(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
顧客の購入対象の商品を登録する登録装置と、テナントが混在する店内で使用され前記商品の登録データに基づいて精算処理を行う会計装置とを有するPOSシステムにおいて、
前記登録装置は、
前記顧客の精算処理が前記会計装置で行えるように、前記登録データとテナント毎のレシートを出力する種別とを通信回線を介して送信する、または、前記顧客の精算処理が行えるように前記登録データとテナント毎のレシートを出力する種別とをコード情報に変換し媒体に出力する出力手段、を備え、
前記会計装置は、
出力された前記媒体のコード情報より前記登録データとテナント毎のレシートを出力する種別とを読み取る、または、前記登録データとテナント毎のレシートを出力する種別とを前記通信回線を介して受信する受信手段と、
レシートの所定領域部分に印字するための個別印刷情報として、テナント毎のレシートを出力する種別とテナントの名称を記憶する記憶手段と、
前記媒体より読み取られた登録データとテナント毎のレシートを出力する種別、または、前記通信回線を介して受信した登録データとテナント毎のレシートを出力する種別に基づいて前記テナント毎のレシートを発行するレシート発行手段と、
を備えたことを特徴とするPOSシステム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、一実施形態における、POSシステムにおける会計処置の流れを示すイメージ図である。まず、印刷用POSレジスタ(商品登録手段)20は、顧客が購入する商品に付されたバーコードを、店員の操作によりスキャンして、商品登録する。
【0015】
顧客が購入する全ての商品のバーコードについて商品登録が完了した場合、印刷用POSレジスタ20は、精算用コードを印刷媒体(レシート用紙)である精算用レシート(会計用伝票)40に印刷し、精算用レシート40を顧客に発行する。ここで、精算用コードは、顧客が購入する全ての商品の買上金額を精算する際に読み取られるコードであって、顧客が購入する商品を示す取引データを特定するためのコードである。
【0016】
精算用レシート40を受け取った顧客は、会計用POSレジスタ(会計手段)30が備えるスキャナ部を用いて、精算用レシート40に印刷された精算用コードを読み取らせ、その顧客自身が、会計用POSレジスタ30の操作ボタンを操作することで、買上金額を精算する。
【0017】
これにより、店員は、商品登録と精算用コードの印刷操作とを行うが、買上金額の精算を行わないので、効率よく短時間に会計処理を行うことができる。また、顧客が購入する商品の登録については店員が行うので、店員は、商品登録の改ざんが起こらないよう、セキュリティ面における監視役としての役割も果たすことができる。
【0018】
なお、精算用コードが印刷された精算用レシート40を発行する印刷用POSレジスタ20の設置台数と、精算用レシート40に印刷された精算用コードに基づいて、商品の買上金額の精算を行う会計用POSレジスタ30の設置台数とを、同数にする必要はない。例えば、会計用POSレジスタ30における処理時間は、精算用コードに基づいて会計を行うので短いため、会計用POSレジスタ30の設置台数を少なくしてもよい。
【0019】
これにより、会計用POSレジスタ30の設置台数を削減して、会計用POSレジスタ30が設置される面積を削減すれば、削減した面積を売り場面積として有効活用させることができる。また、仮に、印刷用POSレジスタ20及び会計用POSレジスタ30の少なくとも一方の台数を削減した場合、従来のPOSシステムと比べると、会計処理にかかる時間を大幅に短縮することができるので、会計処理を待つ顧客の待ち行列を解消させることができる。
【0020】
次に、POSシステムの各構成について説明する。
図2は、一実施形態における、POSシステムの構成図である。
図2に示すように、POSシステムは、ストアコントローラ10と、N台(Nは1以上の整数)の印刷用POSレジスタ20と、M台(Mは1以上の整数)の会計用POSレジスタ30とを含んで構成される。
【0021】
ストアコントローラ10は、POSシステムを制御するコンピュータであり、商品マスタなどの種々の情報を管理する。ストアコントローラ10は、各印刷用POSレジスタ20及び各会計用POSレジスタ30に、最新の商品マスタを適宜送信する。ここで、商品マスタとは、各商品の商品識別情報、商品名称、及び販売価格などの商品情報を格納したファイルであって、適宜更新される。また、ストアコントローラ10は、印刷用POSレジスタ20から顧客の取引データと当該取引データを識別する識別情報とを受信すると、受信した取引データと識別情報とを対応付けて記憶する。取引データとは、顧客の買上内容等、顧客との取引に関するデータである。また、ストアコントローラ10は、会計用POSレジスタ30から取引データの識別情報を受信すると、受信した識別情報に対応する取引データを会計用POSレジスタ30へ返信する。
【0022】
印刷用POSレジスタ20には、ストアコントローラ10に接続されていない印刷用POSレジスタ20と、LAN(Local Area Network)11を介してストアコントローラ10に接続されている印刷用POSレジスタ20とが存在してよい。
【0023】
印刷用POSレジスタ20には、顧客が購入する商品に付されたバーコード(コード情報)を店員の操作により読み取るスキャナが接続されている。印刷用POSレジスタ20は、顧客が購入する商品に付されたバーコードに基づいて、顧客が購入する商品の全ての買上内容(取引データ)を精算用コードに変換し、変換した精算用コードを精算用レシート40に印刷する。ここで、精算用レシート40に印刷される精算用コードは、2次元コード(例えば、QR(Quick Response)コード(登録商標))である。或いは、印刷用POSレジスタ20は、顧客が購入する商品のすべての買上内容(取引データ)と当該取引データの識別情報とをストアコントローラ10に送信する。そして、印刷用POSレジスタ20は、取引データの識別情報を示すバーコードを精算用レシート40に印刷する。
【0024】
会計用POSレジスタ30には、ストアコントローラ10に接続されていない会計用POSレジスタ30と、LAN11を介してストアコントローラ10に接続されている会計用POSレジスタ30とが存在してよい。
【0025】
会計用POSレジスタ30には、精算用レシート40に印刷された精算用コードを読み取るスキャナが接続されている。会計用POSレジスタ30は、精算用レシート40に印刷された精算用コードに基づき顧客自らが会計操作する装置である。会計用POSレジスタ30は、顧客の操作により、精算用レシート40に印刷された精算用コードをスキャナで読み取り、さらに、操作ボタンを介した操作入力に応じて、商品の買上金額の精算を行なう。
【0026】
なお、印刷用POSレジスタ20に登録された顧客が購入する商品(取引データ)を特定の会計用POSレジスタ30に送信する仕組みを印刷用POSレジスタ20に備えた場合は、印刷用POSレジスタ20において精算用レシート40を発行する必要はない。この場合は、印刷用POSレジスタ20で顧客が購入する商品(取引データ)の登録中あるいは登録が済むと当該顧客に対し精算を行なう会計用POSレジスタ30を識別する識別情報(例えば装置番号等)を印刷用POSレジスタ20の客用表示部や前記特定の会計用POSレジスタ30の操作表示部等に表示、あるいは、会計装置の識別情報をレシートに印字して顧客を案内指示する。そして顧客が案内指示された会計用POSレジスタ30の近傍に近づくと当該顧客が購入する商品(取引データ)が呼び出され精算が行なうことができる方式としてもよい。
【0027】
図3は、一実施形態における、印刷用POSレジスタ20の構成を示すブロック図である。印刷用POSレジスタ20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM202と、RAM203と、スキャナ部204と、表示部(店員用)205と、表示部(客用)205aと、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、レシート印刷手段209と、ハードディスク210とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0028】
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムを予め記憶する。
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、印刷用POSレジスタ20の動作を制御する。
【0029】
スキャナ部204は、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取る。
RAM203は、随時読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、スキャナ部204によって読み取られたバーコードに基づく商品情報などを記憶する。また、例えば、RAM203は、操作ボタンが操作された履歴を記憶してもよい。
【0030】
表示部(店員用)205及び表示部(客用)205aは、種々の情報を表示する。例えば、表示部(店員用)205及び表示部(客用)205aは、商品マスタから取得した情報(例えば、商品の名称、価格等)を表示する。また、表示部(店員用)205は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、店員に対する種々の情報を表示する。さらに、表示部(店員用)205は、画面内の領域に表示された操作ボタン(プリセットボタン)が操作されることにより、予め設定登録された商品情報(商品コード等)について、操作入力を受け付ける。
【0031】
操作部206は、印刷用POSレジスタ20を動作させるための各種の操作ボタン(分割ボタン、小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、品券キー及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部206は、分割ボタンが操作されることにより、商品の分割登録についての操作入力を受け付ける。分割ボタンは、登録された商品を複数のグループに分割する分割手段である。また、操作部206は、操作ボタン(プリセットキー)が操作されることにより、そのプリセットキーに予め設定登録されている商品情報(商品コード等)について、操作入力を受け付ける。
【0032】
通信部207は、LAN11を介して、他の装置と通信する。なお、例えば、CD−ROMなどの記憶媒体を介してRAM203に最新の商品マスタを記憶させるなどすれば、通信部207は、ストアコントローラ10に必ずしも接続されていなくてよい。
ブザー208は、店員が操作を確認することが必要な場合などに、ブザー音を発生させる。
【0033】
レシート印刷手段209は、精算用コードを精算用レシート40に印刷する。
ハードディスク210は、精算用コードが精算用レシート40に印刷された場合、RAM203が一時的に記憶する顧客の買上内容及び順番情報を記憶する。
【0034】
図4は、一実施形態における、印刷用POSレジスタ20のRAM203に記憶される買い上げ明細情報のデータ構造及びデータ例を示す概略図である。
買い上げ明細情報は、登録された商品を、会計用POSレジスタ30において一取引として精算させるための情報である。図示するように、買い上げ明細情報は、分割識別子と、JANコードと、商品名称と、個数と、値段と、付加情報との各項目を有している。分割識別子は、数字や記号等からなり、分割されたグループ毎にレシートを発行させるための分割発行情報である。ここで、同一のグループに含まれる商品は同一の分割識別子を有する。すなわち、1つのレシートに印刷される商品の分割識別子は同一に設定される。本図に示す例では、分割識別子「空白(スペース)」である「キャベツ」と「にんじん」とが1つのグループであり、その買い上げ明細が1枚のレシートに印刷される。また、分割識別子「1」である「レタス」と「トマト」と「チョコレート」とが1つのグループであり、その買い上げ明細が1枚のレシートに印刷される。すなわち、本図に示す例では、「キャベツ」と「にんじん」との買い上げ明細が印刷されたレシートと、「レタス」と「トマト」と「チョコレート」との買い上げ明細が印刷されたレシートとの2枚の会計済みレシートが発行される。JANコードは、商品識別情報である。商品名称は、商品の名称である。個数は、商品の買上個数である。値段は、商品の販売価格である。付加情報は、商品の付加情報である。
【0035】
図5は、一実施形態における、会計用POSレジスタ30の外観構成を示す正面図である。
図6は、一実施形態における、会計用POSレジスタ30の構成を示すブロック図である。
会計用POSレジスタ30は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、スキャナ部304と、表示部305と、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、印刷部309と、決済端末310〜312と、サインポール313とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
なお、会計用POSレジスタ30は、電源投入後の起動時に、バスを介してスキャナ部304、決済端末310〜312等が動作可能であるかを確認するための通信を各装置と行ない、動作可能であるか否かの情報をRAM303に記憶する。例えば、メモリ内の接続装置動作可否エリア(例えば、端末識別情報=決済端末310 動作可否フラグ=0(0:動作可、1:動作不能))に記憶させ、各報知手段の動作可能の報知を行なう際に前記RAM303の接続装置動作可否エリアに記憶する情報に基づき報知を行なうようにしてもよい。
【0036】
スキャナ部304は、印刷用POSレジスタ20により精算用レシート40に印刷された精算用コード(2次元コード又はバーコード)、或いは商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取る。
【0037】
RAM303は、種々の情報を記憶する、随時読み出し書き込みメモリである。例えば、RAM(記憶手段)303は、ヘッダ部分に印刷するための複数のレシートヘッダ情報を、印刷する内容それぞれに対応付けて記憶する。また、RAM303は、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ、及びスキャナ部304によって読み取られた精算用コードによって特定される取引データなどを記憶する。また、RAM303は、一取引における会計に関するデータである会計データを記憶する。
【0038】
決済端末(釣銭釣札機)310は、会計(商品の買上金額の精算)において、現金により決済を実行し、決済を実行した結果(例えば、決済が成立したか否かを示す情報)を、バスを介してCPU301に出力する。
【0039】
決済端末311は、会計において、クレジットにより決済を実行し、決済を実行した結果を、ポート及びバスを介してCPU301に出力する。
【0040】
決済端末312は、会計において、電子マネーにより決済を実行し、決済を実行した結果を、バスを介してCPU301に出力する。
【0041】
表示部305は、CPU301からの制御に応じて、種々の情報を画面に表示する。また、表示部305は、画面に表示した操作ボタンが操作された履歴(例えば、操作回数、操作順など)を、操作ボタン毎にRAM303に記憶させる。
【0042】
ROM302は、プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。
CPU301は、中央演算処理装置であり、ROM302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、会計用POSレジスタ30の動作を制御する。
【0043】
操作部306は、会計用POSレジスタ30を動作させるための各種の操作ボタン(訂正キー及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部306は、操作ボタン(訂正キー)が操作されることにより、操作入力の訂正を受け付ける。
【0044】
通信部307は、LAN11を介して、他の装置と通信する。例えば、ストアコントローラ10と接続して、ストアコントローラ10から最新の商品マスタを取得する。なお、例えば、CD−ROMなどの記憶媒体を介してRAM303に最新の商品マスタを記憶させるなどすれば、通信部307は、ストアコントローラ10に必ずしも接続されていなくてよい。
【0045】
ブザー308は、エラー等が発生した場合、エラーを報知するブザー音を発生させる。
印刷部309は、会計(商品の買上金額の精算)が終了した場合、顧客が持ち帰る会計済みレシートを印刷して発行する。また、印刷部(出力手段)309は、1日の売上や在高を示すレジ日計レポートを印刷して発行(出力)する。
サインポール313は、会計用POSレジスタ30が操作可能である旨を報知する。
【0046】
図7は、一実施形態における、会計用POSレジスタ30のRAM303に記憶されるヘッダデータの一例を示す概略図である。
図示するように、個別印刷情報、例えば、ヘッダデータは、レシートヘッダ情報と、出力レシート種別(複数のレシート種類を登録することが可能)と、優先度との各項目を有している。レシートヘッダ情報は、レシート(印刷媒体)のヘッダあるいはフッタ領域部分(所定領域部分)に印刷する情報(個別印刷情報)である。出力レシート種別は、レシートフォーマットであり、印刷する内容を示す。優先度は、レシートヘッダ情報の優先度であり、同一レシート内に複数のヘッダあるいはフッタ領域部分(所定領域部分が複数)を有するレシートフォーマットである場合に記載する上から順の優先度(発行順に印刷する順番)である。なお、優先度の値が小さいほど対応するレシートヘッダ情報の優先度が高い(所謂、先に印刷される)。
【0047】
なお、前記優先度は、数字を用いて数の大きさで優先度順を決定する。また、記号を用いた場合はその記号の文字順を優先度順としてもよい。何れの場合においても、優先度の設定において、空白「スペース」が設定された場合は、所定領域部分へ印刷する情報である個別印刷情報の割付けを禁止することを示す。なお、個別印刷情報の割付けを禁止する優先度の設定は、前記空白「スペース」に限らず、適宜仕様に合わせ決定すればよく、例えば、「×」等の記号であってもよい。
【0048】
次に、POSシステムにおける動作の手順を説明する。
図8は、一実施形態における、印刷用POSレジスタ20の動作を示すフローチャートである。
まず、店員が、印刷用POSレジスタ20のスキャナ部204を用いて、商品のバーコードを読み込ませる。スキャナ部204は、バーコードが示すJANコードを読み込む(ステップS101)。
【0049】
CPU201は、当該読み込んだJANコードの商品に関する情報(例えば、JANコード、商品名称、値段、付加情報等)をRAM203の買い上げ明細情報に書き込み、当該商品を登録する(ステップS102)。このとき、CPU201は、買い上げ明細情報に当該商品の分割識別子を書き込む。例えば、CPU201は、分割ボタンが押下されていない場合には、分割識別子に空白(スペース)を書き込む。なお、分割識別子の初期値は空白(スペース)に限らず、数字や記号が予め初期値として設定されていてもよい。
続いて、CPU201は、分割ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS103)。
【0050】
分割ボタンが押下された場合(ステップS103:Yes)、CPU201は、買い上げ明細情報に書き込む分割識別子を変更する(ステップS104)。例えば、CPU201は、分割識別子に1加算する。
一方、分割ボタンが押下されていない場合(ステップS103:No)、又はステップS104に続いて、CPU201は、商品登録が完了したか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、CPU201は、操作部206にある印刷ボタンまたは現計キーが押下された場合に、商品登録が完了したと判定する。店員は、買い物かごに入っている全ての商品のバーコードが読まれたら、操作部206にある「印刷」ボタンまたは「現計」キーを押す。
【0051】
商品登録が完了していない場合(ステップS105:No)、ステップS101へ戻る。すなわち、印刷用POSレジスタ20は、買い物かごに入っている全ての商品のバーコードが読み込まれるまでS101〜S105までの処理を繰り返す。
【0052】
一方、商品登録が完了した場合(ステップS105:Yes)、CPU(生成手段)201は、買上明細情報を含む取引データを生成し(ステップS106)、生成した取引データをRAM203に書き込む。
続いて、CPU201は、取引データをRAM203から読み出し、読み出した取引データに基づいて精算用コードを生成する(ステップS107)。具体的には、CPU201は、当該印刷用POSレジスタ20がLAN11に接続していない場合、読み出した取引データを2次元コードに変換する。一方、CPU201は、当該印刷用POSレジスタ20がLAN11に接続している場合、読み出した取引データに識別情報を付与し、取引データと付与した識別情報とをストアコントローラ10に送信する。そして、CPU201は、付与した識別情報を示すバーコードを生成する。
最後に、レシート印刷手段209が、生成された精算用コードを精算用レシート40に印刷する(ステップS108)。
【0053】
図9は、一実施形態における、精算用レシート40の一例を示す概略図である。
図9(a)は、バーコードC2が印刷された精算用レシート40の一例である。精算用レシート40に印刷されたバーコードC2は、顧客の取引データの識別情報を示す。印刷用POSレジスタ20は、顧客の取引データと当該取引データの識別情報とをストアコントローラ10に送信して登録するとともに、当該取引データの識別情報を示すバーコードC1を精算用レシート40に印刷する。一方、
図9(b)は、2次元コードC1が印刷された精算用レシート40の一例である。精算用レシート40に印刷された2次元コードC1は、顧客の取引データを示す。印刷用POSレジスタ20は、顧客の取引データを2次元コードC1に変換し、変換した2次元コードC1を精算用レシート40に印刷する。
【0054】
図10は、一実施形態における、会計用POSレジスタ30における動作を示すフローチャートである。
まず、顧客は、会計用POSレジスタ30のスキャナ部304を用いて、精算用レシート40の精算用コードを読ませる。スキャナ部304は、精算用コードを読み取る(ステップS201)。
【0055】
続いて、CPU301は、読取られた精算用コードが2次元コードであるか否かを判定する(ステップS202)。
スキャナ部304により2次元コードが読取られた場合(ステップS202:Yes)、CPU301は、取引データを2次元コードから読み出す(ステップS203)。
一方、スキャナ部304により2次元コードが読取られていない場合(ステップS202:No)、CPU301は、スキャナ部304により読取られたバーコードが示す識別情報を用いてストアコントローラ10から取引データを読み出す(ステップS204)。
具体的には、CPU301は、通信部307を介して、バーコードが示す識別情報をストアコントローラ10に送信し、識別情報に対応する取引データをストアコントローラ10から受信する。
【0056】
ステップS203又はステップS204に続いて、読み出した取引データの買い上げ明細情報を表示部305に表示する(ステップS205)。
そして、CPU301は、表示部305に顧客への会計操作を進めるための指示を表示させる。その後、顧客が表示部305に表示された指示に従い、会計を済ませる(ステップS206)。
【0057】
会計完了後(例えば、表示部305に表示された「合計キー」押下後)に、CPU(選択手段)301は、読み出した取引データに基づいて、出力する各会計済みレシートの出力レシート種別(各会計済みレシートに印刷する内容)を決定する。会計済みレシートとは、顧客が持ち帰るレシートである。そして、CPU201は、決定した各会計済みレシートの出力レシート種別に対応するレシートヘッダ情報をヘッダデータから読み出し、各会計済みレシートのヘッダ部分に印刷するレシートヘッダ情報を選択する(ステップS207)。ここで、CPU201は、出力レシート種別に対応するレシートヘッダ情報が複数ある場合には、優先度の高いレシートヘッダ情報を選択する。
【0058】
最後に、CPU301は、会計済みレシートを単数枚又は複数枚印刷部309に印刷させる(S208)。具体的には、印刷部(印刷手段)309は、ステップS207において決定した出力レシート種別(レシートフォーマット)に基づいて商品の買い上げ明細を各会計済みレシートに印刷するとともに、ステップS207において選択されたレシートヘッダ情報をそれぞれ各会計済みレシートに印刷する。また、印刷部(印刷手段)309は、商品の買い上げ明細を印刷した会計済みレシートをグループ毎に発行する。すなわち、印刷部(印刷手段)309は、分割識別子が同じ商品の買い上げ明細を同一の会計済みレシートに印刷する。
【0059】
図11は、一実施形態における、会計済みレシート(商品の買い上げ明細がグループ毎に印刷された印刷媒体)の一例を示す概略図である。
以下、
図4及び
図7に示すデータを例に説明する。本例では、会計用POSレジスタ30は、顧客が買い上げる全ての商品「キャベツ」、「にんじん」、「レタス」、「トマト」、及び「チョコレート」の買い上げ明細(全明細)が印刷された会計済みレシートR1と、グループ「キャベツ」、「にんじん」の買い上げ明細(分割明細1)が印刷された会計済みレシートR2と、グループ「レタス」、「トマト」及び「チョコレート」の買い上げ明細(分割明細2)とが印刷された会計済みレシートR3とを発行する。上述したステップS207において、CPU301は、各会計済みレシートR1〜R3の出力レシート種別と優先度とに基づいて、各会計済みレシートR1〜R3のヘッダ部分に印刷するレシートヘッダ情報を決定する。例えば、CPU301は、出力レシート種別「A」(前記Aは、会計明細(会計済みレシートR1)と分割数により枚数が変化する複数の領収書(例えば、会計済みレシートR2及びR3)とからなり、発行レシート毎に分割(カッタにより断裁)発行されるレシートフォーマット識別名である)に対応する所定領域部分に印刷する情報であるレシートヘッダ情報「領収書」及び「購入商品明細書」のうち優先度の高い「購入商品明細書」を選択する。そして、CPU301は、出力レシート種別が「A」である会計済みレシートR1の所定領域部分のレシートヘッダ情報を「購入商品明細書」とする。また、CPU301は、出力レシート種別「A」のレシートフォーマットにおいて次に印刷する会計済みレシートR2及びR3(分割数によりR2〜Rn迄変化する)の所定領域部分のレシートヘッダ情報を優先度に基づき「領収書」とする。なお、領収書が複数枚になる場合において、所定領域部分に印刷する例えばレシートヘッダ情報が「領収書」等の複数分割される場合にはレシートヘッダ情報である「領収書」に隣接させて発行枝番号(個別印刷付加情報)を付加して印刷するようにしてもよい(分割選択手段による個別印刷情報)。例えば、全分割発行枚数分の印刷順番を枝番号(例えば、1/2、2/2、又は、2−1、2−2等のような個別印刷付加情報)としてもよい。また、分割ではなく通常の会計の場合において、会計完了キー(例えば締めキー等)が押された場合は、出力レシート種別が「C」である単票の会計レシート(会計済みレシートR1)の印刷発行が指示されたことになるので、出力レシート種別が「C」に対応するレシートヘッダ情報「購入商品明細書」が選択されるが、分割レシートの領収書ように複数枚のレシートを発行する訳では無いので優先度は無視される。また、この後に例えば領収書キーがおされた場合には、単票の領収書である出力レシート種別が「B」の発行が選択指示されたことになり、会計済みレシートR2(単票)のレシートフォーマットに基づいて領収書印刷情報が生成されるとともに、出力レシート種別の「B」と対応するレシートヘッダ情報「領収書」が選択され、レシート(印刷媒体)の所定領域部分(この場合は、領収書印刷情報のヘッダ領域部分)に印刷情報を追加して生成し、出力レシート種別が「B」である領収書が印刷発行される。
【0060】
このように、本実施形態によれば、会計済みレシートに印刷する内容に応じて、会計済みレシートのヘッダ部分に印刷するレシートヘッダ情報を変更することができる。これにより、実際の会計金額の2倍の金額が領収された様に見えてしまうという不都合が生じることを防ぐことができる。
【0061】
なお、上述した実施形態では、印刷用POSレジスタ20において商品を複数のグループに分割しているが、会計用POSレジスタ30において商品を複数のグループに分割してもよい。例えば、会計用POSレジスタ30は、上述したステップS205において表示する買い上げ明細画面に分割ボタン(分割手段)を表示する。
図12は、一実施形態における、買い上げ明細画面の一例を示す概略図である。買い上げ明細画面には、顧客が買い上げた全ての商品の明細と、商品を複数のグループに分割するための分割ボタンBと、会計を進めるためのお会計ボタンとが表示される。顧客は、レシートを分割して発行したい商品(例えば、「レタス」、「トマト」及び「チョコレート」)を選択して、分割ボタンBを押下する。CPU301は、分割ボタンBが押下されると、選択された商品(例えば、「レタス」、「トマト」及び「チョコレート」)の分割識別子を変更する。これにより、顧客が選択した商品(例えば、「レタス」、「トマト」及び「チョコレート」)の買い上げ明細が印刷された会計済みレシートと、それ以外の商品(例えば、「キャベツ」及び「にんじん」)の買い上げ明細が印刷された会計済みレシートとの2枚の会計済みレシートを発行することができる。
【0062】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0063】
また、本件発明の実施形態において、レシート(印刷媒体)の所定領域部分をヘッダ領域部分としたがこれに限らずフッタ領域部分としてもよい。これにより、例えば、複数のテナントが混在する店内で使用される会計装置(会計手段)において発行されるレシートのフッタ情報を各テナントの名称に変えて発行することができる。この場合、出力レシート種別(テナント毎のレシート種類)と、レシートフッタ情報とにより、各テナントのレシート及び領収書を1台の会計装置(会計手段)で印刷発行することができるので経済的である。また、レシートの所定領域部分は、顧客への告知コメント或いは広告情報等を印刷する領域を所定領域部分としてもよい。この場合においても前記と同様に告知コメント或いは広告情報等は個別印刷情報に記憶し出力レシート種別と優先度に基づいて印刷されることとなる。
【0064】
また、本件発明の実施形態において、商品登録手段(印刷用POSレジスタ20)と会計手段(会計用POSレジスタ30)とを別体としたものをPOSシステムとして例示したがこれに限らず、例えば、商品登録手段と会計手段とが一体となった商品販売データ処理装置も本件発明のPOSシステムに含めてもよい。この場合は、店員により商品登録と買上金額の精算操作とが行われる。
【0065】
また、本件発明の実施形態における会計手段(会計用POSレジスタ30)で印刷発行される印刷媒体(例えば、レシート等)の所定領域部分を単数としたがこれに限らず一つの印刷媒体内に複数の所定領域部分を設けるようにしてもよい。この場合も前述の実施例と同様に、枚葉状の印刷媒体に設けられた複数の所定領域部分へ割付けられる個別印刷情報(例えば、ヘッダ情報やフッタ情報等)は優先度に基づいて割付けられた後、印刷イメージが生成され印刷手段により印刷発行がなされる。これにより、例えば、店名や住所及び電話番号など固定して印刷しなければならない個別印刷情報の優先度を「1」とし、出力レシート種別に応じた季節毎のイベントのお知らせや店からの特売等の開催告知など都度変更しなければならない個別印刷情報の優先度を「2」とすることにより、複数の所定領域部部(例えば、ヘッダ領域部分とフッタ領域部分)への割付け位置の特定とその割り付け動作とを前記優先度に基づき容易に行なって印刷発行させることができるという効果を奏する。また、優先度のみを変更することによって所定領域部分(単数領域或いは複数領域)に割付けられる個別印刷情報の場所を変更することが出来るのでオペレータによる設定や変更操作が容易である。
【0066】
また、本件発明の実施形態におけるレシート(印刷媒体)の実施例で「購入明細書」や「領収書」の例を示したこれに限らず、例えば、割引券やサービス券や整理券等を発行する場合にも適用することができる。例えば、開催されるイベント等の名称である個別印刷情報の優先度を「1」とし、割引率や割引額等のサービス情報である個別印刷情報の優先度を「2」とすることによって、イベント毎の出力レシート種別それぞれに設定された所定領域部分(単数領域或いは複数領域)に個別印刷情報を自由に割付けて印刷発行することができる。
【0067】
なお、上記に説明したPOSシステムを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、実行処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0068】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0069】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。