(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記判定において不良とされた場合、前記再印刷の前に、不良と判定されたページと、以降のページで少なくとも機内に搬送状態で残った用紙の一部または全部とをヤレ紙として不良判定直前の排紙先に排紙した後、前記再印刷を行うことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
前記情報を含む用紙が、情報が印刷された用紙、不良判定直前の用紙に対し紙種、サイズが異なる用紙または異なる排紙機能で排紙された用紙のいずれかであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記判定において不良とされた場合、前記再印刷の前に、不良と判定されたページ以降の区切りページまでをヤレ紙として不良判定直前の排紙先に排紙した後、不良と判定された用紙が含まれる区切りの最初のページから再印刷を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記判定において不良とされた場合、前記再印刷を直ちに行わず、所定のタイミングで不良と判定されたページ以外を含むページの前記再印刷を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記用紙の給紙の一時停止後、オペレータによってヤレ紙が取り除かれた通知があると、再印刷を実行して再印刷された用紙を不良判定直前の排紙先に排紙することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
用紙搬送されて画像形成を経た用紙における不良状態を検出して該検出結果を取得し、前記検出結果に基づいて前記用紙が不良かを判定し、前記用紙が不良であると判定した場合、再印刷の前に、不良と判定されたページと、以降のページで少なくとも機内に搬送状態で残った用紙の一部または全部とをヤレ紙として不良判定直前の排紙先に排紙し、不良と判定されたページ以降を含むページを再印刷をして、前記ヤレ紙と同じページを不良判定直前の排紙先とは別の排紙先に排紙し、その後のページについて印刷された用紙を不良判定直前の排紙先および前記ヤレ紙と同じページが排紙された排紙先とは別の排紙先に排紙することを特徴とする画像形成方法。
前記判定において不良とされた場合、前記再印刷の前に、不良と判定されたページと、以降のページで少なくとも機内に搬送状態で残った用紙の一部または全部とをヤレ紙として不良判定直前の排紙先に排紙した後、前記再印刷を行うことを特徴とする請求項18記載の画像形成方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、昨今は印刷スピードの高速化が進んでおり、不良と判定されたとしても既に次に続くページも印刷済みの状態である場合が多い。すなわち、検出した時点では、不良ではない、給紙済み、排紙未のページも機内に残っている。印刷はまだの状態でも機械構成上や制御上直ちに停止することは好ましくない、またはできない場合も存在する。そのため、一旦停止し、不良ページを取り除き、再印刷を行うものとすれば、ダウンタイムが生じる、監視していなければならないといった課題が生じる。
また、排紙先で大量にスタックするような場合は、後続の用紙の排紙が継続することで積載量が増していく。結果、
図13に示すように、不良ページとともに良好なページも排紙されることとなる。すなわち、不良と判定された後も排紙を継続すると、正常紙P0上に不良とされた用紙YP1が積載され、さらにその上に正常紙P2が積載される。その後、不良用紙を、積載した用紙の中から取り除いて不良と判定された用紙を再印刷すると、
図13に示すように用紙がP0、P2、P1の順に積載され、ページ順が狂ってしまう。このページ順を整えようとすると、積載した用紙を取り除きつつ用紙の入れ替えを正しく行うことが必要になり、作業負担が大きいという問題がある。
なお、先行例ではヤレ紙を別排紙口へ排紙するが、不良ページのみ排紙口を変えても以降に続く機内のページについての考慮がなく、印刷完了後にページ順を入れ替える処理が必要になる。
【0007】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、再印刷用紙を不良判定直前の排紙先とは別の排紙先に排紙することでページ順の調整が容易な画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明の画像形成装置のうち、第1の本発明は、
用紙を収納して前記用紙を給紙する給紙トレイと、
給紙された用紙を搬送する用紙搬送部と、
前記用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像が形成された用紙における不良状態を検出する不良検出部と、
前記用紙を排紙する複数の排紙先と、
前記給紙、前記搬送、前記画像形成および前記排紙先の切り替えを制御し、前記不良検出部の検出結果を取得する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記検出結果に基づいて前記用紙が不良かを判定し、不良と判定された場合、
再印刷の前に、不良と判定されたページと、以降のページで少なくとも機内に搬送状態で残った用紙の一部または全部とをヤレ紙として不良判定直前の排紙先に排紙し、不良と判定されたページ以降を含むページを再印刷して、前記ヤレ紙と同じページを不良判定直前の排紙先とは別の排紙先に排紙し、その後のページについて印刷された用紙を不良判定直前の排紙先および前記ヤレ紙と同じページが排紙された排紙先とは別の排紙先に排紙することを特徴とする。
【0009】
上記本発明によれば、排紙先の切り替え可能タイミングに合わせて再印刷を別の排紙先に排紙するように行うことができる。
さらに、上記本発明によれば、ヤレ紙とそれに替わるページとを容易に確認することができ、また、入れ替えも容易に行うことができる。
第2の本発明の画像形成装置は、
用紙を収納して前記用紙を給紙する給紙トレイと、
給紙された用紙を搬送する用紙搬送部と、
前記用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像が形成された用紙における不良状態を検出する不良検出部と、
前記用紙を排紙する複数の排紙先と、
前記給紙、前記搬送、前記画像形成および前記排紙先の切り替えを制御し、前記不良検出部の検出結果を取得する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記検出結果に基づいて前記用紙が不良かを判定し、不良と判定された場合、不良と判定されたページ以降を含むページを再印刷して、不良判定直前の排紙先とは別の排紙先に排紙する制御を行い、
前記再印刷またはその後のページの印刷に際し、前記別の排紙先が満杯となった場合、不良判定直前の前記排紙先および前記別の排紙先とは異なる他の排紙先に前記再印刷がされた用紙を排紙することを特徴とする。
上記本発明によれば、排紙先の切り替え可能タイミングに合わせて再印刷を別の排紙先に排紙するように行うことができる。さらに、上記本発明によれば、別の排紙先が満杯であると検知すると、第3の排紙先に切り替えて排紙を継続することができる。
【0010】
第
3の本発明の画像形成装置は、前記第
2の本発明において、前記制御部は、前記判定において不良とされた場合、前記再印刷の前に、不良と判定されたページと、以降のページで少なくとも機内に搬送状態で残った用紙の一部または全部とをヤレ紙として不良判定直前の排紙先に排紙した後、前記再印刷を行うことを特徴とする。
【0011】
上記本発明によれば、再印刷に先立って、不良判定された用紙のみではなくヤレ紙になる可能性のある後続の用紙をヤレ紙として排紙することができる。後続の用紙は給紙が開始されて搬送状態にある用紙の全部を対象にしてもよく、また、排紙切り替えが間に合うようであれば、機内に残留している用紙の一部をヤレ紙として排紙し、残りの用紙を排紙切り替えをして排紙するようにしてもよい。この際に、残りの用紙を再印刷の対象とすることができる。また、ヤレ紙とする後続の用紙は機内に残留する用紙に限られず、部の区きりなどの用紙まで排紙するようにしてもよい。
【0012】
第
4の本発明の画像形成装置は、前記
第1または第3の本発明において、前記制御部は、前記判定において不良とされた場合、前記再印刷の前に、前記ヤレ紙の情報を含む用紙を排紙することを特徴とする。
【0013】
上記本発明によれば、上記情報に基づいてヤレ紙であることを直ちに確認することができる。
【0014】
第
5の本発明の画像形成装置は、前記第
4の本発明において、前記制御部は、前記情報を含む用紙を不良判定直前の排紙先に排紙することを特徴とする。
【0015】
上記本発明によれば、ヤレ紙とともにヤレ紙の情報を含む用紙が排紙され、ヤレ紙の情報を容易に把握することができる。
【0016】
第
6の本発明の画像形成装置は、前記第
4または第
5の本発明において、前記制御部は、前記情報を含む用紙を前記画像形成を行った用紙が給紙された給紙トレイとは異なる給紙トレイから給紙することを特徴とする。
【0017】
上記本発明によれば、ヤレ紙に関する情報を含む用紙として、他の給紙トレイから異サイズ、異用紙紙種類などの用紙を給紙することができる。
【0018】
第
7の本発明の画像形成装置は、前記第
4〜第
6の本発明のいずれかにおいて、前記情報を含む用紙が、情報が印刷された用紙、不良判定直前の用紙に対し紙種、サイズが異なる用紙または異なる排紙機能で排紙された用紙のいずれかであることを特徴とする。
【0019】
上記本発明によれば、情報の印刷内容、紙種、サイズの異同、排紙機能によりヤレ紙を示すことを容易に把握することできる。異サイズとしては、ヤレ紙と副走査方向、主走査方向の一方または両方のサイズが異なるものがあり、異なる排紙機能としては、シフト機能や用紙排紙方向などが挙げられる。
【0024】
第
8の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第
7の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記判定において不良とされた場合、前記再印刷の前に、不良と判定されたページ以降の区切りページまでをヤレ紙として不良判定直前の排紙先に排紙した後、不良と判定された用紙が含まれる区切りの最初のページから再印刷を行うことを特徴とする。
【0025】
上記本発明によれば、区切り単位での整理を行うことができ、出力物の整理を容易に行うことができる。区切り単位としては、部やタブの纏まりなどが例示され、区切りページには部の最終ページやタブの区切りが例示される。
【0026】
第
9の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第
8の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記判定において不良とされた場合、前記再印刷を直ちに行わず、所定のタイミングで不良と判定されたページ以外を含むページの前記再印刷を行うことを特徴とする。
【0027】
上記本発明によれば、排紙切り替えが間に合う適宜のタイミングで再印刷を行って別の排紙先に再印刷した用紙を排紙することができる。例えば、オペレータの要求や所定時間経過のタイミングを用いることができる。
【0028】
第
10の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第
9の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記判定をページ単位で行うことを特徴とする。
【0029】
第
11の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第
10の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記判定を部単位で行うことを特徴とする。
【0030】
第
12の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第
11の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記判定において不良とされた場合、該判定に関わる情報を表示または/および記録することを特徴とする。
【0031】
上記本発明によれば、表示された情報や記憶された情報、例えば不良を判定したこと、ヤレ紙が存在する排紙先、不良と判定された用紙の画像データ、制御、動作に用いた各種情報を利用することができる。
【0032】
第
13の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第
12の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記判定において不良とされた場合、前記用紙の給紙を一時停止することを特徴とする。
【0033】
上記本発明によれば、給紙の停止によりヤレ紙を増加させないようにすることができる。
【0034】
第
14の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第
13の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記用紙の給紙の一時停止後、オペレータによってヤレ紙が取り除かれた通知があると、再印刷を実行して再印刷された用紙を不良判定直前の排紙先に排紙することを特徴とする。
【0035】
第
15の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第
14の本発明のいずれかにおいて、前記不良検出部が、用紙上に形成された画像を検出する画像検出部であることを特徴とする。
【0036】
上記本発明によれば、用紙上の画像の状態によって不良かを判定することができる。
なお、本発明としては不良検出部が画像検出部に限定されるものではなく、画像読み取り部で読み取られた画像データと画像形成に用いた画像データとの比較によってページ乱れなどを判定するものであってもよく、また、搬送される用紙の片寄りなどを検知して画像の位置ずれなどを推測するものなどであってもよい。
【0037】
第
16の本発明の画像形成システムは、前記第1〜第
15の本発明のいずれかに記載の給紙トレイ、用紙搬送部、画像形成部および制御部を有する画像形成装置と、
前記画像形成装置の下流側で搬送される用紙における不良状態を検出する不良検出部と、
前記不良検出部の下流側に位置する複数の排紙先と、を備え、
前記制御部は、前記検出結果に基づいて前記用紙が不良かを判定し、不良と判定された場合、不良と判定されたページ以降を含むページを再印刷をして、不良判定直前の排紙先とは別の排紙先に排紙する制御を行うことを特徴とする。
【0038】
第
17の本発明の画像形成方法は、用紙搬送されて画像形成を経た用紙における不良状態を検出して該検出結果を取得し、前記検出結果に基づいて前記用紙が不良かを判定し、前記用紙が不良であると判定した場合、
再印刷の前に、不良と判定されたページと、以降のページで少なくとも機内に搬送状態で残った用紙の一部または全部とをヤレ紙として不良判定直前の排紙先に排紙し、不良と判定されたページ以降を含むページを再印刷をして、前記ヤレ紙と同じページを不良判定直前の排紙先とは別の排紙先に排紙し、その後のページについて印刷された用紙を不良判定直前の排紙先および前記ヤレ紙と同じページが排紙された排紙先とは別の排紙先に排紙することを特徴とする
。
第18の本発明の画像形成方法は、用紙搬送されて画像形成を経た用紙における不良状態を検出して該検出結果を取得し、前記検出結果に基づいて前記用紙が不良かを判定し、前記用紙が不良であると判定した場合、不良と判定されたページ以降を含むページを再印刷をして、不良判定直前の排紙先とは別の排紙先に排紙し、
前記再印刷またはその後のページの印刷に際し、前記別の排紙先が満杯となった場合、不良判定直前の前記排紙先および前記別の排紙先とは異なる他の排紙先に前記再印刷がされた用紙を排紙することを特徴とする。
【0039】
第19の本発明の画像形成方法は、前記
第18の本発明において、前記判定において不良とされた場合、前記再印刷の前に、不良と判定されたページと、以降のページで少なくとも機内に搬送状態で残った用紙の一部または全部とをヤレ紙として不良判定直前の排紙先に排紙した後、前記再印刷を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、ダウンタイムが生じさせることなく再印刷を行うことができ、常に監視しておく必要はなく、いつでも(全ページ排紙後でも再開途中でも)取り除くべきページ(例えば、不良ページから停止までに排紙したページ)を取り除くことができる。
また、取り除くべきページは、そうではないページに挟まれておらず端部に存在するので取り除くことが容易である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下に、本発明の一実施形態の画像形成システム1を添付図面に基づいて説明する。
画像形成システム1は、
図1に示すように画像形成を行う画像形成装置10と、中継装置20と、用紙スタック装置30と、後処理装置40とが連なって接続されている。
なお、本発明としては、画像形成システムの接続構成がこれに限定されるものではなく、画像形成装置のみで構成されているものであってもよい。
【0043】
画像形成装置10は、上部側に自動原稿給送装置(ADF)14が設けられており、自動原稿給送装置(ADF)14で給送される原稿は
図2で示されるスキャナー部130で画像読取が可能になっている。なお、原稿は、図示しないプラテンガラス上で読み込むこともできる。
また、画像形成装置10または中継装置20の上部側で、プラテンガラスが位置しない箇所に、操作表示部140のLCD141が設置されている。LCD141はタッチパネルで構成されており、操作者による操作および情報の表示が可能になっている。LCD141は、操作部と表示部を兼用している。なお、操作部をマウスやタブレットなどで構成し、表示部とは別体で構成することも可能である。また、LCD141は移動可能となっているものであってもよい。
【0044】
画像形成装置10の下部側には、複数の給紙トレイ12(図では2段)が配置されている。
画像形成装置10内には、いずれかの給紙トレイ12から給紙される用紙を搬送する搬送経路13が設けられており、画像形成装置10内の搬送路途中に、画像形成部11が設けられている。画像形成部11は、感光体11a、感光体11aの周囲に配置した図示しない、帯電器、LD、現像器、転写部を有しており、さらに感光体11aの下流側の搬送経路13には定着器15が配置されている。搬送経路13は、図示しない搬送ローラーや駆動モーターなどとともに本発明の用紙搬送部を構成する。
定着器15の下流側で、搬送経路13が伸長して中継装置20の搬送経路23に接続されている。
【0045】
画像形成部11では、帯電器により画像書込み前に感光体11aの表面を一様に帯電し、LDにより表面が一様に帯電された感光体11aに半導体レーザを照射することにより感光体11aに静電潜像を形成する。現像器は、LDによって感光体11aに形成された静電潜像をトナー部材によって現像する。この現像処理によって感光体11aにトナー画像が形成される。転写部は、給紙トレイ12から搬送されてきた用紙に感光体11aのトナー画像を転写する。トナー画像が転写された用紙は、感光体11aから分離されて定着器15に搬送される。感光体11aに残留したトナー部材は図示しない、クリーニング部によって除去される。定着器15は、搬送された用紙を加熱することにより用紙の表面側に転写されたトナー画像を出力画像として定着する。
【0046】
中継装置20には、搬送経路13に接続され、後段の後処理装置30に接続される搬送経路23を有している。搬送経路23には、搬送経路23を搬送される用紙P表面の出力画像を検知するインラインセンサー25が配置されている。インラインセンサー25は、用紙Pの最大幅に対応する長さで出力画像の検知を行うことができ、CCDやCMOSなどを用紙搬送方向と交差する方向(例えば直交方向)に配列したものを用いることができる。インラインセンサー25は、本発明の画像検出部、不良検出部に相当する。
なお、インラインセンサーを用紙の上下面にそれぞれ配置して用紙の表裏面における画像を同時にまたは選択して検出できるようにしてもよい。
【0047】
用紙スタック装置30は、画像形成がされた用紙をスタックする装置であり、複数のスタック部31、32等を有している。スタック部31、32は、本発明の複数の排紙先に相当する。また、用紙スタック装置30に所定の後処理を行う後処理部を備えるものであってよい。
【0048】
後処理装置40は、用紙スタック装置30をバイパスした用紙や用紙スタック装置30でスタックされた用紙に対し、所定の後処理を行う後処理部(図示しない)を備えており、後処理設定に従って用紙スタック装置30から搬送される用紙に、折り、中綴じステイプルなどの所定の後処理が行われる。後処理装置40には、排紙トレイ41、42が備えられている。排紙トレイ41、42も本発明の排紙先に相当する。
なお、この実施形態では、用紙スタック装置30に備えるスタック部30、31および後処理装置40に備える排紙トレイ41、42を排紙先として説明したが、いずれか一方であってもよく、また、スタック部と排紙トレイで複数の排紙先が構成されるものであってもよい。
【0049】
次に、画像形成装置10の機能的構成を
図2に基づいて説明する。
画像形成装置10は、制御ブロック部110とスキャナー部130と操作表示部140とプリンター部150とを有し、さらに、LAN3を通して端末PCなどの外部機器40から入力される画像データを処理し、またはスキャナー部130で得た画像データを、LAN3を通して外部機器40に転送可能にする画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160とを備えている。
【0050】
制御ブロック部110には、画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160に接続されたPCIバス112を有しており、該PCIバス112にDRAM制御IC111が接続されている。DRAM制御IC111には、画像メモリー(DRAM)120が接続されている。画像メモリー(DRAM)120には、圧縮画像データを格納するための圧縮メモリー121と、画像形成前にプリント対象の非圧縮画像データを一時的に格納するためのページメモリー122とを有している。
【0051】
また、PCIバス112には、コントローラーIC118を介してHDD119(ハードディスク)が接続されており、該HDD119には、スキャナー部130で取得した画像データや画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160に接続された外部機器40などにより生成された画像データ等を保存する。
上記画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160で取得される画像データやHDD119に格納された画像データは、プリント動作に伴ってPCIバス112を通してDRAM制御IC111へと送信される。
【0052】
また、制御ブロック部110には、制御CPU113を備えており、制御CPU113にDRAM制御IC111が接続されている。
制御CPU113には、RAM114が接続されており、制御CPU113の動作に際し、作業領域として使用されたり、データの一時記憶などに利用される。
さらに、制御CPU113には、フラッシュメモリーなどにより構成される不揮発メモリー115が接続されている。不揮発メモリー115には、画像形成装置10の初期印刷設定情報や、プロセス制御パラメータ等の機械設定情報、出力設定の初期データ、出力画像を読み取る指定、読み取った画像が不良と判断される場合の要因の区分、不良と判断する際の各要因における基準、制御CPU113を動作させるためのプログラム等が格納されている。
上記RAM114、不揮発メモリー115、HDD119などは記憶部として機能することができる。
【0053】
制御CPU113は、不揮発メモリー115の不揮発データを読み取り可能であり、また、所望のデータを不揮発メモリー115に書き込むことが可能である。
制御CPU113は、上記機械設定情報や印刷設定情報、出力設定などに従って画像形成装置10や中継装置20、用紙スタック装置30、後処理装置40の各部を動作制御する。
制御CPU113は、本発明の制御部を構成し、画像形成システム1全体を制御する。
制御CPU113は、ジョブの出力設定や操作指示などを操作表示部140を通して行うことができる。
【0054】
スキャナー部130は、光学読み取りを行うCCD131と、スキャナー部130全体の制御を行うスキャナー制御部132とを備えている。スキャナー制御部132は、制御CPU113とシリアル通信可能に接続されている。また、CCD131は、CCD131で読み取った画像データを処理する読み取り処理部116に接続され、読み取り処理部116は、DRAM制御IC111に制御可能に接続されている。スキャナー部130は、読み取り部に相当する。
読み取り処理部116は、CCD131から入力されたアナログ画像信号に、アナログ信号処理、A/D(Analog to Digital)変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施し、デジタル画像データを生成して、圧縮/伸長IC117に出力する。
スキャナー部130では、画像形成装置10の上部プラテンガラスに置かれた原稿や、自動原稿給送装置(ADF)14で自動搬送される原稿の画像を読み取る。
【0055】
操作表示部140は、表示部と操作部とを兼ね、タッチパネルで構成されるLCD141と、操作表示部全体を制御する操作表示部制御部142とを備えており、操作表示部制御部142は制御CPU113にシリアル通信可能に接続されている。
操作表示部140では、制御CPU113の制御を受けて、LCD141によって、画像形成装置10における出力条件設定や動作制御条件などの機械設定入力、各給紙トレイの用紙情報(サイズ、紙種)の設定入力や、設定内容の表示、メッセージなどの所望の情報等の表示、さらにインラインセンサー25で読み取った出力画像のイメージ表示、イメージ表示に関する操作指示や設定入力、表示などが可能になっている。
【0056】
前記DRAM制御IC111には、画像データを圧縮または伸長することができる圧縮/伸長IC117が接続されている。DRAM制御IC111は、制御CPU113からの指示に従って、圧縮/伸長IC117による画像データの圧縮処理及び圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリー(DRAM)120への画像データの入出力制御を行う。
書き込み処理部123は、プリンター部150のLD152などを備える画像形成部11に接続され、画像データに基づいてLD152の動作に用いられる書き込みデータを生成する。
【0057】
プリンター部150は、上記画像形成部11と、給紙トレイ12、搬送経路13、反転搬送経路16、定着器15などにより構成される。
また、プリンター部150は、プリンター部150の全体(給紙、画像形成、排紙、後処理など)を制御するプリンター制御部151を備えており、プリンター制御部151は前記した制御CPU113にシリアル通信可能に接続されている。プリンター制御部151は制御CPU113の制御指令に従って動作して、プリンター部150を制御し、用紙搬送、画像形成などを行う。
【0058】
また、上記のようにDRAM制御IC111が接続されたPCIバス112には、画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160のDRAM制御IC161が接続されている。画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160は、画像形成装置10をネットワークプリンターやネットワークスキャナーとして使用する場合に、LAN3に接続される外部機器40などから画像データ等を画像形成装置10で受信したり、スキャナー部130で取得した画像データをLAN3に接続される外部機器40などに送信したりするものである。
【0059】
画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160では、DRAM制御IC161に、DRAMなどで構成される画像メモリー162が接続されている。また、画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160では、共通バスにDRAM制御IC161と、画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160全体の制御を行うコントローラー制御部163、LAN制御部164、LANインターフェース165が接続されている。LANインターフェース165は、LAN3に接続されている。
【0060】
さらに、制御CPU113には、中継装置20内に配置されたインラインセンサー25のインラインセンサー制御部250が制御可能に接続されており、インラインセンサー制御部250を介して制御CPU113によってインラインセンサー25の動作を制御することができる。また、インラインセンサー25における読み取り結果は制御CPU113で受信することができる。
【0061】
次に、上記画像形成装置10および画像形成システム1の基本的動作について説明する。
先ず、画像形成装置10において画像データを蓄積する手順について説明する。
画像形成装置10において、スキャナー部130で画像を読み取り画像データを生成する場合について説明する。スキャナー部130において原稿からCCD131により画像を光学的に読み取る。この際には、制御CPU113から指令を受けるスキャナー制御部132によってCCD131の動作制御を行う。原稿の読み取りは、自動原稿給送装置(ADF)14によって原稿を自動給送しつつ行ってもよく、また、プラテンガラス上に原稿を置いて行ってもよい。
【0062】
制御CPU113はプログラムによって動作し、操作表示部140による操作(読み取り指示やコピー指示)に基づいてスキャナー部130への指令を発行する。CCD131で読み取られた画像は、読み取り処理部116でデータ処理がなされ、データ処理された画像データは、DRAM制御IC111を介して圧縮/伸長IC117に送られて所定の方法によって圧縮される。圧縮されたデータは、DRAM制御IC111を介して画像メモリー(DRAM)120に格納される。HDD119に格納する場合は、圧縮メモリー121に一旦格納したデータをDRAM制御IC111、コントローラーIC118を介してHDD119に送る。
【0063】
この他に画像データは、LAN3を介して画像形成装置10に入力されることもある。上記画像データとしては、例えば外部機器40などのアプリケーションプログラム等により生成されたものなどが挙げられる。画像データの生成方法は特に限定されるものではない。
該画像データは、LAN3、LANインターフェース165を介して画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160で受信され、DRAM制御IC161によって画像メモリー162に一旦格納される。画像メモリー162に格納されたデータは、PCIバス112を介してDRAM制御IC111に転送され、ページメモリー122に一旦格納される。ページメモリー122に格納されたデータは、DRAM制御IC111を介して圧縮/伸長IC117に送られて圧縮処理され、DRAM制御IC111を介して圧縮メモリー121に格納される。HDD119に格納する場合は、圧縮メモリー121に一旦格納したデータをDRAM制御IC111、コントローラーIC118を介してHDD119に送る。
【0064】
上記画像データの蓄積に際しては、画像データの蓄積前または蓄積後に出力設定がなされる。該出力設定は、前記操作表示部140に操作入力が可能な設定画面を表示して、操作者による操作入力によって行うことができる。また、初期設定において出力設定項目が選択されており、操作者による設定入力がなされない場合にも該初期設定によって出力設定がなされる。
【0065】
画像形成装置10で画像出力を行う場合、すなわち複写機やプリンターとして使用する場合、圧縮メモリー121に格納された画像データを、DRAM制御IC111を介して圧縮/伸長IC117に送出してデータを伸長し、伸長したデータを書き込み処理部123に送出し、帯電部で帯電した感光体11aへLD152によって書き込みを行う。なお、HDD119に格納された画像データを用いる場合は、HDD119に格納された画像データを、DRAM制御IC111を介して一旦、圧縮メモリー121に格納し、圧縮メモリー121に格納された画像データをDRAM制御IC111を介して圧縮/伸長IC117に送出してデータを伸長し、伸長したデータを上記と同様に書き込み処理部123に送出する。
【0066】
プリンター部150では、制御CPU113の指令を受けたプリンター制御部151によって各部の制御が行われる。画像形成部11では感光体11aに書き込まれた潜像が図示しない現像部でトナー像として現像され、該トナー像が図示しない転写部で搬送経路13によって供給される用紙に転写され、定着器15で定着がなされる。感光体11aでは、トナー像が用紙転写された後、図示しないクリーニング部によって残留トナーが除去される。
なお、この実施形態では、モノクロの画像形成を前提にして説明したが、各色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)毎に感光体等を備える画像形成装置としたものであってもよい。
【0067】
画像形成がなされた用紙は搬送経路13を経て中継装置20に搬送される。中継装置20では、搬送経路23を搬送される用紙上の出力画像の全部または一部が、インラインセンサー制御部250で制御されるインラインセンサー25で読み取られ、読み取られた画像データが制御CPU113に送信される。出力画像の読み取りは、設定された指示内容に従って行われる。設定内容は、不揮発メモリー115などに格納される。指示内容は初期設定されているものやユーザーによって設定されたものが考えられる。用紙は、設定に従って搬送経路23を搬送されて用紙スタック装置30へと搬送される。用紙スタック装置30では、設定に従って所定の後処理や所定のスタック部31、32へのスタックが行われる。
また設定により用紙スタック装置30から後処理装置40に用紙が搬送され、所定の後処理が行われて所定の排紙トレイ41、42に排紙される。
【0068】
なお、上記では、画像検出部が画像形成装置10の後段の装置に備えられるものについて説明したが、画像検出部が画像形成装置に備えられるものであってもよい。
図3は、画像検出部に相当するインラインセンサー25aが画像形成装置10aに備えられたものを示している。インラインセンサー25aは、インラインセンサー25と同様の構成とすることができる。
画像形成装置10aは、さらに後段に他の装置が接続されるものであってもよく、また、画像形成装置10aのみで構成されるものであってもよい。なお、前記した実施形態と同一の構成について同一の符号を付してその説明を省略または簡略にしている。
この実施形態では、定着器15の下流側であって、搬送経路13から反転搬送経路16が分岐する地点の上流側の搬送経路13にインラインセンサー25aが配置されており、用紙の表裏に画像を形成する場合、表裏の出力画像をインラインセンサー25aで読み取ることができる。
すなわち、定着器15を経た用紙を用紙反転経路16に導入し、反転部17で表裏を反転した後、搬送経路13に返流することで、用紙の裏面側に画像が形成され、その画像は、定着器15の下流側でインラインセンサー25aで読み取ることができる。そして、インラインセンサー25aの読み取り結果は、制御CPU113に送信される。
この形態では、定着器15を通過後、反転搬送経路16に至る前に読み取りを実施できるため、両面をインラインセンサーで読み取る目的のみで用紙を反転させる必要はない。
【0069】
上記画像形成システム1において、インラインセンサー25やインラインセンサー25aで画像を検出し、その画像の情報が制御CPU113に送信される。
画像の情報を取得した制御CPU113では、例えば、
図4に示すように、画像読み取り部などで取得した画像データを把握しており、この画像データとインラインセンサー25で検出した画像の情報とを比較して、ページ単位で用紙上に出力された画像が正常であるか、不良であるかを判定することができる。
図5は、不良と判定される事象の例を示すものであり、トナーこぼれや、色位置ズレ(Y/M/C/Kの各色毎)、転写ずれなどが挙げられる。これらの不良事象においてそれぞれ基準を定めておき、いずれかの項目で基準を外れるなどすると不良であると判定することができる。不良判定のための基準は、例えば不揮発メモリー115やHDD119に格納しておくことができる。
また、複数部数を出力するジョブでは、例えば
図6に示すように、インラインセンサー25で読み取った1部目のデータを記録して、インラインセンサー25で読み取った出力N部目のデータと比較して部単位で不良があるか否かを判定することができる。
【0070】
次に、不良判定がされた際に、排紙先を切り替える手順を
図7のフローチャートに基づいて説明する。以下の手順は制御CPU113によって制御される。
印刷の開始がされると通常の印刷処理が実行され(ステップs1)、画像形成された用紙(出力紙)の画像をインラインセンサーで読み取る(ステップs2)。次いで、読み取った画像データに基づいて当該用紙が不良ページであるかを判定する(ステップs3)。不良ページでないと判定される場合(ステップs3、No)、用紙を所定の排紙先に排紙するとともに、印刷完了かを判定し(ステップs8)、印刷完了でなければ(ステップs8、No)、ステップs1に戻って手順を繰り返し、印刷完了であれば(ステップs8、Yes)、処理を終了する。
【0071】
ステップs3で不良ページであると判定されると(ステップs3、Yes)、給紙トレイからの給紙処理を停止し(ステップs4)、不良ページとされた用紙と、その他の機内にある用紙とをヤレ紙として、不良判定直前の排紙先と同じ排紙先に排紙する(ステップs5)。
次いで、再印刷の開始ページを不良判定されたページに設定し(ステップs6)、排紙先を不良判定直前と異なる排紙先に変更し(ステップs7)、ステップs1に戻ってヤレ紙に対応するページとその後のページの印刷処理を実行する。
【0072】
上記手順により、再印刷がされた用紙およびそれ以降の印刷の用紙をそれ以前の排紙先とは異なる排紙先に行うことができる。その概略図を
図8に示す。当初の排紙先300には、正常な出力紙P0と、不良と判定された用紙YP1を含むヤレ紙YP2とが積載され、他の排紙先301に不良と判定されたページに対応する用紙P1とそれ以降のヤレ紙に対応するページの用紙P2とが再印刷されて積載され、それ以降のページの用紙P3がさらに印刷されて排紙先301に積載されている。ヤレ紙YP1、YP2は、排紙先の最上部に位置しており、任意のタイミングで容易に取り除くことができる。排紙先301への排紙中にも、排紙先300の操作が可能であれば、ヤレ紙を取り除くことができる。
なお、排紙先を変更した再印刷に際し、切り替えた排紙先が満杯になったことが検知されると、さらに他の排紙先に切り替えて再印刷を継続することができる。
【0073】
上記では、再印刷を自動的に行うものとして説明したが、直ちに再印刷をすることなく所定のタイミングで再印刷を行うようにしてもよい。例えば、オペレータの指示操作や所定時間の経過などによって再印刷を開始することができる。
また、再印刷前に、オペレータが不良ページを取り除いたことを操作部の釦押下などによって機械に通知することで、再印刷された用紙を不良判定前の排紙先に排紙するようにしてもよい。
さらに、不良ページ検出や不良ページが存在する排紙先情報、読み取った不良ページの画像データなどを操作部を表示したり、HDDなどに保存するようにしてもよい。
【0074】
次に、不良ページ検出後、区切りページまでをヤレ紙として排出する手順を
図9のフローチャートに基づいて説明する。以下の手順は制御CPU113によって制御される。
印刷の開始がされると通常の印刷処理が実行され(ステップs10)、画像形成された用紙(出力紙)の画像をインラインセンサーで読み取る(ステップs11)。次いで、読み取った画像データに基づいて当該用紙が不良ページであるかを判定する(ステップs12)。不良ページでないと判定される場合(ステップs12、No)、用紙を所定の排紙先に排紙するとともに、印刷完了かを判定し(ステップs16)、印刷完了でなければ(ステップs16、No)、ステップs10に戻って手順を繰り返し、印刷完了であれば(ステップs16、Yes)、処理を終了する。
【0075】
ステップs12で不良ページであると判定されると(ステップs12、Yes)、給紙を継続して区切りページまで印刷し、不良ページ判定直前の排紙先にヤレ紙として排紙する(ステップs13)。部区切りまでの印刷完了後、給紙を停止する。
次いで、再印刷の開始ページを不良判定されたページを含む区切りの最初のページに設定し(ステップs14)、排紙先を不良判定直前と異なる排紙先に変更し(ステップs15)、ステップs10に戻って、ヤレ紙に対応するページの再印刷とその後のページの印刷を継続するように印刷処理を実行する。
上記手順によれば、ヤレ紙を区切りまで印刷することで、ヤレ紙の最終ページを容易に確認することができる。なお、区切りとしては部の最終ページ、タブ区切りなどが例示される。
【0076】
なお、上記各手順では、ヤレ紙を不良判定直前の排紙先に排紙した後、別の排紙先に再印刷を行った用紙を排紙しているが、ヤレ紙の排紙先にヤレ紙に関する情報を含む用紙を排紙するようにしてもよい。
【0077】
次に、ヤレ紙の情報を含む用紙を排紙する手順を
図10のフローチャートに基づいて説明する。以下の手順は制御CPU113によって制御される。
印刷の開始がされると通常の印刷処理が実行され(ステップs20)、画像形成された用紙(出力紙)の画像をインラインセンサーで読み取る(ステップs21)。次いで、読み取った画像データに基づいて当該用紙が不良ページであるかを判定する(ステップs22)。不良ページでないと判定される場合(ステップs22、No)、用紙を所定の排紙先に排紙するとともに、印刷完了かを判定し(ステップs28)、印刷完了でなければ(ステップs28、No)、ステップs20に戻って手順を繰り返し、印刷完了であれば(ステップs28、Yes)、処理を終了する。
【0078】
ステップs22で不良ページであると判定されると(ステップs22、Yes)、給紙トレイからの給紙処理を停止し(ステップs23)、不良ページとされた用紙と、その他の機内にある用紙とをヤレ紙として、不良判定直前の排紙先と同じ排紙先に排紙する(ステップs24)。次いで、不良発生事象などのヤレ紙に関する情報を含むページを不良判定直前の排紙先に排紙する(ステップs25)。なお、ヤレ紙に関する情報を含むページとして情報が印刷された用紙としてもよく、また、該用紙には文章の情報を含まないものであってもよい。情報を印刷しない場合、色紙やタブ紙、それ以前に用いられた用紙とサイズ違い用紙を使用するなどしてもよい。また、情報の印刷とともに色紙やタブ紙、サイズ違いの用紙を使用するようにしてもよい。
次いで、再印刷の開始ページを不良判定されたページに設定し(ステップs26)、排紙先を不良判定直前と異なる排紙先に変更し(ステップs27)、ステップs20に戻ってヤレ紙に対応するページの再印刷とその後のページの印刷を継続するように印刷処理を実行する。
【0079】
図11(a)は、排紙先の切り替えと情報を含む用紙の排紙とを説明する概略図である。不良判定直前まで使用された排紙先300には正常な出力紙P0と不良判定されたヤレ紙YP1とその後のページのヤレ紙YP2が排紙されて積載され、さらにヤレ紙に関する情報も含む用紙PIがその上部に排紙される。再印刷された用紙P1、P2とその後のページの用紙P3は別の排紙先に排紙されて積載される。
図11(b)は、ヤレ紙に関する情報が印刷された用紙PIの一例を示すものである。用紙PIには、不良ページが検出されたことが示され、さらにヤレ紙の範囲と再印刷用紙の排紙先が示されている。上記情報により、ヤレ紙の取り除きを一層容易にする。
【0080】
上記各手順では、排紙先を2箇所で切り替えるものについて説明したが、3カ所以上の排紙先を切り替えるようにして排紙することもできる。
以下に、3カ所の排紙先切替を行う例を
図12に基づいて説明する。
この例では、上記各手順と同様に、正常紙P0とヤレ紙(YP1、YP2)とを同じ排紙先300に排紙し、所望によりヤレ紙の情報を含む用紙PIをさらに同じ排紙先300に排紙することができる。再印刷以降では、ヤレ紙に対応するページの用紙(P1+P2)を排紙先300とは別の排紙先301に排紙し、さらに、ヤレ紙よりも後のページの用紙P3を排紙先300および排紙先301とは別の排紙先302に排紙する。
上記によれば、ヤレ紙に関わる再印刷の用紙を容易に確認することができる。
【0081】
以上、本発明について上記各実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は、上記実施形態の説明内容に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。