特許第6048969号(P6048969)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6048969通信管理装置、サービス提供装置、通信システム、通信管理方法、サービス提供方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6048969
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】通信管理装置、サービス提供装置、通信システム、通信管理方法、サービス提供方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/00 20090101AFI20161212BHJP
【FI】
   H04W76/00
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-240793(P2013-240793)
(22)【出願日】2013年11月21日
(65)【公開番号】特開2015-103836(P2015-103836A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2014年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】306029774
【氏名又は名称】ビッグローブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】石井 賢二
(72)【発明者】
【氏名】倉敷 尚典
(72)【発明者】
【氏名】川関 雅文
(72)【発明者】
【氏名】説田 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】横森 直樹
(72)【発明者】
【氏名】染谷 大介
【審査官】 廣川 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−005415(JP,A)
【文献】 特開2013−211747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
DB名 TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、2
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上の識別情報を通信装置に割り当てる割当装置から、前記通信装置に割り当てた識別情報である割当識別情報と、当該通信装置と接続したことを示す接続情報と、当該通信装置との接続が切断したことを示す切断情報とを受信する通信部と、
前記接続情報および前記切断情報に基づいて、前記通信装置と前記ネットワークとの接続状態を示す接続状態情報を生成し、当該接続状態情報および前記割当識別情報を、前記通信装置にサービスを提供するサービス提供装置に通知する管理部と、を有し、
前記通信部は、前記サービス提供装置から、前記サービスの提供先となる通信装置である提供先通信装置に割り当てられた提供先識別情報を含み、前記提供先通信装置が前記接続状態を管理する管理対象か否かを確認する旨の対応確認要求を受信し、
前記管理部は、前記対応確認要求に含まれる提供先識別情報に基づいて、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かを確認し、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かの確認結果を示す確認回答情報を前記サービス提供装置に通知する通信管理装置。
【請求項2】
前記管理部は、定期的に、または、所定のタイミングで前記割当識別情報および前記接続状態情報を通知し、
前記所定のタイミングとは、前記通信部が前記接続情報を受信したタイミング、前記通信部が前記切断情報を受信したタイミング、または、前記サービス提供装置から、前記接続状態情報を確認する旨の接続確認要求を受信したタイミングである、請求項1に記載の通信管理装置。
【請求項3】
前記割当識別情報を記憶する記憶部を有し、
前記管理部は、前記記憶部に前記提供先識別情報が前記割当識別情報として記憶されているか否かに基づいて、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かを確認する、請求項1に記載の通信管理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記接続状態情報をさらに記憶し、
前記管理部は、前記記憶部に前記提供先識別情報が前記割当識別情報として記憶され、
かつ、前記接続状態情報が前記通信装置と前記ネットワークとの接続を示すか否かに基づいて、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かを確認する、請求項3に記載の通信管理装置。
【請求項5】
前記管理部は、前記提供先識別情報が、前記割当装置が割り当てることが可能な識別情報であるプール識別情報に含まれるか否かに基づいて、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かを確認する、請求項1に記載の通信管理装置。
【請求項6】
通信装置の接続状態を管理する通信管理装置から、前記通信装置に割り当てた識別情報である割当識別情報および前記通信装置とネットワークとの接続状態を示す接続状態情報を受信するサービス通信部と、
前記サービス通信部が受信した接続状態情報に基づいて、前記サービス通信部が受信した割当識別情報が割り当てられた通信装置にサービスを提供する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記サービスの提供先となる通信装置である提供先通信装置に割り当てられた提供先識別情報を含み、前記提供先通信装置が接続状態を管理する管理対象か否かを確認する旨の対応確認要求を生成し、前記通信管理装置に送信し、前記通信管理装置から前記提供先通信装置が前記管理対象か否かの確認結果を示す確認回答情報を受信し、前記受信した確認回答情報に基づいて、前記提供先通信装置が前記通信管理装置から前記接続状態情報を受信可能な通信装置か否か判断するサービス提供装置。
【請求項7】
請求項1ないしに記載の通信管理装置と、請求項に記載のサービス提供装置とを有する通信システム。
【請求項8】
通信管理装置による通信管理方法であって、
ネットワーク上の識別情報を通信装置に割り当てる割当装置から、前記通信装置に割り当てた識別情報である割当識別情報と、当該通信装置と接続したことを示す接続情報と、当該通信装置との接続が切断したことを示す切断情報とを受信するステップと、
前記接続情報および前記切断情報に基づいて、前記通信装置と前記ネットワークとの接続状態を示す接続状態情報を生成するステップと、
サービス提供装置から、サービスの提供先となる通信装置である提供先通信装置に割り当てられた提供先識別情報を含み、前記提供先通信装置が前記接続状態を管理する管理対象か否かを確認する旨の対応確認要求を受信するステップと、
前記対応確認要求に含まれる提供先識別情報に基づいて、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かを確認し、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かの確認結果を示す確認回答情報を前記サービス提供装置に通知するステップと、
を含む通信管理方法。
【請求項9】
サービス提供装置による通信管理方法であって、
サービスの提供先となる通信装置である提供先通信装置に割り当てられた提供先識別情報を含み、前記提供先通信装置が接続状態を管理する管理対象か否かを確認する旨の対応確認要求を生成し、通信装置の接続状態を管理する通信管理装置に送信するステップと、
前記通信管理装置から、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かの確認結果を示す確認回答情報を受信するステップと、
前記受信した確認回答情報に基づいて、前記提供先通信装置が前記通信管理装置から前記接続状態情報を受信可能な通信装置か否か判断するステップと、
前記通信管理装置から、前記通信装置に割り当てた識別情報である割当識別情報および前記通信装置とネットワークとの接続状態を示す接続状態情報を受信するステップと、
前記受信した接続状態情報に基づいて、前記受信した割当識別情報が割り当てられた通信装置にサービスを提供するステップと、
を含むサービス提供方法。
【請求項10】
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
ネットワーク上の識別情報を通信装置に割り当てる割当装置から、前記通信装置に割り当てた識別情報である割当識別情報と、当該通信装置と接続したことを示す接続情報と、当該通信装置との接続が切断したことを示す切断情報とを受信する手順と、
前記接続情報および前記切断情報に基づいて、前記通信装置と前記ネットワークとの接続状態を示す接続状態情報を生成する手順と、
サービス提供装置から、サービスの提供先となる通信装置である提供先通信装置に割り当てられた提供先識別情報を含み、前記提供先通信装置が前記接続状態を管理する管理対象か否かを確認する旨の対応確認要求を受信する手順と、
前記対応確認要求に含まれる提供先識別情報に基づいて、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かを確認し、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かの確認結果を示す確認回答情報を前記サービス提供装置に通知する手順と、
を含むプログラム。
【請求項11】
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
サービスの提供先となる通信装置である提供先通信装置に割り当てられた提供先識別情報を含み、前記提供先通信装置が接続状態を管理する管理対象か否かを確認する旨の対応確認要求を生成し、通信装置の接続状態を管理する通信管理装置に送信する手順と、
前記通信管理装置から、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かの確認結果を示す確認回答情報を受信する手順と、
前記受信した確認回答情報に基づいて、前記提供先通信装置が前記通信管理装置から前記接続状態情報を受信可能な通信装置か否か判断する手順と、
前記通信管理装置から、前記通信装置に割り当てた識別情報である割当識別情報および前記通信装置とネットワークとの接続状態を示す接続状態情報を受信する手順と、
前記受信した接続状態情報に基づいて、前記受信した割当識別情報が割り当てられた通信装置にサービスを提供する手順と、
を含むプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービスを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットなどのネットワークを介してサーバが特定のクライアントと通信を行う場合、サーバは、クライアントのネットワーク上の識別情報であるIP(Internet Protocol)アドレスなどを予め取得しておく必要がある。このため、通常、クライアントは、インターネットなどのネットワークに接続した際にクライアント自身に割り当てられた識別情報を、サーバに通知している(特許文献1参照)。
【0003】
また、VoIP(Voice over Internet Protocol)を用いた音声通信のような、クライアントとサーバとの間で通信セッションを確立する必要があるコネクション型のサービスなどでは、サーバは、クライアントとネットワークとの接続が突然切断されるなどの通信異常を検出する必要がある。このため、コネクション型のサービスなどでは、クライアントは、通常、正常に動作していることを示すハートビート信号を定期的にサーバに通知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2003/073714号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような技術では、クライアントは、サーバに対して識別情報を通知するシグナリング処理や、サーバに対してハードビート信号を定期的に通知するハートビート処理などを行わなければならず、電力消費が大きいという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、クライアントの電力消費を軽減することが可能な通信管理装置、サービス提供装置、通信システム、通信管理方法、サービス提供方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による通信管理装置は、ネットワーク上の識別情報を通信装置に割り当てる割当装置から、前記通信装置に割り当てた識別情報である割当識別情報と、当該通信装置と接続したことを示す接続情報と、当該通信装置との接続が切断したことを示す切断情報とを受信する通信部と、前記接続情報および前記切断情報に基づいて、前記通信装置と前記ネットワークとの接続状態を示す接続状態情報を生成し、当該接続状態情報および前記割当識別情報を、前記通信装置にサービスを提供するサービス提供装置に通知する管理部と、を有し、前記通信部は、前記サービス提供装置から、前記サービスの提供先となる通信装置である提供先通信装置に割り当てられた提供先識別情報を含み、前記提供先通信装置が前記接続状態を管理する管理対象か否かを確認する旨の対応確認要求を受信し、前記管理部は、前記対応確認要求に含まれる提供先識別情報に基づいて、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かを確認し、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かの確認結果を示す確認回答情報を前記サービス提供装置に通知する。
【0008】
本発明によるサービス提供装置は、通信装置の接続状態を管理する通信管理装置から、前記通信装置に割り当てた識別情報である割当識別情報および前記通信装置とネットワークとの接続状態を示す接続状態情報を受信するサービス通信部と、前記サービス通信部が受信した接続状態情報に基づいて、前記サービス通信部が受信した割当識別情報が割り当てられた通信装置にサービスを提供する制御部と、を有し、前記制御部は、前記サービスの提供先となる通信装置である提供先通信装置に割り当てられた提供先識別情報を含み、前記提供先通信装置が接続状態を管理する管理対象か否かを確認する旨の対応確認要求を生成し、前記通信管理装置に送信し、前記通信管理装置から前記提供先通信装置が前記管理対象か否かの確認結果を示す確認回答情報を受信し、前記受信した確認回答情報に基づいて、前記提供先通信装置が前記通信管理装置から前記接続状態情報を受信可能な通信装置か否か判断する。
【0009】
本発明による通信システムは、前記通信管理装置と、前記サービス提供装置とを有する通信システム。
【0010】
本発明による通信管理方法は、通信管理装置による通信管理方法であって、ネットワーク上の識別情報を通信装置に割り当てる割当装置から、前記通信装置に割り当てた識別情報である割当識別情報と、当該通信装置と接続したことを示す接続情報と、当該通信装置との接続が切断したことを示す切断情報とを受信するステップと、前記接続情報および前記切断情報に基づいて、前記通信装置と前記ネットワークとの接続状態を示す接続状態情報を生成するステップと、サービス提供装置から、サービスの提供先となる通信装置である提供先通信装置に割り当てられた提供先識別情報を含み、前記提供先通信装置が前記接続状態を管理する管理対象か否かを確認する旨の対応確認要求を受信するステップと、前記対応確認要求に含まれる提供先識別情報に基づいて、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かを確認し、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かの確認結果を示す確認回答情報を前記サービス提供装置に通知するステップと、を含む。
【0011】
本発明によるサービス提供方法は、サービス提供装置による通信管理方法であって、サービスの提供先となる通信装置である提供先通信装置に割り当てられた提供先識別情報を含み、前記提供先通信装置が接続状態を管理する管理対象か否かを確認する旨の対応確認要求を生成し、通信装置の接続状態を管理する通信管理装置に送信するステップと、前記通信管理装置から、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かの確認結果を示す確認回答情報を受信するステップと、前記受信した確認回答情報に基づいて、前記提供先通信装置が前記通信管理装置から前記接続状態情報を受信可能な通信装置か否か判断するステップと、前記通信管理装置から、前記通信装置に割り当てた識別情報である割当識別情報および前記通信装置とネットワークとの接続状態を示す接続状態情報を受信するステップと、前記受信した接続状態情報に基づいて、前記受信した割当識別情報が割り当てられた通信装置にサービスを提供するステップと、を含む。
【0012】
本発明による第1のプログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、ネットワーク上の識別情報を通信装置に割り当てる割当装置から、前記通信装置に割り当てた識別情報である割当識別情報と、当該通信装置と接続したことを示す接続情報と、当該通信装置との接続が切断したことを示す切断情報とを受信する手順と、前記接続情報および前記切断情報に基づいて、前記通信装置と前記ネットワークとの接続状態を示す接続状態情報を生成する手順と、サービス提供装置から、サービスの提供先となる通信装置である提供先通信装置に割り当てられた提供先識別情報を含み、前記提供先通信装置が前記接続状態を管理する管理対象か否かを確認する旨の対応確認要求を受信する手順と、前記対応確認要求に含まれる提供先識別情報に基づいて、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かを確認し、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かの確認結果を示す確認回答情報を前記サービス提供装置に通知する手順と、を含む。
【0013】
本発明による第2のプログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、サービスの提供先となる通信装置である提供先通信装置に割り当てられた提供先識別情報を含み、前記提供先通信装置が接続状態を管理する管理対象か否かを確認する旨の対応確認要求を生成し、通信装置の接続状態を管理する通信管理装置に送信する手順と、前記通信管理装置から、前記提供先通信装置が前記管理対象か否かの確認結果を示す確認回答情報を受信する手順と、前記受信した確認回答情報に基づいて、前記提供先通信装置が前記通信管理装置から前記接続状態情報を受信可能な通信装置か否か判断する手順と、前記通信管理装置から、前記通信装置に割り当てた識別情報である割当識別情報および前記通信装置とネットワークとの接続状態を示す接続状態情報を受信する手順と、前記受信した接続状態情報に基づいて、前記受信した割当識別情報が割り当てられた通信装置にサービスを提供する手順と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、クライアントの電力消費を軽減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態の通信システムを示す図である。
図2】割当装置の具体例を説明するための図である。
図3】認証データベースの一例を示す図である。
図4】セッション管理サーバの構成の一例を示すブロック図である。
図5】端末データベースの一例を示す図である。
図6】アプリサーバの構成の一例を示すブロック図である。
図7】実行データベースの一例を示す図である。
図8】通信システムの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図9】通信システムの動作の他の例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同じ機能を有するものには同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態の通信システムを示す図である。図1において、通信システムは、端末1と、割当装置2と、セッション管理サーバ3と、アプリサーバ4とを有する。なお、端末1およびアプリサーバ4は、図1では1つずつ示されているが、実際には複数あってもよい。また、端末1とアプリサーバ4とは、ネットワーク5を介して相互に通信可能である。本実施形態では、ネットワーク5は、インターネット(IP網)であるとして説明する。
【0018】
端末1は、アプリサーバ4からサービスを受けるクライアントとして機能する通信装置である。サービスは、例えば、VoIPを用いたIP電話サービス、テレビ会議サービス、メッセンジャーサービス、チャットサービス、SNS(social networking service)、電子メールサービス、ミニ掲示板サービスなどである。また、端末1は、アプリサーバ4からのサービスを受けるためのアプリケーションプログラム(以下、アプリと略す)がインストールされているものとする。
【0019】
アプリサーバ4からのサービスを受けるためには、端末1は、先ず、割当装置2と接続し、その割当装置2に対して、インターネット上で端末1自身を識別するための識別情報であるIPアドレスの割り当てを要求する割当要求を割当装置2に送信する。そして、端末1は、割当要求の応答として、端末1に割り当てられた割当IPアドレスを割当装置2から受信する。その後、サービスの提供を要求するタイミングになると、端末1は、割当IPアドレスを用いて、アプリサーバ4に対して、サービスの提供を開始する旨のサービス開始要求を送信する。これにより、端末1はアプリサーバ4からのサービスを受けることができる。なお、サービスの提供を要求するタイミングは、例えば、サービスを受けるためのアプリが起動したタイミングや、IP通信の開始が要求されたタイミングなどである。また、サービス開始要求は、割当IPアドレスを含んでもよい。
【0020】
割当装置2は、端末1にIPアドレスを割り当てる。
【0021】
具体的には、割当装置2は、種々の通信装置に割り当てることが可能なIPアドレスをプールIPアドレスとして保持し、端末1から割当要求を受け付けると、プールIPアドレスの中から他の通信装置にまだ割り当てていないIPアドレスを端末1に割り当てる。そして、割当装置2は、その割り当てた割当IPアドレスを端末1に送信する。
【0022】
また、割当装置2は、端末1との接続状態を監視し、その監視結果をセッション管理サーバ3に通知する。例えば、端末1と接続した場合、割当装置2は、端末1と接続したことを示す接続情報と、端末1に割り当てた割当IPアドレスとを監視結果として通知する。また、端末1との接続が切断された場合、割当装置2は、端末1との接続が切断したことを示す切断情報と、端末1に割り当てた割当IPアドレスとを監視結果として通知する。
【0023】
図2は、割当装置2の具体例を説明するための図である。図2の例では、割当装置2は、ゲートウェイ装置21および認証サーバ22を備える。なお、端末1は、3G/LTE網(3G(3rd Generation)網またはLTE(Long Term Evolution)網)23を介してゲートウェイ装置21と接続可能である。また、ゲートウェイ装置21は、3G/LTE網23の終端装置であり、GGSN(Gateway GPRS Support Node)およびPGW(Packet Data Network Gateway)の機能を有しているものとする。
【0024】
ゲートウェイ装置21は、端末1から3G/LTE網23を介して接続されると、3G/LTE網23内で端末1との間にGTP(GTRS(General Packet Radio Service)Tunneling Protocol)トンネル24を構築する。そして、ゲートウェイ装置21は、GTPトンネル24を介して所定のパケット(具体的には、GTP−C(GTP control)パケット)の伝送を行うシグナリング処理を繰り返し行う。
【0025】
また、端末1は、ゲートウェイ装置21との接続後に、割当要求として、端末1を認証する旨の認証要求をゲートウェイ装置21に送信する。なお、認証要求は、端末1を認証するための認証情報(例えば、ユーザIDおよびパスワードなど)を含む。
【0026】
ゲートウェイ装置21は、端末1から3G/LTE網23を介して認証要求を受信すると、その認証要求を認証サーバ22に通知する。認証サーバ22は、認証要求を受信すると、認証要求に含まれる認証情報に基づいて、端末1の認証を行い、その認証結果をゲートウェイ装置21に送信する。ゲートウェイ装置21は、認証結果を受信し、その認証結果が認証の成功を示すと、端末1にIPアドレスを割り当て、その割り当てた割当IPアドレスを端末1に通知する。
【0027】
端末1にIPアドレスを割り当てる際には、ゲートウェイ装置21は、例えば、プールIPアドレスを他の通信装置に割り当てているか否かを示す情報をプールIPアドレスごとに保持し、その情報を参照するか、後述する認証データベースを参照して、プールIPアドレスのIPアドレスの中で、最も古い日時にて切断された、現在割り当てていないIPアドレスを抽出して割り当てる。
【0028】
また、ゲートウェイ装置21は、端末1にIPアドレスを割り当てると、その割り当てた割当IPアドレスと接続情報とを、認証サーバ22に通知する。また、ゲートウェイ装置21は、上記のシグナリング処理を用いて、端末1との接続状態を監視し、端末1との接続が切断されると、端末1に割り当てた割当IPアドレスと切断情報とを、認証サーバ22に通知する。
【0029】
なお、ゲートウェイ装置21は、端末1に固有のID(例えば、MSISDN(Mobile Subscriber Integrated Services Digital Network Number)などの電話番号、MAC(Media Access Control)アドレス、ユーザID、セッションIDなど)を端末1に送信させてもよい。この場合、ゲートウェイ装置21は、例えば、端末1からの固有IDを認証サーバ22に通知する。また、ゲートウェイ装置21は、ゲートウェイ装置21自身を特定するGTPトンネル終端装置番号を認証サーバ22に通知してもよい。
【0030】
認証サーバ22は、ゲートウェイ装置21からの割当IPアドレス、接続情報および切断情報をセッション管理サーバ3に通知する。
【0031】
また、認証サーバ22は、ゲートウェイ装置21からの割当IPアドレス、接続情報、切断情報、固有IDおよびGTPトンネル終端装置番号などに基づいて、端末1を管理するための認証データベースを生成して記憶しておいてもよい。
【0032】
図3は、認証データベースの一例を示す図である。図3の例では、認証データベース300は、端末1に固有のIDであるMSISDN301と、端末1とゲートウェイ装置21間のセッション(GTPトンネル24)を特定するセッション情報302、端末1に割り当てられたIPアドレス303と、端末1がゲートウェイ装置21から切断された日時を示す日時304とを含む。なお、端末1およびゲートウェイ装置21の間のセッションは、ゲートウェイ装置21を特定するGTPトンネル終端装置番号と、ゲートウェイ装置21がセッションに対して設定したセッションIDとで一意に定まる。このため、セッション情報302は、GTPトンネル終端装置番号とセッションIDとで構成することができる。また、日時304は、端末1がゲートウェイ装置21から切断された日時に加えて、またはその代りに、認証が成功した日時などを示してもよい。
【0033】
また、端末データベース300は、例えば、端末1の状態が変化する度に、その状態が変化した日時とともに、端末を特定する情報と端末の状態を示す情報が追記されるログ形式で記憶されてもよい。この場合、認証サーバ22は、認証データベース300に対して端末の状態を示す情報の項目をさらに設け、その項目には、端末1との接続が切断されたことを示す情報、または、認証が成功したことを示す情報などを記録し、日時304には、その切断された日時または認証が成功した日時を記録するようにしてもよい。
【0034】
なお、図2に示した割当装置2の構成は、単なる一例であって、割当装置2はその構成に限定されるものではない。例えば、上述したゲートウェイ装置21に備わった機能の全てまたは一部が認証サーバ22に備わっていてもよい。また、認証サーバ22は、端末1のユーザに対する課金処理を行ってもよい。課金処理は、例えば、接続時間に応じた課金を行うために、端末1がゲートウェイ装置21と接続している接続時間を測定し、その接続時間を保持する処理などである。
【0035】
図1の説明に戻る。セッション管理サーバ3は、端末1とネットワーク5との接続状態を管理する通信管理装置である。
【0036】
図4は、セッション管理サーバ3の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すセッション管理サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、管理部33とを有する。
【0037】
通信部31は、割当装置2およびアプリサーバ4と通信を行う。例えば、通信部31は、割当装置2から割当IPアドレス、接続情報および切断情報を受信し、アプリサーバ4から対応確認要求および接続確認要求を受信する。対応確認要求は、アプリサーバ4がサービスを提供する提供先となる提供先通信装置が接続状態を管理している管理対象か否かを確認する旨の情報である。また、接続確認要求は、提供先通信装置の接続状態を確認する旨の情報である。なお、対応確認要求および接続確認要求は、提供先通信装置に割り当てられた提供先IPアドレスを含む。
【0038】
記憶部32は、種々の情報を記憶する。例えば、記憶部32は、端末1とネットワーク5との接続状態(以下、単に端末1の接続状態と略す)を示す接続状態情報を、割当IPアドレスごとに示す端末データベースを記憶する。
【0039】
図5は、端末データベースの一例を示す図である。図5の例では、端末データベース500は、端末1を特定するID501と、割当IPアドレスであるIPアドレス502と、IPアドレス502が割り当てられた端末1の接続状態を示す接続状態情報503とを含む。なお、ID501は、管理部33がIPアドレスごとに割り当ててもよいし、端末1に固有のIDが使用されてもよい。
【0040】
管理部33は、セッション管理サーバ3全体を制御する。
【0041】
例えば、管理部33は、通信部31が受信した割当IPアドレス、接続情報および切断情報に基づいて、その割当IPアドレスが割り当てられた端末1の接続状態を示す接続状態情報を生成する。具体的には、通信部31が割当IPアドレスおよび接続情報を受信した場合、管理部33は、その割当IPアドレスが割り当てられた端末1とネットワーク5とが接続していることを示す接続状態情報を生成する。また、通信部31が割当IPアドレスおよび切断情報を受信した場合、その割当IPアドレスが割り当てられた端末1とネットワーク5とが接続していないことを示す接続状態情報を生成する。
【0042】
以下では、接続状態情報は、端末1とネットワーク5とが接続していることを「接続」と示し、端末1とネットワーク5とが接続していないことを「切断」と示すものとする。なお、接続状態情報は、GTPトンネル終端装置番号およびセッションIDの有無で接続状態を示してもよい。例えば、接続状態情報は、GTPトンネル終端装置番号およびセッションIDを含むことで「接続」を示し、GTPトンネル終端装置番号およびセッションIDを含まないことで「切断」を示す。
【0043】
接続状態情報を生成すると、管理部33は、通信部31が受信した割当IPアドレスと、生成した接続状態情報とに基づいて、記憶部32に記憶された端末データベースを更新する。具体的には、先ず、管理部33は、通信部31が受信した割当IPアドレスを端末データベースから検索する。そして、受信した割当IPアドレスが端末データベース内に存在すると、管理部33は、その割当IPアドレスに対応する接続状態情報を、生成した接続状態情報に更新する。また、受信した割当IPアドレスが端末データベース内に存在しないと、管理部33は、受信した割当IPアドレスと生成した接続状態情報とを対応付けて端末データベースに加える。
【0044】
また、通信部31が対応確認要求を受信した場合、管理部33は、対応確認要求に含まれる提供先IPアドレスに基づいて、提供先通信装置が管理対象か否かを確認する。そして、管理部33は、その確認結果を示す確認回答情報をアプリサーバ4に返信する。以下では、確認回答情報は、提供先通信装置が管理対象であることを「対応」と示し、提供先通信装置が管理対象でないことを「非対応」と示すものとする。
【0045】
提供先通信装置が管理対象か否かの確認は、例えば、以下のように行われる。つまり、管理部33は、提供先IPアドレスが記憶部32に記憶された端末データベース内に割当IPアドレスとして存在し、かつ、その割当IPアドレスに対応する接続状態情報が「接続」を示すか否かに基づいて、提供先通信装置が管理対象か否かを確認する。この場合、管理部33は、割当IPアドレスが存在し、かつ、接続状態情報が「接続」を示す場合、提供先通信装置が管理対象であると判断し、割当IPアドレスが存在しない場合、または、接続状態情報が「切断」を示す場合、提供先通信装置が管理対象でないと判断する。なお、管理部33は、接続状態に関わらず、提供先IPアドレスが端末データベース内に割当IPアドレスとして存在するか否かに基づいて、提供先通信装置が管理対象か否かを確認してもよい。
【0046】
また、管理部33は、端末1の接続状態に関わらず、割当装置2のプールIPアドレスの中に提供先IPアドレスが含まれるか否かに基づいて、接続状態を管理しているか否かを確認してもよい。この場合、管理部33は、提供先IPアドレスがプールIPアドレスの中に含まれると、提供先通信装置が管理対象であると判断し、提供先IPアドレスがプールIPアドレスの中に含まれないと、提供先通信装置が管理対象でないと判断する。なお、プールIPアドレスは、例えば、記憶部32に予め記憶されていてもよいし、管理部33が割当装置2から取得してもよい。
【0047】
また、通信部31が接続確認要求を受信した場合、管理部33は、記憶部32内の端末データベースに、接続確認要求に含まれる提供先IPアドレスが割当IPアドレスとして存在すれば、その割当IPアドレスと、その割当IPアドレスに対応する接続状態情報をアプリサーバ4に通知する。
【0048】
図1の説明に戻る。アプリサーバ4は、端末1に対してサービスを提供するサービス提供装置である。
【0049】
図6は、アプリサーバ4の構成の一例を示すブロック図である。図6に示すアプリサーバ4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43とを有する。
【0050】
通信部41は、端末1およびセッション管理サーバ3と通信を行う。例えば、通信部41は、端末1からサービス開始要求を受信し、セッション管理サーバ3から確認回答情報と、割当IPアドレスおよび接続状態情報とを受信する。
【0051】
記憶部42は、種々の情報を記憶する。例えば、記憶部42は、端末1におけるアプリの実行状態を示す実行状態情報を割当IPアドレスごとに示す実行データベースを記憶する。以下では、実行状態情報は、アプリが実行していることを「実行中」と示し、アプリが実行していないことを「終了」と示すものとする。
【0052】
図7は、実行データベースの一例を示す図である。図7の例では、実行データベース700は、ユーザID701と、割当IPアドレスであるIPアドレス702と、アプリの実行状態を示す実行状態情報703とを有する。
【0053】
図6の説明に戻る。制御部43は、アプリサーバ4全体を制御する。
【0054】
例えば、通信部41がサービス開始要求を受信した場合、制御部43は、そのサービス開始要求の送信元である提供先通信装置に割り当てられた提供先IPアドレスを含む対応確認要求を生成してセッション管理サーバ3に送信する。ここで、サービス開始要求内にIPアドレスが含まれていれば、制御部43は、サービス開始要求内のIPアドレスを提供先IPアドレスとして取得すればよい。また、一般的に、IP通信では制御信号を用いてIPアドレスがクライアントからサーバに通知される。このため、サービス開始要求にIPアドレスが含まれていなくても、制御部43は、制御信号を用いて通知されたIPアドレスを、提供先IPアドレスとして取得することができる。
【0055】
また、通信部41が確認回答情報を受信した場合、制御部43は、確認回答情報が「対応」を示すか否かを確認する。確認回答情報が「対応」を示す場合、制御部43は、提供先通信装置が本通信システムに対応した端末1と判断して、提供先IPアドレスと、「実行中」を示す実行状態情報とを対応付けて、記憶部42内の実行データベースに追加する。このとき、制御部43は、提供先IPアドレスを、本通信システムに対応した端末1に割り当てられた割当IPアドレスとして実行データベースに追加する。
【0056】
なお、確認回答情報が「非対応」を示す場合、制御部43は、提供先通信装置が本通信システムに対応した端末1ではないと判断して、通常のハートビート処理を提供先通信装置との間で行う。
【0057】
また、制御部43は、実行データベースにおいて、「実行中」を示す実行状態情報と対応する割当IPアドレスを提供先IPアドレスとして含む接続確認要求を定期的にセッション管理サーバ3に通知する。そして、通信部41が接続状態情報および割当IPアドレスを受信した場合、制御部43は、その接続状態情報に基づいて、記憶部42内の実行データベースを更新する。具体的には、接続状態情報が「切断」を示す場合、制御部43は、実行データベース内の実行状態情報が示す実行状態を「実行中」から「終了」に変更する。また、接続状態情報が「接続」を示す場合、実行データベース内の実行状態情報が示す実行状態を「実行中」のまま保持する。
【0058】
また、端末1に対して通信を行うタイミングになった場合、制御部43は、端末1に割り当てられた割当IPアドレスに対応する実行状態情報を確認する。実行状態情報が「実行中」の場合、制御部43は、端末1に割り当てられた割当IPアドレスを用いてサービスの提供を開始する。
【0059】
例えば、サービスがIP電話サービスの場合に、通信部41が端末1とは別の通信装置端末から、端末1への通話要求を受信すると、制御部43は、通話要求に含まれる通話相手のユーザIDに対応する実行状態情報を確認する。実行状態情報が「実行中」の場合、制御部43は、ユーザIDに対応する割当IPアドレスを読み込み、その割当IPアドレスにて特定される端末1に通話開始要求を送信する。
【0060】
以上説明した本実施形態の通信システムの構成は、単なる一例であって、その構成に限定されない。例えば、アプリサーバ4の一部または全ての機能がセッション管理サーバに備わっていてもよい。
【0061】
次に本実施形態の通信システムの動作を説明する。
【0062】
図8は、本実施形態の通信システムの動作の一例を説明するためのフローチャートであり、より具体的には、端末1がネットワークに接続してからサービスを受けるまでの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0063】
先ず、端末1は、3G/LTE網23を介してゲートウェイ装置21と接続する(ステップS801)。ゲートウェイ装置21は、端末1から接続されると、3G/LTE網23内で端末1との間にGTPトンネル24を構築し(ステップS802)、GTPトンネル24を介したシグナリング処理を繰り返し行う(ステップS803)。
【0064】
また、端末1は、認証要求を、ゲートウェイ装置21を介して認証サーバ22に送信する。認証サーバ22は認証要求を受信すると、認証要求に含まれる認証情報に基づいて、端末1の認証を行い、その認証結果をゲートウェイ装置21に送信する。ゲートウェイ装置21は、認証結果を受信し、その認証結果が認証の成功を示すと、端末1にIPアドレスを割り当て、その割り当てた割当IPアドレスを端末1に通知する。端末1は割当IPアドレスを受信すると、その割当IPアドレスを端末1自身に設定する(ステップS804)。なお、認証結果が認証の失敗を示すと、ゲートウェイ装置21は、処理を終了する。
【0065】
ゲートウェイ装置21は、端末1にIPアドレスを割り当てると、その割り当てた割当IPアドレスと接続情報とを認証サーバ22に送信する。認証サーバ22は、割当IPアドレスおよび接続情報を受信すると、その割当IPアドレスおよび接続情報に基づいて認証データベースを更新するとともに、その割当IPアドレスおよび接続情報をセッション管理サーバ3に送信する。セッション管理サーバ3の通信部31は、割当IPアドレスおよび接続情報を受信すると、その割当IPアドレスおよび接続情報を管理部33に送信する。管理部33は、割当IPアドレスおよび接続情報を受信すると、「接続」を示す接続状態情報を生成し、割当IPアドレスおよび接続状態情報を対応付けて記憶部32内の端末データベースに追加する(ステップS805)。なお、認証データベースを更新する際には、認証サーバ22は、例えば、認証データベースに、端末1に固有のIDであるMSISDN301と、セッション情報302、端末1に割り当てられたIPアドレス303と、認証が成功した日時304を書き込む。
【0066】
また、端末1がサービス開始要求をアプリサーバ4に送信すると、アプリサーバ4の通信部41は、サービス開始要求を受信し、そのサービス開始要求を制御部43に送信する。制御部43は、サービス開始要求を受信すると、そのサービス開始要求の送信元である端末1に割り当てられたIPアドレスを提供先IPアドレスとして含む対応確認要求を生成し、その対応確認要求を通信部41を介してセッション管理サーバ3に送信する。セッション管理サーバ3の通信部31は、対応確認要求を受信すると、その対応確認要求を管理部33に送信する。管理部33は、対応確認要求を受信すると、その対応確認要求に含まれる提供先IPアドレスが割り当てられた端末1が管理対象か否かを確認し、その確認結果を示す確認回答情報を、通信部31を介してアプリサーバ4に返信する(ステップS806)。
【0067】
アプリサーバ4の通信部41は、確認回答情報を受信すると、その確認回答情報を制御部43に送信する。制御部43は、確認回答情報を受信すると、その確認回答情報が「対応」を示すか否かを確認する。ここでは、提供先IPアドレスが端末1に割り当てられた割当IPアドレスであるで、確認回答情報が「対応」を示す。この場合、制御部43は、通信先IPアドレスを割当IPアドレスとし、その割当IPアドレスと、「実行中」を示す実行状態情報とを対応付けて、記憶部42内の実行データベースに追加する(ステップS807)。なお、確認回答情報が「非対応」を示す場合、制御部43は、ハートビート通信を行う旨の要求を、通信部41を介して端末1に送信し、端末1との間でハートビート通信を行う。
【0068】
そして、制御部43は、記憶部42内の実行データベースにおいて、「実行中」を示す実行状態情報に対応する割当IPアドレスを提供先IPアドレスとして含む接続確認要求を定期的に、通信部41を介してセッション管理サーバ3に送信する。セッション管理サーバ3の通信部31は、接続確認要求を受信すると、その接続確認要求を管理部33に送信する。管理部33は、接続確認要求を受信すると、記憶部32内の端末データベースに、その接続確認要求に含まれる提供先IPアドレスが割当IPアドレスとして存在するか否かを確認する。ここでは、提供先IPアドレスが割当IPアドレスとして存在するので、管理部33は、その割当IPアドレスと、その割当IPアドレスに対応する接続状態情報を、通信部31を介してアプリサーバ4に通知する。アプリサーバ4の通信部41は、割当IPアドレスおよび接続状態情報を受信すると、その割当IPアドレスおよび接続状態情報を制御部43に送信する。制御部43は、割当IPアドレスおよび接続状態情報を受信すると、その接続状態情報に基づいて、記憶部42内の実行データベースを更新する(ステップS808)。
【0069】
また、端末1に対して実際にサービスを提供するタイミングになった場合、制御部43は、端末1に割り当てられた割当IPアドレスに対応する実行状態情報を確認する。実行状態情報が「実行中」の場合、制御部43は、端末1に割り当てられた割当IPアドレスを用いてサービスの提供を開始する(ステップS809)。なお、実行状態情報が「終了」を示す場合、制御部43は、サービスの提供を行わずに、処理を終了する。
【0070】
図9は、本実施形態の通信システムの動作の他の例を説明するためのフローチャートであり、より具体的には、端末1が3G/LTE網23から切断された際の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0071】
先ず、端末1が3G/LTE網23から切断されると(ステップS901)、ゲートウェイ装置21は、端末1との切断を正常に行うために切断シグナリング処理を行い、その切断された端末1に割り当てた割当IPアドレスと切断情報とを認証サーバ22に送信する(ステップS902)。ここで、ゲートウェイ装置21は、プールIPアドレスを他の通信装置に割り当てているか否かを示す情報を保持している場合には、端末1に割り当てた割当IPアドレスの情報を、他の通信装置に割り当てていないことを示すものに変更する。
【0072】
認証サーバ22は、割当IPアドレスおよび切断情報を受信すると、その割当IPアドレスおよび切断情報に基づいて認証データベースを更新するとともに、その割当IPアドレスおよび切断情報をセッション管理サーバ3に送信する。セッション管理サーバ3の通信部31は、割当IPアドレスおよび切断情報を受信すると、その割当IPアドレスおよび接続情報を管理部33に送信する。管理部33は、割当IPアドレスおよび切断情報を受信すると、記憶部32内の端末データベースにおいて、受信した割当IPアドレスに対応する接続状態情報が示す接続状態を「切断」に変更する(ステップS903)。なお、認証データベースを更新する際には、認証サーバ22は、例えば、認証データベースに、端末1に固有のIDであるMSISDN301と、セッション情報302と、端末1に割り当てられたIPアドレス303と、端末1が切断した日時304を書き込む。
【0073】
その後、図8のステップS808の処理と同様に、アプリサーバ4の制御部43は、接続確認要求を通信部41を介してセッション管理サーバ3に送信し、その後、セッション管理サーバ3から通信部41を介して割当IPアドレスおよび接続状態情報を受信する。ここでは、接続状態情報は「切断」を示すので、制御部43は、記憶部42内の実行データベースにおいて、割当IPアドレスと対応する実行状態情報を「終了」に変更し、サービスの提供を終了する(ステップS904)。
【0074】
このとき、必要に応じて、制御部43は、端末1とは別の通信装置(例えば、端末1と通話中の通信装置)に、端末1がネットワーク5から切断された旨を通知してもよい。また、制御部43は、実行状態が「終了」を示す端末1への通話要求を受信すると、その通話要求の送信元となる通信装置に、端末1がネットワーク5から切断された旨を通知してもよい。
【0075】
(変形例)
以上説明した構成および動作では、セッション管理サーバ3の管理部33は、アプリサーバ4から接続確認要求を受信したタイミングで、割当IPアドレスと接続状態情報を通知していたが、管理部33が自律的に割当IPアドレスと接続状態情報をアプリサーバ4に通知してもよい。
【0076】
例えば、管理部33は、定期的に割当IPアドレスと接続状態情報を通知してもよいし、所定のタイミングで割当IPアドレスと接続状態情報を通知してもよい。所定のタイミングは、例えば、通信部31が割当装置2から割当IPアドレスおよび接続情報を受信したタイミング、通信部31が割当装置2から割当IPアドレスおよび切断情報を受信したタイミングなどである。
【0077】
このとき、割当IPアドレスと接続状態情報の通知先を特定するために、記憶部32がアプリサーバ4を特定する装置識別情報を記憶し、管理部33は、その装置識別情報にて特定されるアプリサーバ4に割当IPアドレスおよび接続状態情報を通知する。
【0078】
また、割当IPアドレスおよび接続状態情報の通知先や、割当IPアドレスおよび接続状態情報を通知するか否かが割当IPアドレスごとに異なっていてもよい。この場合、例えば、記憶部32内の端末データベースに、割当IPアドレスおよび接続状態情報の通知先となるアプリサーバ4を特定する装置識別情報を示す「アプリサーバ」という列を加えればよい。
【0079】
装置識別情報の登録および解除は、端末1のユーザが行ってもよいし、セッション管理サーバ3が行ってもよい。例えば、ユーザが、本通信システムに対応したアプリの一覧をWEB形式などで端末1に表示させ、そのアプリの一覧から端末1にインストールされているアプリを選択することで装置識別情報を登録してもよい。また、セッション管理サーバ3の管理部33が、端末1にインストールされているアプリの一覧を端末1から取得し、その取得したアプリの一覧に基づいて、装置識別情報を登録してもよい。
【0080】
また、上記の構成および動作では、端末1がサービス開始要求をアプリサーバ4に送信していたが、アプリサーバ4は、サービス開始要求がなくても、セッション管理サーバ3から通知された割当IPアドレスおよび接続状態情報に基づいてサービスを提供してもよい。
【0081】
以上説明したように本実施形態によれば、セッション管理サーバ3の通信部31は、割当装置2から端末1に割り当てたIPアドレスである割当IPアドレスと、端末1と接続したことを示す接続情報と、端末1と切断したことを示す切断情報とを受信する。管理部33は、その接続情報および切断情報に基づいて、端末1とネットワーク5との接続状態を示す接続状態情報を生成し、その接続状態情報と割当IPアドレスとをアプリサーバ4に通知する。このため、アプリサーバ4は、端末1とシグナリング処理やハードビート処理を行わなくても、端末1に割り当てられたIPアドレスと端末1の接続状態を把握することが可能になるため、端末1の電力消費を軽減することが可能になる。また、サービスが従量制サービスの場合、シグナリング処理やハードビート処理を行わなくてもよくなるため、データ通信に係る通信量を増加させることが可能になる。さらにアプリから、シグナリング処理やハードビート処理をコンピュータに行わせるための記述を省くことが可能になるので、アプリ自体のデータ量を軽減させることが可能になる。
【0082】
また、本実施形態では、接続情報および切断情報が受信されたタイミングで接続状態情報および割当IPアドレスが通知されるため、アプリサーバ4は、端末1がネットワーク5から接続されたことおよび切断されたことを素早く把握することが可能になる。このため、例えば、IP電話サービスなどでは、端末1の通話先となる通信装置に端末1がネットワーク5から切断されたことを素早く通知することが可能になり、顧客満足(CS: Customer satisfaction )を向上させることが可能になる。
【0083】
また、本実施形態では、接続確認要求が受信されたタイミングで、接続状態情報および割当IPアドレスが通知されるため、サービスの開始が要求されていない場合などのように接続状態情報や割当IPアドレスが必要ないときに、接続状態情報や割当IPアドレスが通知されることを抑制することが可能になる。
【0084】
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【0085】
例えば、端末1、ゲートウェイ装置21、認証サーバ22、セッション管理サーバ3およびアプリサーバ4の機能は、その機能を実現するためのプログラムを、コンピュータにて読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませ実行させることで、実現されてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 端末
2 割当装置
3 セッション管理サーバ
4 アプリサーバ
5 ネットワーク
21 ゲートウェイ装置
22 認証装置
23 3G/LTE網
31、41 通信部
32、42 記憶部
33 管理部
43 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9