【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)商品情報のウェブサイトでの公開 平成28年4月5日〜4月17日(4月18日に削除済み)https://www.facebook.com/Bike−like−life−TMC−%E6%B2%96%E7%B8%84%E7%9C%8C−%E8%B1%8A%E8%A6%8B%E5%9F%8E%E5%B8%82−762868633857822/timeline (2)商品情報のウェブサイトでの公開 平成28年4月7日〜4月17日(4月18日以降は非公開)https://www.youtube.com/watch?v=v10vLffkFXY&feature=youtu.be
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両で盗難防止動作を行う基本盗難防止装置に対し、前記車両を駆動する車両バッテリからの電力を受けて発する振動を前記盗難防止動作の開始信号として伝達する信号発生器と、
前記車両を構成する車両構成部品を脱着させる脱着動作を検知する補助センサ部、及び該補助センサ部の検知結果に基づいて、前記車両バッテリから信号発生器までの補助給電経路を開閉するスイッチ部を有するセンサスイッチとを備える
補助盗難防止装置。
車両で盗難防止動作を行う基本盗難防止装置に対し、前記車両を駆動する車両バッテリからの電力を受けて発する振動を前記盗難防止動作の開始信号として伝達する信号発生器と、
前記車両を構成する車両構成部品を脱着させる脱着動作を検知する補助センサ部、及び該補助センサ部の検知結果に基づいて、前記車両バッテリから信号発生器までの補助給電経路を開閉するスイッチ部を有するセンサスイッチとを設けた補助盗難防止装置を備える
補助盗難防止装置付き車両。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の盗難防止装置では、重くて大きな装置であるバッテリを、車両バッテリと予備バッテリの2台も搭載する必要がある。このため、自動二輪車のように装置の設置空間が限られている車両では、車体の重量化はもとより大型化が避けられず、燃費の低下や、旋回操作、悪路走破性が悪化する。
【0010】
更に、車両バッテリの電源電圧を監視し、電源電圧が降下したり電力供給が途絶えると、電源を車両バッテリから補助バッテリに自動的に切り替えるための電源切替制御装置は、通常の盗難防止装置との間に密接な電気制御上の連係が要求されることから、実際上は、設計段階から予め組み込んでおく必要がある。このため、電源制御構成が複雑となって制御装置のコストが増加すると共に、電源切替制御を後付けで追加するのは難しく、既に商品化されている車種への適用が困難である。
【0011】
また、特許文献2に記載の盗難防止装置では、所定の通信手段を介して一方の盗難防止装置の動作信号を他方の盗難防止装置に送信することから、両盗難防止装置の間にも密接な電気制御上の連係が要求される。従って、車両で主たる盗難防止動作を行う盗難防止装置(以下、「基本盗難防止装置」とする)に、別の盗難防止装置(以下、「補助盗難防止装置」とする)を追加するには、実際上は、両装置間の通信のための通信制御構造を設計段階から予め組み込んでおくか、あるいは汎用性に優れた高価な通信装置を追加する必要がある。このため、通信制御構成が高価で複雑となって、特許文献1の技術と同様に、制御装置のコストが増加すると共に、補助盗難防止装置を後付けで追加するのが難しく、既に商品化されている車種への適用が困難である。
【0012】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、軽くてコンパクトな上に、電気制御構成が複雑にならずに後付けも容易な補助盗難防止装置と、軽くてコンパクトで、燃費、旋回操作、悪路走破性に優れた補助盗難防止装置付き車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の補助盗難防止装置は、車両で盗難防止動作を行う基本盗難防止装置に対し、車両を駆動する車両バッテリからの電力を受けて発する振動を盗難防止動作の開始信号として伝達する信号発生器と、車両を構成する車両構成部品を脱着させる脱着動作を検知する補助センサ部、及び補助センサ部の検知結果に基づいて、車両バッテリから信号発生器までの補助給電経路を開閉するスイッチ部を有するセンサスイッチとを備えている。
【0014】
そして、車両で盗難防止動作を行う基本盗難防止装置に対し、車両を駆動する車両バッテリからの電力を受けて発する振動を盗難防止動作の開始信号として伝達する信号発生器によって、盗難防止装置の制御装置のコストが低減されると共に、適用車種の拡大が可能となる。すなわち、振動が盗難防止動作の開始信号になるため、複数の装置間における密接な電気制御上の連係が不要となって簡単な電気制御構成で済み、また、追加の装置を設計段階から予め組み込んでおいたり、あるいは汎用性に優れた高価な装置を追加したりする必要がなく、単純な構成機器と配線を追加するだけで補助盗難防止装置を取り付けることができるため、新車種はもとより、既に商品化されている車種への適用も容易であり、ユーザ自らによる後付けも可能となる。
【0015】
更に、車両を構成する車両構成部品を脱着させる脱着動作を検知する補助センサ部、及び補助センサ部の検知結果に基づいて、車両バッテリから信号発生器までの補助給電経路を開閉するスイッチ部を有するセンサスイッチによって、燃費や、旋回操作、悪路走破性の向上を図ることができる。すなわち、信号発生器以外の構成機器としては、予備バッテリに比べ軽くて小さく構成も簡単なセンサスイッチを設けるだけで済むため、たとえ、自動二輪車のように装置の設置空間が限られている車両であっても、車体の重量化と大型化を防止することができる。
【0016】
また、補助給電経路でスイッチ部よりも車両バッテリ側には、所定のロック操作により車両バッテリから基本盗難防止装置までの基本給電経路が導通されるのに連動し、車両バッテリからスイッチ部までを導通させる通電スイッチを有する場合は、キーシリンダによるハンドルロックのようなロック操作を行うと、通電スイッチが入って基本盗難防止装置に電力が供給されて動作可能な状態(以下、「待機状態」とする)に移行すると同時に、スイッチ部まで電力が供給され、補助盗難防止装置も待機状態に移行させることができる。そして、この待機状態で、補助センサ部が車両構成部品の脱着動作を検知すると、スイッチ部が閉じて車両バッテリから信号発生器までの補助給電経路が全て接続されることとなり、信号発生器に電力が供給されて補助警報音が発生するように設定されている。これにより、基本盗難防止装置と補助盗難防止装置のための別々の待機操作が不要になって、盗難防止装置の操作性を著しく向上させることができる。
【0017】
また、振動が空気振動としての警報音である場合は、補助盗難防止装置で盗難を検知して信号発生器から警報音が発生すると、この警報音が基本盗難防止装置から発生する警報音と相乗し、周囲に広く響き渡るため、盗難防止効果が大きく向上する。更に、基本盗難防止装置が構成機器の経時劣化などによって動作が不安定で盗難防止動作を行わない場合であっても、補助盗難防止装置だけで警報音を発生することができるため、盗難防止装置の報知機能を確実に発揮することができる。
【0018】
また、信号発生器を、基本盗難防止装置において信号発生器の発する警報音を検知可能な基本センサ部と一緒に、周囲が車両の外装部材によって囲まれた閉塞空間内に配置する場合は、信号発生器から発せられた警報音を、閉塞空間内で外装部材の内壁面によって反射させることができる。これにより、信号発生器から基本センサ部に直接伝達される直接波に、外装部材の内壁面によって反射される反射波を重ねることができ、基本センサ部の受ける警報音の入力エネルギーを増加させてセンサ感度を高め、盗難防止動作を行うまでの応答時間を短縮することができる。
【0019】
また、信号発生器が、警報音の出力部が、前記外装部材の内壁面に対向して形成されると共に、出力部から直接出力される警報音の音波ビームの中心軸が、音波ビームの中心点から外装部材の内壁面に垂設した垂線よりも、基本センサ部側に傾倒する傾倒構造を有する場合は、信号発生器から発せられた警報音が基本センサ部の反対側には散乱しないようにすることができる。これにより、警報音の反射波のエネルギーを基本センサ部に集中させることができ、基本センサ部の受ける警報音の入力エネルギーを更に増加させてセンサ感度を一層高めて、盗難防止動作を行うまでの応答時間の更なる短縮を図ることができる。
【0020】
また、基本センサ部を、中心軸と垂線を通る共通平面上に配置する場合は、信号発生器から発せられた警報音の音波ビームでエネルギー密度の高い部分を、反射波として基本センサ部に集中させることができる。これにより、警報音の反射波のエネルギーを基本センサ部にかなり集中させることができ、基本センサ部の受ける警報音の入力エネルギーを更に増加させて盗難防止動作を行うまでの応答時間の更なる短縮を図ることができる。
【0021】
また、センサスイッチが、車両構成部品の脱着方向と略同方向に移動することにより、車両構成部品の脱着動作を検知する可動体を有する場合は、車両構成部品の脱着動作の動作量が小さくても可動体の移動量を充分に確保することができる。これにより、脱着動作を検知するセンサ感度を高めることができ、補助盗難防止装置による警報音の発生、及びそれに伴う基本盗難防止装置による盗難防止動作を行うまでの応答時間を短縮させることができる。
【0022】
また、車両構成部品が、車両バッテリを収納した凹部に取り付けて凹部の開口端を閉塞するバッテリカバーである場合は、バッテリカバーの脱着を補助盗難防止装置で検知するだけで、車両やその構成部品を盗むべく、車両バッテリの取外しや電力供給用の電線の断線の作業が行われようとしているのを確実に把握できる。これにより、盗まれそうな構成部品の全てにセンサスイッチを設ける必要もなく、部品コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0023】
また、センサスイッチを、バッテリカバーを凹部に取り付けるための取付部の近傍に配置する場合は、バッテリカバーの脱着過程のほんの初期段階で、バッテリカバーで取付部近傍の部分が移動する。これにより、バッテリカバーの脱着動作を検知するまでの検知時間が短くなり、ひいては盗難防止動作を行うまでの応答時間も短縮させることができる。
【0024】
また、センサスイッチが、バッテリカバーの脱着方向と略同方向に移動することにより、脱着操作を検知する第1可動体を含む第1センサスイッチと、バッテリカバーの脱着方向と異なる方向に移動することにより、脱着操作を検知する第2可動体を含む少なくとも一つの第2センサスイッチとを有する場合は、バッテリカバーの複数方向への脱着動作を検知することができる。これにより、脱着動作の脱着方向が通常とは異なっていても確実に検知することができ、センサスイッチのセンサ感度を高めることができる。
【0025】
また、基本給電経路と補助給電経路を、凹部を形成する構造壁と、構造壁の反対側にある外装壁とによって囲まれた車両内部空間内に配置する場合は、基本給電経路、補助給電経路の途中にある電線への外部からのアクセスを困難にすることができる。これにより、外部からの電線途中部への断線作業を難しくして、基本盗難防止装置や補助盗難防止装置の無効化を防止すると共に、バッテリカバーの脱着作業を行うようにし向けて、バッテリカバーの脱着をセンサスイッチに積極的に検知させることができる。
【0026】
上記の目的を達成するために、本発明の補助盗難防止装置付き車両は、車両で盗難防止動作を行う基本盗難防止装置に対し、車両を駆動する車両バッテリからの電力を受けて発する振動を前記盗難防止動作の開始信号として伝達する信号発生器と、車両を構成する車両構成部品を脱着させる脱着動作を検知する補助センサ部、及び補助センサ部の検知結果に基づいて、車両バッテリから信号発生器までの補助給電経路を開閉するスイッチ部を有するセンサスイッチとを設けた補助盗難防止装置を備えている。
【0027】
そして、車両で盗難防止動作を行う基本盗難防止装置に対し、車両を駆動する車両バッテリからの電力を受けて発する振動を盗難防止動作の開始信号として伝達する信号発生器によって、盗難防止装置の制御装置のコストが低減されると共に、適用車種の拡大が可能となる。すなわち、振動が盗難防止動作の開始信号になるため、複数の装置間における密接な電気制御上の連係が不要となって簡単な電気制御構成で済み、また、追加の装置を設計段階から予め組み込んでおいたり、あるいは汎用性に優れた高価な装置を追加したりする必要がなく、単純な構成機器と配線を追加するだけで補助盗難防止装置を取り付けることができるため、新車種はもとより、既に商品化されている車種への適用も容易となり、ユーザ自らによる後付けも可能となる。
【0028】
更に、車両を構成する車両構成部品を脱着させる脱着動作を検知する補助センサ部、及び補助センサ部の検知結果に基づいて、車両バッテリから信号発生器までの補助給電経路を開閉するスイッチ部を有するセンサスイッチによって、燃費や、旋回操作、悪路走破性の向上を図ることができる。すなわち、信号発生器以外の構成機器としては、予備バッテリに比べ軽くて小さく構成も簡単なセンサスイッチを設けるだけで済むため、たとえ、自動二輪車のように装置の設置空間が限られている車両であっても、車体の重量化と大型化を防止することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係わる補助盗難防止装置は、軽くてコンパクトな上に、電気制御構成が複雑にならずに後付けも容易なものとなっており、それを備える補助盗難防止装置付き車両も、軽くてコンパクトで、燃費、旋回操作、悪路走破性に優れたものとなっている。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、補助盗難防止装置に関する本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
なお、
図1の矢印Fで示す方向を前方、
図3の矢印Rで示す方向を右方とし、以下で述べる各部の位置や方向等はこの前方と右方を基準とするものである。
【0032】
まず、本発明を適用した補助盗難防止装置2を搭載する自動二輪車である車両1の全体構成について、
図1、
図2により説明する
【0033】
車両1においては、前後方向に車体フレーム3が延設され、この車体フレーム3の前部には、ダウンチューブ44が設けられており、このダウンチューブ44の上部前端に、ヘッドパイプ4が設けられている。
【0034】
このヘッドパイプ4には、図示せぬステアリングシャフトが回動自在に支持され、このステアリングシャフトの下端に、フロントフォーク7を介して前輪5が回動自在に支持されている。一方、ステアリングシャフトの上端には、ハンドルポスト8が一体的に取付けられ、このハンドルポスト8の上部にハンドル9が固設されてステアリング機構10が形成されており、ハンドル9の回動操作によって、前輪5が左右に回動して操舵される構成となっている。なお、ハンドル9は、その前方はハンドルカバー47によって覆われ、このハンドルカバー47の前部に、ヘッドランプ48が取り付けられており、前輪5の操舵に連動し、ヘッドランプ48が前輪前方を常に照らせるようにしている。
【0035】
更に、ハンドルポスト8の前部は、後方に開いたフロントカバー15で覆われると共に、ハンドルポスト8の後部は、前方に開いたフロントインナカバー16で覆われており、フロントカバー15とフロントインナカバー16とから成る外装部材53によって周囲が囲まれた共通の閉塞空間23内に、車両1に予め装着されて盗難防止動作を行う基本盗難防止装置17と、本発明に係わる補助盗難防止装置20の信号発生器である補助警報器21とが収納されている。なお、この補助盗難防止装置20は、本実施例では、ユーザが後付けで装着するようにしているが、基本盗難防止装置17とともに車両1に標準仕様として装備されていてもよく、補助盗難防止装置20の装着時期は特に限定されるものではない。
【0036】
加えて、ハンドルポスト8には、ハンドルロック装置28が付設されており、ハンドルロック装置28を構成するキーシリンダ29にキー30を差し込み、このキー30を所定のロック位置まで回動操作すると、図示せぬロックピンがヘッドパイプ4側に係止されてハンドル9が操作不能となるハンドルロックが行われる。
【0037】
また、車体フレーム3の前後途中部は、車体カバー24によって覆われ、この車体カバー24の上方には、運転者、同乗者が着座する運転シート25が、図示せぬヒンジを介して、車体1に開閉自在に設置されている。そして、この車体カバー24の前部には、運転者、同乗者が足を載せる略水平なフロアステップ26が形成され、このフロアステップ26内に、後述のエンジン11用のセルモータに電力を供給して車両1を駆動するための車両バッテリ27が収納されている。
【0038】
また、車体フレーム3の後部には、エンジン11と動力伝達部12とを有するパワーユニット13が上下スイング可能に支持され、このうちの動力伝達部12の後端に後輪6が保持されると共に、動力伝達部12の後端と車体フレーム3の後部との間にはリアクッションアブソーバ14が介設されており、前述のキー30を所定の始動位置まで回転操作すると、車両バッテリ27からセルモータに電流が流れてエンジン11が始動し、弾性的に支持された後輪6が駆動される構成となっている。
【0039】
次に、前述した基本盗難防止装置17と本発明に係わる補助盗難防止装置20の構造について、
図1、
図2により説明する。
【0040】
車両1に搭載されている基本盗難防止装置17とは、標準仕様として車両1に装着され盗難防止動作を行うものであって、前述の車両バッテリ27からの電力を受けてブザーやサイレンなどの警報音(以下、「基本警報音」とする)31を発生可能な基本警報器18と、車体の振動、傾斜、移動などを検知すると基本警報器18に電流を流して基本警報音31を発生させるセンサユニット19と、車両バッテリ27からセンサユニット19を介して基本警報器18まで電力を供給可能な電線から成る基本給電経路38とを備えている。
【0041】
このうちの基本警報器18は、本実施例ではドーナツ状の平型ホーンが使用され、電磁石のコイルに電流を断続的に流し、発生した磁力によって振動板を振動させることにより、基本警報音31を発するようにしているが、警告音声を発するスピーカ、光を点滅させる警告灯などであってもよく、盗難などの異常事態の発生を周囲に報知可能なものであれば、その種類は特に限定されるものではない。
【0042】
センサユニット19は、前述した車体の振動、傾斜、移動などと共に、補助盗難防止装置20の補助警報器21が発する補助警報音32によって生じる振動を検知可能な加速度センサなどを有する基本センサ部33と、この基本センサ部33に信号線35を介して接続される制御部34とを有している。
【0043】
これにより、車体の振動、傾斜、移動や補助警報音32を基本センサ部33が検知すると、警報信号36が基本センサ部33から信号線35を通って制御部34に伝達され、この制御部34の電流制御により、基本給電経路38でセンサユニット19の前後の電線38aと電線38bが接続され、センサユニット19まで供給されていた電力が電線38bを通って基本警報器18に供給されるようになり、基本警報音31を発生させることができる。
【0044】
更に、本発明に係わる補助盗難防止装置20とは、本実施例ではユーザにより車両1に後付けで装着されて空気振動としての補助警報音32を発するものであって、車両バッテリ27からの電力を受けて補助警報音32を発し、この補助警報音32を、前述の基本盗難防止装置17の盗難防止動作である基本警報音31の発生を行うための開始信号として、この基本盗難防止装置17に伝達する前述の補助警報器21と、車両1を構成する車両構成部品を脱着させる脱着動作を検知して補助警報器21に電流を流して補助警報音32を発生させるセンサスイッチ22と、車両バッテリ27からスイッチ部42を介して補助警報器21まで電力を供給可能な電線から成る補助給電経路43とを備えている。なお、補助盗難防止装置20は、前述の如く、基本盗難防止装置17と同様に標準仕様として車両1に装着されていてもよい。
【0045】
このうちの補助警報器21にも、本実施例では基本警報器18と同様に平型ホーンが使用され、内部のコイルに電流を断続的に流し、発生する磁力によって振動板を振動させることにより、補助警報音32を発するようにしている。ただし、補助警報器21の種類は、前述の基本警報器18とは異なり、盗難防止動作の開始信号として基本盗難防止装置17の基本センサ部33に検知される必要から、基本センサ部33に振動を付与可能なものに限られるため、警告音声を発するスピーカなどはよいが、警告灯などは除外される。
【0046】
センサスイッチ22は、車両1を構成する車両構成部品、本実施例では車両バッテリ27を覆うバッテリカバー40の脱着動作を検知する補助センサ部41と、この補助センサ部41の検出結果に基づいて補助給電経路43を開閉可能なスイッチ部42とを有している。
【0047】
そして、補助センサ部41は、被検知物に当接して転動可能なローラ41aと、このローラ41aを先端に転動可能に支持し、ステンレス片などの長尺の弾性部材などから成るアーム41bと、スイッチ部42内の回路スイッチ42aに接続されてアーム41bの回動動作を伝達するリンク機構41cとを有している。
【0048】
これにより、バッテリカバー40を矢印79に示すように上方に脱着すると、補助センサ部41でアーム41bの弾性力によってバッテリカバー40の下面40aに付勢状態で当接されていたローラ41aが、この下面40aを転動しながら、矢印73に示すようにアーム41bの基部を中心に回動して上昇する。
【0049】
すると、リンク機構41cを介してスイッチ部42内の回路スイッチ42aが閉となり、補助給電経路43上におけるスイッチ部42の前後の電線43aと電線43bが接続され、スイッチ部42まで供給されていた電力が電線43bを通って補助警報器21に供給されるようになり、補助警報音32が発生する。なお、この際のローラ41aの移動方向、本実施例では上方を、補助盗難防止装置20の検知方向とする。
【0050】
つまり、バッテリカバー40を上方に脱着すると、補助盗難防止装置20のスイッチ部42が閉となって、電力が補助給電経路43を介して補助警報器21に供給されて補助警報音32が発生し、更に、この補助警報音32によって生じる振動を基本センサ部33が検知すると、前述の制御部34により電力が基本給電経路38を介して基本警報器18に供給されて基本警報音31が発生するようになる。
【0051】
このような構成により、空気振動としての補助警報音32を基本盗難防止装置17による盗難防止動作の開始信号にすることができ、複数の装置間における密接な電気制御上の連係が不要となって簡単な電気制御構成で済む。また、追加の装置を設計段階から予め組み込んでおいたり、あるいは汎用性に優れた高価な装置を追加したりする必要がなく、単純なセンサスイッチ22、補助警報器21と、電線43a、電線43bを追加するだけで補助盗難防止装置20を取り付けることができるため、新車種はもとより、既に商品化されている車種への適用も容易であり、本実施例のように、ユーザ自らによる後付けも可能となる。
【0052】
更に、補助警報器21以外の構成機器としては、予備バッテリに比べ軽くて小さく構成も簡単なセンサスイッチ22を設けるだけで済むため、たとえ、自動二輪車のように装置の設置空間が限られている車両1であっても、車体の重量化と大型化を防止することができる。
【0053】
加えて、本実施例のように、振動が空気振動としての補助警報音32である場合は、補助盗難防止装置20で盗難を検知して補助警報器21から補助警報音32が発生すると、この補助警報音32が基本盗難防止装置17から発生する基本警報音31と相乗し、周囲に広く響き渡るため、盗難防止効果が大きく向上する。更に、基本盗難防止装置17が構成機器の経時劣化などによって動作が不安定で盗難防止動作を行わない場合であっても、補助盗難防止装置20だけで補助警報音32を発生することができるため、盗難防止装置の報知機能を確実に発揮することができる。
【0054】
また、前述の基本給電経路38と補助給電経路43の共通の電線37の途中部には、車両バッテリ27からの電力を各機器の所定電圧まで降圧したりする制御部以外に、通電スイッチ45が設けられている。
【0055】
この通電スイッチ45は、前述したハンドルロック装置28内に設けられており、ハンドルロック装置28でキー30を回動しハンドルロックを行うのに連動して、通電スイッチ45が閉となって、車両バッテリ27から基本盗難防止装置17までの基本給電経路38、具体的には電線37、38aが導通されるようにしている。
【0056】
更に、通電スイッチ45は、補助給電経路43で共通の電線37上にあって、前述のスイッチ部42よりも車両バッテリ27側に配置されていることから、ハンドルロックを行って通電スイッチ45が閉になると、車両バッテリ27からスイッチ部42までの補助給電経路43、具体的には電線37、43aも導通される。
【0057】
このような構成において、前述の如くハンドルロックのようなロック操作を行うと、自動的に通電スイッチ45が入ってセンサユニット19まで電力が供給され、基本盗難防止装置17が異常事態の発生を検知可能な待機状態に移行するのと連動し、補助盗難防止装置20のスイッチ部42までも電力が供給され、補助盗難防止装置20も待機状態に移行させることができる。そして、この待機状態で、補助センサ部41がバッテリカバー40の脱着動作を検知すると、スイッチ部42が閉じて車両バッテリ27から補助警報器21までの補助給電経路43が全て接続されることとなり、補助警報器21に駆動用の電力が供給されて補助警報音32が発生する。
【0058】
このため、基本盗難防止装置17と補助盗難防止装置20のための別々の待機操作が不要になって、盗難防止装置の操作性を著しく向上させることができる。
【0059】
次に、前述した基本盗難防止装置17と補助警報器21の配置構成について、
図1乃至
図4により説明する。
【0060】
図1乃至
図3に示すように、基本盗難防止装置17を構成する基本警報器18、センサユニット19のうち、基本警報器18は、前述したフロントインナカバー16の前面にある内壁面16aの右側上部に、基本警報音31の出力部18aが前斜め右方を向くような姿勢で、ボルト49によって締結固定されている。
【0061】
センサユニット19は、フロントインナカバー16の内壁面16aの左側下部に、センサユニット19の筐体を成す箱状のユニットケース19aが略水平となる姿勢で、ボルト50によって締結固定されている。そして、このユニットケース19a内に、前述した基本センサ部33が収納されている。
【0062】
補助盗難防止装置20の補助警報器21は、前述のセンサユニット19の直上で基本警報器18よりも下方の位置に、補助警報音32が略左方に出力されるような姿勢で、ボルト51と取付け板52とによって締結固定されている。
【0063】
この取付け板52は、平面視L字状に屈曲されて右方に伸びる取付部52aと、この取付部52aの左端から後方に伸びて左側面が略左方を向く支持部52bとから形成されており、この支持部52bの外側面に補助警報器21の背面を固設した上で、取付部52aに正面からボルト51を螺挿して内壁面16aの左右略中央に締結固定するようにして、補助警報器21は、内壁面16aに、前述の位置と姿勢で締結固定されている。
【0064】
ここで、
図3、
図4に示すように、補助警報器21は、前述の如くドーナツ状の平型ホーンであって、補助給電経路43の電線43bにコイルが接続される柱状の電磁石55と、この電磁石55と同じ軸心54上にあって電磁石55の磁力により軸心54上を振動するシャフト56と、このシャフト56の左端に連結された振動板57と、この振動板57の外側にあって、電磁石55とシャフト56間の衝突により発生する振動を共鳴させ増幅させる共鳴板58とを有している。
【0065】
そして、この共鳴板58側から見た補助警報器21の略中心部が、補助警報音32の出力部59となっており、補助警報音32は、この出力部59から、外装部材53であるフロントカバー15の内壁面15aに向かって出力される構成となっている。
【0066】
このように、補助警報器21を、基本盗難防止装置17において補助警報器21の発する補助警報音32を検知可能な基本センサ部33と一緒に、周囲が車両1の外装部材53によって囲まれた閉塞空間23内に配置することにより、補助警報器器32の出力部59から発せられた補助警報音32を、閉塞空間23内で外装部材53の内壁面、具体的にはフロントカバー15の内壁面15aや、フロントインナカバー16の内壁面16aによって反射させることができる。
【0067】
すると、補助警報器21から基本センサ部33に直接伝達される直接波60以外に、外装部材53の内壁面15a、16aによって反射される反射波61が発生することとなり、直接波60に反射波61を重ねることができ、両波の位相を調整するなどして基本センサ部33の受ける補助警報音32の入力エネルギーを増加させ、センサ感度を高めて盗難防止動作を行うまでの応答時間を短縮することができる。
【0068】
また、
図4に示すように、補助警報器21において、前述の出力部59から直接出力される直接波60が略円錐状に広がり、補助警報音32の流れ(以下、「音波ビーム」とする)62が形成される場合は、この音波ビーム62の中心軸63は前述の軸心54と略一致している。
【0069】
そして、この出力部59は、外装部材53の内壁面15a、16aに対向して形成されると共に、音波ビーム62の中心軸63は、音波ビーム62の頂点(以下、「中心点」とする)から外装部材53の内壁面15a、16aに垂設した垂線65よりも、基本センサ部33側に角度66だけ傾倒するようにして、補助警報器21が傾倒構造を有している。
【0070】
これにより、補助警報器21から発せられた補助警報音32が基本センサ部33の反対側に、本実施例では上方に散乱しないようにして、補助警報音32の反射波61のエネルギーを基本センサ部33に集中させることができ、基本センサ部33の受ける補助警報音32の入力エネルギーを更に増加させてセンサ感度を一層高め、盗難防止動作を行うまでの応答時間の更なる短縮を図ることができる。
【0071】
更に、補助警報音32を検知する基本センサ部33は、前述した垂線65と中心軸63を通る共通平面67上に配置されている。
【0072】
この共通平面67は、音波ビーム62の内部で最も音波のエネルギー密度の高い中心軸63とその反射波61とが通る平面を示しているため、この共通平面67上では補助警報音32のエネルギーが大きくなり、基本センサ部33への入力エネルギーも増加する。
【0073】
これにより、補助警報器21から発せられた補助警報音32の音波ビーム62でエネルギー密度の高い部分を、反射波61として基本センサ部33に集中させることができる。
【0074】
このため、補助警報音32の反射波61のエネルギーを基本センサ部33にかなり集中させることができ、基本センサ部33の受ける補助警報音32の入力エネルギーを更に増加させて盗難防止動作を行うまでの応答時間の更なる短縮を図ることができる。
【0075】
次に、前述したセンサスイッチ22の配置構成について、
図1、
図2、
図5乃至
図8により説明する。
【0076】
図1、
図2、
図5に示すように、前述の略水平なフロアステップ26の平面視略中央には、上端が開放されたボックス状の凹部68が形成されている。そして、この凹部68内に、車両バッテリ27が収納されると共に、センサスイッチ22が配置されている。
【0077】
ここで、この凹部68の閉塞構成について説明する。
凹部68の開口端68aは、断面視階段形状に形成されており、凹部68の周囲を取り囲む内壁68cの上端より外方に延出する略水平な水平載置面68a1と、この水平載置面68a1の外端より立設する立ち上がり壁面68a2とを有している。そして、前述のバッテリカバー40は、その外周縁40dが、この立ち上がり壁面68a2と略同じ形状であって、上方から挿嵌可能に形成されている。
【0078】
このうちの水平載置面68a1の後端部には、カバー固定ネジ69を螺挿可能なネジ穴68bが形成される一方、バッテリカバー40の後端部40fで、開口端68aを閉塞時にネジ穴68bと重なる位置には、カバー固定ネジ69を挿通可能な貫通孔40cが穿孔されている。
【0079】
更に、立ち上がり壁面68a2の前端辺には、左右一対の係止穴68dが凹設される一方、バッテリカバー40の前端辺には、後方からこの係止穴68dに差し込んで係止可能な左右一対の係止片40eが突設されている。
【0080】
このような構成において、バッテリカバー40の装着時には、バッテリカバー40を上方から開口端68a内に向かって下降し、先に、バッテリカバー40を後斜め上方に傾斜させた姿勢で、前端辺の係止片40eを立ち上がり壁面68a2の係止穴68dに挿入する。その後、前端辺の係止片40eを中心に、バッテリカバー40の後端部40fを下げて、後端部40fの貫通孔40cを水平載置面68a1のネジ穴68bに重ねる。
【0081】
なお、この際、バッテリカバー40の外周縁40dが、凹部68の立ち上がり壁面68a2に摺動されながら、水平載置面68a1に接近して載置されるガイド構成を備えるので、バッテリカバー40を左右にずらすことなく迅速に開口端68aに挿嵌させることができ、凹部68の開口端68aの閉塞作業の作業性が向上する。
【0082】
そして、ネジ穴68bに貫通孔40cを重ねた状態で、前述のカバー固定ネジ69を、上方から貫通孔40cを通してネジ穴68b内に螺挿することにより、このネジ穴68bが形成された部分(以下、「取付部」とする)70に、バッテリカバー40が締結固定される。詳しくは、バッテリカバー40は、開口端68aの前端辺の左右の係止穴68dと、後端部のネジ穴68bとの3点によって開口端68aに固定することができ、開口端68aを確実に閉塞できるようにしている。
【0083】
一方、バッテリカバー40の脱着時には、装着時とは逆に、カバー固定ネジ69を回動して貫通孔40cとネジ穴68bから取外した後、係止片40eを中心に、バッテリカバー40の後端部40fを矢印78に示すように前方に回転させながら、バッテリカバー40を引き上げることにより、凹部68の開口端68aを開放させる。
【0084】
以上のようにしてバッテリカバー40で覆われた凹部68の後部左側で、車両バッテリ27と内壁68cとの間に、センサスイッチ22が設けられると共に、前述した取付部70の近傍に配置されている。そして、その検知方向は、前述した如く矢印73で示す略上方となっている。
【0085】
これにより、バッテリカバー40を上方に脱着すると、前述のようにして、脱着動作を補助センサ部41が検知して補助警報器21に電力が供給されて補助警報音32が発生するが、特に、本実施例のように、センサスイッチ22が取付部70の近傍にある場合は、バッテリカバー40の脱着過程のほんの初期段階で、バッテリカバー40の後端部40fが上昇するのとほぼ同時に、補助センサ部41のローラ41aも上昇する。このため、バッテリカバー40の脱着動作を検知するまでの検知時間が短くなり、ひいては盗難防止動作を行うまでの応答時間も短縮させることができる。
【0086】
更に、このようにバッテリカバー40にセンサスイッチ22を設けると、バッテリカバー40の脱着を補助盗難防止装置20で検知するだけで、車両1やその構成部品を盗むべく、車両バッテリ27の取外しや電力供給用の電線の断線の作業が行われようとしているのを確実に把握できる。このため、盗まれそうな構成部品の全てにセンサスイッチ22を設ける必要もなく、部品コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0087】
以下に、センサスイッチ22の別形態について説明する。
図6に示すセンサスイッチ22Aは、検知方向の異なるセンサスイッチ71、72を併設することにより、検知方向が通常とは異なる場合であっても、バッテリカバー40の脱着動作を検知可能にしたものである。
【0088】
センサスイッチ22Aは、凹部68の後部左側に設けられた第1センサスイッチ71に、凹部68の前後略中央部左側に設けられた第2センサスイッチ72を加えて構成される。
【0089】
両センサスイッチ71、72とも、前述のセンサスイッチ22と略同じ構造であるが、第1センサスイッチ71は、センサスイッチ22と同様に、検知方向は矢印73で示す略上方であるのに対し、第2センサスイッチ72は、そのローラ72aが前方に移動可能な姿勢で設けられ、検知方向は矢印74で示す略前方となっている。具体的には、補助センサ部41とスイッチ部42が前後位置に配置されている。
【0090】
このような構成において、バッテリカバー40を通常のように上方に引き上げた場合には、第1センサスイッチ71のローラ71aが上方に移動して回路スイッチ42aが閉となり補助警報音32が発生する。そして、バッテリカバー40を通常とは異なり、矢印80に示すように前斜め上方に引き抜いた場合にも、第2センサスイッチ72のローラ72aが前方に移動し、同様にして回路スイッチ42aが閉となり補助警報音32が発生する。
【0091】
このように、センサスイッチ22Aを、バッテリカバー40の脱着方向と略同方向、本実施例では上方に移動することにより、脱着操作を検知する第1可動体であるローラ71aを含む第1センサスイッチ71と、バッテリカバー40の脱着方向である上方と異なる方向、本実施例では前斜め上方に移動することにより、脱着操作を検知する第2可動体であるローラ72aを含む第2センサスイッチ72とを有する場合は、バッテリカバー40の二方向への脱着動作を検知することができる。これにより、脱着動作の脱着方向が通常とは異なっていても確実に検知することができ、センサスイッチ22Aのセンサ感度を高めることができる。
【0092】
なお、本実施例では、第2センサスイッチ72は単一としたが、第2センサスイッチ72を複数設けた上で、各ローラ72a内でも互いの移動方向が異なるように設定するようにして、様々な脱着方向に対応させることができる。
【0093】
図7に示すセンサスイッチ22Bは、検知方向を適正化することにより、バッテリカバー40以外の車両構成部品に設ける場合であっても、車両構成部品の脱着を高いセンサ感度で検知可能にしたものである。
【0094】
センサスイッチ22Bは、基本盗難防止装置17や補助盗難防止装置20の補助警報器21を設けたフロントインナカバー16の内壁面16aに固設されており、前述のセンサスイッチ22と同じ構造ではあるが、そのローラ41aが前方に移動可能な姿勢で設けられ、検知方向は矢印75で示す略前方となっている。具体的には、補助センサ部41とスイッチ部42が前後位置となるようにして配置されている。
【0095】
更に、フロントインナカバー16の前部開口を覆うフロントカバー15は、フロントインナカバー16からの脱着する際は、前方に引き出す構成となっており、センサスイッチ22の検知方向と略同方向となっている。
【0096】
このように、センサスイッチ22Bが、車両構成部品であるフロントカバー15の脱着方向である前方と略同方向に移動することにより、フロントカバー15の脱着動作を検知する可動体であるローラ41aを有する場合は、フロントカバー15の脱着動作の動作量が小さくてもローラ41aの移動量を充分に確保することができる。これにより、脱着動作を検知するセンサ感度を高めることができ、補助盗難防止装置20による警報音の発生、及びそれに伴う基本盗難防止装置17による盗難防止動作を行うまでの応答時間を短縮させることができる。
【0097】
また、以上のようなセンサスイッチ22、22Aから補助警報器21までの電線43b、車両バッテリ27からセンサスイッチ22、22Aまでの電線37、43aから成る補助給電経路43、車両バッテリ27からセンサユニット19までの電線37、38aの基本給電経路38は、前述の凹部68を形成する構造壁であるフロアステップ26と、このフロアステップ26を下面から覆うアンダーカバー76とによって囲まれた車両内部空間77内に配置させるようにしている。
【0098】
具体的には、凹部68を取り囲む前述の内壁68cに配線孔68c1を穿孔し、この配線孔68c1を介して、車両バッテリ27からの電線37、センサスイッチ22からの電線43a、43b、センサユニット19への電線38aなどが、凹部68内から車両内部空間77内に導入される。
【0099】
そして、これらの電線37、38a、43a、43bは、車両内部空間77内から、図示せぬ配線経路を介して、前述のハンドルロック装置28や閉塞空間23内のセンサユニット19、基本警報器18、補助警報器21などに接続されるようにしている。
【0100】
これにより、外部からの電線37、38a、43a、43b途中部への断線作業を難しくして、基本盗難防止装置17や補助盗難防止装置20の無効化を防止すると共に、バッテリカバー40の脱着作業を行うようにし向けて、バッテリカバー40の脱着をセンサスイッチ22に積極的に検知させることができる。
【0101】
以上のように、本発明を適用した補助盗難防止装置および補助盗難防止装置付き車両は、軽くてコンパクトな上に、電気制御構成が複雑にならずに後付けも容易なものとなっている。
【課題】軽くてコンパクトな上に、電気制御構成が複雑にならずに後付けも容易な補助盗難防止装置と、軽くてコンパクトで、燃費、旋回操作、悪路走破性に優れた補助盗難防止装置付き車両とを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明を適用した補助盗難防止装置20は、車両1で盗難防止動作を行う基本盗難防止装置17に対し、車両1を駆動する車両バッテリ27からの電力を受けて発する基本警報音32を盗難防止動作の開始信号として伝達する補助警報器21と、車両1を構成するバッテリカバー40を脱着させる脱着動作を検知する補助センサ部41、及びこの補助センサ部41の検知結果に基づいて、車両バッテリ27から補助警報器21までの補助給電経路43を開閉するスイッチ部42を有するセンサスイッチ22とを備えたものである。