特許第6048686号(P6048686)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6048686一時保管装置と搬送システム及び一時保管方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6048686
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】一時保管装置と搬送システム及び一時保管方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20161212BHJP
   B65G 1/14 20060101ALI20161212BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   B65G1/04 551Z
   B65G1/14 Z
   H01L21/68 T
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-195153(P2014-195153)
(22)【出願日】2014年9月25日
(65)【公開番号】特開2016-64904(P2016-64904A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2015年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086830
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 明
(74)【代理人】
【識別番号】100096046
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 みか
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 順次
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−193033(JP,A)
【文献】 特開2005−001886(JP,A)
【文献】 特開2007−096140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 1/14
H01L 21/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井走行車システムと物品の受け渡し位置との間で、物品を一時保管する装置であって、
走行自在でかつ物品を昇降させるホイストを備えるローカル台車と、
天井走行車システムの走行レールの下方で、かつ前記受け渡し位置の直上部を通過するように設けられているローカル台車の走行レールと、
前記ローカル台車の走行レールの下方に設けられ、さらに前記受け渡し位置の直上部と、前記ローカル台車の走行レールとは水平面内で直角な方向において前記受け渡し位置の直上部とは異なりかつ移載装置を備える第2の搬送システムとの間で物品を受け渡し自在な第2の位置、との間でスライド自在なスライド棚、とを備える一時保管装置。
【請求項2】
請求項1の一時保管装置と、
前記の天井走行車システムで、かつ走行レールが前記受け渡し位置の直上部を通過する第1の天井走行車システムと、
前記第2の位置の上部を走行レールが通過し、かつ前記第2の搬送システムである第2の天井走行車システム、
とから成ることを特徴とする、搬送システム。
【請求項3】
前記受け渡し位置は処理装置のロードポートであり、前記第2の天井走行車システムは、第1の天井走行車システムとは生産管理上の属性が異なる物品を搬送するように構成されていることを特徴とする、請求項2の搬送システム。
【請求項4】
半導体工場のベイ内に設けられている請求項1の一時保管装置と、
前記の天井走行車システムで、走行レールが前記受け渡し位置の直上部を通過し、かつ走行レールがベイ内からベイ間搬送用のインターベイルートへと延びている第1の天井走行車システムと、
前記第2の搬送システムで、前記第2の位置にあるスライド棚との間で物品を受け渡し自在で、かつベイ内で物品を搬送するものと、
前記第1の天井走行車システムの走行レールと、インターベイルートにおいて並行に走行レールが配置されているベイ間搬送用の天井走行車システムと、
前記ベイ間搬送用の天井走行車システムの下部の位置と、前記第2の搬送システムとを接続するコンベヤ、
とから成ることを特徴とする、搬送システム。
【請求項5】
天井走行車システムと物品の受け渡し位置との間で、物品を一時保管する方法であって、
走行自在でかつ物品を昇降させるホイストを備えるローカル台車と、
天井走行車システムの走行レールの下方で、かつ前記受け渡し位置の直上部を通過するように設けられているローカル台車の走行レールと、
ローカル台車の走行レールの下方に設けられ、かつ前記受け渡し位置の直上部と、ローカル台車の走行レールとは水平面内で直角な方向において、前記受け渡し位置の直上部とは異なり移載装置を備える第2の搬送システムとの間で物品を受け渡し自在な第2の位置との間でスライド自在なスライド棚、とを備える一時保管装置により、
前記受け渡し位置と前記スライド棚との間で、前記ローカル台車により物品を受け渡しするステップと、
前記受け渡し位置の直上部にあるスライド棚と前記天井走行車システムとの間で物品を受け渡しするステップと、
前記第2の位置にあるスライド棚と前記第2の搬送システムとの間で物品を受け渡しするステップ、
とを実行する一時保管方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の搬送システム間で物品を一時保管する一時保管装置と一時保管方法、及びこの一時保管装置を用いる搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体工場では、半導体ウェハーを収納するカセットを、天井走行車システムにより処理装置のロードポート間で搬送する。天井走行車システムとロードポートとの間の一時保管装置として、出願人は、ロードポートと天井走行車の走行レールの間に、ローカル台車とその走行レール、及びバッファを設けることを提案した(特許文献1 特許5229363)。この装置では、ローカル台車の走行レールの間をカセットが上下に通過自在で、ローカル台車の走行レールの下方にバッファを設けて、天井走行車とローカル台車が共にアクセスできるようにする。このため、天井走行車とローカル台車が、共にロードポートとバッファとにアクセスできる。
【0003】
搬送では追い越しが必要なことがある。例えば特急品を収容したカセット(ホットロット)を、通常品のカセットを追い越すように、搬送したいことがある。このためには、通常品用の搬送システムの他に、ホットロット用の搬送システムを設ければよいが、さらに通常品用の搬送システムとホットロット用の搬送システムとを同じ物品の受け渡し位置と接続できるようにする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許5229363
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の課題は、天井走行車システム及び第2の搬送システムとの間で異なる位置で物品を受け渡すことができ、かつ一時保管装置外の物品の受け渡し位置との間でも物品を受け渡すことができる、一時保管装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一時保管装置は、
天井走行車システムと物品の受け渡し位置との間で、物品を一時保管する装置であって、
走行自在でかつ物品を昇降させるホイストを備えるローカル台車と、
天井走行車システムの走行レールの下方で、かつ前記受け渡し位置の直上部を通過するように設けられているローカル台車の走行レールと、
前記ローカル台車の走行レールの下方に設けられ、さらに前記受け渡し位置の直上部と、前記ローカル台車の走行レールとは水平面内で直角な方向において前記受け渡し位置の直上部とは異なりかつ移載装置を備える第2の搬送システムとの間で物品を受け渡し自在な第2の位置、との間でスライド自在なスライド棚、とを備える。
【0007】
この発明の一時保管方法では、天井走行車システムと物品の受け渡し位置との間で、物品を一時保管する方法であって、
走行自在でかつ物品を昇降させるホイストを備えるローカル台車と、
天井走行車システムの走行レールの下方で、かつ前記受け渡し位置の直上部を通過するように設けられているローカル台車の走行レールと、
ローカル台車の走行レールの下方に設けられ、かつ前記受け渡し位置の直上部と、ローカル台車の走行レールとは水平面内で直角な方向において、前記受け渡し位置の直上部とは異なり移載装置を備える第2の搬送システムとの間で物品を受け渡し自在な第2の位置との間でスライド自在なスライド棚、とを備える一時保管装置により、
前記受け渡し位置と前記スライド棚との間で、前記ローカル台車により物品を受け渡しするステップと、
前記受け渡し位置の直上部にあるスライド棚と前記天井走行車システムとの間で物品を受け渡しするステップと、
前記第2の位置にあるスライド棚と前記第2の搬送システムとの間で物品を受け渡しするステップ、
とを実行する。
【0008】
この発明では、天井走行車システム及びローカル台車は、直下位置にあるスライド棚及び物品の受け渡し位置との間で物品を受け渡し自在で、第2の搬送システムは第2の位置にあるスライド棚との間で物品を受け渡し自在である。言い換えると、天井走行車システムと第2の搬送システムは、異なる位置でスライド棚との間で物品を受け渡し自在で、かつスライド棚と物品の受け渡し位置との間ではローカル台車により物品を受け渡し自在である。このため物品の受け渡し位置に対し、天井走行車システムと第2の搬送システムが共に物品を受け渡すことができる。物品の受け渡し位置は例えば処理装置のロードポート、ストッカ、作業台車のドッキングステーション等で、天井走行車はホイストにより物品の受け渡し位置との間で、物品を受け渡し自在である。走行レールと水平面内で直角な方向において、受け渡し位置の直上部とは異なる位置とは、スライド棚が走行レールに直角にスライドすることを限定するのではなく、スライドにより走行レールに直角な方向に沿っての位置が変化することを意味する。この明細書において、一時保管装置に関する記載はそのまま一時保管方法にも当てはまる。
【0009】
またこの発明の搬送システムは、上記の一時保管装置と、前記の天井走行車システムで、かつ走行レールが前記受け渡し位置の直上部を通過する第1の天井走行車システムと、前記第2の位置の上部を走行レールが通過し、かつ前記第2の搬送システムである第2の天井走行車システム、とから成ることを特徴とする。
【0010】
このようにすると、
・ 第1の天井走行車システム及びローカル台車は、直下位置にあるスライド棚及び物品の受け渡し位置との間で、物品を受け渡し自在で、
・ 第2の天井走行車システムは第2の位置にあるスライド棚との間で物品を受け渡し自在である。このため物品の受け渡し位置に対し、第1の天井走行車システムと第2の天井走行車システムが、スライド棚の異なる位置を経由して、共に物品を受け渡すことができる。
【0011】
好ましくは、前記受け渡し位置は処理装置のロードポートであり、前記第2の天井走行車システムは、第1の天井走行車システムとは生産管理上の属性が異なる物品を搬送するように構成されている。このようにすると、スライド棚を第2の位置へスライドさせることにより、ホットロット、工程管理用のロット等の生産管理用の属性が異なる物品を、迅速にロードポートと第2の天井走行車システムとの間で受け渡すことができる。しかも、第2の位置へスライドしたスライド棚は、第1の天井走行車システム及びローカル台車とロードポートとの間の受け渡しと干渉しないので、通常の物品の搬送を妨げることがない。
【0012】
またこの発明の搬送システムは、上記の一時保管装置が半導体工場のベイ内に設けられ、 かつ、前記の天井走行車システムで、走行レールが前記受け渡し位置の直上部を通過し、かつ走行レールがベイ内からベイ間搬送用のインターベイルートへと延びている第1の天井走行車システムと、
前記第2の搬送システムで、前記第2の位置にあるスライド棚との間で物品を受け渡し自在で、かつベイ内で物品を搬送するものと、
前記第1の天井走行車システムの走行レールと、インターベイルートにおいて並行に走行レールが配置されているベイ間搬送用の天井走行車システムと、
前記ベイ間搬送用の天井走行車システムの下部の位置と、前記第2の搬送システムとを接続するコンベヤ、とから成ることを特徴とする。
【0013】
このようにすると分岐部及び合流部を設置せずに、ベイ間搬送用の天井走行車システムと第2の搬送システムとを接続することができる。従って第1の天井走行車システムのインターベイルートとの間の分岐と合流とが不要で、分岐と合流に伴う渋滞が無く、また走行レールもシンプルなレイアウトで設置できる。なおコンベヤは、ベイ間搬送用の天井走行車システムの下部を通るので、天井走行車はホイスト(昇降装置と昇降台)により物品を受け渡しできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例の一時保管装置と周囲の天井走行車システム及び処理装置の、一部切欠部付き正面図
図2】実施例の一時保管装置と処理装置の、一部切欠部付き平面図
図3】実施例の一時保管装置を含む搬送システムの平面図
図4】実施例の一時保管装置を含む搬送システムの正面図
図5】実施例のスライド棚の平面図
図6】実施例のローカル台車の平面図
図7図4の搬送システムの制御系を示すブロック図
図8】変形例の搬送システムの平面図
図9】変形例の搬送システムの正面図
図10】第2の変形例の搬送システムの平面図
図11】第2の変形例の搬送システムの正面図
図12】第3の変形例の搬送システムの平面図
図13】第3の変形例の搬送システムの正面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。この発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づき、明細書の記載とこの分野での周知技術とを参酌し、当業者の理解に従って定められるべきである。
【実施例】
【0016】
図1図7に、実施例の一時保管装置30とこれを用いる一時保管方法及び搬送システムを示す。図1図2は、半導体工場でのベイ1内の一時保管装置30と、周囲の処理装置2、及び天井走行車システム8、10を示す。処理装置2はロードポート4を備え、ロードポート4はカセット6の受け渡し位置の例で、ストッカ、作業台車をドッキングするステーション、空のカセットの置き場、等を受け渡し位置としても良い。なお処理装置2は文字通りの処理装置でも検査装置等でも良い。またカセット6はFOUP等であり、製品としての半導体ウェハーを収納しているものとするが、工程管理用、検査用等のウェハーを収納しているもの、あるいは空のカセット等でも良い。搬送する物品は、半導体ウェハーに限らず、半導体の露光用のレチクル、食品、医薬品等でも良い。さらにカセット6に替えてバケット等の容器を用いても良く、あるいは容器を介さずに直接に天井走行車等でチャックして搬送しても良い。
【0017】
ロードポート4の直上部を、通常品用の天井走行車システム(第1の天井走行車システム)8の走行レール12が通過している。生産管理上の属性が異なるカセットを搬送するために、第2の天井走行車システム10の走行レール13が走行レール12と並行に配置されている。第1の天井走行車システム8は天井走行車14と走行させ、第2の天井走行車システム10は天井走行車15を走行させるが、天井走行車14,15は物理的には同じもので良い。16は走行部で、走行レール12,13に沿って走行して、横送り装置18を支持し、横送り装置18は昇降装置20を横移動させ、昇降装置20によりチャックを備える昇降台22を昇降させる。なお24は、走行レール12,13の支柱で、横送り装置18は設けなくても良い。
【0018】
走行レール12,13とロードポート4との間の高さに、一時保管装置30が配置され、ローカル台車32が一対の走行レール34,34に沿って走行する。一対の走行レール34,34間には、カセット6が上下に通過自在な開口35が有る。また第1の天井走行車システム8の走行レール12と走行レール34との直下で、かつロードポート4の直上部でもある位置と、第2の天井走行車システム10の走行レール13の直下の位置との間でスライド自在なスライド棚38が設けられている。スライド棚38のスライド方向は、平行な走行レール12,13での走行方向に水平面内で直角な方向である。39は固定部で、スライド棚38のスライド機構等を収容し、スライド棚38以外に固定棚40を設けても良い。一時保管装置30は、例えば支柱41により天井走行車システム8,10により支持される。
【0019】
図3図4は、一時保管装置30を用いた搬送システムを全体的に示し、ベイ1内での一時保管と搬送は図1図2に示したとおりに行う。ベイ間の搬送(インターベイ搬送)用に、天井走行車システム50をインターベイルートに設け、その走行レール52を、第1の天井走行車システム8での走行レール12と並行に設ける。また54は、天井走行車システム50を走行する天井走行車で、物理的には天井走行車14,15と同じものでよい。
【0020】
天井走行車システム50と天井走行車システム10との間で、天井走行車15,54が直接乗り入れできるようにすると、走行レールの分岐と合流とが複雑になり、渋滞の原因となる。そこで天井走行車システム50と天井走行車システム10とを、一対のコンベヤ56,58で接続する。コンベヤ56はインターベイルートの天井走行車システム50からベイ1内の天井走行車システム10への搬送用、コンベヤ58はベイ1内の天井走行車システム10からインターベイルートの天井走行車システム50への搬送用である。またベイ1内のバッファ容量を増すため、バッファ60を設けて天井走行車15がアクセスできるようにするが、バッファ60は設けなくても良い。
【0021】
実施例での物品(カセット6)の受け渡しは、以下のように行う。なお天井走行車15が横送り装置を備えない場合、走行レール13の下方にバッファを設けることが好ましい。
ロードポート4: 天井走行車14とローカル台車32
スライド棚38: 天井走行車14,15とローカル台車32
固定棚40: 天井走行車14とローカル台車32
天井走行車システム8,10間の受け渡し: スライド棚38を経由
天井走行車システム10,50間の受け渡し:コンベヤ56,58を経由
バッファ60: 天井走行車15の横送り装置を使用
【0022】
図5はスライド棚38を示し、スライド棚38はガイド62に沿って固定部39に対し進退する。スライド機構は任意で、例えばガス圧で動作するシリンダ64により、ピストン66に固定したミドル部68を進退させる。そして図示しない倍速機構により、トップ部70をピストン66の2倍のストロークで進退させ、トップ部70にプレート72を固定して、カセットを載置させる。73はカセットの底面をガイドして位置決めするカップリングピンで、74はスライド棚38に設けた図示しないセンサ等のためのケーブルガイドである。
【0023】
図6はローカル台車32を示し、例えば一対の走行部76と、昇降装置78とを備え、チャックを有する昇降台80を昇降させることにより、ロードポート及び棚38,40との間で、カセットを移載する。
【0024】
図7は搬送システムの制御系を示し、搬送管理システム(MCS)82は半導体工場内での物品の搬送を管理し、天井走行車システムコントローラ84は天井走行車14,15,54を管理するが、天井走行車システム毎に別個のコントローラを設けても良い。コンベヤコントローラ86はコンベヤ56,58を管理し、一時保管装置コントローラ88は一時保管装置毎にローカル台車32とスライド棚38とを制御する。
【0025】
実施例の作用効果を示す。
1) 一時保管装置30により、ロードポート4と天井走行車システム8,10を、任意の組み合わせで接続でき、またスライド棚38と固定棚40とによりカセット6を一時保管できる。
2) コンベヤ56,58により、第2の天井走行車システム10をインターベイルートの天井走行車システム50とを接続できる。
3) ホットロットのカセットを、第2の天井走行車システム10からスライド棚38を介してロードポート4へ荷下ろしし、またロードポート4からスライド棚38を介して第2の天井走行車システム10へ搬出できる。
【0026】
図1図7では、第2の天井走行車システム10を用いたが、これはスライド棚38及びコンベヤ56,58との間でカセット6を受け渡し自在な任意の搬送システムに変更できる。このような変形例を図8図13に示す。なお特に指摘する点以外は、図1図7の搬送システムと同様である。図8図9の変形例では、一時保管装置30よりも高い位置に設けられたガントリークレーン90を用い、92,92はそのレールで、架橋部94がレール92に沿ってベイ1内を移動し、架橋部94に沿ってホイスト96が移動する。ホイスト96はベイ1内を移動し、任意のスライド棚38、コンベヤ56,58、及びバッファ60と物品を受け渡し自在である。
【0027】
図10図11の変形例では、一時保管装置30よりも高い位置に設けられたグリッドバッファシステム100を用いる。102は縦横に走行レールを組み合わせたグリッド状のレールで、台車104は縦横の走行レールに沿ってグリッド状の走行レール102を縦横に走行自在で、カセットを昇降させるホイストを備えている。そしてスライド棚38の上部及びコンベヤ56,58の上部では、縦横の走行レールの間を通すように、カセットを昇降させて受け渡しする。またスライド棚38とコンベヤ56,58の上部以外の位置では、縦横の走行レールの下方に棚106が設けられて、カセットを一時保管する。なお棚106は設けなくても良い。
【0028】
図12図13の変形例では、一時保管装置30よりも高い位置に設けられた無人搬送車システム110を用い、その床面111には孔がメッシュ状等に多数設けられて、クリーンエアの流れを遮断しないようにしてある。そして移載装置を備える無人搬送車112が床面111上を走行し、スライド棚38及びコンベヤ56,58との間で、カセットを搬送する。114は無人搬送車システム110のバッファで、無人搬送車112がカセットを受け渡し自在な高さに配置されているが、バッファ114は設けなくても良い。
【符号の説明】
【0029】
1 ベイ
2 処理装置
4 ロードポート
6 カセット
8,10 天井走行車システム
12,13 走行レール
14,15 天井走行車
16 走行部
18 横送り装置
20 昇降装置
22 昇降台
24 支柱
30 一時保管装置
32 ローカル台車
34 走行レール
35 開口
38 スライド棚
39 固定部
40 固定棚
41 支柱
42 天井
50 天井走行車システム
52 走行レール
54 天井走行車
56,58 コンベヤ
60 バッファ
62 ガイド
64 シリンダ
66 ピストン
68 ミドル部
70 トップ部
72 プレート
73 カップリングピン
74 ケーブルガイド
76 走行部
78 昇降装置
80 昇降台
82 搬送管理システム
84 天井走行車システムコントローラ
86 コンベヤコントローラ
88 一時保管装置コントローラ
90 ガントリークレーン
92 レール
94 架橋部
96 ホイスト
100 グリッドバッファシステム
102 グリッド状のレール
104 台車
106 棚
110 無人搬送車システム
111 床面
112 無人搬送車
114 バッファ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13