(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
互いに平行配置された複数の線状部材からなるラインパターンと、前記線状部材の側面に形成された光反射面とを有する光制御部材における前記ラインパターンの製造方法であり、
熱可塑性樹脂膜に、前記ラインパターンの形状に対応する凹凸パターンを有し、フッ素原子およびケイ素原子から選ばれる少なくとも1種を含む化合物により前記樹脂膜と接触する凹凸パターン表面が表面処理された凹凸部材を押圧する工程(a)、ここで、前記樹脂膜が加熱された状態で前記押圧を行い、表面処理された凹凸パターン表面の、荷重200g、引張速度100mm/minの条件でのJIS K7125による動摩擦係数が、0.30以下であり;ならびに
前記樹脂膜から前記凹凸部材を分離して、互いに平行配置された複数の、高さが50〜500μmの線状部材からなるラインパターンを得る工程(b)
を有することを特徴とするラインパターンの製造方法。
前記樹脂膜を構成する熱可塑性樹脂が、環状オレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1のラインパターンの製造方法。
前記化合物が、フッ素原子含有化合物、ケイ素原子含有化合物、ならびにフッ素原子およびケイ素原子含有化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2のラインパターンの製造方法。
工程(a)において、前記樹脂膜を、前記樹脂膜を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱し、工程(b)における分離前に、前記樹脂膜を、前記樹脂膜を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度未満の温度に冷却する請求項1〜5のいずれか1項のラインパターンの製造方法。
互いに平行配置された複数の線状部材からなるラインパターンと、前記線状部材の側面に形成された光反射面とを有する光制御部材を備える光学結像部材の製造方法であり、
前記光制御部材を、請求項8または9の方法により製造する
ことを特徴とする光学結像部材の製造方法。
第1の光制御部材および第2の光制御部材を備える光学結像部材の製造方法であり、ここで第1の光制御部材および第2の光制御部材は、それぞれ、互いに平行配置された複数の線状部材からなるラインパターンと、前記線状部材の側面に形成された光反射面とを有しており、
第1の光制御部材および第2の光制御部材の少なくとも一方を、請求項8または9の方法により製造し、続いて、
第1の光制御部材および第2の光制御部材を、各々が有するラインパターンが光制御部材の上方から視た場合に交差した状態で配置する
ことを特徴とする光学結像部材の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
〔ラインパターンの製造方法〕
本発明のラインパターンの製造方法は、互いに平行配置された複数の線状部材からなるラインパターンと、前記線状部材の側面に形成された光反射面とを有する光制御部材における前記ラインパターンの製造方法であり、好ましくは前記光制御部材を備える光学結像部材における前記ラインパターンの製造方法であり、
熱可塑性樹脂膜に、凹凸部材を押圧する工程(a)、ここで、前記樹脂膜を加熱しながらまたは前記樹脂膜が加熱された状態で前記押圧を行い;および、前記樹脂膜から前記凹凸部材を分離して、互いに平行配置された複数の線状部材からなるラインパターンを得る工程(b)を有する。前記凹凸部材は、前記ラインパターンの形状に対応する凹凸パターンを有する。前記樹脂膜と接触する凹凸パターン表面は、フッ素原子およびケイ素原子から選ばれる少なくとも1種を含む化合物により、表面処理されている。
【0024】
前記線状部材は、各々の線状部材が互いに平行な側面を少なくとも1つ有する構成であればよく、その断面形状として例えば矩形状、三角形状が挙げられるが、歩留りの観点から、矩形状であることが好ましい。三角形状の場合、例えば、基板面に対して垂直面を有する形状が挙げられる。
【0025】
以下、線状部材の構造、その断面および側面、ならびにラインパターンの構造について、
図1を参照しながら説明する。
図1Aは、透明基板10と、前記透明基板10上に形成された、複数の線状部材21からなるラインパターン20とを有する部材1の斜視図であり、
図1Bは、前記部材1の上視図であり、
図1Cは、前記上視図におけるAA線断面図である。
【0026】
線状部材21の断面とは、線状部材21の延びる方向(
図1AにおいてX軸方向)に対して垂直な断面(
図1AにおいてYZ平面)である。線状部材21の断面形状は、矩形状であることが好ましい。線状部材21の側面とは、線状部材21が互いに向き合う面であり、
図1Aでは長手方向の側面であり、
図1AおよびCにおいて符号22で示す面である。複数の線状部材21は、互いに長手方向が平行になるよう配置されている。ラインパターン20は、複数の線状部材21を有する。線状部材21の数は特に限定されない。
【0027】
本発明では、いわゆる熱インプリント法を用いるため、フォトリソグラフィー法で必要とされる現像工程を行うことなく所望のラインパターンを形成でき、また、フォトリソグラフィー法よりも高いアスペクト比を有する線状部材からなるラインパターンを形成しやすい。
【0028】
[工程(a)]
工程(a)では、前記ラインパターンの形状に対応する凹凸パターン、すなわち前記ラインパターンの相補的パターンを有する部材(以下「凹凸部材」ともいう)を熱可塑性樹脂膜に押圧する。工程(a)〜(b)を経ることにより、前記凹凸パターンを前記熱可塑性樹脂膜に転写する。
【0029】
《凹凸部材》
凹凸部材としては、例えば、ラインパターンの形状に対応する、凸部および凹部をそれぞれ複数有する部材(モールド)を用いる。凹凸部材の凸部および凹部は、例えば矩形状、三角形状が挙げられるが、矩形状であることが好ましい。
【0030】
前記凹凸部材は、例えば、鉄、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、シリコンまたはこれらの2種以上の合金(例:ステンレス鋼)等の金属材料によって構成することができ、また、樹脂、ガラス、石英、セラミック等の非金属材料によって構成することもできる。シリコン、石英等からなる凹凸部材をマスターモールドとして用いて得られた樹脂製レプリカモールドであってもよい。凹凸部材は、板状であってもロール状であってもよい。
【0031】
凹凸部材は、従来公知の方法により製造することができる。
凹凸部材は、熱可塑性樹脂膜と接触する表面、すなわち凹凸パターン表面が、フッ素原子およびケイ素原子から選ばれる少なくとも1種を含む化合物(以下「離型性化合物」ともいう)により表面処理(離型処理)されている。凹凸部材の一実施態様は、熱可塑性樹脂膜と接触する表面が離型膜となっており、離型性化合物由来の離型膜の膜厚は例えば1〜100nmであり、膜厚はX線光電子分光分析(XPS)により測定することができる。凹凸部材表面を前記表面処理することにより、熱可塑性樹脂膜でも凹凸部材から容易に分離することができる。
【0032】
表面処理は、例えば、凹凸パターン表面に離型性化合物を、ディップコート、スピンコート、スプレー、蒸着等の方法により接触させて行う。ここで、離型性化合物が相溶または溶解する、炭化水素溶剤、アルコール溶剤、エステル溶剤、フッ素系溶剤等の有機溶剤で前記化合物が希釈または溶解されたものを用いてもよい。例えば、凹凸パターン表面へ離型性化合物またはその溶液を塗布し、50〜200℃で1〜60分間の熱処理を行う。前記接触処理に続いて、凹凸パターン表面を、さらにリンス処理してもよい。リンス処理には、例えば、パーフルオロヘキサン、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、酢酸エチル等のエステル溶剤などの有機溶剤を用いることができる。
【0033】
凹凸部材の前記表面処理後における、JIS K7125(荷重200g、引張速度100mm/min)による凹凸パターン表面の動摩擦係数は、好ましくは0.30以下、より好ましくは0.25以下、さらに好ましくは0.20以下である。動摩擦係数の下限は、特に限定されないが、例えば0.01である。凹凸パターン表面の動摩擦係数は、例えば、凹凸部材におけるパターンが形成されていない、前記表面処理後の平坦部について測定し、評価することができる。動摩擦係数が前記範囲にあると、樹脂膜と凹凸部材との分離性がより向上する。動摩擦係数は、例えば、離型性化合物の種類、離型処理時間により、前記範囲に調整することができる。
【0034】
凹凸部材の前記表面処理後における、熱可塑性樹脂膜との接触面は、表面フッ素濃度が35atomic%以上であることが好ましく、より好ましくは40〜90atomic%、さらに好ましくは50〜90atomic%であり、または、表面シリコン濃度が15atomic%以上であることが好ましく、より好ましくは18〜90atomic%、さらに好ましくは20〜90atomic%である。ここで、前記接触面での表面フッ素濃度および表面シリコン濃度は、少なくともいずれか一方が前記下限値以上にあることが好ましい。前記表面濃度は、X線光電子分光分析装置を用いて測定できる。表面濃度が前記範囲にあると、樹脂膜と凹凸部材との分離性がより向上する。
【0035】
離型性化合物としては、例えば、フッ素原子含有化合物、ケイ素原子含有化合物、フッ素原子およびケイ素原子含有化合物が挙げられる。これらの化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0036】
ケイ素原子を含まないフッ素原子含有化合物としては、例えば、フッ化ビニルエーテル及びその重合体が挙げられる。フッ化ビニルエーテルとしては、具体的には、CF
2=CF−O−(R
1−O)
n−R
2で表される化合物が挙げられる。前記式中、R
1は水素原子の少なくとも一部がフッ素原子により置換されてもよい炭素数2〜8のアルキレン基であり、R
2は水素原子の少なくとも一部がフッ素原子により置換されてもよい炭素数1〜18のアルキル基であり、nは0または1である。例えば、パーフルオロビニルエチルエーテル、パーフルオロビニルプロピルエーテル、パーフルオロ−2−プロポキシ−プロピルビニルエーテルが挙げられる。
【0037】
また、ポリフルオロポリエーテルも挙げられる。ポリフルオロポリエーテルの末端は、例えば、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、ジヒドロキシアルコキシアルキル基、ヒドロキシ(ポリアルキレンオキシ)アルキル基、カルボキシル基およびそのエステル化物を有してもよい。ポリフルオロポリエーテルは、具体的には、炭素数1〜8のフッ化アルキレンオキシ基を繰返し構造として有する。ポリフルオロポリエーテルの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定され、通常は100〜5000である。ポリフルオロポリエーテルの市販品としては、例えば、ソルベイ社製FLUOROLINK(登録商標)シリーズが挙げられる。
【0038】
フッ素原子を含まないケイ素原子含有化合物としては、例えば、フッ素原子を有しない非フッ素系シラン化合物が挙げられ、具体的には下記式(1)においてa=0かつb=0〜3の整数に変更した化合物が挙げられる。
【0039】
また、シリコーンも挙げられ、例えば、未変性または変性のシリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーンレジン、前記レジンの低分子量体であるシリコーンオリゴマーが挙げられる。未変性シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン等のポリシロキサンが挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン等のポリシロキサンの側鎖および/または末端を変性した変性シリコーンオイルが好ましく、例えば、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、(メタ)アクリル変性、ビニル変性、メルカプト変性もしくはフェノール変性された、またはこれらの2種以上で変性された反応性シリコーンオイル;ポリエーテル変性されたシリコーンオイル等の非反応性シリコーンオイルが挙げられる。シリコーンオリゴマーとしては、例えば、シリコーンアルコキシオリゴマーが挙げられ、その重量平均分子量の上限は例えば50000であり、一実施態様では上限は20000である。
【0040】
シリコーンの市販品としては、例えば、サイラプレーンFM−33シリーズ、FM−44シリーズ、FM−77シリーズ、FM−04シリーズ、FM−DAシリーズ、FM−07シリーズ(JNC(株)製)、KR−500、KR−510、KR−513,KR−515、KR−516、KR−517、X−40シリーズ、X−41シリーズ(信越シリコーン(株)製)が挙げられる。
【0041】
フッ素原子およびケイ素原子含有化合物としては、例えば、フッ素系シラン化合物が挙げられ、具体的には下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
【0042】
【化1】
式(1)中、R
1およびR
3は、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基または炭素数3〜10のシクロアルキル基であり;R
2は、含フッ素アルキル基、含フッ素シクロアルキル基、含フッ素アルコキシアルキル基、含フッ素シクロアルキルオキシアルキル基または含フッ素ポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であり;aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、ただし、a+b=1〜3である。R
1〜R
3がそれぞれ複数存在する場合には、その複数のR
1〜R
3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0043】
上述の各含フッ素基は、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキルオキシアルキル基、およびポリ(アルキレンオキシ)アルキル基中の1又は2以上の水素原子をフッ素原子に置換した基を意味する。含フッ素アルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、含フッ素シクロアルキル基の炭素数は3〜20が好ましく、含フッ素アルコキシアルキル基の炭素数は2〜20が好ましく、含フッ素シクロアルキルオキシアルキル基の炭素数は4〜20が好ましい。含フッ素ポリ(アルキレンオキシ)アルキル基は、例えば−(AO)
n−R(式中、nは2以上の整数、好ましくは5〜50の整数であり、Aは炭素数1以上、好ましくは1〜6のアルキレン基、Rは炭素数1〜18のアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基である)で表される基において1又は2以上の水素原子をフッ素原子に置換した基が好ましい。
【0044】
フッ素系シラン化合物としては、具体的には、パーフルオロドデシル−1H,1H,2H,2H−トリメトキシシラン、パーフルオロテトラデシル−1H,1H,2H,2H−トリメトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)−トリメトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)−トリメトキシシラン、(ノナフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロヘキシル)−トリメトキシシラン、(ヘプタフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロペンチル)−トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメチルメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルジメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、パーフルオロプロピルトリメトキシシラン、5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−トリデカフルオロ−2−(パーフルオロヘキシル)デシルトリメトキシシラン、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、パーフルオロポリエーテル系トリメトキシシランが挙げられ、また上記化合物中の「メトキシ」を「エトキシ」に変更した化合物も挙げることができる。フッ素系シラン化合物の商品名としては、例えば、ダイキン工業(株)製オプツールHD−1100THが挙げられる。
【0045】
《熱可塑性樹脂膜》
熱可塑性樹脂膜の膜厚は、例えば50μm以上であり、好ましくは75μm以上であり、さらに好ましくは75〜500μmである。
【0046】
熱可塑性樹脂膜は、基板上に形成されていることが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂フィルム等の熱可塑性樹脂膜を基板上に形成する。基板としては、特に限定されないが、基板を除去せずに光制御部材の一部として用いる場合は透明基板が用いられる。透明基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルフィルム等の透明樹脂製基板が挙げられる。基板を除去する場合には、例えば、透明基板のほか、セラミックス製基板、アルミニウム製やSUS製等の金属製基板を用いることもできる。基板の厚さは、特に限定されず、例えば200〜1500μmである。
【0047】
前記樹脂膜を構成する熱可塑性樹脂は、例えば、環状オレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂が挙げられる。環状オレフィン樹脂としては例えばノルボルネン系ポリシクロオレフィン等のポリシクロオレフィンが挙げられ、(メタ)アクリル樹脂としてはポリメタクリル酸メチル等が挙げられ、ポリエステル樹脂としてはポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。光制御部材の光学特性の観点から、特に熱可塑性透明樹脂が好ましい。
【0048】
熱可塑性樹脂としては環状オレフィン樹脂が特に好ましく、熱可塑性樹脂膜の透明性と、加熱による熱可塑性樹脂膜の軟化性とを向上させることができる。これにより、熱可塑性樹脂膜に精密な転写パターンを形成することができ、透明性に優れた光制御部材を形成することができる。
【0049】
熱可塑性樹脂膜は、波長380〜780nmにおける全光線透過率の平均値が、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上である。熱可塑性樹脂膜は、波長589nmにおける屈折率が、好ましくは1.40〜1.75、より好ましくは1.45〜1.70、さらに好ましくは1.50〜1.65である。屈折率が前記範囲にあると、画質の点で好ましい。これらは、実施例記載の条件で測定することができる。
【0050】
熱可塑性樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、通常は40〜300℃、好ましくは60〜200℃である。このような態様とすることで、生産効率の点で好ましい。Tgは、JIS−K7121に準じて、示差走査熱量計(昇温速度20℃/分の条件)で測定することができる。
【0051】
熱可塑性樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常は1万〜200万、好ましくは5万〜150万である。このような態様とすることで、線状部材の強度の点で好ましい。
【0052】
GPC法の条件は、例えば以下のとおりである。
・装置 :東ソー(株)製、商品名:HLC−8020
・カラム :東ソー(株)製ガードカラムH
XL−H、TSK gel G7000H
XL、TSK gel GMH
XL 2本、TSK gel G2000H
XLを順次連結したもの
・溶媒 :テトラヒドロフラン
・サンプル濃度:0.7質量%
・注入量 :70μL
・流速 :1mL/min
【0053】
《工程(a)の条件》
工程(a)では、前記樹脂膜を加熱しながらまたは前記樹脂膜が加熱された状態で前記押圧を行う。このように本発明では、熱インプリント法により熱可塑性樹脂膜の成形を行う。加熱および押圧はどちらが先でもよく、また同時に行ってもよい。
【0054】
前記樹脂膜を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度に前記樹脂膜を加熱して軟化させ、押圧を行うことが好ましい。前記温度は、前記Tgよりも好ましくは5〜100℃高い温度、より好ましくは10〜50℃高い温度である。具体的には、前記加熱温度は、通常は60℃以上、好ましくは60〜350℃、より好ましくは80〜250℃である。
【0055】
前記樹脂膜の加熱方法としては、例えば、前記温度範囲に加熱した凹凸部材を前記樹脂膜に押圧する、および/または前記樹脂膜を直接加熱する等の方法が挙げられる。なお、樹脂膜は、凹凸部材との接触前に予め加熱しておいてもよい。
【0056】
前記凹凸部材を、好ましくは0.1〜30.0MPaのプレス圧で、より好ましくは2.0〜10.0MPaのプレス圧で、前記樹脂膜に押圧する。押圧時間は、通常は1〜180秒、好ましくは1〜120秒、より好ましくは1〜60秒である。このような態様であると、生産効率の点で好ましい。
【0057】
[工程(b)]
工程(b)では、前記樹脂膜から前記凹凸部材を分離して、互いに平行配置された複数の線状部材からなるラインパターンを得る。前記線状部材は、各々の線状部材が互いに平行な側面を少なくとも1つ有する構成であればよく、例えば矩形状、三角形状が挙げられるが、矩形状であることが好ましい。
【0058】
前記分離前に、前記樹脂膜を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)未満の温度に前記樹脂膜を冷却する。具体的には、前記温度は、通常は100℃未満、好ましくは0〜60℃、より好ましくは0〜40℃である。
【0059】
本発明では、前記樹脂膜と接触する表面(凹凸表面)が離型性化合物により表面処理された凹凸部材を用いていることから、線状部材の変形が小さく、また剥離不良痕が少ない状態で、凹凸部材とラインパターンとを容易に分離することができる。
【0060】
以上のようにして、複数の線状部材からなるラインパターンを得ることができる。
線状部材の高さは、例えば
図1AにおいてZ軸方向の線状部材の最大厚さであり、通常は50μm以上、好ましくは50〜500μmである。線状部材の高さが50μm以上であると、充分な高さの光反射面を確保することができ、したがって光学特性の点で好ましい。
【0061】
線状部材の断面形状が矩形状である場合、線状部材の高さに対してその底面から10%の位置における線状部材の幅をBottom幅、線状部材の高さに対してその底面から90%の位置における線状部材の幅をTop幅と定義し、Top幅とBottom幅の差(Top−Bottom)の絶対値を線状部材のΔ幅と定義する。線状部材のΔ幅は、Top幅およびBottom幅の大きい方の値の18%以下であり、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下、特に好ましくは3%以下である。
【0062】
線状部材の幅は、例えば
図1AにおいてY軸方向における線状部材の最大厚さであり、通常は10〜500μm、好ましくは15〜250μmであり;線状部材の間隔(線状部材底面でのスペース幅)は、通常は50〜400μm、好ましくは50〜300μmである。
【0063】
線状部材のアスペクト比(高さ/幅)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.5〜10、さらに好ましくは1〜5である。本発明では、上述した離型性に優れた熱インプリント法を用いていることから、高いアスペクト比を有する線状部材を形成でき、したがって光学特性に優れた光制御部材を得ることができる。
【0064】
線状部材の高さ、幅およびスペース幅は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察において測定する。このようなラインパターンは、上述した高さ、幅およびスペース幅に対応する凹凸パターンを有する部材を用いて熱インプリントを行うことにより、形成することができる。
【0065】
〔光制御部材の製造方法〕
本発明の光制御部材の製造方法は、
上記〔ラインパターンの製造方法〕によりラインパターンを形成する工程(1)と、
前記ラインパターンを構成する線状部材の側面に光反射面を形成する工程(2)と、
必要に応じて、
前記線状部材間に透明部材を形成する工程(3)と
を有することを特徴とする。
【0066】
[工程(1)]
工程(1)では、上述した方法により、ラインパターンを形成する。
[工程(2)]
工程(2)では、線状部材の側面に例えば金属を蒸着またはスパッタすることにより、線状部材の側面に光反射面を選択的に形成する。前記側面とは、各々の線状部材が有する、互いに平行な面であって、例えば光制御部材の平板面に垂直な面である。光反射面は、線状部材の断面形状が矩形状である場合、各々の線状部材の片側面に形成しても両側面に形成してもよいが、高輝度化の観点から両側面に形成することが好ましい。
【0067】
前記金属としては、例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタンおよび銀から選択される少なくとも1種が挙げられる。
例えば、線状部材表面に金属を蒸着して金属膜を形成し、前記線状部材の側面に例えばフォトリソグラフィー法によりレジスト層を形成し、前記金属膜のエッチングを行い、前記レジスト層を除去する。これにより、線状部材の側面に光反射面を形成することができる。
【0068】
あるいは、線状部材の上面およびスペース部の底面を光照射により剥離可能な樹脂で覆い(この場合、線状部材の側面は露出している)、線状部材の上面、側面およびスペース部の底面に金属を蒸着して金属膜を形成し、透明基板側から紫外線を照射して、線状部材の上面およびスペース部の底面に形成された前記樹脂を、その表面に形成された金属膜とともに除去する。これにより、線状部材の側面に光反射部を形成することができる。
【0069】
[工程(3)]
工程(3)では、光硬化型および/または熱硬化型の透明樹脂組成物をラインパターンのスペース部に充填し、光照射および/または加熱して前記組成物を硬化させることにより、線状部材間(スペース部)に透明部材を形成する。
【0070】
これにより、ラインパターンにおける線状部材とスペース部との屈折率差を小さくでき、また、線状部材の倒れを抑制でき、したがって光制御部材の光学性能および強度を高めることができる。線状部材および透明部材の表面に凹凸がある場合、前記表面を研削または研磨してもよい。これにより、光制御部材の光学性能を高めることができる。
【0071】
透明部材は、波長380〜780nmにおける全光線透過率の平均値が、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上である。
透明部材と線状部材との、波長589nmにおける屈折率差は、絶対値で、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.05以下、さらに好ましくは0.02以下である。屈折率差が前記範囲にあると、空中に良好な結像を形成できる点で好ましい。
【0072】
スペース部に透明部材を形成した後、基板を除去して、線状部材、光反射面および透明部材からなる光制御部材を得てもよい。続いて、前記光制御部材の基板に接触していた面を、研削または研磨してもよい。これにより、光制御部材の光学性能を高めることができる。
【0073】
以上のようにして、光制御部材を得ることができる。光制御部材は、互いに平行配置された複数の線状部材からなるラインパターンと、前記線状部材の側面に形成された光反射面とを有する。このため光制御部材は、互いに平行配置された複数の平面状の光反射部(光反射面)を一定間隔で有する。光制御部材の一実施形態は、例えば平板状であり、その平板面に対して略垂直な複数の前記光反射面を一定間隔で有し、前記光反射面は互いに平行配置されている。
【0074】
光制御部材の平面視における縦横のサイズは、投影する画像の大きさによって適宜決定されるが、例えば5000mm
2以上、好ましくは5000〜700000mm
2である。
図2に、光制御部材の一実施形態の断面図を示す。この光制御部材100は、透明基板10と、透明基板10上に形成された、複数の矩形状の線状部材21からなるラインパターン20と、線状部材21間に形成された透明部材25とを有する。線状部材21の両側面22,22には、光反射面30,30が形成されている。
【0075】
〔光学結像部材の製造方法〕
本発明の光学結像部材は、上記〔光制御部材の製造方法〕で製造された光制御部材を備えており、好ましくは、第1の光制御部材および第2の光制御部材を備えており、前記光制御部材の平板面が重なるように配置されている。前記第1および第2の光制御部材は、少なくとも一方が、上記〔光制御部材の製造方法〕で製造された光制御部材である。
【0076】
本発明の光学結像部材の製造方法は、上記光制御部材を、上記〔光制御部材の製造方法〕により製造する工程を有し、好ましくは、上記第1および第2の光制御部材の少なくとも一方を、上記〔光制御部材の製造方法〕により製造する工程と、上記第1および第2の光制御部材を、各々が有するラインパターンが光制御部材の上方から視た場合に交差した状態で配置する工程とを有する。
【0077】
上記第1および第2の光制御部材の一方は従来公知の方法で製造または準備してもよいが、いずれも上記〔光制御部材の製造方法〕で製造することが、光学特性の観点から好ましい。
【0078】
ここで、第1の光制御部材および第2の光制御部材は、各々の光制御部材が有するラインパターンが光制御部材の上方から視た場合(
図3AにおいてXY平面視した場合)に交差した状態で、すなわち各々の光制御部材が有する、線状部材の側面に形成された光反射面が交差した状態で、配置されている。
【0079】
第1の光制御部材および第2の光制御部材は、好ましくは、各々が有するラインパターンが向かい合うようにして、積層配置されている。第1の光制御部材および第2の光制御部材は、例えば、透明の接着剤を用いて積層される。
【0080】
第1の光制御部材のラインパターンと第2の光制御部材のラインパターンとの交差角度は、立体像表示装置において像を形成する位置により適宜設定されるが、これらのラインパターンが直交していることが好ましい。
【0081】
図3に、光学結像部材の一実施形態を示す。
図3Aは、第1の光制御部材101と第2の光制御部材102とが、各々が有するラインパターンが光制御部材の上方から視た場合に直交した状態で積層されている光学結像部材200の斜視図であり、
図3Bは第1の光制御部材101の透明部材25を切断するYZ平面における断面図であり、
図3Cは第2の光制御部材102の透明部材25を切断するXZ平面における断面図である。
図3には、透明基板10を有する光学結像部材を示したが、透明基板10を有さない光学結像部材であってもよい。
【0082】
〔立体像表示装置〕
立体像表示装置は、上述の光学結像部材を有し、例えば、光放射部と光学結像部材とを有する。立体像表示装置は、液晶ディスプレイ等の光放射部から放射された光を空中に結合させ、静止画および動画等の像を鮮明に表示することができ、すなわち空中ディスプレイとして機能する。
【0083】
立体像表示装置では、光放射部からの光が、第1の光制御部材が有する平行配置された複数の光反射面に斜めに入射し、前記光反射部で反射した反射光が、第2の光制御部材が有する平行配置された複数の光反射面に入射することで、像を空中に表示することができる。
【0084】
立体像表示装置の一実施形態において、第1の光制御部材の光反射面および第2の光制御部材の光反射面は直交させて、それぞれの光制御部材の平板面を向かい合わせた状態で配置されている。したがって、光学結像部材に斜めに入射した光は、第1の光制御部材の光反射面で1回目の反射をし、その反射光が第2の光制御部材の光反射面で2回目の反射をする。2回目の反射光は、光学結像部材への入射光の入射角度と同一の角度で放射される。このため、光放射部から光学結像部材に入射した光のなかで、光反射面で連続して反射した反射光は、光学結像部材を基準として光放射部とは対称位置において収束し、空中に像が形成される。
【実施例】
【0085】
本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。
[実施例1]
凹凸部材として、ライン/スペース幅=100/100μm、高さ=100μmの矩形パターンが形成された4インチのシリコン製金型を用いた。ここで、前記矩形パターンには、パーフルオロポリエーテル系シラン化合物(ダイキン工業(株)製オプツールHD−1100TH)を用いて150℃で30分間加熱して離型処理を行い、リンス液(ダイキン工業(株)製オプツールHD−TH)を用いてリンス処理を行った。離型処理は、具体的には、シリコン製金型をパーフルオロポリエーテル系シラン化合物に浸漬し、引き揚げ、150℃で30分間加熱して行った。X線光電子分光分析装置(ULVAC PHI社製Quantum 2000、45°入射、25W、15kV)で測定した、前記処理後のシリコン製金型の表面フッ素濃度は55atomic%であった。また、パターンの無い平坦部の、JIS K7125(荷重200g、引張速度100mm/min)による動摩擦係数は0.10であった。
【0086】
膜厚100μmの環状オレフィン系樹脂フィルム(JSR(株)製「ARTON G7810」、Tg=170℃)が表面に形成されたガラス基板をインプリント装置(SCIVAX社製FLAN200)に固定し、また前記シリコン製金型をインプリント装置に設置し、前記フィルムを、予め200℃に加熱した前記シリコン製金型に4MPaの圧力で30秒間押付け、インプリントを実施した。その後、前記樹脂フィルムを30℃に冷やし、前記樹脂フィルムと前記シリコン製金型とを分離した。
【0087】
なお、前記樹脂フィルムの、波長380〜780nmにおける全光線透過率の平均値は80%であり、波長589nmにおける屈折率は1.51であった。全光線透過率および屈折率は、以下のようにして測定した。前記樹脂フィルムの全光線透過率(%)を、カラーヘーズメーター(スガ試験機(株)製SC−3H)を用いて、JIS K7105に準拠して測定した。前記樹脂フィルムの屈折率は、アッベ屈折計((株)アタゴ製DR−M2)を用いて、25℃における波長589nmでの屈折率(nD25)を測定した。
【0088】
以上のようにして、複数の線状部材からなるラインパターンを作製した。
線状部材の高さに対してガラス基板面から10%の位置における線状部材の幅をBottom幅、線状部材の高さに対してガラス基板面から90%の位置における線状部材の幅をTop幅と定義し、得られた線状部材のBottom幅およびTop幅を走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、形式「S−4200」)で測定した。その結果、Bottom幅=99μm、Top幅=99μm、高さ=100μmの線状部材からなるラインパターンが剥離不良痕およびパターン変形なく得られたことを確認した。
【0089】
[実施例2]
環状オレフィン系樹脂フィルムをポリカーボネート系樹脂フィルム(三菱ガス化学(株)製「ユーピロンFE2000」、Tg=150℃)に変更したこと以外は実施例1と同様に実施した。なお、前記樹脂フィルムの、波長380〜780nmにおける全光線透過率の平均値は75%であり、波長589nmにおける屈折率は1.58であった。得られた線状部材の断面を上記走査型電子顕微鏡で観察したところ、Bottom幅=99μm、Top幅=99μm、高さ=100μmの線状部材からなるラインパターンが剥離不良痕およびパターン変形なく得られたことを確認した。
【0090】
[実施例3]
凹凸部材として、ライン/スペース幅=100/100μm、高さ=100μmの矩形パターンが形成された4インチの石英製型を用いた。ここで、前記矩形パターンには、FM−0425(JNC(株)製)を酢酸エチルを用いて50wt%に希釈した溶液を用いて離型処理を行い、離型性化合物の定着目的で150℃、30分間の熱処理を行い、酢酸エチルを用いてリンス処理を行った。実施例1と同様に評価を行った結果、前記処理後の石英製型の表面シリコン濃度は25atomic%であり、パターンの無い平坦部の動摩擦係数は0.10であった。
【0091】
実施例1と同様にインプリントを実施し、Bottom幅=99μm、Top幅=99μm、高さ=100μmの線状部材からなるラインパターンが剥離不良痕およびパターン変形なく得られたことを確認した。
【0092】
[実施例4]
FLUOROLINK D10−H(水酸基含有パーフルオロポリエーテル.ソルベイ社製)をノベック7300(3M社製)を用いて50wt%に希釈した溶液をシリコン製金型の離型処理に用い、ノベック7300をリンス処理に用いたこと以外は実施例1と同様にして評価を行った。シリコン製金型の離型処理後の表面フッ素濃度は35atomic%であり、動摩擦係数は0.30であった。実施例1と同様にインプリントを実施し、Bottom幅=97μm、Top幅=95μm、高さ=100μmの線状部材からなるラインパターンが剥離不良痕およびパターン変形が一部ある状態で得られたことを確認した。
【0093】
[実施例5]
凹凸部材として、ライン/スペース幅=100/100μm、高さ=100μmの矩形パターンが形成された4インチのニッケル製金型を用い、KR−500(信越化学工業(株)製シリコーンアルコキシオリゴマー)を酢酸エチルを用いて50wt%に希釈した溶液を離型処理に用い、酢酸エチルをリンス処理に用いたこと以外は実施例1と同様にして評価を行った。ニッケル製金型の離型処理後の表面シリコン濃度は15atomic%であり、動摩擦係数は0.26であった。実施例1と同様にインプリントを実施し、Bottom幅=98μm、Top幅=95μm、高さ=100μmの線状部材からなるラインパターンが剥離不良痕およびパターン変形が一部ある状態で得られたことを確認した。
【0094】
[比較例1]
凹凸部材として、上記離形処理および上記リンス処理を行わなかった4インチの石英製型を用いたこと以外は実施例3と同様に実施した。4インチの石英製型の表面フッ素濃度は0atomic%であり、表面シリコン濃度は0atomic%であり、動摩擦係数は0.50であった。凹凸部材から樹脂フィルムを大きな剥離不良痕およびパターン変形なく分離することはできなかった。
【課題】互いに平行配置された複数の線状部材からなるラインパターンをインプリント法により製造する方法において、前記パターンが形成される熱可塑性樹脂膜と、前記パターンの形状に対応する凹凸パターンを有する凹凸部材との分離性に優れた方法を提供する。
【解決手段】光制御部材におけるラインパターンの製造方法であり、熱可塑性樹脂膜に、前記ラインパターンの形状に対応する凹凸パターンを有し、フッ素原子およびケイ素原子から選ばれる少なくとも1種を含む化合物により前記樹脂膜と接触する凹凸パターン表面が表面処理された凹凸部材を押圧する工程(a)、ここで、前記樹脂膜を加熱しながらまたは前記樹脂膜が加熱された状態で前記押圧を行い、ならびに前記樹脂膜から前記凹凸部材を分離して、前記ラインパターンを得る工程(b)を有するラインパターンの製造方法。