(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記操作手段によって検出された操作位置の前記表示情報上からの移動を検出し、かつ、当該操作位置の検出数が所定数である場合に、前記表示情報を前記操作位置の移動方向に位置する他の表示領域に表示するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
前記制御手段は、前記操作手段によって検出された操作位置の前記表示情報上からの移動を検出した場合であっても、当該操作位置の検出数が前記所定数でない場合、前記表示情報を当該表示情報が含まれる表示領域内において、前記操作位置の移動方向に応じた方向に移動して表示するように制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
前記制御手段は、前記表示情報の未表示部分が存在する方向と、前記拡張表示領域のサイズがより大きい方向とが、上下方向と左右方向とで異なる場合、前記表示情報の表示方向を切り替える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
前記制御手段は、前記表示情報の未表示部分のサイズがより大きい方向と、前記拡張表示領域のサイズがより大きい方向とが、上下方向と左右方向とで異なる場合、前記表示情報の表示方向を切り替える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、
図1を参照して、本発明の実施の形態にかかる表示装置100の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる表示装置100の構成を示すブロック図である。
【0018】
表示装置100は、姿勢センサ11、表示部12、記憶部13、制御部14、及び、通信部15を有する。表示部12は、操作部120を有する。本実施の形態では、表示装置100が携帯電話機である場合について例示する。
【0019】
姿勢センサ11は、表示装置100の角速度を検出する。姿勢センサ11は、検出した角速度を制御部14に通知する。姿勢センサ11は、例えば、ジャイロスコープ(ジャイロセンサ)である。
【0020】
表示部12は、制御部14からの指示に応じて、任意の表示情報を表示する。表示部12は、それぞれで同一の又は異なる表示情報を表示可能な複数の表示領域を構成可能である。操作部120は、表示部12の表示面に対する、ユーザからの入力操作を受け付ける。操作部120は、いずれの表示領域上においても、表示面に対する操作位置を検出可能である。操作部120は、ユーザからの操作内容を制御部14に通知する。なお、本実施の形態では、表示装置100が、いわゆるスマートフォンであり、表示部12が、タッチパネルである場合について説明する。この場合、操作部120は、タッチパネルに対する、ユーザからのタッチ位置を検出することになる。
【0021】
記憶部13は、制御部14によって生成及び参照等される各種情報が格納される。記憶部13は、各種情報を格納可能な1つ以上の記憶装置を含む。記憶装置は、例えば、メモリ及びハードディスク等である。
【0022】
制御部14は、操作部120から通知された、ユーザからの操作内容に基づいて、表示情報の表示位置の変更等を行う。制御部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を有し、CPUが本実施の形態にかかる処理をCPUに実行させるプログラムを実行することによって実現される。
【0023】
通信部15は、携帯基地局を介して、他の携帯電話機との間で、各種情報を送受信する。また、通信部15は、携帯基地局を介して、インターネット上のウェブサーバ(図示せず)から各種ウェブページの表示内容(HTLMテキストデータ及びページ内画像等)を示す情報を受信する。すなわち、通信部15は、例えば、携帯基地局との間で、無線通信による各種情報の送受信を可能とする無線通信デバイス及びアンテナ等を含む。
【0024】
本実施の形態では、上述したように、表示装置100がタッチパネル型の表示装置である場合について説明するが、表示部12として機能する表示デバイスとして、静電容量変化率の閾値等を調整することができ、非接触状態である近接状態においても、手指またはスタイラスペンの操作を検出可能なタッチパネルデバイスを備えるようにしてもよい。
【0025】
なお、表示領域は、1つの表示デバイスの表示面を複数に区分した領域のそれぞれとしてもよく、複数の表示デバイスを独立して有するようにして、複数の表示部12のそれぞれの表示面を表示領域としてもよい。本実施の形態においては、表示装置100が、表示部12として、それぞれが並べて配置された2つの表示デバイスを有し、それぞれの表示デバイスに独立して第一の表示領域と第二の表示領域とが設定される二画面型の表示装置である場合について説明する。
【0026】
表示装置100は、ユーザからの表示情報に対する移動指示を行う操作として、いずれかの表示領域上に表示される表示情報に対して1本ないし数本の指を接触させて表示情報を指定した上で、方向性を有する操作であるスライド操作(フリック操作を含む)を行うまでの操作を受け付ける。
【0027】
この操作の操作部120からの通知により、制御部14は、通知された操作で指定された表示情報が移動対象の表示情報であると認識する。なお、表示情報は、表示領域内の一部分に表示される画像であってもよく、表示領域全体で全てが表示される画像であってもよく、表示領域全体で一部のみが表示される画像(非表示部分が存在する画像)であってもよい。表示領域内の一部分に表示される画像は、例えば、アイコン及びウィジェット等である。表示領域全体で一部のみが表示される画像は、例えば、スクロールすることによって、その一部分を順次表示することが可能なウェブページである。
【0028】
以下、本実施の形態では、表示情報が、表示領域全体で一部のみが表示される画像として、ウェブブラウザで閲覧するウェブページの画像である場合について説明する。すなわち、通信部15は、ウェブサーバから受信した情報を制御部14に出力する。制御部14は、通信部15から出力された情報に基づいて、表示部12の各表示領域にウェブページの画像を表示する場合について例示する。このとき、制御部14は、通信部15から出力された情報を記憶部13に格納して、記憶部13に格納した情報を参照することでウェブページの画像を表示するようにしてもよい。
【0029】
ここで、表示部12の各表示領域に表示する画像は、これに限られない。例えば、記憶部13に画像を示す画像情報を予め格納しておき、制御部14が、記憶部13に格納された画像情報に基づいて、表示部12の各表示領域に同一の又は異なる画像を表示するようにしてもよい。この場合、画像情報は、例えば、静止画像(イラスト及び写真等)を示す静止画像ファイルや、動画像(ビデオ画像)を示す動画像ファイル等に相当する。
【0030】
続いて、
図2を参照して、本発明の実施の形態にかかる表示装置100の処理について説明する。
図2は、本発明の実施の形態にかかる表示装置100の処理を示すフローチャートである。
【0031】
操作部120は、ユーザからの入力操作に応じて、その操作内容を示す操作情報を生成して制御部14に出力する。操作情報は、ユーザからの操作部120(タッチパネル)に対するタッチの接触位置及び接触状態(タッチの強さ)を示す情報である。制御部14は、操作部120から出力された操作情報に基づいて、表示領域内に表示されている表示情報に対するタッチを検出した場合、そのタッチの接触位置が所定の方向性を有して移動しているか否かを判断する(ステップS1)。すなわち、制御部14は、操作部120から出力される操作情報に基づいて、操作情報が示す接触位置が所定の方向に移動しているか否かを判定する。
【0032】
接触位置が移動していることを検出した場合、制御部14は、タッチされている表示情報に対する移動指示であると判断する(ステップS1:Yes)。この場合、制御部14は、操作部120その移動指示におけるタッチの接触点の個数を確認する。制御部14は、この確認によって、接触点の個数が1点である場合は、第一の操作であると判断し(ステップS2:Yes)、接触点の個数が2点以上である場合は、第二の操作であると判断する(ステップ2:No)。
【0033】
第一の操作であると判断した場合(ステップS2:Yes)、制御部14は、第一の操作における接触位置の移動方向及び移動量に基づいて、表示領域内において、タッチによって指定された表示情報を移動(スクロールを含む)させて表示するように表示部12に対して指示する(ステップS3)。具体的には、制御部14は、表示領域内において表示情報を移動(又はスクロール)させた表示画像を示す情報を生成して表示部12に出力する。この表示画像は、第一の操作において、接触位置が移動した方向に対して、接触位置の移動量に応じた量だけ、元の表示情報を移動(又はスクロール)させたものとなる。そして、表示部12は、制御部14から出力された情報が示す表示画像を表示する。なお、制御部14は、接触位置の移動方向及び移動量を、操作部120から出力される操作情報に基づいて算出する。
【0034】
これによれば、ユーザは、表示部12の表示領域内の表示情報に対して第一の操作を行うことによって、表示領域内において表示情報を移動(又はスクロール)させることが可能となる。特に、上述したように、表示情報がウェブブラウザによって表示されるウェブページの場合、第一の操作によって、第一の操作における接触位置の移動方向に存在している未表示部分がスクロール表示されることになる。
【0035】
一方、第二の操作であると判断した場合(ステップ2:No)、制御部14は、第二の操作における接触位置の移動方向及び移動量に基づいて、操作部120に対するタッチによって指定された表示情報を、その接触位置の移動方向に位置する他の表示領域上に移動させて表示するように表示部12に対して指示する(ステップS4)。具体的には、制御部14は、表示領域上に表示された表示情報を、他の表示領域上に移動させた表示画像を示す情報を生成して表示部12に出力する。そして、表示部12は、制御部14から出力された情報が示す表示画像を表示する。
【0036】
なお、ここでは、移動指示が第二の操作である場合には、表示情報が指定された表示領域内ではなく、その表示領域外(他の表示領域)に表示情報を移動するものとして説明したが、制御部14は、第二の操作における接触位置の移動量が所定の閾値未満である場合は、表示領域内の移動指示とみなし、第二の操作における接触位置の移動量が所定の閾値以上である場合は、表示領域外への移動指示とみなすようにしてもよい。
【0037】
続いて、
図3A〜E及び
図4A〜Gを参照して、第二の操作に応じた表示処理について詳細に説明する。
図A〜E及び
図4A〜Gは、本発明の実施の形態にかかる表示部12の表示例を示す図である。
【0038】
移動指示が第二の操作であると判断したときに、第二の操作によって指定された表示情報の移動先の表示領域上に他の表示情報が表示されている場合には、制御部14は、他の表示情報の削除を表示部12に対して指示して、他の表示情報を消去する。続いて、制御部14は、第二の操作によって指定された表示情報を、第二の操作における移動方向に位置する表示領域上に表示するように表示部12に対して指示する。表示部12は、制御部14からの指示に基づいて、第二の操作によって指定された表示情報を他の表示領域上に表示する。
【0039】
例えば、制御部14は、
図3Aに示すように、表示部12において上下2つの表示領域が構成されているときに、下側の表示領域の表示情報に対して、移動方向が上側の表示領域となる第二の操作が行われた場合、上側の表示領域上の他の表示情報の削除するように表示部12に指示する。また、このとき、制御部14は、第二の操作を受けた下側の表示領域上から、第二の操作により指定された表示情報を消去して、その表示情報を上側の表示領域上に表示するように表示部12に指示する。
【0040】
具体的には、これらの指示は、制御部14が、上側の表示領域上において、元の表示情報を消去して、下側の表示領域上で表示されていた表示情報を表示し、かつ、下側の表示領域上において、表示情報を消去した表示画像を示す情報を生成して表示部12に出力することで行う。そして、表示部12は、制御部14から出力された情報が示す表示画像を、上下の表示領域において表示する。
【0041】
これによって、ユーザから見れば、上下の表示領域が配置された表示部12の表示内容において、下側の表示領域上に表示された表示情報に対して、第二の操作として、2つの指で下から上に移動させるスライド(またはフリック)操作を行うと、下側の表示領域の表示情報が消え、上側の表示領域上にその表示情報が表示されるように視認される。
【0042】
この際、上側の表示領域上の表示情報の消去において、表示情報が徐々に消えていくようにエフェクトをかけるようにしてもよい。例えば、
図3B〜Dに示すように、表示情報がフェードアウトするようにしてもよく、表示情報が徐々に削れて消えていく加工を行うようにしてもよい。これは、制御部14が、上側の表示領域上の表示情報が徐々に消えていくように見えるように、表示画像を示す情報を順次生成して表示部12に出力し、表示部12が、制御部14から順次出力される情報が示す表示画像を表示していくことで行う。
【0043】
また、制御部14は、操作部120から出力される操作情報に基づいて、ユーザが下側の表示領域の表示情報に対して、接触点の個数が2点以上となるようにタッチしていると判断した場合、スライド(またはフリック)操作が行われていなくても、上述と同様に
図3B〜Dに示すように、上側の表示領域の表示情報をフェードアウトしていくようにしてもよい。また、この場合、制御部14は、
図3Bに示すように、それぞれの表示領域に表示された表示情報を、予め定めた縮小率で、ひとまわり小さく表示するように表示部12に指示するようにしてもよい。さらに、このときに、制御部14は、操作部120から出力される操作情報に基づいて、接触点の個数が2点以上となるタッチをやめたと判断した場合、
図3Eに示すように、上側の表示領域の表示情報をフェードインして元の表示に戻すようにしてもよい。これは、制御部14が、上側の表示領域上の表示情報がフェードインしていくように見えるように、表示画像を示す情報を順次生成して表示部12に出力し、表示部12が、制御部14から順次出力される情報が示す表示画像を表示していくことで行う。
【0044】
また、
図4Aに示すように、下側の表示領域上の表示情報が第二の操作を受けた場合に、
図4B〜Dに示すように、制御部14は、あたかも、第二の操作を受け付けた表示情報が、下側の表示領域から上側の表示領域に上がっていくように見せるようにしてもよい。これは、制御部14が、下側の表示領域から上側の表示領域に上がっていくように見えるように、表示画像を示す情報を順次生成して表示部12に出力し、表示部12が、制御部14から順次出力される情報が示す表示画像を表示していくことで行う。
【0045】
また、第二の操作によって指定された表示情報を下側の表示領域から上側の表示領域に移動させた後、制御部14は、上側の表示領域に表示された表示情報において、移動先の表示領域においても未表示部分があるかどうかを判定する。
【0046】
未表示部分が存在する場合、制御部14は、移動先の表示領域以外の表示領域を用いて、未表示部分の表示処理を行う。例えば、
図4E〜Gに示すように、上側の表示領域に移動させた表示情報に未表示部分が存在する場合、制御部14は、上側の表示領域における未表示部分を、下側の表示領域に延長して表示する表示処理を行うようにしてもよい。これは、制御部14が、表示情報の未表示部分が、上側の表示領域から下側の表示領域に延長して表示されていくように見えるように、表示画像を示す情報を順次生成して表示部12に出力し、表示部12が、制御部14から順次出力される情報が示す表示画像を表示していくことで行う。
【0047】
これにより、ユーザは、複数の表示情報がそれぞれの表示領域に表示されている場合において、1つの表示情報を集中して確認したい場合、第二の操作により、その表示情報のみを表示する状態に切り替えると共に、表示情報の情報量を増やして確認することが可能となる。すなわち、元々、表示情報が表示されていた表示領域のみならず、第二の操作により移動指定された表示領域も利用して未表示部分も表示することで、表示情報が表示される範囲を増加させることができる。これによれば、表示情報をスクロールして未表示部分を表示するための表示処理を行う頻度を低減することができるため、表示装置100に表示する表示情報の表示処理にかかる負荷を軽減することが可能となる。
【0048】
このように、ユーザは、第二の操作を行うことで、移動指示操作で指定した表示情報を、異なる表示領域上で継続して確認可能である。また、表示情報の移動先の表示領域で表示した表示内容に後続する表示内容が、他の表示領域上に延長して表示されていくため、ユーザは、表示情報の未表示部分も追加的に確認することが可能となる。そのため、ユーザにとっては、表示情報の未表示部分も、拡張後の表示領域上で確認することが可能となり、利便性を損ねない表示制御が可能となる。また、拡張後の表示領域は、1つの大きな表示領域とみなすことが可能である。すなわち、ユーザは、第一の操作を行うことで、表示情報の移動指示を行うことも可能である。
【0049】
つまり、このときに、第一の表示領域及び第二の表示領域のいずれかに対して第一の操作があった場合、制御部14は、それぞれの表示領域において表示情報を同期して移動(又はスクロール)させて表示させるように表示部12に指示するようにしてもよい。この指示は、制御部14が、操作部120から出力される操作情報に基づいて、第一の操作が行われたことを検出した場合に、それぞれの表示領域において表示情報を移動(又はスクロール)させた表示画像を示す情報を生成して表示部12に出力し、表示部12が、制御部14から出力された情報が示す表示画像を表示することで行う。なお、この表示画像は、上述の説明と同様に、第一の操作において、接触位置が移動した方向に対して、接触位置の移動量に応じた量だけ、元の表示情報を移動(又はスクロール)させたものとなる。
【0050】
このように、複数の表示領域に表示される表示情報に対して、ユーザは、類似性を持つ操作態様(第一の操作及び第二の操作)により、所望の表示領域上で、必要とする表示情報の選択、表示情報の移動(又はスクロール)等の操作を直感的に操作することが可能となる。
【0051】
なお、ここで言う直感的な操作とは、例えば、第二の操作として説明した、2本指で表示情報を移動させたい表示領域に向けて移動させる操作においては、操作位置を指定する動作によって表示情報を指定する点、操作を受け付ける操作位置を変化させる動作によって、指定した表示情報の移動先を指定する点、操作における手指の本数により移動範囲(表示領域内か、他の表示領域か)を指定する点、表示不要となる移動先の表示領域における表示情報を非表示にする点などが操作に応じた動作に含まれており、いずれの動作も、操作内容に直接的に結びつく動作が反映されており、直感的な操作感をもたらす動作となる。
【0052】
<本発明の他の実施の形態>
ここで、上述した実施の形態は、以下に説明するように変形して実施することも可能である。
【0053】
(その1)
移動指示時に、表示情報のみならず、表示情報の表示態様を示す表示制御用情報も、移動前のものを移動先に移動(適用)させるようにしてもよい。例えば、第二の操作に応じた表示処理時には、移動前の表示領域上で表示していた場合と、移動先の表示領域上で表示する場合とで、拡大率やフォント等の表示態様を維持するようにしてもよい。
【0054】
具体的には、例えば、制御部14が、上側の表示領域における表示情報の表示態様を示す表示制御用情報と、下側の表示領域における表示情報の表示態様を示す表示制御用情報とを記憶部13に格納し、記憶部13に格納された各表示制御用情報が示す表示態様で、各表示領域の表示情報を表示している場合には、下側の表示領域の表示情報を上側の表示領域に移動する第二の操作に応じて、下側の表示領域の表示制御用情報で上側の表示領域の表示制御用情報を更新するようにすることで、表示態様の維持を可能とする。これにより、ユーザは移動前の表示領域上で拡大率調整をした表示情報を、移動後の表示領域上で再度調整を行うという手間を省くことが可能となる。
【0055】
(その2)
本実施の形態においては、上下に表示領域が配置される状態で表示装置100を利用した場合について説明したが、上下のみならず、左右に表示領域が配置される状態で表示装置100を利用した場合でも、同様の表示処理を行うようにしてもよい。
【0056】
すなわち、制御部14は、
図5Aに示すように、表示部12において左右2つの表示領域が構成されているときに、右側の表示領域の表示情報に対して、移動方向が左側の表示領域となる第二の操作が行われた場合、左側の表示領域上の他の表示情報の削除するように表示部12に指示する。また、このとき、制御部14は、第二の操作を受けた右側の表示領域上から、第二の操作により指定された表示情報を消去して、その表示情報を左側の表示領域上に表示するように表示部12に指示する。なお、これらの指示は、上述の実施の形態と同様に、制御部14が、表示情報の移動後の表示画像を示す情報を表示部12に出力し、表示部12が、制御部14から出力された情報に基づいて、表示画像を左右の表示領域において表示することで行うようにする。
【0057】
また、この際、左側の表示領域上の表示情報の消去において、表示情報が徐々に消えていくようにエフェクトをかけるようにしてもよい。例えば、
図5B〜Dに示すように、表示情報がフェードアウトするようにしてもよく、表示情報が徐々に削れて消えていく加工を行うようにしてもよい。これについても、上述の実施の形態と同様に、制御部14が、左側の表示領域上の表示情報が徐々に消えていくように見えるように、表示画像を示す情報を順次生成して表示部12に出力し、表示部12が、制御部14から順次出力される情報に基づいて、表示画像を表示していくことで行うようにする。
【0058】
また、制御部14は、操作部120から出力される操作情報に基づいて、ユーザが右側の表示領域の表示情報に対して、接触点の個数が2点以上となるようにタッチしていると判断した場合、スライド(またはフリック)操作が行われていなくても、上述と同様に
図5B〜Dに示すように、左側の表示領域の表示情報をフェードアウトしていくようにしてもよい。また、この場合、制御部14は、
図5Bに示すように、それぞれの表示領域に表示された表示情報を、予め定めた縮小率で、ひとまわり小さく表示するように表示部12に指示するようにしてもよい。さらに、このときに、制御部14は、操作部120から出力される操作情報に基づいて、接触点の個数が2点以上となるタッチをやめたと判断した場合、
図5Eに示すように、左側の表示領域の表示情報をフェードインして元の表示に戻すようにしてもよい。これについても、上述の実施の形態と同様に、制御部14が、左側の表示領域上の表示情報がフェードインしていくように見えるように、表示画像を示す情報を順次生成して表示部12に出力し、表示部12が、制御部14から順次出力される情報が示す表示画像を表示していくことで行うようにする。
【0059】
また、
図6Aに示すように、右側の表示領域上の表示情報が第二の操作を受けた場合に、
図6B〜Dに示すように、制御部14は、あたかも、第二の操作を受け付けた表示情報が、右側の表示領域から左側の表示領域にスライドしていくように見せるようにしてもよい。これについても、上述の実施の形態と同様に、制御部14が、右側の表示領域から左側の表示領域にスライドしていくように見えるように、表示画像を示す情報を順次生成して表示部12に出力し、表示部12が、制御部14から順次出力される情報が示す表示画像を表示していくことで行うようにする。
【0060】
また、表示情報に未表示部分が存在する場合、制御部14は、移動先の表示領域以外の表示領域を用いて、未表示部分の表示処理を行うようにしてもよい。例えば、左側の表示領域に移動させた表示情報に未表示部分が存在する場合、制御部14は、左側の表示領域における未表示部分を、右側の表示領域に延長して表示する表示処理を行うようにしてもよい。これについても、上述の実施の形態と同様に、制御部14が、表示情報の未表示部分が、左側の表示領域から右側の表示領域に延長して表示されていくように見えるように、表示画像を示す情報を順次生成して表示部12に出力し、表示部12が、制御部14から順次出力される情報が示す表示画像を表示していくことで行うようにする。
【0061】
これらよれば、例えば、表示装置100が、ユーザによって、2つの表示領域が、上下に配置されるように保持された状態から、左右に配置されるように持ち替えて利用可能な装置である場合であっても、表示領域の配置に制限されることなく、利用したい表示領域、表示領域の個数を第二の操作により適宜指定して利用することが可能となる。
【0062】
(その3)
2つの表示領域を有する二画面型の表示装置のみならず、3つ以上の表示領域を有する表示装置である場合でも、第二の操作に含まれる方向情報に基づいて、第二の操作が行われた表示領域に隣接する表示領域、又は、その第二の操作における移動方向に配置される表示領域に対して、移動表示を行うようにしてもよい。これにより、3つ以上の表示領域を有する表示装置においても、所望の表示情報を、その表示情報が表示されていた表示領域と、その表示情報の移動先の表示領域とを用いて表示し、第二の操作により指定された表示情報の情報量を増やして表示することが可能となる。
【0063】
(その4)
通常、上述したような、上下又は左右の表示領域の配置に応じた表示方向の切り替えは、姿勢センサ11における検出結果に応じて行われるものである。具体的には、制御部14は、姿勢センサ11が検出した角速度から算出される表示装置100の姿勢(角度)に基づいて、表示領域が上下に配置されるように表示装置100が保持されていると判断した場合には、その状態で表示画像が正方向に表示されるように(すなわち、
図3A〜E及び
図4A〜Gに示すように)表示部12を制御し、表示領域が左右に配置されるように表示装置100が保持されていると判断した場合には、その状態で表示画像が正方向に表示されるように(すなわち、
図5A〜E及び
図6A〜Dに示すように)表示部12を制御する。しかし、第二の操作により指定された表示情報と、その表示情報の移動先の表示領域との相対的な位置関係に応じて、表示方向の切り替えを行うようにしてもよい。なお、ここでは、
図3A〜E及び
図4A〜Gに示すように上下方向に表示領域を並べて配置している場合、拡張表示における表示範囲は、左右方向のサイズよりも、上下方向のサイズの方が大きいものとして説明する。すなわち、
図5A〜E及び
図6A〜Dに示すように、左右方向に表示領域を並べて配置している場合には、拡張表示における表示範囲は、上下方向のサイズよりも、左右方向のサイズの方が大きいものとして説明する。
【0064】
例えば、上下に表示領域を配置しており、かつ移動先の表示領域で表示されている表示情報が、左右方向においてのみ未表示部分を有する場合(例えば、水平方向にスクロールバーが存在する場合)、上下方向に並べて配置させた表示領域を共に用いる拡張表示よりも、左右方向に並べて配置させた表示領域で拡張表示を行ったほうが、未表示部分の効率的な表示が可能である。そのため、この場合、制御部14は、
図3A〜E及び
図4A〜Gに示すような上下方向に表示領域を配置した状態での表示から、
図5A〜E及び
図6A〜Dに示すような左右方向に表示領域を配置した状態での表示に、表示方向を切り替えて拡張表示を行うようにしてもよい。なお、表示方向の切り替えは、制御部14が、表示情報の表示方向を変更した表示画像を示す情報を生成して表示部12に出力し、表示部12が、制御部14から出力された情報が示す表示画像を表示することで行うようにする。以降に説明における表示方向の切り替えにおいても同様である。
【0065】
また、左右に表示領域を配置しており、かつ移動先の表示領域で表示されている表示情報が、上下方向においてのみ未表示部分を有する場合(例えば、垂直方向にスクロールバーが存在する場合)、左右方向に並べて配置させた表示領域を共に用いる拡張表示よりも、上下方向に並べて配置させた表示領域で拡張表示を行ったほうが、未表示部分の効率的な表示が可能である。そのため、この場合、制御部14は、
図5A〜E及び
図6A〜Dに示すような左右方向に表示領域を配置した状態での表示から、
図3A〜E及び
図4A〜Gに示すような上下方向に表示領域を配置した状態での表示に、表示方向を切り替えて拡張表示を行うようにしてもよい。これによれば、
図7A〜Cに示すように、上下方向に表示領域を並べて表示情報の表示範囲を延長させた表示を行うことができる。
【0066】
また、上下又は左右に表示領域を配置した場合での表示への表示方向の切り替えは、表示情報の拡張表示後における未表示部分の量的計算を行い、その計算結果に応じて、表示方向の切り替えを行うようにしてもよい。
【0067】
ここでは、上下に表示領域を配置しているものとして説明する。例えば、制御部14は、第二の操作によって指定された表示情報の縦横サイズと、拡張表示における表示領域(第一の表示領域と第二の表示領域を合わせた領域)の縦横サイズとに基づいて、上下方向の表示情報の非表示部分のサイズと、左右方向の表示情報の非表示部分のサイズとを算出する。通常、表示情報の縦横サイズは、表示部12に出力する情報の生成時には、制御部14が認識可能である。例えば、表示情報の縦横サイズは、上述した画像情報に含まれている。また、拡張表示における表示領域の縦横サイズは、例えば、そのサイズを示す情報を記憶部13に予め格納しておき、制御部14が、その情報を参照することによって認識可能とすればよい。そして、制御部14は、上下方向の表示情報の非表示部分のサイズと、左右方向の表示情報の非表示部分のサイズのいずれの方が大きいかを判定する。
【0068】
上下方向の表示情報の非表示部分のサイズの方が大きければ、制御部14は、表示領域が上下に配置されるように表示装置100が保持されているとの判断に従って、表示方向の切り替えは行わずに、上下に表示領域を配置した状態での表示情報の拡張表示を行う。非表示部分が大きい表示情報の上下方向と、拡張表示における表示範囲の大きい方向とが合っているからである。その一方で、左右方向の表示情報の非表示部分のサイズの方が大きければ、上下に表示領域を配置した状態で拡張表示を行った場合には、左右方向に相当な量の未表示領域が存在することになり、効率的に表示情報の確認を行えなくなる可能性がある。そのため、この場合、制御部14は、表示領域が上下に配置されるように表示装置100が保持されていると判断している場合であっても、表示方向の切り替えを行って、左右に表示領域を配置した状態での表示情報の拡張表示を行う。これによれば、非表示部分が大きい表示情報の左右方向を、拡張表示における表示範囲の大きい方向に合うように、表示情報を回転させることになるため、表示情報の非表示部分を減少させることができる。なお、制御部14は、第二の操作によって指定された表示情報の縦横サイズと、表示情報を拡張表示において表示可能な縦横サイズとに基づいて、表示方向の切り替えを行ってしまうと、上下方向の表示情報の非表示部分のサイズが、切り替え前の左右方向の表示情報の非表示部分のサイズよりも、かえって大きくなってしまうと判断した場合には、切り替えを抑止するようにしてもよい。
【0069】
なお、左右に表示領域を配置している場合には、上下方向の表示情報の非表示部分のサイズの方が大きければ、制御部14は、
図7A〜Cに示すように、表示方向の切り替えを行って、表示領域が左右に配置されるように表示装置100が保持されていると判断している場合であっても、上下に表示領域を配置した状態での表示情報の拡張表示を行う。その一方で、左右方向の表示情報の非表示部分のサイズの方が大きければ、制御部14は、表示領域が左右に配置されるように表示装置100が保持されているとの判断に従って、表示方向の切り替えは行わずに、左右に表示領域を配置した状態での表示情報の拡張表示を行う。なお、制御部14は、第二の操作によって指定された表示情報の縦横サイズと、表示情報を拡張表示において表示可能な縦横サイズとに基づいて、表示方向の切り替えを行ってしまうと、左右方向の表示情報の非表示部分のサイズが、切り替え前の上下方向の表示情報の非表示部分のサイズよりも、かえって大きくなってしまうと判断した場合には、切り替えを抑止するようにしてもよい。
【0070】
以上に説明したように、非表示部分の大小計算を行い、必要に応じて自動的に表示情報の表示方向の切り替えを行うことで、ユーザに対して拡張表示後の表示領域において表示情報を効率的に表示することが可能となる。これにより、ユーザが表示方向の切り替えの要否を判断せずに、効率的に表示情報を閲覧することが可能となる。
【0071】
<発明の実施の形態の概要>
続いて、
図8を参照して、本発明の実施の形態にかかる表示装置100の概要構成となる表示装置9について説明する。
図8は、本発明の実施の形態にかかる表示装置100の概要構成を示すブロック図である。
【0072】
表示装置9は、表示部91、操作部92、及び、制御部93を有する。
【0073】
表示部91は、複数の表示領域のそれぞれにおいて表示情報を表示可能である。表示部91は、表示部12に対応する。
【0074】
操作部92は、表示部91において表示情報が表示される表示面に対する操作位置を検出する。操作部92は、操作部120に対応する。
【0075】
制御部93は、操作部92によって検出された操作位置の表示情報上からの移動を検出した場合、表示情報を操作位置の移動方向に位置する他の表示領域に表示するように制御する。制御部93は、制御部14に対応する。
【0076】
以上に説明した構成によれば、複数の表示領域それぞれに表示された表示情報のうち、所望の表示情報を指定して、所望の移動先の表示領域に向けて動かすように操作することで、所望の表示情報が所望の表示領域で表示されることになる。すなわち、これによれば、直観的でわかり易い操作で、複数の表示領域に表示される表示情報の表示状態の更新が可能となる。また、これによれば、1つの表示領域内の表示情報のみならず、その操作によって他の表示領域内で表示される表示情報の更新も共に行うことができることになる。
【0077】
なお、本発明は上述した実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0078】
例えば、上述した実施の形態では、第一の操作は、接触点が1点であり、第二の操作は、接触点が2点である場合について例示したが、それぞれの操作における接触点の数は、これらに限られない。すなわち、第一の操作と第二の操作のそれぞれにおける接触点の数として、任意の数を予め定めるようにしてもよい。
【0079】
また、上述した実施の形態では、表示装置100が携帯電話機である場合について例示したが、適用対象となる装置は、これに限られない。複数の表示領域のそれぞれにおいて表示情報を表示し、表示情報の表示面に対する、ユーザからの操作位置を検出可能な表示装置であれば、他の装置に適用することも可能である。例えば、タッチパネル型のパーソナルコンピュータに適用するようにしてもよい。
【0080】
本発明の実施の形態にかかる表示装置100は、上述の実施の形態の機能を実現するプログラムを、コンピュータ(表示装置100)又はコンピュータが有するプロセッサ(CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)等)が実行することによって、構成することが可能である。
【0081】
また、このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0082】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0083】
この出願は、2012年5月14日に出願された日本出願特願2012−110499を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。