【文献】
DAIKEN おもいやりシリーズ ご高齢者の暮らす住空間向け建材,日本,大建工業株式会社,2012年 5月,第4刷,表紙、49、122、123頁、裏表紙
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
建物の壁体の前面に沿ってアウトセット納めでスライド自在に吊下支持され、前記壁体に形成された出入開口部を開閉する引戸パネルと、前記出入開口部の戸先側に設けられる戸先側縦枠と、を備えており、
前記戸先側縦枠は、前記壁体の前面よりも前方へ突出するように前後に幅広く形成され、この前方に突出するように配置される突出部に、閉鎖状態の前記引戸パネルの戸先側端部を納める凹所を設けている引戸装置であって、
前記引戸パネルを吊下支持する上レールは、前記出入開口部の上縁に沿うように、かつ前記壁体の前面よりも前方へ突出するように配設される構成とされており、
前記上レールの前方側及び長手方向両端側を囲うように覆うカバー体を備えており、
前記カバー体は、戸幅方向に延びる平板状とされた前側カバー部と、この前側カバー部の長手方向両端側に別体的に設けられ、かつ後端面が前記壁体の前面に当接または近接される両側の端部カバー部と、を備え、戸先側の前記端部カバー部は、その内側面が前記戸先側縦枠の突出部の上端部の外側面に当接または近接されることを特徴とする引戸装置。
建物の壁体に形成された出入開口部を開閉する引戸パネルを、前記壁体の前面に沿ってアウトセット納めでスライド自在に吊下支持させ、前記出入開口部の戸先側に設けた戸先側縦枠を、前記壁体の前面よりも前方へ突出させるよう前後に幅広く形成し、該戸先側縦枠の突出部に、閉鎖状態の前記引戸パネルの戸先側端部を納める凹所を設けた引戸構造であって、
前記引戸パネルを吊下支持する上レールを、前記出入開口部の上縁に沿うように、かつ前記壁体の前面よりも前方へ突出するように配設し、
前記上レールの前方側及び長手方向両端側を囲うように覆うカバー体を設け、
前記カバー体は、戸幅方向に延びる平板状とされた前側カバー部の長手方向両端側に、この前側カバー部とは別体とされ、後端面が前記壁体の前面に当接または近接された両側の端部カバー部を設けた構成とされ、戸先側の前記端部カバー部の内側面が前記戸先側縦枠の突出部の上端部の外側面に当接または近接されていることを特徴とする引戸構造。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1〜
図3は、本実施形態に係る引戸装置及び引戸構造の一例を模式的に示す図である。
なお、以下の実施形態では、
図1(a)に示すV方向から引戸装置に対面した状態を基準として、手前側を前方、逆側を後方として、その方向等を説明する。
【0012】
本実施形態に係る引戸装置1は、
図1及び
図2に示すように、住居等の建物の壁体(内壁)2の前面3に沿ってアウトセット納めでスライド自在に吊下支持される引戸パネル10と、戸先側縦枠21と、を備えている。また、引戸装置1は、
図3(a)に示すように、引戸パネル1を吊下支持する上レール26を備えている。また、本実施形態では、引戸装置1は、壁体2に設けられた開口部5に配設され、戸先側縦枠21を含む開口枠20を備えている。本実施形態では、この開口枠20によって、壁体2に、引戸パネル10によって開閉される出入開口部6を形成している。
本実施形態に係る引戸構造は、この出入開口部6を開閉する引戸パネル10を、壁体2の前面3に沿ってアウトセット納めでスライド自在に吊下支持させた構造としている。
【0013】
開口部5は、
図2に示すように、正面視して略矩形状とされており、その上側が、横桟やまぐさ等の横架材または該横架材の下面側に固定された飼木(スペーサー材)等からなる上枠下地によって区画されている。また、開口部5は、その開口幅(戸幅)方向両側が、間柱等の柱材または該柱材の開口幅方向内側に固定された飼木(スペーサー材)等からなる左右両側の縦枠下地によって区画されている。また、開口部5は、その下側が、床材または床下地によって区画されている。
この開口部5の左右両側に連なる壁体2の壁厚は、互いに略同厚さとされ、左右両側の壁体2の前面3及び後面4は、それぞれ互いに略同一平面状とされている。引戸パネル10は、この開口部5の左右両側に連なる壁体2の一方側(図示右側)の前面3に沿ってアウトセット納めでスライド自在に吊下支持される構成とされている。つまり、単一の引戸パネル10を、片引きでアウトセット納めとした構造としている。
【0014】
開口枠20は、
図2に示すように、上枠25と、この上枠25の長手方向両側に配設される戸先側縦枠21及び戸尻側縦枠24と、を備えている。
上枠25は、開口部5の開口幅方向に沿って長尺の略帯板状とされている。この上枠25は、出入開口部6の天側(上側)に設けられ、その下面が出入開口部6の天面を構成する。また、上枠25は、その見込み寸法(前後寸法、壁体2の壁厚方向に沿う寸法)が、
図3(a)に示すように、壁体2の壁厚寸法よりも僅かに大きく形成されており、見込み方向両端部が壁体2の前面3及び後面4よりも僅かに突出するように配設される構成とされている。
【0015】
戸先側縦枠21及び戸尻側縦枠24は、開口部5の開口高に応じた長さ寸法とされ、略帯板状とされている。
戸尻側縦枠24は、出入開口部6の戸尻側(図示右側)に設けられ、その出入開口部6側に向く面が出入開口部6の戸尻側の内側面を構成する。この戸尻側縦枠24は、
図1に示すように、その前端面24aが引戸パネル10の後面15に近接配置されるように、戸先側縦枠21よりも見込み寸法が小さく形成されており、図例では、上枠25の見込み寸法と概ね同寸法とされている。この戸尻側縦枠24は、見込み方向両端部が壁体2の前面3及び後面4よりも僅かに突出するように配設される構成とされている。なお、この戸尻側縦枠24の前端部に、引戸パネル10の後面15に摺るように接する隙間遮蔽部材(モヘア部材)を設けるようにしてもよい。
【0016】
戸先側縦枠21は、出入開口部6の戸先側(図示左側)に設けられ、その出入開口部6側に向く面が出入開口部6の戸先側の内側面を構成する。この戸先側縦枠21は、壁体2の前面3よりも前方へ突出するように前後に幅広く形成されている。
また、戸先側縦枠21は、この前方に突出するように配置される突出部22に、閉鎖状態(
図1(a)及び
図2(a)に示す状態)の引戸パネル10の戸先側端部11を納める凹所23を設けた構成としている。本実施形態に係る引戸構造は、壁体2の前面3よりも前方へ突出させるよう前後に幅広く形成した戸先側縦枠21の突出部22に、閉鎖状態の引戸パネル10の戸先側端部11を納める凹所23を設けた構造としている。
【0017】
また、戸先側縦枠21は、その後端部が戸尻側縦枠24と同様、壁体2の後面4よりも僅かに突出し、その前端側の突出部22が壁体2の前面3よりも後端部側と比べて大きく突出するように配設される構成とされている。
この戸先側縦枠21の突出部22は、閉鎖状態の引戸パネル10の閉鎖側への更なる移動を阻止するストッパー部として機能する。
また、本実施形態では、
図1及び
図3に示すように、凹所23を、引戸パネル10側に開口し、引戸パネル10の戸先側端部11を受け入れる戸じゃくり溝状の凹溝23としている。この凹溝23は、戸先側縦枠21の長手方向に沿って設けられている。図例では、この凹溝23を、戸先側縦枠21の全長に亘って設けた例を示している。
【0018】
この戸先側縦枠21は、その突出部22の前端面が引戸パネル10の前面13よりも僅かに前方に位置するように配設される。
この戸先側縦枠21の突出部22の壁体2の前面3からの突出寸法(突出部22の見込み寸法)は、引戸パネル10の戸先側端部11を凹所(凹溝)23に納めることが可能なように、引戸パネル10の戸厚寸法に応じて適宜、設定するようにしてもよい。また、この突出部22の見込み寸法は、引戸パネル10の後面15と壁体2の前面3(本実施形態では、戸尻側縦枠24の前端面24a)とのクリアランスを加味して適宜、設定するようにしてもよい。つまり、突出部22の見込み寸法は、上記クリアランスに引戸パネル10の戸厚寸法を足し合わせた寸法よりも僅かに大きい寸法としてもよい。
これら戸先側縦枠21及び戸尻側縦枠24と上枠25とは、例えば、上枠25の長手方向の各端面に、各縦枠21,24の上端部内側面を当接させ、各縦枠21,24の外側面側から止具を上枠25に捩じ込む(または打ち込む)ことで枠組みするようにしてもよい。
【0019】
上レール26は、
図2(b)及び
図3(a)に示すように、出入開口部6の上縁に沿うように、かつ壁体2の前面3よりも前方へ突出するように配設される構成とされている。
この上レール26は、引戸パネル10の移動軌跡に対応させて、出入開口部6の開口幅方向に加え、引戸パネル10がアウトセット納めで納められる壁体2の前面3の前方側に至るように戸幅方向に延びるように設けられる(
図2参照)。また、本実施形態では、この上レール26を、
図3(a)に示すように、その下面が上枠25の下面よりも上側に位置するように配設した構造としている。また、上レール26を、上枠25の前端面よりも前方に位置するように配設した構造としている。
【0020】
また、本実施形態では、壁体2の前面3に沿って上レール26の下地材としての下地桟7を固定し、この下地桟7に上レール26を固定した構造としている。本実施形態では、下地桟7の下面側に上レール26を固定した構造としている。また、下地桟7の前面を、上レール26の前面よりも僅かに前方に位置させ、かつ戸先側縦枠21(突出部22)の前端面と略同一平面状とした構造としている。
この下地桟7は、上レール26の概ね全長に亘る長さとされたものとしてもよく、上レール26の長手方向に間隔を空けて複数設けられたものとしてもよい。なお、下地桟7は、壁体2(壁下地)に固定するようにしてもよく、天井(天井下地)に固定するようにしてもよい。
【0021】
また、上レール26は、上板部及び両側板部によってガイド溝を区画し、縦断面形状が、下方に向けて開口する略コ字状(略U字状または略C字状)とされている。また、上レール26は、両側板部の下端縁部に、互いに向き合う方向に突出する案内片をそれぞれに設けた構成とされている。これら両案内片によって、後記する引戸パネル10のランナー部材17,17のローラー等が当該上レール26の長手方向に沿って転動自在に支持される。このような構成により、上レール26は、当該上レール26に対して引戸パネル10を戸幅方向に沿ってスライド自在に吊下支持する構成とされている。なお、この上レール26に、閉鎖状態の引戸パネル10の閉鎖側への更なる移動を阻止するストッパー部を設けるようにしてもよい。また、上レール26に、全開状態の引戸パネル10の開放側への更なる移動を阻止するストッパー部を設けるようにしてもよい。また、上レール26に、閉鎖状態及び全開状態の引戸パネル10を捕捉するキャッチ部を設けるようにしてもよい。
【0022】
また、本実施形態では、引戸装置1は、この上レール26の前方側及び長手方向両端側を囲うように覆い、かつ戸先側縦枠21の突出部22の上端部22aを受け入れるカバー体27を備えている。
このカバー体27は、本実施形態では、上記した上レール26を固定する下地桟7の前方側及び長手方向両端側(複数の場合は、戸幅方向最外方側の下地桟のそれぞれの長手方向外方側端面側)を囲うように覆う構成とされている。
また、本実施形態では、このカバー体27の下端面を、上枠25の下面と略同一平面状とした構造としている。
【0023】
このカバー体27は、戸幅方向に延びる平板状の前側カバー部28と、この前側カバー部28の長手方向両端側に設けられた端部カバー部29,29と、を備えている。これら両側の端部カバー部29,29の後端面は、壁体2の前面3に当接または近接される(
図3(b)参照)。
また、
図3(b)に示すように、前側カバー部28の後面は、戸先側縦枠21の突出部22の上端部22aの前端面に当接または近接される。また、戸先側の端部カバー部29の内側面は、戸先側縦枠21の突出部22の上端部22aの反引戸パネル側の側面(外側面)に当接または近接される。
【0024】
このカバー体27の前側カバー部28と両側の端部カバー部29,29とは、一体的に形成されたものとしてもよい。この場合は、前側カバー部28と両側の端部カバー部29,29との境界部位の裏面側に折曲溝等を設けた構成としてもよい。または、別体とされた前側カバー部28と両側の端部カバー部29,29とを適宜の止具や接着剤等で接合し、カバー体27を構成するようにしてもよい。
また、このカバー体27は、下地桟7及び上レール26の両方または一方に適宜の止具や接着剤等で固定するようにしてもよい。
【0025】
また、
図2では、カバー体27の上側に垂壁を設けた例を図示しているが、カバー体27の上端面を、天井に近接または当接させるようにしてもよい。つまりは、引戸パネル10を、床面近傍から天井近傍に概ね至るような高さ寸法としてもよい。
また、上レール26を固定する態様としては、上記のような態様に限られない。例えば、略L字型等のブラケットの一片部を壁体に固定し、その他片部に上レール26を固定する態様としてもよい。または、上枠25を、戸先側縦枠21と概ね同様、壁体2の前面3よりも前方へ突出するように幅広に形成し、この上枠25の突出部位に上レール26を固定する態様としてもよい。この場合は、上枠25を天井下地等に沿わせるように固定し、突出部位の下面側に上レール26を受け入れる溝部を設けるようにしてもよい。さらには、このような下地桟7やブラケット、上枠25等を介して上レール26を固定する態様に代えて、上レール26を直接的に壁体2や、天井(天井下地)に固定する態様としてもよい。これらの場合は、カバー体27の上下寸法を、適宜、変形するようにしてもよい。
【0026】
引戸パネル10は、略矩形平板状とされている。この引戸パネル10の高さ寸法は、
図3(a)に示すように、床面近傍から上レール26近傍に至るまでの寸法とされている。本実施形態では、引戸パネル10の上端面を、上枠25の下面及びカバー体27の下端面よりも上方に位置させた構造としている。このような構造とすることで、閉鎖状態の引戸パネル10の上端側における明かり等の漏れを効果的に防止することができる。なお、引戸パネル10の上端面を、上枠25の下面及びカバー体27の下端面のいずれか一方よりも上方に位置させた構造としてもよい。このような構造としても概ね同様の効果を奏する。
【0027】
また、引戸パネル10の戸幅寸法は、出入開口部6の閉鎖が可能なように、出入開口部6の開口幅に応じて適宜、設定するようにしてもよい。本実施形態では、引戸パネル10の戸幅寸法を、
図1に示すように、引戸パネル10の戸先側端部11を戸先側縦枠21の凹溝23に納め、出入開口部6を閉鎖した状態で、引戸パネル10の戸尻側端部が戸尻側縦枠24と戸厚方向で重合するような寸法としている。図例では、閉鎖状態の引戸パネル10の戸尻側端面12と戸尻側縦枠24の反出入開口部側の側面(外側面)とを略同一平面状とした例を示している。
なお、引戸パネル10の戸厚寸法は、例えば、20mm〜40mm程度としてもよい。
【0028】
この引戸パネル10の上端部には、上記した上レール26に支持されるランナー部材17,17が連結固定されている。図例では、引戸パネル10の上端部の戸幅方向両端部のそれぞれにランナー部材17,17を設けた例を示している。このようなランナー部材17,17としては、水平軸廻りに回転し、上レール26の両案内片上を転動するローラーを備えたものとしてもよい。
このようにランナー部材17,17が上レール26に支持された引戸パネル10は、出入開口部6の前方側及びその一側方の壁体2の前面3の前方側に沿って戸幅方向にスライド自在とされ、出入開口部6を開閉する構成とされている。
なお、上レール26及びランナー部材17,17は、上記のような態様に限られず、引戸パネル10を戸幅方向にスライド自在に吊下支持可能な態様とすればよく、その他の態様としてもよい。例えば、前方に開口した上レール26等としてもよく、その場合は、上レール26に応じてランナー部材17を適宜、変形するようにしてもよい。
【0029】
また、本実施形態では、
図1に示すように、引戸パネル10の戸先側端部11近傍の前面13及び後面15に、前後方向に突出するように把手14,16を設けた構成としている。
これら把手14,16は、略同様の構成とされている。これら把手14,16は、引戸パネル10の前面13及び後面15にそれぞれ固定された台座を備えた構成とされている。また、これら把手14,16は、各台座の上下端部から戸厚方向に突出する上下両側の基部に上下端部が連結され、上下方向に延びる棒状(バー状)とされている。
また、前方に突出する前面13側の前側把手14と後方に突出する後面15側の後側把手16とは、引戸パネル10の戸幅方向で略一致するように設けられている。
【0030】
前側把手14は、
図1に示すように、戸先側縦枠21の突出部22の前端面よりも前方に位置するように設けられている。
後側把手16は、
図1(a)に示すように、閉鎖状態で戸先側縦枠21との間に手指の挿入が可能な間隔を空けるように設けられている。また、後側把手16は、
図1(b)に示すように、全開状態で戸尻側縦枠24との間に手指の挿入が可能な間隔を空けるように設けられている。つまり、引戸パネル10は、全開状態で、前後の把手14,16を含む戸先側の部位が、戸幅方向で戸尻側縦枠24の内側面よりも出入開口部6側に突出するように配設される構成とされている。
【0031】
なお、この引戸パネル10の把手14,16等に、施解錠可能な錠機構を設けるようにしてもよい。このような錠機構としては、鍵や摘み部等の操作によって引戸パネル10の戸先側端面から戸幅方向に出没される鎌状のロック片を備えた鎌錠としてもよい。この場合は、戸先側縦枠21の突出部22の内側面(凹溝23の溝底)において露出する錠受けを、戸先側縦枠21の突出部22に埋め込むように設けた構成としてもよい。
【0032】
また、引戸装置1は、
図1及び
図3(a)に示すように、引戸パネル10の下端側をガイドする下端ガイド部材30を備えている。本実施形態では、引戸パネル10の下端部に、下向きに開口する凹溝18を戸幅方向に沿って設け、下端ガイド部材30を、凹溝18に挿入(遊挿)されるガイドピン31を備えた構成としている。
この下端ガイド部材30は、
図1に示すように、引戸パネル10の移動軌跡の直下に位置するように複数箇所に設けられている。この下端ガイド部材30は、開閉に伴い移動する引戸パネル10の直下に少なくとも一つが存在するように設けるようにしてもよい。また、本実施形態では、この下端ガイド部材30を、磁石を設けたガイドピン31を上下方向に出没自在に収容し、床に埋め込まれるように配設されるマグネットガイド30としている。引戸パネル10の凹溝18には、このマグネットガイド30に対応させて磁石や磁性体等が設けられている。
【0033】
なお、
図2では、マグネットガイド30の図示を省略している。
また、引戸パネル10の下端側をガイドする下端ガイド部材30としては、上記のようなマグネットガイド30に限られない。例えば、上下方向に出没不能とされたガイド部(ガイドピン)を備えた固定ガイド部材としてもよい。この場合は、この固定ガイド部材を、例えば、戸尻側縦枠24の前方に位置するように床上に配設するようにしてもよい。
【0034】
また、引戸装置1は、全開状態の引戸パネル10の開放側への更なる移動を阻止するストッパー部32を備えている。本実施形態では、このストッパー部32を、全開状態の引戸パネル10の戸尻側端面12の下端部に当接される下端ストッパー32としている。この下端ストッパー32は、床から上方に突出するように配設され、床に固定される。
なお、上記したように上レール26にストッパー部を設けた場合には、このような下端ストッパー32を設けないようにしてもよい。
【0035】
本実施形態に係る引戸装置1及び引戸構造は、上述のような構成としたことで、アウトセット納めでありながらも、閉鎖状態の引戸パネル10の戸先側における明かり等の漏れを防止し、かつ閉鎖側へ移動する引戸パネル10を安定的に停止させることができる。
つまり、戸先側縦枠21を、壁体2の前面3よりも前方へ突出するように前後に幅広く形成し、この前方に突出するように配置される突出部22に、閉鎖状態の引戸パネル10の戸先側端部11を納める凹所(凹溝)23を設けている。従って、アウトセット納めでありながらも、戸先側縦枠21の突出部22を、引戸パネル10の戸先側端部11の戸当りとして機能させることができる。また、戸先側縦枠21自体を前後に幅広くし、突出部22を設けているので、この突出部22に引戸パネル10の戸先側端部11の概ね全体が当接することとなり、損傷等が生じ難く、閉鎖側へ移動する引戸パネル10を安定的に停止させることができる。
【0036】
また、この戸先側縦枠21の突出部22の凹所(凹溝)23に、閉鎖状態の引戸パネル10の戸先側端部11を納めることができ、閉鎖状態の引戸パネル10の戸先側における明かり等の漏れを防止することができる。
また、例えば、閉鎖状態の引戸パネルの戸先側における明かり等の漏れを防止すべく、閉鎖状態の引戸パネルの戸先側端部が出入開口部の戸先側に連なる壁体と十分に戸厚方向に重合するように引戸パネルの戸幅寸法を大きくすることも考えられる。本実施形態によれば、上記のように閉鎖状態の引戸パネル10の戸先側における明かり等の漏れを防止可能でありながらも、引戸パネル10の戸幅寸法を効果的に小さくすることもできる。
また、例えば、上記のように錠機構を引戸パネル10に設けたような場合には、錠受け用の専用部材を別途、戸先側に設けたり、引戸パネル10の厚さ方向に出没する特殊構造の錠機構を採用したりすることが考えられる。本実施形態によれば、引戸パネル10の戸先側端部11に埋め込むように設けられる上記した一般的な鎌錠のような錠機構を採用することができる。また、戸先側縦枠21の突出部22に、この錠機構に応じた錠受け部を設けることができ、汎用性を向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、戸先側縦枠21の突出部22の凹所23を、引戸パネル10の戸先側端部11を受け入れる凹溝23としている。従って、例えば、手前側を切り欠いたような段状の凹所や、後側を切り欠いたような段状の凹所(換言すれば、前端部に突片部を設けた態様)等とした場合と比べて、閉鎖状態の引戸パネル10の戸先側における明かり等の漏れをより確実に防止することができる。
なお、このような凹溝23とした態様に代えて、戸先側縦枠21の手前側を切り欠いたような段状の凹所23や、後側を切り欠いたような段状の凹所23としてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、引戸パネル10の戸先側端部11近傍の前後面13,15に、前後方向に突出するように把手14,16を設けている。従って、例えば、掘り込み状の引手を設けたようなものと比べて、開閉操作性を向上させることができる。
また、後側把手16を、閉鎖状態で戸先側縦枠21との間に手指の挿入が可能な間隔を空けるように設けている。従って、閉鎖状態の引戸パネル10を、その後方側から開放させる際にもスムーズな操作が可能となる。
また、後側把手16を、全開状態で戸尻側縦枠24との間に手指の挿入が可能な間隔を空けるように設けている。従って、全開状態の引戸パネル10を、その後方側から閉鎖させる際にもスムーズな操作が可能となる。なお、このような前側把手14及び後側把手16の両方または一方を設けないようにしてもよい。この場合は、このような把手に代えて、掘り込み状の引手を設けるようにしてもよい。また、この場合は、全開状態で出入開口部6の概ね全体が開放される構成としてもよい。
【0039】
また、本実施形態では、前端面24aが引戸パネル10の後面15に近接配置されるように戸先側縦枠21よりも前後寸法が小さく形成された戸尻側縦枠24を設けている。従って、このような戸尻側縦枠24を設けない場合と比べて、閉鎖状態の引戸パネル10の戸尻側における明かり等の漏れを抑制することができる。なお、このような戸尻側縦枠24を設けないようにしてもよい。また、上枠25も設けないようにしてもよい。この場合は、無枠状の壁仕上面を出入開口部6の戸尻側の内側面や天面として把握するようにしてもよい。
【0040】
また、本実施形態では、上レール26の前方側及び長手方向両端側を囲うように覆い、かつ戸先側縦枠21の突出部22の上端部22aを受け入れるカバー体27を備えている。従って、上レール26のみならず、壁体2の前面3から突出する戸先側縦枠21の突出部22の上端部22aを見栄え良く納めることができる。なお、このようなカバー体27を設けないようにしてもよい。