(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記乾燥工程で乾燥されたペレットを粉砕し、粉砕されたペレットの粉を前記混合段階で混合させて混合物の含水率を40〜60%にすることを特徴とする請求項3に記載のパーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水とパーム副産物とを利用した処理方法。
前記中和段階で、中和剤は、苛性ソーダ、消石灰、生石灰、ライムストーン、ベントナイトジオライト、及び水酸化カルシウムの中から選択されたいずれか一つをラインミックスを使用してPOMEと混合、攪拌することを特徴とする請求項3に記載のパーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水とパーム副産物とを利用した処理方法。
前記POME脱水ケーキは、油脂類の含有量が1%以上のスラッジで構成されており、前記POME脱水ケーキ、乾燥ペレット粉末、及びアルカリ消石灰を混合した後、ペレットに成形することを特徴とする請求項3に記載のパーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水とパーム副産物とを利用した処理方法。
【背景技術】
【0002】
パーム油は、マレーシアをはじめとする熱帯地域で育つ植物として、油脂類の生産のための作物として耕作範囲が全世界的に急速に拡大している。
【0003】
特に、最近には、アフリカ地域はもちろん、メキシコ地域までその範囲が急速に拡大しており、南中国地域まで拡大されることによって、マメ科の植物の豆をはじめとするカノーラよりも栽培面積と使用用途が大幅に拡大している。
【0004】
パーム油は、加工工程を経へて油を搾油する。この時、加工工程中に多くのスチームが投入され、これによる80℃前後の高温凝縮水が発生して採油処理の中、高圧で圧着するので、植物に含まれている水分が一緒に流出して多くの量の固形物が工程水と排出される。
【0005】
しかし、このように排出される工程水は高濃度で排出されるため、適切な処理方法がなくて、現在までほとんどのパーム油生産工場で池を作って自然に蒸発させる方法を並行して、違法な放流(discharge)の方法を使用しているのが実情であるが、土壌汚染と水質汚染がひどいだけでなく、大気汚染に至るまで、膨大な問題を発生させてこれ以上放置できなくなる。
【0006】
また、パーム油の採油プロセス中にパーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水(POME)のほかにパーム加工工程水脱水ケーキ(PODC)、パーム種実皮(PKS)及びパーム種実脱油ケーキ(PKC)などの副産物が生産され、これらの物質は、従来の加工工場の燃料として使用して蒸気を生成するために使用してきたが、体積が大きく、取り扱いが難しく、多くの問題を抱えている。
【0007】
このようなパーム油抽出工程の廃棄物の処理のための技術として、「パーム油抽出工程の廃棄物を利用した生肥料の製造方法」、特許文献1には、 カーネルの皮を炭化させ、EFBを焼却し、POMEを微細気泡として処理し、濾過して脱水ケーキを得て、これらを混合した後、熟成させて生肥料を製造する工程が公開されている。
【0008】
しかし、前記の技術は、カーネルの皮及び実束などを、それぞれ炭化焼却するため、これに伴うエネルギー源の消費が発生するという問題点があった。
【0009】
また、副産物のパーム種実脱油ケーキやパーム加工工程水脱水ケーキなどの処理方法は、提供されない問題点がある。
【0010】
このように、現在までのパーム加工の最終工程水は処理することが非常に難しいだけでなく、既存の水処理工法では処理できなくて、大きな数十の池を作って順番に長期間、滞留(約60〜120日)させて蒸発させたり不法に放流する方式をとってきたが、さらに腐敗がひどくて悪臭の発生を誘発する原因となり、大気汚染を発生させるなど、多くの問題がある。
【0011】
特に、発生されたパーム加工の最終工程水を廃水に転換させて池(Ponding Process)を作って処理する方法は、多くの面積の土地が必要であり、管理が難しく、沈殿した物質は、年次ごとに継続回収する必要があるなどの問題点があった。最近には、ヨーロッパでバイオガスを生産する技術が投入されているが、これはまた、バイオガスを生産するための消化時間がかかり、バイオガスの生産量も一定ではなく、いくつかのバイオガスを生産したといっても、バイオガスの生産後、最終排出される廃水は、高濃度窒素を含有している排水であり、これを処理するための莫大な費用がかかるので、まだ普及されなくており、ほとんど失敗して実用化に近づいていない実情である。
【0012】
また、PODCは生産量が多く、水分含有量が高く、処分が難しくて腐熟させて堆肥に生産する方法を使用しており、PKSは、独自の燃料として使用されているが、水分含有量と体積が多くて経済性の確保に困難があり、PKCは飼料として使用されているが、品質の変化に伴う市場の難しさがあるなど、長期的な対応策はなくて、最終的には広い面積の野積場に投入して放置する実情であるため、これらの問題を解決するための多くの困難に直面している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記のような従来技術で発生する問題を解消するためのもので、パーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水(palm oil mill effluent:POME)とパーム種実皮(palm kernel shell:PKS)のほかにパーム加工工程水脱水ケーキ(palm oil decanter cake:PODC)とパーム種実脱油ケーキ(palm kernel cake:PKC)の両方を統合加工処理して燃焼用再生可能エネルギー源と液肥で製造することによって、廃棄物の処理効率を高めることができるし、これをエネルギー源と飼料として活用できるようにすることによって、生産性を備えることができるパーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水とパーム副産物とを利用した処理設備及び処理方法の提供にある。
【0015】
より具体的には、高温で排出されるPOMEの廃熱を熱交換器を利用して回収した後、冷却されたPOME中に含まれている浮遊固形物を固液分離し、液状は保存した後、曝気過程を経てパーム木など他の植物の液肥で使用し、固液分離されたスラッジは、濃縮して含水率75%前後で脱水した後、PODC、PKS、PKCと混合成形してペレット化し、再生可能なエネルギー源として利用できるパーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水とパーム副産物とを利用した処理設備及び処理方法の提供にある。
【0016】
併せて、濃縮および脱水段階を経て排出された分離液相内の未凝集された残りの浮遊物を加圧浮上槽で浮上させ、スクレーパを使用して除去することによって、元の排水に比べて高い除去率を持つパーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水とパーム副産物とを利用した処理設備及び処理方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のパーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水とパーム副産物とを利用した処理設備は、前記のような課題を解決するために、パーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水とパーム副産物とを利用した処理設備において、パーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水POMEが流入して保存されているPOME貯蔵槽と;前記POME貯蔵槽1と配管接続されてPOMEを受けて保存するが、管路上に熱交換器2が設置されてPOMEの廃熱を回収するようになっている排出水貯蔵槽3と;前記排水貯蔵槽3と配管接続されてPOMEを受けて濃縮するが、管路上に、中和剤が溶解して保存された中和剤溶解タンク4と凝集剤が溶解されて保存された凝集剤溶解タンク5が配管接続されており、中和剤と凝集剤が供給されたまま濃縮が行われ、POME中の液状とスラッジが脱離されている濃縮器7と;前記濃縮器7と接続されていて、濃縮されたPOMEの中、スラッジを脱水させてPOME脱水ケーキを製造し、スラッジ中の液相が分離される脱水装置;一側は、前記濃縮機7と配管接続されており、他側は前記脱水装置と配管接続されていて、濃縮器7と脱水装置から脱離したPOME中の液状を保存するが、管路上に前記凝集剤溶解タンク5が接続されて凝集剤を受けており、上部に浮遊物スクレーパが設置されていて、浮遊物を除去するように構成されている加圧浮上槽11と;前記加圧浮上槽11に接続されていて、加圧浮上槽11を経て浄化された液状を曝気しながら有機物を酸化させて液肥を製造するように構成されており、一側に液肥貯蔵槽14と接続されて製造された液肥は液肥貯蔵槽14に保存するように構成され曝気槽13と;前記脱水装置と接続されて脱水装置で製造されたPOME脱水ケーキが保存される脱水ケーキ貯蔵槽18と;パーム種実皮(PKS)が保存されるPKS貯蔵槽20と;パーム加工工程水脱水ケーキ(PODC)が保存されるPODC貯蔵槽19と;パーム種実脱油ケーキ(PKC)が保存されるPKC貯蔵槽23と;前記脱水ケーキ貯蔵槽18、PKS貯蔵槽20、PODC貯蔵槽19、PKC貯蔵槽23に接続されてPOME脱水ケーキ、PKS、POD、PKCを混合するミキサー25と;前記ミキサー25と接続されてミキサー25から供給された原料中の異物を選別するスクリーン26と;前記スクリーン26を通過した原料をペレットの形に成形する成形器27と;前記成形器27から成形されたペレットを受けて乾燥する乾燥器28と;一側に前記熱交換器2が接続されていて、POMEの廃熱が供給され、他側には、外気が流入され、燃料を燃焼させて発生した熱を前記乾燥器28に供給する熱風器32と;一側にスクラバが接続されており、他側は前記乾燥器28と接続されていて、乾燥器28から排出される水分や塵が含まれている空気中の水分や塵を分離排出するマルチサイクロン29と;を含んで構成されることを特徴とする。
【0018】
この時、前記乾燥器28から排出されたペレットを粉砕するペレット粉砕機30;及び前記粉砕されたペレットを保存する粉末貯蔵槽24;がさらに具備されており、粉末貯蔵槽24は、前記ミキサー25と接続されていて、ミキサー25から粉砕されたペレットが追加で混合されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明のパーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水とパーム副産物とを利用した処理方法は、熱交換器2を利用して、パーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水POMEの廃熱を回収して冷却する冷却段階と;冷却されたPOMEに中和剤を投入してpHを調整する中和段階と;pHが調整されたPOMEに凝集剤を投入する凝集剤投入段階と;前記凝集剤が投入されたPOMEを濃縮させ、濃縮過程でPOME中の液状が一次に脱離される濃縮段階と;前記濃縮工程を経たPOMEを脱水させて含水率70〜80%のPOME脱水ケーキを製造し、脱水過程で液状の二次に脱離れる脱水段階と;前記濃縮工程で一次に脱離された液状と、脱水段階で二次に脱離した液状に凝集剤を供給したまま、加圧浮上槽11に投入し、浮遊物を除去する浮遊物除去段階と;前記浮遊物が除去された液状を3〜7日間曝気しながら有機物を酸化させ液肥を製造する液肥製造段階と;パーム種実皮(PKS)、パーム加工工程水脱水ケーキ(PODC)、パーム種実脱油ケーキ(PKC)と前記脱水段階で製造されたPOME脱水ケーキを混合する混合段階と;前記混合された原料中の異物を選別した後、ペレット形に成形する成形段階と;前記成形段階で製造されたペレットを乾燥させる乾燥工程と;を含む構成される。
【0020】
この時、前記乾燥工程で乾燥されたペレットを粉砕し、粉砕されたペレットの粉を前記混合段階で混合させて混合物の含水率を40〜60%にすることを特徴とする。
【0021】
また、前記乾燥工程は、外気と燃料を受けて、燃料を燃焼させて熱風を発生して乾燥させるが、前記熱風と、前記冷却段階で熱交換器2を介して排出されたPOMEの廃熱と、パーム油生産加工工場で発生する廃熱とを混合して乾燥器28で乾燥させ、混合された熱風の温度は50〜150℃であり、相対湿度は0〜60%であることを特徴とする。
【0022】
この時、前記中和段階で、中和剤は、苛性ソーダ、消石灰、生石灰、ライムストーン、ベントナイトジオライト、及び水酸化カルシウムの中から選択されたいずれか一つをラインミックスを使用してPOMEと混合、攪拌することを特徴とする。
【0023】
さらに、前記POME脱水ケーキは、油脂類の含有量が1%以上のスラッジで構成されており、前記POME脱水ケーキと乾燥ペレット粉末、アルカリ消石灰を混合した後、ペレットに成形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、パーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水(palm oil mill effluent:POME)とパーム種実皮(palm kernel shell:PKS)のほかにパーム加工工程水脱水ケーキ(palm oil decanter cake:PODC)とパーム種実脱油ケーキ(palm kernel cake:PKC)の両方を統合加工処理して燃焼用再生可能エネルギー源と液肥で製造することによって、廃棄物の処理効率を高めることができるし、これをエネルギー源と肥料に活用できるようにすることによって、生産性が整えられることになる。
【0025】
より具体的には、高温で排出されるPOMEの廃熱を熱交換器を利用して回収した後、冷却されたPOME中に含まれている浮遊固形物を固液分離し、液状の保存した後、曝気過程を経てパーム木など他の植物の液肥で使用し、固液分離されたスラッジは、濃縮して含水率75%前後で脱水した後、PODC、PKS、PKCと混合及び成形してペレット化し、再生可能なエネルギー源として利用できるようになる。
【0026】
併せて、濃縮および脱水段階を経て排出された分離液相内の未凝集された残りの浮遊物を加圧浮上槽で浮上させ、スクレーパを使用して去率することによって、元の排水に比べ高い除去率を持つようになる。
【0027】
また、POMEから排出される液状中に含まれている浮遊物、総窒素と総りんなどの汚染物質を除去する工程を単純化し、リアルタイムで処理できるようにし、それにもかかわらず浮遊物、総窒素および総リンの除去効率が非常に優れており、このための装置の設置面積を最小限に抑えることができようになる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
パーム種実からパーム油を抽出する加工工程には、パーム油の生産加工工程で、最終的に排出される排出水(palm oil mill effluent:POME)が発生する。
【0030】
また、パーム副産物として、パーム油搾油工程を経て発生される工程水から遠心分離を介して排出される脱水ケーキであるパーム加工工程水脱水ケーキ(palm oil decanter cake:PODC)が発生する。
【0031】
あわせて、パーム油を搾油した後、発生される種実の外皮を剥皮したもので、パーム種実皮(palm kernel shell:PKS)が発生し、パーム種実脱油ケーキ(palm kernel cake:PKC)が発生する。
【0032】
本発明では、これらのPOME、PODC、PKS、PKCそれぞれの特徴を考え合せて、統合的または個別に処理することができるようにした。
【0033】
POMEは、通常3〜6%の固形分を含有しているので、これを固液分離する場合、COD、SS、TN、TPなどの汚染度が急速に低減され、発生した液状で溶解性有機物は酸化が容易で迅速に処理して液肥としての使用が可能であり、これは土壌に迅速に吸収されることができる。
【0034】
併せて、固液分離されたPOME脱水ケーキは、乾燥する場合、燃焼のためのエネルギー源として使用するように加工する。
【0035】
PODCは、通常含水率が70%前後で排出される副産物として、温度が90℃前後で、ほとんど野積み放置して堆肥として使用されるが、本発明では、維持量を分析した後、エネルギー源としての価値を発見して原料として使用するようにした。
【0036】
PKSは、エネルギー含量が高いが、体積が大きくて処理コストがかかるので、これも一緒に処理することによって、エネルギー源として使用するようにした。
【0037】
一方、PKCやはりエネルギー源、水分調節剤として使用するようにした。
【0038】
以下、本発明のパーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水とパーム副産物とを利用した処理設備及び処理方法について、添付された図面を介して詳細に説明することにする。
【0039】
まず、本発明のパーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水とパーム副産物とを利用した処理設備について説明する。
【0040】
図示されたように、本発明の処理設備は、POME貯蔵槽1、排出水貯蔵槽3、濃縮器7、脱水装置、加圧浮上槽11、曝気槽13、脱水ケーキ貯蔵槽18、PKS貯蔵槽20、PODC貯蔵槽19、PKC貯蔵槽23、ミキサー25、スクリーン26、成形器27、乾燥器28、熱風器32、及びマルチサイクロン29;を含んで構成される。
【0041】
POME貯蔵槽1は、図示されたように、パーム油の生産加工工程で、最終的に排出される排出水POMEが流入して保存される。
【0042】
排出水貯蔵槽3は、図示されたように、前記POME貯蔵槽1と配管接続されてPOMEを受けて保存するが、管路上に熱交換器2が設置されてPOMEの廃熱を回収するように構成されている。
【0043】
濃縮器7は、前記排出水貯蔵槽3と配管接続されてPOMEを受けて濃縮するように構成されている。
【0044】
このとき、管路上の中和剤が溶解されて保存された中和剤溶解タンク4と凝集剤が溶解されて保存された凝集剤溶解タンク5が配管接続されて、中和剤と凝集剤が供給されたまま濃縮が行われるようになっている。
【0045】
具体的には、管路上に一つまたは二つのラインミキサー6が設けられており、このラインミキサー6に中和剤溶解タンク4と凝集剤溶解タンク5がそれぞれ接続されることによって、それぞれのタンクで溶解された中和剤と凝集剤がラインミキサー6を介して排水槽3から濃縮器7に移動する管路上で混合及び攪拌されるようにすることができる。
【0046】
この時、定量ポンプを設置して投入量を一定に保つようにすることができる。
【0047】
また、pH調整槽を備えて中和剤が投入されたPOMEがpH調整槽で一定時間の間、滞留しながら、中和が完了するようにすることができる。
【0048】
さらに、濃縮器7を通過しながらPOME中の液状スラッジが主に脱離することになる。
【0049】
脱水装置は、図示されたように、前記濃縮機7と接続されており、濃縮されたPOMEの中、スラッジを脱水させてPOME脱水ケーキを製造し、スラッジ中の液相が分離するように構成されている。
【0050】
このような脱水装置は、図示されたように、空気圧脱水機8、移送コンベア15、ベルトプレス型の圧着プレス16が連続して配置された構成をとることができる。
【0051】
併せて、スラッジ中の液相の分離は、圧着プレス16で行われるようにするのが好ましい。
【0052】
加圧浮上槽11は、図示されたように、一側は、前記濃縮機7と配管接続されており、他側は前記脱水装置と配管接続されており、濃縮器7と脱水装置から脱離したPOME中の液状を保存するが、管路上に前記凝集剤溶解タンク5が接続されて凝集剤が供給されており、上部に浮遊物スクレーパが設置されており、浮遊物を除去するように構成されている。
【0053】
この時、図示されたように、濃縮機7と接続されている配管と、脱水装置と接続された配管には、バッファタンク9、17へ移送されて移送ポンプを介してラインミキサー10に連結されるのが好ましく、このラインミキサー10に凝集剤溶解タンク5が接続されて定量供給ポンプによる凝集剤が供給されるのが好ましい。
【0054】
このような加圧浮上槽11には、微細な空気を供給するように構成されており、上部に設置された浮遊物スクレーパは、微粒子の状態で存在する浮遊物を除去するようになっている。
【0055】
図示されたように、加圧浮上槽11から除去された浮遊物は排出水貯蔵槽3に移送処理されるようにするのが好ましい。
【0056】
一方、曝気槽13は、図示されたように、バッファタンク12を介して前記加圧浮上槽11に接続されており、加圧浮上槽11を経て浄化された液状の曝気しながら有機物を酸化させて液肥を製造するように構成されており、一側に液肥貯蔵槽14と接続されて製造された液肥は液肥貯蔵槽14に格納するように構成されている。
【0057】
脱水ケーキ貯蔵槽18は、前記脱水装置と接続されて脱水装置から製造されたPOME脱水ケーキが保存されている。
【0058】
さらに、PKS貯蔵槽20は、パーム種実皮(PKS)が保存され、PODC貯蔵槽19には、パーム加工工程水脱水ケーキ(PODC)が保存され、PKC貯蔵槽23には、パーム種実脱油ケーキ(PKC)が保存されている。
【0059】
ミキサー25は、図示されたように、前記脱水ケーキ貯蔵槽18、PKS貯蔵槽20、PODC貯蔵槽19、PKC貯蔵槽23に接続されてPOME脱水ケーキ、PKS、POD、及びPKCを混合するように構成されている。
【0060】
このとき、PKS貯蔵槽20とミキサー25との間に粉砕機21と粉砕PKS貯蔵槽22を追加設置してミキサー25に投入されるPKSは、粉砕された状態で供給されるようにするのが好ましい。
【0061】
スクリーン26は、前記ミキサー25と接続されてミキサー25から供給された原料中の異物を選別するように構成されており、成形器27は、前記スクリーン26を通過した原料をペレットの形に成形するように構成されている。
【0062】
さらに、乾燥器28は、前記成形器27から成形されたペレットを受けて、乾燥するように構成されるが、乾燥器28は、一側に、前記熱交換器2が接続されて、POMEの廃熱が供給され、他側は外気が流入され、燃料を燃焼させて発生した熱を前記乾燥器28に供給する熱風器32の作動により作動される。
【0063】
さらに、マルチサイクロン29は、一側にスクラバが接続されており、他側は前記乾燥器28と接続されており、乾燥器28から排出される水分や塵が含まれている空気中の水分や塵を分離排出するように構成されている。
【0064】
前記のような構成では、前記乾燥器28から排出されたペレットを粉砕するペレットの粉砕機30と; 前記粉砕されたペレットを保存する粉末貯蔵槽24と;がさらに具備されており、粉末貯蔵槽24は、前記ミキサー25と接続されており、ミキサー25から粉砕されたペレットは、追加して混合するように構成されることができる。
【0065】
以下では、前記のように構成される本発明のパーム油の生産加工工程から最終的に排出される排出水とパーム副産物とを利用した処理設備を利用した処理方法について説明する。
【0066】
本発明に係る処理方法は、
図1及び
図2に示すように、
【0067】
1.冷却段階
熱交換器2を利用して、パーム油の生産加工工程で、最終的に排出される排出水POMEの廃熱を回収して冷却させる。より具体的に、POMEは80℃以上の高温で排出されるので、これを活用するために、POME貯蔵槽1と排出水貯蔵槽3との間に熱交換器2を設置して廃熱を利用するようにする。
【0068】
このとき、熱交換器2の一側には、外気が流入するようにして、流入した外気は、熱風器32と接続するようにして廃熱をペレット乾燥に活用することができる。
【0069】
2.中和段階
冷却されたPOMEに中和剤を投入してpHを調整する。
【0070】
このとき、前記中和段階で中和剤は苛性ソーダ、消石灰、生石灰、ライムストーン、ベントナイトジオライト、水酸化カルシウムの中から選択されたいずれか一つを、ラインミックスを使用してPOMEと混合、攪拌することを特徴とする。
【0071】
より具体的に、中和剤は、上部に中和剤が投入されるホッパーが備えられ、内部にモータと接続された撹拌機を備えた中和剤溶解タンク4に投入され、中和剤と一緒に清水が投入されて中和剤を溶解させ、中和剤溶解タンク4を排水槽3から濃縮器7に接続されている配管にラインミキサー6を介して配管接続して中和剤を供給するようにする。
【0072】
併せて、上述したように、中和効果を安定化させ、冷却するための中間貯蔵槽の性質のpH調整槽を備えて中和剤が投入されたPOMEがpH調整槽で一定時間の間、滞留しながら中和が完了するようにする。
【0073】
3.凝集剤投入段階
pHが調整されたPOMEに凝集剤を投入する。
【0074】
凝集剤投入段階も凝集剤溶解タンク5を備え、凝集剤溶解タンク5を排水槽3から濃縮器7を接続する配管にラインミキサー6を介して配管接続して供給するようにする。
【0075】
併せて、凝集剤溶解タンク5も清水と凝集剤が混合されて凝集剤が、清水に溶解された状態で供給されるようにして凝集反応が行われるようにする。
【0076】
凝集剤溶解タンク5も凝集剤が定量投入されるようにホッパーが上部に設置され、下部には、インバータを搭載した粉末定量スクリューを介して凝集剤が定量的に清水と混合溶解されるようにするのが好ましい。
【0077】
併せて、凝集剤溶解タンク5が複数に備えられ、互いに連結する一方、モータと攪拌機が設置されて段階的に溶解されて流入される清水と一緒に連続して多段に溶解されるようにするのが好ましい。
【0078】
このような過程を経て凝集剤がラインミキサー6を介してPOMEに供給されば、これを混合させて凝集作用を遂行しながら、適正時間の間、反応することになる。
【0079】
このための凝集剤は、ポリアクリルアミドを使用するのが望ましい。
【0080】
4.濃縮工程
前記凝集剤が投入されたPOMEを濃縮させ、濃縮過程でPOME中の液状が一次に脱離することになる。
【0081】
濃縮器7は、前記排出水貯蔵槽3と配管接続されてPOMEを受けて濃縮するように構成されている。
【0082】
濃縮器7では、凝集段階から凝集されたPOMEを濃縮しながら、一次にスラッジを分離させる。
【0083】
5.脱水段階
前記濃縮工程を経たPOMEを脱水させて含水率70〜80%のPOME脱水ケーキを製造し、脱水過程で液状が二次に脱離される。
【0084】
脱水段階は、上述した脱水装置を経て進行され、濃縮器7と接続された垂直型空気圧脱水機8で、最初に脱水し、空気圧脱水機8に続いて設置された移送コンベア15及び移送コンベア15と接続された圧着プレス16で、追加脱水し、脱水が完了したスラッジは、最終的にスクリューコンベアにより外部に移送されることになる。
【0085】
6.浮遊物の除去段階
前記濃縮工程で一次に脱離された液状と、脱水段階で二次に脱離した液状に凝集剤を供給したまま、配管に連通及び連結する貯蔵槽を介して移送ポンプを介して加圧浮上槽11に投入して浮遊物を除去する。
【0086】
このため、加圧浮上槽11は、図示されたように、一側は、濃縮機7と配管接続され、他側は脱水装置と配管接続され、それぞれからPOME中の液状を受けて保存することになり、加圧浮上槽11の上部の回転用ベルト搬送方式の浮遊物スクレーパが浮遊物を連続的に除去することになる。
【0087】
併せて、加圧浮上槽11内に微粒気泡発生器を設置して流入する液相中の未除去された微量の固形物を気泡を通じて浮遊させるようにするのが好ましい。
【0088】
併せて、上述したように、管路上に前記凝集剤溶解タンク5が接続されて凝集剤を受けて脱離れた液状の追加の凝集が行われるようにし、バッファタンク9、17を経た後、凝集剤の供給と加圧浮上が行われるようすることによって、浮遊物質が99%以上分離できるようにする。
【0089】
併せて、分離された浮遊物は、排出水貯蔵槽3と配管接続されて排出水貯蔵槽3に再び移送処理する。
【0090】
7.液肥製造段階
前記浮遊物が除去された液状を3〜7日間曝気しながら有機物を酸化させて液肥を製造する。
【0091】
このため、曝気槽13を前記のように備えて加圧浮上槽11を経て浄化された液状を曝気しながら有機物を酸化させて液肥を製造するように構成され、一側に液肥貯蔵槽14と接続されて製造された液肥は液肥貯蔵槽14に格納するように構成される。
【0092】
保存された液肥は、パーム木などの液肥として使用される。
【0093】
8.混合段階
パーム種実皮(PKS)、パーム加工工程水脱水ケーキ(PODC)、パーム種実脱油ケーキ(PKC)及び前記脱水段階から製造されたPOME脱水ケーキを混合する。
【0094】
このため、図示のようにPOME脱水ケーキが保存されている脱水ケーキ貯蔵槽18、PKS貯蔵槽20、PODC貯蔵槽19、PKC貯蔵槽23がそれぞれ備えられ、これらのすべてが配管接続されたミキサー25が完備されてミキサー25で各原料を混合することになる。
【0095】
このとき、PKCはPODCとPKSの含水率が70%以上であるので、全体含水率を60%以下に調節する用途を有する。
【0096】
より具体的には、前記脱水段階を経たPOME脱水ケーキは、含水率が70〜80%程度であり、PODCは、排出温度が80℃前後であり、含水率が約75%前後を持ち、PKSも含水率が70%以上である。
【0097】
一方、PKCは含水率が10%前後であるので、これらを混合することによって、混合物全体の含水率を40〜60%に調整してペレット成形に適合することになる。
【0098】
9.成形段階
前記混合された原料中の異物を選別した後、成形器27に投入してペレットの形に成形する。
【0099】
この時、ペレットサイズは、直径5〜20mm、長さ10〜50mm程度で成形する。
【0100】
10.乾燥工程
前記成形器27で製造されたペレットを乾燥させる。
【0101】
乾燥は、上述したように、低温熱風乾燥器28を活用し、乾燥されたペレットの含水率は10%以下になるようするのが好ましい。
【0102】
熱風の温度は50〜150℃であり、相対湿度は0〜60%であり、好ましくは40〜60%であるのが望ましい。
【0103】
この時、乾燥されたペレットの一部を粉砕した後、混合段階に戻って送って湿度調節用途で活用することができる。
【0104】
このため、乾燥工程から乾燥されたペレットを粉砕する粉砕段階と、粉砕されたペレットの粉を前記混合段階で混合させて混合物の含水率を40〜60%にすることができる。
【0105】
また、乾燥工程は、外気と燃料を受けて、燃料を燃焼させて熱風を発生して乾燥させるが、前記熱風と、前記冷却段階で熱交換器2を介して排出されたPOMEの廃熱と、パーム油の生産加工工場から発生される廃熱を混合して乾燥器28で乾燥させ、混合された熱風の温度は50〜150℃であり、相対湿度は0〜60%、好ましくは40〜60%であるのが望ましい。
【0106】
また、乾燥器28内には、混合物内の均した水分の蒸発を誘導しながら、水分の蒸発発汗性を誘導するために投入空気量を調節し、出口管の配列を調整することによって、排出される空気を一定に排出されるようにして乾燥過程から発生する空気の対流と力学の原理を利用して、水分の蒸発効果を極大化させるのが良い。
【0107】
また、乾燥器28内で湿気を含んだ空気は、乾燥器28の一側に形成された排出管を介してすぐに排出されて、乾燥効率を一層増大させ、順次下降しながら乾燥されるようにし、乾燥された乾燥物が容易に排出されるようにするのが好ましい。
【0108】
このような方法により乾燥されたペレットは、乾燥器28の下部に連結されたコンベアベルトを介してペレット貯蔵槽31に流入するようにし、ペレット貯蔵槽31に格納されたペレットは、熱風器32の燃焼原料や再生原料として活用されることになる。
【0109】
一方、前記のような構成では、前記のPOME脱水ケーキは、油脂類の含有量が1%以上のスラッジに行われる場合、流動性に応じて前記POME脱水ケーキと乾燥ペレット粉末、0.05〜3.0重量%のアルカリ消石灰を混合した後、ペレットに成形するのが望ましい。
【0110】
前記のような構成でなる本発明の効果を調べるために、固液分離前後のPOME汚染の変化を測定して表1に示した。
【0113】
表1に示すように、POMEは通常3〜6%の固形物を含有しているが、これを固液分離する場合、汚染度が急速に低減されていることがわかる。
【0114】
併せて、固液分離を介して分離された液相の溶解性有機物は酸化が容易であり、本発明に示すように、迅速に液肥に転換され、廃水処理の負担が急激に減り、脱水ケーキは、ペレットの燃料、すなわち、再生可能なエネルギーとして活用される。
【0117】
特に、表2に示すように、乾燥されたペレットは、乾燥前に比べて含水率が低く、取り扱いが簡単であり、表3に示すように、エネルギー含有量が非常に高く、再生可能なエネルギーとしての価値が高く、上述のような、さまざまな熱源に乾燥して経済性が高い。
【0118】
乾燥されたPOME脱水ケーキの高エネルギー含有量は、パーム油の搾油後、一部の固形物に残留している維持量により影響を受け、これはパーム油の加工工程で残留する油脂類まですべて活用できる良い利点を保有している。
【0119】
乾燥ペレットのエネルギー含量(低位発熱量基準)
【0121】
本発明を通じて得た浮遊固形分の処理の効果は、表4のとおりである。
【0124】
表4に示すように、本発明では、浮遊固形分の処理効率が99%以上であった。