(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
回路基板の電極と接触して電気的接続を行うための接触端子と、前記接触端子を内部に保持するハウジングと、前記ハウジングに固定された一対の爪状部分から成る係合部と、前記接触端子に接続された配線と、を有する配線コネクタであって、
前記接触端子は、前記配線を前記ハウジングに固定する固定片を有し、
前記ハウジングは、少なくとも前記回路基板と対向する面である下面に開口を有する有底四角筒状の部材であり、前記固定片が固定される固定用部分と、4側面のうちの対向する2側面のそれぞれに前記配線を前記ハウジングの外方へと導出するための導出開口と、残りの2側面それぞれの平面視における中央に前記爪状部分を有し、
前記接触端子は、前記開口内に露出する態様で前記ハウジングに保持されており、
前記固定用部分は、前記配線が前記対向する2側面の一方の前記導出開口から導出される態様で固定される位置および、他方の前記導出開口から導出される態様で固定される位置に設けられている
ことを特徴とする配線コネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図は、模式図であり、図面に示された部品等の各構成要素の形状や寸法および比等については、必ずしも厳密に図示したものではない。
<実施形態1>
本発明の一態様である実施形態1に係る接続構造が、照明装置に適用された場合を例に、図面を参照しながら説明する。先ず、実施形態1に係る照明装置10の構成について説明する。
【0011】
[全体構成]
図1は、実施形態1に係る照明装置10の概略構成を示す斜視図である。
図1(a)は、照明装置10の外観斜視図であり、
図1(b)は、照明装置10の分解斜視図である。
照明装置10は、いわゆる住宅用シーリングタイプの照明装置である。照明装置10は、主な構成要素として、装置本体100、ヒートシンク部200、発光部300、レンズ部400、装置本体100の照射方向側である前方側(照明装置10が天井に設置される場合は、床側。以下、照射方向側を「前方」、照射方向とは反対側を「後方」とする。)を覆って装置本体100に嵌合されるグローブ500等を備える。
【0012】
[各部構成]
(装置本体)
装置本体100は、有底円筒状部110と、有底円筒状部110の開口端全周に亘って筒軸方向から離れる方向に延出した外鍔部120とを備える。装置本体100は、鋼板やアルミ板等をプレス加工等により加工して形成されるほか、樹脂等により形成されてもよい。
【0013】
有底円筒状部110の底部分111の略中央部には、平面視円形の取付用貫通孔112が形成されている。この取付用貫通孔112には、装置本体100を天井等に取り付けるためのアダプタ600が嵌合固定される。
有底円筒状部110の底部分111の内面側には、円環状のヒートシンク部200が取付用貫通孔112を囲繞するように配置されており、ヒートシンク20には、円環状の発光部300が配設されている。
【0014】
外鍔部120には、グローブ500を着脱可能に取着するための取付具121が複数個、周方向に互いに略等間隔を開けて配設されている。また、外鍔部120には、グローブ500を支持するための支持具122が複数個、周方向に互いに略等間隔を開けて配設されている。
(ヒートシンク部)
ヒートシンク部200は、例えば金属等の良好な熱伝導性を有する材料から成る板状の部材であり、発光部300から発せられた熱を放熱するための部材である。ヒートシンク部200は、平面視半円環状の放熱板210が2枚、円環状に組み合わされて構成されている。
【0015】
ヒートシンク部200は、装置本体100の有底円筒状部110の底部分111の内面側に配設されている。そしてヒートシンク部200の前面211に発光部300がネジ留め等により固定される。これにより、発光部300において発生した熱が、ヒートシンク部200へと伝わり、ヒートシンク部200からさらに装置本体100を介して、空気中や天井へと放熱される。
【0016】
ヒートシンク部200を形成する金属材料としては、例えば、Al、Ag、Au、Ni、Rh、Pd、またはそれらの内の2以上からなる合金、またはCuとAgの合金などが考えられる。
(発光部)
発光部300は、照明装置10の光源であり、複数のLED310が回路基板320上に実装されて成る。回路基板320は、円環を4等分に分割したような形状を有し、回路基板320が4枚円環状に組み合わされて、ネジ留め等によりヒートシンク部200に固定されている。本実施形態においては、LED310は、円環の周方向に沿って2列に配列されている。隣り合う回路基板320は、配線コネクタ700により互いに電気的に接続されている。
【0017】
なお、
図1においては、4枚の回路基板320のうちの1枚がヒートシンク部200に固定されていない状態を示しており、当該固定されていない回路基板320とその隣り合う回路基板320とを接続する配線コネクタ700については、図示していない。
(レンズ部)
レンズ部400は、ガラスや樹脂等の透光性の材料から成り、発光部300から発せられた光を集光し、所望の配光特性を実現するための部材である。レンズ部400は、発光部300の形状に対応して円環状に形成され、発光部300の前方側(照射方向側)を覆うように配されている。
【0018】
(グローブ)
グローブ500は、ガラスや樹脂等の透光性の材料から成り、内面に発光部300から発せられた光を拡散させる拡散処理が施されている。拡散処理は、例えば、シリカの混入や、白色顔料の塗布などにより行われる。グローブ500の内面に入射した光はグローブ500を透過しグローブ500の外部へと取り出される。
【0019】
次に、本発明の実施形態1に係る接続構造により密接に関わる各部材について、図面を参照しながら説明する。
図2は、実施形態1に係る接続構造を示す斜視図であり、放熱板210上にネジ801により固定された2枚の回路基板320が配線コネクタ700により接続されている状態を示す。
図3(a)は、表側から見た配線コネクタ700の外観斜視図であり、
図3(b)は、裏側から見た配線コネクタ700の外観斜視図である。なお、配線コネクタ700が回路基板320に取着された場合において、露出している側であって前方側を表側とし、その反対側、即ち、回路基板320と対向する側であって後方側を裏側とする。以下、実施形態2においても同様とする。
図4は、配線コネクタ700の分解斜視図である。
図5は、回路基板320の外観斜視図である。
図6は、放熱板210の外観斜視図である。
【0020】
(配線コネクタ)
先ず、配線コネクタ700のより詳細な構成について、説明する。
図3,
図4に示すように、配線コネクタ700は、接触端子710、配線720、ハウジング730、および係合ユニット740を備える。接触端子710、ハウジング730、および係合ユニット740によりコネクタヘッド701が構成され、配線720の両端部にコネクタヘッド701がそれぞれ接続され固定されている。
【0021】
なお、
図3(a),
図3(b),
図4においては、一方のコネクタヘッド701のみを図示し、他方のコネクタヘッド701については、図示を省略している。
接触端子710は、金属等の導電性の材料から成る接触端子部材710aおよび710bから成り、回路基板320の電極322b(
図5参照)と接触して電気的接続を行うための部材である。接触端子部材710aおよび710bは、それぞれ全体としては棒状の長尺な形状を有しており、端子部711、固定片712、および固定片713をそれぞれ備える。
【0022】
端子部711は、棒状の部材の一方の端部が板バネのような弾性を有する形状に屈曲されて形成されている。棒状の部材の他方の端部には、接触端子710をハウジング730に固定するための固定片712と接触端子710に配線720を固定するための固定片713が形成されている。
なお、接触端子部材710aと710bとを特に区別する必要が無い場合および2つをまとめて総称する場合には、単に接触端子710とする。また、接触端子部材710aは端子部711aを備え、接触端子部材710bは端子部711bを備えるが、これらを特に区別する必要が無い場合には、単に端子部711と表記する。さらに、固定片712,713については、接触端子部材710aに設けられているものと接触端子部材710bに設けられているものとを特に区別する必要が無いため、これらを区別していない。
【0023】
また、本実施形態においては、端子部711は、棒状の部材の一方の端部が二股に分かれて形成されているが、これに限定されるものではない。2股に分かれていなくてもよいし、三股以上に分かれていてもよい。
配線720は、リード線であり、銅線等の金属線721が樹脂等の絶縁性の材料から成る被覆材722により被覆されて構成されている。
【0024】
ハウジング730は、樹脂等の絶縁性の材料から成る有底筒状の部材であり、内部に接触端子710を保持する。ハウジング730の後方側(−Z方向側。照明装置10に組み付けられた際には、照射方向とは反対側。)には、接触端子用開口731が設けられており、そこから端子部711が露出している。
ハウジング730の筒の底部分である底面732には固定用貫通孔732aが形成されている。固定用貫通孔732aに接触端子710の固定片712が内側から挿通された後に、固定片712の先端が屈曲されることにより抜け止めがなされ、接触端子710がハウジング730の底面732に固定される。
【0025】
ハウジング730のX方向における両側面733には、配線導出用開口733aが設けられており、接触端子710に接続された配線720が、配線導出用開口733aを介してハウジング730の外方へと導出される。
ハウジング730のY方向における両側面734および底面732のX方向中央部には、係合ユニット740が嵌着される。両側面734および底面732の係合ユニット740が嵌着される部分は、係合ユニット740の幅(X方向における幅)の分だけ内側へと凹入してくびれ部735が形成されている。くびれ部735により、係合ユニット740のハウジング730に対するX軸方向の移動が係止され、係合ユニット740のX軸方向における抜け止めがなされる。また、両側面734の中央部上側には、段差部734aが形成されている。
【0026】
係合ユニット740は、金属板等から形成され、断面がU字状の形状を有する。U字の対向する2辺の開口端に相当する部分には、2辺が互いに離間する方向に突出するように屈曲された爪状部分741aおよび741bがそれぞれ形成されている。爪状部分741aおよび741bにより係合部741が構成される。2辺の爪状部分741a,741bが形成されている側とは反対側の部分および2辺をつなぐ辺(U字の底辺)に相当する部分により固定部742が構成される。固定部742がハウジング730のくびれ部735に嵌着されることにより、係合部741がハウジング730に固定される。
【0027】
固定部742において、2辺の爪状部分741a,741bが形成されている側とは反対側の部分には、その一部が内側方向に折り込まれて係止爪742aが形成されている。係合ユニット740がハウジング730に嵌着された際に、係合ユニット740の係止爪742aが段差部734aにより係止され、係合ユニット740のハウジング730に対するZ方向の移動が規制されて係合ユニット740のZ方向の抜け止めがなされる。
【0028】
本実施形態においては、配線コネクタ700は、一対の接触端子710を備えている。各接触端子710は、底面732から前方(−Z方向。照明装置10に組み付けられた場合の照射方向。)に延設された隔壁736により隔てられている。隔壁736の−X側端部には、前方に突出する突起736aが形成されている。
(回路基板)
図5に示すように、回路基板320は、平面視で円環を4等分に分割した形状を有する板状の部材である。回路基板320の前面(照明装置10に取着された状態における照射方向側の主面)321上には、複数のLED310が互いに間隔を開けて2列に実装されている。LED310は、SMD(Surface Mount Device)タイプのものでもよいし、1個または数個のLED素子が一塊の封止体によって封止されたものを1ユニットとして、これを1つのLED310としてもよい。なお、回路基板320上にはLEDを駆動させるための配線パターン(不図示)が形成されている。配線パターンは金属薄膜等をパターニングして形成される。
【0029】
LED310の列の間であって、円環の周方向における端部には、配線コネクタ700が取着(接続)されるコネクタ取着部322が形成されている。コネクタ取着部322は、被係合部322a、電極322b、および突起用貫通孔322cから構成されている。
被係合部322aは、回路基板320の厚さ方向に貫通する一対の貫通孔322a1および322a2から構成されている。貫通孔322a1および322a2は、回路基板320の幅方向であるW方向に互いに間隔を開けて形成されている。
【0030】
電極322bは、金属薄膜等から成る一対の電極パッド322b1および322b2から成る。電極パッド322b1,322b2は、W方向において貫通孔322a1と貫通孔322a2の間であって、周方向において被係合部322aとずれた位置に、W方向に互いに間隔を開けて前面321上に並設されている。
突起用貫通孔322cは、回路基板320の厚さ方向に貫通する貫通孔であって、W方向において電極パッド322b1と322b2との間の位置に形成されている。
【0031】
回路基板320のLED310の列の間には、回路基板320をネジ801により放熱板210に固定するためのネジ孔324が複数穿設されている。
なお、本明細書における各実施形態および変形例においては、「回路基板」という用語は、必ずしも、基板上にトランジスタやコンデンサ等の各種電子部品が搭載されているものを示すのに限られない。本実施例における回路基板320のように基板上にLEDが実装され、配線パターンや電極等が形成されているものや、例えば、基板上に配線パターンが形成されているだけのものも含む用語として用いている。
【0032】
(放熱板)
放熱板210は、例えば金属等の良好な熱伝導性を有する材料から成り、平面視において半円環状の形状を有する板状部材である。放熱板210の前面211上に回路基板320が2枚並べて固定される。放熱板210には、ネジ801により回路基板320を固定するためのネジ孔212が穿設されている。ネジ孔212は貫通孔でもよいし、前面211から後面213側に凹入する凹部であってもよい。また、回路基板320が固定された際に、コネクタ取着部322と対応する位置に、凹部214が設けられている。
【0033】
[接続構造]
次に、配線コネクタ700と回路基板320との接続構造について説明する。
図7は、配線コネクタ700が回路基板320のコネクタ取着部322に取着される様子を示す斜視図である。
図8は、配線コネクタ700が回路基板320に取着されている状態を示す断面図であり、
図8(a)は、
図2のA−A線に沿った矢視断面図であり、
図8(b)は、
図2のB−B線に沿った矢視断面図である。
【0034】
配線コネクタ700と回路基板320との接続は、次のようにして行われる。
図7に示すように、先ず、配線コネクタ700を、その後方側(−Z側)を回路基板320の前面321に対向させて配置し、その状態で配線コネクタ700を回路基板320へと近接する方向(
図7において矢印で示す方向)へと移動させる。そして、配線コネクタ700の係合部741を回路基板320の被係合部722aに挿通し、係合部741と被係合部722aを係合させる。即ち、爪状部分741aを貫通孔322a1に係合させ、爪状部分741bを貫通孔322a2に係合させる。それと同時に、接触端子部材710aの端子部711aが電極パッド322b1と接触し、接触端子部材710bの端子部711bが電極パッド322b2と接触し、突起736aが突起用貫通孔322cと嵌合する。このとき、
図8(a),
図8(b)に示すように、係合部741(爪状部分741a,741b)は回路基板320を貫通して回路基板320の後面323側に突出し、放熱板210の凹部214内に位置している。また、突起736aの先端は、回路基板320を貫通して回路基板320の後面323側に突出し、放熱板210の凹部214内に位置している。このように、放熱板210に凹部214が設けられていることにより、係合部741および突起736aが放熱板210と干渉するのを防ぐことが出来る。これにより、回路基板320を放熱板210に密着させて取着することができ、回路基板320から放熱板210へと効率よく放熱させることができる。
【0035】
ここで、爪状部分741a,741bはハウジング730の両側面734にそれぞれ設けられており、貫通孔722a1,722a2は、回路基板320の爪状部分741a,741bそれぞれに対応した位置に設けられている。従って、配線コネクタ700は、
図7に示すように配線720がX方向に導出された向きのみならず、これとは逆向き、即ち、配線720が−X方向に導出された向きにしても、係合部741と被係合部322aが対向した状態となる。即ち、爪状部分741aが貫通孔722a2に対向した状態となり、爪状部分741bが貫通孔722a1に対向した状態とる。そのため、ユーザや組み立て作業員が、間違えて配線コネクタ700を本来の向きとは逆向きに回路基板320に接続しようとする虞がある。
【0036】
しかしながら、本実施形態に係る接続構造によると、配線コネクタ700のハウジング730に突起736aが設けられており、回路基板320の被係合部722aからずれた位置に突起用貫通孔322cが設けられているため、ユーザや作業員がコネクタヘッド701間違えた向きに接続しようとしても、突起736aが突起用貫通孔322cと嵌合せず、コネクタヘッド701を回路基板320に取着することが出来ない。これにより、配線コネクタ700の誤取着を防止することが出来る。
【0037】
ところで、上記のように、誤取着防止用の突起736aにより、コネクタヘッド701が回路基板320に対して特定の向きにのみ接続可能である場合、通常は配線720が導出される向きもそれにより特定の向きに限定されてしまうこととなる。しかし、配線720が導出される向きが特定の向きに限定されてしまうと、配線720の余計な引き回しが生じ、その分長い配線720が必要となったり、配線720引き回しのスペースが必要となったりする。さらには、引き回された配線720によって、LED310から発せられた光が遮光される事態が発生する場合もある。
【0038】
そこで、本実施形態に係る配線コネクタ700は、接触端子710をハウジング730に対して複数の向きに保持可能な構成となっている。
図9(a)および
図9(b)は、接触端子710がハウジング730に固定される前の状態を示す斜視図である。
図9(a)は、端子部711が突起736aとは反対側に位置する向きに接触端子710が固定される場合の斜視図であり、
図9(b)は、端子部711が突起736aと同じ側に位置する向きに接触端子710が固定される場合の斜視図である。
【0039】
図3(a),(b)および
図4に示すように、ハウジング730の底面732には、X軸方向における両側に固定用貫通孔732aが形成されている。従って、
図9(a),(b)に示すように、ハウジング730は、接触端子710を複数の向きに保持可能な構成となっている。本実施形態においては、上記複数の向きとは、固定片712,713に対して端子部711がX方向を向いている向きと−X方向を向いている向きとの二つである。さらにこのとき、ハウジング730のX軸方向における両側面733には配線導出用開口733aがそれぞれ形成されている(即ち、ハウジング730の側面における対向する2か所に配線導出用開口733aがそれぞれ形成されている)ため、接触端子710が何れの向きに保持された場合でも、配線720をハウジングの外方へと円滑に導出することが出来る。
【0040】
また、本実施形態においては、配線導出用開口733aは、ハウジング730の対向する側面733にそれぞれ形成されていたが、これに限られない。例えば、一方の配線導出用開口733aが何れか一方の側面733に形成され、他方の配線導出用開口733aが何れか一方の側面734に形成されてもよい。この場合、接触端子が平面視でL字形に屈曲した態様であれば、接触端子の配線が接続される部分である固定片713が配線導出用開口733aと対向して位置する向きに接触端子をハウジングにより保持することができるため、配線の導出が容易である。
【0041】
なお、接触端子710が保持される向きが異なると、端子部711と突起736aとの相対的な位置関係が異なってくる。従って、双方の相対的な位置関係に対応して、コネクタ取着部322における突起用貫通孔322cと電極322bの相対的な位置関係も異なる。例えば、
図5に示すように、コネクタ取着部322−1では、突起用貫通孔322cは、被係合部322aに対して電極322bと同じ側であって、一対の電極322bの間の位置に形成されている。一方、コネクタ取着部322−2では、突起用貫通孔322cは、被係合部322aに対して電極322bとは反対側に形成されている。
【0042】
(まとめ)
以上説明したように、本発明の一態様である実施形態1に係る接続構造によると、配線コネクタ700の係合部741が、回路基板320に設けられた貫通孔である被係合部322aと係合することにより、配線コネクタ700と回路基板320との接続が行われる。これにより、回路基板320に雌型部品のような配線コネクタ700を接続するための別部材を設ける必要が無いため、回路基板320上に配置される遮光性の構造物の高さや体積を減じて、LED310から発せられた光の遮光率を低減させることが出来る。
【0043】
また、被係合部322aが回路基板320に穿設された貫通孔であるため、雌型部品のような別部材を用いる必要もなく製造が容易であるため、コスト抑制に資することが出来る。
さらに、接触端子710の端子部711が板バネのような弾性を有し、コネクタヘッド701がコネクタ取着部322に取着された際に、電極322bと弾性接触するため、接触端子710と電極322bとの電気的接続が安定的に維持される。
【0044】
またさらに、配線コネクタ700のハウジング730が突起736aを備え、回路基板320に突起736aに対応した突起用貫通孔322cが設けられているため、コネクタヘッド701をコネクタ取着部322に取着する際の誤取着を防止して、コネクタヘッド701を確実に所望の向きに取着することができる。
さらにまた、ハウジング730は、接触端子710を複数の向きに保持可能であり、ハウジング730には、上記複数の向きそれぞれに対応した位置に配線導出用開口733aが形成されている。これにより、回路基板320に対してコネクタヘッド701が所定の向きにのみ取着される場合であっても、配線720の余計な引き回しの問題の発生を回避することが出来る。
【0045】
<実施形態2>
上記実施形態1においては、係合部741および固定部742が係合ユニット740を構成し、固定部742がハウジング730に固定されることにより、係合部741がハウジング730に固定される構成について説明した。しかし、これに限られない。実施形態2においては、係合部741がハウジング730と一体的に形成された構成について説明する。なお、説明の重複を避けるため、上記実施形態1と同じ内容のものについてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
【0046】
図10は、本発明の別の態様である実施形態2に係る配線コネクタ1700の外観斜視図である。
図10(a)は、表側から見た配線コネクタ700の外観斜視図であり、
図3(b)は、裏側から見た配線コネクタ700の外観斜視図である。
図10(a),
図10(b)に示すように、ハウジング1730両側面1734から後方側に突出する態様で爪状部分1741a,1741bがそれぞれ延設され、ハウジング1730と一体的に形成されている。そして、爪状部分1741aおよび1741bにより係合部1741が構成されている。この場合、係合部1741は、ハウジング1730と同様に樹脂等の絶縁性の材料から形成されている。
【0047】
ハウジング1730は、係合部1741が一体的に形成され、くびれ部735および段差部734aに相当する部分が形成されていない点を除いては、基本的な構成は実施形態1に係るハウジング730と同じである。ハウジング1730は、ハウジング730と同様に、固定用貫通孔1732a,配線導出用開口1733a,隔壁1736,突起1736a等を備える。
【0048】
実施形態2に係る配線コネクタ1700の構成においても、実施形態1と同様に、回路基板320側に雌型部品のような配線コネクタ1700を接続するための別部材を設ける必要が無いため、回路基板320上に配置される遮光性の構造物の数や大きさを減じて、LED310から発せられた光の遮光率を低減させることが出来る。
また、実施形態2に係る配線コネクタ1700の構成によっても、雌型部品のような別部材を用いなくてよいことからコスト抑制に資することが出来る。それに加えて、配線コネクタ1700においては、係合部1741がハウジング1730と一体的に形成されており、ハウジングと別部材の係合ユニットを用意しなくてもよいため、部品点数および組み立て工程数を減じて、コスト抑制および作業性向上に資することが出来る。
【0049】
配線コネクタ1700は、実施形態1に係る配線コネクタ700と同様に接触端子710を備えることから、同様に、接触端子710が電極322bと弾性接触し、接触端子710と電極322bとの電気的接続が安定的に維持される。
またさらに、配線コネクタ1700は、突起1736aを備えており、配線コネクタ700と同様にコネクタヘッド1701をコネクタ取着部322に取着する際の誤取着を防止して、コネクタヘッド1701を確実に所望の向きに取着することができる。
【0050】
そしてまた、ハウジング1730は、ハウジング730と同様に、X軸方向における両端側にそれぞれ、固定用貫通孔1732aおよび配線導出用開口1733aが形成されている。これにより、回路基板320に対してコネクタヘッド1701が所定の向きにのみ取着される場合であっても、配線720の余計な引き回しの問題の発生を回避することが出来る。
【0051】
<変形例>
以上、本発明の構成を実施形態1〜5に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限られず、以下のような変形例を実施することができる。なお、説明の重複を避けるため、上記各実施形態と同じ内容のものについてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
【0052】
(変形例1)
実施形態1に係る配線コネクタ700および実施形態2に係る配線コネクタ1700は、配線720および接触端子710をそれぞれ一対備えていたが、これに限られない。
図11(a)に、変形例1に係る配線コネクタ2700の外観斜視図を示す。
図11(a)に示すように、配線コネクタ2700は、配線720および接触端子710をそれぞれ1つずつ備えている。
【0053】
ハウジング2730は、それに伴いY軸方向の幅が実施形態1に係るハウジング730と比較して縮小されており、隔壁を備えず、X軸方向の両端部に固定用貫通孔2732aおよび配線導出用開口2733aがそれぞれ一対ずつ形成されている点を除いては、基本的な構成はハウジング730と同様である。
また、係合ユニット2740は、Y軸方向の幅が実施形態1に係る係合ユニット740と比較して縮小されている点を除いては、基本的な構成は係合ユニット740と同じである。係合ユニット2740は、固定部2742および係合部2741から成り、係止爪2742aを備える。係合部2741は、爪状部分741aおよび爪状部分741bから成る。係止爪2742aの形状や大きさについては、基本的に係止爪742aと同じである。
【0054】
なお、
図11(a)においては、爪状部分741bは、ハウジング2730の陰に隠れて見えていない。
また、係合部2741がハウジング2730と一体的に形成されていてもよい。
(変形例2)
また、
図11(b)に示す変形例2に係る配線コネクタ3700のように、接触端子710および配線720をそれぞれ3つずつ備える構成としてもよい。この場合、3本の配線720のうちの1本を、アース用として用いる等の利用が可能である。
【0055】
ハウジング3730は、それに伴いY軸方向の幅が実施形態1に係るハウジング730と比較して増大しており、隔壁3736が2つ形成され、突起3736aが2つ形成され、固定用貫通孔3732aおよび配線導出用開口3733aがそれぞれ3対ずつ形成されている点を除いては、基本的な構成はハウジング730と同様である。
また、係合ユニット3740は、Y軸方向の幅が実施形態1に係る係合ユニット740と比較して増大している点を除いては、基本的な構成は係合ユニット740と同じである。係合ユニット3740は、固定部3742および係合部3741から成り、係止爪3742aを備える。係合部3741は、爪状部分741aおよび爪状部分741bから成る。係止爪3742aの形状や大きさについては、基本的にそれぞれ係合部741および係止爪742aと同じである。
【0056】
なお、
図11(b)においては、爪状部分741bは、ハウジング3730の陰に隠れて見えていない。
また、突起3736aは2個に限られず、何れか一方の隔壁3736に1つのみ形成されていてもよい。
さらには、係合部3741がハウジング3730と一体的に形成されていてもよい。
【0057】
(変形例3)
また、配線コネクタが、接触端子710および配線720をそれぞれ4つ以上備える構成としてもよい。このような場合、リード線を4つ以上用いるのに代えて、フレキシブルフラットケーブルを1つ用いてもよい。リード線の本数が多くなるとバラバラにならないようにバンド等を用いてまとめる必要があるが、フレキシブルフラットケーブルを用いれば、バンド等の別部材を用いなくてもよく、また、配線コネクタの組み立てが容易であるという利点がある。
【0058】
なお、実施形態1,2および変形例1,2のように配線720が3つ以下である場合においても、リード線に代えてフレキシブルフラットケーブルを用いてもよい。
(変形例4)
また、
図12に示す変形例3に係る配線コネクタ4700のように、誤取着防止用の突起4736aが形成されている向きを示す突起4732bがハウジング4730に形成されていてもよい。これにより、コネクタヘッド4701を回路基板320に取着する際に、コネクタヘッド4701を裏返して突起4736aの位置を確認しなくても、コネクタヘッド4701を取着する向きがわかり、作業性が向上するという利点がある。
【0059】
なお、
図12に斜視図を示す配線コネクタ4700においては、突起4732bはハウジング4730の底面4732に形成されていたが、これに限られない。コネクタヘッド4701を取着する向きが表側からわかれば、突起4732bはハウジング4730の側面に形成されていてもよいし、係合ユニット740に形成されていてもよい。
また、係合部741がハウジング4730と一体的に形成されていてもよい。
【0060】
(変形例5)
上記変形例3においては、コネクタヘッド4701を取着する向きを示す突起4732bがハウジング4730に形成されていたが、コネクタヘッドを取着する向きを示すものは、突起に限られない。例えば、ハウジングに設けられた凹部や貫通孔でもよいし、ハウジングに図形や文字、記号等を印刷したり刻印したものでもよい。
【0061】
コネクタヘッドを取着する向きを示すものが、印刷された図形や文字でなく、突起や凹部、刻印等である場合には、目視しなくても手で触って認識することが出来るという利点がある。
(変形例6)
上記各実施形態および各変形例においては、ハウジングは、直方体様の形状であったが、これに限られない。例えば、円筒状の形状であってもよいし、ハート形や動物の形を模した形状であってもよい。
【0062】
(変形例7)
上記各実施形態および各変形例においては、係合部は、一対の爪状部分から構成されていたが、これに限られない。係合部を構成する爪状部分は1つでもよいし、3つ以上であってもよい。その場合、基板には、爪状部分の数に対応する数の被係合部が設けられることになる。
【0063】
また、爪状部分が1つの場合、例えば、ハウジングの隔壁の下端部に設けられてもよい。
(変形例8)
また、爪状部分を3つ以上備える場合、そのうちの1つが誤取着防止用の突起の機能を兼ねてもよい。例えば、実施形態1に係る配線コネクタ700において、突起736aが爪状部分であってもよい。
【0064】
(変形例9)
上記各実施形態および各変形例においては、爪状部分と誤取着防止用の突起とが同じ方向(
図3においては、X軸方向)を向いて互いに略平行となるように配設されていた。しかし、これに限られず、例えば、誤取着防止用の突起が爪状部分とは違う向きに配設されていてもよい。例えば、
図3において、誤取着防止用の突起がY軸方向を向くように設けられていてもよい。
【0065】
(変形例10)
また、複数の爪状部分を備える場合、誤取着防止用の突起を設ける代わりに、複数の爪状部分のうちの1つが他とは違う向きに設けられていることにより誤取着を防止するようにしてもよい。例えば、
図3に示す配線コネクタ700の場合において、爪状部分741aがX軸方向に、爪状部分741bがY軸方向に向けて設けられていてもよい。その場合、回路基板320に設けられた貫通孔322a1はX軸方向に、貫通孔322a2はY軸方向に沿って長尺な貫通孔として穿設される。これにより、コネクタヘッド701が所定の方向を向いている場合にのみ係合部741が被係合部322aと係合することができるため、誤取着を防止することが出来る。
【0066】
以上、本発明の一態様に係る接続構造を照明装置に適用した場合を例に説明したが、これに限られない。本発明の一態様に係る接続構造は、基板とコネクタとを電気的に接続する如何なる態様にも適用可能である。
なお、上記各実施形態および各変形例に係る接続構造、配線コネクタ、および照明装置の部分的な構成を適宜組み合わせてなる接続構造、配線コネクタ、および照明装置であっても良い。また、上記各実施形態および各変形例における説明に記載した材料、数値等は好ましいものを例示しているだけであり、それに限定されることはない。また、各図面における各部材の寸法および比は、一例として挙げたものであり、必ずしも実在の照明装置の寸法および比と一致するとは限らない。さらに、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、接続構造、配線コネクタ、および照明装置の構成に適宜変更を加えることは可能である。