【実施例1】
【0022】
[停電検出原理及び方法]
図1は、停電検出器を屋内配線に接続した状態のブロック図である。
【0023】
図1のように、一般的な家庭の配線は、電線高電圧対し柱上トランス1を介して行われている。電力は、電線高電圧が柱上トランス1で100Vに変圧されて供給される。安全のため柱上トランス1の片側の配線3は接地されている。これを接地側Nとする。他方の配線5を否接地側Lとする。
【0024】
柱上トランス1からの配線3、5は、配電盤7の主ブレーカ9、個別ブレーカ11a、11b、・・・を通り、コンセント13や照明装置側の停電検出器15を接続して備えている。コンセント13には、例えば電気機器17が接続されている。
【0025】
停電検出器15の否接地側Lには、照明用の電源スイッチである壁スイッチ19が設けられている。
【0026】
通常使用時に、AC100Vが柱上トランス1より供給され、且つ主ブレーカ9及び個別ブレーカ11a、11b、・・・が切断されていないとき否停電状態と判断され、壁スイッチ19の入り切りにより照明の点灯、消灯を行わせることができる。
【0027】
停電時は、壁スイッチ19の入り切りを問わずにバッテリの電力により照明装置を点灯させる。
【0028】
停電には、柱上トランス1より電力が供給されないときと、照明装置に電力を供給する主ブレーカ9、個別ブレーカ11aが切断されたときとの2種類がある。
【0029】
配電盤7より照明装置までの屋内配線はVVFケーブルなど絶縁された複数の電線が1本にまとめられたケーブルが使用されている。
【0030】
電線が平行に束ねられると、電線間に線間磁気誘導や線間容量誘導により片側の信号が他方に影響を与え電圧や電流が発生するカプリング現象が起こる。
【0031】
本発明実施例にかかる停電検出方法では、配線間の線間電磁誘導と線間容量誘導とを検出することにより、停電を検出する。
【0032】
この特徴により、屋内配線工事等を要することなく、且つ、壁スイッチ19のON、OFF状態にかかわらず、停電を判断することが可能となる。
【0033】
(線間電磁誘導)
図2は、線間電磁誘導の原理説明図である。
【0034】
導線Aに電流が流れると導線の周りに磁界が発生する。導線Aに流れる電流が交流のとき磁界の変化に対して導線Bに起電力が発生する。
【0035】
つまり、
図1において、配電盤7で分岐された先に電気機器17が動作するとき、柱上トランス1と電気機器17までの間で電磁誘導により本来接地され電圧が発生しない接地側Nの配線3と大地との間に、線間電磁誘導により弱い電圧V1が発生する。
【0036】
(線間容量誘導)
図3は、線間容量誘導の原理説明図である。
【0037】
ケーブル内の導線Aに、大地に対して交流電圧Vが供給された場合に、同ケーブル内の導線Bが存在するとき、導線Aと導線Bとの間に静電容量C12が存在する。また、導線Bと、大地もしくはケーブルが通る建物などの構造物との間に、静電容量C2Gが存在する。したがって、導線Bが導線Aと大地等とから完全に絶縁された状態、すなわち壁スイッチ19がOFFの時、導線AB間電圧V2は、次式で表すことができる。
【0038】
V2=V×(C2G/C12+C2G)
なお、原則として、停電時にはVの値は0Vとなるため、V2の値は0Vとなる。
【0039】
線間静電容量は、2線間に発生する静電容量で通常のVVFケーブルでは、長さ1mで50pFから200pF程度の小さな容量である。各配線は、建物などの構造物を大地の一部として静電容量を持っている。
【0040】
つまり、
図1において、壁スイッチ19により切り離された否接地側Lの配線5と接地側Nの配線3との間に弱い電圧V2が発生する。
【0041】
柱上トランス1より電力が供給されないときは、電磁誘導などが起きず電圧V1、V2はほぼ0になる。また、個別ブレーカ11aが切断されたときは、他の屋内配線の影響は多少あるものの、電圧V1、V2は減少する。
【0042】
(停電検出方法)
停電検出方法として、大地と接地側Nの配線3との間の電圧V1、または壁スイッチ19で切り離された否接地側Lの配線5と接地側Nの配線3との間の電圧V2との両方又は何れか一方の電圧を検出して使用する。
【0043】
本発明実施例は、上記の線間磁気誘導や線間容量誘導により接地側Nの配線3に発生する弱い電圧を測定することで停電を検出する。
【0044】
すなわち、屋内配線の接地側Nの配線3及び照明装置の壁スイッチ19が介設された否接地側Lの配線5の線間電磁誘導と線間容量誘導とにより発生する微弱な電圧V1、V2の少なくとも一方を否停電時に壁スイッチ19のOFF状態で基準電圧状態として検出する。次いで、前記線間電磁誘導と前記線間容量誘導とにより発生する微弱な電圧V1、V2の少なくとも一方を監視し監視電圧状態として検出する。そして、前記基準電圧状態と監視電圧状態とを比較することにより停電を検知する。
【0045】
具体的には、
図4〜
図9のようになっている。
図4〜
図9は、停電検出器の波形例を示し、各(A)は、壁スイッチ等の状態を示すブロック図、各(B)は、接地側電圧を示す波形、各(C)は、線間電圧を示す波形である。
【0046】
図4(A)は、壁スイッチ19のOFFでの通常の消灯状態、
図5(A)は、個別ブレーカ11aが切断し壁スイッチ19がOFFの状態、
図6(A)は、個別ブレーカ11aが切断し壁スイッチ19がONの状態、
図7(A)は、主ブレーカ9が切断し壁スイッチ19がOFFの状態、
図8(A)は、主ブレーカ9が切断し壁スイッチ19がONの状態、
図9(A)は、柱上トランス1が切断された状態である。
【0047】
図4(A)〜
図8(A)の状態で接地側電圧V1は、
図4〜
図8の(B)の波形状態となった。
【0048】
図4(A)〜
図8(A)の状態で線間電圧V2は、
図4〜
図8の(C)の波形状態となった。
【0049】
このような
図4〜
図8の電圧V1、V2波形状態から、
図4の電圧V1、V2を基準電圧状態として記憶し、その後、
図5〜
図8のように電圧V1、V2を監視し監視電圧状態として検出する。この基準電圧状態と監視電圧状態とを比較することにより停電を検知する。例えば、監視された接地側電圧V1又は線間電圧V2の何れかが壁スイッチ19のOFFのときの基準電圧と比べて2分の1以下になったとき停電と判断する。
【0050】
なお、測定される電圧値は、実際の屋内配線の長さや、接続されている電気機器により変動するため、保存した否停電時の消灯状態の電圧値と、測定された電圧の変動幅とによって、否停電時の消灯状態と停電時とを区別する閾値を自動的に補整、調整する機能を付加することができる。
【0051】
より高度な判定方法として、否停電時の電圧値波形を基準電圧状態として記憶し、監視により測定している電圧波形を監視電圧状態とし、両者の波形の差異の程度により停電を判定する機能とすることができ、機能を付加することもできる。
〔停電検出器〕
図10は、停電検出器のブロック図である。
【0052】
本発明実施例にかかる停電検出方法を実現する停電検出器15は、入力端子部21、23、線間電圧増幅回路25、接地側電圧増幅回路27、電子制御回路29を備えている。
【0053】
入力端子部21は、AC100Vの接地側Nの配線3(
図1)に接続され、入力端子部23は、AC100Vの否接地側Lの配線5(
図1)に接続される。なお、通常の照明点灯時はAC100Vの電圧が入力されるため安全のため、入力端子部21、23は、電流を制限する抵抗とDCカプリングコンデンサを介して接続される。
【0054】
線間電圧増幅回路25は、接地側N及び否接地側Lの入力を受け、接地側Nの配線3と否接地側Lの配線5との電圧差V2を増幅して電子制御回路29へ入力する。
【0055】
接地側電圧増幅回路27は、接地側Nの入力を受け、仮想大地にあたる検出器15のGNDと接地側Nとの電圧差V1を増幅して電子制御回路29へ入力する。
【0056】
電子制御回路29は、CPU、メモリ等で構成され、A/Dコンバータ入力端子部31、33と出力端子部35とを備えている。
【0057】
A/Dコンバータ入力端子部31、33は、線間電圧増幅回路25及び接地側電圧増幅回路27からの出力を入力する。
【0058】
CPUは、監視電圧検出部及び停電判断部を構成する。監視電圧検出部として、線間容量誘導と線間電磁誘導とにより発生する微弱な電圧の少なくとも一方を監視する。本実施例では、線間容量誘導により発生する電圧として線間電圧増幅回路25からの入力を監視すると共に、線間電磁誘導により発生する電圧として接地側電圧増幅回路27からの入力を監視している。
【0059】
CPUは、停電判断部として、基準電圧状態と監視電圧状態とを比較することにより停電を判断する。
【0060】
基準電圧状態は、メモリが、基準電圧記憶部として、屋内配線の接地側N及び電源スイッチが介設された否接地側Lの線間容量誘導と線間電磁誘導とにより発生する微弱な電圧の少なくとも一方を否停電時に前記電源スイッチのOFF状態で検出して記憶する。本実施例では、壁スイッチ19のOFF状態で線間電圧増幅回路25からの入力を検出して記憶すると共に、接地側電圧増幅回路27からの入力を検出して電圧V2、V1の基準電圧を記憶する。
【0061】
監視電圧状態は、基準電圧状態の記憶後に前記のように監視し線間電圧増幅回路25及び接地側電圧増幅回路27から入力する監視電圧である。CPUは、基準電圧を読み出し、この基準電圧と検出した監視電圧とを比較し、停電を判断する。この判断は、
図4〜
図8のように、基準電圧よりも小さな監視電圧となったときに停電と判断する。判断した結果は、出力端子35から停電信号として出力される。
【0062】
CPUは、A/Dコンバータ入力端子部31、33より入力された波形を、50Hzまたは60Hzのフィルタによりノイズを除去することができ、ノイズを除去した波形より、振幅、平均値などを計算することができる。
【0063】
なお、停電の判定にCPUを用いる構成としたが、アナログ回路により構成することもできる。CPUを用いたのは、アナログ回路より安価に、より高度な停電判定が行えるからである。
【0064】
かかる構成の停電検出器15は、停電を検出するためにAC100Vの接地側Nと否接地側Lとに接続する。
【0065】
電圧V2が線間電圧増幅回路25で増幅され、A/Dコンバータ入力端子部31から電子制御回路29に入力され、電圧差V1が接地側電圧増幅回路27で増幅され、A/Dコンバータ入力端子部33から電子制御回路29に入力される。
【0066】
電子制御回路29では、CPUに入力された波形が50Hz又は60Hzのフィルタによりノイズが除去される。
【0067】
ノイズが除去された波形により振幅・平均値などを求める。
【0068】
測定される値は、実際の屋内配線の長さや接続している電気機器により変動するため、否停電時の消灯状態の電圧値を測定し基準電圧としてメモリに保存する。
【0069】
電圧の変動幅が大きいときは増幅回路の増幅率を変化させる。
【0070】
保存した否停電状態の値より小さな値が測定されたとき停電と判定し、出力端子部35から、バッテリにより照明を点灯させるコントローラへ出力される。
【0071】
以上、CPUは、否停電時であって、且つ壁スイッチ19による電源OFF時に検出した微弱な基準電圧値を記憶し、その記憶した基準電圧値と、監視により検出した監視電圧値との大小を比較し、監視電圧値が基準電圧値と比較して、設定された閾値より微弱な電圧値が検出されれば、停電と判断し、後段の回路に任意の信号を出力するための演算処理および制御処理を実行することができればよい。
【0072】
CPUには、否停電時の消灯状態と停電時とを区別する閾値を自動的に補整、調整する機能を付加することもできる。
【実施例2】
【0073】
図11は、実施例2に係り、照明装置のブロック図である。
【0074】
図11の照明装置は、実施例1の停電検出器を用いたLED照明器具37とした。
【0075】
LED照明器具37は、実施例1の停電検出器15に相当する構成として高感度増幅器39及び積分回路41を備えている。高感度増幅器39は、線間電圧増幅回路25及び接地側電圧増幅回路27に相当し、積分回路41は、CPU等で構成された電子制御回路29に相当し、同様に機能する。したがって、積分回路41は、基準電圧記憶部と監視電圧検出部と停電判断部とを備えた構成となっている。
【0076】
LED照明器具37は、その他、入力接続部43、蓄電池としてリチューム・イオン電池45、ランプとして内蔵LEDランプ47、給電切換部として切替制御回路49を備えている。
【0077】
入力接続部43は、屋内に備えられた任意のコンセントに差し込み接続し、屋内配線に対し接離自在とするものである。
【0078】
リチューム・イオン電池45は、停電時に内蔵LEDランプ47を点灯させるものであり、入力接続部43を介した屋内配線への接続時に充電する構成となっている。すなわち、入力接続部43からAC−DCレギュレータ50、バッテリ充電コントローラ51を介してリチューム・イオン電池45が充電される。
【0079】
内蔵LEDランプ47は、入力接続部43からの給電経路とリチューム・イオン電池45からの給電経路との何れかにより給電を受け、LEDドライバ53により駆動されて点灯する構成となっている。入力接続部43からの給電経路では、入力接続部43、AC−DCレギュレータ50、切替制御回路49、LEDドライバ53へと通電される。リチューム・イオン電池45からの給電経路では、リチューム・イオン電池45、切替制御回路49、LEDドライバ53へと通電される。
【0080】
切替制御回路49は、内蔵LEDランプ47への給電経路を切り替える。積分回路41が停電判断部として否停電時であると判断したとき、切替制御回路49は、入力接続部43からの給電経路により内蔵LEDランプ47へ給電するように切り替える。積分回路41が停電判断部として停電時であると判断したとき、切替制御回路49は、リチューム・イオン電池45からの給電経路により内蔵LEDランプ47へ給電するように切り替える。
【0081】
かかる構成のLED照明器具37は、入力接続部43により、天井の電球ソケットや引っ掛けシーリングなどに取り付けることで使用することができ、特別な電気工事を必要としない。
【0082】
リチューム・イオン電池45は、バッテリ充電コントローラ51により、否停電時に充電される。
【0083】
否停電時には、入力接続部43からの給電経路により内蔵LEDランプ47を点灯させ、壁スイッチにより内蔵LEDランプ47をON、OFF制御することができる。
【0084】
停電時には、積分回路41からの信号を受けて切替制御回路49が給電経路を切り替える。
【0085】
停電時は、リチューム・イオン電池45からの給電経路により内蔵LEDランプ47を自動点灯させ、非常灯機能付きの照明器を実現することができる。LED照明器具37そのものをコンセントから引き抜き、懐中電灯としても機能させることができる。但し、LED照明器具37は、取り外しのできない非常灯として構成することもできる。
【0086】
LED照明器具37に、ON、OFF用のボタンを付加することもできる。リモコンによりON、OFF制御する構成とすることもできる。
【0087】
なお、LED照明器具37は、蓄電池の種類および容量、若しくは発光素子への電流量を調整することにより、停電時における照明器の光量、点灯時間を調整することもできる。
【0088】
また、入力接続部43の入力プラグの形状、サイズなどは、どのようなタイプを選択しても良い。一般家庭やオフィスなどで使用されている、各種照明用ソケットに対応させることができる。
【0089】
LED照明器具37に、人感センサ、照度センサを追加し、自動でON、OFF制御させ、人がいない時や、明るい時間帯の停電時には非常灯機能を発揮させないことなどもでき、無用な電力消費を排除する等の機能を追加することもできる。さらには停電検出時に停電を知らせるブザーなどを追加してもよい。
【0090】
ランプとしては、白熱電球、蛍光灯、LED照明等の任意の照明器に適用することができる。
【0091】
本発明実施例のLED照明器具37は、屋内配線工事、壁スイッチの改修等を全く行う必要がないため、一般の家庭やオフィス等に広く普及している照明器に、極めて容易に、且つ即時に取り付けることができ、簡単で安価な非常灯機能付き照明器を提供することができる。
【0092】
停電時の非常灯として働かせることができる時間は、停電時における照明器具の消費電力量、蓄電池の種類、蓄電容量等によって調整することができる。
【実施例3】
【0093】
図12は、実施例3に係り、電源装置のブロック図である。なお、基本的な構成は、実施例2のLED照明器具37と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、重複した説明は省略する。
【0094】
図12の電源装置55も、実施例1の停電検出器を用いている。
【0095】
電源装置55は、実施例2のLED照明器具37と同様に、実施例1の停電検出器15に相当する構成として高感度増幅器39及び積分回路41を備えている。
【0096】
電源装置55は、その他、入力接続部43、蓄電池としてリチューム・イオン電池45、給電切換部として切替制御回路49、AC−DCレギュレータ50、バッテリ充電コントローラ51を備え、同様に機能する。
【0097】
一方、本実施例の電源装置55は、AC電源LED照明器具57を外付けとし、源装置55は、このAC電源LED照明器具57に電力供給を行う構成としている。このため、電源装置55は、AC電源LED照明器具57を接続するためのコンセント59を備え、LED照明器具37のLEDドライバ53及び内蔵LEDランプ47に代えて、DC−ACインバータ61、リレーで構成した出力切替回路63を備えている。
【0098】
本実施例での入力接続部43からの給電経路は、入力接続部43から出力切替回路63を介してコンセント59からAC電源が直接出力される。リチューム・イオン電池45からの給電経路では、停電時に出力切替回路63が切替制御回路49に連動して切り替えられ、リチューム・イオン電池45、切替制御回路49、DC−ACインバータ61、出力切替回路63を介してコンセント59からAC電源が出力される。
【0099】
かかる構成により、否停電時には、入力接続部43からの給電経路によりコンセント59からAC電源が出力され、外付けのAC電源LED照明器具57を点灯させ、壁スイッチによりAC電源LED照明器具57をON、OFF制御することができる。
【0100】
停電時には、積分回路41からの信号を受けて切替制御回路49が給電経路を切り替える。
【0101】
停電時は、リチューム・イオン電池45からの給電経路によりコンセント59からAC電源が出力され、外付けのAC電源LED照明器具57を自動点灯させ、非常灯を実現することができる。電源装置55をコンセントから引き抜き、AC電源LED照明器具57と共に懐中電灯としても機能させることができる。但し、電源装置55は、取り外しのできない非常電源装置として構成することもできる。
【0102】
電源装置55に、ON、OFF用のボタンを付加することもできる。リモコンによりON、OFF制御する構成とすることもできる。
【0103】
電源装置55単体でコンセントから引き抜き、照明器具以外の電源として使用することもできる。
【0104】
また、電源装置55は、既存の照明器具と引掛けシーリングの間に入れる構成とすることにより、家庭等で既に使用している照明器に非常灯機能を容易に付加することができる。
【0105】
こうして、本実施例でも、屋内配線工事及び壁スイッチの改修等を要することなく、且つ、電源スイッチのON、OFF状態にかかわらず、停電を検出することができる。
【0106】
電源スイッチOFF時にAC100VとAC電源LED照明器具57との間を切断することにより、AC100V入力には停電検出器のみが接続されるため、外付けのAC電源LED照明器具57の入力インピーダンス等の影響を受けず、安定した停電検出に寄与する。
【0107】
図13は、実施例3の変形例に係り、電源装置のブロック図である。なお、基本的な構成は、
図12の電源装置55と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、重複した説明は省略する。
【0108】
図13の電源装置55Aでは、
図12電源装置55のAC電源LED照明器具57に代えてDC電源LED照明器具57Aとした。このため、
図12のDC−ACインバータ61、出力切替回路63を、
図13のように定電流LEDドライバ65に代えた。
【0109】
本実施例での入力接続部43からの給電経路では、入力接続部43から切替制御回路49、定電流LEDドライバ65を介してコンセント59からDC電源が出力される。リチューム・イオン電池45からの給電経路では、停電時にリチューム・イオン電池45、切替制御回路49、定電流LEDドライバ65を介してコンセント59からDC電源が出力される。
【0110】
かかる構成により、否停電時には、入力接続部43からの給電経路によりコンセント59からDC電源が出力され、外付けのDC電源LED照明器具57Aを点灯させ、壁スイッチによりDC電源LED照明器具57AをON、OFF制御することができる。
停電時には、積分回路41からの信号を受けて切替制御回路49が給電経路を切り替える。
【0111】
停電時は、リチューム・イオン電池45からの給電経路によりコンセント59からDC電源が出力され、外付けのDC電源LED照明器具57Aを自動点灯させ、非常灯を実現することができる。
【0112】
その他、電源装置55と同様である。