(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6049044
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】基板ストレッサ領域を有する分割ゲートメモリセル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20161212BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20161212BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20161212BHJP
H01L 21/8247 20060101ALI20161212BHJP
H01L 27/115 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
H01L29/78 371
H01L27/10 434
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-534486(P2015-534486)
(86)(22)【出願日】2013年7月31日
(65)【公表番号】特表2015-536047(P2015-536047A)
(43)【公表日】2015年12月17日
(86)【国際出願番号】US2013052846
(87)【国際公開番号】WO2014051855
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2015年3月25日
(31)【優先権主張番号】13/631,490
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】タダヨニ マンダナ
(72)【発明者】
【氏名】ドー ニャン
【審査官】
上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−044164(JP,A)
【文献】
特開2010−141003(JP,A)
【文献】
特開2001−326289(JP,A)
【文献】
特開2014−103345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336,21/8247,
27/115,
29/788,29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスであって、
第1の導電型の半導体材料の基板と、
前記基板内で間にチャネル領域を有する、第2の導電型の前記基板内の第1及び第2の離間した領域と、
前記基板上にあって前記基板から絶縁された導電性浮遊ゲートであって、前記第1の領域及び前記チャネル領域の第1の部分の上に少なくとも部分的に配置される浮遊ゲートと、
前記浮遊ゲートに横方向に隣接し、前記浮遊ゲートから絶縁された導電性の第2のゲートであって、前記チャネル領域の第2の部分の上に少なくとも部分的に配置され、かつ、それから絶縁された第2のゲートと、
前記チャネル領域の前記第2の部分及び前記第2のゲートの真下に前記基板に形成された埋め込みシリコンカーバイドのストレッサ領域と、を含み、
前記チャネル領域の前記第1の部分の真下には、埋め込みシリコンカーバイドのストレッサ領域が形成されていない、メモリデバイス。
【請求項2】
前記第2のゲートが、前記浮遊ゲートに横方向に隣接し前記浮遊ゲートから絶縁された第1の部分と、前記浮遊ゲートの上に延在し、前記浮遊ゲートから絶縁された第2の部分と、を有する、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記浮遊ゲートの一方の側の横にあり、前記浮遊ゲートから絶縁された導電性のプログラム/消去ゲートであって、前記第1の領域の上に少なくとも部分的に配置され、かつ、前記第1の領域から絶縁されたプログラム/消去ゲートをさらに含み、
前記第2のゲートは、前記浮遊ゲートの前記一方の側の反対側の横にあって、前記浮遊ゲートから絶縁される、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記浮遊ゲートの上にあって前記浮遊ゲートから絶縁された導電性の制御ゲートと、
前記浮遊ゲートの一方の側の横にあり、前記浮遊ゲートから絶縁された導電性の消去ゲートであって、前記第1の領域の上に少なくとも部分的に配置され、かつ、前記第1の領域から絶縁された消去ゲートと、をさらに含み、
前記第2のゲートは、前記浮遊ゲートの前記一方の側の反対側の横にあって、前記浮遊ゲートから絶縁される、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記ストレッサ領域の上の前記基板の表面部分が歪シリコン層であり、前記チャネル領域の前記第2の部分を形成するように、前記ストレッサ領域は前記基板の表面の真下に配置される、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
メモリデバイスを形成する方法であって、
第1の導電型の半導体材料の基板を提供する工程と、
前記基板内で間にチャネル領域を有する、第2の導電型の前記基板内の第1及び第2の離間した領域を形成する工程であって、前記チャネル領域が第1及び第2の部分を有する工程と、
前記チャネル領域の前記第2の部分の真下に前記基板に埋め込みシリコンカーバイドのストレッサ領域を形成する工程であって、前記チャネル領域の前記第1の部分の真下には、埋め込みシリコンカーバイドのストレッサ領域が形成されていない、工程と、
前記基板上にあって前記基板から絶縁された導電性浮遊ゲートであって、前記第1の領域及び前記チャネル領域の前記第1の部分の上に少なくとも部分的に配置される浮遊ゲートを形成する工程と、
前記浮遊ゲートに横方向に隣接し、前記浮遊ゲートから絶縁された導電性の第2のゲートであって、前記チャネル領域の前記第2の部分の上に少なくとも部分的に配置され、かつ、それから絶縁され、かつ、前記ストレッサ領域の上に配置される第2のゲートを形成する工程と、を含む方法。
【請求項7】
前記第2のゲートは、前記浮遊ゲートに横方向に隣接し前記浮遊ゲートから絶縁された第1の部分と、前記浮遊ゲートの上に延在し前記浮遊ゲートから絶縁された第2の部分と、を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記浮遊ゲートの一方の側の横にあり、前記浮遊ゲートから絶縁された導電性のプログラム/消去ゲートであって、前記第1の領域の上に少なくとも部分的に配置され、かつ、前記第1の領域から絶縁されたプログラム/消去ゲートを形成する工程をさらに含み、
前記第2のゲートは、前記浮遊ゲートの前記一方の側の反対側の横にあって、前記浮遊ゲートから絶縁される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記浮遊ゲートの上にあって前記浮遊ゲートから絶縁された導電性の制御ゲートを形成する工程と、
前記浮遊ゲートの一方の側の横にあり、前記浮遊ゲートから絶縁された導電性の消去ゲートであって、前記第1の領域の上に少なくとも部分的に配置され、かつ、前記第1の領域から絶縁された消去ゲートを形成する工程と、をさらに含み、
前記第2のゲートは、前記浮遊ゲートの前記一方の側の反対側の横にあって、前記浮遊ゲートから絶縁される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記ストレッサ領域の上の前記基板の表面部分が歪シリコン層であり、前記チャネル領域の前記第2の部分を形成するように、前記ストレッサ領域は前記基板の表面の真下に配置される、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記基板の埋め込みシリコンカーバイドの前記ストレッサ領域を形成する前記工程は、 前記基板にリセス領域を形成するために前記基板の表面から半導体材料を選択的にエッチングする工程と、
前記リセス領域にシリコンカーバイドを成長させる工程と、
前記シリコンカーバイド上に半導体材料を堆積させる工程と、を含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分割ゲート不揮発性フラッシュメモリセル及びその製造方法に関し、特にワードラインゲートの下の基板にストレッサ領域を有するメモリセルに関する。
【背景技術】
【0002】
選択ゲート、浮遊ゲート、制御ゲート、及び消去ゲートを有する分割ゲート不揮発性フラッシュメモリセルは、当該技術分野において周知である。例えば米国特許第6,747,310号、同第7,868,375号、及び同第7,927,994号、並びに米国特許出願公開第2011/0127599号を参照されたい(これらは全て本明細書に、全体にわたりあらゆる目的で参照によって組み込まれる)。そのような分割ゲートメモリセルは、基板内にソースとドレインとの間に延在するチャネル領域を含む。チャネル領域は、浮遊ゲートの下に第1の部分(以下FGチャネルと呼び、その導電性は浮遊ゲートによって制御される)、及び選択ゲートの下に第2の部分(以下「WLチャネル」(ワードライン)、その導電性は選択ゲートによって制御される)を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
読み出し、プログラム、及び消去の性能を向上し、動作電圧を低減するために、様々な絶縁体及び他の厚さが最適化される場合がある。しかしながら、セルの形状の最適化だけでは行えない、更なるセルの最適化に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
優れたセルの最適化は、第1の導電型の半導体材料の基板と、基板内で間にチャネル領域を有する、第2の導電型の基板内の第1及び第2の離間した領域と、基板上にあって基板から絶縁された導電性浮遊ゲートであって、第1の領域及びチャネル領域の第1の部分の上に少なくとも部分的に配置される浮遊ゲートと、浮遊ゲートに横方向に隣接し、浮遊ゲートから絶縁された導電性の第2のゲートであって、チャネル領域の第2の部分の上に少なくとも部分的に配置され、かつ、それから絶縁された第2のゲートと、第2のゲートの下の基板に形成された埋め込みシリコンカーバイドのストレッサ領域と、を有するメモリデバイスによって実現された。
【0005】
メモリデバイスを形成する方法は、第1の導電型の半導体材料の基板を提供する工程と、基板内で間にチャネル領域を有する、第2の導電型の基板内の第1及び第2の離間した領域を形成する工程であって、チャネル領域が第1及び第2の部分を有する工程と、基板に埋め込みシリコンカーバイドのストレッサ領域を形成する工程と、基板上にあって基板から絶縁された導電性浮遊ゲートであって、第1の領域及びチャネル領域の第1の部分の上に少なくとも部分的に配置される浮遊ゲートを形成する工程と、浮遊ゲートに横方向に隣接し、浮遊ゲートから絶縁された導電性の第2のゲートであって、チャネル領域の第2の部分の上に少なくとも部分的に配置され、かつ、それから絶縁され、かつ、ストレッサ領域の上に配置される第2のゲートを形成する工程と、を含む。
【0006】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、及び添付の図面を見直すことによって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明のストレッサ領域を有する4ゲートメモリセルの側断面図である。
【
図2A】本発明による不揮発性メモリセルを製造するプロセスにおける工程を図示する側断面図である。
【
図2B】本発明による不揮発性メモリセルを製造するプロセスにおける工程を図示する側断面図である。
【
図2C】本発明による不揮発性メモリセルを製造するプロセスにおける工程を図示する側断面図である。
【
図2D】本発明による不揮発性メモリセルを製造するプロセスにおける工程を図示する側断面図である。
【
図2E】本発明による不揮発性メモリセルを製造するプロセスにおける工程を図示する側断面図である。
【
図2F】本発明による不揮発性メモリセルを製造するプロセスにおける工程を図示する側断面図である。
【
図2G】本発明による不揮発性メモリセルを製造するプロセスにおける工程を図示する側断面図である。
【
図2H】本発明による不揮発性メモリセルを製造するプロセスにおける工程を図示する側断面図である。
【
図2I】本発明による不揮発性メモリセルを製造するプロセスにおける工程を図示する側断面図である。
【
図2J】本発明による不揮発性メモリセルを製造するプロセスにおける工程を図示する側断面図である。
【
図2K】本発明による不揮発性メモリセルを製造するプロセスにおける工程を図示する側断面図である。
【
図2L】本発明による不揮発性メモリセルを製造するプロセスにおける工程を図示する側断面図である。
【
図2M】本発明による不揮発性メモリセルを製造するプロセスにおける工程を図示する側断面図である。
【
図3】本発明のストレッサ領域を有する3ゲートメモリセルの側断面図である。
【
図4】本発明のストレッサ領域を有する2ゲートメモリセルの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の不揮発性メモリセル10の断面図を示す。
図1のメモリセル10は、本発明の手法から利益を得ることができるタイプの例示であるが、ほんの一実施例であり、限定するものと見なされるべきではない。メモリセル10は、実質的に単結晶シリコンなどの第1の導電型(例えばP導電型)の単結晶基板12で製造される。基板12内は、第2の導電型の領域14である。第1の導電型がPである場合は、第2の導電型はNである。領域14から離間しているのは、第2の導電型の別の領域16である。領域14と16との間は、WLチャネル18a及びFGチャネル18bを含むチャネル領域18であり、領域14と領域16との間で電荷の伝導を提供する。
【0009】
基板12の上方に位置付けられ、基板12から離間して絶縁されているのは、ワードライン20としても知られる選択ゲート20である。選択ゲート20は、チャネル領域18の第1の部分(即ち、WLチャネル部分18a)の上に位置付けられる。チャネル領域18のWLチャネル部分18aは、領域14に直ぐに当接する。したがって、選択ゲート20は、領域14とほとんど重ならないか、又は全く重ならない。浮遊ゲート22もまた、基板12の上方に位置付けられ、基板12から離間して絶縁される。浮遊ゲート22は、チャネル領域18の第2の部分(即ち、FGチャネル部分18b)及び領域16の一部の上に位置付けられる。チャネル領域18のFGチャネル部分18bは、チャネル領域18のWLチャネル部分18aとは異なる。したがって、浮遊ゲート22は、選択ゲート20から横方向に離間して絶縁され、選択ゲート20に隣接する。消去ゲート24は、領域16の上に位置付けられ、領域16から離間して、基板12から絶縁される。消去ゲート24は、浮遊ゲート22から横方向に絶縁され離間する。選択ゲート20は、浮遊ゲート22の片側に寄り、消去ゲート24は、浮遊ゲート22の別の側に寄る。最後に、浮遊ゲート22の上方に位置付けられ、そこから絶縁され離間しているのは、制御ゲート26である。制御ゲート26は、消去ゲート24と選択ゲート20との間に位置付けられ、これらから絶縁される。
【0010】
WLチャネル18aは、選択ゲート20の下の基板12に埋め込みシリコンカーバイドのストレッサ領域19を含む。ストレッサ領域19は、ストレッサ領域19の上の歪シリコン層19aの形でWLチャネル18aに引張歪を誘発する。ストレッサ領域19及び歪シリコン層19aは電子移動度を増強させて、目標読み出し電流(Iread)を維持しながらオフ読み出し電流(Ioff)を減少させるために用いられるより高いしきい値電圧(Vt)を可能にする。さらに、その広いバンドギャップにより、シリコンカーバイドストレッサ領域19は電子輸送に対するエネルギー障壁を導き、それはIoffをさらに減少させる。
【0011】
セルサイズが縮小されるので、本発明は重要である。具体的には、WLチャネル部分18aの長さがより短縮化され、ワードラインしきい値電圧(Vtwl)が所望のセル電流に対して最適化されるので、読み出し動作中のリークは4倍に増加する可能性がある。下記の表1は、ワードラインの限界寸法が0.15μmから0.11μmに縮小される場合のメモリセル10(ストレッサ領域19がない)の動作性能パラメータの変化を示す。
【0013】
より小さいメモリセル寸法は、結果として、Vtが10パーセント以上低下すると共に、オフ読み出し電流(Ioff)が4倍になる。
【0014】
しかし、下記の表2は、ストレッサ領域19のない、及びストレッサ領域19のある0.11μmのワードライン限界寸法を有するメモリセル10の動作性能パラメータを示す。
【0016】
ストレッサ領域19を含むことによって、オフ読み出し電流(Ioff)が本質的に0.15μmメモリセルのそれに減少する(即ち1/4に低下する)が、高い読み出し電流(Iread)及び高電圧Vtは維持される。したがって、ストレッサ領域19は、メモリセル10の性能を著しく高める(目標Ireadを維持しながらIoffを減少させるために用いられるより高いVtを可能にし、さらに電子輸送に対するエネルギー障壁を導くことによりIoffをさらに減少させる)。
【0017】
図2A〜
図2Mは、4ゲート不揮発性メモリセル10を製造するプロセスにおける工程の断面図を示す。
図2Aから始まり、二酸化シリコン40の層が、基板12(例えばP型単結晶シリコン)の上に形成される。90〜120nmのプロセスでは、二酸化シリコンの層40は、約80〜100オングストロームであり得る。その後、ポリシリコン(又はアモルファスシリコン)の第1の層42が、二酸化シリコンの層40の上に堆積又は形成される。ポリシリコンの第1の層42は、約300〜800オングストロームであり得る。ポリシリコンの第1の層42は、その後選択ゲート20に垂直の方向にパターン化される。
【0018】
図2Bを参照すると、二酸化シリコン(又は更には、ONOなどの複合層)などの別の絶縁層44は、ポリシリコンの第1の層42上に堆積されるか、又は形成される。材料が二酸化シリコンであるかONOであるかに応じて、層44は、約100〜200オングストロームであり得る。ポリシリコンの第2の層46は、次に層44上に堆積されるか、又は形成される。ポリシリコンの第2の層46は、約500〜4000オングストロームの厚さであり得る。絶縁体の別の層48は、ポリシリコンの第2の層46上に堆積されるか、又は形成され、その後のドライエッチング中のハードマスクとして使用される。好ましい実施形態では、層48は、窒化ケイ素48a、二酸化シリコン48b、及び窒化ケイ素48cを含む複合層であり、その寸法は、層48aについては200〜600オングストローム、層48bについては200〜600オングストローム、及び層48cについては500〜3000オングストロームであり得る。
【0019】
図2Cを参照すると、フォトレジスト材料(図示せず)は、
図2Bに示される構造の上に堆積され、またマスキング工程が形成されて、フォトレジスト材料の選択された部分を露出する。フォトレジストは発達し、そのフォトレジストをマスクとして使用して、構造がエッチングされる。複合層48、ポリシリコンの第2の層46、絶縁層44は、次にポリシリコンの第1の層42が露出されるまで異方性エッチングされる。これに伴う構造を
図2Cに示す。2つの「積層体」S1及びS2だけが示されるが、互いに分離した多くのそのような「積層体」が存在することは明らかである。
【0020】
図2Dを参照すると、二酸化シリコン49は、その構造上に堆積されるか、又は形成される。この後に窒化ケイ素層50の堆積が続く。二酸化シリコン49及び窒化ケイ素50は、異方性エッチングされ、積層体S1及びS2のそれぞれの周囲に(二酸化シリコン49及び窒化ケイ素50の混合である)スペーサ51を残す。これに伴う構造を
図2Dに示す。
【0021】
図2Eを参照すると、フォトレジストマスクは、積層体S1とS2との間、及び他の代替の対の積層体の間の領域上に形成される。この議論のために、積層体S1とS2との間のこの領域を「内側領域」と呼び、フォトレジストによって覆われない領域を「外側領域」と呼ぶ。外側領域内の露出した第1のポリシリコン42は、異方性エッチングされる。酸化物層40は、同様に異方性エッチングされる。これに伴う構造を
図2Eに示す。
【0022】
図2Fを参照すると、フォトレジスト材料は、
図2Eに示される構造から除去される。酸化物の層52が、次に堆積されるか、又は形成される。酸化物層52は次に、積層体S1及びS2に隣接したスペーサ52を残す異方性エッチングの対象となる。これに伴う構造を
図2Fに示す。
【0023】
図2Gを参照すると、フォトレジスト材料は、次に堆積され、またマスクされて積層体S1とS2との間の内側領域内の開口部を残す。再度、
図2Eに示される図面と同様に、フォトレジストは他の代替の対の積層体間にある。積層体S1とS2との(及び他の代替の対の積層体)間の内側領域内のポリシリコン42は、異方性エッチングされる。ポリシリコン42の下の二酸化シリコン層40もまた、異方性エッチングされてもよい。これに伴う構造は、領域16を形成する高電圧イオン注入の対象となる。これに伴う構造を
図2Gに示す。
【0024】
図2Hを参照すると、内側領域内の積層体S1及びS2に隣接する酸化物スペーサ52は、例えばウェットエッチング又はドライ等方性エッチングによって除去される。
図2Iを参照すると、積層体S1及びS2の外側領域内のフォトレジスト材料は除去される。二酸化シリコン54は、至る所に堆積されるか、又は形成される。これに伴う構造を
図2Iに示す。
【0025】
図2Jを参照すると、この構造は、再度フォトレジスト材料によって覆われ、またマスキング工程が実施されて積層体S1及びS2の外側領域を露出し、かつ積層体S1とS2との間の内側領域を覆うフォトレジスト材料を残す。酸化物異方性エッチングは、積層体S1及びS2の外側領域内のスペーサ54の厚さを低減するため、また二酸化シリコンを外側領域内の露出したシリコン基板12から完全に除去するために実施される。これに伴う構造を
図2Jに示す。
【0026】
図2Kを参照すると、シリコンカーバイド領域がエピタキシャル成長によって形成され、基板12に埋め込みシリコンカーバイドのストレッサ領域19を形成する。WLチャネル注入(WLチャネル領域18aの)の前に、基板12の表面から選択的にシリコンをエッチングするためにフォトリソグラフィマスキングプロセスが用いられ、シリコンカーバイド層が意図されるリセス領域を形成する。それから、所望の厚さを有するシリコンカーバイド層は、選択的エピタキシーによりリセス領域で成長される。次に、化学的気相成長法により、Siの薄層がシリコンカーバイド層(結果として歪シリコン層19aになる)の上部に堆積される。それから、二酸化シリコンの薄層56が構造上に形成される。この酸化物層56は、選択ゲートと基板12との間のゲート酸化物である。
【0027】
図2Lを参照すると、ポリシリコンは至る所に堆積され、これは次に、コモン領域16を共有しながら互いに隣接する2つのメモリセル10の選択ゲート20を形成する積層体S1及びS2の外側領域内のスペーサを形成する異方性エッチングの対象となる。加えて、積層体S1及びS2の内側領域内のスペーサは結合されて、2つの隣接するメモリセル10によって共有される単一の消去ゲート24を形成する。
【0028】
図2Mを参照すると、絶縁体の層62が構造上に堆積され、選択ゲート20の隣にスペーサ62を形成するように異方性エッチングされる。絶縁体62は、二酸化シリコン及び窒化ケイ素を含む複合層であり得る。その後、イオン注入工程が実施され、領域14を形成する。別の面でこれらのメモリセルのそれぞれがコモン領域14を共有する。絶縁体層及び金属化層は、その後堆積され、ビット線70及びビット線コンタクト72を形成するようにパターン化される。プログラム、読み出し、及び消去の操作並びに特に適用される電圧は、米国特許第6,747,310号に記載のものと同じであってよく、その開示は全体にわたり本明細書に参照として組み込まれる。結果として得られるメモリセル10は、
図2Mに図示される。
【0029】
WLチャネルにおけるストレッサ領域19の形成を他の分割ゲートメモリセル構成に実装することができる。例えば、米国特許第7,315,056号は、3ゲート(浮遊ゲート、制御ゲート、及びプログラム/消去ゲート)による分割ゲートメモリセルを開示し、あらゆる目的で全体にわたり本明細書に参照として組み込まれる。
図3は、WLチャネル内にストレッサ領域19を含むように改善された3ゲートメモリセルを示す。具体的には、このメモリセル構成は、浮遊ゲート80、浮遊ゲート80に横方向に隣接して浮遊80の上に延在する制御ゲート82、及び浮遊ゲート80の別の側にあって浮遊ゲート80の上に延在するプログラム/消去ゲート84を含む。
【0030】
米国特許第5,029,130号は、2ゲート(浮遊ゲート及び制御ゲート)による分割ゲートメモリセルを開示し、あらゆる目的で全体にわたり本明細書に参照として組み込まれる。
図4は、FGチャネル内にストレッサ領域19を含むように改善された2ゲートメモリセルを示す。具体的には、このメモリセル構成は、浮遊ゲート90、及び浮遊ゲート90に横方向に隣接して浮遊ゲート90の上に延在する制御ゲート92を含む。
【0031】
本発明は、本明細書で上述及び例示される実施形態(複数可)に限定されるものではないが、添付の特許請求の範囲内にあるありとあらゆる変更例を包含することは理解されるべきである。例えば、本明細書における本発明に対する言及は、いかなる特許請求の範囲又は特許請求の範囲の用語も限定することを意図するものではなく、代わりに特許請求の範囲の1つ以上によって包含され得る1つ以上の特徴に言及するにすぎない。上述される材料、プロセス、及び数値例は単に例示であり、特許請求の範囲を限定すると見なされるべきではない。例えば、特許請求及び明細書を見てわかるように、全ての方法の工程が例示又は請求した正確な順序で実施される必要はなく、むしろ任意の順序で本発明のメモリセルの適切な形成が可能である。最後に、単一層の材料をそのような又は同様の材料の複数層として形成することができ、逆もまた同様である。
【0032】
本明細書で使用される場合、「の上に(over)」及び「の上に(on)」という用語は両方とも、「の上に直接(directly on)」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に何ら配置されない)、及び「の上に間接的に(indirectly on)」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に配置される)を包括的に含むことに留意するべきである。同様に、「隣接した」という用語は「直接隣接した」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に何ら配置されない)、及び「間接的に隣接した」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に配置される)を含み、「取付けられた」は、「直接取り付けられた」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に何ら配置されない)、及び「間接的に取付けられた」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に配置される)を含み、「電気的に結合された」は、「直接電気的に結合された」(中間物質、又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結しない)、及び「間接的に電気的に結合された」(中間物質、又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結する)を含む。例えば、要素を「基板の上に」形成することは、その要素を基板の上に直接、中間材料/要素をそれらの間に何ら伴わずに、形成すること、並びにその要素を基板の上に間接的に、1つ以上の中間材料/要素をそれらの間に伴って、形成することを含み得る。