(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施形態の構成)
本発明の一実施形態に係るショット処理装置としてのショットブラスト装置10について
図1〜
図10を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは装置正面視の手前側(以下、単に手前側という)を示しており、矢印UPは装置上方側(以下、単に上方側という)を示しており、矢印LHは装置正面視の左側(以下、単に左側という)を示している。
図1はショットブラスト装置10を示す平面図であり、
図2はショットブラスト装置10を示す正面図であり、
図3はショットブラスト装置10を示す右側面図である。なお、
図2ではキャビネット16の装置手前側及び装置奥側を二点鎖線で示す。また、ショットブラスト処理のワークWとしては、例えば、自動車エンジンのシリンダブロックのような中子を使用した鋳物等を適用できる。
【0025】
図1に示されるように、ショットブラスト装置10は、内部に投射室18を有するキャビネット16と、キャビネット16に設けられ、ワークWを挟持するクランプ装置34と、キャビネット16でワークWへ投射材を投射する投射機20と、ワークWをキャビネット16へ搬送する搬入用ローラコンベヤ12と、ワークWをキャビネット16から搬送する搬出用ローラコンベヤ52と、搬入用ローラコンベヤ12上のワークWをキャビネット16へ搬入する搬入装置32と、キャビネット16から搬出用ローラコンベヤ52へワークWを搬出する搬出装置56と、を備える。ショットブラスト装置10は、搬入用ローラコンベヤ12上により搬送されたワークWを、搬入装置32によりキャビネット16の投射室18内へ搬入し、クランプ装置34によりワークWを挟持した状態で、投射機20によりワークWへ投射材を投射し、搬出装置56によりワークWをキャビネット16から搬出用ローラコンベヤ52へ搬出することにより、ワークWにショットブラスト処理を行う装置である。
【0026】
搬入用ローラコンベヤ12は、搬送幅方向両側に設けられたコンベヤ基台12Aと、コンベヤ基台12Aに回転可能に支持された複数のコンベヤローラ12Bと、を有する。複数のコンベヤローラ12Bは、搬送方向(矢印X1方向)に沿って配列され、駆動モータ14に接続されており、駆動モータ14の駆動力によって回転される。そして、搬入用ローラコンベヤ12は、コンベヤローラ12B上に載せられるワークWをキャビネット16に向けて搬送する。駆動モータ14には、図示しない装置制御部が接続されており、搬入用ローラコンベヤ12がワークWをキャビネット16まで搬入するタイミングを制御している。なお、搬入用ローラコンベヤ12の下方側には、投射材回収用のスクリューコンベヤ15(
図3参照)が配設されている。
【0027】
キャビネット16は、搬入用ローラコンベヤ12の搬送ライン下流側の側方(装置奥側)に設けられている。キャビネット16の内部には、ワークWへの投射材の投射によってワークWの表面加工(ショットブラスト処理)をなす投射室18が形成されている。ワークWへの投射材の投射は、後述する投射機20(
図2参照)によって行われる。
【0028】
キャビネット16における装置手前側には、ワークWを搬入するための搬入口16Aが形成されている。この搬入口16Aには、搬入口16Aを開く開放位置と、搬入口16Aを塞ぐ閉止位置との間で装置左右方向に移動可能な搬入側開閉扉22が設けられている。
図2に示されるように、搬入側開閉扉22には、搬入側開閉扉22を移動させるための第一駆動部24が接続されている。
【0029】
図5(A)は、搬入側開閉扉22及び第一駆動部24を示す正面視の概略構成図であり、
図5(B)には、
図5(A)の5B−5B線に沿った断面視の概略構成図である。
【0030】
図5(B)に示されるように、搬入側開閉扉22は、走行フレーム22Aと、走行フレーム22Aにリンク部材22Bを介して投射室18側に取り付けられた扉本体22Cと、を備える。扉本体22Cと走行フレーム22Aの間には引張バネ22Hが配設されており、扉本体22Cは引張バネ22Hにより走行フレーム22Aに向かって付勢されている。扉本体22Cの投射室18側の面にはライナ22Dが配設されている。また、
図5(A)に示されるように、扉本体22Cの上下にはガイド車輪22E、22Fが設けられている。
【0031】
第一駆動部24は、ロッドを装置左右方向へ進退させることにより、搬入側開閉扉22の走行フレーム22Aを開閉移動方向(装置左右方向)に駆動させる駆動シリンダ24Aを備えている。駆動シリンダ24Aは、固定フレーム23Aに取り付けられ、エア方向制御機器(電磁弁等)24Bを介してエア供給源24Cと接続されている。また、エア方向制御機器24Bは、開閉制御部26(図中ではブロック化して図示)に接続されており、開閉制御部26がエア方向制御機器24Bを制御することで、駆動シリンダ24Aにおけるロッドの装置左右方向への進退を方向制御できる。具体的には、開閉制御部26は、投射機20(
図2参照)が投射を開始する直前に、搬入側開閉扉22を閉止位置に移動させるように第一駆動部24を作動させ、投射機20(
図2参照)が投射を終了した直後に搬入側開閉扉22を開放位置に移動させるように第一駆動部24を作動させる。
【0032】
また、
図5(B)に示されるように、扉本体22Cが搬入口16Aを閉止する際に、扉本体22Cを搬入口16Aに向かって押え付けるため(すなわち、扉本体をロックするため)、キャビネット16の搬入口16Aに隣接して押圧用の駆動シリンダ25A(広義には「扉圧着装置」として把握される要素である。)が配設されている。駆動シリンダ25Aは、固定ブラケット23Bを介して、閉止位置にある搬入側開閉扉22に対して、キャビネット16の搬入口16Aと反対側に配置されている。本実施形態では、計四個(
図5(A)参照)の駆動シリンダ25Aが搬入口16Aの枠部に当たる位置に配置されている。駆動シリンダ25Aは、ロッドが扉本体22Cに向かって進退可能に設けられている。
【0033】
これらの駆動シリンダ25Aは、
図5(A)に示されるエア方向制御機器(電磁弁等)24Dを介してエア供給源24Eと接続されている。なお、図中では、図を簡略化するために、四個の駆動シリンダ25Aのうちの一個の駆動シリンダ25Aとエア方向制御機器24Dとの接続関係のみを示す。エア方向制御機器24Dは、開閉制御部26に接続されている。開閉制御部26は、エア方向制御機器24Dを制御することで、駆動シリンダ25Aにおけるロッドの進退を方向制御できる。開閉制御部26は、扉本体22Cの閉止時に、エア方向制御機器24Dを制御し、駆動シリンダ25Aのロッドを前進させることにより、ライナ22D(扉本体22Cの内側面側)を搬入口16Aの枠部に向けて押し付ける。この扉本体22Cの押さえ機能は、投射時に投射室18から粉塵等が漏れるのを防止又は効果的に抑制するために(シール性を高めるために)設けられている。なお、押さえ解除には、引張バネ22Hの付勢力が用いられる。
【0034】
一方、
図1に示されるように、キャビネット16における装置奥側には、ワークWを搬出するための搬出口16Bが形成されている。この搬出口16Bには、搬出側開閉扉28が設けられている。搬出側開閉扉28は、搬入側開閉扉22と同様の構成とされており、搬出口16Bを開く開放位置と、搬出口16Bを塞ぐ閉止位置との間で装置左右方向に移動可能である。搬出側開閉扉28には、搬出側開閉扉28を移動させるための第二駆動部30が接続されている。詳細図示及び詳細説明を省略するが、第二駆動部30は、第一駆動部24と同様の構成とされている。また、前述した開閉制御部26(
図5(A)参照)は、投射機20(
図2参照)が投射を開始する直前に、搬出側開閉扉28を閉止位置に移動させるように第二駆動部30を作動させ、投射機20(
図2参照)が投射を終了した直後に搬出側開閉扉28を開放位置に移動させるように第二駆動部30を作動させる。なお、詳細図示及び詳細説明を省略するが、搬出側開閉扉28にも搬入側開閉扉22と同様の扉押さえ機能が設けられている。
【0035】
図1に戻り、搬入装置32は、搬入用ローラコンベヤ12の搬送ライン下流側の側方の、搬入用ローラコンベヤ12を挟んでキャビネット16の側とは反対側(装置手前側)に設けられている。搬入装置32は、搬入用ローラコンベヤ12上のワークWを投射室18に搬入する装置であるが、詳細構成については後述する。
【0036】
一方、キャビネット16の装置右側には、クランプ装置34が設けられている。クランプ装置34には、公知の装置構成(一例として特許文献1に開示された装置構成)が適用されているため、詳細説明を省略するが、クランプ装置34は、投射室18に搬入されたワークWを一対の挟持部によって挟持する挟持機構と、挟持部を装置左右方向の軸周りに回転させる回転機構と、を備えている。クランプ装置34の隣接位置には、クランプ装置34の作動用とされた油圧ユニット50が設けられている。
【0037】
また、
図2に示すように、キャビネット16の天井部には、前述した投射機20が複数台設けられている。投射機20は、本実施形態では、遠心式の投射機が用いられ、羽根車(インペラ)の回転により投射材(ショット、本実施形態では一例として鋼球)に遠心力を付与することができる。そして、投射機20は、投射材を遠心力で加速して、投射室18内でクランプ装置34(
図1参照)に挟持されたワークWに対して投射材を投射する。これらの投射機20は、図示しない装置制御部に接続され、クランプ装置34がワークWを挟持した後に所定時間連続して投射材を投射するように、装置制御部によって投射タイミング及び投射時間が制御されている。
【0038】
図4は、投射機20及びその周囲部を示す装置側面視の概略構成図である。
図4に示すように、投射機20は、コントロールケージの投射用開口20Aの側に略筒状の投射口ライナ36が取り付けられている。この投射口ライナ36の投射口36Aに隣接してシャッタ38が配設されている。シャッタ38は、投射口ライナ36の投射口36Aに接離可能であり、投射口36Aを開く開放位置(図中では二点鎖線で示す位置)と、投射口36Aを塞ぐ閉止位置(図中では実線で示す位置)との間でシャッタ軸38Xの周りに回転移動する。シャッタ38は、先端部にシャッタライナ38Aが取り付けられ、基端部がシャッタ38を移動させるためのシャッタ駆動部40(図中ではその構成要素をブロック化して図示)に接続されている。
【0039】
シャッタ駆動部40は、シャッタ軸38Xに固着され、シャッタ軸38Xの半径方向に延びる駆動アーム38Bを押圧することによってシャッタ38を回転移動させる駆動シリンダ40Aを含む。駆動シリンダ40Aは、エア方向制御機器(電磁弁等)40Bを介してエア供給源40Cと接続されている。また、エア方向制御機器40Bは、シャッタ制御部42(図中ではブロック化して図示)に接続されている。シャッタ制御部42は、エア方向制御機器40Bを制御することで、駆動シリンダ40Aのロッドの進退を方向制御できる。具体的には、シャッタ制御部42は、投射機20が投射を開始する直前にシャッタ38を開放位置に移動させるようにシャッタ駆動部40を作動させ、投射機20による投射が終了した直後にシャッタ38を閉止位置に移動させるようにシャッタ駆動部40を作動させる。
【0040】
また、シャッタ駆動部40には、駆動アーム38Bに隣接して図示しない二個のリミットスイッチが設けられており、二個のリミットスイッチは、駆動アーム38Bの先端に固着された被検知部と接離可能とされている。具体的には、シャッタ38が全開の開放位置にある状態で被検知部と接する開検知用のリミットスイッチと、シャッタ38が閉止位置にある状態で被検知部と接する閉検知用のリミットスイッチと、が配設されている。これらのリミットスイッチは、シャッタ制御部42に接続されており、シャッタ制御部42は、リミットスイッチの検知情報に基づいてエア方向制御機器40Bを制御する。
【0041】
図2に戻り、投射機20の上方側には、投射材供給用の導入管44の下端が設けられ、導入管44の上端には投射材の流量を調整するための流量調整装置46が設けられている。なお、流量調整装置46は、導入管44へ供給する投射材の量を投射に最適な量に制限するようになっており、最適な量の投射材が投射機20に供給されることで、投射機20からは最適な速度で投射材が投射される。投射機20は、導入管44及び流量調整装置46を介して循環装置48に連結されている。
【0042】
循環装置48は、オシレーティングコンベヤ48Aと、バケットエレベータ48Cと、スクューコンベヤ48Dと、風選式マグネットセパレータ48Eと、を有し、投射機20によって投射された投射材を搬送して投射機20へ循環させる。
オシレーティングコンベヤ48Aは、キャビネット16の下部に設けられ、投射機20により投射された投射材等が流入されるホッパに設けられている。オシレーティングコンベヤ48Aは、大きなバリを分離してオシレーティングコンベヤ48Aの出口側に設けられた粗受け箱48Bへ集め、投射材等をバケットエレベータ48Cの下部へ運ぶ。
【0043】
バケットエレベータ48Cは、装置上下方向に延在して図示しないプーリ、無端ベルト、及びバケット等を含む。なお、バケットエレベータ48Cの上部には、メンテナンス時の作業性を良好にするために、プーリ抜きフレーム49が設けられている。バケットエレベータ48Cは、バケット内に入れられた投射材等を装置上方側へ搬送し、上部から投射材等をスクューコンベヤ48Dへ送り出す。
【0044】
スクューコンベヤ48Dは、装置左右方向に延在し、投射材等を装置左右方向の中央部側へ搬送して風選式マグネットセパレータ48Eへ送り出す。
風選式マグネットセパレータ48Eは、再利用可能な投射材と、投射材中に混じった砂及び粗等とを分離するようになっており、再利用可能な投射材を投射材タンク48Fへ流し、砂及び粗等を
図3に示される砂出しパイプ48Gで排出する。
【0045】
砂出しパイプ48Gは、微粉出しスクリューコンベヤ48Hを介して磁選機48Iに接続されている。磁選機48Iでは、流入した砂及び粗等を非磁性体と磁性体とに分離し、非磁性体を砂受け箱48Jへ排出すると共に磁性体を微粉受け箱48Kへ排出する。
【0046】
風選式マグネットセパレータ48Eは、ダクト48L等を介して図示しない集塵機に接続されており、ダクト48Lの途中にはセトリングチャンバ48Mが設けられている。セトリングチャンバ48Mは、粗出しパイプ48Nにも接続され、風選式マグネットセパレータ48Eの風選により吸引されたダスト等のうち、粗い物を分離して粗出しパイプ48Nに流す。粗出しパイプ48Nの下方には粗受け箱48Pが配置され、粗出しパイプ48Nを通った粗い物は粗受け箱48Pへ流れ込む。また、図示しない集塵機は、風選式マグネットセパレータ48Eの風選により吸引されたダスト等のうち、セトリングチャンバ48Mを通過した細かいダストとエアとを分離し、エアを空気中へ排気し、ダストを集塵機下のダスト受け箱へ流す。
【0047】
風選式マグネットセパレータ48Eの下方側には前述した投射材タンク48Fが配置されている。投射材タンク48Fには風選式マグネットセパレータ48Eから再利用可能な投射材が堆積される。投射材タンク48Fは、流量調整装置46へ投射材を供給するための一時貯蔵用のタンクであり、流量調整装置46の上方側に配置されている。そして、流量調整装置46の弁が開くと、投射材が導入管44を通って投射機20により投射される。
【0048】
図1に戻り、搬出用ローラコンベヤ52は、その搬送ライン上流側が、キャビネット16を挟んで搬入用ローラコンベヤ12の側とは反対側(装置奥側)に位置し、搬送ラインが搬入用ローラコンベヤ12の搬送ラインと同じ方向(装置左右方向)に延びるように設けられている。搬出用ローラコンベヤ52は、幅方向両側に設けられたコンベヤ基台52Aと、コンベヤ基台52Aに回転可能に支持された複数のコンベヤローラ52Bと、を有する。複数のコンベヤローラ52Bは、搬送方向(矢印X2方向)に沿って配列され、駆動モータ54に接続されており、駆動モータ54の駆動力によって回転される。そして、搬出用ローラコンベヤ52は、コンベヤローラ52B上に載せられるワークWをキャビネット16から装置左側から装置右側へ向かう方向に搬送する。駆動モータ54には、図示しない装置制御部が接続されており、搬送用ロールコンベヤ。なお、搬出用ローラコンベヤ52の下方側には、投射材回収用のスクリューコンベヤ55(
図3参照)が配設されている。
【0049】
また、搬出装置56は、搬出用ローラコンベヤ52の搬送ライン上流側の側方の、搬出用ローラコンベヤ52を挟んでキャビネット16の側とは反対側(装置奥側)に設けられている。搬出装置56は、投射室18内でクランプ装置34に挟持されたワークWを搬出用ローラコンベヤ52上に搬出する装置である。
【0050】
次に、前述した搬入装置32及び搬出装置56について
図6〜
図10を参照しながら詳細に説明する。
図6は、搬入装置32及び搬出装置56の基本構成を示す装置左側面視の概略構成図である。また、
図7は、搬入装置32を示す正面図であり、
図8は、搬入装置32を示す平面図である。また、
図9は、搬入用走行台車64を底面視で簡略化して示す図である。なお、
図9には、実線で示される搬入用回転体72の他、実線で示される搬入用回転アーム72が90°回転移動した状態、及び180°回転移動した状態をそれぞれ二点鎖線で示している。また、
図10は、搬入用回転アーム72の回転移動状態を装置側面視で示し、
図9において搬入用回転アーム72が実線で示される状態を
図10(A)で示し、
図10(A)の状態から搬入用回転アーム72が90°回転移動した状態を
図10(B)で示し、
図10(A)の状態から搬入用回転アーム72が180°回転移動した状態を
図10(C)で示している。なお、搬出装置56は、搬入装置32と同様の構成となっているので、搬出装置56の正面図及び平面図の図示は省略する。
【0051】
図6に示されるように、搬入装置32は、ワークWを載せるための搬入用受部60Aを備える。この搬入用受部60Aは、搬入用ブラケット60の先端部に設けられている。搬入用ブラケット60は、搬入用ブラケット60を進退方向(搬入方向及びその反対方向)に移動させるための搬入用進退機構62に連結されている。以下、搬入用進退機構62について説明する。
【0052】
搬入用ブラケット60の基端部は、搬入用移動体としての搬入用走行台車64に取り付けられている。搬入用走行台車64は、搬入用ローラコンベヤ12側と投射室18側とを結ぶ搬入ラインの方向(本実施形態では装置前後方向)に移動可能である。
【0053】
図7及び
図8に示されるように、搬入用走行台車64の幅方向の両サイドには、車輪66が設けられており、搬入装置32には、車輪66を搬入ラインに沿う方向に案内するガイドレール68が設けられている。また、
図6及び
図7に示されるように、搬入用走行台車64の底面部側には、搬入用レール70が固定(一体的に配設)されている。また、
図9に示すように、搬入用レール70は、搬入ラインに直交する方向に延びている。
【0054】
この搬入用レール70内には、搬入用回転アーム72の先端部には、搬入用移動部としてのスライダ72Aが配設されており、スライダ72Aは、搬入用レール70に案内されながら搬入用レール70の長手方向(すなわち、装置左右方向)に沿って移動することができる。搬入用回転アーム72は、スライダ72Aと、スライダ72Aが先端部に固定されたアーム72Bと、を含む。アーム72Bの基端部は、装置上下方向のモータ軸74Aを中心として回転できる。
【0055】
搬入用回転アーム72は、基端部側のモータ軸74A周りに180°回転でき、これにより、スライダ72Aが搬入用レール70を搬入ラインの方向(図中では左右方向)に押圧しながら投射室18(
図6参照)に接近する位置72A1と離間する位置72A2との間で単弦運動する。
【0056】
搬入用回転アーム72は、搬入用駆動モータ74によって回転される。
図6に示すように、搬入用駆動モータ74は、タイミング制御部90(図中ではブロック化して図示)に接続されており、タイミング制御部90は、搬入用駆動モータ74の駆動タイミング及び正転、逆転を制御する。
【0057】
以上により、搬入用進退機構62は、搬入用駆動モータ74を作動させることによって、搬入用回転アーム72及び搬入用走行台車64を連動させて搬入用ブラケット60の搬入用受部60Aを搬入ラインに沿って進退移動させることができる(
図10参照)。
【0058】
また、搬入装置32は、搬入用走行台車64ひいては搬入用ブラケット60を昇降させるための搬入用昇降機構76を備えている。以下、搬入用昇降機構76について説明する。
【0059】
搬入用昇降機構76は、搬入用走行台車64を昇降させることによって搬入用ブラケット60を昇降させる機構である。
図8に示すように、搬入用昇降機構76には、左右一対の装置フレーム78Aに架け渡された連結プレート78Bに昇降用の駆動シリンダ80Aが取り付けられている。駆動シリンダ80Aは、本実施形態では油圧式のシリンダであり、装置左右方向の軸78C(
図6参照)周りに揺動可能に取り付けられている。また、駆動シリンダ80Aは、平面視で装置前後方向(
図8の左右方向)に進退移動可能なロッド80Bを備えている。
【0060】
図6に示すように、駆動シリンダ80Aは、油圧制御機器(電磁弁等)80Cを介してオイル供給源80Dと接続されている。また、油圧制御機器80Cはタイミング制御部90に接続されている。タイミング制御部90は、油圧制御機器80Cを制御することにより駆動シリンダ80Aにおけるロッド80Bの進退を方向制御でき、搬入用受部60Aを昇降させる際にロッド80Bを進退移動させる。
【0061】
ロッド80Bの先端部は、第一アーム82Aの一端部に装置左右方向の軸周りに回転可能に取り付けられている。第一アーム82Aは、その他端部が装置左右方向に延在する軸部材82Bに固定されている。
図8に示すように、軸部材82Bは、その長手方向の両端部が装置フレーム78A側に軸支されており、自らの軸周りに回転可能とされている。軸部材82Bの長手方向両端部と長手方向中央部(第一アーム82Aの配設部)との間には、第二アーム82C、82Dの一端部が固定されている。第二アーム82C、82Dの他端部は、ブラケット82E、82Fを介して昇降フレーム84に取り付けられており、ブラケット82E、82Fに対して装置左右方向の軸周りに回転可能である。昇降フレーム84には、前述したガイドレール68が取り付けられている。
【0062】
また、装置右側(図中では上側)の第二アーム82Cの一端部には、装置前後方向に延在する連結軸86の一端部が、装置左右方向に延びる軸周りに回転可能に連結されている。連結軸86の他端部は、第三アーム88Aの一端部に装置左右方向の軸周りに回転移動可能に連結されている。
【0063】
図6に示すように、第三アーム88Aは、装置側面視で略L字形状を呈しており、屈曲部分には、装置左右方向に延在する軸部材88Bが固定されている。
図8に示すように、軸部材88Bは、その長手方向の両端部が装置フレーム78A側に軸支されており、自らの軸周りに回転可能とされている。第三アーム88Aの他端部は、ブラケット88Cを介して昇降フレーム84に取り付けられており、ブラケット88Cに対して装置左右方向の軸を中心に回転可能である。軸部材88Bには装置左側(図中では下側)の端部寄りに第四アーム88Dの一端部が固定されている。第四アーム88Dの他端部は、ブラケット88Eを介して昇降フレーム84に取り付けられており、ブラケット88Eに対しては装置左右方向の軸周りに回転可能である。
【0064】
以上説明した構成により、搬入用昇降機構76は、駆動シリンダ80Aにおけるロッド80Bを進退移動させることにより、第一アーム82A、軸部材82B、第二アーム82C、82D、連結軸86、第三アーム88A、軸部材88B、第四アーム88D、昇降フレーム84、及び搬入用走行台車64を連動させて
図6に示される搬入用ブラケット60の搬入用受部60Aを昇降させることができる。
【0065】
次に、搬出装置56について説明する。なお、前述したように、搬出装置56は、搬出用と搬入用の違いはあるものの搬入装置32と同様の装置構成となっているので、対応する構成部については、適宜、搬入装置32と同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
搬出装置56は、搬出用ブラケット92を備えており、搬出用ブラケット92は、先端部側にワークWを載せるための搬出用受部92Aを備える。この搬出用ブラケット92は、搬出用ブラケット92を進退方向(搬出方向及びその反対方向)に移動させるための搬出用進退機構63に連結されている。以下、搬出用進退機構63について説明する。
【0067】
搬出用ブラケット92の基端部は搬出用移動体としての搬出用走行台車94に取り付けられている。搬出用走行台車94は、投射室18側と搬出用ローラコンベヤ52側とを結ぶ搬出ラインの方向(本実施形態では装置前後方向)に沿って移動可能である。搬出用走行台車94の底面部側には、搬出用レール96が固定(一体的に配設)されており、搬出用レール96は、搬出ラインに直交する方向に延びている。
【0068】
搬出用レール96内には、搬出用回転アーム98の先端部には、搬出用移動部としてのスライダ98Aが配設されており、スライダ98Aは、搬出用レール96に案内されながら搬出用レール96の長手方向に沿って移動することができる。搬出用回転アーム98は、スライダ98Aと、スライダ98Aが先端部に固定されたアーム98Bと、を含む。アーム98Bの基端部は、装置上下方向のモータ軸100Aを中心として回転できる。そして、搬出用回転アーム98は、基端部側のモータ軸100A周りに180°回転でき、これにより、スライダ98Aが搬出用レール96を搬出ラインの方向に押圧しながら投射室18に接近する位置と離間する位置(
図6に示される位置)との間で単弦運動する。
【0069】
すなわち、搬出用回転アーム98は、搬出用駆動モータ100(図中では模式化して図示)によって回転することができる。搬出用駆動モータ100は、タイミング制御部90に接続されており、タイミング制御部90は、搬出用駆動モータ100の駆動タイミング及び正転、逆転を制御するようになっている。
【0070】
そして、タイミング制御部90は、ワークWを搬入装置32が投射室18に搬入するタイミングと、搬出装置56がクランプ装置34に挟持されたワークWを搬出用ローラコンベヤ52上に搬出するタイミングとが重なるように、搬入装置32及び搬出装置56を制御する。
【0071】
このタイミング制御部90は、前述した開閉制御部26(
図5(A)参照)及びシャッタ制御部42(
図4参照)と共に装置制御部の一部を構成している。
【0072】
また、搬出装置56は、搬出用走行台車94を昇降させることによって搬出用ブラケット92を昇降させる搬出用昇降機構77を備えている。搬出用昇降機構77を搬入用昇降機構76と比べると、搬出用昇降機構77は、搬入用走行台車64に代えて、搬出用走行台車94を昇降させている点及び配置位置を除き、搬入用昇降機構76と同様の構成となっている。よって、搬出用昇降機構77において、搬入用昇降機構76と同様の構成部には、搬入用昇降機構76の構成部の符号と同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
なお、
図1に示されるショットブラスト装置10の平面図において、符号102Aは投射材補給口、符号102Bは吸出口、符号102Cは操作盤、符号102Dはパイプ、符号102Eはスクリューコンベヤ、符号102Fはドラムセパレータをそれぞれ示す。
【0074】
(作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
【0075】
図1に示すように、本実施形態に係るショットブラスト装置10では、ワークWは、まず、搬入用ローラコンベヤ12によって搬送される。搬入用ローラコンベヤ12上のワークWは、搬入用ローラコンベヤ12の搬送ライン下流側に至ると搬入装置32によってキャビネット16の投射室18に搬入される。投射室18に搬入されたワークWは、クランプ装置34によって挟持される。そして、クランプ装置34に挟持されたワークWは、回転させられながら投射機20(
図2参照)によって投射材を投射された、その後、搬出装置56によって搬出用ローラコンベヤ52上に搬出される。ここで、搬入側の機構と搬出側の機構とが分けられることで、処理済のワークWの投射室18からの搬出と並行して処理前のワークWの投射室18への搬入を行うことができる。このため、搬入出に要する時間(換言すれば投射以外の時間)が抑えられる。
【0076】
ここで、本実施形態では、ワークWを搬入装置32が投射室18に搬入するタイミングと、クランプ装置34に挟持されたワークWを搬出装置56が搬出用ローラコンベヤ52上に搬出するタイミングとが重なるように、タイミング制御部90(
図6参照)が搬入装置32及び搬出装置56を制御する。このため、ワークWの搬入出の並行処理が自動的になされる。
【0077】
また、
図4に示すように、本実施形態では、投射機20の投射口36Aに設けられたシャッタ38を、シャッタ駆動部40により投射口36Aを開く開放位置と、投射口36Aを塞ぐ閉止位置との間で移動することができる。そして、投射機20が投射を開始する直前には、シャッタ38を開放位置に移動させるようにシャッタ制御部42がシャッタ駆動部40を作動させ、また、投射機20が投射を終了した直後には、シャッタ38を閉止位置に移動させるようにシャッタ制御部42がシャッタ駆動部40を作動させる。このため、投射停止待ち時間がなくなり、投射機20による投射を終了させた直後にワークWの搬入出ができるので、処理時間が抑えられる。
【0078】
また、本実施形態では、
図1に示すキャビネット16の搬入口16Aに設けられた搬入側開閉扉22を、第一駆動部24により搬入口16Aを開く開放位置と、搬入口16Aを塞ぐ閉止位置との間で移動することができる。また、キャビネット16の搬出口16Bに設けられた搬出側開閉扉28を、第二駆動部30により、搬出口16Bを開く開放位置と、搬出口16Bを塞ぐ閉止位置との間で移動することができる。そして、投射機20(
図2参照)が投射を開始する直前に、搬入側開閉扉22及び搬出側開閉扉28を閉止位置に移動させるように、開閉制御部26(
図5(A)参照)が第一駆動部24及び第二駆動部30を作動させる。また、投射機20(
図2参照)が投射を終了した直後には、搬入側開閉扉22及び搬出側開閉扉28を開放位置に移動させるように、開閉制御部26(
図5(A)参照)が第一駆動部24及び第二駆動部30を作動させる。このため、投射機20(
図2参照)による投射時にキャビネット16から投射材が漏れ出すのを防止できると共に、投射機20(
図2参照)による投射を終了させた直後にワークWの搬入出が可能であり、投射材の漏れ出しが防止又は効果的に抑制されながら処理時間が抑えられる。
【0079】
図4に示す投射機20によるワークWへのショットブラスト処理が完了してシャッタ38が閉じられ、
図1に示す搬入側開閉扉22及び搬出側開閉扉28が開かれると、クランプ装置34によるワークWの挟持が開放されて、
図6に示す搬出装置56による搬出工程と、搬入装置32による搬入工程とが並行して行われる。また、搬出装置56によるワークWの搬出及び搬入装置32によるワークWの搬入が完了し、クランプ装置34の挟持部がワークWを挟持すると、搬入側開閉扉22及び搬出側開閉扉28が閉止位置に移動させられる。そして、クランプ装置34の挟持部が装置左右方向の軸周りに回転させられ、
図4に示すシャッタ38が投射口36Aを開く開放位置に移動すると、投射機20によるワークWへの投射(ショットブラスト処理)が開始される。
【0080】
次に、
図6に示される搬出装置56による搬出工程について詳細に説明する。まず、搬出用ブラケット92が、搬出用ローラコンベヤ52上の低い待機位置から、クランプ装置34の挟持エリア下方側へ搬出用進退機構63によって前進するとともに、搬出用昇降機構77によって上昇させられることにより、搬出用ブラケット92の搬出用受部92Aに上にワークWが載せられる。その後、搬出用ブラケット92は、搬出用進退機構63によって後退させられることによりワークWを投射室18から搬出し、搬出用昇降機構77によって下降されることにより元の位置に戻されてワークWを搬出用ローラコンベヤ52上に載せる。
【0081】
ここで、搬出装置56の搬出用進退機構63の動作について説明する。搬出用ブラケット92の基端部が取り付けられた搬出用走行台車94は、投射室18側と搬出用ローラコンベヤ52側とを結ぶ搬出ラインの方向に沿って移動可能となっている。また、搬出用ブラケット92には、搬出ラインに直交する方向に延びる搬出用レール96が固定(一体的に配設)されている。そして、搬出用レール96に沿って移動可能なスライダ98Aを先端部に備えた搬出用回転アーム98が、基端部のモータ軸100Aを中心として搬出用駆動モータ100により180°回転することにより、スライダ98Aが搬出用レール96を搬出ラインの方向に押圧しながら投射室18に接近する位置と離間する位置(
図6に示される位置)との間で単弦運動する。
【0082】
このため、搬出用回転アーム98及び搬出用ブラケット92は、移動動作の初めと終わりでは低速で移動するため、受け渡しエリアでのワークWへの衝撃が抑えられつつ、移動動作の中間では高速で移動するため、ワークWの搬出に要する時間が抑えられる。
【0083】
この搬出装置56における搬出用ブラケット92の後退(ワークWの搬出)に合わせて、搬入装置32における搬入用ブラケット60の前進(ワークWの搬入)がなされる。搬入装置32による搬入工程について詳細に説明すると、搬入用ローラコンベヤ12上のワークWは、搬入用ブラケット60の先端側の搬入用受部60Aに載せられ、搬入用昇降機構76による搬入用ブラケット60の上昇、搬入用進退機構62による搬入用ブラケット60の前進、及び搬入用昇降機構76による搬入用ブラケット60の下降を経てクランプ装置34の挟持位置へ搬入される。ワークWがクランプ装置34に挟持された後、搬入用進退機構62により搬入用ブラケット60は後退して元の位置に戻される。
【0084】
ここで、搬入装置32の搬入用進退機構62の動作について説明する。搬入用ブラケット60の基端部が取り付けられた搬入用走行台車64は、搬入用ローラコンベヤ12側と投射室18側とを結ぶ搬入ラインの方向に沿って移動可能となっている。また、搬入用ブラケット60には、搬入ラインに直交する方向に延びる搬入用レール70が固定(一体的に配設)されている。そして、
図9に示されるように、搬入用レール70に沿って移動可能なスライダ72Aを先端部に備えた搬入用回転アーム72が、搬入用駆動モータ74(
図6参照)により基端部側のモータ軸74Aを中心として180°回転することにより、スライダ72Aが搬入用レール70を搬入ラインの方向に押圧しながら投射室18(
図6参照)に接近する位置72A1と離間する位置72A2との間で単弦運動する。
【0085】
このため、搬入用回転アーム72及び搬入用ブラケット60(
図10参照)は、
図10(A)及び
図10(C)に示される移動動作の初めと終わりでは低速で移動するため、受け渡しエリアでのワークWへの衝撃が抑えられつつ、
図10(B)に示される移動動作の中間では高速で移動するため、ワークWの搬入に要する時間が抑えられる。なお、搬入装置32の搬入用ブラケット60及び搬入用回転アーム72は、ワークWを搬入した後には、
図10(C)の状態から
図10(B)、
図10(A)の順序で元の位置に戻されていく。
【0086】
以上説明したように、本実施形態に係るショットブラスト装置10によれば、トータルの処理時間を短縮することができる。
【0087】
(実施形態の補足説明)
なお、上記実施形態では、
図1に示されるように、第一コンベヤとして搬入用ローラコンベヤ12が適用され、第二コンベヤとして搬出用ローラコンベヤ52が適用されているが、第一コンベヤとして搬入用ベルトコンベヤが適用されてもよいし、第二コンベヤとして搬出用ベルトコンベヤが適用されてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、投射機として遠心式の投射機20(
図2参照)が適用されているが、投射機は、例えば、圧縮空気とともに投射材を圧送しノズルから噴射するエアノズル式の投射機等のような他の投射機であってもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、ショット処理装置は、ショットブラスト装置10とされているが、ショット処理装置は、ショットピーニング装置等のような他のショット処理装置であってもよい。また、ショットブラスト装置10と同じ構成の装置を、ショットブラスト装置兼ショットピーニング装置として用いてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、
図6に示されるように、搬入装置32及び搬出装置56がタイミング制御部90によって制御されており、このような構成がより好ましいが、例えば、搬入装置及び搬出装置にそれぞれ作動開始スイッチが設けられ、これらの作動開始スイッチが手動で操作されることによってそれぞれの作動が開始されるような構成であってもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、搬入装置32は、搬入用ブラケット60と、搬入用移動体としての搬入用走行台車64と、搬入用レール70と、搬入用回転アーム72と、搬入用駆動モータ74と、を含んで構成されており、このような構成がより好ましいが、搬入装置は、例えば、搬入用ブラケット60と、搬入用ブラケット60を搬入ラインの方向に進退移動させる駆動シリンダと、を含んで構成された装置等のような他の搬入装置であってもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、搬入用移動体としての搬入用走行台車64の底面部側に搬入用レール70が固定されているが、例えば、搬入用移動体の底面部に搬入用レールが一体的に形成(一体的に配設)されていてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、搬入用回転アーム72の先端部に設けられた移動部がスライダ72Aとなっているが、搬入用回転アームの先端部に設けられる移動部は、例えば、搬入用回転アームの先端部において回転可能(転動可能)な球体等のような他の移動部であってもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、搬入用回転アーム72が基端部側のモータ軸74A周りに180°回転移動可能とされており、このような構成がより好ましいが、例えば、搬入用回転アーム72が基端部側のモータ軸74A周りに180°よりも若干小さい角度範囲で回転移動可能とされてもよい。
【0095】
また、上記実施形態の変形例として、搬入装置32の搬入用昇降機構76に代えて、搬入用ブラケット60に取り付けられて上下方向に進退移動(昇降)するロッドを備えた駆動シリンダと、搬入用ブラケット60を装置上下方向に案内する案内部と、を設けた構成としてもよい。同様に、上記実施形態の変形例として、搬出装置56の搬出用昇降機構77に代えて、搬出用ブラケット92に取り付けられて上下方向に進退移動(昇降)するロッドを備えた駆動シリンダと、搬出用ブラケット92を装置上下方向に案内する案内部と、を設けた構成としてもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、搬出装置56は、搬出用ブラケット92と、搬出用移動体としての搬出用走行台車94と、搬出用レール96と、搬出用回転アーム98と、搬出用駆動モータ100と、を含んで構成されており、このような構成がより好ましいが、搬出装置は、例えば、搬出用ブラケット92と、搬出用ブラケット92を搬出ラインの方向に進退移動させる駆動シリンダと、を含んで構成された装置等のような他の搬出装置であってもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、搬出用移動体としての搬出用走行台車94の底面部側に搬出用レール96が固定されているが、例えば、搬出用移動体の底面部に搬出用レールが一体的に形成(一体的に配設)されていてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、搬出用回転アーム98の先端部に設けられた移動手段がスライダ98Aとなっているが、搬出用回転アームの先端部に設けられる移動手段は、例えば、搬出用回転アームの先端部において回転可能(転動可能)な球体等のような他の移動手段であってもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、搬出用回転アーム98が基端部側のモータ軸100A周りに180°回転移動可能とされており、このような構成がより好ましいが、例えば、搬出用回転アーム98が基端部側のモータ軸100A周りに180°よりも若干小さい角度範囲で回転移動可能とされてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、
図4に示されるように、シャッタ38は、投射口36Aを開く開放位置と、投射口36Aを塞ぐ閉止位置との間でシャッタ軸38Xの周りに回転移動可能となっているが、シャッタは、例えば、投射口を開く開放位置と、投射口を塞ぐ閉止位置との間でスライド移動可能なもの等のような他の移動軌跡を描きながら移動するものであってもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、シャッタ制御部42の制御により、投射機20による投射を終了させる場合にシャッタ38が投射機20の投射口36Aを閉止する閉止位置に移動するようになっており、このような構成が好ましいが、このようなシャッタ38が設けられない構成とすることも可能である。
【0102】
また、上記実施形態では、
図5に示される開閉制御部26の制御により、投射機20(
図2等参照)による投射を終了させた直後に搬入側開閉扉22及び搬出側開閉扉28(
図1参照)が開放位置の方向へ移動するようになっており、このような構成がより好ましいが、例えば、上記の構成に代えて、第一駆動部及び第二駆動部を作動させるためのスイッチを別途設け、投射機による投射を終了させた直後にはスイッチの操作によって搬入側開閉扉及び搬出側開閉扉を開放位置の方向へ移動させるような装置であってもよい。
【0103】
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。