逆に、色情報とそれに関連する文字列との組が色彩イメージ候補テーブルT3に存在しない場合に、作成部104は、色情報とそれに関連する文字列と出現数(値は、1とする)とを関連付けする。その後に、作成部104は、その関連付けしたものを、色彩イメージ候補テーブルT3に追加する。
【0039】
作成部104は、領域情報テーブルT2が保有する全ての領域について上記処理を実行することによって、色彩イメージ候補テーブルT3を作成する。
【0040】
作成部104は、色彩イメージ候補テーブルT3に含まれる各色について、その色と関連付いた文字列と、それらの組み合わせの出現数とを組として取り出す。作成部104は、それを色彩イメージ候補テーブルT3に出現するすべての色について行う。
【0041】
次に、作成部104は、それらの組の中から、その組における出現数が所定の閾値Th1(以降、単に「所定の閾値」と表す)以上の組を、すべて抽出する。作成部104は、抽出した組に含まれる、色と文字列との組について、色ごとに文字列を区切りながら1列にする。その後、作成部104は、上記のように作成した文字列と色とを関連付けすることによって、色彩意味リストを作成する。
【0042】
次に、作成部104は、基本色リストL1から、作成した色彩意味リストに含まれる色に関連する色情報を取り出す。その後、作成部104は、色彩意味リストにおいて、その色情報に関連する文字列を取り出す。次に、作成部104は、上記のように取り出した色情報等と文字列を関連付けし、その関連を色彩イメージテーブルT1に登録する。
【0043】
色彩イメージ候補テーブルT3における、各色について、その出現数が所定の閾値未満のものしか存在しない場合に、作成部104は、色彩イメージを表す文字列として、空欄などの「該当なし」を示す情報をいれ、色彩イメージテーブルT1に登録する。
【0044】
結果として、作成部104は、色彩イメージテーブルT1を作成する。色彩イメージテーブルT1は色情報と文字列とを関連付け、色情報で、その色情報と関連付けされた文字列を検索できるデータベースである、と説明されうる。
【0045】
図7は、第1の実施形態に係る色彩抽出装置における処理のフローチャートである。
【0046】
次に、
図1及び
図7を参照しながら、第1の実施形態に係る色彩抽出装置の処理フローについて説明する。
【0047】
分割部102は、上述のようなタグスコープの解析や画像処理等の結果に応じて、画面を少なくとも1つ以上の小領域に分割する。次に、取得部103は、上述のように解析した情報を使って、各領域の位置座標、高さ、幅、表示情報が伝える意味を表す文字列、色情報を取得する。次に、作成部104は、上記のように取得した領域に関する情報を、関連付けする。取得した各領域について関連付けをすることにより、作成部104が、領域情報テーブルT2を作成する(ステップS101)。
【0048】
次に、作成部104は、領域情報テーブルT2と基本色リストL1双方から、その色情報と関連付いたデータをそれぞれ読み出し、取り出したデータを関連付けすることで、色彩イメージ候補テーブルT3を作成する(ステップS102)。次に、作成部104は、色彩イメージ候補テーブルT3における、各色の色彩イメージを表す文字列に関し、その出現数が所定の閾値以上か否かを調べる(ステップS103)。
【0049】
作成部104は、出現数が所定の閾値以上の文字列S3に関連したデータを取り出し、それを、色彩イメージテーブルT1へ追加する(ステップS104)。作成部104は、ある色に関して、すべての文字列の出現数が所定の閾値未満であると判定した場合には、「該当なし」を示す情報を生成し、それを、色彩イメージテーブルT1へ追加する(ステップS105)。作成部104は、すべての色について同様の処理を行う(ステップS106)。
【0050】
第1の実施形態に係る色彩抽出装置は、上記のような処理に従い、抽出対象の画像情報から、色と、その色を割り当てた領域の表示情報が伝える意味を表す文字列との関連付けを行い、その関連を色彩イメージテーブルに登録する。
【0051】
その結果、第1の実施形態に係る色彩抽出装置によれば、色と、その色を割り当てた領域の表示情報が伝える意味を表す文字列とを関連付ける。その結果、第1の実施形態に係る色彩抽出装置によれば、抽出した色彩イメージテーブルに関連した、色彩イメージデータベースを自動で構築することが可能になる。
【0052】
即ち、第1の実施形態に係る色彩抽出装置によれば、色彩データベースを自動的に抽出することが可能になる。
【0053】
<第2の実施形態>
次に、上述した第1の実施形態を基本とする第2の実施形態について説明する。以下の説明においては、本実施形態と第1の実施形態との差異を中心に説明する。上述した第1の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより、重複する説明は省略する。
【0054】
図8及び
図5を参照しながら、第2の実施形態に係る色彩抽出装置について説明する。
図8は、第2の実施形態に係る色彩抽出装置114の構成を示すブロック図である。
図8を参照すると、第2の実施形態に係る色彩抽出装置114は、入力画像の部分領域を特定する部分画像特定部である分割部102と、部分領域に含まれる色を特定する色情報と、部分領域に含まれる文字列とを取得する情報取得部である取得部103と、色情報と文字列とを関連付けて記憶する記憶部である作成部115と、文字列の類似度を計算する類似度計算部116とを備える。
【0055】
類似度計算部116は、複数の文字列間の意味的類似度を計算する。意味的類似度の計算方法の一例として、潜在意味解析(Latent Semantic Analysis)(以降、「LSA」と記述する)などの手法がある。LSAは、例えば、領域の意味を表す文字列と、その領域の色彩イメージを表す文字列を、それぞれ意味空間内のベクトルとして表す。次に、LSAは、これらのベクトルの成す角の余弦を計算し、その結果を意味的類似度とする。意味的類似度は、文字列間の類似度が高いほど高い値になる。第2の実施形態に係る色彩抽出装置における意味的類似度は、上述した方法に限定されるものではない。
【0056】
作成部115は、色彩イメージ候補テーブルT3と、色彩イメージテーブルT1を作成する。色彩イメージ候補テーブルT3を作成する方法は、第一の実施形態と同様である。
【0057】
作成部115が色彩イメージテーブルT1を作成する方法について説明する。
【0058】
作成部115は、色彩イメージ候補テーブルT3に含まれる各色について、その色と関連付いた文字列と、それらの組み合わせの出現数とを組として取り出す。そして、作成部115は、それらの組の中から、その組における出現数が閾値Th1以上の組を抽出する(ここで抽出された組に含まれる文字列からなる文字列を文字列S3と記すことがある)。作成部115は、抽出した組に含まれる、色と文字列S3との組について、色ごとに文字列を区切りながら1列にする。その後、作成部115は、上記のように作成した文字列S3と色とを関連付けすることによって、色彩意味リストを作成する。次に、作成部115は、基本色リストL1から、作成した色彩意味リストに含まれる色に関連する色情報を取り出す。次に、作成部115は、色彩意味リストにおいて、その色情報に関連する文字列S3を取り出す。そして、作成部115は、上記のように取り出した色情報等と文字列S3を関連付けし、その関連を色彩イメージテーブルT1に登録する。
【0059】
さらに、作成部115は、色彩イメージ候補テーブルT3を参照して、色と文字列との組み合わせの出現数が閾値Th1未満の組を抽出する(ここで抽出された組に含まれる文字列からなる文字列を文字列S4と記すことがある)。そして、作成部115は、類似度計算部116を用いて、文字列S3と文字列S4との意味的類似度を計算する。計算された意味的類似度が所定の意味的類似度閾値Th2(以降、単に「所定の意味的類似度閾値」と表す)以上であれば、作成部115は、文字列S4を色彩イメージテーブルT1に追加する。作成部115は、算出した意味的類似度が所定の意味的類似度閾値未満であれば、追加しない。
【0060】
作成部115が文字列S4を追加する方法は、例えば、以下のようである。計算された意味的類似度が所定の意味的類似度閾値以上である、文字列S4と色の組について、色ごとに文字列を区切りながら1列にする。その後、作成部115は、1列にされた文字列S4と色とを関連付けすることによって、色彩意味リストを作成する。次に、作成部115は、基本色リストL1から、作成した色彩意味リストに含まれる色に関連する色情報を取り出す。その後、作成部115は、色彩意味リストにおいて、その色情報に関連する文字列S4を取り出す。次に、作成部115は、色彩イメージテーブルT1において、取り出し色情報に関連付けされた文字列に、文字列S4を追加する。
【0061】
作成部115は、もし、色彩イメージ候補テーブルT3における、各色について、その出現数が所定の閾値未満のものしか存在しないと判定した場合には、色彩イメージを表す文字列として、空欄などの「該当なし」を示す情報をいれ、上記と同様の動作の後、色彩イメージテーブルT1に登録する。
【0062】
図9は、第2の実施形態に係る色彩抽出装置における処理のフローチャートを示している。
【0063】
次に、
図9を参照しながら、第2の実施形態に係る色彩抽出装置における処理フローについて説明する。以下の説明においては、本実施形態と第1の実施形態との差異を中心に説明する。上述した第1の実施形態と同様な処理フローについては、同一の参照番号を付すことにより、重複する説明は省略する。
【0064】
作成部115は、色彩イメージ候補テーブルT3における、各色の色彩イメージを表す文字列に関し、その出現数が、所定の閾値Th1以上である文字列S3を取得する(ステップS203)。そして、作成部115は、文字列S3に関連したデータを取り出し、色彩イメージテーブルT1へ追加する。この動作は、作成部104(
図1)におけるステップS104と同様の動作でもよい。
【0065】
次に、類似度計算部116は、文字列S3と、各色の色彩イメージを表す文字列に関しその出現数がTh1未満である文字列S4と、の類似度を算出する(ステップS204)。そして、作成部115は、文字列S3と文字列S4の意味的類似度が所定の意味的類似度閾値Th2以上であるか否かを判定する(ステップS205)。意味的類似度がTh2以上である場合、上述のように色彩イメージテーブルT1へ追加する(ステップS206)。作成部115は、この処理を、各色の色彩イメージを表す文字列に関しその出現数がTh1未満である文字列S4のすべてについて実行してもよい(ステップS207)。作成部115は、色彩イメージに該当する文字列が存在するかどうかを判定する(ステップS208)。例えば、作成部115は、ステップS205で、Th2以上であると判定された文字列S4の数が一つ以上あるかどうかを調べることによって、ステップS208の判定を行うことができる。そして、作成部115は、ステップS208で、色彩イメージに該当する文字列が存在しないと判定した場合、色彩イメージテーブルT1に「該当なし」を示す情報を追加する(ステップS209)。
【0066】
第2の実施形態に係る色彩抽出装置は、第1の実施形態に係る色彩抽出装置に、類似度計算部116が追加されたものであり、第1の実施形態に係る色彩抽出装置の効果は、そのまま保有している。即ち、第2の実施形態に係る色彩抽出装置によれば、色彩データベースを自動的に抽出することが可能になる。
【0067】
第2の実施形態に係る色彩抽出装置は、色彩イメージ候補を表す文字列と色彩イメージを表す文字列との意味的類似度を算出する。そのため、第2の実施形態に係る色彩抽出装置の効果は、第1の実施形態の効果に加え、より精度良く色彩イメージ文字列を取得することが可能になる。
【0068】
(ハードウェア構成例)
図10は実施形態に係る色彩抽出装置を実現可能な計算処理装置のハードウェア構成を、概略的に示す図である。
【0069】
次に、上述した各実施形態における色彩抽出装置を、1つの計算処理装置(情報処理装置、コンピュータ)を用いて実現するハードウェア資源の構成例について説明する。但し、係る色彩抽出装置は、物理的または機能的に少なくとも2種類の計算処理装置を用いて実現してもよい。また、係る色彩抽出装置は、専用の装置として実現してもよい。
【0070】
図10は、第1乃至第2の実施形態に係る色彩抽出装置を実現可能な計算処理装置のハードウェア構成を概略的に示す図である。計算処理装置122は、CPU(Central Processing Unit)117、メモリ118、ディスク119、出力装置120、および入力装置121を有する。
【0071】
即ち、CPU117は、ディスク119が記憶しているソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム):以下、単にプログラムと称する)を、実行時にメモリ118にコピーし、演算処理を実行する。CPU117は、プログラム実行に必要なデータをメモリ118から読み込む。表示が必要な場合には、CPU117は、出力装置120に出力結果を表示する。外部からプログラムを入力する場合、CPU117は、入力装置121からプログラムを読み取る。CPU117は、メモリ118にある色彩抽出プログラム解釈し実行を行う。CPU117は、上述した各実施形態において参照したフローチャート(
図7、
図9)、式に応じた処理を順次行う。
【0072】
以上実施形態について説明したが、上記実施形態は理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
尚、前述の各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0073】
(付記1)
入力画像の部分領域を特定する部分画像特定部と、前記部分領域に含まれる色を特定する色情報と、前記部分領域に含まれる文字列とを取得する情報取得部と、前記色情報と前記文字列とを関連付けて記憶する記憶部とを備える色彩情報記憶装置。
【0074】
(付記2)
前記記憶部は、前記色情報と前記文字列との両方が出現する組み合わせの出現数または出現頻度に応じて、前記色情報と前記文字列とを関連付けるか否かを判定し、関連付けると判定した場合に前記色情報と前記文字列とを関連付ける、付記1に記載の色彩情報記憶装置。
【0075】
(付記3)
前記文字列の類似度を計算する類似度計算部、を更に備え、前記記憶部は、関連付けないと判定された前記文字列と、関連付けると判定された前記文字列との類似度が閾値以上である場合に、関連付けないと判定された前記文字列を前記色情報と関連付ける、付記1または付記2に記載の色彩情報記憶装置。
【0076】
(付記4)
前記画像は、HTML(HyperText Markup Language)の記述に基づいて作成されるものであり、前記部分画像特定部は、タグスコープの解析結果に応じて、前記部分領域を特定する、付記1乃至付記3のいずれか1項記載の色彩情報記憶装置。
【0077】
(付記5)
前記部分画像特定部は、画像処理の結果に応じて、前記部分領域を特定する、付記1乃至付記3のいずれか1項記載の色彩情報記憶装置。
【0078】
(付記6)
入力画像の部分領域を特定するステップと、前記部分領域に含まれる色を特定する色情報と、前記部分領域に含まれる文字列とを取得するステップと、前記色情報と前記文字列とを関連付けて記憶するステップとを含む色彩情報記憶方法。
【0079】
(付記7)
前記記憶するステップにおいて、前記色情報と前記文字列との両方が出現する組み合わせの出現数または出現頻度に応じて、前記色情報と前記文字列とを関連付けるか否かを判定し、関連付けると判定した場合に、前記色情報と前記文字列とを関連付ける、付記6に記載の色彩情報記憶方法。
【0080】
(付記8)
前記文字列の類似度を計算するステップを更に含み、前記記憶するステップにおいて、関連付けないと判定された前記文字列と、関連付けると判定された前記文字列との類似度が閾値以上である場合に、関連付けないと判定された前記文字列を前記色情報と関連付ける、付記6または付記7に記載の色彩情報記憶方法。
【0081】
(付記9)
コンピュータに、入力画像の部分領域を特定する特定処理と、前記部分領域に含まれる色を特定する色情報と、前記部分領域に含まれる文字列とを取得する取得処理と、前記色情報と前記文字列とを関連付けて記憶する記憶処理とを実行させるコンピュータ・プログラム。
【0082】
(付記10)
前記記憶処理において、前記色情報と前記文字列との両方が出現する組み合わせの出現数または出現頻度に応じて、前記色情報と前記文字列とを関連付けるか否かを判定し、関連付けると判定した場合に前記色情報と前記文字列とを関連付ける、付記9に記載のコンピュータ・プログラム。
【0083】
この出願は、2012年3月29日に出願された日本出願特願2012−077564を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。