特許第6048749号(P6048749)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6048749
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】車両用灯火装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20161212BHJP
   F21W 101/027 20060101ALN20161212BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20161212BHJP
【FI】
   F21S8/10 371
   F21S8/10 330
   F21S8/10 352
   F21W101:027
   F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-91716(P2013-91716)
(22)【出願日】2013年4月24日
(65)【公開番号】特開2014-216150(P2014-216150A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2015年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
(74)【代理人】
【識別番号】100097618
【弁理士】
【氏名又は名称】仁木 一明
(74)【代理人】
【識別番号】100152227
【弁理士】
【氏名又は名称】▲ぬで▼島 愼二
(72)【発明者】
【氏名】竹中 伸享
(72)【発明者】
【氏名】林 寛
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−146722(JP,A)
【文献】 特開2010−135198(JP,A)
【文献】 特開2012−064500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
F21W 101/027
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主灯火器(34,35)と、該主灯火器(34,35)のリフレクタ(41,47)およびアウターレンズ(37)間に配置されるエクステンション(64)と、該エクステンション(64)に隣接して配置される導光部材(66)とを備える車両用灯火装置において、
前記導光部材(66)が前記エクステンション(64)に固定支持され、前記主灯火器(34,35)が備える主灯火器用光源(40,46)とは別の導光部材用光源(67)が、前記エクステンション(64)および前記導光部材(66)の少なくとも一方に固定支持され、前記導光部材用光源(67)からの光を入射するために前記導光部材(66)に設けられる光の入射部(68)と、前記導光部材用光源(67)への供給電力量を調整する導光部材用ドライバ(69)とが正面視で前記エクステンション(64)に覆われる位置に配置され、この導光部材用ドライバ(69)および前記導光部材用光源(67)が共通の基板(72)に設けられて、該基板(72)が、前記エクステンション(64)および前記導光部材(66)の少なくとも一方に固定支持され、前記導光部材用ドライバ(69)に電力を供給するためにハウジング(36)の後壁(36a)から該ハウジング(36)内に入るリード線(75,76)が、前記後壁(36a)の前方で前方に膨らむ湾曲部(75a,76a)を形成するようにして前記基板(72)に接続され、前記エクステンション(64)の車幅方向外端部には、前記ハウジング(36)内での前記湾曲部(75a,76a)の車幅方向内側への変位を規制する規制板部(64a)が設けられることを特徴とする車両用灯火装置。
【請求項2】
縦長形状に形成される前記基板(72)が前記主灯火器(34,35)の車幅方向外側に配置され、前記導光部材用光源(67)および前記導光部材用ドライバ(69)が、上下方向に並んで前記基板(72)に設けられることを特徴とする請求項記載の車両用灯火装置。
【請求項3】
前記導光部材(66)が、その上端部を該導光部材(66)の下端部よりも車幅方向外側に配置して上下方向に延びるように形成され、前記入射部(68)が前記導光部材(66)の上端部側に配置され、前記導光部材用ドライバ(69)が前記導光部材用光源(67)の下方に配置されることを特徴とする請求項記載の車両用灯火装置。
【請求項4】
前記湾曲部(75a,76a)と、前記主灯火器(34,35)の光軸を調整することを可能として前記リフレクタ(41,47)を前記ハウジング(36)に支持する調整支持部(52)とが、車幅方向に並んで近接配置され、前記規制板部(64a)が車幅方向で前記湾曲部(75a,76a)および前記調整支持部(52)間に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯火装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主灯火器と、該主灯火器のリフレクタおよびアウターレンズ間に配置されるエクステンションと、該エクステンションに隣接して配置される導光部材とを備える車両用灯火装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような車両用灯火装置は、特許文献1等で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−65839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で開示されたものでは、導光部材に主灯火器の光源からの光を入射するようにしているが、このような構成では、導光部材の配置上の自由度は低くなってしまう。このため、主灯火器の光源とは別に導光部材専用の光源を用いることが考えられるが、その場合、導光部材用光源や、導光部材用光源への供給電力量を調整する導光部材用ドライバを、外観性を損なうことがないようにして効率的に配置することが望まれる。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、主灯火器の光源とは別に導光部材専用の光源を用いるにあたって、導光部材用光源および導光部材用ドライバを、外観性を損なうことがないようにして効率的に配置し得るようにした車両用灯火装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、主灯火器と、該主灯火器のリフレクタおよびアウターレンズ間に配置されるエクステンションと、該エクステンションに隣接して配置される導光部材とを備える車両用灯火装置において、前記導光部材が前記エクステンションに固定支持され、前記主灯火器が備える主灯火器用光源とは別の導光部材用光源が、前記エクステンションおよび前記導光部材の少なくとも一方に固定支持され、前記導光部材用光源からの光を入射するために前記導光部材に設けられる光の入射部と、前記導光部材用光源への供給電力量を調整する導光部材用ドライバとが正面視で前記エクステンションで覆われる位置に配置され、この導光部材用ドライバおよび前記導光部材用光源が共通の基板に設けられ、該基板が、前記エクステンションおよび前記導光部材の少なくとも一方に固定支持され、前記導光部材用ドライバに電力を供給するためにハウジングの後壁から該ハウジング内に入るリード線が、前記後壁の前方で前方に膨らむ湾曲部を形成するようにして前記基板に接続され、前記エクステンションの車幅方向外端部には、前記ハウジング内での前記湾曲部の車幅方向内側への変位を規制する規制板部が設けられることを第の特徴とする。
【0007】
本発明は、第の特徴の構成に加えて、縦長形状に形成される前記基板が前記主灯火器の車幅方向外側に配置され、前記導光部材用光源および前記導光部材用ドライバが、上下方向に並んで前記基板に設けられることを第の特徴とする。
【0008】
本発明は、第の特徴の構成に加えて、前記導光部材が、その上端部を該導光部材の下端部よりも車幅方向外側に配置して上下方向に延びるように形成され、前記入射部が前記導光部材の上端部側に配置され、前記導光部材用ドライバが前記導光部材用光源の下方に配置されることを第の特徴とする
【0009】
らに本発明は、第1〜第3の特徴の構成のいずれかに加えて、前記湾曲部と、前記主灯火器の光軸を調整することを可能として前記リフレクタを前記ハウジングに支持する調整支持部とが、車幅方向に並んで近接配置され、前記規制板部が車幅方向で前記湾曲部および前記調整支持部間に配置されることを第の特徴とする。
【0010】
なお実施の形態の前照灯32が本発明の灯火装置に対応し、実施の形態のハイビームヘッドライト34およびロービームヘッドライト35が本発明の主灯火器に対応し、実施の形態のハイビームヘッドライト用光源40およびロービームヘッドライト用光源46が本発明の主灯火器用光源に対応し、実施の形態の支軸52が本発明の調整支持部に対応する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の特徴によれば、主灯火器用光源とは別である導光部材用光源からの光を入射するための導光部材の光の入射部と、導光部材用光源への供給電力量を調整する導光部材用ドライバとが、正面視でエクステンションで覆われるので、外観性を損なうことがないようにして、光の入射部および導光部材用ドライバを効率的に配置することができる。
【0012】
た、導光部材用光源が、エクステンションならびに該エクステンションに固定支持された導光部材の少なくとも一方に固定支持されるので、入射部と、導光部材との相対位置のばらつきを抑えることができる。
【0013】
また、正面視でエクステンションに覆われる位置でエクステンションおよび導光部材の少なくとも一方に導光部材用ドライバが固定支持されるので、導光部材用ドライバを外部から視認できないようにして外観性を高めることができる。
【0014】
また、導光部材用光源および導光部材用ドライバが共通に設けられる基板が、エクステンションおよび導光部材の少なくとも一方に固定支持されるので、部品点数が増大することを回避して導光部材用光源および導光部材用ドライバの組付けを可能としてコストを低減を図るとともに、導光部材用光源および導光部材用ドライバの組付けを容易とすることができる。
【0015】
また更に、導光部材用ドライバに電力を供給するためのリード線がハウジングの後壁から該ハウジング内に入って基板に接続され、後壁の前方で前方に膨らむ湾曲部をリード線が形成するので、リード線に長さの余裕が生じることになり、基板が取付けられるエクステンションもしくは導光部材をハウジングに組み付ける際の組み付け作業が容易となる。しかもエクステンションの車幅方向外端部に設けられる規制板部でハウジング内での湾曲部の車幅方向内側への変位を規制するようにしているので、リード線が車幅方向内方に変位することを抑制することができる。
【0016】
本発明の第の特徴によれば、縦長形状に形成されて主灯火器の車幅方向外側に配置される基板に、導光部材用光源および導光部材用ドライバが上下方向に並んで設けられるので、基板の車幅方向に沿う幅を抑えて灯火装置の幅を抑えることができる。
【0017】
本発明の第の特徴によれば、上下方向に延びる導光部材の上端部が下端部よりも車幅方向外側に配置され、入射部が導光部材の上端部側に配置され、導光部材用ドライバが導光部材用光源の下方に配置されるので、導光部材用光源および導光部材用ドライバの基板への配置が容易となる
【0018】
らに本発明の第の特徴によれば、リード線の湾曲部と、主灯火器の光軸を調整するようにしてリフレクタをハウジングに支持する調整支持部とが、車幅方向に並んで近接配置されるとともに車幅方向で湾曲部および調整支持部間に規制板部が配置されるので、調整支持部および湾曲部の干渉を防止しつつ調整支持部を可能な限り車幅方向外側に配置するようにしてリフレクタを安定して支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】自動二輪車の側面図である。
図2】前照灯装置を図1の2矢視方向から見た一部切欠き正面図である。
図3図2の3−3線断面図である。
図4図2の4−4線断面図である。
図5図2の5−5線断面図である。
図6図2の6−6線断面図である。
図7図2の7−7線断面図である。
図8】エクステンションの斜視図である。
図9図2の9−9線断面図である。
図10】第2の実施の形態を示すものであって図9の要部に対応した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお以下の説明で前後、左右および上下は自動二輪車に乗車した乗員から見た方向を言うものとする。
【0021】
先ず図1において、鞍乗り型車両である自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支したフロントフォーク11ならびに該フロントフォーク11に連結された操向ハンドル12を操向可能に支承するヘッドパイプ13、該ヘッドパイプ13から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム14、該メインフレーム14の後部に一体に連設されて下方に延びる左右一対のピボットフレーム15、前記メインフレーム14の後部から後上がりに延びる左右一対のシートレール16等を備える。
【0022】
前記車体フレームFには、前記メインフレーム14の下方に配置される水冷式の内燃機関Eの機関本体19が支持される。また内燃機関Eが発揮する動力で駆動される後輪WRを後端部で軸支するスイングアーム20の前端部がピボットフレーム15の下部に上下揺動可能に支承される。
【0023】
前記内燃機関Eの上方で前記メインフレーム14に燃料タンク21が搭載され、該燃料タンク21の後方に配置される乗車用前部シート22ならびに該乗車用前部シート22のさらに後方に配置される乗車用後部シート23が前記シートレール16で支持される。
【0024】
前記車体フレームFの前端部の前記ヘッドパイプ13は、前記前輪WFの直上に配置されるようにして車体フレームFで支持されるフロントカウル25で前方から覆われており、前記車体フレームFの前部および前記内燃機関Eの一部を側方から覆う左右一対のセンターカウル26が前記フロントカウル25の左右両側に連設され、前記内燃機関Eの下部を側方および下方から覆うとともに相互に接合される左右一対のロアカウル27が前記センターカウル26の後側下部にそれぞれ連設される。また前記燃料タンク21の後側下部を両側から覆う左右一対のサイドカバー28が前記燃料タンク21および乗車用前部シート22間に設けられ、前記シートレール16のうち前記乗車用後部シート23の下方に配置される部分はリヤカウル29で覆われる。
【0025】
また前記フロントフォーク11には、前記前輪WFの少なくとも一部を上方から覆うフロントフェンダ30が支持され、前記シートレール16の後部には前記後輪WRを後側上方から覆うリヤフェンダ31が支持される。
【0026】
前記フロントカウル26の前部中央には、本発明の灯火装置である前照灯32が配設され、前記リヤカウル29の後端中央部には尾灯33が配設される。
【0027】
図2および図3を併せて参照して、前記前照灯32の主灯火器は、左右一対のハイビームヘッドライト34,34と、それらのハイビームヘッドライト34,34の上方に配置される左右一対のロービームヘッドライト35,35であり、前記ハイビームヘッドライト34,34および前記ロービームヘッドライト35,35は、単一のハウジング36と、前記フロントカウル25に設けられた開口部38に一部を臨ませて前記ハウジング36に前方から取付けられる単一のレンズ37を共通に備える。
【0028】
前記ハイビームヘッドライト34は、前記ハウジング36および前記レンズ37と、ハイビームヘッドライト用光源40と、該ハイビームヘッドライト用光源40からの光を前方に向けて反射させるハイビームヘッドライト用リフレクタ41とを備え、前記ハイビームヘッドライト用光源40はLEDである。
【0029】
前記ハイビームヘッドライト用リフレクタ41の後側上部には、該ハイビームヘッドライト用リフレクタ41の上方に配置される前記ハイビームヘッドライト用光源40からの光を、前記ハイビームヘッドライト用リフレクタ41内に向けて照射する透孔42が設けられる。前記ハイビームヘッドライト用光源40は、前記ハイビームヘッドライト用リフレクタ41の前記透孔42に向けて光を照射するようにして、ハイビームヘッドライト用基板43に設けられる。
【0030】
前記ロービームヘッドライト35は、前記ハウジング36および前記レンズ37と、ロービームヘッドライト用光源46と、該ロービームヘッドライト用光源46からの光を前方に向けて反射させるロービームヘッドライト用リフレクタ47とを備え、前記ロービームヘッドライト用光源46はLEDである。
【0031】
前記ロービームヘッドライト用リフレクタ47の後側上部には、該ロービームヘッドライト用リフレクタ47の上方に配置される前記ロービームヘッドライト用光源46からの光を、前記ロービームヘッドライト用リフレクタ47内に向けて照射する透孔48が設けられる。前記ロービームヘッドライト用光源46は、前記ロービームヘッドライト用リフレクタ47の前記透孔48に向けて光を照射するようにして、ロービームヘッドライト用基板49に設けられる。
【0032】
図4を併せて参照して、前記ハイビームヘッドライト用リフレクタ41の後方には、該ハイビームヘッドライト用リフレクタ41に一体に設けられた支持腕部41aにねじ部材45(図3参照)で締結されるようにしてハイビームヘッドライト用ヒートシンク44が配置されており、このハイビームヘッドライト用ヒートシンク44に前記ハイビームヘッドライト用基板43が取付けられる。
【0033】
図5を併せて参照して、前記ロービームヘッドライト用リフレクタ47の後方には、該ロービームヘッドライト用リフレクタ47に一体に設けられた支持腕部47aにねじ部材51(図3参照)で締結されるようにしてロービームヘッドライト用ヒートシンク50が配置されており、このロービームヘッドライト用ヒートシンク50に前記ロービームヘッドライト用基板49が取付けられる。
【0034】
しかも前記ハイビームヘッドライト用ヒートシンク44の車幅方向両端部には、上方に延びる一対の連結腕部44a,44bが一体に設けられており、それらの連結腕部44a,44bに、前記ロービームヘッドライト用ヒートシンク50が締結される。すなわちハイビームヘッドライト用ヒートシンク44と、その上方のロービームヘッドライト用ヒートシンク50とは、相対位置を一定として連結される。
【0035】
図6を併せて参照して、前記ハイビームヘッドライト用ヒートシンク44が備える一対の前記連結腕部44a,44bのうち車幅方向外側の連結腕部44bの下部には、車幅方向外側に延びる支持腕部44cが一体に設けられる。一方、前記ハウジング36の後壁36aの車幅方向外側下部には、該後壁36aを液密に貫通して車両前後方向に延びる支軸52が設けられており、前記支持腕部44cの先端部が前記支軸52にねじ止めされたナット53に首振り可能に支持される。
【0036】
また前記ハイビームヘッドライト用ヒートシンク44が備える一対の前記連結腕部44a,44bのうち車幅方向外側の連結腕部44bの上部には、車幅方向外側に延びる腕部44dが一体に設けられる。一方、前記ハウジング36の前記後壁36aの車幅方向外側上部には、外端にノブ54を一体に有して前記支軸52と平行に延びる回動軸55が前記後壁36aを液密に貫通するようにして回動自在に支持されており、この回動軸55の外周に設けられる雄ねじ56に螺合するナット57に前記腕部44dの先端部が連結される。
【0037】
前記ノブ54によって前記回動軸55を回動操作すると、前記ナット57が前記回動軸55の軸線に沿う方向で移動することになり、図3および図6の鎖線で示すように、前記ハイビームヘッドライト34および前記ロービームヘッドライト35が前記ナット57を支点として揺動し、前記ハイビームヘッドライト34および前記ロービームヘッドライト35の光軸を上下方向で調整することができる。
【0038】
図4に注目して、前記ハイビームヘッドライト用ヒートシンク44が備える一対の前記連結腕部44a,44bのうち車幅方向内側の連結腕部44aの下部には、車幅方向内側に延びる腕部44eが一体に設けられる。一方、前記ハウジング36の後壁36aの車幅方向内側下部には、前記支軸52と平行に延びて前記後壁36aを液密に貫通するボルト58が回動自在に支持されており、このボルト58に設けられる雄ねじ59に螺合するナット60に前記腕部44eの先端部が連結される。
【0039】
前記ボルト58を回動操作すると、前記ナット59が前記ボルト58の軸線に沿う方向で移動することになり、図4の鎖線で示すように、前記ハイビームヘッドライト34および前記ロービームヘッドライト35が前記ナット57を支点として揺動し、前記ハイビームヘッドライト34および前記ロービームヘッドライト35の光軸を左右方向で調整することができる。
【0040】
図7を併せて参照して、前記ハウジング36の車幅方向中央部の後方には、前記ハイビームヘッドライト用光源40および前記ロービームヘッドライト用光源46への供給電力量を調整する主灯火器用ドライバ61が配置される。
【0041】
図8を併せて参照して、主灯火器であるハイビームヘッドライト34およびロービームヘッドライト35のリフレクタすなわちハイビームヘッドライト用リフレクタ41およびロービームヘッドライト用リフレクタ47と、前記アウターレンズ37との間には、左右一対であるハイビームヘッドライト34を臨ませる左右一対のハイビームヘッドライト用窓62ならびに左右一対であるロービームヘッドライト35を臨ませる左右一対のロービームヘッドライト用窓63を有するエクステンション64が配置されており、このエクステンション64は、複数のねじ部材65で前記ハウジング36に締結される。
【0042】
図9を併せて参照して、前記前照灯32は、前記エクステンション64に隣接するように配置される左右一対の導光部材66と、前記主灯火器が備える主灯火器用光源すなわち左右一対の前記ハイビームヘッドライト用光源40および左右一対の前記ロービームヘッドライト用光源46とは別である左右一対の導光部材用光源67とを備えるものであり、該導光部材用光源67からの光を入射するために前記導光部材66に設けられる光の入射部68と、前記導光部材用光源67への供給電力量を調整する導光部材用ドライバ69とが、正面視で前記エクステンション64で覆われる位置に配置される。
【0043】
前記導光部材66は、前記ハイビームヘッドライト用リフレクタ41および前記ロービームヘッドライト用リフレクタ47の車幅方向外側に沿うとともに前記ハイビームヘッドライト用リフレクタ41の下部に沿うようにしつつ、導光部材66の上端部を該導光部材66の下端部よりも車幅方向外側に配置して上下方向に延びるように形成されるとともに、前記エクステンション64に設けられたスリット70に前記導光部材66の一部を臨ませるようにして前記エクステンション64に固定支持される。
【0044】
すなわち前記導光部材66は、前記ハイビームヘッドライト用リフレクタ41および前記ロービームヘッドライト用リフレクタ47の車幅方向外側で車幅方向外側に向かって斜め上方に延びる側方直線部66aと、該側方直線部66aの下端から車幅方向内側に向かって斜め下方に延びて前記ハイビームヘッドライト用リフレクタ41の下方に配置される下方直線部66bとを有するように形成され、複数のねじ部材71で前記エクステンション64に締結される。また前記スリット70は、前記導光部材66の側方直線部66aの一部を臨ませる側方直線部70aと、前記導光部材66の下方直線部66bの一部を臨ませる下方直線部70bとを有するように形成される。
【0045】
前記導光部材66の上端部は、前記スリット70における側方直線部70aの上端よりも上方に在り、前記光の入射部58は、正面視で前記エクステンション64で覆われるようにして前記導光部材66の上端部側に設けられる。
【0046】
前記導光部材用光源67は、LEDであり、前記入射部68に近接、対向する位置に配置され、前記エクステンション64および前記導光部材66の少なくとも一方、この実施の形態ではエクステンション64に固定支持される。
【0047】
また前記導光部材用ドライバ69は、正面視で前記エクステンション64に覆われる位置で前記エクステンション64および前記導光部材66の少なくとも一方、この実施の形態ではエクステンション64に固定支持される。
【0048】
前記導光部材用光源67および前記導光部材用ドライバ69は共通の基板72に設けられており、該基板72が、前記エクステンション64および前記導光部材66の少なくとも一方に固定支持されるものであり、この実施の形態では、前記基板72が、ねじ部材73で前記エクステンション64に締結される。
【0049】
前記基板72は、縦長形状に形成され、主灯火器であるハイビームヘッドライト34およびロービームヘッドライト35の車幅方向外側に配置されており、前記導光部材用光源67および前記導光部材用ドライバ69は、上下方向に並んで前記基板72に設けられる。すなわち前記導光部材用ドライバ69が、前記基板72の上端部に設けられる前記導光部材用光源67の下方に配置されるようにして前記基板72に設けられる。
【0050】
前記導光部材用ドライバ69に電力を供給するための一対のリード線75,76が、前記ハウジング36の後壁36aから該ハウジング36内に導入されており、それらのリード線75,76は、前記後壁36aの前方で前方に膨らむ湾曲部75a,76aを形成するようにして前記基板72に接続される。しかも前記エクステンション64の車幅方向外端部には、前記ハウジング36内での前記湾曲部75a,76aの車幅方向内側への変位を規制する規制板部64aが設けられる。
【0051】
ところで前記湾曲部75a,76aと、ハイビームヘッドライト34およびロービームヘッドライト35の光軸を調整することを可能として前記ハイビームヘッドライト用リフレクタ41およびロービームヘッドライト用リフレクタ47を前記ハウジング36に支持する調整支持部である支軸52とが、図2で明示するように車幅方向に並んで近接配置されており、前記規制板部64aは、車幅方向で前記湾曲部75a,76aおよび前記支軸52間に配置される。
【0052】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、前照灯32は、ハイビームヘッドライト34が備えるハイビームヘッドライト用光源40ならびにロービームヘッドライト35が備えるロービムヘッドライト用光源46とは別の導光部材用光源67を備えており、導光部材用光源67からの光を入射するために導光部材66に設けられる光の入射部68と、前記導光部材用光源67への供給電力量を調整する導光部材用ドライバ69とが、正面視でエクステンション64で覆われる位置に配置されるので、外観性を損なうことがないようにして、光の入射部68および導光部材用ドライバ69を効率的に配置することができる。
【0053】
また前記導光部材66がエクステンション64に固定支持され、導光部材用光源67が、エクステンション64および導光部材66の少なくとも一方(この実施の形態ではエクステンション64)に固定支持されるので、光の入射部68と、導光部材66との相対位置のばらつきを抑えることができる。
【0054】
また導光部材用ドライバ69が、正面視でエクステンション64に覆われる位置で前記エクステンション64および前記導光部材66の少なくとも一方(この実施の形態ではエクステンション64)に固定支持されるので、導光部材用ドライバ69を外部から視認できないようにして外観性を高めることができる。
【0055】
また前記導光部材用光源67および前記導光部材用ドライバ69が共通の基板72に設けられ、該基板72が、前記エクステンション64および前記導光部材66の少なくとも一方(この実施の形態ではエクステンション64)に固定支持されるので、部品点数が増大することを回避して導光部材用光源67および導光部材用ドライバ69の組付けを可能としてコスト低減を図るとともに、導光部材用光源67および導光部材用ドライバ69の組付けを容易とすることができる。
【0056】
また縦長形状に形成される前記基板72が前記ハイビームヘッドライト34および前記ロービームヘッドライト35の車幅方向外側に配置され、前記導光部材用光源67および前記導光部材用ドライバ69が、上下方向に並んで前記基板72に設けられるので、基板72の車幅方向に沿う幅を抑えて前照灯32の幅を抑えることができる。
【0057】
また前記導光部材66が、その上端部を該導光部材66の下端部よりも車幅方向外側に配置して上下方向に延びるように形成され、前記入射部68が前記導光部材66の上端部側に配置され、前記導光部材用ドライバ69が前記導光部材用光源67の下方に配置されるので、導光部材用光源67および導光部材用ドライバ69の基板72への配置が容易となる。
【0058】
また前記導光部材用ドライバ69に電力を供給するためにハウジング36の後壁36aから該ハウジング36内に入るリード線75,76が、後壁36aの前方で前方に膨らむ湾曲部75a,76aを形成するようにして前記基板72に接続され、前記エクステンション64の車幅方向外端部には、前記ハウジング36内での前記湾曲部75a,76aの車幅方向内側への変位を規制する規制板部64aが設けられるので、リード線75,76に長さの余裕が生じることになり、基板72が取付けられるエクステンション64および導光部材66の少なくとも一方をハウジング36に組み付ける際の組み付け作業が容易となる。しかもエクステンション64の車幅方向外端部に設けられる規制板部64aでハウジング36内での湾曲部75a,76aの車幅方向内側への変位を規制するようにしているので、リード線75,76が車幅方向内方に変位することを抑制することができる。
【0059】
さらに前記湾曲部75a,76aと、前記ハイビームヘッドライト34および前記ロービームヘッドライト35の光軸を調整することを可能として前記ハイビームヘッドライト用リフレクタ41および前記ロービームヘッドライト用リフレクタ47を前記ハウジング36に支持する支軸52とが、車幅方向に並んで近接配置され、前記規制板部64aが車幅方向で前記湾曲部75a,76aおよび前記支軸52間に配置されるので、支軸52および湾曲部75a,76aの干渉を防止しつつ支軸53を可能な限り車幅方向外側に配置するようにして前記ハイビームヘッドライト用リフレクタ41および前記ロービームヘッドライト用リフレクタ47を安定して支持することができる。
【0060】
本発明の第2の実施の形態として、図10で示すように、前記導光部材用光源67および前記導光部材用ドライバ69が設けられる基板72が、前記エクステンション64に固定された前記導光部材66にねじ部材78による締結で固定支持されるようにしてもよい。
【0061】
また前記基板72が、前記エクステンション64および前記導光部材66の両方に固定支持されてもよい。
【0062】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0063】
32・・・灯火装置である前照灯
34・・・主灯火器であるハイビームヘッドライト
35・・・主灯火器であるロービームヘッドライト
36・・・ハウジング
36a・・・後壁
37・・・アウターレンズ
40・・・主灯火器用光源であるハイビームヘッドライト用光源
41・・・ハイビームヘッドライト用リフレクタ
46・・・主灯火器用光源であるロービームヘッドライト用光源
47・・・ロービームヘッドライト用リフレクタ
52・・・調整支持部である支軸
64・・・エクステンション
64a・・・規制板部
66・・・導光部材
67・・・導光部材用光源
68・・・入射部
69・・・導光部材用ドライバ
72・・・基板
75,76・・・リード線
75a,76a・・・湾曲部
図1
図2
図3
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図10