(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に図面を用いて、本発明の実施の形態を詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0009】
図1は、太陽電池10の構成を示す平面図である。太陽電池10は、主面として、太陽電池10の外部から光が入射する面である受光面と、受光面と反対側の面である裏面とを有するが、
図1では受光面が示されている。
【0010】
太陽電池10は、太陽光等の光を受光することで一対の正孔および電子の光生成キャリアを生成する光電変換部11を備える。光電変換部11は、例えば、結晶性シリコン(c−Si)、ガリウム砒素(GaAs)、インジウム燐(InP)等の半導体材料の基板を有する。
【0011】
光電変換部11は、太陽光等の光を電気に変換する機能を有するpn接合を有する。pn接合は、半導体材料の基板に拡散技術等を用いてp型領域とn型領域を形成したものを用いることができる。pn接合は、光電変換機能を有すればよく、i層を含む広義のpn接合であってもよい。例えば、n型単結晶シリコン基板と非晶質シリコンのヘテロ接合を用いることができる。ヘテロ接合を用いた太陽電池の構成については後述する。この他に、例えば、p型多結晶シリコン基板と、その受光面側に形成されたn型拡散層と、その裏面側に形成されたアルミニウム金属膜とを備える構造であってもよい。
【0012】
光電変換部11の平面形状は、正方形の四隅を斜めに切り欠いた多角形形状である。
図1では、斜めに切り欠いた部分を隅部12とし、隅部12の間の部分を平行部13として示してある。光電変換部11の平面形状はこれ以外の形状であっても構わない。例えば、正方形、直方形、円形、楕円形等であってもよい。
【0013】
太陽電池10の受光面には、光生成キャリアを集電する集電極として受光面電極14が設けられる。受光面電極14は、互いに平行に配置された複数のフィンガー電極15と、フィンガー電極15に交差して配置されるバスバー電極16とで構成される。フィンガー電極15とバスバー電極16は、互いに直交して配置されて電気的に接続される。フィンガー電極15は、受光面の全体から集電するが、遮光性を少なくするように、細線化した細線電極である。バスバー電極16は、複数のフィンガー電極15によって集電されたキャリアを全体として集める電極であるが、さらに、集めたキャリアを外部に取り出すために、配線材が接続される接続用電極でもある。その意味では、フィンガー電極15が狭義の集電極である。
【0014】
図1では、太陽電池10の受光面について18本のフィンガー電極15と2本のバスバー電極16が示されているが、これらの本数は説明のための例示である。これ以外の本数のフィンガー電極15、バスバー電極16であってもよい。なお、太陽電池10の裏面にも、受光面電極14と同様な構成の裏面電極が設けられる。裏面電極も、受光面電極14と同様に、フィンガー電極とバスバー電極を有する。
【0015】
フィンガー電極15とバスバー電極16は、例えば、バインダ樹脂中に銀(Ag)等の導電性フィラーが分散された導電性ペーストを透明導電層の上に所望のパターンでスクリーン印刷法により形成される。フィンガー電極15の幅としては50μmから150μm程度が好ましく、厚さは20μmから80μm程度が好ましい。隣接するフィンガー電極15の間の間隔は、1.5mmから3mm程度が好ましい。バスバー電極16の幅としては0.1mmから3mm程度が好ましく、厚さは20μmから100μm程度が好ましい。
【0016】
受光面内におけるフィンガー電極15の配置は、光電変換部11の外形の輪郭線からほぼ等距離となるように設定される。すなわち、フィンガー電極15の配置方向は、光電変換部11の外形の平行部13に平行で、最も外側に配置されるフィンガー電極15は、光電変換部11の平行部13から予め定めた所定間隔で平行に離間して配置される。また、光電変換部11の隅部12では、フィンガー電極15の先端の位置が、光電変換部11の隅部12の輪郭線から上記の所定間隔で離間するように揃えられ、平行部13では、フィンガー電極15の先端の位置が、光電変換部11の平行部13の輪郭線から上記の所定間隔で離間するように揃えられる。これによって、光電変換部11の受光面の全体から、キャリアをフィンガー電極15に効果的に集めることができる。
【0017】
フィンガー電極15の先端には、補助電極17,18が設けられる。補助電極17,18は、光電変換部11の外周側で生成されたキャリアをさらに効率よく集電する機能を有する。
【0018】
補助電極17は、光電変換部11の隅部12におけるフィンガー電極15の先端に設けられる。光電変換部11の隅部12では、複数のフィンガー電極15の先端の位置が光電変換部11の外形に平行に揃っていて、複数のフィンガー電極15の配置方向の長さが異なっている。1つのフィンガー電極15に設けられる補助電極17は、光電変換部11の外形に平行の方向に、そのフィンガー電極15よりも配置方向の長さが長い隣接する他のフィンガー電極15の先端に向かって伸びる。そのフィンガー電極15よりも配置方向の長さが短い隣接する他のフィンガー電極15の先端に向かっては伸びない。つまり、補助電極17は、フィンガー電極15の先端で、片側にのみ伸びる。
【0019】
補助電極18は、光電変換部11の平行部13におけるフィンガー電極15の先端に設けられる。平行部13は、フィンガー電極15の配置方向に平行な方向のものと、フィンガー電極15の配置方向に垂直な方向のものとあるが、後者の平行部13におけるフィンガー電極15の先端に補助電極18が設けられる。この平行部13では、複数のフィンガー電極15の先端の位置が光電変換部11の外形に平行に揃っていて、複数のフィンガー電極15の配置方向の長さが同じである。1つのフィンガー電極15に設けられる補助電極18は、光電変換部11の外形に平行の方向に、そのフィンガー電極15の両側に隣接する他のフィンガー電極15に向かってそれぞれ伸びる。つまり、補助電極18は、フィンガー電極15の先端で、両側に伸びる。
【0020】
このように、光電変換部11の隅部12と平行部13とで、補助電極17,18の配置の仕方が異なるが、いずれの場合も、フィンガー電極15の先端においてフィンガー電極15の配置方向から所定の角度をなして隣接する他のフィンガー電極に向かって伸び、他のフィンガー電極15との間に所定の離間間隔を置いて配置される。つまり、補助電極17,18は、隣接するフィンガー電極15の先端を互いに接続することはしない。
【0021】
ここで、所定の離間間隔は、補助電極17,18を伸ばすことによる集電効率の向上と、遮光損失の増大との兼ね合いで定められる。その様子を
図2から
図7を用いて説明する。
【0022】
図2から
図4は、
図1にA部として示される隅部12におけるフィンガー電極の先端の集電の様子を説明する模式図である。ここでは、隅部12における2本のフィンガー電極20,21について述べる。フィンガー電極20,21は、予め定めた配置間隔で互いに平行に配置されるので、各フィンガー電極20,21が分担する集電範囲は、それぞれのフィンガー電極20,21からこの配置間隔の1/2離れた領域である。フィンガー電極20,21の先端では、この配置間隔を直径とする円22,23が集電範囲となる。
【0023】
図2は、補助電極を用いない従来技術の場合である。この場合は、フィンガー電極20の先端における集電範囲である円22と、フィンガー電極21の先端における集電範囲である円23から離れた領域24が存在する。この領域24で生成されたキャリアは、円22,23の範囲で生成されたキャリアに比べ、フィンガー電極20,21の先端まで走る距離が長い。そのために、この領域24で生成されたキャリアが十分に集電しきれなくなる。
【0024】
図3は、
図1に示す構成を模式的に示す図で、フィンガー電極20に補助電極25が設けられ、フィンガー電極21に補助電極26が設けられる。補助電極25,26は、それぞれフィンガー電極20,21の先端から、隅部12の外形輪郭線に平行に伸びる。伸びる方向は、より長い配置方向の長さを有するフィンガー電極に向かう方向である。
図3の例では、フィンガー電極20の配置方向の長さよりもフィンガー電極21の配置方向の長さが長いので、補助電極25は、フィンガー電極20の先端からフィンガー電極21の先端に向かって伸びる。補助電極26は、フィンガー電極21の先端から図示されていないさらに右側のフィンガー電極の先端に向かって伸びる。
【0025】
補助電極25は伸びても、フィンガー電極21の先端には接続されない。
図3の例では、フィンガー電極20の先端とフィンガー電極21の先端の間の距離の1/2だけ伸ばして、フィンガー電極21の先端から離間した状態とされる。これは、フィンガー電極20の先端とフィンガー電極21の先端を補助電極で結ぶと、光電変換部11におけるその間の領域が遮光され、遮光損失が増大することを考慮したものである。
【0026】
フィンガー電極20を第1のフィンガー電極とすると、フィンガー電極21は第1のフィンガー電極と隣接する第2のフィンガー電極であり、補助電極25は、第1フィンガー電極の先端から第2のフィンガー電極の先端に向かって伸びる。また、補助電極25と第2のフィンガー電極の先端との間に設けられる離間距離は、補助電極25の長さと同じである。
【0027】
補助電極25の先端における集電範囲は円27で示され、補助電極26の先端における集電範囲は円28で示される。したがって、フィンガー電極20と補助電極25による集電範囲は、円22と円27を結んだ範囲となる。同様に、フィンガー電極21と補助電極26による集電範囲は、円23と円28を結んだ範囲となる。これらの集電範囲から離れた領域29は、
図1の領域24に比べ、大幅にその広さが減少している。このように、補助電極25,26を設けることで、
図2の構成ではフィンガー電極20,21の先端まで走る距離が長かったキャリアを、ほとんど集めることができる。
【0028】
図4は、フィンガー電極20の先端とフィンガー電極21の先端を補助電極30で接続した構成を示す図である。この構成によれば、
図3において残された領域29を消滅させることができる。しかしながら、この構成では、補助電極30を設けることで、フィンガー電極20の先端とフィンガー電極21の先端を結ぶ領域が遮光され、光電変換部11において遮光損失が増大する。
【0029】
このように、
図2の構成では遮光損失は少ないが集電効率が悪く、
図4の構成では集電効率は向上するが遮光損失が増大する。そこで、補助電極は、隣接するフィンガー電極を接続しないように、所定の離間間隔を置くように伸ばすことがよい。すなわち、補助電極を伸ばすことによる集電効率の向上と遮光損失の増大との兼ね合いで定められる所定の離間間隔を置くようにして、補助電極が伸ばされる。
【0030】
図3から分かるように、隣接するフィンガー電極の間の配置間隔の1/2程度に補助電極を伸ばすことで、集電効率は大幅に向上する。遮光損失は
図4の場合の1/2である。このことから、1つの例としては、所定の離間距離を、隣接するフィンガー電極の間の配置間隔の1/2程度とすることができる。勿論これは例示であって、太陽電池10の仕様に応じて適宜設定することができる。
【0031】
図5から
図7は、
図1にB部として示される平行部13におけるフィンガー電極の先端の集電の様子を説明する模式図である。ここでは、平行部13における2本のフィンガー電極40,41について述べる。フィンガー電極40,41は、予め定めた配置間隔で互いに平行に配置されるので、各フィンガー電極40,41が分担する集電範囲は、それぞれのフィンガー電極40,41からこの配置間隔の1/2離れた領域である。フィンガー電極40,41の先端では、この配置間隔を直径とする円42,43が集電範囲となる。
【0032】
図5は、補助電極を用いない従来技術の場合である。この場合は、フィンガー電極40の先端における集電範囲である円42と、フィンガー電極41の先端における集電範囲である円43から離れた領域44が存在する。この領域44で生成されたキャリアは、円42,43の範囲で生成されたキャリアに比べ、フィンガー電極40,41の先端まで走る距離が長い。そのために、この領域44で生成されたキャリアが十分に集電しきれなくなる。
【0033】
図6は、
図1に示す構成を模式的に示す図で、フィンガー電極40に補助電極45,46が設けられ、フィンガー電極41に補助電極47,48が設けられる。補助電極45,46は、フィンガー電極40の先端から、平行部13の外形輪郭線に平行に伸びる。同様に、補助電極47,48は、フィンガー電極41の先端から、平行部13の外形輪郭線に平行に伸びる。補助電極45,46の伸びる方向は、フィンガー電極40の両側に隣接する他のフィンガー電極に向かう方向であり、補助電極47,48の伸びる方向は、フィンガー電極41の両側に隣接する他のフィンガー電極の先端に向かう方向である。
図6の例では、補助電極45は、フィンガー電極40の先端から図示されていないさらに左側のフィンガー電極に向かう方向に伸び、補助電極46は、フィンガー電極40の先端からフィンガー電極41の先端に向かって伸びる。同様に、補助電極47は、フィンガー電極41の先端からフィンガー電極40の先端に向かって伸び、補助電極48は、フィンガー電極41の先端から図示されていないさらに右側のフィンガー電極の先端に向かって伸びる。
【0034】
これらの補助電極45,46,47,48は伸びても、隣接するフィンガー電極の先端には接続されない。
図6の例では、各補助電極45,46,47,48は、フィンガー電極40の先端とフィンガー電極41の先端の間の距離の1/4だけ伸ばして、隣接するフィンガー電極の先端から離間した状態とされる。これは、フィンガー電極40の先端とフィンガー電極41の先端を補助電極で結ぶと、光電変換部11におけるその間の領域が遮光され、遮光損失が増大することを考慮したものである。
【0035】
フィンガー電極40を第1のフィンガー電極とすると、フィンガー電極41は第1のフィンガー電極と隣接する第2のフィンガー電極であり、図示されていないが第2のフィンガー電極と反対側において、第1のフィンガー電極と隣接するフィンガー電極が第3のフィンガー電極となる。ここで、第1のフィンガー電極の先端は、第2のフィンガー電極の先端及び第3のフィンガー電極の先端に対して平行部13に平行に揃うように配置され、第1のフィンガー電極の長さは、第2のフィンガー電極及び第3のフィンガー電極の長さと同じであり、補助電極46は第2のフィンガー電極の先端に向かって伸び、補助電極45は第3のフィンガー電極の先端に向かって伸びる。また、第1のフィンガー電極の先端に設けられる補助電極の全長は補助電極45と補助電極46を合わせた長さであるが、この長さは、第2のフィンガー電極の先端に設けられる補助電極の全長である補助電極47と補助電極48を合わせた長さと同じである。また、第1のフィンガー電極の先端の補助電極と第2のフィンガー電極の先端の補助電極の間の離間距離は、補助電極46と補助電極47の間の離間距離であるが、この離間距離は、第1のフィンガー電極の先端に設けられる補助電極の全長及び第2のフィンガー電極の先端に設けられる補助電極の全長と同じである。
【0036】
補助電極45,46,47,48の先端における集電範囲は、それぞれ、円49,50,51,52で示される。したがって、フィンガー電極40と補助電極45,46による集電範囲は、円49と円50を結んだ範囲となる。同様に、フィンガー電極41と補助電極47,48による集電範囲は、円51と円52を結んだ範囲となる。これらの集電範囲から離れた領域53は、
図5の領域44に比べ、大幅にその広さが減少している。このように、補助電極45,46,47,48を設けることで、
図5の構成ではフィンガー電極40,41の先端まで走る距離が長かったキャリアを、ほとんど集めることができる。
【0037】
図7は、フィンガー電極40の先端とフィンガー電極41の先端を補助電極54で接続した構成を示す図である。この構成によれば、
図6において残された領域53を消滅させることができる。しかしながら、この構成では、補助電極54を設けることで、フィンガー電極40の先端とフィンガー電極41の先端を結ぶ領域が遮光され、光電変換部11において遮光損失が増大する。
【0038】
このように、平行部13においても、隅部12の場合と同様に、
図5の構成では遮光損失は少ないが集電効率が悪く、
図7の構成では集電効率は向上するが遮光損失が増大する。そこで、補助電極は、隣接するフィンガー電極を接続しないように、所定の離間間隔を置くように伸ばすことがよい。すなわち、補助電極を伸ばすことによる集電効率の向上と遮光損失の増大との兼ね合いで定められる所定の離間間隔を置くようにして、補助電極が伸ばされる。
【0039】
図6から分かるように、隣接するフィンガー電極の間の配置間隔の1/4程度に補助電極をフィンガー電極の両側に伸ばすことで、集電効率は大幅に向上する。このことから、1つの例としては、所定の離間距離を、隣接するフィンガー電極の間の配置間隔の1/2程度とすることができる。勿論これは例示であって、太陽電池10の仕様に応じて適宜設定することができる。
【0040】
なお、
図3、
図6では、補助電極の伸ばす方向を光電変換部11の外形輪郭線に平行とするものとして説明した、集電効率の向上と遮光損失の増大との兼ね合いを考慮して、補助電極の伸ばす方向を光電変換部11の外形輪郭線の方向に対し、適当に傾斜させてもよい。
【0041】
補助電極を設けることで、集電効率の向上が図れるが、その他に、抵抗損失を抑制する効果を奏する。
図8と
図9は、その様子を説明する図である。
【0042】
図8は、補助電極を設けないフィンガー電極60に流れる電流による抵抗損失を示す図である。ここで、Rをフィンガー電極60の抵抗値とする。フィンガー電極60の先端が各方向から集電する電流の大きさをそれぞれiとして、
図8では、7つの方向からのそれぞれ電流iを集電する場合が示される。これら7つの方向からの電流61は、フィンガー電極60の先端の1点に集まるので、フィンガー電極60には(7i)の電流が流れる。したがって、フィンガー電極60における抵抗損失は、(7i)
2Rで計算される。
【0043】
図9は、フィンガー電極62の先端の両側にそれぞれ補助電極63,64が設けられる場合を示す図である。この構造は、
図1のB部、
図6に対応するものである。
図8と同様に、Rはフィンガー電極62の抵抗値で、7つの方向からのそれぞれ電流iを集電する場合を考える。ここでは、7つの方向からの電流65は、補助電極63,64に分散して集電されるので、フィンガー電極60にはiの電流が7つ別々に流れることになる。したがって、フィンガー電極60における抵抗損失は、7(i
2R)で計算される。
【0044】
図8と
図9を比較すると、補助電極を設けることで、フィンガー電極の抵抗損失は1/7に抑制される。これは7方向から集電されるとした一例であるが、補助電極を設けることで、フィンガー電極の先端における電流集中が分散し、フィンガー電極の抵抗損失が抑制される。
【0045】
図10に示す太陽電池70は、ヘテロ接合を用いる光電変換部71を含む構成を示す図である。ここでは、n型単結晶シリコン基板と非晶質シリコンのヘテロ接合が用いられるこの場合、受光面側の基板上に、i型非晶質シリコン層と、ボロン(B)等がドープされたp型非晶質シリコン層を形成して、n−i−p接合とする。そして、その上に、例えば、酸化インジウム(In
2O
3)の透光性導電酸化物で構成される透明導電膜(TCO)を積層する。受光面電極14は、この透明導電膜72の上に形成される。なお、基板の裏面側は、i型非晶質シリコン層と、燐(P)等がドープされたn型非晶質シリコン層と、透明導電膜を積層する構造とできる。
【0046】
ここでは、光電変換部71で生成されたキャリアは、透明導電膜72を介して受光面電極14で集電される。そこで、
図1、
図3、
図6において、光電変換部の外形輪郭線を基準にフィンガー電極の先端の位置を説明したが、この場合には、透明導電膜72の外形輪郭線を用いることがよい。すなわち、
図3の隅部12の外形輪郭線を、透明導電膜72の隅部の外形輪郭線とし、
図6の平行部13の外形輪郭線を、透明導電膜72の平行部の外形輪郭線として、透明導電膜72の外形に沿って補助電極を伸ばすものとできる。
【0047】
このように、補助電極を設けることで、太陽電池のFFを改善することができ、また、周辺からの電流が分散して集電されることで抵抗損失を抑制できる。また、隣接するフィンガー電極の間には所定の離間間隔を空けて遮光損失を抑制するので、太陽電池の全体としての出力向上を図ることができる。