特許第6049026号(P6049026)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6049026着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6049026
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/00 20060101AFI20161212BHJP
   A41D 13/015 20060101ALI20161212BHJP
   A41D 13/05 20060101ALI20161212BHJP
   A62B 35/00 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   A41D13/00 107
   A41D13/015
   A41D13/05 131
   A41D13/05 168
   A62B35/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-229261(P2014-229261)
(22)【出願日】2014年11月11日
(65)【公開番号】特開2015-140505(P2015-140505A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2015年8月10日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0011321
(32)【優先日】2014年1月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516091514
【氏名又は名称】三星物産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134809
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 亮
(72)【発明者】
【氏名】ファン ムンヨン
(72)【発明者】
【氏名】リー サンホン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ビョンジン
(72)【発明者】
【氏名】ハン スクグ
(72)【発明者】
【氏名】チュン サムヨン
【審査官】 ▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−315406(JP,A)
【文献】 特開平10−053905(JP,A)
【文献】 特開2004−275581(JP,A)
【文献】 実開平04−120757(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/00−13/12
A62B35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
落石から身体を保護するようにロープと連結され、背板に複数の保護クッションを備えた衣服部と;
墜落防止のために身体部位別に包むように着用するベルトが前記衣服部内皮に一体に取り付けられるように構成される安全帯と;を含み
前記安全帯は、
前記衣服部内部において、衣服部前面では両側が互いに平行し、後面では交差するように連結される肩ベルトと;
前記衣服部の胸板前面と側面を連結する胸ベルトと;
脚または腰のうちいずれかを選択的に包むように前記肩ベルトの下段に取り付けられる腰兼用下体ベルトと;
を含み、
前記肩ベルトは、
二つのベルトの一端がそれぞれ背板内部の下段両側から上部まで互いに交差するように斜めに延びて肩部を通過し、両側の胸板からそれぞれ垂直下方に延びて、ベルトの一端でまたその他端と会うように、互いに左右対称に位置し、
前記腰兼用下体ベルトは、
両端のベルトをそれぞれ巻き取ることができる空間を提供するように同一形状のハウジング形態を有し、前記肩ベルトの一端と他端が会う所に設けられる1対のベルト結合部を備えることを特徴とする着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣。
【請求項2】
前記ベルト結合部は、
ハウジングの先端に形成されてベルトを引出し及び挿入する貫通口であるベルト引出し口と;
前記ベルト引出し口の一側に形成され、両側ベルト結合部のうちいずれかのベルト引出し口から引き出されたベルトの先端に形成されたベルト係止部が両側ベルト結合部のうちいずれかに挿入されて係止されるように、前記ベルト係止部に対応する内部形態を有するベルト挿入口を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣。
【請求項3】
前記ベルト係止部は、
前記ベルト挿入口に係止するように両端に形成された係止片と;
前記係止片が出没できるように前記係止片の両側に形成されている押しボタンと;を含んでなることを特徴とする請求項2に記載の着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣。
【請求項4】
前記ベルト結合部は、その内部にベルトの自動巻き取り及び停止のためのベルトリトラクタを構成する長さ調節手段を形成することを特徴とする請求項1に記載の着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣に関するもので、より詳細には、主に産業現場、特に、トンネル工事現場で作業者が着用する落石防護用救命胴衣に墜落事故等を未然に防止するために着用する安全帯を着脱可能に一体に構成した着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常に各種産業現場においては、落石等による安全事故を未然に防止するための目的として作業者は落石防護用安全胴衣を着用して作業を行う。
【0003】
特に、トンネル内の高所作業時には落石の危険と墜落の危険にさらされる環境で作業を行うので、墜落死を防止するために落石防護用救命胴衣と共に着用できる墜落防止用安全帯が必要である。
【0004】
しかし、作業者はやむをえず安全帯をまず着用した状態で落石防護用救命胴衣をさらに着用しなければならないことがある。この場合は、背や横腹に取り付けられている安全帯連結用リングとロープによって着用者が細心の注意を払って落石防護用救命胴衣を着用しなければならない。したがって、多くの着用時間が所要され、面倒さが生じるだけでなく、このような付着物によって背や横腹部分が不便で着用感が低下する短所がある。
したがって、このような問題点により墜落防止用安全帯を着用しない場合が多かったし、これによって墜落死等の安全事故が頻繁に発生している実情である。
【0005】
また、工事現場等の産業現場においては、一般的な安全胴衣に墜落防止用安全帯を一体型に形成して着用している。特許文献1の「安全胴衣」は、各種産業現場で作業者が着用する安全胴衣に墜落防止用安全帯を一体に裁縫して固定することによって、簡単で、且つ速かに着用できるようにし、別途保管による喪失の恐れを解消できるようにしている。
【0006】
また、特許文献2の「安全帯一体型作業服」は、作業服の内側に安全帯を一体化することによって、安全帯を簡便に着用でき、安全事故の危険を低減できるようにしている。
【0007】
しかし、このような既存の安全帯一体型の安全胴衣は、落石の危険があるトンネル現場で使用することが不可能な状況である。
【0008】
また、既存の安全胴衣は工事現場での作業により早く摩耗する恐れがあり、墜落防止用安全帯もやはり継続して伝わる荷重により切断される恐れがある。更に、このような安全帯一体型の安全胴衣は、胴衣や安全帯のうちいずれかでも使用することができない場合、構成品全体を捨てなければならないため、資源の浪費を招くようになる。
【0009】
また、このような安全帯一体型の安全胴衣は脚ベルト式で下体を包むように着用する形態になっている。そのため、脚ベルト式でない腰ベルト式で着用することができないだけでなく、脚ベルト式の下体ベルトを着用しない状態で胴衣を着用する場合は、下体ベルトが捻じれる恐れがある。特に、胴衣を着用しない場合には安全帯の各部位別ベルトが互いに絡み合ったり捻じれることによって、保管や収納する際に不便がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国実用新案登録公報第0254284号(2001年11月05日登録)
【特許文献2】韓国特許公開公報第2013−0073557号(2013年07月03日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、前述した問題点を解決するための本発明の目的は、トンネル作業用の落石防護用救命胴衣に墜落防止用安全帯を一体型に取り付けることによって、胴衣と安全帯を同時に着用できるようにした着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、前記落石防護用救命胴衣に一体型に取り付けられた墜落防止用安全帯を着脱できるよう、取付手段を落石防護用救命胴衣の内部に形成した着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣を提供することにある。
【0013】
また、本発明のもう一つの目的は、前記墜落防止用安全帯を下体ベルト或いは腰ベルト兼ねて使用することができるように、ベルト結合部を構成する腰兼用下体ベルトを備える着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣を提供することにある。
【0014】
また、本発明のもう一つの目的は、前記腰兼用下体ベルトの収納及び長さを調節するようにするために、腰兼用下体ベルトの両側には自動巻き取りが可能な長さ調節手段を備える着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述した目的を達するために、本発明に係る着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣は、落石から身体を保護するようにロープと連結され、背板に複数の保護クッションを備えた衣服部と;墜落防止のために身体部位別に包むように着用するベルトを前記衣服部内皮に一体に取り付けて構成した安全帯と;を含んでなることを特徴とする。
【0016】
また、本発明によれば、衣服部内部に位置する安全帯を拘束するように包んで付着したり、或いは着脱するように衣服部内皮に形成された安全帯取付手段を含んでなることが好ましい。
【0017】
また、本発明によれば、前記保護クッションは、前記衣服部外皮の背板及び前板と肩部に沿って一定幅の水平長さを有し、垂直方向に連続して形成されている複数のクッションからなることが好ましい。
【0018】
また、本発明によれば、前記衣服部は、前記保護クッションの全体にわたって、或いは交互位置に付着される夜光や蛍光の布部材である発光手段と;首筋部を保護するように首部からパッド形態で延びて保護クッションを形成し、首を包む首保護パッドと;を更に含むことが好ましい。
【0019】
また、本発明によれば、前記安全帯は、前記衣服部内部において、衣服部全面では両側が互いに平行し、後面では交差するように連結される肩ベルトと;前記衣服部の胸板前面と側面を連結する胸ベルトと;脚または腰のうちいずれかを選択的に包むように前記肩ベルトの下段に取り付けられる腰兼用下体ベルトと;を含むことが好ましい。
【0020】
また、本発明によれば、前記肩ベルトは、二つのベルトの一端がそれぞれ背板内部の下段両側から上部まで互いに交差するように斜めに延びて肩部を通過し、両側の胸板からそれぞれ垂直下方に延びて、ベルトの一端でまたその他端と会うように、互いに左右対称に位置することが好ましい。
【0021】
また、本発明によれば、前記腰兼用下体ベルトは、両端のベルトをそれぞれ巻き取ることができる空間を提供するように同一形状のハウジング形態を有し、前記肩ベルトの一端と他端が会う所に設けられる1対のベルト結合部を備えることが好ましい。
【0022】
また、本発明によれば、前記ベルト結合部は、ハウジングの先端に形成されてベルトを引出し及び挿入する貫通口であるベルト引出し口と;前記ベルト引出し口の一側に形成され、両側ベルト結合部のうちいずれかのベルト引出し口から引き出されたベルトの先端に形成されたベルト係止部が両側ベルト結合部のうちいずれかに挿入されて係止されるように、前記ベルト係止部に対応する内部形態を有するベルト挿入口を含んでなることが好ましい。
【0023】
また、本発明によれば、前記ベルト係止部は、前記ベルト挿入部に係止するように両端に形成された係止片と;前記係止片が出没できるように前記係止片の両側に形成されている押しボタンと;を含んでなることが好ましい。
【0024】
また、本発明によれば、前記ベルト結合部は、その内部にベルトの自動巻き取り及び停止のためのベルトリトラクタを構成する長さ調節手段を形成することが好ましい。
【0025】
また、本発明によれば、前記安全帯取付手段は、前記安全帯を包むように衣服部内皮と安全帯との両側に1対の面ファスナーを付着した矩形状のパッド形態を有することが好ましい。
また、本発明によれば、前記安全帯を包む安全帯取付手段の衣服部内皮に接する部分はミシン縫いされていることが好ましい。
【0026】
また、本発明によれば、前記安全帯取付手段は、肩ベルトが左右胸部で互いに平行するように位置することに対応して取り付けられる胸部取付パッドと;肩ベルトが胸部で背板部に行くほど互いの距離が近づくことに対応して取り付けられる肩部取付パッドと;肩部から距離が近づいた肩ベルトが背板上部で互いに交差し、下部でその距離がまた遠ざかることに対応して取り付けられる背板部取付パッドと;背板上部に位置する肩ベルトのX字状交差部を包み込むように取り付けられる交差部取付パッドと;を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
したがって、前述した課題解決手段による本発明の着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣は、トンネル内の高所作業に使用する落石防護用救命胴衣に墜落防止用安全帯を一体型に構成することによって、胴衣を迅速で便利に着用できる利点を提供でき、墜落防止用安全帯の着脱により胴衣と安全帯のうちいずれかが摩耗する場合、摩耗した構成品のみを入替えればよいため、装備の入替えによるコスト負担を低減することができる。
【0028】
また、腰兼用下体ベルトの一側をベルトの両側に形成したベルト結合部のうちいずれかに選択的に結合することができるので、一側間の連結により脚を覆い被せたり他側との連結により腰を包むことができる。なお、前記腰兼用下体ベルトの長さを自由自在に調節できるので、腰兼用下体ベルトを使用しない時や胴衣を着用しない場合は、ベルト同士の捻じりや絡み合いなしに保管できるので、収納の便利性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態に係る着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣の側面図である。
図2図1の落石防護用救命胴衣の背面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣で下体を包む状態を示す図面である。
図4】本発明の一実施形態に係る着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣で腰を包む状態を示す図面である。
図5】本発明の腰兼用下体ベルトの斜視図である。
図6図5の腰兼用下体ベルトのベルト結合部の装着状態を示す図面である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本明細書および特許請求の範囲に使用された用語や単語は、通常的或いは辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者はその自身の発明を最善の方法として説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に立ち、本発明の技術的な思想に符合する意味と概念として解釈されなければならない。
【0031】
したがって、本明細書に記載された実施形態と図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想をすべて代弁するものではないため、本出願時点においてこれらを代替することができる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0032】
以下、本発明の着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣の実施形態について添付した図面を参照しながらより詳細に説明するようにする。
【0033】
図1は本発明の一実施形態に係る着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣の側面図であり、図2図1の落石防護用救命胴衣の背面図である。
【0034】
また、図3は本発明の一実施形態に係る着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣で下体を包む状態を示す図面であり、図4は本発明の一実施形態に係る着脱可能な墜落防止用安全帯を備えた落石防護用救命胴衣で腰を包む状態を示す図面である。
【0035】
また、図5は本発明の腰兼用下体ベルトの斜視図であり、図6図5の腰兼用下体ベルトにおけるベルト結合部の装着状態を示す図面である。
【0036】
図1図2に示すように、本発明は落石防護用救命胴衣である衣服部10と、前記衣服部10に取り付けられる安全帯20と、ロープ30と、からなる。
【0037】
前記衣服部10は落石から作業者の身体を保護するための落石防護用救命胴衣に該当する。このために工事現場で使用する一般的な安全胴衣と同様に、背板及び肩部には保護クッション11と夜光や蛍光の発光手段12が形成されている。
【0038】
前記保護クッション11は衣服部10の背板と前板及び肩部の外皮から一定幅の水平長さを有するクッションが垂直方向に連続して形成されている。
【0039】
前記発光手段12は垂直方向に一列に配列されている前記保護クッション11の全体にわたって、或いは交互位置に付着されている夜光や蛍光の布部材である。
【0040】
また、前記衣服部10は作業者の首筋部を保護するように衣服部10の首部からパッド形態で突出した首保護パッド13を備え、前記首保護パッド13もやはり一定幅の水平長さを有する保護クッション11が垂直方向に連続して一列に配列されるように形成されている。
【0041】
また、前記衣服部10は背板上部の保護クッション11の間の谷部から一定部分が切開された割れ目にロープ30が連結されるようにする。
【0042】
前記ロープ30は両端にフックが設けられており、弾性力を有した所定長さの綱に該当する。
【0043】
前記ロープ30の一端は、後述する安全帯20の肩ベルト21のX字状交差部22でリング23に係合するようにし、その他端は作業支持台に係合するようにする。
【0044】
したがって、図2に示すように、肩ベルトのX字状交差部22に取り付けられているリング23は前記衣服部10の背板上部の保護クッション11の間の谷部から一定部分が切開された割れ目に露出しており、ロープ30の一端に設けられたフック(hook)31が係合される。
【0045】
図3に示すように、前記衣服部10の内皮には背板と胸板及び肩部にそれぞれ安全帯20の肩ベルト21を取り付けるための安全帯取付手段70が設けられている。
【0046】
前記安全帯取付手段70は矩形状のパッド形態を有し、衣服部10の内皮に位置する肩ベルト21の長さ方向に沿って内皮に接する部分がミシン縫い処理されている。
【0047】
また、前記安全帯取付手段70は肩ベルト21の幅に対応する寸法の2列のミシン縫いにより衣服部10の内皮に付着されている一つの面ファスナーと、ミシン縫いされた部分からの余分の両端を折って肩ベルト21の所定節を長さ方向に包みながらその両端に形成されたもう一つの面ファスナーを含み、これらの雌雄1対の面ファスナーを合わせて付けることによって、肩ベルト21を拘束するようになる。
【0048】
前記安全帯取付手段70は衣服部10の取付地点によって胸部取付パッド71、肩部取付パッド72、背板部取付パッド73、及び交差部取付パッド74からなっている。
【0049】
前記胸部取付パッド71は肩ベルト21が左右胸部で互いに平行するように位置することに対応して取り付けられている。
【0050】
また、肩部取付パッド72は左右胸部の両側肩ベルト21が背板部に行くほど互いに距離が近づくように位置することに対応して取り付けられている。
【0051】
また、背板部取付パッド73は肩部の両側肩ベルト21が背板上部で互いに交差し、下方に行くほど互いに距離が遠ざかるように位置することに対応して背板下部に取り付けられている。
【0052】
また、交差部取付パッド74は背板上部に位置する肩ベルト21のX字状交差部22を包み込むように取り付けられている。
【0053】
前記安全帯20は着用者の体重を保持できるように、引長力の強い糸で織造したベルト形態の布部材である。
【0054】
前記安全帯20は衣服部10の前面で両側が互いに平行し、後面で交差するように連結される肩ベルト21、衣服部10の胸板前面と側面を連結する胸ベルト25、脚や腰を包む腰兼用下体ベルト27からなる。
【0055】
より具体的には、前記胸ベルト25(図1に示す)は衣服部10の胸板側面と背板側面を連結し、胸板の左右全面を連結するように取り付けられるベルトである。
【0056】
前記肩ベルト21は二つのベルトの一端がそれぞれ背板内部の下段両側から上部まで互いに交差するように斜めに延びて肩部を通過し、両側の胸板からそれぞれ垂直下方に延びて、ベルトの一端でまたその他端と会うように位置して互いに左右対称をなすようにする。
【0057】
この時、肩ベルト21の一端と他端が会う部分は後述する腰兼用下体ベルト27と共に背板にミシン縫い処理されることで、互いに堅固に付着されるようにする。
【0058】
また、図3に示すように、肩ベルト21が背板で互いに斜めに交差した状態を保持するように、交差部22をクリップ9等で挟まれて固定させるようにする。
【0059】
図3ないし図6は衣服部内部に着用する安全帯の形状を具体的に示している。
【0060】
図3ないし図6に示すように、前記腰兼用下体ベルト27はその両端にそれぞれ1対のベルト結合部50が形成されている。
【0061】
前記ベルト結合部50は両端のベルトを巻き取ることができる空間を提供するように、同一形状のハウジング形態を有する1対の部材からなっており、ハウジングの先端に設けられたベルト引出し口51を通じてベルトを引出し及び挿入するようになる。
前記ベルト結合部50は肩ベルト21の一端と他端が会う部分でミシン縫いにより背板に堅く付着されている。
この時、前記ベルト結合部50はそれぞれその内部にベルトを解して自動で巻き取ることができる長さ調節手段60を備えている。
前記長さ調節手段60は腰兼用下体ベルト27の引出し及び自動巻き取りと自動停止のためのベルト用リトラクタである。
【0062】
したがって、長さ調節手段60によりベルトを引くと解れ、一定の長さ引いた後少し逃すと、その長さを保持した状態で停止し、再び少し引いた後逃すと巻き取られる構造を有する。
【0063】
前記ベルト結合部50はハウジングの先端に並んで形成されているベルト引出し口51とベルト挿入口52を備えることで、前記ベルト引出し口51から引き出されたベルトの先端をベルト挿入口52に挿入して結合するようになる。
【0064】
この時、前記ベルトの先端は、ベルト係止部53を構成するものであり、ベルト挿入口52に挿入されてその内部に係止されるようにその両端に設けられた係止片54を有する。
【0065】
したがって、図6の(a)に示すように、ベルト係止部53の両側に形成された押しボタン55を押すと、前記係止片54は(b)に示すように、ベルト係止部53の内部空間に収縮した状態で、(c)に示すように、ベルト挿入口52に挿入される。以後、押しボタン55から手を離すと、係止片54は元の位置に帰ると共に、ベルト挿入口52の内部空間に収容された状態で内壁に係止するようになる。
【0066】
同様に、ベルト係止部53の両側に形成された押しボタン55を押すと、係止片54はベルト係止部53の内部空間に収縮した状態でベルト挿入口52から離脱するようになる。
【0067】
これを通じて腰兼用下体ベルト27が長さ調節手段60により巻き取られた状態で、下体の脚部を包むために両側ベルト結合部から適正な長さだけ引き出して自動停止するようにした後、両側ベルト結合部50それぞれのベルト挿入口52にベルト係止部53を挿入することによって、下体ベルトとして使用することができるようにする。
【0068】
また、腰兼用下体ベルト27が長さ調節手段60により巻き取られた状態で腹部及び腰部を包むために一側ベルト結合部から適正な長さだけ引き出して自動停止するようにした後、他側のベルト結合部50のベルト挿入口52にベルト係止部53を挿入することによって、腰ベルトとして使用することができるようにする。
【0069】
以上、本発明は好ましい実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の範疇及び思想から外れない範囲で、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって、本発明の技術思想と後述する特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0070】
10 衣服部
11 保護クッション
20 安全帯
21 肩ベルト
25 胸ベルト
27 腰兼用下体ベルト
30 ロープ
50 ベルト結合部
51 ベルト引出し口
52 ベルト挿入口
53 ベルト係止部
54 係止片
55 押しボタン
60 長さ調節手段
70 安全帯取付手段
71 胸部取付パッド
72 肩部取付パッド
73 背板部取付パッド
74 交差部取付パッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6