(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、周期的に測定された前記連続用紙の用紙位置が、連続して同一の方向側に変化している場合、所定の周期毎の用紙位置に関する変化量の平均値から前記連続用紙の用紙位置を予測し、予測された前記用紙位置に基づいて前記画像形成における主走査方向の画像形成位置を定めることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
前記制御部は、周期的に測定された前記連続用紙の用紙位置が、連続して同一の方向側に変化していない場合、現在の用紙位置を画像形成時の用紙位置として前記画像形成における主走査方向の画像形成位置を定めることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
前記制御部は、周期的に測定された前記連続用紙の用紙位置が、周期的に用紙ずれ方向を変えて変化している場合、連続して同じ方向に変化する搬送距離または用紙位置の変化量の平均値から、連続用紙の用紙位置が変化するタイミングを予測することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、通紙交差方向に対する連続用紙の用紙位置として、前記用紙位置測定部で複数回測定した平均を用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記用紙搬送部により搬送される連続用紙の交換時に、前記記憶部で記憶された、連続用紙の用紙位置に関するデータをクリアすることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記搬送動作停止時の片寄り補正によって前記連続用紙の用紙位置を移動させた場合、前記記憶部に記憶された、前記連続用紙の用紙位置に関するデータをクリアすることを特徴とする請求項8または9に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記搬送動作中に、主走査方向における描画ライン毎に前記用紙位置測定部によって用紙位置に関する測定データを測定するとともに、測定された描画ラインを基準とする所定の検出周期内における前記測定データを平均化し、前記描画ライン毎に平均化した前記測定データに応じて前記画像形成における主走査方向の画像形成位置を定めることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、一つの描画ラインを基準として平均化した前記測定データが所定の基準値を超える場合、異常と判定することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記異常判定で機械動作の停止、ユーザーへの警告通知、搬送停止による用紙の片寄り補正の少なくとも1以上を行うことを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
前記用紙位置測定部は、連続用紙の搬送動作停止時は、搬送路上の前記連続用紙の通紙交差方向の用紙位置を測定し、測定結果に応じて、前記用紙を通紙交差方向の所定位置に移動させるとともに画像形成における主走査方向の画像形成位置を定めることを特徴とする請求項14に記載の画像形成方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の画像形成装置では、データの出図後に発生したロール用紙ずれは考慮されていない為、搬送中に用紙位置が変化した場合には画像描画位置がずれてしまうおそれがある。また、特許文献2に記載の画像形成装置では、カット紙を対象としている為、搬送路の全ての圧着を解除しなければ用紙位置を変更することができず、ロール紙を用いる場合には、用紙搬送中に圧着を解除すると搬送が困難になることからロール紙に適用することができない。また、特許文献3に記載の画像記録装置では、用紙搬送中に位置ずれを補正するために、特別な機構が必要であり、コストがかかる。
【0006】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、用紙給紙時の主走査方向の用紙ずれによる画像位置ずれを防止し、用紙搬送中に生じた用紙位置の変化をリアルタイムで補正し、前記補正結果に応じた適正な処理を行うことを可能にした画像形成装置と画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の画像形成装置のうち、第1の本発明は、連続用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記連続用紙を搬送路を通して搬送する用紙搬送部と、
前記搬送路上の前記連続用紙を通紙交差方向に移動させて前記連続用紙の片寄りを補正する片寄り補正部と、
前記搬送路上の前記連続用紙の通紙交差方向の用紙位置を測定する用紙位置測定部と、
前記画像形成および前記片寄り補正部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記用紙搬送部による搬送動作停止時は、前記用紙位置測定部の測定結果を受け、該測定結果に応じて、前記片寄り補正部による片寄り補正により前記用紙を通紙交差方向の所定位置に移動させ、前記用紙搬送部による搬送動作中は、前記用紙位置測定部の測定結果を受け、該測定結果に応じて、前記画像形成における主走査方向の画像形成位置を定めることを特徴とする。
【0008】
上記本発明によれば、ロール紙などの連続した用紙を用いる場合でも、主走査方向用紙ずれに対する画像位置補正を、給紙動作停止時は、用紙位置の補正により実施し、給紙動作中は、描画位置の補正により実施するので、搬送停止時および搬送時にそれぞれ用紙に対し画像ずれを生じることなく正確な画像形成を行うことができる。画像停止時の用紙位置の補正は、その後、搬送中に用紙位置がずれた場合にも画像形成位置の修正量を小さくして補正の適用範囲を広くすることができる。
【0009】
第2の本発明の画像形成装置は、前記第1の本発明において、前記用紙搬送部は、前記搬送動作に際し前記連続用紙を圧着して搬送する圧着搬送部が圧着解除可能に設けられており、
前記制御部は、前記搬送停止時に、片寄り補正に際し、前記圧着搬送部の圧着を解除する制御を行うことを特徴とする。
【0010】
上記本発明によれば、搬送動作中でも圧着搬送部の圧着を解除可能にすることで、片寄り補正部によって用紙位置補正を実施するすることができる。
【0011】
第3の本発明の画像形成装置は、前記第1または第2の本発明において、前記用紙位置測定部は、通紙交差方向に対する連続用紙の用紙位置を周期的に測定可能であり、
前記制御部は、前記連続用紙の前記搬送動作中に周期的に測定された用紙位置の変化特性から画像形成時の用紙位置を予測し、予測された前記用紙位置に基づいて前記画像形成における主走査方向の画像形成位置を定めることを特徴とする。
【0012】
第4の本発明の画像形成装置は、前記第3の本発明において、前記制御部は、周期的に測定された前記連続用紙の用紙位置が、連続して同一の方向側に変化している場合、所定の周期毎の用紙位置に関する変化量の平均値から前記連続用紙の用紙位置を予測し、予測された前記用紙位置に基づいて前記画像形成における主走査方向の画像形成位置を定めることを特徴とする。
【0013】
第5の本発明の画像形成装置は、前記第3の本発明において、前記制御部は、周期的に測定された前記連続用紙の用紙位置が、連続して同一の方向側に変化していない場合、現在の用紙位置を画像形成時の用紙位置として前記画像形成における主走査方向の画像形成位置を定めることを特徴とする。
【0014】
第6の本発明の画像形成装置は、前記第3〜第5の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、周期的に測定された前記連続用紙の用紙位置が、周期的に用紙ずれ方向を変えて変化している場合、連続して同じ方向に変化する搬送距離または用紙位置の変化量の平均値から、連続用紙の用紙位置が変化するタイミングを予測することを特徴とする。
【0015】
上記各本発明によれば、周期的に変化する用紙のずれ量を予測し、画像形成位置の補正を行うことができる。連続紙は歪みなどにより蛇行して給紙される場合があるため、ある決まった周期で変化方向が切り替わることが多いと考えられる。
【0016】
第7の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第6の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、通紙交差方向に対する連続用紙の用紙位置として、前記用紙位置測定部で複数回測定した平均を用いることを特徴とする。
【0017】
第8の本発明の画像形成装置は、前記第3〜第7の本発明のいずれかにおいて、前記用紙位置測定部によって測定された用紙位置に関するデータを記憶する記憶部を備えることを特徴とする。
【0018】
第9の本発明の画像形成装置は、前記第8の本発明において、前記制御部は、前記用紙搬送部により搬送される連続用紙の交換時に、前記記憶部で記憶された、連続用紙の用紙位置に関するデータをクリアすることを特徴とする。
【0019】
第10の本発明の画像形成装置は、前記第8または第9の本発明において、前記制御部は、前記搬送動作停止時の片寄り補正によって前記連続用紙の用紙位置を移動させた場合、前記記憶部に記憶された、前記連続用紙の用紙位置に関するデータをクリアすることを特徴とする。
【0020】
上記各本発明によれば、連続用紙を交換したり、片寄り補正によって用紙位置を移動させた場合、用紙ずれの傾向が変わるため、それまでの用紙ずれの傾向を示すデータを削除して、その後のデータを利用して正確な位置予測を行うことができる。
【0021】
第11の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第10の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記搬送動作中に、主走査方向における描画ライン毎に前記用紙位置測定部によって用紙位置に関する測定データを測定するとともに、測定された描画ラインを基準とする所定の検出周期内における前記測定データを平均化し、前記描画ライン毎に平均化した前記測定データに応じて前記画像形成における主走査方向の画像形成位置を定めることを特徴とする。
【0022】
上記本発明によれば、ライン毎に画像形成位置の補正を行うことで、画像形成位置の補正を速やかに実施して用紙上の適正な位置に画像形成を行うことができる。
【0023】
第12の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第11の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、一つの描画ラインを基準として平均化した前記測定データが所定の基準値を超える場合、異常と判定することを特徴とする。
【0024】
第13の本発明の画像形成装置は、前記第12の本発明において、前記制御部は、前記異常判定で機械動作の停止、ユーザーへの警告通知、搬送停止による用紙の片寄り補正の少なくとも1以上を行うことを特徴とする。
【0025】
上記本発明によれば、用紙のずれが所定の基準値を超えた場合、異常と判定し、印刷動作の停止、ユーザーへの警告通知、搬送停止による用紙の片寄り補正の少なくとも1以上を行い、不具合の発生防止や回復処理を実施することができる。例えば、機械動作を停止し圧着を解除して片寄り補正を実施することで、紙詰まりなどが発生するのを未然に回避して良好な印刷動作を速やかに再実施することができる。
【0026】
第14の本発明の画像形成方法は、連続用紙に画像を形成する画像形成方法において、連続用紙の搬送動作停止時は、搬送路上の前記連続用紙の通紙交差方向の用紙位置を測定し、測定結果に応じて、前記用紙を通紙交差方向の所定位置に移動させ、搬送動作中は、搬送路上の前記連続用紙の通紙交差方向の用紙位置を測定し、測定結果に応じて、画像形成における主走査方向の画像形成位置を定めることを特徴とする。
【0027】
上記本発明によれば、ロール紙などの連続用紙を用いる場合でも、主走査方向用紙ずれに対する補正を、搬送動作停止時は、用紙位置の補正により実施し、搬送動作中は、描画位置の補正により実施できるので、用紙に対し良好な画像形成を行うことができる。
【0028】
第15の本発明の画像形成装置は、前記第14の本発明において、前記用紙位置測定部は、連続用紙の搬送動作停止時は、搬送路上の前記連続用紙の通紙交差方向の用紙位置を測定し、測定結果に応じて、前記用紙を通紙交差方向の所定位置に移動させるとともに画像形成における主走査方向の画像形成位置を定めることを特徴とする。
【0029】
第16の本発明の画像形成装置は、前記第14または第15の本発明において、前記用紙位置測定部は、通紙交差方向に対する連続用紙の用紙位置を周期的に測定可能であり、
前記制御部は、前記連続用紙の搬送動作中に周期的に測定された用紙位置の変化特性から画像形成時の用紙位置を予測し、予測された前記用紙位置に基づいて前記画像形成における主走査方向の画像形成位置を定めることを特徴とする。
【0030】
上記本発明によれば、画像形成時の用紙位置を画像形成開始前に予測して描画位置を補正することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように、本発明によれば、ロール紙などの連続した用紙に画像形成を行う場合に、給紙動作停止時および給紙動作中のどちらの状況でも位置補正を行うことが可能となり、用紙上に良好な位置精度で画像を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明の一実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態における画像形成装置を示すものである。
画像形成装置1は、装置本体1Aを備え、装置本体1Aの前段側には給紙調整部300が接続され、給紙調整部300の前段側に給紙部200が接続されている。また、装置本体1Aの用紙排出側には排紙調整部400が接続され、排紙調整部400の用紙排出側には加工部500が接続され、加工部500の排出側には排紙部600が接続されている。
なお、この実施形態では、装置本体1Aと、装置本体1Aに接続された装置とによって画像形成装置1が構成されているものとして説明したが、装置本体1Aに接続される装置の種別や数が特に限定されるものではなく、また、装置本体1Aのみによって画像形成装置が構成されているものであってもよい。
【0034】
給紙部200は、連続用紙としてのロール紙を収納、保持し、給紙する機能を有する。給紙調整部300は、給紙部200と装置本体1Aとの間の微小な速度差および寄りを吸収するためのバッファ機能を有する。排紙調整部400は、加工部500とプリンタの間の微小な速度差および寄りを吸収する為のバッファ機能を有する。加工部500は、ロール紙に対し形状の切り抜きやラミネート加工等の後処理を行う機能を有する。排紙部600は、排紙したロール紙を保持する機能を有する。
なお、この実施形態では、連続用紙としてロール紙を使用しているが、連続用紙がロール紙に限定されるものではなく、用紙が連続しているものであればよく、連続伝票用紙、連続帳票用紙なども含まれる。連続用紙はロール紙の形態で提供されるものでもよく、また、交互に畳まれた形態のものであってもよい。
【0035】
画像形成装置1は、用紙に画像を形成する画像形成部100を装置本体内に有しており、装置本体1A上部には、操作者の操作を受けるとともに、情報を表示する操作表示部140を有している。操作表示部140は、操作を行う操作部と表示を行う表示部とが別体で構成されていてもよく、タッチパネルLCDなどのように操作部と表示部とが一体に構成されているものであってもよい。
【0036】
また、画像形成装置1の装置本体1A上には、原稿を自動的に読み込む自動原稿給送装置を含む原稿読み取り部30を有しており、原稿読み取り部30によって原稿の画像が読み取られ、一旦、図示しない画像メモリーなどに記録される。読み取られた画像は、画像形成部100による画像の形成に用いられる。
【0037】
画像形成部100では、各色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなど)用にそれぞれ用意された感光体を有し、各感光体の周線部に図示しない帯電器、書き込み部および現像ユニットが配設されていている。帯電器によって帯電した感光体表面は、画像メモリーなどに記録された原稿の画像情報に基づいて、LDなどの書き込み部により像露光が行われ、感光体表面には潜像が形成される。潜像は現像ユニットによって現像がなされてトナー像となる。トナー像は、中間転写ベルト16に転写され、中間転写ベルト16の画像は、搬送路22で搬送されて二次転写ローラ18で圧着されつつ搬送される用紙に転写される。
【0038】
また、画像形成部100では、各感光体に対応して、中間転写ベルト16との接触位置よりも回転方向側かつ帯電器よりも回転方向逆側で、各感光体に接触して残留トナーを除去する図示しないクリーニング部が配置されている。また、中間転写ベルト16の用紙転写位置よりも回転方向側かつ各感光体との転写位置よりも回転方向逆側に、該中間転写ベルト16の残留トナーを除去する図示しない他のクリーニング部が配置されている。
なお、上記した各感光体は、図示しない駆動モータによって回転駆動され、中間転写ベルト16も同じく図示しない駆動モータによって回転駆動される。
【0039】
画像形成装置1は、給紙部200から給紙調整部300、画像形成部100に至り、さらに画像形成部100から排紙調整部400に至る搬送路22を有している。
搬送路22は、用紙を給紙、搬送するものであり、本発明の用紙搬送部の一部を構成する。搬送路22では、各給紙部200に収容されているロール紙が給紙され、搬送ローラ40、レジストローラ20を経て、二次転写ローラ18にロール紙が搬送される。
画像が転写された用紙は、定着部50で定着ローラ10で圧着されて搬送されつつ熱と圧力とを加えることにより用紙上のトナー像が定着され、片面モードのフェイスアップで装置外に排出される。
なお、搬送ローラ40、レジストローラ20、二次転写ローラ18は、本発明の圧着搬送部の一部を構成しており、ロール紙に対する圧着搬送および圧着の解除が可能になっており、制御部により圧着、解除が制御される。
【0040】
また、搬送路22には、二次転写ローラ18の搬送方向手前側にレジスト部が設けられており、レジスト部は上下に対となるレジストローラ20で構成されている。搬送路22上におけるレジストローラ20の下流側近傍にラインセンサ25が配置されている。なお、ラインセンサ25の設置位置はこれに限定されるものではなく、用紙搬送路の適宜箇所に設置され、複数が設置されるものであってもよい。
【0041】
また、画像形成装置1は、排紙調整部400から加工部500に至り、さらに加工部500から排紙部600に至る搬送路23を有している。搬送路23は、本発明の用紙搬送部の一部を構成している。排紙調整部400は、装置本体1Aと加工部500との間でロール紙の微小な速度差や寄りを吸収するためのバッファ機構を有している。給紙調整部300および排紙調整部400は、給紙部200と排紙部600との間でロール紙の微小な速度差や寄りを吸収するためのバッファ機構を構成する。
【0042】
次に、
図2は、本発明の画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。以下に説明する。
画像形成装置1は、主要な構成として、制御ブロック部110とスキャナー部130と操作表示部140とプリンター部150とを有するコピア本体と、LANを通して外部機器(例えば端末(PC)2)との間で入出力される画像データーを処理する画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160とを備えている。
【0043】
制御ブロック部110はPCIバス112を有しており、PCIバス112は制御ブロック部110内でDRAM制御IC111に接続されている。また、制御ブロック部110には、制御CPU113を備えており、該制御CPU113に前記DRAM制御IC111が接続されている。また、制御CPU113には、不揮発メモリー115が接続されている。該不揮発メモリー115には、上記制御CPU113を動作させるためのプログラムや画像形成装置1の設定データー、プロセス制御パラメーター等、用紙の紙特性による片寄り補正調整量の設定データーなどが格納されている。
制御CPU113は、画像形成装置1の全体を制御し、また画像形成装置全体の状態把握を行うものであり、画像形成制御、片寄り補正制御などを行う。すなわち、制御CPU113は、本発明の制御部の一部として機能する。
【0044】
前記スキャナー部130は、光学読み取りを行うCCD131と、スキャナー部130全体の制御を行うスキャナー制御部132とを備えている。スキャナー制御部132は、前記制御CPU113とシリアル通信可能に接続されており、制御CPU113による制御を受ける。なお、スキャナー制御部132は、CPUやこれを動作させるプログラムなどによって構成することができる。前記CCD131で読み取った画像データーは、読み取り処理部116でデーター処理がなされる。
【0045】
前記操作表示部140は、タッチパネル式のLCD141と、操作部制御部142とを備えており、上記LCD141と操作部制御部142とが接続され、該操作部制御部142と前記制御CPU113とがシリアル通信可能に接続されている。該構成によって操作表示部140の制御が制御CPU113によって行われる。なお、操作部制御部142は、CPUやこれを動作させるプログラムなどによって構成することができる。操作表示部140では、画像形成装置における設定や動作指令などの動作制御条件の入力が可能となっており、さらに設定内容、機械状態、情報の表示等が可能になっており、上記制御CPU113により制御される。この操作表示部140によって、所定の操作などを行うことができる。
【0046】
また、DRAM制御IC111は、圧縮メモリー121とページメモリー122とからなる画像メモリー120に接続されている。該画像メモリーには、前記スキャナー部130で取得した画像データーやLAN3を通して取得した画像データーが格納される。上記のように画像メモリーは、画像データーの記憶領域であり、印刷するジョブの画像データーを格納する。また、上記DRAM制御IC111によって複数のジョブに関する画像データーを画像メモリーに記憶させることができる。すなわち、画像メモリーには予約されたジョブの画像データーの格納も可能である。
【0047】
DRAM制御IC111には、圧縮された画像データーを圧縮または伸長する圧縮/伸長IC117が接続されている。さらにDRAM制御IC111には書き込み処理部123が接続されている。該書き込み処理部123は、プリンター部150のLD152に接続され、該LD152の動作に用いられるデーターの処理を行う。また、プリンター部150は、プリンター部150の全体を制御するプリンター制御部151を備えており、該プリンター制御部151は、前記した制御CPU113に接続されて制御を受ける。すなわち、制御IC113から与えられるパラメーターに従い、プリント動作の開始/停止を行う。プリンター部150には、前記した画像形成部100、レジストローラ20が含まれており、制御CPU113によってその動作の制御がなされる。
【0048】
また、前記DRAM制御IC111に接続された前記PCIバス112には、前記した画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160のDRAM制御IC161が接続されている。画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160では、DRAM制御IC161に画像メモリー162が接続されている。また、画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160では、前記DRAM制御IC161にコントローラー制御部163が接続されており、DRAM制御IC161に、LAN制御部164、LANインターフェース165が接続されている。LANインターフェース165は、前記LAN3に接続されている。
【0049】
次に、上記画像形成装置1の基本的動作について説明する。
先ず、画像形成装置1において画像データーを蓄積する手順について説明する。
スキャナー部130で原稿の画像を読み取り、画像データーを生成する場合、スキャナー部130において原稿からCCD131により原稿の画像を光学的に読み取る。この際には、制御CPU113から指令を受けるスキャナー制御部132によってCCD131の動作制御を行う。CCD131で読み取られた画像は、読み取り処理部116でデーター処理がなされ、データー処理された画像データーは、圧縮/伸長IC117において所定の方法によって圧縮され、DRAM制御IC111を介して圧縮メモリー121に格納される。圧縮メモリー121に格納された画像データーは、制御CPU113によってジョブとして管理することができる。
【0050】
画像データーを外部から取得する場合、例えば、端末(PC)2からLAN3を通して送信される画像データーは、LANインターフェース165、LAN制御部164を介してDRAM制御IC161により画像メモリー162に格納される。画像メモリー162のデーターは、DRAM制御IC161、PCIバス112、DRAM制御IC111を介してページメモリー122に一旦格納される。ページメモリー122に格納されたデーターは、DRAM制御IC111を介して圧縮/伸長IC117に順次送られて圧縮処理され、DRAM制御IC111を介して圧縮メモリー121に格納され、上記と同様に制御CPU113による管理がなされる。
画像形成装置1で画像出力を行う場合、すなわち複写機やプリンターとして使用する場合、圧縮メモリー121に格納された画像データーをDRAM制御IC111を介して圧縮/伸長IC117に送出してデーターを伸長し、伸長したデーターを書き込み処理部123に送出し、LD152において各感光体への書き込みを行う。
【0051】
また、プリンター部150では、制御CPU113の指令を受けたプリンター制御部151によって各部の制御が行われる。画像形成部100では各感光体に書き込まれたトナー像が中間転写ベルト16に転写された後、給紙部200によって供給されるロール紙に転写され、定着部50で定着がなされる。画像形成がなされた用紙は、定着搬送ローラを経て搬送路23によって排紙調整部400へと搬送され、さらに下流側の加工部500で後処理がなされる。複数の予約ジョブがある場合、上記画像出力が設定順番に従って順次行われる。加工部500を経たロール紙は、排紙部600でロールに巻き取られる。
また、各感光体では、中間転写ベルト16にトナー像が転写された後、各クリーニング部によって残留トナーが除去される。また、中間転写ベルト16においても同様に、用紙にトナー像が転写された後、クリーニング部によって残留トナーが除去される。
【0052】
次に、搬送路22上におけるレジストローラ20近傍の構成を説明する。
レジストローラ20では、搬送路22を搬送されるロール紙の先端を当ててループを形成することで用紙の斜行を修正する。この際にレジストローラ20のすぐ下流側にあるラインセンサ25で用紙の位置を読み取る。レジストローラ20でのループ作成完了後、中間転写ベルト16上の画像に合わせてレジストローラ20を搬送方向に回転駆動し、ロール紙を二次転写ローラ18側へ搬送する。また、レジストローラ20は、搬送停止時に圧着搬送部による圧着を解除して、ロール紙を挟んで用紙を主走査方向(通紙交差方向)に移動(揺動)させることができる。したがって、レジストローラ20は、本発明の片寄り補正部を構成する。レジストローラ20の揺動は、制御CPU113で制御される。
ただし、本発明としては片寄り補正部の構成がレジストローラ20に限定されるものではない。
【0053】
図3では、レジストローラ20は、中心20aが基準位置HPに位置している。
また、レジストローラ20の搬送方向直後には、主走査方向に沿ってCCDセンサなどで構成されるラインセンサ25が配置されている。ラインセンサ25は、ロール紙Pの通紙交差方向端部位置を読み取り、その結果が制御CPU113に送信され、一旦、不揮発メモリー115またはHDD119等に記憶される。ラインセンサ25は、この実施形態では用紙位置測定部に相当し、不揮発メモリー115やHDD119は、用紙位置の測定結果を格納する記憶部に相当する。
【0054】
なお、
図3は、レジストローラ20に達したロール紙Pが、基準位置HPに対し片寄り量xで片寄りが生じている状態を示している。
ラインセンサ25では、上記のように搬送されるロール紙Pの搬送方向に沿った用紙端が測定され、制御CPU113に測定結果が送信される。制御CPU113では、給紙の際に所定のサイズの用紙を選択しており、搬送中の用紙のサイズは把握されている。そして、制御CPU113は、上記用紙サイズとラインセンサ25による測定結果とからロール紙中心P0の位置を判定する。また、制御CPU113では、中間転写ベルト16上に作像している画像中心G0を設定しており、この例では、画像中心G0は中間転写ベルト16のセンターラインに一致している。制御CPU113では前記ロール紙中心P0と前記画像中心G0との差分を算出する。この差分が用紙の片寄り量xになっている。
【0055】
図4(a)は、ロール紙Pの片寄り量xを補正した状態を示している。
画像形成装置では、制御CPU113において、上記片寄り量xに基づいて、ロール紙中心P0が画像中心G0に揃うようにレジストローラ20の揺動量−xを決定し、その後、決定した揺動量−xだけレジストローラ20を基準位置HPから揺動させてロール紙Pを補正量−xだけ移動させる。これにより画像中心G0とロール紙中心P0とが合致し、レジストローラ20で送られる用紙が二次転写ローラ18へ送り込まれる。こうすることで、ロール紙Pの主走査方向の片寄りを補正し、画像位置に合わせることができる。また、上記揺動により、レジストローラ20の中心20aは、基準位置HPから距離−xを隔てて位置している。
なお、上記説明では、画像中心G0が中間転写ベルト16のセンターラインに一致するものとして説明したが、該センターラインと異なる位置に画像中心G0を設定するものであってもよい。
なお、上記基準位置HPは、予め機械設定として設定されているものであってもよく、装置の稼動後、設定されるものであってもよい。
【0056】
図4(b)は、画像形成位置を補正量xで補正した状態を示している。
画像形成装置では、制御CPU113において、上記片寄り量xに基づいて、ロール紙中心P0が画像中心G0に揃うように、補正量xで画像形成位置を移動させる。これにより画像中心G0とロール紙中心P0とが合致する。こうすることで、ロール紙Pの主走査方向の片寄りに対応して画像位置を用紙の位置に合わせることができる。
【0057】
次に、用紙主走査方向の片寄り補正の制御手順を
図5に示すフローチャートに基づいて説明する。以下の手順は、制御CPU113の動作によって実行される。
プリント動作を開始すると、搬送路22、23上での圧着搬送部による用紙の圧着を全て解除し(ステップs1)、用紙位置を修正できる状態にした上で、ラインセンサ25によって現在の用紙のずれ量を測定し、ずれ量に応じてレジストローラ20を遥動させ、用紙の位置を補正する(ステップs2)。この際に、片寄りの傾向などによって用紙位置の基準位置を校正するようにしてもよい。
この例では、一度のみの補正を行うものとして説明したが、補正後に再度ずれ量を測定し補正を実施するという動作を複数回繰り返すようにしてもよい。
また、補正の実施のタイミングは、プリント開始時に毎回行ってもよいが、プリント開始時に毎回行うのではなく、ロール交換後や異常停止時のみ等に限定するようにしてもよい。用紙位置をレジストローラにより補正した場合、ロール紙ずれ量の変化特性が変わるため、位置予測用の用紙位置蓄積データを初期化する。
次に、HDD119などに格納された用紙位置座標の履歴を全削除し、変動周期=最大値、用紙サイズ=給紙されたロール紙サイズ、周期カウンタ=0、及び、特性値=特性なしに設定する(ステップs3)。ステップs3後に、搬送路22、23上での圧着搬送部による用紙の圧着を有効にし(ステップs4)、ロール用紙の給紙動作を開始する(ステップs5)。
【0058】
給紙動作開始後、用紙搬送中は一定の周期毎に現在の用紙位置を測定し、該測定結果を元に次回の転写タイミングにおける用紙位置予測を実施する(ステップs6)。前記用紙位置測定の周期の基準としては、時間、搬送距離等が考えられる。次に、画像形成開始のタイミングであるか否かの判定を行い(ステップs7)、画像形成開始のタイミングでなければ(ステップs7、No)、ステップs8のプリント完了かの判定ステップに進む。画像形成開始のタイミングであれば(ステップs7、Yes)、用紙位置予測の結果を画像書き出し位置に反映させて現像を開始し(ステップs10)、現像が完了していれば(ステップs11、Yes)、転写のタイミングかどうかの判定を行う(ステップs12)。現像が完了していなければ、現像が完了するまで待機する(ステップs11、No)。転写のタイミングであれば(ステップs12、Yes)、現像した画像を用紙に転写し(ステップs13)、プリント完了か否かの判定を行う(ステップs8)。転写のタイミングでなければ、転写のタイミングまで待機する(ステップs12、No)。
【0059】
プリント完了かの判定で、プリント完了であると判定されると(ステップs8、Yes)、プリント動作を終了し、プリント完了でなければ(ステップs8、No)、前回の用紙位置測定から一定周期経過したかの判定を行う(ステップs9)。前回の用紙位置測定から一定周期経過していれば(ステップs9、Yes)、ステップs6に戻り、用紙位置予測を実施する。前回の用紙位置測定から一定周期経過していなければ(ステップs9、No)、ステップs7に移行し、画像形成タイミングかの判定を行う。
【0060】
前記用紙位置蓄積データの構成を
図6に基づいて説明する。用紙位置蓄積データは不揮発メモリー115、HDD119等に記憶される。
用紙位置蓄積データは、ヘッダ部として、測定位置データの先頭要素へのポインタ、用紙サイズ、周期カウンタ、変動周期、及び、特性値のデータを有する。各構成について下記に説明する。
【0061】
<ヘッダ部>
(測定位置データ先頭要素へのポインタ)
リスト構造の先頭要素のアドレスを格納するポインタである。初期値として、データ無しを示す空ポインタが設定される。
(用紙サイズ)
用紙の端面位置の測定結果から、ずれ量を計算する際に基準とする用紙サイズを示す。初期値として、ユーザーが入力したロール紙サイズが設定される。
(周期カウンタ)
ずれ方向が継続的に同一方向へ変化している際、特性が変わるまでのカウント数を管理する値を示す。初期値として、0が設定される。
図6に示す周期カウンタでは、手前方向/奥方向でカウンタ・変動周期を区別していないが、それぞれ個別にパラメータを持たせ、異なる変動周期として管理する構成とすることもできる。
(変動周期)
前回の継続的変化の特性がどれくらいの周期で別の特性に変わったかを管理する値を示す。主に、前回の変動周期で予測を実施しているが、直近M回の平均値で予測をする。極端に他のデータと異なる変動周期を除外する等の構成とすることもできる。初期値として、システムが取りうる最大値が設定される。
(特性値)
特性値としては、継続的に同一方向へ変化していることを示す「継続変化中」とそれ以外の「特性無し」の2つのステータスを持つ。「手前方向への継続変化中」と「奥方向への継続変化中」でステータスを分ける構成とすることもできる。初期値として、「特性無し」のステータスが設定される。
【0062】
測定位置データでの各要素の測定位置データ部では、次要素へのポインタ、要素番号、奥側端面位置座標、及び、手前側端面位置座標を有する。各要素について下記に説明する。
【0063】
<測定位置データ部>
(次要素へのポインタ)
次の測定結果データ要素へのポインタを示す。次データがない場合は空ポインタとなる。
(要素番号)
データ要素の通し番号を示す。
(奥側端面位置座標)
測定した奥側の端面位置を示す。
(手前側端面位置座標)
測定した手前側の端面位置を示す。
【0064】
前記片寄り補正の手順で、現在の用紙位置を測定し、該測定結果を元に次回の転写タイミングにおける用紙位置予測を行う転写時用紙位置予測手順の詳細を
図7に示すフローチャートに基づいて説明する。以下の手順は、制御CPU113の動作によって実行される。
【0065】
ラインセンサ25により、現在の用紙位置座標を読み取り、不揮発メモリー115やHDD119に格納されている用紙位置蓄積データに先頭要素として座標データを追加する(ステップs21)。
【0066】
次に、用紙位置蓄積データの数がN個以上であるかを判定する。Nの数値は予め設定して不揮発メモリー115などに格納しておく。機械設定として当初から設定されていてもよく、また、操作者が操作表示部140を通して設定できるようにしてもよい。データ数がNに達しない場合、特性が取得できず、予測精度が低くなるため、現在の位置を転写時の用紙位置として補正することができる。Nの数値としては、変動を見るための蓄積データ数として好適な適宜の数値を設定することができる。
データ数がN以上となるまでは、画像の形成を実施しないようにしたり、過去のデータ/手動登録データに基づいて予測をするなどしたりすることもできる。
【0067】
用紙位置蓄積データの数がN個以上であれば(ステップs22、Yes)、直近のN−1回の用紙位置座標が、前回のデータよりも大きいか否かの判定に進む(ステップs23)。この際に、奥側端面位置座標および手前側端面位置座標の全てで前回のデータよりも大きいかにより判定するのが望ましい。用紙位置蓄積データの数がN個以上でなければ(ステップs22、No)、現在の用紙位置を画像転写時の用紙位置として補正値に設定し(ステップs32)、周期カウンタに1を足し(ステップs33)、次回転写時の用紙位置予測を終了する。
【0068】
ステップs23で、直近のN−1回の用紙位置座標が、全て前回のデータよりも大きいか小さい場合(ステップs23、Yes)、常に一定方向に座標が変化していると判定することができる。なお、用紙位置の測定に際し、ラインセンサ25のばらつきや誤差を考慮して、一回の測定値によって用紙位置を判定するのではなく、M回(N>M)の測定値の平均で用紙位置を算出するようにしてもよい。これにより極端に傾向が異なるデータを除外することができる。なお、この場合、測定値の一部で一定方向とならない変化(増加や減少)が生じていても、測定値の平均で一定方向の変化が生じていれば、一定方向の変化があると判定することができる。
【0069】
次に、周期カウンタの値が変動周期値を超えているか否かの判定を行う(ステップs26)。ロール紙は歪みなどにより蛇行して給紙される場合があるため、ある決まった周期で変化方向が切り替わると考えられる。このため、継続的に同じ方向に変化している場合でも、周期カウンタの値が変動周期値を超えていれば(ステップs26、Yes)、特性値が「特性なし」となることが予測されるため、現在の用紙位置を画像転写時の用紙位置として補正値に設定し(ステップs32)、周期カウンタに1を足し(ステップs33)、次回転写時の用紙位置予測を終了する。
【0070】
ステップs26で、周期カウンタの値が変動周期値を超えていなければ(ステップs26、No)、移動量に対するずれ量の増加量を、(最新の用紙位置座標−N回前の位置)/(用紙搬送量)の算出によって取得し(ステップs27)、画像転写位置までの用紙搬送量に対するずれ量を算出し、現在のずれ量に加算した値を画像転写時の用紙位置として補正値に設定する(ステップs28)。特性が「継続変化中」の場合は、この先も同じ方向に用紙位置が変化することが予想されるため、区間内の変化量から転写位置まで用紙が搬送された場合の変化量を算出して転写時の用紙位置を予測することができる。
次に、現在の特性値に「継続変化中」を設定し、周期カウンタに1を足し(ステップs29)、次回転写時の用紙位置予測を終了する。
【0071】
ステップs23で、直近のN−1回の用紙位置座標が前回のデータよりも全て大きい又は小さいと判定されない場合(ステップs23、No)、すなわち、直近のN−1回の用紙位置座標が、一定方向に変化していない場合、現在の特性値が「継続変化中」かを判定する(ステップs24)。
現在の特性値が「継続変化中」である場合(ステップs24、Yes)、周期カウンタの値を変動周期値にセットし、周期カウンタを0に初期化し(ステップs30)、現在の特性値に「特性なし」をセットし(ステップs31)、次回転写時の用紙位置予測を終了する。すなわち、「継続変化中」に移動方向が異なる測定結果となった場合、特性を「継続変化中」から「特性なし」になったと判断する。
ステップ24で、現在の特性値が「継続変化中」でない場合(ステップs24、No)、現在の用紙位置を画像形成時の転写位置として補正値に設定し(ステップs25)、次回転写時の用紙位置予測を終了する。
【0072】
なお、この実施形態の手順では、直近N−1回の用紙位置情報が全て前回のデータよりも大きいか小さいかの判定を行ったが、一定方向に変化していないものの、周期的に用紙ずれ方向を変えて変化している場合、連続して同じ方向に変化する搬送距離または用紙位置の変化量の平均値から、連続用紙の用紙位置が変化するタイミングを予測して画像形成時の用紙位置を補正値にセットしてもよい。
【0073】
前記用紙位置予測の結果を画像書き出し位置に反映させて現像を行う画像形成の手順の詳細を
図8に示すフローチャートに基づいて説明する。以下の手順は、制御CPU113の動作によって実行される。
画像形成手順を開始し、現在の特性値が「継続変化中」かを判定する。現在の特性値が「継続変化中」でなければ(ステップs41、No)、現在の用紙位置を画像形成時の転写位置として、主走査1ラインの描画を開始し(ステップs50)、最終ラインの画像形成が完了したか否かの判定に進む(ステップs48)。
現在の特性値が「継続変化中」であれば(ステップs41、Yes)、移動量に対するずれ量の増加量として、(最新の用紙位置座標−N回前の位置)/(用紙搬送量)を算出し(ステップs42)、主走査1ラインあたりのずれ量の増加量を算出する(ステップs43)。すなわち、継続変化中の区間の長さと変化量から単位長さ当たりの変化量を求め、主走査1ライン毎の変化量を算出し、1ライン毎に画像位置の補正値に、算出した値を加えながら画像形成を実施することができる。
なお、この実施形態では、1ライン当たりのずれ量を算出しているが、複数本でのずれ量を算出するようにしてもよい。
【0074】
主走査1ラインあたりのずれ量が基準値以上か否かを判定し(ステップs44)、主走査1ラインあたりのずれ量が基準値以上であれば(ステップs44、Yes)、機械を停止し、圧着搬送部の圧着を解除し、レジストローラ20での遥動による用紙位置補正を実施する(ステップs45)。なお、これら処理の少なくとも一つを実施して、その他の処理は、ユーザーによる指示を待って行うようにしてもよい。
主走査1ラインあたりのずれ量が基準値以上でなければ(ステップs44、No)、描画位置補正値に、主走査1ライン辺りのずれ量を加算し(ステップs46)、主走査1ラインの画像形成を開始し(ステップs47)、最終ラインの画像形成が完了したか否かの判定に進む(ステップs48)。
【0075】
最終ラインの画像形成が完了していれば(ステップs48、Yes)、処理を終了する。最終ラインの画像形成が完了していなければ(ステップs48、No)、蓄積データが更新されたか否かの判定に進む(ステップs49)。次のラインの画像形成開始前に新規データが追加され、蓄積データが更新されていれば(ステップs49、Yes)、ステップs41に戻り、最新の用紙位置予想の結果を基に画像形成動作を実施する。蓄積データが更新されていなければ(ステップs49、No)、ステップs46に戻り、描画位置補正値に、主走査1ライン辺りのずれ量を加算して、以降の処理を継続する
なお、主走査1ラインあたりのずれ量が基準値以上となった場合、操作表示部に警告表示を行い、ユーザに用紙位置を修正するように促す処理を行ってもよい。
【0076】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の説明に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜の変更が可能である。